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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「妹さえいればいい。」 4→5

 ボドゲさえあればいい。いや、マジでそういうアニメだったな。AT-Xとか見てると特にそう感じるんだけど、昨今のアニメ・声優業界はことに「アナログゲーム」と称してボドゲを推している気がする。まぁ、アニメ好きのオタク層って潜在的にはボドゲとの相性がいいのは間違い無いのだけども。唯一の問題は、一緒にプレイする友達がいないってことで……(プレイできる環境にしがみついている僕は幸せ者です)。

 さておき、1話目で「うわっ、しょうもなっ」って思った妹要素は本当に、マジで、圧倒的に、どこをどう取っても必要なかった。主人公の「妹好き」属性は本当に口だけというか、うわべだけというか、言ってるだけで実感を伴っておらず(伴っても困るけども)、なんでこんなタイトルにしたんだろうと首をかしげるばかり。挙句最終回では「主人公の妹好きは昔姉属性の女性からフられたことがきっかけだった」というとんでもない消去法の真実が明かされ、ますます妹である必要性が薄くなるという。まー、「はがない」作者の2本目の代表作ということで、発表時にできるだけインパクトのあるタイトルが欲しかったのかもしれないが、やっぱり本質を示すならもうちょっと別なタイトルでよかったんじゃないかと。

 で、そんな妹要素を無視して改めてタイトルをつけるとすると……なんだろ、「ボードゲームのすすめ」とか「ラノベ作家の実情」とかかな……(ますます売れないタイトルになってしまった)。なるほど、これは確かに斬新ではある。延々ボドゲのルールを説明し、小説っていうか半ばリプレイみたいな内容で展開していく作品。我々のようなボドゲファンからすると、どんな形であれプレイ人口を増やす可能性がある窓口ができるのは喜ばしいことです。やっているゲームもそこそこのメジャー度で入門者にもとっかかりやすいもの、癖が強いがいかにも楽しそうなものなど、ちゃんと作者が好きで描いているであろうことが分かるので実感もこもっている。「ラノベ作家」というキャラクターたちの掘り下げのためにボドゲという道具を使うというのもありそうでなかった設定で、ゲームをしているうちに少しずつ人間関係が掘り下げられていくあたりはなかなかうまいと思った。あとはまぁ、作者の実体験に基づく良いんだか悪いんだかよくわからないリアリティな。別に「はがない」のアニメは失敗していないのだからあの辺だけは一応フィクションといえばフィクションだろうが……多分、原作者の周りにはそういう奴らも多いんだろうなぁ。

 こうしてなんとも珍妙な「半分実録みたいなラノベ作家ルポ」に、さらに強烈なキャラとしてエロやらなんやらをばらまく完全フィクションの女の子を混ぜ込むことで、しっかりと「いかにもそれ臭いラノベ」にちゃんと仕上がっているあたりがまた絶妙。単なるルポでは元来のラノベ読者を惹きつけることは難しいが、本作はちゃんと「面倒な人間関係でごちゃごちゃやるラブコメもの」としても成立しており、阿漕な女の子のキャラだけでもそれなりに売り込める。すごくざっくりまとめると「悔しいがカニ公もにゃーさんも割と可愛い」ということである。我ながらちょろいオタクである。いや、でもおっぱいが大きくて稼ぎが良くて、デフォルトが全裸で問答無用で主人公ラブを隠さずに下ネタのみで発情トークを続ける金元寿子声の女の子なんて、そりゃ可愛いに決まっているだろう(最後のが特に重要)。しかもストーリーを追ってみればこれがちゃんと主人公と相思相愛で絶妙な距離感を演出していることがわかったり、その甲斐甲斐しさにはキュンキュンするに決まっている。さすがに今作のエンディングはカニ公とくっつくエンドでいいんだよね? 千尋きゅんも可愛いことは可愛いけど、さすがにそっちエンドにするのはカニファンから刺されても文句言えないぞ。

 アニメーションとしては、どうしてもキャラデザがのっぺりしているのであんまりピンとこない画面も多かったのだが、例によって大沼さんらしいデザイン性に富む構成でテンポも良かったし、全裸派調査やらオープニングの多用やら、色々と小ネタ回しにも余念がなかったので退屈することもない。この辺りは流石としか言いようがない。本当に「ただダラダラするだけのアニメ」になりかねない作品だったので、よくもこれだけ刺激を維持しながら1クールを成立させたものだと思う。まぁ、あくまでも奇策の部類なので、受け付けない人もいるかもしれないけど。わたしゃもともと大沼さんの狙う方向性が好きな人間ですのでね。

