最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「音楽少女」 5→4 結局、今作の主人公は羽織だったということでいいのだろうか。最初から最後まで彼女のツンデレ(?)模様を見て、イライラしてたらいつの間にか終わってたような印象である。 何だか、打算的であまり踏襲して欲しくないようなところは従来のアイドルアニメのままなのに、押さえとかなきゃいけないポイントだけは変に尖っているような、どこかズレた作品だった。そもそもどの程度「アイドルアニメ」として売り出したい作品なのかもよく分からなかったが……「メンバーを少しずつ切り崩してエピソードを作っていく」っていう部分は基本に則っているのに、そのためのシナリオラインがいちいち適当で、少しも「キャラを活かす」っていう方向に働いてないのがなぁ。 アイドルそのものじゃなくてマネージャーを女の子にして、その子を中心に物語を回すっていうのは割と新しい設定だったと思うのだが、結局アイドルになりたいんだか違うんだかがよく分からずにモチベーションがまとまりきらず、視点がアイドルの中心に据えられていないせいで「アイドルの仕事」という掘り下げ方も半端に終わってしまっている。そんな中で一番「アイドルって何さ」ということを考えようとしていたのが羽織だったと思うのだが、彼女の場合は「苦悩と努力」というより「癇癪とヒステリー」という要素が強くなり、結局迷惑かけてるだけになってしまっているのが何とも。途中の「適当にメンバー個人のエピソードをつないでいく」パートの方が緩かった分楽に見られて、本筋が霞んでしまっているのは失敗だったんじゃなかろうか。 「マネージャー本位」という要素から面白い働き方もしてはいるんだ。例えば沖縄アイドル(名前もろくに覚えてない)中心の化粧回。メイクを中心に据えたストーリーなんてのはこれまでのアイドルアニメでもなかなか見たことがない設定だったし、「すっぴんだと誰だか分からないアイドル」なんて設定は振り切れてて楽しい。そこにアイドル本体ではなくサポートとしてのマネージャーが「メイクさんって大変だなぁ」なんてことを考えながら現場に入っていく。これなら確かに本作オリジナルの切り口が出ている。ただ、それ以外の部分だと「弟と会ったら週刊誌にスキャンダルとしてすっぱ抜かれたよ」とか、あまりにも適当すぎる筋立てが「初めて作ったアイドルアニメ」っぽくてさっぱりそそられないのである。これだけ大量のアイドルアニメが乱立している中、他の作品から何か学ぶものはなかったのだろうか。 映像部分もあまり力が入っておらず、ライブパートのモーションとのギャップが激しくて違和感が先に立つ。いっそライブなんて全部捨てて、「アイドルの日常」を徹底的に切り取った手書きメインの作劇にした方が多作品と差別化が図れて面白かったのではなかろうか。このジャンルも、なかなか新規層が参入しづらい世界になってしまっているなぁ。 全体的には低調だったので評価しづらい作品ではあるが、尖った部分があったのは事実なので、そうした数少ない「引っかかり」が楽しいと感じる部分もあったのは救いではある。続編は……あるのかな……。 PR 「夢王国と眠れる100人の王子様」 4→3 まぁ、ソシャゲかつ女性向けだし……。別にそれだけなら点数維持で終了してもいいんだけど、本作は途中で作画部分でも限界を迎えてしまいパッとしない出来になったので、残念ながら成功した作品とは言い難いだろう。 女性向け前提だとそれなりにシナリオラインもまっすぐになるんじゃないかなぁ、なんて勝手な思い込みもあったのだが、やはりソシャゲアニメが抱えている問題点は女性向けだろうが男性向けだろうがそんなに変わらない。たくさんのキャラを出さなきゃいけないので骨子が見えにくくなり、結局何がやりたい作品なのか分からなくなってしまった。