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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「セントールの悩み」 5→5

 モンスター娘のいる日常でしたね。なんとも不可思議なこの世界、見た目は異質なのにやってることは極めて「日常」。こういうファンタジーってのもありなのかな。

 映像作品として考えた場合のクオリティは正直そんなに高くない。今作は中国関連の制作スタジオが自社のPR作品として大々的に宣伝を打ちながら攻めてきた記念碑的な作品なのだが、残念ながら黒船来航という感じでもなく、「だいぶ日本のアニメーションに近いテイストも出せるんだな」という程度のもの。おそらく国内スタジオで本気のどこかが担当すれば、もっとクオリティの高い作画は実現したのだろうが……、ただ、ぶっちゃけ今作はそこまでの超絶作画が求められるような性格の作品ではないんだよね。動きも少ないし、ドラマティックな演出が求められているわけでもない、ひどい言い方をするなら、原作漫画のコマを描き起こし、間を埋める動画を繋ぐといった趣の作業だけでも割と成立する。別にそれだけの作業だったというつもりはないが、肩肘張らずに素直に原作の良さだけを引っ張り出す作業に従事してくれていたと考えれば、アニメ化の成果はそれなりのものだったと思う。実際、姫君は割と可愛いと思えたしね。

 そして、そんな最低限の動画部分から繰り出されるストーリーが……なんとも不思議なんですよね。1話時点で大体説明が終わってしまった「亜人種に溢れる世界」設定は、そこに「特別」が存在しないというならばもう1話目のビジュアルだけで終わってしまうはず。究極の出オチ作品だ。あとは角や羽を持った女の子たちが学校でだべっているだけなら、それは本当に「日常系作品」でしかなくなる。しかし実際には、今作の場合はちゃんと「違い」の部分が掘り下げられ、「かつて人類種が多様に分裂し、異なるものが共存する世界が生まれた」という設定によってこの世界に何が起きているのか、ユルい雰囲気を維持しながらもきちんと考えさせられるように作られている。南極蛇人の設計なんかはちょっと極端すぎる例かもしれないが、例えば「じゃぁこの世界におけるお化けってどうなるんだろう?」とか、「芸術作品の理解は種族を超えるものか?」とか、そして突き詰めた問題として「これだけの種がある中で恋愛感情はどうなるんだろう?」なんて問題も。本当にどうでもいい問題だとも言えるし、この世界を作ったからには突き詰めたい世界の不思議とも言える。そうした「日常だけど非日常」な要素を、哲学のような、倫理学のような、道徳の授業のような、ふわっとした視点から掘り下げるというのは、特別な求心力があるというわけでもなかろうが、どこか気になる、不思議な心地のテーマ設定であった。

 アニメ業界では「日常系」ブームも一段落した感があり、今は日常をそのまま異世界に移して「異世界もの」が人気。しかし、「異世界が来い」とばかりに逆輸入してくる設計だけでもこれだけ新鮮な感覚が味わえる。まだまだ色んな鉱脈はあるんだろうなぁ。

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「ナイツ&マジック」 5→5

 なんとも珍妙な作品であった。まぁ、テンプレラッシュに辟易させられる昨今、異世界転生というテンプレの塊の中で「珍妙だ」と思わせるだけでも意味のあることなのかもしれません。

 もちろん、テンプレはテンプレである。1話目時点ですでにテンプレ設定で倍満くらいは弾き出しており、お仕着せの設定が多いので世界設計のそこかしこに齟齬や違和感が生じていたのは事実。ロボットの設定なんかも、エルがこの世界の技術革新を行う土台が最初から整えられていたわけではなく、とにかく行き当たりばったりにエルがシルエットナイトを強化していくというオレツエーの極みなので、現地の人たちのオツムをバカにしすぎなのは間違いないし、周りの生活レベル、文化レベルと明らかに乖離が生じたりしている。そういう部分で、やはり世界づくりの側面は失点が多い。一歩間違えば異世界でスマホな展開待った無しである。