 中の人については……やっぱりカニ派。というかひーちゃんにとにかく隠語を言わせまくるというだけで今作は価値があった。アフレコ現場で荒ぶるひーちゃん、そしてそれをやんわり見守るクマちゃん。良い景色だ……。

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Dies irae」 3→3

 結局、よく分かりませんでした……。だからほとんど真面目に見てないんだけど、これって資金を寄せたファンの皆さんから見てどうだったんでしょう。

 1話目(クレジットとしては0話)では、マジで何が起こっているのかさっぱりわからん話の構造で初見の私を困惑させてくれた本作。「まぁ、0話は原作ファン向けのサービスで、1話目からちゃんと話がわかるように構成されてるやろ」と期待したものの、結局世界観の説明ははっきりせず、様々な設定については「あるもの」としてお話が展開。わずか数話でついていけない事態になってしまった。その後も「何か謎が収束する部分があるんじゃないか」と一縷の望みを持ちながらなんとなく見ていたものの、もうそうしたフェイズは終わったんだ、とばかりにお話は突き進む。登場キャラがとにかく多いので、キャラとキャラの関係性もさして掘り下げないままに横に広がってしまうのがなぁ。

 結局、密やかな楽しみは毎度毎度エンディングの時に出てくるファンディングの人たちのよくわからない名前でした(あとエンディングテーマのどうしようもない雰囲気は割と好き)。まぁ、欲しかった人たちのところに求められたものが届いたことを祈るばかりです。

 

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「血界戦線&BEYOND」 6→5

 一番好みだったのは授業参観回です。ママさんエピソード、実によろしかった。

 ごった煮感の非常に強いアニメ。それもそのはず、もともとヘルサレムズロッドはそういう場所なのだから。古今東西大量のアニメがあるわけだが、なかなか「毎週きっちり世界の危機が訪れるアニメ」なんてものはなかなか無いだろうよ。ドッタンバッタン大騒ぎも日常茶飯ならそれは日常ものと言っても良いのかもしれない。

 特段に悪い点があったわけでは無いのです。1期同様に「技名叫んで必殺技」のくだりは堂々たるものだったし、ヘンテコ世界のへんてこ大ピンチをへんてこ解決する毎度のお祭り騒ぎは健在。充分に作品の魅力が伝わってくる仕上がりだったとは思うのだが、個人的にはどっちかっていうと松本版の方が好みだったので、その差分を考えての評価にさせてもらった。ごった煮世界の乱痴気騒ぎとはいえ、毎週毎週世界の危機を迎えていてはやっぱりマンネリ化してしまうもの。松本版の場合はそのあたりの「慣れ」を極力許さぬよう、世界の見え方の時点で色々とおかしかったのでシリーズを通して妙な緊張感があったのだが、今回の高柳版は、そうした「画面のへんてこさ」は割と大人しめだったので、「まぁ、普通のドタバタアニメかな」というくらいに落ち着いた。2話跨ぎのエピソードもいくつかあり、そこまでジェットコースターな感じもなかったし、落ち着いて個々のキャラクターの活躍を追うことができたのだから良し悪しだとは思うのだけども。

 勝手なイメージとしては「起承転結」の「承」の部分が今回のシリーズだったのかな、っていう気分で、「起」(松本版)で出てきたとんでもないイメージをそのまま程よく保持しながら確実なリズムを作っているのが「承」(高柳版)。いや、別にこの後に「転」も「結」想定してないんだけどさ。とにかく、そうしてなんとなくこの街の日常が続いている感じが伝わってくるだけでもいいかな、っていう。

 1期は割とアニメオリジナル要素も多かったらしいけど、これで原作はどれくらい費やしたんでしょうかね。3期ってあるんですかね?

