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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 抜き身の感情で容赦無く斬りつけてくるのマジ勘弁して、第3話。もう、どこを切り取っても超濃い味しかないんだけど、片や砂糖菓子みたいなだだ甘いシーンで、片や豚骨ラーメンみたいなギトギトの油分で。満干全席に殺される。

 まずは砂糖パート。前回衝撃の引きを見せたえっちゃんこと絵鳩早苗ちゃん。彼女と花火の馴れ初めが語られ、彼女の切実な想いも明らかになった。どうやら花火は持ち前の我の強さがプラスに働いたらしく、えっちゃんの中では救世主的な存在。ついでに花火の場合は割と見た目もよさげなので、元々そっちの素質があったえっちゃんはコロッと落ちてしまったということなのだろう。しかしまぁ、そんな秘めたる思いの桜Trickならずっと秘めたままで終わらせても良かったのだろうが、熱視線を送っているうちに気がついてしまった花火の「違和感」は、どうしても無視出来るものではなかった。花火と麦の間の「恋人」関係に疑念を持ったえっちゃんは、ブレーキをかけなければいけないとは分かりつつも、同じ布団の中、辛抱たまらず暴走モードへ。でもまぁ、この状況で我慢出来なくなるのはしょうがないだろう。相手が無意識なのも本当にたちの悪いことで。

 今回の暴走について、えっちゃんは自身で「賭け」と評している。麦との関係が「怪しい」というその一点のみを理由に、もしそれが例えば「麦と嫌々付き合わされている」みたいな状況であれば、自分が花火の助けになり、そのまま「おいしい」ポジションに入り込むことも不可能ではないかもしれないのだ。もちろん全て打算で動いたわけでもなかろうが、えっちゃんにはそうした希望があった。何しろ「ピュアな」花火なのだ。彼女が好きでもない人間と付き合っているなら、きっとそこには「花火の悩み」の本質が隠されているに違いない。

 しかし残念ながら、花火の悩みはえっちゃんの想像の斜め上を行くものだった。彼女の本質はピュアはピュアでも純正の「クズ」。麦との関係性は納得づくのもので、そこにえっちゃんの立ち入る隙間はなかったのだ。結局、感情を吐露するだけで終わってしまったえっちゃんの暴れ損。花火からすれば新たに「好意」が自分に叩きつけられたことで、その重さを初めて認識し、悩まされることになる。「興味のない他人からの好意は害悪」と以前言い切っていた彼女。そこに、「恋愛対象になるとも思っていなかった友人」という領域外からの刃が突き刺さり、さらにモカからの悲痛な懇願を叩きつけられることで、自身がこれまで唾棄すべきだと思っていた存在と大差無かったという事実を叩きつけられる。好きという感情は圧倒的な熱量を持った「情」であり、それを無下に蹴ることも出来ないという窮地。そして、自分はそんな感情を抱えながら、それを本来の対象にぶつけずに、麦という代替物でまかなっていたのだ。感情をぶつけられる麦のことを考えれば、改めて自身の「クズ」っぷりを認識せざるを得ない。

 えっちゃんとの関係性がこの先どうなるかはまだ分からない。しかし、改めて麦との関係性を考え直すことは迫られたのだ。そして、麦の部屋にシーンを移し、今度は砂糖から一転して「油分」のパートである。過去の火遊びの記憶を夢に見て身体の一部が元気になってしまった麦と、たまたまその現場に居合わせて男の何たるかを見せつけられる花火。興味が無いわけではないし、むしろここで麦が襲い掛かってくるような人間だったら話は簡単。麦に主導権を握られたことにして、あとはズルズルと「駄目な」関係を深めていけば良かったのだろう。しかし麦は未だブロックを崩さない。花火が「楽になりたくて」布団に潜り込んで接近を試みたというのに、この圧倒的物量の据え膳をも、彼はギリギリのところで食わぬ選択に至ったのである。条約通りの清い(?)関係性。しかしそれは、「楽だった」はずの麦との関係性において、初めて非対称を成した歪みでもある。「好きになれば楽になれる」と歩を進める花火に対し、「恋は盲目」の麦は全く動かない。そして、精神的にも肉体的にも、自分と麦は違うのだということを見せつけられて花火は窮するばかり。このまま麦との歪な関係を続けることは、親友であるえっちゃんの訴えを無視することにつながってしまうのだ。

 そして、そんな悩みを抱えたある夜に訪れる3つ目の味わい。酸味か、えぐみか。関係性の渦中にある麦の憧れの人、茜先生の「真実」の暴露。そりゃまぁ、花火たちだって人のことを言えた義理でもなかろうが、彼女は思った以上にアレな人。まぁ、男をどう転がそうと彼女の人生なのだから自由には違いない。元々麦だって中学生男子の青い恋心をこじらせただけの関係性であり、現在見える茜の「真の姿」とは別次元に憧れが存在していたのだ。しかし、そうして「見えない」「見ない」麦と違って、花火は同性のよしみもあり、茜の姿がどこまでもくっきりと見えている。あけすけな彼女の、自分とはまた違った人生観を見せつけられる。花火は茜に対する感情を「嫌悪」と表したが、さて、彼女が「嫌う」のは茜のどんな部分なのだろうか。2人の男の間で飛び回る彼女を「嫌う」権利は花火にはない。自分だって、思い人とは別の男に肉体関係を強要する「クズ」であるのだ。しかし、それでも彼女は嫌わずにいられない。そんな関係を謳歌している茜を。そして、麦の気持ちに気付いているだろうに、それを弄び一瞥に付さない彼女のコトを。この怒りは、自分のためか、麦のためか。