 しかし、今作の場合は「これ、異世界じゃなくてもいいよね」という根本的な設計ミスが、かえって作品を他作品から切り離して独自路線を突き進むための燃料にしていた感がある。誰しも思ったことだろうが、エルの設定に必要なのは「頭がイカれているとしか思えないくらいのロボット崇拝者であり、人知を超えた設計思想と情熱を持ち合わせている」という部分だけであり、そこに現世の知識は一切関わってこない。だって、現世にもロボットいねーもん。無い知識は持ち込めないわけで、エルは現世のプログラマーが転生しようが、たまたまそういう特殊性癖の美少年があの世界に生まれようが、なんの違いもないのである。「幼女戦記」のように度々現世での記憶が蘇り、そこに因果が含まれるなら分かるのだが、エルの場合、2話以降で現世のことを振り返る機会すら与えられない。まぁ、そりゃ、いらないからな。

 こうして「転生ものだけど実質的に転生要素ゼロ」という設計のおかげで、本作はオレツエーなのに「現世の知識を活かして活躍するよ!」ではなく「とにかく天才少年がフェチズムを燃料にやりたいことをやるよ!」というデザインにすり替わり、独自路線を歩むことになった。最初は可愛いと思えていたエルのロボット愛も次第にその病巣を深め、最終話に至っては相手技術者が頑張って開発した(有用な)兵器に対し、「自分の美学に反するから許せない」という理由で叩き壊すという暴虐にまで至っている。人間性としてはただのクズなのだが、主人公のキャラを立てるための設計としてはむしろ面白い。「あぁ、こいつ、マジで恒久平和の理念とか人類愛なんてものは持ち合わせてないんだ……」ということがよくわかり、今後の展開次第ではエルがロボットの機能をアップさせるために何百万という人間を犠牲にする展開だってありえない話ではない(まぁ、さすがにその程度の倫理観は携えているようだが)。

 「変態少年のワクワクロボット開発記」という独自ルートを突き進む本作。アニメーションとしては最大の武器がそこにあるわけで、今季作品の中でもかなり安定した作画状態がロボ+異世界のデザインの中で確実に起こる超絶進歩の色合いをわかりやすく見せてくれている。ボトムズ以下から始まり、最終的にストライクフリーダムになるという超速進化はもはやギャグ以外の何物でもないのだが、まぁ、そういうネタなんだからしょうがない。「敵国の順応度高すぎやろ」とか、「プログラマーの癖に機械工学強すぎだろ」とか色々と突っ込み要素はあるものの、あらかたの矛盾点は「ロボットは美学なんです」というエルの剛腕でねじ伏せられる。あとはまぁ、鬼のような才能の周りに人が集まってくるだけですからね。エルは人としては最低だが、あまりにも純粋すぎるのでかえって敵を作らずにオレツエーの中で馴染んでいられるのは立派だと思う。ハーレム展開になるはずなのに欠片もハーレムに興味を持たないショタデザインというのも、他作品との差別化が図れるグッドアイディアだったのかも。

 問題が多々ある作品あのは事実だが、異世界転生という紋切り型の入り口から、こういうヘンテコなものが出てくるっていうのは現代アニメ文化の中でもなんらかの希望的な要素ではあるのかもしれない。そして、高橋李依のショタ役も実に良いものであることが分かったという収穫は大事にしていきましょう。この子は本当に「頭のイカれた爆裂娘」が似合うよな。エルくんもどこぞの駄女神に頼んで変形合体デンドロメイデンを作ってもらえばいいと思うの。

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「へボット!」 ー→7

 どんなアニメでも終わったときには達成感とか、安堵感とか、喪失感とか、絶望感とか、色々な感情が沸き起こるものだが、今作ほどの喪失感を与える作品もなかなかないだろう。奇しくも最終話のテーマが「にちようびのせかい」だったが、まさに日曜朝七時がこの世界から消えてしまうに等しい所業である。