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Code: Realize 〜創世の姫君〜」 5→4

 結論としては、「男児たるもの、CVが早見沙織のお姫様は何としても守りたくなるものである」という真理が得られました。個人的にはそれで充分かと思われる作品です。

 まぁ「向きじゃない」作品だったのでやっぱり流し見程度の視聴だったのだが、これは流石に真っ直ぐ見る気にはならなかった。ド定番のシンデレラストーリーに、なんとなく「その時代のヨーロッパ的有名人を集めてみました」という設定があるだけで、特に目新しさは感じられない。いわば時代を限定した英霊戦争みたいなもの……でもないけども、時代を超えて人気者の各キャラクターも、乙女ゲームにかかればあっという間にキワモノイケメンですよ。まぁ、もともとキワモノイケメンなキャラが多かった気はするけど。このままルパンがマジで美形キャラとして定着してしまったらどうしよう。

 どうしてもキャラゲーにする必要性からか、各キャラは変な方向に個性を発揮しがち。キャラが際立つのは基本的にいいことだと思うのだが、いかんせん「乙女ゲー」方向に際立ってしまうので男性目線からだと受け入れにくいキャラになってしまうことが多い。多分男性向けのアイドル作品なんかの女性キャラを女性が見たときにも同じような拒否反応が現れるんだろう。基本的に「異性に対して魅力を振りまくことが前提のキャラ」って、同性からしたら単なるムカつく奴の可能性が高いんだよな。今作の場合は別にムカつきはしないのだが、キャラとしては阿漕すぎてちょっと引く。モデルが実在(?)のキャラクターであるからなおさらだ。まぁ、それを言い始めたらまさにFateシリーズなんてどうなるんだ、って話だけども。あそこまでぶっ飛んでいっぺん「霊」にしちゃえばなんでも許されるわけですよね(性転換もか?)。今作はあくまで現実ラインの延長線上にキャラをおいてしまった分、「こんな奴いねぇよ」感が強まっただけで。いや、実際いないんだけどさ。フランケンシュタインとかルパンとかさ。

 まぁ、「向きじゃない」のだからとやかくいう必要もなかろうが、とりあえず早見沙織を嫁にとることを夢想しながら、僕は日々を強く生きていくよ。

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「キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series」 6→6

 気がつけばほぼ毎週感想を書くことになっていたのは自分でも驚くべきことでした。基本的に、最初の3、4話目あたりまでは色んな作品の感想をつまみ食い程度に書くけど、その後トーンダウンする場合もあるし、今作は「秀作だが目立たない」というスタンスになると思われていたので、そのうち黙って見守ることになると思っていたが……結局、毎週それなりに刺激的なものが頂けたのです。

 新番チェックからの繰り返しになるが、やっぱり「巧い」作品なのだと思う。「国」という言葉を使って全く違った世界観の中をキノやシズといった旅人が傍観者として巡っていく。あとは星新一のショートショートよろしく、その設定で考えられる「それっぽい寓話」を短くまとめて構築するだけ。「だけ」というと話は簡単なように見えるが、実際に世界設定を思いつき、描写し、そこから納得のいくオチにたどり着くようにするには、かなりの力が必要になる。星新一がショートショートの名手として名を馳せてから、その後に追随する人間があまり現れないのも、こうした「ショートストーリーの多産」が長編を書くよりもハードな仕事であることの表れだろう。

 そうして用意された各種エピソード。聞くところによると今回のシリーズは「原作でも人気のある作品」の方からアニメ化していってるらしいので質が高いのは当たり前といえばそうなのだろうが、12本というそれなりの話数で、あまり被っている印象がなく、それぞれに新鮮な気持ちで観られるのは非常にありがたい。キノ・シズ・それにフォトさんと、主人公が変わることで多少なりとも雰囲気も変わるし、それぞれが確実に1話で終わるという保証があるので見ている方もテンポよく切り替えていける。いくつか尺の関係で無理やり詰め込んだようなお話もあったらしいが、その辺りはしょうがないところだろう。少なくとも初見の私から見て「足りない」と感じられるような話はほとんどなかったし、最後まで見て「陳腐すぎる」と不満を持ったお話もなかった気がする。