メインの2王子+悪役のお話が主軸だったのだが……ゲストキャラがいちいち濃いのでどんどんメインキャラが薄くなるのがな。いや、ゲストキャラを見せるためのシナリオ構築なのだからそれで正しい方向性だったのだろうが……。どうしてもつまみ食いの印象が拭えないのよね。それぞれの「国」でテイストが変わる部分がプラスに働けばよかったのだが、どちらかというと「バラエティに富んでいる」というよりも「とっ散らかっている」という印象。ゲームをやってれば別に気にならない要素なのだろうが、全てが初見の人間が受け入れるには、ちょっとごった煮感が強すぎた。 まぁ、元々「向き」じゃない作品なので私が楽しめずとも問題はないんですよ。低評価だからガッカリしてるかと思われるかもしれませんが、これより下にはさっさと切ってしまった「千銃士」っていう作品もあるので、今作は最後まで観られただけでもありがたいです。 「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」 4→5 いろんな異世界があるもんですね。こちらの異世界は「なんか腹立つけど悪くなかった異世界」です。まぁ、我ながら評価基準はガバガバすぎる気はするんですが。 結局、どれだけやる気があるのかって話なんですよね。シナリオにしろ、作画にしろ。本作はまず、作画部分がかなり頑張っていたというのが大きなプラス要因だった。モンスターの造形なんかはCGが露骨なので「なんか浮くよな」と思う部分も多かったのだが、ぶっちゃけ本作の最大の見どころは盛大な魔法バトルでもなければ素早い剣戟を見せる活劇アクションでもない。いかにしておっぱいが柔らかい女の子にベッドで喘がせ、いかにムチっとした女体を放送コードの範囲内でギリギリまでエロく見せていくかという部分である。本作は、その部分については本当によく頑張っていた。元々この手の異世界ファンタジーの衣装って「それ、見せたいだけやん」みたいなのが多いわけだが、本作はそうした「見せたがりファンタジー」を突き抜けて、「ほら、世界が違えばルールも違うし、見せていいラインだって変わってくるでしょ」みたいな部分に最大の異世界要素を持ち込んでいた。主人公であるディアヴロが最後の最後まで童貞マインドを貫き通すのは相変わらずなので辟易するが、これだってジャンプ連載のエロ漫画なんかでは定番設定ではあるのだし、寸止めを多用した中高生向けエロ作品としてはかなりクオリティの高いものになっていたのではなかろうか。本作と「ゆらぎ荘」を比較すれば、「異世界エロ」と「ジャンプエロ」の対比が見やすくなって色々と面白いかもしれません。 そうして映像部分を評価すると「シナリオは二の次だから」という言葉が出てくるが、本作はエロに進行するためのシナリオ部分も決して悪いものではない。そりゃま、結局は魔王設定だからオレツエーになってしまうわけだが、エロが目的の作品なので、「戦闘にどうやって勝つか」なんて部分は適当でも良くて、「いかに女の子との関係性を深めていくか」の方が力を入れるべきポイントなのである。タイトルから誤解しやすいかもしれないが本作はシェラ&レムというメインヒロイン2人体制に一切のブレがなく、「奴隷設定」が最初に問答無用で3人を繋いでしまっているが故に、このトライアングルだけをみて、その中身を掘り下げることに心血を注げばいい。もちろん他にもいろんなヒロインは出てくるが、筋立てを追っていけばそれらがあくまで添え物であり、最終目的は「巨乳エルフを取るか、貧乳猫耳を取るか」という実にファンタジックな二択で進んでいることが分かるはずだ。軸がブレなければそれだけ筋は追いやすくなり、結果的にディアヴロのキャラも固まってくる。最後まで「魔王プレイって何だよ」っていう制約部分はよく分からなかったが、引きこもりのオタク設定だった主人公が無双プレイするにはそれくらいの「よく分からんけど都合がいい設定」を追いといた方がいいだろう。