 おもちゃは売れていなかったという。まぁ、そりゃそうだろう。大人から見たら「なんやねんこれ」の極みの商品だったし、子供さんだってお母さんに必死にしがみついてなんとか1つだけ買ってもらうなら、わけのわからないDXヘボットよりも変身ベルトや巨大ロボットを買ってもらった方がいいと考える。カードゲームのような細かな商品ならまだ売り上げも積み重ねられようが、大味なネジというわけのわからない商品で、どれだけ捌ける算段があったものやら。番組中盤以降、新商品ラインナップが全部ポシャってしまったせいで延々最初のエトボットとペケットのCMだけが流され続けるという状況には、制作チームの悲哀が感じられるようだった。

 おもちゃが売れなきゃ駄目なのは日曜テレ朝枠の宿命。本作はおそらく首脳陣からは失敗作の烙印を押されることになるのだろう。でもさ、そんなもん、見ればわかるやん。オメェなぁ、大人だってついていくのがやっとの作品なんだぞ。子供さんがこれを十全に理解して好きになるだけの余地がどこに残されているというのだ。いや、でも、これは……。大人がハマる、否、はめられてしまう地獄の作品である。気づけばそこにヘボット。寝起きの頭では絶対に視聴できないヘボット。起きてたとしても体調次第では受け付けないカロリーのヘボット。商品が売れようが売れまいが何一つブレないヘボット。下手したら昨今のアニメで一番がっつり本格SFやってたかもしれないヘボット。制作スタッフのメンタルが心配になるヘボット。……これだけの前例のない頭のイカれた作品が、1年という長丁場を続けられただけでも、奇跡のような存在である。

 こうして1年を共に過ごし、「日曜朝、絶対見るヘボ」を脳髄まで染み込ませ、ネジこまれた我々は、今後ヘボット無しで日曜日を乗り越えることができるのだろうか。一コマすら油断できぬあの情報の嵐を、どこか他のリソースに求めることができるのだろうか。多分無理だろう。ヘボットは、失ってはいけない、何かの防波堤だったはずなのだ。それがまさか、枠ごと消失してしまうとは……おおヘボット、お前がメ〜テレの数十年の歴史の最後を看取るというのか……。いや、大丈夫、別に死因がお前だったわけじゃない。時代が悪いのよねぇ。少子化によってアニメの放送形態も変わらなきゃいけないものね……いや、ちょっと待て、絶対にこのアニメは前例のないイレギュラーなんだから、別に時代の流れと全然関係ないぞ。

 本当に、「なんでこんなもん作りやがったんですか?」とか「なんで朝7時にこれが行けると思ったんですか?」とか、色々と責任者に問い詰めたい。問い詰めた上で、涙ながらに感謝の意を伝えたい。成功だろうが失敗だろうが関係ないんや。このアニメを1年間作り続けてくれた、その多大なる無謀に感謝しかないんだ。僕らは大好きだったんだ。この世界が。

 終わってしまうものはしょうがない。しかし、何かの萌芽は与えられたのかもしれない。どこかの奇特なお金持ちが、この作品を深夜アニメにブラッシュアップする資金を出してくれるかもしれない。本気で全てを乗り越えたヘボットがどんな作品になるのかも気になるところである。もう、このままもう一回深夜に再放送しよう。それでも、多分僕はもう一周くらいなら全てを新鮮な驚きと衝撃で繰り返せるはずだ。何回も何回も繰り返して、ネジルがたどり着いた最後の世界には、きっと僕らはまだ到達していない。

 今作を作り上げてくれた全ての関係者に改めて謝意を。すごかったよ。とんでもなかったよ。そして何より、本当に大馬鹿だったよ。僕はヘボットが大好きでした。あ、でもナグリ王女はもっと好きでコブシ(オチ)。

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「活撃 刀剣乱舞」 5→4

 ピンとこなかったのはしょうがない。わたしゃメインのターゲット層ではないのだから。ただ、「私は対象じゃない」というのも逃げの文言なので、あんまりハマれなかった理由はそれなりに考えてみたい。