 グルグル回る花火の気持ち。そしてそれを取り巻く数々の情念。一筋縄ではいかぬ世界。そろそろ胃もたれも限界レベルだぞ。

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 なんなんこの世界?! 第2話。なんかもう、劇物しか存在してないんですが。とりあえず真っ先に書いておくと、女性キャスト陣のスペック高すぎやしませんかね? ちかぺとしーたむの時点で顔面偏差値高すぎやろ、って思ってたら、戸松・津田・藤井と次々放り込まれるキャスト陣。畜生、信長ァ! 俺、生まれ変わったら島崎信長になるよ。

 キャストの問題はさておいて、とにかく濃密な関係性がただひたすらに垂れ流されるという原液どっぷりの超濃度。助けてください、こういうの大好きなんです。「ユーフォ」で似たような味わいがあったような気もするが、あちらはまだ「部活という青春」がテーマだったので、発散する先があるというか、エネルギーが熱に転換する余地があったのだが、こちらは溜まった情念を吐き出す先がない地獄絵図の青春絵巻。燻る花火に淀む麦。そこに百合属性持ちのえっちゃん(絵鳩さんというらしい)まで飛び込んできて、もう、好きとか嫌いとか、最初に言ったのは誰なのかしら!?

 まず、2話目でもう説明不要だとばかりにドロドロダルダルする花火と麦の関係がたまらない。二人とも一切の迷いがない「代理カップル」っぷりで、こういう展開の恋愛ものってのも少女漫画を中心に割と色んなところに転がっている題材のはずなのだが、この2人は元々の属性が「クズ」であり、割り切り方が何とも捻れている。いや、正直言うと麦の方の気持ちは一切理解も共感も出来ないんだけどさ。思い人への義理と操を立てるため、花火とは「最後」まで至らないことで合意してるようなのだが、健全な男子高校生がそんなんで我慢出来るわけないんだよ。そこを乗り越えてしまっている時点で麦はすでに理解の範疇を超えている。仙人か何かか。ただ、憧れの先生が相手なら、脳内妄想から汚すのも余裕っていうあたりはリアルに男の子なんだよなぁ。そこで花火を「食う」のではなく「手慰みにする」程度にしているのが、意志が強いんだか弱いんだか……。一番のクズは多分こいつなんじゃないかと思うのだが、単なるプレイボーイじゃないあたりが逆にムカつく存在である。

 それに比べて、一応花火の方の心境は理解出来る。何度も何度も「本命はお兄ちゃん」ということが確認されているし、彼女の方から麦に対して肉体的な接触を持とうとはしていない受け身の姿勢なので、あくまでも「表面上限定」という契約は保たれている……いや、あれだけスキンシップとってる時点でアウトって意見もあるが。彼女の場合、そうして麦の方にイニシアティブを握らせて現在の関係性を甘受しているあたりがクズ。あれだけの関わり合いを持ちながら自分の感情は整理が出来ていると思っていて、友達が恋愛相談で二股に悩む様を見ても、「共感出来ない」とバッサリ。つまり、彼女自身は「二股」という認識は一切無いのだ。あくまでお兄ちゃん一筋だと認識しているのだ。うわぁ。なんだこいつら。

 そんなつかず離れずの奇跡的(にクズ)な関係に、さっそくぶっ込んできたぞ、モカちゃんこと鴎端のり子君。ヘボットみてぇな声しやがって、と思ったけどそこまでヘボットではなくてよかった。彼女は、今作では貴重な「熱を発散してくれる排気口」である。そして、彼女がかき回せばかき回すほど、花火と麦の関係は取り返しがつかない方向へと醸成されていく。モカに対しているときの花火のテンションは間違いなく「本音」の部分だろう。今後も是非ともテンション高めで引っかき回してもらいたい。そして、謎の関わりを見せてしまった「親友」のえっちゃん……。カットが変わるわずかな瞬間に理性消し飛んでて爆笑した。「戸松は百合向きじゃないんだよなぁ」とか思って見てたんだけど、違うわ、この百合は戸松だわ。暴走機関車だわ。さて、花火さん、貴重な「友達」の行動をどう裁いてくれるんでしょうね。

 とりあえず、このまま三股を維持していくってのはどうでしょうか。百合も楽しめる、ダイレクトな絡みも楽しめる、そして片思いな純情も楽しめる。1人のヒロインで3度おいしい。これこそがクズの本懐。

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 ロリっ子の愛らしさが恐ろしい第17話。そりゃま、作画は毎度バッチリだし、デザインもすごく綺麗なんだからどんなキャラでもそれなりに引き立つのだが……本気のロリっ子はヤバい。思い返せばロリ椿とかショタ公生とか、どこもかしこも破壊力はあったよな。

 メインシナリオに食い込むような、そうでもないようなジリジリした展開。全体的なシリーズ構成を考えれば一応扱いとしては「サブ」カテゴリになるのだろうか。凪ちゃんを中心とした、別な中学校での学祭までの流れを描く。おかげで今回のメインヒロインは文句無しで金髪ツインテロリっ子の凪ちゃんである。ロリっ子と言っても中学一年生なんだから本人はそこそこ大人のつもりなのだろうが、立ち居振る舞いがいちいち子供らしいし、デザインもどっからどう見ても小学生だ。まぁ、学内で陰口叩かれてるシーンでも「ロリコンに好かれそう」みたいなこと言われてたから、この世界の中でもロリっ子で通っているのは間違いないんだけどな。

