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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「文豪ストレイドッグス(第2期)」 5→5

 なんか、小難しい理屈はいらないタイプの作品だった。最終的に文豪要素は欠片も残らず、ド派手な能力バトルものだけが残るっていう。まぁ、それで良かったんでしょうね。

 設定の妙味なんてものはほとんど無く、気付けば作家先生の名前、作品の名前だけを借りてきて、後は大味な異能力をぶつけるバトルアニメ。能力の強弱設定なんかも非常に大雑把で、2期目となる今回はラスボス軍団も揃い踏みしたおかげでインフレMAXで強さが突き抜ける。植物を操る能力と怪物を作り出す能力のどっちが強いかはよく分からないけど、闘って勝った方が正義、そこに理屈はいらないよ、というスタンス。まぁ、考えてみれば「聖闘士星矢」だってそういうジャンルなわけだし、古式ゆかしい少年漫画としては非常に正しい措置なのである。

 王道バトルものとして見てしまえば、やはり五十嵐監督×ボンズの組み合わせは圧倒的に強い。映像は毎回説得力のあるものになっていたし、ギャグとの切り替えなどの演出上のめりはりも良好。最初のうちは「こんなもん文学もクソもないやんけ」と吐き捨てていた僕も、気付けば「まぁ、なんか盛り上がってるから別にええやろ」くらいの気持ちで。クライマックスはちゃんと中島&芥川のタッグ戦で見せてくれたり、ラブあり友情ありでまっとうな盛り上がりを見せている。また、2期はいきなり太宰のポートマフィア時代の話から始まってどうなるものかと思ったが、その後も乱歩の探偵ゲームの話とか色々と探偵社内の「見たい」お話をやってくれていたので、三つ巴の戦いになって多少わやくちゃになった後も視聴モチベーションはそこまで下がらなかったのはありがたい。変な作品ではあるが、アニメ化は成功したといえる部類ではなかろうか。個人的には国木田の活躍がもうちょい欲しかったところだが。最初はメイン級の扱いだったのに、どんどん扱いが軽くなっていっちゃったのは残念。

 中の人は豪華過ぎて正直誰がどう良かったとも覚えていないのだが、女性キャストだとあみっけが「わっち」って言ってるのが何故か(?)似合いすぎてて良かったですね。そういやあっちのアニメは続編ないんですかねぇ。

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Occultic;Nine-オカルティック・ナイン-」 6→5

 2クールでやれ。いや、ホントマジで。何故この企画が通ったのか、全く理解出来ないのだが……受け入れられる公算があったということなのだろうか……。

 今世紀最大規模の早口アニメという謎の属性を手に入れてしまった本作。この早口っぷりは「てーきゅう」への挑戦なのか。いや、でも5分アニメのてーきゅうだから成立した(?)形式であって、設定説明が大変な30分アニメでそれが同じように出来るわけがない。そりゃもちろん「説明が大変」だからこそ、詰め込むためにこの早口が必要だったのは明らかだが、「説明しないと駄目だけど、どう考えても尺が足りない」→「じゃぁ全部早回しにしましょう」って、意味が分からない。過去に「フォークダンスDE鳴子坂」というお笑いコンビがとあるお笑いのコンテストで「普段やっているネタを倍速でやる」というとんでもないネタを披露したことがあったのだが、それと全く同じ衝撃である(もちろん、その時は予選敗退した)。

 これがもし「普通の」速度で展開していたアニメだったら、割とすんなり受け入れられただろう。最初に期待していた通りに「ナイン」というタイトルに代表されるように多数の人間が入り乱れる群像劇としての賑やかさ、雑多さはよく出ていたし、そこから展開される「オカルト」を中心としたメインシナリオも、色々と突っ込みどころはあるものの、成立していないレベルではない。クライマックスの対決シーンなど、たっぷり尺を取ってアツい展開にすればガモたんの頑張りだって主人公らしくて盛り上がったはずだ。傑作にはならないかもしれないが、「まぁ、こういう話ってあるよね」くらいにまとめられる。そのうえでアニメーションとしての不気味さ、不可解さが際だてば、作品としては合格点である。ことり箱を巡る一連の描写など、充分に「オカルト」要素を作る映像は出来ていたのだし、腰を据えて見たい作品だったのは間違いない。