 そして、こうした原作ストーリーが整っているところにどのようなアニメーションを乗せていくのかというのも腕の見せ所であるが、今作のアニメーションは実に「ほどよい」出来だったと思う。壮絶作画、超絶技巧で見せるなんてことはこれっぽっちも無いだろうが、本作にそうしたアクの強さは求められていない。むしろのんべんだらりと「傍観者」であるキノたちに付いて回る平熱のアニメーションでどれだけ飽きさせないか、という勝負になり、大げさになりすぎず、それでいてどこかに奇妙さを伺わせるようなバランス感は実にお見事。最終話の「旅の終わり」のような図太い神経で作品を作るかと思えば6話「雲の中で」のような繊細な心情推移もしっかりと描き切る。作品の良さに見合った画づくりが実現し、原作の持ち味がアニメに活かされた好例と言えるのではなかろうか。今回で「人気エピソード」はあらかたやってしまったのかもしれないが、原作も話数は多いのだから、是非とも次のシリーズにも期待したいところである。

 最後はやっぱり中の人。今作はとにかくキノとエルメスのコンビということになりますかね。エルメスは旧シリーズの声の方向性とだいぶ違う、ということで放送前には議論のあったところらしいのだが、斉藤壮馬のどこか冷めたような声質はモトラドらしさにマッチしていたんじゃないでしょうか。特有の(?)嘘言い回しも色々と癖になります。そして我らが悠木碧大先生。当然言うことなしです。調べていて初めて知ったのだが、なんと彼女の事実上の声優デビューは旧シリーズで「優しい国」のさくらちゃん(悲劇の少女)を演じたところからだという。なんという数奇な縁であろうか。是非とも、今後ともこのキノという役を大事に演じていってほしいと思う。

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「将国のアルタイル」 5→4

 これはまぁ、結局あんまり真剣に見られなかったので評価する資格はない作品なのですが……。

 漠然とした印象では、多分かなりしっかりまとまった作品だったんじゃないかと思う。映像は最初から最後まで統制が取れていたし、戦争シーンの「大きさ」なんかも割と丁寧に作られていた。作品の内容に見合うデザイン、見合う成果が得られていたのだから、原作ファンには望まれるアニメになっていたと思う。思うのだが……。

 アニメ初見の人間を引っ掛けておくフックが無いのよね。初見の印象通り、当然「軍記物」なので展開は「アルスラーン戦記」なんかと同じ様相になる。今作は「商人の国」という部分を生かしてガチでぶつかる戦争以外の部分からも帝国をなんとか絡め取っていこうという謀略部分も関わってくることになるのだが、それぞれの要素で特に「新しい」と感じられるような部分は無い気がする。いや、古今東西、こうした軍記物は山ほどあるのだからそこから新しいものをひねり出すのは無理だとは思うが。ただ、CMの売り文句なんかでは「これが騎馬民族の戦いだ!」って言ってた割に、別に騎馬民族関係なかったんだよね。どっちかっていうと海戦の方が多かったレベルだしさ。

 普通なら普通で別に構わないのだが、適当に見ていた弊害だろう、今作で最大のハードルは、「いちいち名前が覚えられない」という部分だった。1話目で話題を呼んだ「パシャ」という呼び方に象徴されるように、今作は中東イメージの固有の言い回しが多数登場する。さらにたくさんの国が出てきて、それぞれのたくさんのキャラも出てくるので人名を把握するのも割と重労働。それぞれの国に文化・信念の違いがあると言われるが、こちらには前提となる知識がないので、なんとかしてトルキエの文化をベースにして、「ここが違う部分、ここはこの世界に共通の一般常識」ということをいちいち仕分けしながら認識していかなきゃいけないので、特に名前がわかりにくいことの負担は大きくなってしまう。普段、異世界転生ものなんかに対して「安易な設定で説明を放棄するな!」と文句を言っておきながら、いざオリジナルで設定を盛られると受け取るだけでも四苦八苦ってんだから、なんとも情けない話。そりゃお手軽スナック感覚の異世界転生が受け入れられる理由も分かるというものだ。もうちょっと最初のうちからしっかり襟を正して見ておけば理解も違ったのだろうが……。

 あとはまぁ、中心になるマフムートが今ひとつキャラを定めきれなかった、っていうのは難点だったかな。天才少年という触れ込みの割に、最初のうちは「負ける」ことがかなり多くて、鷲使いっていう特性も割と早めに対策されたり、役に立たなかったり、作中で有能さが前に出るのか未熟さが前に出るのかが掴みにくかった。最終的にはちゃんと大出世を果たすわけだが、その頃には多数のキャラクターの物語に視点が散ってしまっているので、なかなか「主人公たるマフムート」が認識しにくかったのだろう。この辺りも理解が追いつかなかったことの悩ましさである。