モモンガ様だって作品冒頭で人間としての感情を消失しているのだし、ディアヴロの魔王プレイなんてわかりやすい部類である。 あとはまぁ、大喜利みたいにしてひたすらエロいことを文脈に乗せていくだけ。わかりやすいじゃないですか。AT-X勢の私は「すのはら荘→これ」の順なんですよね。古来より人間のモチベーションの大半はリビドーですので、これはこれでいいんじゃないでしょうか。 ちなみに、中の人の効果も相まって本作のヒロイン勢はまんべんなく好きです。二択だと多分阿漕さも込みでシェラの方になるのかなぁ。セリコは本当にこういう役でもノンストップなのでアイドル声優勢の中でも一歩突き抜けた存在感がある。そんな中で負けない和氣ちゃんもさすがだとは思うが。あとは作品終盤で突如現れて全てを持っていったクルムね。「この声誰やねん」と思ってクレジット見て種さんだった時の衝撃。この人ホンマすごい。あ、あとるみるみ貧乳ヒストリーとはらみークレイジーヒストリーにもう一本追加ね。どこを見ても甘ったるい声しかいないから最高の現場やな。 「すのはら荘の管理人さん」 5→5 第1話を見た後も、そして放送後の現在も、私は同じことを言い続けるしかない。ただひたすらに、サトリナの姉成分に全てを任せるのだと。 結局それだけの作品である。おねショタという1ジャンルがいつの時代に絶対的な地位を手にしたのかは定かでないが、おそらく遡れば古典的な文学作品にまでたどり着くのではなかろうか。母の善なる癒しと同じく、血が繋がろうが繋がるまいが、年上の女性はにただただ身を任せ、全てを管理されるという喜びはどんな男性にも存在しているのだ(主語は極限まで拡大していく)。そんな姉的イデアを体現した管理人さんは、圧倒的サトリナ姉ヒストリーの1ページとして恥ずかしくない、恥ずかしさ全開のキャラクターであった。 まぁ、結局一言でまとめると「痴女やんけ」ってことになるんだけども……私のように奇乳が苦手な人間でも、彼女のパワーの前にはねじ伏せられるしかない。何をしてもとにかく「少年に性衝動を目覚めさせるための装置」にしかならないすのはら荘。確実に取り締まられる対象だと思うのだが、アニメというのは理想を現実に変えるための手法。なればこそ、ここに1つのイデアが、ヘヴンが、ヴァルハラが存在しても良いのではなかろうか。求めよ、さらば救われん。求めないものには、このアニメは必要ない。 私は、この作品を求めていたのだろうか。来週から観られなくなるという事実に大したダメージはない。だって、別に面白いアニメでもなかったのだから。単に贔屓にしていたエロサイトの1つが閉鎖する、その程度のものである。しかしなんだろう、この胸にあいた虚の感覚は。私の人生に今作は必須ではないが、サトリナは必須である。あと多分キタエリのショタもあったほうが嬉しいし、奈津ねぇの背伸び幼女もあったら嬉しい。佐倉さんのサバサバ系巨乳もあればあったでありがたいし、嫉妬で膨れる茅野姉はパワーの源だ。誰でもいいんだ。みんな、甘えさせてくれ。 現場からは以上です。 「邪神ちゃんドロップキック」 6→6 わしゃ好きだったんじゃ。今期ナンバーワンヒロインは邪神ちゃんじゃ。うむ、言い過ぎかもしれん。 なんでだろね、こういうギャグって本当に合う合わないがあると思うんだけど、今期ずらりと並んだギャグの中では僕が一番楽しく見られたのはこの作品でした。なんかね、あんまり細かいところにこだわらずにやりたいこと垂れ流してる雰囲気がいいね。第1話で一切説明もせずに(オープニングの歌詞だけで)何となく状況を理解させ、そのまま自然に「そこにある邪神ちゃんとゆりねの生活」っていう状況からスタート。その後も本当に思いつきのように適当にエピソードが紡がれていて、アイキャッチ入るタイミングもまちまちだし、時間軸だって適当っぽい。季節ネタをやる順番だって細かいことは気にしないし、一発ギャグあり、メタネタあり、中の人ネタあり。