 しかし、こうした「基本が出来ている」はずのアニメが、何故か早回し天国になってしまったことで、その存在意義ががらりと変わってしまう。だって、何をしていても「早回し」のことばかりが前景化してしまい、他の情報を受容する余裕が一切無いのだもの。必死に「作中で起こっている何か」を理解しようとしても「早口やなwww」っていう部分が気になって頭に入ってこないのだから、それ以上の演出意図や画面構成などをじっくり見ている余裕なんてあるはずがない。おそらく「単に長い尺のものを短くしただけ」ではなく「早回しを前提にしているので少しでも理解がしやすいものを」という意識は働いていると思われるので、本来ならば演出の努力を少しでもくみ取りたいところなのだが、常人の能力ではそれが叶わない。つまり、制作側がすすんで「理解出来ないアニメ」を作ってしまっているのだ。こんなに勿体ないことがあるだろうか。

 正直、これが誰の責任なのかは分からない。もちろん最終的には1クールという尺でGOサインを出した人間なのだろうが……。脚本を組み、それを詰め込むためにここまでアクロバティックなことをやろうという突き抜けた発想は、一体誰が思いついたものなんだろう。監督なのか、脚本なのか。うーむ、千代丸だったらこれくらいの提案はしかねない気もするが……。とりあえずもう1回、「2クールでやれ」。

 まぁ、無茶苦茶な企画になってしまったおかげで、中の人たちの苦労を楽しむアニメとしては上質でしたけどね。早口芳忠さんとか早口麻美子とか、普段はなかなか楽しめない方向性で色々楽しめましたし。あと、吉田仁美がまっとうなヒロインをやっているのは初めて聞いたので面白かった。「おっ、普通の女の子やん」って思ってても注意して聞くとそこはかとなくムーコに聞こえてくるのがちょっと楽しいのです。

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「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター」 5→5

 もう何が何やらよく分からなくなっている落ちこぼれ視聴者ですが、それでも最終回は無闇に盛り上がってしまうあたりが罪作りな作品だな、って思います。

 ぶっちゃけ、キャラが増えすぎていて私のような熱心じゃないファンは誰がどれで何が何なのか、把握しきれていません。前クールで別なアイドルアニメラッシュがあったこと、そして少なからずキャストが被ってることなんかも災いし、どれがスターリッシュやら、どれがヘブンズやら。そして、これだけキャラが増えてしまうとまともな1クールアニメで処理することが出来ないってんで、苦肉の策で打ち出したシナリオ展開がスターリッシュを中心にしたコラボ企画という斜め上の解決法。毎回1人のメンバーが選出されて他のチームの人間とぶつかっていくという構成は、1人1人のキャラに思い入れがある純正のファンには嬉しいサービスだったのかもしれないが、ピンと来ないレベルの視聴者からすると「個人の話よりグループでのライブの方が……」と思ってしまう内容である。各キャラのカラーを出していく必要があるために各々のエピソードはかなり温度差というか、テイスト差が広がっており、1本のアニメなのになんだか斜め上の次元が展開したり、しなかったり。まぁ、斜め上なのはいつものことなのでむしろ持ち味として正解なのだろうが……。

 そんなわけで、これまでのシリーズに比べると正直中盤は中だるみしていた感。「流石についていくのもしんどいかな」と思っていたのだが、終盤になって話をまとめ始めると相変わらずの無茶苦茶さと、全力で振り切った超作画で逃げ切ろうとするんだからずるいといえばずるい。杉田が突然暴れ始める展開とか、どう考えても無茶苦茶だし、シナリオとしてもおかしいはずなのだが、力業で「まぁ、そうなればそうするしかないんだろうな(この世界では)」みたいな謎説得力が嫌になる。私は一体何を見せられているというのだ……。

 ま、まぁ、長きに渡ったうたプリの悪夢というか、淫夢もようやく一区切り……と思いきや、まだ続く可能性があるとな?! もう、スターリッシュはどこまで羽ばたくつもりなんだよ。このまま、一時期のエグザイルみたいに「日本の男性声優の5割がうたプリです」みたいになりそうで怖いぞ。終わらないコンテンツ。

