最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「魔法科高校の劣等生(第3期)」 ―→― あ、ごめんなさい、話をまともに追ってないので評価は放棄します。せっかくN話切りをマスターして視聴本数減らすことに成功してんだから、いい加減そういう視聴体制はやめろと思うんやけどな。それでもまだ、惰性でのアニメ視聴は残っているのです……。 マジで単に眺めてただけで話の中身は1ミリも理解しようとしてないのでシナリオラインについてはなんも言えません。ほんなら切っちゃえばよかったわけで、切ってしまった有象無象のアニメと何が違うねんと問われたら、要素は2つある。1つは、「まぁ、言うてもここまで何クールも視聴を続けてた履歴があるわけで、今更切ってしまうのもなんか……」という感情。切るならもっと前にきっとけばよかったのに、という後悔を見せたくない典型的なコンコルド効果といえるかもしれない(なんかちゃうやろ)。 そして2つ目の理由として、「別に視聴してて不満はないんだよな」ってのがある。これだけ長きにわたる作品で、制作側もそれなりの責任を持って作ってくれている。おかげでアニメとしてのある程度のクオリティは担保されており、「多分ちゃんと観てたらちゃんと観られた作品なんだろうなぁ」という気がしている。実際、断片でしか認識していないが、相変わらずの深雪さんのキモウトムーブなんかはそれだけで得られる栄養素があったりもする。摂取している要素だけを考えると、ほんとに情報の断片だけをなんとなく食べる、いかにも現代的な視聴姿勢だったと言えなくもないな。いや、こんな視聴ばかりじゃそりゃコンテンツへの熱意も失ってしまうだろうけども。 というわけで作り手の人たちにはごめんなさい。まだまだ続くシリーズらしいのだが……次作(劇場版だとぅ?)はどういう接し方になるかなぁ……流石に見切りつけた方がお互いのためのような気も……。 PR 「ガールズバンドクライ」 6→8 つまり……そういうことさ。 はい良かったですね。内容については毎週楽しくやいのやいの言わせてもらっていたので追記すべきこともそんなにないのだが、終わってみて改めて、「キャラ立ってたな〜」という印象。どうにもここ最近は「音楽に携わるクソ面倒女」がブームらしく、昨年の後藤ひとりさん(むしろ喜多ちゃんの方か?)を皮切りに、腹黒すがりつきメンヘラ・長崎そよさん、アイドルサイコパス・東ゆうさん、養分上等・瀬藤メロさん、挫折の先のダメ出し・織重夕さん、漆黒の部活クラッシャー・黒江真由さんなどなど、常人では想像もつかないような歴史に残る言動でさまざまな傷跡を残してくれている。そしてそんな同時代のライバルたちに負けず劣らず、史上最高のクソ面倒キャラとして歴史に名を刻んだのが、我らが井芹仁菜であった。今作はもちろん仁菜と桃香という2人の関係性を軸にはしているが、後半の流れを見ればむしろ桃香は仁菜の外付け倫理監査装置みたいな「善い大人」ポジションへ推移しており、あとはもう暴れ仁菜をいかにして御していくかというお話。青臭い精神論を振り回して好き放題暴れるだけでこれだけお話を作れてしまった仁菜さんはマジで天賦の才能だと思う。 もちろんそのほかのキャラも強烈で、個人的にどうしても注目してしまうのはルパさん。終わってみて改めて気づくんですが、今回の1クールのお話の中、ルパって結局最後まで1度たりともスポットが当たってないんですよ。ちょっとだけ智に触れられたり、回想で端的なシーンが描かれて出自が理解されただけで、「どのようにルパが出来上がったのか」「ルパが今何を考えているのか」を直接描いた部分ってのはほとんど無い。それなのに、仁菜や智たちがきゃんきゃん暴れている隣でずっとニコニコしたり、ハンドル握ったり、缶ビール開けたりしてるだけで「ルパってこんな人なんだろう」と思われるどころか「このルパの達観ムーヴたまんねぇ〜」とまで思わせてしまっているという。