でもなんだろ、これで30分やっても全然退屈しない。むしろこのまま続けられるならずっとダラダラ見ていたい。そんな作品でした。 映像部分はかなり安定してたんじゃなかろうか。決して息を飲むよう何かが出てくるわけじゃないが、身の丈にあった程よい「可愛い」と「可笑しい」を維持した作画。時たまやたら描き込みの多い美少女風の邪神ちゃんなんかも出てくるが、作画テイストのぶれまで含めてネタみたいな丸め込み方。シャキシャキ動く必要もないし、1枚絵で愛嬌があればそれでOK。昨今のアニメは超絶作画タイプと、「緩くても絵があれば大丈夫」タイプに二極化している気がするんだけど、その極北にいたのが「ゴクドルズ」で、この作品はあそこまでではないけど力の抜き方を分かっている感じ。これくらいなら頑張って予算を確保せずとも2期にいくことができ……るかな……どうかな……。 マイフェイバリットヒロインが誰だったかと言われるとすごく悩む作品で、エロさ、可愛さで言ったらメデューサなんだけど、初見のインパクトも含めて刺激が多かったのはぺこら。ぺこらのあの目のデザインは他作品で見たことがないものなので、彼女がドギマギとあたりを見回している絵だけでも不思議と力があったな。そしてやっぱりメインヒロインといえば邪神ちゃん。最終回では見事な歌唱力まで披露していた。なんやあれ、やたらうまいやんけ。スクールアイドルでもやったらいいんじゃないか。そして、そんな邪神ちゃんを支えてくれるのは「時たまやたらいい関係性を出してくれる」ゆりね。基本的にゆりねっていい奴だから見てて気持ちいいんだよね。ゆりね×邪神ちゃんのカップリングと邪神ちゃん×メデューサのカップリングと。そういう部分でも得るものが多いありがたい作品でしたとさ。 というわけで中の人については大体キャラと重ねてしまったが……かなり若手が多い現場だったんだよね。MVPは邪神ちゃん役の鈴木愛奈で決まりだけど、久保田未夢も着実に勢力を伸ばして来ているし、ぺこら役の小坂井祐莉絵という人も初めてのレギュラーで堂々としたキャラ作り。ゆりねを務めたのが大森日雅という変則起用も面白かった(ここに来てやっぱり小見川には触れないスタイル)。やっぱり、全部良かったよ。2期よろしくお願いします。 「ISLAND」 5→5 本作で得られた最大の知見は、○○○○ボイスの少女が時を超えて大きくなると○○○○ボイスになるっていうことですね(特大のネタバレ)。あれ? 若返って……。 一言で言えば尺足らずである。多分シナリオに必要な「プロット」はほとんど描き切ったのだろうとは思うが、やはりこの手の物語はとにかくうわべのプロットを辿ればいいというわけではない。タイムリープやらなんやら、ネタの部分に面白みがあるのも事実だろうが、本来クリエイターが描きたかったものは、そうした「ネタ」を活かして重ねるヒューマンドラマであるべきだ。今作がアニメ化にまでこぎつける人気作になったのは、ネタ部分はありつつも、そうしたドラマ部分に見どころがあったからなのだと思う。幸い、プロット部分も色々と興味深いネタが多かったので退屈な作品にはならずに済んだが、原作を知らない状態で夢想するに、「多分、ゲームだったらもっと面白かったんじゃないか」と考えてしまうのは致し方ないところだろう。 ギミックに富むことは決して悪いことではない。今作は作画部分が割と頑張っていたことに加え、目先の謎が誘致要因になり、最後までほとんど労無く見続けることができた。そういう意味では割とよくできた作品であり、シナリオの組み方は上手いと思う。途中でまさかのタイトル変更が起こったりするのはシリーズアニメとして見たときにも刺激が多くて愉快な部分だし、それが決してこけおどしでは無くちゃんとプロットの重要な部分にも関わっているし、手垢のついた「時間旅行」というギミックの中で、この時代にまた一捻りされた作品が出て来たことは喜ぶべきことだ。