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「私がモテてどうすんだ」 4→5

 私のような人間がこのアニメを観ても、基本的に考えることは「小林ゆうとは一体どんな存在なのか」ばかりなのですが、この難しい命題を考える上で有意義であった他、いうても別に悪い部分は無かったので、第一印象の「こんな匂いの強いアニメは受け付けませんわー」的なマイナス点は消えました。ながら観してたのは間違いないが、何となく観る分にはいいギャグアニメでしたよ。

 女性向け漫画で気に入らない要素は何かって考えていくと、どうしても「非実在美少年の都合の良すぎる待遇」になってくる気がするんだ。「そんな男いねーよ」とか「そんなこという女になびいてたまるか」みたいな部分でどう頑張っても男女の思想の差が表れてしまい、漫画やアニメの中の話と頭では分かっていても拒否反応が起こりやすい。そうした要素も全部ファンタジーの中に埋め込んでしまう作品だと一気に匂いが薄れて観やすくなるのは、私特有の現象だろうか(「それせか」「花咲ける青少年」「赤髪の白雪姫」「暁のヨナ」etc.)。その他の傾向で言えば、メインヒロインが受け身でなくて積極的に現状打破に挑む作品だとヒロインが魅力的に見えるために受け入れやすくなるパターンもある(「スキップビート」「となりの怪物くん」etc.)。本作の場合、そのどちらのカテゴリにも入らない作品であり、芹沼さんは決して恋愛にアグレッシブに攻め込むわけでもないし、どこまでいっても学園生活な現実路線のお話なのだ。つまり、「都合のいい野郎共の集団」が気にくわない、マイナス方向の作品に見える。

 しかし、話数を重ねるごとに「あ、割とどうでもいい」と思えるようになる。何しろ、芹沼本人が恋愛感情を持たずに「素材」として野郎共を転がすだけのお話なのだから。恋愛が絡まず、男たちのアプローチは全部独り相撲。そうなれば都合がいいも悪いもないのである。芹沼にとって男どもは「都合がいい」わけではなく、野郎共にとっても芹沼は「都合の良い女」になりえない。つまり、「ラブコメ」ではなく単なる「コメ」アニメだったのである。なら、男性向けも女性向けも関係無いわな。そして、純粋な「コメ」であることを強固に支えたのが、芹沼役を担当した小林ゆうということになる。画伯がヒロインを担当することによって、今作の世界は現実から隔絶され、ただの不条理に投げ出される。作中で惚れられている芹沼が「なんでこいつが惚れられるんや……」という不条理が、画伯ボイスで加速する。しかし、不条理にも関わらず何故か芹沼の存在感は回を増すごとに密度を増し、気付けばそれが日常に落とし込まれている。このなんとももどかしい理不尽が本作の希有な作品性になっていた気がする。つまり、結論としては「これ以上無いギャグアニメのアイコンとして、小林ゆうは完璧な仕事をした」。

 まぁ、流石に中の人のお仕事に引っ張られすぎな感想かもしれないが、しょうがない、私はそういう人間なのだから。小林ゆう×沢城みゆきという、この業界でなければ絶対に交わらなかったであろう2つの巨星のコラボレーションを堪能する。そういう作品として、今作には一定以上の価値があったのではなかろうか。野郎共のキャラも、最終的に「みんなして単なる美少年じゃなくて馬鹿じゃねぇか」ってところに落ち着くので、男目線でも観やすくなったのは良いと思います。そして、こうやって腐女子文化は少しずつ市民権を拡大していくのです……。

 