わずかな尺でもインパクトのあるキャラ描写ができているおかげで、勿体無いポジションにいるはずのキャラが一番おいしい目をみているという、あり得ない状況を実現させている。もちろん私はすばるさんが好きですけどね。初期の割とありきたりな「お嬢さん」的立ち位置からどんどん仁菜たちに馴染んで、最終的に一番の常識人でありながら容赦無く突っ込んでくれる拠り所になってるのはこっちもおいしすぎるんだよなぁ。 こうして構成の評価点を見ていくと「既存の萌えもののフォーマットってことだよな」と思ってしまいそうなのだが、それが何故ここまでインパクトのでかい作品に仕上がったかということを考えると、私が今作で一番評価したいのは映像技術の部分であった。見ての通りに特徴的なCGワークが最初期には賛否分かれた作品だったと思うのだが、いつの間にかこのCGを「不自然」だとか「固い」だとか、文句を言う層はかなり減ったように思える。既存の「日本のCGアニメ」の枠をぶち破り、新時代のジャパニメーションに先鞭をつけたのは意外にもというべきか、やはりというべきか、古豪・東映アニメーションである。 CGアニメといえば、ここ最近ではサンジゲンやポリゴンピクチュアズなどの印象が強く、「CGのスタジオはそっち路線で独自に進化を遂げているな」という認識が一般的だったと思う。中でも「日本のアニメ」との融和を強く意識させてくれたのはサンジゲン作画で、「D4DJ」の際にキャラの表情の付け方や漫符の多用など、単なるシステム化以上のCGの使い方を見せてくれたことから、「しばらくはこのサンジゲンの牙城は崩れないのではないか」と踏んでいたのだが……そこに東映が来た。実は東映もプリキュア映画などでCGアニメ+既存の日本アニメの路線は常に探り続けており、その膨大な蓄積がこの度新たなジャンルで見事に華開いた印象。カメラワークなんかを見ればまだCG優先のアニメスタイルの名残がある(引きのカメラの多用などは、どんなサイズでも自由に絵付けができるCGっぽさが出てる気がする)が、これまで私が見たどのCGよりも「伝統的アニメ流コンテワーク」に肉薄していた。画面全体の雰囲気の統制も含めて、今作で東映が一歩抜きん出た気がする。 このトレンド、追随するのはどこのクリエイターになるだろうか。そして、トゲトゲの活動に2期はあるのだろうか。小指突き立てて待っとけ世界。 「となりの妖怪さん」 5→5 なんか思ってたんとは違った。その上で「こういう物語かぁ」という受け止め方はある程度できる作品。 思い返せば1話目時点で「思ってたん」が違うことはなんとなく感じ取れたはずではあるんだよな。一見するとファニー寄りの画面、ワーゲンさんのビジュアルみたいなあけすけな異物感はどう見てもギャグなので愉快なドタバタ妖怪ストーリーが紡がれるのかと思いきや、蓋を開けてみたら世界のありようを左右する人類存亡(?)の物語にまで拡張される壮大さ。なんかチグハグな印象はありつつも、1話目で描れた曰く言い難い「畏れ」みたいな感情は、しっかりと妖怪が存在することの不条理にも肉薄しており、人間と妖怪という異種間の交流の難しさにも触れていた。そう考えれば、一貫して筋の通った作品だったことは間違いない。 ただ、どうにも申し訳ないけどその理解がなかなか追いつかずに……視聴中はもっとユルいものを受け止める腹づもりで見ていた時間が長かった気がする。そのせいで出てきた「思ってたんと違う」という感覚、これをもっと独自の面白みに昇華できれば楽しさもアップしたのかな、というのはやや反省。ただ、どこに目線を向けたらいいのかという焦点の絞り方については、作品の方が意図してずらしてた感覚もあるんだよな。主人公(?)のぶちお周りのお話とか、断片だけで見れば単なるハートフルストーリーに見えなくもなかったし。ハナからぶちおみたいなちっちゃい妖怪も、とんでもねえ規模感の「現象」も同時並行で存在していたため、それがどの程度特別なことかも捉えきれなかったし。そうした捉えどころのなさも狙ってのものだったとしたら、座りの悪い感想になるのも必然だったのかもしれん。 