だからこそ、せっかくアニメ化したのだからもうちょい丁寧に……という贅沢な欲求が出てくるのは致し方ないところ。まぁ、これだけの中身を1クールでやるのははっきりいて無理難題なので、苦し紛れであってもちゃんと形になっただけでも製作陣は評価されるべきなのかもしれないが。 なんだか「悪くなかった」と「もったいなかった」の狭間で揺れ動いてしまうのでなかなか評価が定まらないが……まぁ、私のようにゲームをやる予定がない人間は手っ取り早く中身を理解できるダイジェスト版だと思って受け入れれば、案外良い体験だったのかもしれません。あと、キャストが良いです。アスミスとサトリナがいるだけで僕のアイランドは永遠です。トロピカルアイランド(トリム平均価格で5万円)です。 「Back Street Girls -ゴクドルズ-」 5→5 もう終わるんかい。今期1本目の終了作品は、意外なところで10話完結(完結してるか?)を迎えたこの作品。まぁ、アニメ業界も1クール12〜13本っていう制限に縛られずに作品が作れるようになればシリーズ構成の自由度が増すのでこういう展開も良いとは思いますけどね。この作品に構成もクソもあるかよ、っていうのはおいといて。 今期様々なジャンルからしのぎを削った純正ギャグ作品の一本。個人的にはあんまり好みのタイプではなかったので点数はあげないけど、多分作品のコスパはめっちゃいいはず(作画的に)。 ヤンマガ連載作品ということで、かなり攻めた際どいネタ、っつうかアウトなネタも色々と挟み込まれたえげつない作品。昨今は「魔法少女俺」のようにアイドルという存在をネタに振り切った作品も珍しくないが、今作は実は「アイドル」という要素は割とおまけみたいなもんで、作中でのアイドル活動自体はそこまで克明に描写されているわけではなく、まさにタイトル通りに「裏側」を描くシーンがほとんど。そんな中で「性転換」「ヤクザ」という2つのテイストが絡まり、どんどん汚い方向へと走り去ることで「アイドル」成分とのギャップが笑いにつながる。いや、もう途中から性転換っていうか魔法レベルの存在になってた気がするけども……タイってすげぇ国だなー。 個人的にはそんなミラクルな世界を支えていた組長役の藤原啓治がやりたい放題やってた部分が一番好きな作品で、どうしても下ネタ方向に振り切っちゃうメインのネタの方はあまり得手ではなかった。「まだ若い主演の女性声優たちに何言わせてんねんwww」みたいな部分も狙ってた気もするが、それができるのが声優って存在だしなぁ。これでイメージが固まっちゃったらマズいのかもしれないけど、本作の場合はメインの男性キャストと二人三脚なのでそこまで表に出てくるイメージでもないし。でもまぁ、楽しそうで何よりでした。 それにしても、今作における謎の今千秋への信頼感は一体なんだったんだろう。俺の中ではむしろ手堅いイメージの監督だったんだけどね。 「フルメタル・パニック! Invisible Victory」 6→4 まずもって、前提条件としてスケジュール通りに放送できなかった作品は評点が下がる。これは別に「ちゃんと仕事できない大人はダメだ」とかいう意味ではなく(まぁ、そういう気持ちもゼロではないが)、間が空くと、どうしたって視聴のモチベーションが下がり、記憶も薄くなるのでシリーズ全体での印象が弱くなってしまうためである。本作は最終話の放送までのブランクが1ヶ月弱とそこまで長くはなかったが、それでもやはり、ぶつ切りになってしまった物語にはなかなか好印象は懐きにくい。 鳴り物入りで始まった今作。制作側はとにかく徹底的にメカ作画にこだわるという部分を売りにしており、原作者が細かく監修する中でひたすらリアルとフィクションの間で「らしい」メカニックの映像化にこだわっていた。その成果として「人型兵器」というアニメの中でも最大のフィクションにある程度の真実味を持たせ、作品の顔として見せることに成功している。