 で、そんな凪ちゃんだが、元々は「お兄ちゃん大好き」が高じてそのライバルである公生を滅するために潜入したスパイのはずだったが、いつの間にやら公生のことも割と気になる存在になっており、反発しながらも、瀬戸先生と阿吽の呼吸でもって落ち込んだ公生のサポートに回ったりしている。本人は今でも「有馬は憎き敵であり、自分はアイツを困らせるために潜入しているのだ」っていう気持ちは崩してないんだろうけど、何しろ幼女なものだから(?)割と簡単に籠絡され、今ではすっかり仲の良い師弟コンビになっているのであった。素直にお話している時の凪ちゃんは本当に可愛くて、ちゃんと公生を気遣ってくれているのが分かるし、公生への気持ちもじわっとにじみ出て実に幼気である。ただでさえ目の大きなデザインの今作の中でも一際くりくりと目が大きく、それが表情豊かに動くところが実に愛らしい。かやのんボイスもどストライクではまっており、途中参加のくせに充分既存のヒロイン勢を打ち破るだけのパワーがあるのではなかろうか。まぁ、本人は打ち破るつもりはないんだろうけども。そもそもそういう見方する作品ですらないけど。

 そんな凪ちゃんのスランプは、一言で言ってしまえば「音楽辛いよ〜」ということである。武士の妹でもあるので、元々才能はあったのだろう。これまでの人生ではその有り余る才能を活かして自由に生き、演奏を楽しんで来たのだと思う。しかし、中学にあがり、そろそろ世間が見えてくる歳になる。同じ学年には三池君という大きなライバルもいるし、回りからの期待、風当たりはどちらも強くなっている。この状況に放り出されて、初めてプレッシャーを感じて挫けそうになるのは、この歳の女の子ならば当然のことである。間の悪いことに先生を務める公生は上の空だし、精一杯頑張ってみても、不安は募るばかり。ちょっとくらい瀬戸先生に駄々をこねてもバチは当たるまい。瀬戸先生も、そんな凪ちゃんの様子を一瞬だけ公生の過去と重ね合わせ、「今度は失敗すまい」ってんで冷静かつ的確な対処で彼女のメンタルを救っている。偶然とはいえ、良い師匠をもったもんである。幼女を使って足首を固める時だって、ちゃんとペダルを踏む右足ははずすようにいってるしね!

 折良く、公生は自分の目的のために学祭の演奏に加わることを提案。凪ちゃんはこの申し出を快く受け、師匠と2人での大舞台に挑戦だ。目指しているものは多少違ってこそいるが、2人が「舞台で成功したい」という気持ちは同じ。公生は宮園に向かって、凪はそんな公生を含む回りの全てに向かって、自分の成長を見せつけてやるのが目的なのだ。その結果は、おそらく2人の願った通りになったのだろう。公生、ちゃんと舞台上でも結果を出せるようになってきたなぁ。

 そして、そんな公生のやる気を起こさせたのは、当然メインヒロイン宮園かをりちゃんの現状である。前回「心中しよう」という衝撃の発言が口をついた宮園。冗談めかしてはいるが、これは彼女が初めて周囲の人間に漏らした弱音である。よりにもよって過去の記憶が重なってしまう公生にそんなことを言ってしまったことは宮園本人も後悔していたようだが、それが押しとどめられないくらいに、彼女の状態は良くないものなのであろう。結局、その言葉を受け止めきれずに公生は塞ぎこんでしまう。回りの人間も、あの日宮園が病室で取り乱した場面を見ているのでただならぬ状態であることは察しているため、なかなか気軽に彼女の話題にも触れにくい。それでもなんとか公生を誘って見舞いに行こうとするが、公生にとってそれは重荷である。結局椿からの申し出は受け入れることが出来なかった。しかし、公生にはもう1人の大切な友達がいるのである。渡によって再び持ち出された見舞いの話。同様に拒否しようとした公生に、渡は普段とは違った激しい口調で叱責する。公生が「逃げている」ことを、彼は知っているのである。珍しく言葉を荒げた渡の様子に、公生は自分が駄目なことをやっているということを強く認識させられる。それでもなお、どうしようもない現状。渡は、「お前じゃなくちゃ駄目なんだ」という最後の一押しで公生を勇気づける。もう、何もかも分かってるんだよね。やっぱり渡はいい男である。

 みんなに助けられ、改めて宮園と対峙する公生。そしてそこで、公生はようやく宮園と心を通わせる。2人の意志が確認できたことで、なんとか目標を定めることが出来た。「弦の握れないバイオリニスト」に絶望する宮園に対し、公生は「彼女の救ってくれた、彼女の育ててくれた演奏家」の姿を見せることで返答する。今の彼女に力を与えるには、公生が2人分演奏するしかないのである。それが意味を持つかどうかは分からない。それでも、今自分にやれる最大限のことは、音楽で宮園に応えること。公生の頑張りが、宮園の明日に繋がれば良いのだが。

 そういえば、もう1人のヒロインである椿も、彼女なりに頑張っている。あれだけの展開をしておいて公生との関係性が結局変わってないのはどうかと思うが……結局これが彼女の精一杯なんだろうなぁ。しょうがないので、柏木さんもしばらくは優しく見守ってほしいですね。

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 そういや自転車の二人乗りはアニメでもアカンみたいな風潮はどうしたんだろう、第16話。一昔前にそれで映像が自粛されてたアニメがあったはずだが……今作ではそのへん問題ないんですかね。野崎くんも安心の世界だ。