最終的には「妖怪譚」というよりも「異界交流譚」と言った方が相応しい、世界を描いた物語。こんだけちゃんと完結させた漫画作品が全然知られずに世にあったことを教えてくれただけでも1つの収穫かしら。機会があれば改めて原作にもあたってみたいかも。 「怪獣8号」 6→5 まぁまだまだ続く作品なんだろうから、現時点での評価にあまり意味はないのだが……なんか、思ってたようなハマり方はしなかったわね。 なんだろ、一番の想定外は「怪獣アニメじゃないのかよ」ってところですかね。いや、要所で怪獣要素は出てくるんだけど、それってあんまメインじゃない要素になってる。結局「怪獣」っていう名目が主人公の強化スーツ程度の扱いなので、あとは普通のジャンプ漫画。もちろん、映像部分に力が入っているのは分かるのでそこを評価しても良いのだが、ジャンプ漫画+超作画っていう組み合わせだと「呪術廻戦」がとんでもねぇ仕事をやり逃げしやがったので、まだまだ現実ラインでの仕上がりだと、もっとシナリオ部分で引っ張ってくれることを期待してしまった。まぁ、こっちが勝手に期待しただけなんだけどさ。入り口で期待煽って「まぁ、普通のバトルものにしますけど」だとちょっと裏切られたと感じてもしょうがない。2期以降、何か「怪獣らしさ」で強く打ち出せる部分があることに期待しよう。 「オーイ!とんぼ」 5→5 えっ、終わんの!? と思ったけど分割だった。でもこの手の朝アニメってなんでか分かんないけどスタミナあってずっと続くイメージあるよね。わたしゃすでに切って久しいが、今確認したら「逃走中」のアニメなんてまだ放送してたわ(1年以上放送してる)。 というわけで秋から続きがあるらしいので一安心してしまったくらいには続きが気になるアニメ。別に何かが特別面白いということもないが、すごく真っ当にゴルフアニメしてる。どこぞのトンチキゴルフとはエラい違いだ。そういやあのアニメもアムロ依存だったのに、みんなして「ガンダムはどうする」とか「コナンは!?」っていう話題ばっかりで「BIRDIE WINGの続編が作れないじゃん!」って騒がないのはどういうことだよ(そういうことだよ)。 よそのゴルフアニメはおいといて、流石にゴルフ雑誌連載漫画だけあって、子供向け教育アニメみたいな見た目とは裏腹に細かいゴルフのあれこれをガチで描いてくれる。実際の試合展開(ほとんど試合はしてないけど)も渋い画面だが、CGも交えた生真面目な描画でじっくり見せてくれている。まー、作画カロリーは大したことないし、アニメとして大きな刺激は無いが、ハナから「そういう作品」だと思ってれば別に気にならず、むしろその丁寧さは好感度が高い。相変わらず「どの層を視聴者として想定してるんだよ」というのは疑問だが、土曜の朝という時間帯はマジで休日のお父さんが対象だった可能性がある。そう考えると、徹底して「娘的存在」であるとんぼを可愛く描けていればなんの問題もないわけで、萌えとかエロとは一切無縁の「父性刺激アニメ」として軸はブレてない。その上でちゃんとジャンプ漫画的な「特殊能力主人公」の成長譚としても成立しており、プロゴルファー猿以来の伝統である野生み溢れる自由闊達なとんぼのゴルフも充分に魅力的。挙句わずか1クールの間にとんぼさんたらメキメキ成長して一気に大人びてしまうというおまけ付き。切なくもあるが、逞しくもある。とても献身的なイガイガの保護が温かいおかげで、視聴者目線ではとんぼの巣立ちを眩しく見守ることができただろう。 第1クールとなる今回は見事なまでに「始まりの物語」。正しい指導者、正しいライバル、そして何より正しい保護者。そんなセッティングが全て揃えられ、あとは次なるとんぼの活躍を見守るだけ。なんか、書いてるうちにどんどん2クール目が楽しみになってきたな。 「ただいま、おかえり」 5→6 この評点は意外かもしれない。うん、我ながらどうしたものかと悩んだのだが……私個人の認識へ問い続けてくれた存在として、変な視点から評価を加えさせてもらった。 