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「亜人(第2期)」 6→6

 少しずつ気に入っていった作品。まだ導入段階だった1期と違い、どの話を切り取ってもクライマックスみたいな詰め込み過ぎのストーリー展開が実に刺激的。

 詰め込み過ぎと言ってもやってることはただ1つ「佐藤を止める」だけなのだが、不死者どうしの対決、そして佐藤・永井・政府軍という三つ巴の戦いに発展したこともあり、とにかく戦局は二転三転。普通に考えたら日米両政府が手を組んだ軍隊に個人レベルが敵うはずがないし、一応警察組織の支配下にあった永井軍だって最終的にはそれなりの戦力を擁していたはずなのだが、そんな戦力差を一切感じさせずにゴーイングマイウェイを貫き通した佐藤さんの存在感が半端じゃない。1期の頃から「佐藤さん最高やん」というアニメだったが、2期目もやっぱり結論は「佐藤さん最高やん」なのである。大塚芳忠のキャスティングがはまり過ぎてて、なんか俺の中では「芳忠さんも殺しても死なない」みたいな気がしてる。

 2期に入ってから加速したのは、そんな佐藤さんも含めて蓄積してきた人間関係がそこかしこで噴出していたこと。1回だけ感想を上げた下村さんエピソードのあたりなんかは彼女と戸崎さんの素直じゃない関係性がキュンキュン来たし、気付いたらソウルメイトになっていた戸崎組のおっちゃんたちと永井の絆とか、徹頭徹尾馬鹿を貫き通した中野の立ち位置とかも良い。そして、敵側の佐藤サイドにも田中・奥山と魅力的なキャラが並んでおり、どこの人間関係を見てもきな臭かったり、生臭かったり、青臭かったり。2クールの尺があったわけだが、それでも足りないと感じさせるくらいに色々なものをみせてくれていましたよ。

 ポリゴンピクチュアズによるCGワークも2期目ともなればすっかり慣れている。1期は「IBMの異様な存在感や不気味なモーションくらいならこの画が合っていると言えなくもない」くらいな消極的な評価だったのだが、2期になって物語の持つ温度みたいなものが分かってくると、永井のどうしようもなく冷たい表情とか、淡々と相手を処理していく佐藤さんのアーミーアクションとか、そういう部分にも案外このデザインはマッチしていたという気もしてくる。もちろん作画アニメに比べたらまだまだディティールは甘いのだが、こうしてCGにしてディティールを捨象することで、新たに見えてくる側面があるのならば充分プラスだったといえるだろう。「シドニア」「亜人」と並んだ作品群を見ていると、作品の選び方も大事だが、描き方次第でちゃんと「見合った」画面が作れるものだと再認識。CGを毛嫌いするのではなく、良い部分を積極的に認めてアニメ業界の発展に繋がっていけばよいね。

 中の人については佐藤さんの話を上で書いてしまったわけだが、後は真実一路の下村さんのひたむきさ、別な意味でひたむきだった田中さんあたりの「強くなりきれない」戦いが好きだったので、そのあたりのキャストの演技に好感が持てた。平川さんはあんまり「強い」役って回ってこない声質なのだが、こういういかつい役で、内面の不安定さみたいなものをみせてくれるのは面白い配役。あとはまぁ、ふてぶてしい永井役の宮野でしょうね。彼の場合、なんかもう、「永井役」っていうより「勝手過ぎるIBM役」の方がガッツリはまっていた気も。フラッド現象で溢れるサラウンドの宮野ボイス。迷惑以外の何ものでもないな!

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「ドリフターズ」 6→7

 大層愉快なアニメでございました。ここで終わるのは本当に勿体ないのだが、原作が無いなら致し方ない。

 どこぞで見た表現だと「僕の考えた最強の英霊戦争」。まー、原作者自身もおそらくFateシリーズやその他の作品に感化されて「自分なりに過去の偉人たちをぶつけられるならどうするだろう」みたいなところからスタートさせた作品なのだろう。そうしたモチベーションならばキャラへの思い入れも強くなるだろうし、「やりたいから描く」作品であればこその、本気の掘り下げと溢れる愛情が感じられる。その時点で大きなアドバンテージには違いない。