 「花丸」でリタイアした身としてはやや身構えての視聴。そして、視聴開始時に、最初に今作にお願いしたいな、と思っていた越えるべきハードルを2つ提示していた。そして、幸か不幸か、この2つの条件は、それなりにクリアしていた作品だった。まず1つ目、「タイムトリップものとしての意義をきちんと設定してほしい」。わざわざ時間跳躍をするという設定なのだから、「今の異世界」で戦うのではなく、「過去の現実」で戦う理由をちゃんと見出してほしい、という欲求。これについては作品後半のミッションで、「実際の偉人と共闘したり、ドラマを繰り広げたりする」という部分でクリアしている。そして、2つ目の条件は「キャラが刀であるという個性を活かしてほしい」。これも、同じようにして実在の偉人(持ち主)と絡むことで、「刀が持ち主と成し遂げたかった想い」というテーマを設けることでキャラの特性として活用している。つまり、今作はきちんと「ならでは」部分をストーリーラインに組み込み、オリジナルの見せ方を心がけていた作品だったと言える。

 ちゃんと要望を満たしてくれたのだから、満足のいく作品になるかと思ったのだが……違うんだ、まだ足りないんだ。そこだけ満たされても、みたいなスカされ方だ。まず、「タイムスリップものの意義の設定」だが、確かに「刀が実際の持ち主と絡み、過去の世界で共闘する」という設定はアツいものがあるのだが、おかげでますますわけがわからなくなってしまっている。結局、刀剣男子って何なんだよ、っていう。いや、そこは細かい設定を設けられてもしょうがないんだろうけども。そして、「歴史改変」云々言ってる割にはタイムパラドクスの扱いとかが随分雑。あれだけの大立ち回りを演じているのだから、バタフライエフェクトみたいな働きでガンガン未来に影響を与えそうなもんだけどそうでもないし、刀剣男子自ら積極的に過去世界に干渉してかき回してるし。何よりもタイムトリップの制限が提示されてないので、時間遡行軍でも誰でも、「失敗したらもっと過去に行って再チャレンジしたらええやん」という当たり前の疑問が結局解消されていない。また、結局移動した時代が幕末を中心にしており、他の時代背景を見るチャンスがなかったので時間旅行ものというより、単なる幕末チャンバラアニメで終わっているのも肩透かしだ。まぁ、そりゃ「刀剣」がメインの作品なんだから、チャンバラがメインになるのは当たり前なんだろうけども……、これ、時間遡行軍が湾岸戦争の時代とかに出てきたらやっぱり同じような出で立ちで討伐しにいくんだろうか?

 そして、「刀剣の写し身としてのキャラ」という設定も、「刀が抱く思い」なんてものは想像することすら難しく、後半の土方と刀の感情のもつれとか、ちょっとレベルが高すぎてついていけなかった。刀の持ち主と、実際のその刀と、その具現化男子の共闘。なんかもう、概念がごちゃごちゃしすぎだ。これを受け入れるには、まだ私の理解力は足りていなかったらしい。まぁ、艦これも受け入れられない人間だしな……。

 結局、こうして「なぜそんな設定にしたんだろう」という根本的な意義に共感が覚えられないと、今作ならではの要素が全部マイナスに働いてしまうせいでピンとこない結果になるんだよな。あと、バトルものとして一番いただけないのは「敵キャラの意思が全然感じられない」っていう部分だろう。敵の思惑がさっぱり分からないし、単に「なんか暴れる機械」みたいになっている化け物どもを退治してもカタルシスがないんだ(これも艦これと一緒だ)。せめて敵サイドにも何らかの意思を持つ個体を用意してそれぞれの思惑をぶつける演出が欲しかった。

 まぁ、劇場版も決まっているらしいし、キャラにしっかり愛着がある層には問題なく受け入れられる作品になってたんでしょうかね。突き詰めれば結局ソシャゲアニメってそういうもんだ。