 やはり椿のお話は前回で一段落したらしい。次のステップは、公生の回りを囲む2人のヒロインによって回される。1人目は、前回嵐のようにやってきた謎の幼女、凪ちゃん。なかなかしたたかな性格の腹黒幼女(まぁ、中学生らしいけど)であり、公生に対して人一倍の敵愾心と不可思議な負い目を背負っていた。瀬戸さんのところに転がり込み、内部から公生の実情をリサーチ、あわよくばダメージを与えていこうと企んでいたようだが、公生自体が割と図太くてタフな性格であったこと、そして幼女の企みなど大人にはバレバレだったことなどから、単なる子供のワガママとして割と余裕でスルーされてしまった。空回り幼女もなかなか可愛い。「大切なものを取られてしまった」というのが公生への対抗心の理由だったことが判明した凪ちゃん。なんとその正体はあの相座武士の妹であった。あれ、前回違う名字名乗ってたような。こんなところで、咄嗟に素性がばれないように偽名を名乗ったのだとしたら、なるほどしたたかである。流石にこの狭い業界で、「相座」を名乗ったらバレバレだと思ったのだろうか。そして、武士といえば業界的には「有馬公生のライバル」の1人という認識であり、その妹が有馬と同門の師匠のところに転がり込むというのも体裁が悪い。そうした諸々をまるごと飲み込んだ上で、彼女は決死の覚悟で「打倒有馬」を掲げて乗り込んできたに違いない。健気である。

 しかし、単に「大事なお兄ちゃんを取られちゃったから」という理由だけで乗り込んできたものの、敵はやはり強大であった。業界の噂ではあの「ヒューマンメトロノーム」有馬公生は既に壊れてしまっているという話だし、兄もそろそろその呪縛から解き放たれる頃かもしれないという噂だったので、きっと大したもんじゃなかろうと思って乗り込んできたのだろう。凪ちゃんは学校ではあのバイオリンの三池君と並び立つ実力者であり、自分の腕前ならばしばらく現場を離れていた「過去の英雄」など問題にならないと思って来たのだろう。しかし、公生は既に出来上がっているのである。しかも指導者モードになると(これも血が騒ぐのか……)途端にスパルタになり、口調も普段の穏やかな公生とは打って変わって、幼女であろうとも手加減無しのコーチング。ひどい。生半可な気持ちで練習してる幼女だったら泣いて逃げ出すレベル。そして、実際泣いて逃げ出した。公生さん、あんた自分の母親との接し方から成長したんじゃなかったのか……。でもまぁ、トレーニングに情けは無用だからなぁ。なかなか出力の調整が利かず、フルスロットルで回しすぎた公生もちょっと反省したようであった。

 結局、夕ぐれの境内で二人は腹を割って話すことになり、公生は凪ちゃんの生い立ち、目標について、ちょっとだけ知るコトになる(肝心な部分は全部伏せられてたけど)。お互いのことを理解しながらの会話だったので公生の方も本音をポロリ。互いに多少弱い部分も見せあったことで、凪ちゃんの方からの歩み寄りもあったようだ。「大切なものを手に入れられない同士」ということで、凪ちゃんからみたら公生は「似たもの同士」。まぁ、公生の場合には単なる緩やかな三角関係であり、凪ちゃんの「近親者」とは決定的に違うけどね。ただ、凪ちゃんの場合は幼い子供が立派な兄に憧れる感情であり、別にリアルラブとは違うと思うけど。もう少し大きくなったら「お兄ちゃんなんて嫌い」って言い始める時期も……無いかもしれないけども。演奏家としての一枚看板である相座武士は、流石に目標としてはでかいよなぁ。

 さて、そんな中学生少女を相手にしているパートは賑々しくて良いのだが、問題はもう1人、メインヒロインの宮園かをりさんである。どうも、想像以上に症状が思わしくないようである。今回は一時的に病院を抜け出して遊ぶ時間もあったが、所々で体力の限界を感じさせたし、何よりも「時間がない」という切迫感がいちいち彼女を蝕んでいく様子が辛い。最初は、そんなに無理して遊ばなくても、と思って見ていたのだが、自転車の上での涙を見る限り、ひょっとしたらあまり彼女に残された時間は長くないのかもしれない。公生は、病床に伏した宮園を見ながら自分の母親の影を重ねてしまう。「似たもの同士」でないことを祈ってはみるが、彼女の様子はあまり良い予想を立てさせてくれない。そして最後の一言、「一緒に心中する?」という衝撃の発言。彼女の胸中では、今後の人生はどのように描かれているのだろうか。

 今回特に顕著だった疑問点として、結局、宮園は公生のことをどのように扱っているのだろう、という点が上げられる。相変わらず彼女は「渡の彼女」というスタンスは崩しておらず、病院を出て待ち構えていたのは渡だと言うし、公生もそれを信じているからこそ「あり得ない相手」だと認識している。しかし、彼女の様子を見ていると、やはり音楽で繋がった公生のことを特別大切にしている。待ち伏せしていた相手も、本当に渡だったのかどうか。一緒に学校に行きたかった相手は誰だったのか。なかなか胸の内を見せてくれないせいで、そのあたりの感情の実体が探りにくい。一応、「練習しろ!」と激昂する様子を見ていると「演奏家としての有馬公生」に特に目をかけており、自分に残された時間が少ないという負い目からことさらに彼を煽っているのは間違いないと思うのだが、それ以上の感情がなければ、あそこまでの行動には出ないだろう。普段から気丈な宮園かをりが、ついにたくさんの友達の前で取り乱してしまうシーンは非常にショッキングだ。公生はもちろんだが、渡は、椿は、柏木さんは、彼女の涙をどのように受け取ったのだろうか。もう隠し立て出来ないレベルになっていると思うのだが……。