今作に接する際に最も重要視していたのは、新番チェック時に披露した「自分自身への疑問」である。もっかい書くのはめんどいのでざっとまとめると「おれはBLが苦手だと思ってたけど、今作におけるBLは思いの外容易く飲み込めて抵抗もなかったので、もしかして私の情報処理には生物学的機能や社会的役割という枠組みが大きな影響を及ぼしているのではないか」というもの。訳分からんけど、分からん人は諦めてくれ。俺にとって、このことは意外に重要なのである。何しろ、今後もこうしたジャンル(百合を含む)を鑑賞する際に、その評価を左右する可能性があるからだ。 で、1クールの間この作品を視聴させてもらった結論は……「分からん」であった。なんでこの作品がこんなに温かい目で見守れるのか、マジで分からん。でも、ほんとに今まで見てきたどのBL作品よりも穏やかな気持ちで見守れてしまった。なんなら今期ナンバーワンの家族愛作品であり、昨年度の「柚木さんちの四兄弟。」に並ぶホームドラマだったと思っている。基本的には「人の優しさと愛情」を描いた作品であって、作品の隅々まで温かいものに満ちている。そりゃ時には辛かったり苦しかったりするシーンもあるが、どれもこれもちゃんと乗り越えるべき試練を超えた後には充分な見返りがあり、善により成り立つ世界で健やかに育つ子供たちの姿を眩しく見守ることができる。とてもとてもまっすぐな、ヒューマンドラマだ。 そうして見ている間、「いや、でも主人公カップルは男×男だぜ」という部分がほぼ阻害要因にならなかった。オメガバース世界独特の表現にも違和感を覚えず、「そういう前提で動いている世界」に容易く理解が及んだ。それがあまりにあっさりだったもんで、むしろ「なんでこれまでBLが苦手だったんだろう」と分からなくなるくらいである。……でも、多分今後また別なBLを見たら「やっぱ違うなぁ」と思う気もする。「BLが当たり前で、BLとすら認識されない世界」が用意されたからこそ受け入れられたこのドラマ。現時点においては、私が何を持って世界を測っているのかを考えるための1つのサンプルとして記録させてもらう。 あとはまぁ、純粋に勉強になりました、っていうのも加点要因かな。おそらく今作で描かれたオメガバース独特の物語(フェロモンがどうとかいう後半の話)は非常にスタンダードなものだろうけど、慣れない身からすると「なるほどそういう社会の物語なのだな」ということが掴みやすかったし、それなりの切実さをもって読み解くこともできた。なんかこう、作り手側もそこをことさらに特別なこととして描かないようにしつつも、今作独自の持ち味を殺さないように注意深く描いてくれていたんだと思う。そう考えるとBL実績豊富なDEENというスタジオに石平監督の手腕がうまいこと噛み合った感はあるわね。新しい世界に触れさせてくれたものには素直に感謝すべきですな。 そんで当然蛇足だけど今作の幼児どものキャスティングのガチっぷりも。最初は種さんだけで「もう無双じゃん」とか思ったらそこに弟・小原好美は生まれるわ、シナリオを左右する重要なお友達が本渡楓だわ、キャスティング側はなんの性癖を抱えてやがるんだ。アフレコ現場実写で見て〜。 「夜のクラゲは泳げない」 6→7 俺にありがちな現象、最終話感想書いてるもんだから最終感想忘れるやつ。 まぁ、毎週書いてたからまとめる必要もそこまで無いとは思うが……よかったんじゃないでしょうか。きっちり1話ずつに刺激あり収束あり、気持ちのいいお話も、心臓にズグンとくるお話もバランスよく配置しており、お手本のような1クールアニメになっていたと思います。 ことに良かった点をピックアップしていくと、まずは上述の通りの「1クールアニメ」という視座。最近はアニメ放送も1クールものが大半を占めるようになり、「1クールじゃ短くて何も描けないよぅ」なんて文句も出てきにくくはなったが、それでもなお1クールという尺を使って何をどこまで描くかというのは課題ではあり続けている。