そういう意味では、十数年という時を経てこの時代に作品が帰ってきたことにも意味はあったのだろう。 しかし、それが十数年のブランクを埋め合わせに足るペイバックになったかと言われれば微妙なところだ。何より、メカ作画以外の部分にアラが出てしまっては元も子もない。メカ部分より何よりも、一本のアニメとしての映像にけじめをつけて欲しかった。せっかくのタイトルなのに、何故万全の用意を整えてからの放送にこぎつけられなかったのだろうか。そのあたりのメタ的な部分への疑問が、確実にアニメ業界への疑念へと摩り替わって悪感情へと繋がってしまう。作品そのものに罪がないとはいえ、我々視聴者は出来上がった作品そのものでしか判断できないのだ。そこにどんな言い訳も通用しない。 映像部分以外での評価を考えてみても、本作はそこまでめざましいものではなかったように思う。硬派な内容なので横やりを入れる余地はないのだが、1クール作品としてみるとやたら視点が散ってせわしない印象だったし、旧作ありきでの成立が前提になっているので、これだけでは評価することもままならない。これですぐに続きが始まるのならば解釈のしようもあるのだが、どうやらそんなこともないらしい。例えるなら上中下と揃ったシリーズものの「中」だけ見せられているような、そんな感じである。返す返すも、やっぱり何故この形でのアニメ化にこぎつけたのかがわからないのである。 結局、万策尽きるアニメを見ると「尽きたのか……」という話題ばかりが先に出て、他の部分も色眼鏡で見てしまう傾向はあるのかもしれない。今作がそうした余計な要素を排除し、純粋に楽しめる作品になる日はいつか訪れるのだろうか。 「ダーリン・イン・ザ・フランキス」 5→5 新番組もガシガシ始まるこの時期に、ようやく終わった今期最後の終了作品。今期感想が書けた作品総数は36本。春クールの新番チェックが48本だったことを考えると、2クール作品との絡みなんかもあるが、かなり数を減らしたことになる。これは、今期意図的に切る作品を増やしたことによるもので、例えば一応最後まで視聴・録画していた「カリギュラ」「されど罪人は竜と踊る」あたりは、もう途中から頑張ってみる気も無くしていたので評価する権利がない為に放棄した。他には「実験品家族」「東京喰種:re」など純粋に切った作品もあるし、最大の問題としては「BEATLESS」「フルメタル・パニック!」など、こちらの都合と関係なく感想が書けないものも……いろいろ複雑化していますね……まぁ、今作は感想が書けるだけでも感謝すべきだろう。 しかし、そんな最後の1作は、これがなかなか難しい作品である。誤解を恐れず一言で言えば、今作は期待されたゴールにたどり着けなかった作品だからだ。本当に評価するのが難しく、例えば同じ2クール作品の「刀使ノ巫女」と比較してみると、あちらはスタート時点で4点から始まったけど、回を増すごとに5点、6点と点数を加算する展開で、最終的には良作と言える位置に落ち着いた。それに対し、こちらの作品はスタート時に平均点やや上くらいの印象を与え、途中中だるみするも、1クール目終了のタイミングくらいで見事な盛り上がりを見せ、心踊るメカニック描写や驚きを伴うスリリングな展開から「いやぁ、さすがにトリガーのオリジナル作品は気合が入っているな」と感心させられた。途中で毎話感想を書くくらいにちゃんと読み込んでいなかったことを後悔したものである。 しかし、その雲行きが怪しくなったのはいつからだっただろうか。叫竜の姫がその正体を現し、「パパ」たちもその真の目的が露見する。パラサイト達の苦闘は何がゴールなのかわからなくなり、まさかの展開で最終決戦は宇宙へ。そのまま、作品の中心にあるべきヒロとゼロツーだけが独立部隊として明後日の方向に消え、残りの面々でアグリコラを始めるというよくわからない結末に落ち着いた。意外な展開が「オォ! そういうことか!」