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 斎藤先輩が優しすぎて今回もちょっと危なかった第15話。イケメンでスポーツ出来て、なおかつ気遣いも出来るなんてどんだけハイスペックやねん。椿には勿体ないくらいだったな。

 というわけで、前回ボロボロ泣かされた椿エピソードの終焉……なのかな。結局Aパートで終わったような、終わってないような。あの感じじゃぁ、椿は、まだ自分の足で前に進めてないんだよなぁ。公生がクソ鈍いってのも問題ではあるのだが、あそこまでお膳立てが整っても行動を起こせない椿側の方が病巣は根深い。今回、椿は先輩の優しさを突きつけられ、更に公生にも思い切り許容されることで、ようやく「自分の弱さ」を実感することになった。自分の本心を見ないようにしていた弱さ、色々なことを理由にして決断を先延ばしにしていた弱さ、そして先輩の優しさに甘えてしまう弱さ。そうした様々なこれまでの負債が、ついには抑えきれないところまで膨れあがって一気にのしかかってきた。

 公生が遠くへ行ってしまうという事態の急転も原因の1つではあるのだが、自分で蒔いた種、先輩との関係性も大きな要因になっただろう。斎藤先輩は本当に優しい人だったので、椿の本心を理解し、椿の弱さ、狡さも全て知りながら、彼女が傷つかないよう、最善の方法で別れを切り出してくれた。そのことは、椿は本当に感謝すべきことだし、どれだけ「ごめんなさい」と言っても足りないくらいにありがたいことだった。しかし、先輩がそんな優しさを見せるために言った言葉の1つ1つが、彼女の心に刺さってしまう。「俺たちはお互いに違う人間を好きになった方が良い」。がさつな者同士、と先輩は言っていたが、先輩がもし好きになるなら、それは「ポテチを箸で食べるような」人のようだ。持って生まれたものが全然違っても、違うからこそ互いに求め合えるものがある。となると、椿が求めるものはなんだろう。大嫌いと言い続けて、自分を突き放してどんどん遠くへ行ってしまう音楽の僕。何を言っても笑ってそこに立っていて、「いてもいなくても同じ」ような存在感の奴。そういう人間が本当に必要なものだったと、最後の最後で先輩にまで教えられてしまったのである。もう、椿に逃げ道などないはずなのだ。しかし、彼女は結局最後の一歩を踏み出していない。それを邪魔するのは、弱さからか、宮園に対する負い目からなのか。椿の性格を考えるなら、自分みたいな人間が公生の将来を邪魔するわけにはいかない、っていう劣等感なんだろうなぁ。

 椿のお話にはせめてもう一押しほしいところですね。その他のお話については、今回は軽めに。まず、謎幼女が木から降ってきた。公生に対して明らかな敵対心を持つ金髪幼女。上手いこと瀬戸さんに取り入って同門へと潜り込んできた彼女の目的は? ……公生は放っておくと女の子からいじめられるよなぁ。絵見ちゃんも虎視眈々と牙を研いでいるようで、今後のぶつかりあいが楽しみです。

 そして、変わらず病床に伏すのが宮園さん。公生はなかなか彼女のお見舞いに行く勇気が出ないようだが、ああやってためらったり、遠慮したりするところを見ると、椿相手だと全然そんなことないのに、宮園相手だと完全に異性として見てるってことなんだよなぁ。何故その気遣いのひとかけらでも椿に向けてやれないものか。幼なじみ縛りってやっぱり厳しいのかしら。そして、そんな宮園さんもこっちはこっちでピンチ。どうも病状が芳しくないようだ。これまであまり具体的にその症状を描かれることがなかったのだが、今回「突然両足が動かなくなる」という割と重めの症状が出てしまう。どういう病気なんだろう。どう転んでも体力勝負のバイオリニストには厳しそうであるが……。うーむ。

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 2週続けてボロ泣きさせられる、第14話。あかんわ……やっぱり椿エピソードはクるんだよなぁ……。

 前回のお話が1つのターニングポイントとなるものだったので、「有馬公生の物語」としては、今回はある種の事後処理みたいな回である。ガラコンの結果、彼がどのように成長し、何を目指すことになったのか。そして、宮園との関係をどのように続けていくのか。そうした諸々を簡潔に描くだけの、「繋ぎ」の回である。

 もちろん、宮園さんの状態は予断を許さないものであり、これだけでもドラマとしては緊張感のあるものだ。彼女の横たわるベッドから、公生が母親のいなくなったベッドをフラッシュバックするシーンなどは、思わず息を呑む緊張感がある。あれだけ苦労して成し遂げた母親の幻影との融和、脱却。それと同じか、ひょっとしたらそれ以上のプレッシャーが、宮園の病床からは感じ取れるのである。見舞いに行った仲良し三人組、椿も渡も勘の悪い方ではなく、中学生とは思えないくらいに洞察に富む他人想いな面々であるにも関わらず、現在の宮園の異状に気付いているのは公生ただ1人である。親友たちにも語られない彼女の病状の裏側。元気な顔の奥底に隠された彼女なりの苦闘。そうした断片を、ただ公生だけが感じ取っている。それはかつての母親との思い出が重なるという理由もあるだろうが、それ以上に、彼は宮園かをりという人間に肉薄しているということでもある。宮園さんはとても強い女性だ。しかし、そうは言ってもあくまでただの女子中学生でしかない。身体の問題は彼女1人の気持ちだけではどうしようもないことであり、彼女の目指す人生の目標には大きな障壁となって立ちふさがる。これを乗り越えることが出来るかどうかは、彼女の強さ以上に、理解し、支えてくれる仲間の存在が不可欠なのではないか。公生は、彼女の真実に辿り付くことが出来るのだろうか。