 そして、Fateシリーズと違って白眉なのは、そうした「偉人たちの大戦争」のテーマを更に「異世界転生もの」として昇華した点。別にエルフやドワーフがいる世界でやる必要があるというわけではないのだが、「全然知らない文化どうしがぶつかる」というバトルの形式なら、味方軍も相手軍も「知らないフィールド」でやらなければフェアではなかろうし、英霊戦争に加えてファンタジー世界のお約束ネタまでぶっ込めば、もう設定だけでもお腹いっぱい。あわよくば、足りない部分は読者が勝手に補完するくらいのものだ。広げたい放題、無茶をやりたい放題。そんな好き勝手な真っ白キャンバスに、ヒラコー色を塗りたくるのである。シリアスとギャグのシームレスな切り替えも気持ちいい要素。そりゃ現世になにがしかの足跡を刻み込んだような問題児が山ほど異世界に送られたら、こんな風なカオスになるし、個性のぶつかり合いからいくらでもネタが溢れてくるわけだ。世が世なら人の上に立つような人間ばかりが集まっての子供のような陣取り合戦。分かりやすく、盛り上げやすい。この設定、本当に良く考えたもんである。

 個人的に感心したのは信長の立ち位置で、今作だけを見れば、ぶっちゃけ主人公は豊久ではなく信長の方である。一応「頭」として豊久を立てたわけだが、それだって信長が過去の経験から学んだ「天下の取り方」の1つの現れであるし、基本的にお話は「信長がいかにこの世界でのし上がるか」が描かれているだけ。豊久はあくまでその道具の1つでしかない。本当なら「信長の野望・異世界バージョン」と題されてもおかしくない内容なのである。しかし、そんな設定のはずなのに、「主人公」豊久のキャラが全く埋もれることなく、しっかり信長をも喰らって「主人公」になっているのが絶妙な配置。天下の織田信長を「優秀な参謀」ポジションに据え、妖怪クビオイテケを主人公にするとか、一体どんな判断なんだろう。お見事としか言いようがない。見事に「少年漫画テイスト」をプラスに働かせ、容赦無く敵兵を叩き斬るだけで、豊久はキャラが成立していたのだ。まぁ、ひでぇヤツなのは間違いないが……。

 こうして原作が持つ「色々ずっこい面白さ」を、アニメでも気合いの入った映像できっちり維持。近いところでは「ジョジョ」の作画がある気がしていて、テイストこそ全然違うものの、今作もジョジョ同様に「読者の印象に残る1枚絵」はしっかりとアニメに落とし込まれており、ファンにサービスしていこうという精神が窺える。エグいシーンもそのままだし、見得を切ってキメた陰影の強い図柄と、落書きのようなへちょ絵のギャップも実に楽しい。平野耕太作品の持ち味の1つがその絵柄なのは間違いないわけで、アニメではそこを落とさず、むしろ動きをプラスすることで大きな武器にしている。これはおそらく、幸せなアニメ化だったに違いない。次はいつ帰ってくるんでしょうね。20XX年かぁ……。

 中の人については、上述の通りなので信長役の内田直哉がMVPな気はするが、もちろん豊久役の中村悠一だって負けちゃいない。最初は違和感があった薩摩弁も、あっという間に「豊久の強さ」の象徴としてなじんでしまった。他にも濃いキャラに濃いキャスティングを遠慮なくぶち込むカロリー計算出来てないバイキングみたいなボリュームが凄まじい。個人的にはラストにキーパーソンとなった土方を長州(山口県)出身の安元がやってるのがなかなか皮肉が聞いていて面白いと思った(たまたまだろうけど)。あとは「また明智光秀が速水なのかよ」とかね。まぁ、「あっち」の光秀とはだいぶ違うようだけども……。

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「船を編む」 5→5

 (多分)史上初の辞書アニメ。妙な題材には違いないが、ドラマとしては至極まっとうな造りでしたね。

 良くも悪くも手堅い作品。いかにもノイタミナらしいとも言えるが、原作で与えられたものをそのまま忠実にアニメとして仕上げた印象だ(原作読んでないけど)。地味な題材だがヒューマンドラマとしての骨子は出来ているわけで、そこを1クールのアニメにすることには何の問題も無い。起承転結のまとまった、本当に「ドラマ」として優等生的な内容。映像面でも一切崩れることはなく、固めのキャラクターデザインでも固くなり過ぎず、適度に「アニメ的な」演出も交えながら見やすいように工夫されていることが感じられる。「大渡海」という辞書の名前に代表される「言葉の海」というイメージも、アニメならではの演出でもって「活字の流れ」が見えることで、その膨大な数や、流れ続ける動きの大きさを感じさせる。与えられた課題には、失点無く応えた作品といえるのではなかろうか。