から「えっ、何でそっちに行くの?!」に変わってしまった明確なポイントは定かでないが、個人的にはココロとミツルの結婚式後に、2人が記憶を消されてケロッとした顔で帰ってきたあたりで「あれ、これ作中の齟齬を解消する気は無いのでは……」ということにようやく気付かされた。幾ら何でも、要素を盛り込みすぎて畳むことを考えていないのは明らかである。 繰り返しになるが、個々の要素に優れた部分は多いのだ。脚本にしても、例えば最初期から与えられた「繁殖を目的としない時に男女という器の違いは何のために存在するのか」というテーゼは興味深いものであり、ジェンダー論の試論としては面白そうな設定。もちろん、それだけでは何も進まないだろうということで間をつなぐ為にフランクスという「理由」が置かれている。その上で形成されて行くゼロツーとヒロの関係性は人間ドラマ、ラブロマンスとして文句なしに見応えのあるもので、絵本の記憶を通じてゼロツーが「ダーリン」に出会うまでの展開は素直に素晴らしかったと思う。また、彼女の生い立ちに絡めて「人間」と「性差」という問題を他のメンバーにパスし、そこから情愛を語る手管も間違ったものではないだろう。 しかし、本作はそうしたヒューマンドラマのみを売りにするつもりはなかったらしい。何とかしてそこにドッカンドッカン暴れるアクションは入れたいし、大見得を切るメカ作画、とんでもないスケールの兵器決戦も盛り込みたい。確実に、スタッフの頭の中には「グレンラガン」の存在があったのだろう(そして多分「キルラキル」も)。そうした部分に「トリガーらしさ」を見せるのがお客さんへのサービスだと認識し、地味に土いじりや子育てをする若者達の姿だっけで終わらせず、とんでも宇宙戦争や大パニック恐竜決戦も盛り込む。うむ、盛り込んでもいいだろう。確かにトリガー作画は素晴らしいのだ。ただ、それを物語にちゃんと絡める努力をしないなら、それは空中分解して別な作品になってしまう。 後半になるにつれて色々なところで「まぁ、ストーリーの都合上そこは割愛します」と言って飛ばす部分が増え始めた。大いに首をひねったココロたちの記憶の件もそうだし、最終回だけを見ても、突然地球の連中がお手手繋いで空に祈り出すことに一切の理由がない。意味がわからない。「何となくそうしないと少年漫画的にヒロ達が輝けないから」というそれだけの理由であのシーンが挟まれるし、それだけを根拠にゼロツー達が最後の輝きを放つ。普通に考えたら、ああいう「仲間達の最後の一押し」は同じ戦場で、最後まで戦い抜いた仲間達が背中を押すからこそ輝くのであって、遠く何光年も離れたような宇宙空間で異形の2人が求めるものではないだろう。もっと早い時点でどういう幕引きにするかが分かっているはずなのだから、そこに整合性を与える脚本は考えられたはずなのに、スタッフはそれをしなかった。「色んな面白そうな要素のごった煮」に単品の材料だけをぶちこんで、味を整える気がないような、そんな作品だった。 最終的な印象だけを考えれば、やはり本作は失敗だと思う。しかし、そうして最後の局面だけを見て「失敗だ」と点数を下げるのも何だかもったいない気がするのも事実だ。「あんなに面白かった部分があるのに」という口惜しさみたいなものがあるのだろう、何とか中盤の盛り上がりや、個々のアイディアの秀逸さを取り上げる方法があれば良いのだが。今のところ、残念ながらそうした評価軸は設定しづらく、ひとまず点数を動かさないことでこの「口惜しさ」みたいなものを残しておきたいと思う。「早見沙織に妊娠・出産させた作品」っていう価値の置き方でどうでしょう(誰に聞いているんだろう)。 |
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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