 そして、そんな「メインストーリー」を覆うように、今回は隅から隅まで澤部椿の物語。これまで少しずつ、しかし着実に積み重ねてきた何かが、ついに爆発してしまう。まわりの人たちの中で、気付いていないのは公生だけ。当の本人も内心では完全に気付いており、果ては斎藤先輩だって薄々感づいているくらいの事実、椿の本心。なんともやるせないこの状況に一石を投じるのは、クールで頼れる不思議な友人・柏木さんである。椿との付き合いも長いであろう彼女は、苦しむ椿を見ていられずにあれこれとアドバイスをしたり、煽ったりしてみるわけだが、これがなかなか上手くいかない。渡に助けを求めてみるも、渡は(彼なりに)恋愛上級者である。椿の気持ちは本人が気付いて向かい合わねばならないと達観しており、親友2人の動向については、成りゆきを見守る構えだ。仕方なしに、柏木さんは半ば強攻策といえる奇策に打ってでる。悩み揺れている椿へ、公生を直接投入したのだ。

 結果だけを見れば、この作戦は成功したといえるだろう。改めて2人で歩く夜の砂浜。椿は懐かしいあの日の思い出と現在の2人を重ね合わせ、少しずつ自分の気持ちをチューニングしていく。決して否定出来ない本当の気持ちは、自然に彼女の中で固まっていく。このままならば、ひょっとしたら幸せな結末が待ち受けていたかもしれないのだが……本当にタイミングが悪かった。進路のことで新たな見通しが出来たことを告げる公生。それは椿にとって、事実上の別れの言葉であった。幼い日から溜まりに溜まっていた「隔たり」への不満は、ここに来て決定的なものになってしまった。「音楽」の壁、「才能」の壁、「理解」の壁。彼女にはどうしようもないものが、現実を否応なく突きつける。泣き濡れる月夜、彼女は自分の無力感に苛まれ続ける。幼い日に、一人黙々と作った泥団子は、子どもながらにとても綺麗に見えたものだ。自分は頑張って作ってきた。それは価値のあるものだと信じてきた。しかし、それは無意味であると、残酷な真実が告げた。

 「幼なじみヒロイン」のこの悲劇は、本当に何度繰り返されても辛い。相変わらずポエティックなこの作品は、椿が幼いあの日から積み重ねてきた様々な「拠り所」が、断片となって一気に積み重なり、かき消えていく様子が嫌味なほどに綺麗に流れていく。小さな公生、小さな足跡、あの日のミルクアイス、笑いあった幼少期。1つ1つは些細でも、椿にとっては大切なものばかり。2人で浜辺を歩くシーン、「またミルク味?」と尋ねる椿の、くすぐったいような、なんとも嬉しそうな一言が、彼女がこれまで積み重ねてきたものの大切さをぎゅっと押し込めたものになっていて、それだけで感極まってしまう。それだけに、彼女が手から取り落としたアイスの持つ意味の大きさが強すぎて、本当にやるせない。

 なんでこんなに、切ないんだろう。

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 完全なる調和と脱却、第13話。長きに渡った物語に1つの結末を与える、とても重要な1話になった。

 毎回様々な点で印象深い本作だが、今回はストレートなドラマ性と演出でもって、久しぶりにわんわん泣かされました。個人的な生い立ちのせいで、「母親」という要素に本当に弱いのですが、今回は「有馬公生の母親」としてでなく、一人の人間である有馬早希という人間が最大限にクローズアップされ、彼女の「愛の悲しみ」に満ちた人生が詳らかにされた。そうだよなぁ、前にも言っていたことだけど、息子を不幸にしたい母親なんているわけがないよなぁ。

 これまで物語の特性上、公生を主軸として考えた「指導者としての有馬早希」という見方しか出来なかったのだが、それだって当然一面的な物の見方でしかない。彼女には彼女の人生があり、彼女だけの幸せがある。それを考えずに、彼女が公生にしてきた仕打ちだけを見て判断してしまうことは、非常に浅薄な物の見方であると痛感させられる。有馬早希は母親である。彼女は人生を賭して、命を削って公生に「何かを残さなければ」という強い執念だけで生き続けた。心を鬼にし、ヒューマンメトロノームとしての公生を形作ることで、自分の人生の証を息子に残そうとした。それは、彼女のエゴからなる妄念などではなく、あくまで自分が失われた後の息子を最大限に想った結果である。考えてみれば、残りの人生が限られていると分かった状況下で、幼い息子を独り残していかなければならない母親の心情どれほどのものなのか、私には想像も出来ない。圧倒的な無力感と焦燥感から自暴自棄になってもおかしくない。ただ残された時間で慈愛を注ぐことのみを糧とすることも出来ただろう。精一杯の愛情を注ぎ、息子にわずかばかりの思い出を刻むこと。それも1つの愛情であり、ほんの一時の「愛の喜び」ではある。しかし彼女はそれを良しとしなかった。彼女の選択は、自分の亡き後にも息子が生きていける未来を作ること。そのために、残された自分の時間を全て注ぎ込むこと。息子には辛い思いをさせるだろう。憎まれもするだろう。それでも、わずかな時間での成長を望むのならば、彼女は「愛の悲しみ」を選ぶしかなかった。息子を殴打し、初めて自分に反抗した時、彼女は笑っていた。その一歩が、「自分を必要としない」新しい公生の一歩であると信じることが出来たからだ。あまりに壮絶で、あまりに苦しい決断である。有馬早希とは、それが出来る人間だったのだ。