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「賭ケグルイ」 5→5

 予定通りの幕引きですかね。とりあえず想定の範囲内で収まったアニメでした。

 原作ファンなので是非とも良いアニメにしてほしいなー、と思っていたわけだが、これが世の常、どうしても1クールでの内容消化が義務付けられているせいで進行は駆け足になってしまい、「賭ケグルイ」の「グルイ」の部分の再現度はかなり高かったと思うのだが、「賭け」部分についてはそこまで手放しで褒められるようなものにはならなかった。やっぱり一番見たかった木渡戦あたりの展開がどうにも性急だったのは勿体無かったかなぁ、とは思う。でもまぁ、あんまりダラダラ引っ張っても退屈になる人は出てくるだろうし、今作ってあんまり「相手を出し抜こうとする頭脳フル回転なギャンブルバトル!」みたいな作品ではないので、夢子のエロいところやトチ狂ったところが見せられればそれでいいっていう判断なんだろう。そして、その判断はそこまで間違ったもんでもないのだ。

 注目すべきは、やはり最終話で挿入されたオリジナルエピソードだろう。あんな展開にして今後の夢子と会長の関係性に齟齬が出ないかと不安になるが、互いに肉薄してるように見せて、実は今回のお話だけだと大したコミュニケーション取ってないから多分問題ないんだろうな。より注目すべきは夢子と鈴井の関係性だろう。原作でもどんどん空気になっていってマズいと思われていた鈴井、アニメの展開だと本当に空気のまま終わってしまうことになるので(原作だと最近そこそこ盛り返してる)、アニメはラストに「鈴井が夢子の一番の理解者なんだよ」ということを伝えるためのエピソードが挟まれ、男の子が女の子のために頑張るという少年漫画(アニメ)の王道パターンを何とか維持することが出来た。(いつものことながら)偶然に左右されるだけの展開ではあったが、鈴井が夢子の教え(人生観?)をきちんと理解した上で、惚れた女と人生を共に歩むためにそれを貫き通すという構図はわかりやすくもアツくて良いお話であった。あと、そんな鈴井を見て盛り上がる伊月とうんざり顔のメアリ。メアリは自分の嫁を取られたんだからもっと怒ってもいいんだけど、メアリも実は鈴井に対して結構特別な感情を持ってるのよね。原作でも今後鈴井がどういうポジションに落ち着くのかは注目だ。

 映像部分では「グルイ」部分をしっかりやりきろうという意識が分かりやすかったのでその部分は大変良し。なかなか動画にすると難しい絵面なのだが、再現度は高かったのではなかろうか。あとはやっぱり「早見沙織を喘がせたり、罵詈雑言を吐かせたり、とんでもなくインモラルなキャラに仕上げる」というのが今作最大の目標といっても過言ではない。個人的には、夢子のトチ狂った台詞は狂っている中にももうちょっと冷静さが混じってると思っていたので、とにかく叫んじゃう方向性は微妙にそぐわなかったんだけど、まぁ、そういうディレクションもありかな。事前の勝手な妄想で能登麻美子バージョンも聴いてみたかったと思ってたんだけど、結果的にはそうじゃなくてよかったかもしれない。能登バージョンだと多分死人が出る(主に俺)。あと、キャストの中だと選管委員長役だった鵜殿麻由って子が割と気になった。いい具合に変な声レーダーに引っかかる発声である。

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「ひなろじ〜from Luck & Logic〜」 5→5

 結局ロジックドライブとかなんなのかさっぱり分からないまま終わりましたが、まぁ、別にいいじゃないですか。ロジカルな部分とか特になくったって、いいじゃないですか。

 ある意味では今期「バトルガールハイスクール」と双璧をなす作品。一応ソシャゲ原作とカードゲーム(?)原作なので若干の差はあるものの、いわゆる美少女動物園的な作品の作り方が共通だし、「全部見ても世界がイマイチ分からない」という部分も一緒。この世界における国の概念とか、日本文化のありようってどうなってんだろうな。各方面に色々ファンタジックなくせに、次回予告で出てくる居酒屋だけはやたらと所帯染みてるっていう(あそこだけ異世界の可能性すらある)。

 で、「バトガ」と同じだったら失点が多そうなところだが、今作は世界を救ったり、自分の能力を高めたりといったシリアスなバトル部分はかなり抑えめ。終盤に一応それらしい展開はあったものの、結局はリオンとニーナの百合パワーを高めるためのイベントでしかなく、ちょっとした痴話喧嘩みたいなもんである。脳が溶けるようなリオンの高音域の攻めを、ニーナがしっかりと受け止められるようになるまでの愛を育むストーリーとしては終始一貫しているし、動画工房によるまるっとしたデザインの女の子たちは常に可愛らしく動き回っていたのだから、作品としてのまとまりはこちらの方が圧倒的にレベルが高かったはずだ。