 ただ、やっぱりそうして「マイナスが無いこと」を評価する以外の方法がない、というのはちょっと勿体ないとは思う。ぶっちゃけ、どこをどういじっても「アニメならではの良さ」を見せつけるには不向きな題材なのだ。上述の通り「言葉の海」の演出などはいかにもアニメらしい部分ではあるのだが、それってあくまでイメージ映像であって、この作品の外側を飾り付ける最後の装飾部分に過ぎない。「なくても成立するおまけ」なのである。アニメ独自の見せ方、アニメでしか成し得ない切り出し方を見つけるためには、やはり「動き」が前提になってしまい、ひたすら机に向かって用例採集するだけの毎日は、残念ながらアニメ向きではない。実写映画でもいいし、アニメでもいいのは間違いないのだが、「アニメでなくてもいい」と言われればそれも事実なのである。贅沢な要求ではあるのだが、天下のノイタミナ枠であるから、もう一歩先の、「これは実写映画に勝っているぞ」と太鼓判を押せるような何かが欲しかったところだ。

 まぁ、やっぱり贅沢な話ですね。私は実写映画の方は観もせずにわがままなこと言ってるだけだし。もっとしっかりとアニメ・原作小説・実写映画を見比べれば、アニメ独自の頑張りも見えてくるのかもしれないし。西岡の表情の付け方なんかは、ひょっとしたらアニメで輝いてた部分なのかもしれません。あと、じしょたんず。

 というわけで、個人的に一番気に入ったキャラは西岡なので、神谷兄ぃは相変わらずいい仕事するなぁ、というのが中の人についての第一印象。神谷・千和カップルってなんだか時代を感じさせるキャスティングよね。そして麦さんの貫禄のお仕事や、金尾さんの頼りがいのある仕事ぶり、ぴかしゃの「どこに出てきても恥ずかしくない」全能感なんかも格別です。キャスティングは本当に贅沢なので、むしろ意識せずにスルスル入ってくるのがありがたかったですね。それにしても、今期の櫻井の眼鏡率の高さは一体何だったんだろうな。

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「競女!!!!!!!!」 6→6

 実に美しいアニメだったな!(白目)

 1話目を見た時点で持った期待にばっちり応えて、一切アクセルを緩めずにゴールイン。文句のつけようがないじゃないですか。唯一の心配は、こんな作品の画に心ケツ注いで描ききったアニメーターのみなさんの精神状態が大丈夫かどうかってことですね。突然賢者モードになったときが心配だし、明らかに人体の動きとしては歪みのある映像なので、この作品の常識に慣れた後に普通のアニメの画に戻るの大変そう。

 シナリオラインは単なるスポ根。今期はスポ根ものが多かったので、極論すれば「卓球娘」も「DAYS」もみんな同じといえば同じなのだが、そうしたテンプレが分かりやすければ分かりやすいほど、その上に乗せられた頭のおかしさが際だつ。作中のキャラは全員大まじめで尻や乳を振り回してる時点でもう楽しい。お父さんが娘の晴れ姿を見に来て、乳首を立たせて戦う娘を見て満足して帰る世界が楽しい。作品のカテゴリとしては一応「エロ」にカウントされるはずなのに、一切エロさを感じさせない突き抜けたアホが楽しい。そうだよ、やっぱり日本のアニメにはこの頭の悪さが必要なんだよ。え? 必要ではない? えー。