オリジナルアニメともなればそれはなおさらであるが、最初から尺を定めた上で描ける強みというのもあり、今作は4人のメインキャラたちの交流をしっかりと完成図が見えた状態で紡げていたのが評価ポイント。1つ1つのお話を抜き出せばそこまでインパクトの強いものばかりではないが、有機的にそれらのお話が絡み合い、JELEEという1つの「創作物」が完成するという構造は端正だった。 こうして相補的な関係性を紡ぐというのは案外難しいもので、個人的にはどうしてもキャラ贔屓でキウイちゃんパートを推したくなるが、冷静に考えればキウイちゃんのお話って「合わないものから逃げた結果、逃げ込んだ先が楽しかったからOK」という逃避の物語でもある。それ単体で取り上げてしまうと身勝手な部分もあるように感じられるが、あくまでそれは「人それぞれのある人生の選択肢の1つ」であるということが明確に提示されており、そうしたキウイの人生を見てまひるが何かを感じ取ったり、キウイ自身も花音の苦悩を見て戦う勇気をもらったり。そうした繋がりがとても綺麗で、描写もスムーズだった。 また、「配信者集団」というテーマ設定もきちんと時代性を捉えており、作曲・歌唱・イラスト・編集の4人構成でそれぞれの役割を果たしながらの群像劇という設定自体が見ていて面白い。ここにさらに「アイドル」要素も絡むので「おっさんが現代っぽいものを手当たり次第に取り込んでるんじゃねぇの?」みたいな印象に繋がりかねないのだが、少なくとも私(おっさん)視点でテーマデザインに無理してる感じはなかった。MVを見せる作劇も現代の視聴者には馴染み深いものだろうし、ちょうど「数分間のエールを」という佳作が公開されたタイミングと合致したことで、「現代視覚文化」を俯瞰するときのちょうどいい指標になりそうな気がしている。 今後は「クラゲ」「花音」という文字列から真っ先にこの作品が思い浮かぶようになることでしょう(しばらくの間はね)。 「怪異と乙女と神隠し」 6→5 「Unnamed Memory」と並ぶ、今期2つ目の愛憎こもごも作品。愛憎っていうか、「ダメなとこがあるはずなんだけどうまいこと何がダメなのか言語化できない作品」。 途中までの感想でその辺りにはある程度肉薄しているはずなのだけど、ゴールに辿り着いた現在でも、何がひっかかっているのかは定かでない。そして今作の引っ掛かりは多分「Unnamed Memory」とは全然違うものだろう。 まず好きなところから確認していくと、そもそも私は怪異譚は好きだ。正確には「妖怪」っていうテーマが大好きっていうだけなんだけど、「ダークギャザリング」に続くホラー(風味)作品ということで期待はあったし、怪異の取り扱い方も決してなおざりではない。いわゆる「現代怪談」に伝統的な妖怪像を重ねる語り口はちゃんと本作のオリジナル要素になっている。また、キャラの立て方(あとデザインそのもの)も好みのタイプだ。メインヒロイン・団地妻の造形が極まっているところが一番わかりやすいが、それ以外にも乙ちゃんや畦目先生、のどかのキャラなどはいい具合にフックが効いていてキャラものとしても楽しい部分が多い。古来より怪異譚とエロスは切っても切れない関係にあり、あけすけなエロ要素だって楽しい要素だと言えるだろう。トータルすればプラス要素の印象が強い作品なのだ。 その上で「なんかアニメの質がよろしくない」と思ってしまうのはなぜなのか。まぁ、単純に作画リソースが不足してるシーンが散見されたというのもあるが、それ以上にアニメで描いている世界の「足りない」感じが足を引っ張る。単なる説明不足というのではない、まるで製作者の意識から因果が欠落しているような、足下の覚束なくなる不可解な筋運びがどうにも馴染まないのである。この現象が起こっている理由については2つほど考えてみた。1つは、怪談特有の「不安感」を煽るためにあえてどこかで「通常の」演出からズラしているという理由。起承転結の全てを追いかけた上で何かしら不安が残るという作劇は例えば「世にも奇妙な物語」とか、同じアニメなら「闇芝居」とか、そうした作品でもよく用いられる技法だと思うが、それが今作では意図的に「伝わりにくい」ものとして現れているという考え方だ。