 キャラの取り回しに関しても断然見やすく、メインとなるリオン・ニーナのカップルを中心に、委員長弥生ちゃんを中心とした配下二人との上下関係。生徒会長と、それに無償の愛を捧げ続けるエキセントリック宝塚百合愛情の瑞希の際立ち。そして、全ての百合に我関せずを貫きながらも孤高のサポーターとして八面六臂の活躍を見せる万博の立ち位置。しっかりとあるべきキャラがあるべき仕事を果たしているので、序盤から多数のキャラがわちゃわちゃしていても特にキャラがごっちゃにならずに見やすいのである。まぁ、途中のリオンパパ乱入からの「リオンの家庭よく分からない編」の立ち位置はどうなんだよ、って気もするが、学園から視点を移してもちゃんと人間関係が成立するよ、っていうことが確認できるという意味では面白い対比になっていたんじゃなかろうか。

 コンテンツとして消費される萌え中心の「動物園」はかくあるべき、という潔い見せ方だったんじゃないでしょうか。ちなみに中の人は、最近何かと仕事が多いブシロード界隈の面子が中心なので良くも悪くも身内での安定感が強い感があるが(ミルキィ連中はバーター契約とかかわしてるんだろうか)、そんな中で存在感を見せたのはやはりリオン役の朝比奈丸佳だろうか。割と競争の激しい部門に飛び込んだ形だが、今後の活躍が期待される。あとは奈津姉ぇのこういう仕事は無条件で好き、っていうこと以外だと……瑞希の報われないスタンスがとても好き。たそのこういう胡散臭いキャラ作りって、なぜか癖になるんだよな。

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「境界のRINNE(第3シリーズ)」 *→5

 今更気づいたんだけど、俺、これが始まった時に新番チェックつけてねぇんだな。まぁ、もう3期目ってことで書くことも特になかったし、「いつも通りで安心します」の1文で済むからな。実際、この感想も「いつも通りで安心しました」って書こうと思ってるし。

 というわけで、いつも通りで安心しました。一応今期から監督が差し代わってるんだけども、それで何かが変化するって作品でもない。映像としては本当に肩肘張らずにゆる〜い作りだし、これでわざわざ「省エネ作画がー」とツッコミを入れるのも無粋ってもんだ。ネタすら分かれば映像はもうベタの極み、お約束が成立すればそれでいい。新たな世界のサザエさんである。

 しかし、今期から登場した輪廻のお袋さんのキャラ設定って、冷静に考えると結構エグいよな。ギャグにしてはいるけど、不慮の事故で死んでる(?)のは事実だしな。そして、そのキャストについに女らんまが登場するという高橋留美子大甲子園の賑やかさ。個人的には体は子供、頭脳は大人だからどっちかっていうと灰原のイメージなんだけどね(新一は頭脳が子供で体が大人になってる気がするけど)。こういう贅沢が許されるあたりも高橋留美子作品という特権のおかげなんでしょうかね。他のキャスト連中も新喜劇みたいにお約束ギャグを楽しげにやっているので実に良いです。第4期はいつになるんでしょうかね。

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「サクラクエスト」 6→6

 やぁみんな! P.A.WORKS大好きおじさんだよ! 半年間お疲れ様でした! 毎週感想を書いていたのでここでまとめる必要があんまりないパターンの作品。意欲的な設定の作品を、過不足なくしっかりとまとめてくれていたのではないでしょうか。