 世界観のアホらしさの時点でもう満足かというと、正確にはそうではない。こうして作り出された「頭の悪すぎる世界」をしっかりと映像にする技術と勇気と頭の悪さが欠かせない。今作の素晴らしいところは、無茶苦茶なシチュエーションでも強引に映像に仕上げるそのこだわり。わけ分かんないのに映像を見せられたら納得しなきゃいけないというその強迫観念。個人的にはヒップ・オブ・バビロンの「これもうグロ画像だろ」っていうレベルの映像美が最高だったんですが、それ以外にも「世の全てを尻に置き換える作業を続けろ」みたいな頭のイカれた数々の映像が本当に素晴らしいと思いました。お薬ちょっと増やしておきますねー。深夜アニメって、結局どこまでいってもサブカルの土壌なんだし、綺麗なことばっかり言ってないでこういう「ここでしか出来ない究極の馬鹿」をフルスイングしてくれる作品ってのは大事だと思うのです。是非とも2期目以降にそのイカレた才能を再充填させてほしいですね。

 多数のヒロインが登場する作品だったので中の人界隈も賑やかだったが、今作は素直に主人公の中の人、LynnがMVPってことでいいと思う。あと、渕崎ゆり子の名前をすごく久しぶりに見た気がするのでちょっと嬉しかった。紅蘭も私の青春の1ページでした。

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「装神少女まとい」 5→5

 ゆまちんは永遠にゆまちんなのです。それが分かっただけでも僕は満足さ。

 アニメオリジナルということで1クールをどのようにまとめるかはなかなか難しいところだったと思うが、無難に落とし前を付けて納得のいくエンディング。決して傑作と褒めそやされるような作品ではなかろうが、後に課題を残さず、すっきりと終わってくれるだけでも割と満足。このくらいのクオリティのオリジナル作品が安定して供給されるようになればアニメ文化も安泰だと思うのだが。

 一応カテゴリとしては「魔法少女もの」ということになるが、最近はこのカテゴリも色々と面倒な意味を持ち始めているので、レッテルを貼っても何が何だか分からない場合が多い。しかし、本作は古来より脈々と受け継がれる魔法少女の伝統を守りつつ、しっかり12話で締められるだけのストーリーの起伏を設け、大願を成就して終わる構成が出来ている。メインとなる3人の少女の物語も過不足無く、それぞれに魅力を発揮しながら1つにまとまっていく様子はとても見やすい。そして、どうしたってゆまちんのような素敵可愛いキャラにおいしいトコロを持っていかれがちな真面目系主人公のまといも、伸吾君との家族愛というテーマでしっかり中心に立っており、クライマックスにいたる父娘の関係、そしてクライマックス後の母娘の関係できちんとドラマが出来ている。個人的にどうしても「家族愛」というテーマには弱いのだが、伸吾君の心情をメインで追うお話になっていたおかげで、彼の頑張りには涙腺も緩むってもんですよ。真っ直ぐで良い娘さんに育ちましたよね。伸吾君も娘を子供扱いせずにちゃんと本音でぶつかってくれるいいお父さんでしたし。出来れば、多感な時期の娘さんがいる手前、弟か妹を作るときには計画的にお願いしますね。しかし、あれだけ母と娘が似てると色々といけない妄想も……。

 とりあえず、キャラは可愛いし、映像も独自色を出しながら安定していたので「オリジナルアニメ」としての存在感はあったと思う。ストーリーは割とベタなので全体として見るべき点が多いわけではなかったのは残念だが、そんなに度肝を抜かれるような劇的なシナリオがポンポン出てくるわけがないしね。贅沢をいうなら、これくらいの密度のお話なら2クールに伸ばしても充分通用しそうなので、もう少し長い尺で見たかったかもしれない。いうたらプリキュアってこれを1年でやってるわけだしねぇ。キャラに愛着が湧く頃にはすぐにお別れ、ってのが1クール作品の寂しいところよね。

 中の人については、当然ゆまちんであるから、つまりは大空直美である。「いなこん」の時にも本当にいい仕事をしてくれたが、今回は吹っ切れ方が実に愉快で痛快。「いいお友達」ポジションを維持しながらもトラブルメイカーとしてお話を引っかき回し、愛嬌だけで突っ走る姿勢は本当にお見事。狸少女も狐少女も今後ガンガン押し出していって欲しいジャンルである。諏訪彩花と戸松に関しては最終的には「ゆまちんの引き立て役」みたいなポジションになってしまったが(あくまで個人の感想です)、三者三様で仕事ができているのだから文句の出るところじゃないわね。

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