こちらの場合、私が飲み込みづらそうにしているのも制作側の意図通りという可能性があるわけだが……狙い通りの効果なのかは謎。 そしてもう1つ、こちらもシンプル過ぎる考え方なのだが、漫画原作をアニメにするに際し、「間を埋める」作業を怠った結果であるという可能性。この可能性に言及した理由は、こないだKindleの無料分があったから原作1巻だけ試し読みしたためだったりする。少なくともコミックを読んだ印象として「何かが欠けている」という感じがなかったので、「アニメにする際に何かが不足したのでは?」と考えたわけだ。よく「漫画原作のアニメ化はコマとコマの間を埋める作業」なんて言ったりするが(そう単純なもんじゃないというのは承知しているつもりだが)、今作はあまりに素直に原作をスライドさせたため、メディアの違いに不具合が生じてしまったというのは無い話ではない。……ただ、普通に考えてアニメスタッフがそんな基礎的なことを分かってないはずもないので、これもまたすっきりしない考え方ではある。実際、そうした作品だったら過去にもあったはずで、なんか違う印象はあるんだよ。 ……結論は「よぅ分からん」にしかならんのだが……なんか勿体無いアニメ化だったな、というのが正直な印象。でも、原作はちょっと欲しいとは思ってます。千和猫がどうなってるのかが気になる。 「喧嘩独学」 5→5 なんか、思ったよりもセオリー通りの作品だったので意外性はなかったんだけど、土台部分の王道設定に文句をつける筋合いもないので、これはこれでいいのかしらね。 視聴開始時に期待したのは、原作が韓国の漫画ってことで「日本の漫画にない予想もつかないもの」が出てくること。残念ながらその部分にとびきりの驚きなんてものを求めるのは高望みが過ぎる話で、およそのデザインはマガジンなんかで育まれてきた「へなちょこ喧嘩漫画」であり、私はこれを個人的に「刃森尊フォーマット」と呼んでいる(それより前にもあるかもしれないけど、まぁ気にすんな)。本作はなんか久しぶりに純正の刃森尊フォーマットを堪能した気がして、主人公のキャラ設定なんかは本当にお手本通りだし、最初にちょっと期待した「動画配信者」という設定も、主人公の自己顕示の表れの1つとして使われ、「怪しげな師匠」枠として使われたことで類型の上に乗った。そう考えると、残念ながら斬新さという面では今作は期待に応えてはくれなかった。 ただ、それはこっちが勝手に期待したことであって作品に責任は無い。そうして設定された舞台の上でやれそうなことは至極真っ当に表現してくれていたし、類型とはいうものの、やはりネットでの動画配信を絡めた諸々はいかにもな現代劇に仕上がっており、要所で皮肉も効いている。私が中学生でこれがマガジンで連載してたなら、そこそこ楽しんで読めたんじゃなかろうか。また、配信者という側面に絡んで本作最大の売りは多分カネゴンの存在。いわゆる「いい具合にサポートしてくれる悪友」ポジションなんだけど、打算と狡猾さがいい具合に混ざっていて刺激を絶やさない良い狂言回しになってくれていた。マスコットがわりのアキの存在もよいアクセントになっており、個人的にはあの口調で話すファイルーズキャラはなんか妙な納得感があった。 しいて要望をあげるとするなら、新番チェックの時から書いてるのでしつこいと思われそうだが、せっかくの韓国作品なんだからもっと韓国らしさを出してくれてもよかったのに、という部分。対戦相手にテコンドー選手・韓国相撲選手なんて出てくる時点でもはやローカライズの意味は無いんだし、いっそ全力で韓国文化にコミットしてくれた方が新しい刺激も多くなったと思うんだけど。その辺の出版業界の流れがいまいち分からんのよな。 |
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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