 本作は、スタート時には「お仕事三部作の3本目」というよく分からないコピーがつけられていた。P.A.WORKSお仕事三部作というのは「花咲くいろは」「SHIROBAKO」のことで、その続き、つまり、「なんかよく分からない仕事をする女の子の頑張りを描く作品群」ということだ。まぁ、わざわざそのくくりでこの3本をまとめる意味はあんまりないのだけども、狙いたい方向性を見定めるにはわかりやすい言葉だったのだろうか。しかし、終わってみればこれもよく分かることだが、3本の作品はどれもこれも異なった制作理念から作られていたものである。「花咲くいろは」は一応「お仕事をする女子高生」が主人公であったが、旅館での奉公という仕事自体はあくまでも副次的なもの。アニメとしての中心はそんな仕事を通じての女子高生の青春、心の成長、そして家族の関係を描いた完全なホームドラマであった。翻って、「SHIROBAKO

の場合は「お仕事」にフィーチャーしている部分がかなり強く、特にアニメ製作という特殊な仕事を通じて、アニメ業界が「内輪ネタ」として仕事のあれこれをいじっていく、あるある作品のようなそれっぽさが虚実を織り交ぜた「お仕事感」を作り出す作品になっている。

 では、本作の魅力とはなんだったのか。確かにホームドラマ、成長物語の部分はもちろんあるが、5人のメインキャラたちは少なからず社会的な独立は成し遂げており、家族との青臭い問題を考えるとか、仕事を通じて世間の厳しさを知るとか、大人への成長を経験するといった側面は薄い。では「お仕事もの」としてのあるあるネタを多く提供して業界を描写する要素が強いかというと、そもそも「町おこしの業界」なんてものを知ってる人間は制作側にも視聴者側にもいないわけで、そこで共感を呼び起こしたり、実情を赤裸々にさらけ出してエグさを見せつけたりという要素も薄い。

 以前どこかで書いたが、「SHIROBAKO」と本作の一番の違いは、「ゴールが見えていない」という部分。アニメ製作は文字通りに「製作」なのだから、完成品が存在し、それがどのように評価されるかで「成否」が決まる。良いアニメを作れたらハッピーエンド、作れなかったら

バッドエンドだ。結果が全ての「職業」ってのはそういうもんである。しかし、「町おこしの支援」というチュパカブラ王国の国王の仕事は、何ができたらハッピーエンドで、できなかったらバッドエンドになるのかははっきりしていない。結末を見れば分かる通り、そこで成し遂げる「成否」の描写が一段上の難度なのである。もちろん、「クエスト」というタイトルに表されるように、どこかデフォルメを含んだ世界観にして成否がわかりやすいように演出している部分は多かったが、本作の白眉な点は、それが最後の最後まで徹底的に「なんちゃって」に終わるのではなく、実にクールに「町おこしの成否」を現実の問題として扱っていたところである。25話を通じても、別に間野山の人口が増えたわけでもない。日本中から観光客が押し寄せるでもない。しおりさんの生活は由乃に出会う前と出会った後で何かが分かるかといえば変わらないだろうし、由乃自身だって、これからどれだけの困難が待ち受けているか分からない。しかし、彼女たちは間違いなく、間野山という町の町おこしの仕事を務め上げ、将来につながる「成果」を残した。その「成果」の扱い方が、なんとなくでごまかしたものではなく、「町」という1つのスケールを考えた時に「ありうべき」ものになっているのである。

 作中で一度、由乃は実家に帰って「住みたい町」について考える機会があった。旅行者として「訪れる」ではなく、「住む」という行為。これが町おこしの最大のキーワードであり、単に物珍しさから遊びに来るだけでなく、そこに人生を根付かせ、そこで生活したいと思わせるのが「町おこし」。もちろん、生半な事ではよその人にそんな感情を抱かせることは出来ないだろうし、作中でも明確な成果を出してはいないのだが、今作を見れば、少なくとも「自分はなぜ、今の町に住み、この町を好きなのだろうか」ということを考えるきっかけにはなる。そうして「住む」という行為の特殊性を浮き彫りにし、女の子たちの成長物語と絡めて描き切ったことに、本作の価値があるのだ。