 今回、作中では早希の顔の描写がこれまでとは全く違っている。なかなか「目」を見せることなく、真意のくみ取れないブラックボックス、「公生の心の闇」として描かれてきた早希であったが、今回は全編を通じて「目」の描写がなされ、はっきりと血の通った人間、公生の思う「闇」ではない1人の人間としての有馬早希が描かれている。一緒にピアノを弾くときの柔和な笑顔、病床に伏して末期の悔恨を漏らす表情、どれもこれも、彼女が生き、死んでいくまでの人生の重みを表すものである。公生の想う「母親」にも表情が生まれ、息子がようやく母親の思いを受け止め、それを理解して乗り越える過程が余すことなく刻まれていく。公生にとって、今は亡き母親へ言葉を託す唯一の方法は、ピアノを演奏することである。闇を打ち払い、自己の内部から湧き出る音を奏でることによって、彼はついに母親を知り、母親の先へ進むことが出来た。じっと付き従っていた「影」も今は無く、公生は早希の望んだ一人の人間、一人の演奏家としての道を歩み始める。今回作中では「さよなら」が、全て異なる情感でもって3回繰り返されている。追想、達成、そして別離。有馬早希の精神は、こうして無事に息子を完成させたのであった。

 物語は次の段階へと進んでいく。「演奏家」有馬公生が完成し、次なるステップは人間としての有馬公生ということになるだろうか。彼を取り巻く2人の女性。椿は、次第に自分の届き得ないところにまで登っていく公生にどうしようもない不安を覚える。ぎゅっと噛みしめた彼女の唇には、彼女には解決出来そうにない困難の大きさがうかがい知れる。

 そして宮園かをり。コンクールは意外な結果で成功に終わったが、彼女の身に起こったことには、まだ解決策は見えていない。公生の宿命といえる「失うことの進歩」。その因縁は、新たな出会いにも避けられず付きまとうものになるのだろうか。

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 柏木さんは唇がもっちり可愛い、第12話。たらこ唇キャラって不思議と色気が出るよね。

 年をまたいで心機一転、OPEDも変更された2クール目である。前回までで公生の復帰話は一段落。諸々の悩みは抱えっぱなしだし、今回のお話を見た限りでは未だ母親の呪縛は完全に抜けきってはいないのだが、それでもいくらかすっきりしたのは間違いないし、コンクールの壇上で一曲演奏しきったという事実は大きいだろう。今後は多少なりともプラスの方向に進むはず。「下を向かなくなった」という宮園さんの指摘も、彼の変化を分かりやすく表している。

 もちろん、全てが綺麗さっぱり無くなったというわけではなく、公生と母親の関係については、宮園さんの手を借りて最後の一押しも加わっている。新しい課題は、宮園のコンクールで演奏する因縁の曲。彼女が勧めてきた「愛の喜び」は、「愛の悲しみ」につながって今一度公生が母親との記憶を刺激されるとのこと。この期に及んで引きずっている公生は渋っていたものの、蘇ってきた記憶は以前ほどに暗澹たるものではない。ピアノの下で眠りこける公生に声をかける母の顔は穏やかなもので、「悲しみ」となってマイナスイメージが覆い被さるシーンにしても、瀬戸さんからは「子供の成長を喜ばない母親などいない」と諭されており、因縁のあのシーンですら、母親の思い出は笑顔に変わっていた。まぁ、正直あのシーンで喜ばしいと思うのもどうかと思うし、「成長」といっても公生の幼少期の情操教育を考えたら母親の仕打ちは間違ったものだとしか思えないのであるが、「全てがマイナスだったわけではない」というのが今後の落としどころなのだろう。メトロノームの化身となった公生も、今に至るための大切な一歩だったとも考えられるし、打ち破る殻があってこその成長でもある。これまで抱えてきた「母親の負の記憶」に重なるように、今回の「愛の悲しみ」は公生に母親像を刷新させる最後の一押しとなるのかもしれない。

 公生が「浮かび上がる」ことは、今回のプールのシーンで非常に分かりやすく描かれている。「こいつ、いっつも沈んでばっかだな」と思わないでもないが、回りの人間の賑やかさのおかげで不思議と暗いシーンにはなっていない。完全にアホの子だった椿、一日に二度も急所を強打されて今後の人生が心配になる渡、渋いサポートの柏木さん、そして、こちらもアホの子宮園さん。賑やかな中学生最後の夏が、楽しくありながらもちょっと寂しげな余韻を残しながら終わっていく。未だに公生は宮園&渡のコンビを「いいカップル」として見ているようなのだが、もう、視聴者側からしたら宮園&公生のコンビの方が見てる時間がずっと長いので、どう考えてもカップリングが違うんですけどね。渡が誰とくっつくのかは知らんが。

 更にイベントは重なり、まさかの「夏の夕べに彼女のご両親とご対面」。宮園家の暖かい環境は何とも微笑ましく、「なるほど、ここで育つとあんな娘さんになるということか」と納得がいく。まぁ、彼女が何故バイオリンをはじめて、あそこまでの技能を持ったのかはよく分からないけど。才能ってのはこういうところからポッと出てくるもんですかね。宮園さんがお菓子作ったらどんなものが出来るんだろう。公生の前に致死量のケーキが置かれてるのに、しれっとせんべい食ってる宮園さんも鬼畜だ。まー、食べ飽きてるだろうしなー。あの両親じゃぁ、娘の健康状態考えて食べさせないなんてこともなさそうだし。その割にスタイルの良いかをりちゃん、やりよる。