 欲を言えば、「いろは」などで見せてくれたP.A.WORKSらしい目の覚めるような映像美をどこかで追求してもらえればより良い作品になったと思うのだが、今作は本当に描くべき要素が多くて、なかなか叙情的なところまで見せ場を盛り込むのは大変だったようだ(その辺りがホームドラマ中心の「いろは」とは違うところか)。まぁ、それでもどこかで作画崩れがあるなんて失態は犯さないわけだし、2クールの間、なんの不満もなしに見続けられたというだけでも充分満足です。

 あとは中の人たちの話かな。今作はテーマの取り扱いがデリケートだったので、作中のキャラたちの心情描写にも一際気を使うことになっただろう。主役の由乃を務め上げた七瀬彩夏にとっては、かなり大きな経験になったのではなかろうか。なんとか、あやサマには今後とも清純派を守っていって欲しいところですね(?)。対して、自ら汚れへの道を歩き始めたというちぇみーは……。この子、変な度胸あるから今後もたくましく生き残っていく気がするよ。あとのお三方はいつも通りに。なんで僕がお気にいる声優ってのはこうして積極的に壊れていくんだろう、って立派な福井県民の姿を見ながら思うのです。ちかぺが突き進むこの道の向こうに、一体どんなゴールが待ち受けているのだろうか……。

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DIVE!!」 3→3

 これ、結局どこの層に訴えたかった作品なんだろう。「Free!」だったらすごく喜んでくれる客層は明らかにわかるんだけど、この作品の場合、「そういう」そうに訴えかける作品になっていたとも思えないし、当然、私のような人間に何か響くものがあるわけでもないし……。ただ目の前を通り過ぎていくだけの作品だった。

 「今作のダメな部分」については、1話時点で懸念していたことが大体的中していたので新番チェックを参照してもらったほうが早いのだが、中でも一番のマイナスは、やはり「競技の魅力が映像からさっぱり伝わってこない」という部分だろう。元からマイナー競技である飛び込みを映像化することには大きなビハインドがあったはずだが、勝手に推測するに、今作のスタッフに「飛び込みの素晴らしさ」「飛び込みの凄さ」を心底理解して映像を作っている人間はほとんどいないと思う。何を描いたら一番「格好いい飛び込み」に見えるかが分からなければ、そりゃぁアニメの映像として魅力的なものは出てこないだろう。まぁ、アニメーターや制作スタッフを責めるわけにもいかないけどね。世の中の一般人に「飛び込みの良さがわかってる人間」なんてそうそういないでしょう(かくいう私もさっぱり分からない)。

 しかし、分からないなりに見せる方法というのもアニメーションにはいくらでもあるはずなのだが、今作はそうしたこけおどしを見せようという意思もあまり感じられない。確かに、飛び込み競技の魅力、見所はコンマ数秒の瞬間に凝縮されているのだろうから、その「儚さ」みたいなものをそのまま伝えるのも一つの手であろうが、残念ながらアニメで一瞬にしたら、現実世界の情報量よりも圧倒的に少ないのだ(1秒に12コマとかだからね)。そんな「画」で、実際の飛び込みに勝てるわけがないではないか。時間を延ばし、空間を伸ばし、映像を作るからこそアニメにはアニメの強みがあるわけで、そこに工夫も情熱もなければ「良いスポ根」は実現しない。

 まぁ、そういう実際の競技面は全て投げ捨てて、競技に挑む選手たちの人間ドラマに絞り込むという演出方向もあるのは事実。ノイタミナでは「バッテリー」がそうした方向性の作品で、媒体が小説という共通点もあるので今作もどっちかっていうと「競技自体じゃなく、そこに紡がれる人間ドラマを見て」という作品だったのは間違い無いのだろうが、今作の場合、果たしてその人間ドラマも面白かったのか。各人の競技スタイルに人生観が出る、というお話になっていたので、やっぱり実際の競技シーンが映えないと、各々の心情劇もピンとこないところが多くてなぁ。沖津くらいわかりやすくキャラ特性があればなんとなく少年漫画的な処理ができるのだが、それ以外の面々、特に主人公(?)の知季の個性がどうにも……。

 絵にピンとこず、物語にピンとこず、テーマの楽しさも分からずじまい。もうちょい、どうにかできた気はする。結局、彼女の寝取られたのはなんだったんだよ。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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