 ただ、彼女の抱えている問題は家庭環境ではなくてあくまで彼女自身である。公生の成長物語が一段落した今、いよいよお話は宮園かをりに移っていく。念願のコンクール当日に姿を見せない宮園。どうやら店も閉まっているようだが、一体彼女はどこに行ってしまったのか。両親ともども姿が見えないとなると……うーむ、重そう。公生がまさかの「伴奏者が1人で受け持つ」という恐ろしい選択をしたみたいだが、これによって事態がどう転がるのか、全く予想がつかない。次週、無事に元気な姿の宮園さんの姿が見られればいいけどなぁ。

 なお、絵見ちゃんもポンコツ可愛いことが判明したので私はちょっと嬉しい模様。なんやあのマスク。

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 ヒーローは超合金! って、いつの時代のお子様なんだろう、第11話。いや、ひょっとしたら今のヒーロー玩具も素材は昔と大して変わらないのかもしれないけども。「超合金」っていう名称はあんまり使わないよな。

 コンクールから一夜明けて次のステージへ、という繋ぎのお話。前回ラストで登場した謎の女性は、公生ママのお知り合い、瀬戸紘子さん。どうやら公生の幼い日のあれこれも大体知っているようで、スペックで言うなら「ピアノの世界でも対話が出来る、椿の上位互換」ということになる。ただ、あくまでもスタンスは「親」側なので、今回自ら「後見人」という言葉を持ち出して公生との関係を説明していた。なるほど、確かに公生と宮園さんだけではあくまで中学生同士のお付き合いであって、嫌味な審査員とかがいる大人のしがらみも関係しているピアニスト業界に風穴を開けるには何かと力不足。武士も絵見もちゃんと実力に見合った師匠の下で戦いに挑んでいるのだから、公生も同様にちゃんと「戦いに挑む準備」をすべきということだろう。

 公生の過去の顛末を理解しているということは、今の公生が復帰してピアノに向かっていることの重大さも重々承知している人物ということ。決して彼を悪いようにはしないだろう。今回回想で公生ママとの思い出も少し語られていたが、公生ママだって産まれながらの調教マシーンだったわけではなく、しばらくは愛するわが子を育てる立派な母親だった時期もあるのだ。そうした公生の「良い思い出」も共有出来る人ならば、母親の幻影を単なる悪霊で終わらせるのではなく、正しい母子の関係性に引き戻す手伝いも出来るのかもしれない。なお、瀬戸さんのCVは園崎未恵。くぅ、やっぱり格好いい。ちなみにその娘さんはなにげにCV水瀬いのりちゃんだったりもする。安定の幼女。

 さておき、こうして「大人の世界」との接続の目処が立った公生であるが、本人は特に難しいことを考えているわけではない。演奏のモチベーションだって本人が言っていたように「君に届け」であるし、コンクールに負けることだってある意味想定済み。突っかかってきた武士に対しても、それが「ありったけの自分」であることを赤裸々に告白し、自分の過去数年間が決して無駄だったわけではなく、現在でも決して遊びでピアノを演奏しているわけではないと決意を述べている。確かに不格好な演奏にはなったのかもしれないが、今や彼の目標は母親の掲げた「完全なるピアニスト」ではなく、宮園かをりのみせてくれた「新しい舞台」に立つ「変なピアニスト」である。武士が共感してくれるかどうかはまだ分からないが、他の人間もどこか放っておけないような、新しい音楽家の小さな一歩が始まったわけだ。

 ここで、「新しいことをやるんだから好き放題、野放図に暴れ回ればいい」というだけでは終わらせないあたりが現実的な線引き。瀬戸さんは、一人演奏を終えて帰ろうとする公生に「結果発表は見ていきな」とだけ指示を出した。分かりきった結果などわざわざ見る必要があるのかと訝しむ公生であったが、発表の場には、彼のライバルとなるであろう武士や絵見の姿もあり、同世代の他の人間たちが公生をどのように見ていたのか、ダイレクトな反応が公生に降りかかる。更に、その場に広がっているのは試合結果に一喜一憂する悲喜こもごものライバル達。これまで公生は一度たりとも感じたことのない、「悔しい」という感情が溢れかえっていた。新鮮な驚きとともに、公生はその感情が自分の中にもくすぶっていることに気付くのである。会場からの帰り道、椿や渡には「全然気にしていない」と言いながらも、わだかまった感情を抑えきれずに叫び、駆けだしてしまう公生。瀬戸さんの言葉を借りるなら、「立派に男の子している」のである。椿を背負って歩いた線路沿いの道、今回は踏切の遮断機が降りて、「何かがやってくる」ことを暗示するシーンが印象的。この踏切は「渡る」ものではなく、勢い増してやってくる電車と線路沿いに併走して「駆ける」ものである。公生の中に、新しい何かがやってきた暗示である。

 そんな公生の門出を満足げに見守っていた宮園さんであるが、さっそく次なる課題を持ち込み、公生へのアプローチは止まる気配がない。隣の椿は相変わらず唇を噛んでいるのが悩ましいが、実は公生と宮園さんの関係もまだまだ悩ましい。公生の方はあくまで「友人A」のつもりだし、宮園さんはあの通りの性格だし……これ、渡が聖人君子でなければもっと面倒なコトになっていた可能性もあるよな。瀬戸さんもにやにやしてましたが、ピアノが語る公生の「気持ち」ってのはどんなものなんでしょうかね。ただ、そんな宮園さんも視界良好というわけではなく、やっぱり身体の問題が気にかかる。「命の灯」をそっと手に収める彼女の心境とはどんなものなのか。宮園家の両親が初登場して、なんだか割と温かそうな家庭だったし、出来れば幸せなままで進んで欲しいところではあるのだが……波乱はどこからやってくるのかねぇ。

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