 まぁ、ちゃんと余裕を持って見られた人にとっては中身のある充実した2クールになったはずだ。今後はこれを反省してもうちょっと真面目に取り組みたい所存。

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「少女終末旅行」 6→7

 今期は本当に刺激的な作品が多い恵まれたシーズンになったが(その分とんでもない作品も多いが)、今作も、そんな見たこともない刺激の1つであった。毎年毎年たくさんのアニメを見て、全てをパターン化して分かったような顔になってみても、まだまだ我々の知らない世界というのはたくさんあるものだ。人間の想像力、そして創造力は無限大だ。

 今作だって、個々のパーツをなんらかの作品とつなげて類似点を指摘することはできるだろう。おそらく、歴史の長いSF小説のジャンルなんかを探せば、かなり似た設定の作品も存在するのではなかろうか(残念ながら私はSFに明るくないのでさっぱり知らないが)。しかし、今作はこうして「少女に」「終末を」「旅行させる」ことに意味があり、さらにそれを漫画で描き、果てはアニメに描いたことに意味がある。ただケッテンクラートに乗った女の子が2人、なんの背景も、目的もない世界をただただ旅する。そこに何が出てくるのかはさっぱりわからないし、それまで何があったのかもよくわからない。あまり動きを見せない画も、終末というにはユルすぎるキャラクターデザインも、なんだかいろんなものを無駄にしているような、どこか虚無的な不安感さえ抱かせる。しかし、それらが全て合わさり、つらつらと流されるアニメ映像になると、これが不思議と一貫した方向性が見えてくるような気がするのである。ある種ゲシュタルト的な概念構造……とまでいうと多分言い過ぎなのだけれど。

 前提条件として、もちろん個々の要素はそれぞれで楽しめる必要があるだろう。今期は色々忙しかったせいでなかなか1本ずつのエピソードで感想記事があげられなかったのが悔やまれるが、1つ1つのタイトルだけを切り取って小話として見ても説得力のあるエピソードが多く、エンディングが実に印象的だった「雨音」や、暗闇の演出が不思議な魅力を見せる「寺院」、珍しく他者との対話が様々なこの世界ならではの思想を切り出す「離陸」に、果てもしれぬ旅路の不安感を掻き立てる「らせん」。SF的な壮大さを背後にちらつかせる「生命」、そして最終話、「接続」「仲間」。どれもこれも、一筋縄ではいかぬ挿話ばかりだ。

 本作の見事なところは、「終末」という設定からスタートしているという部分である。普通に考えるなら、描かれるべき部分は「終末」ではなくそこに至るまでの「過程」であり、それが起こった「始源」であるべきだ。しかし本作はなんの説明もなしにただ少女たちの前に「終末」のみを転がしている。どう考えても絶望的で、真っ暗なイメージしか与えないはずのこの「終末」が、少女たちからすればあくまでもスタート地点。ただそこに与えられた状況であるので、彼女たちは一切この「終末」に悲観的なイメージを持っていないし、「終わっている」ことにも疑問は挟まない。ただ、何が終わった後なのか、そして、「終わりの終わり」には何が待っているのか。そこだけを目的にして前に歩くという世界。おかげで、「なんの果ての終末なのか」という部分は極力描かれぬまま、我々は少女たちと同じ世界をただ見守ることができる。本当ならば色々と突っ込むべき部分は多いのだが(彼女たちの知識の偏りはやっぱりヘンなはずなのだが)、あまりに特異な世界設定ゆえ、我々はそうした「既存の設定に疑問を挟む」ことよりも、「新たに得られる知識への興味」の方が勝るのである。世界が「終末」にあるおかげで、帰ってそこから始まる「始源」が強調されるというのは、なんとも逆説的で面白い。

 怒涛の最終話では、そうした「終末」に幾ばくかの説明も与えられ、作品としての「まとめ上げ」もつつがなく終了しており、シリーズアニメとしての体裁もしっかり整えられているのが心憎い(個人的には別にその辺りの説明はなくても成立したと思うが、やはりあの怒涛の展開は胸がザワつく)。全てが終わった世界では、当たり前のことでも全てが新鮮な驚きにつながる。チトたちはディスプレイ上に次々に展開されていく写真や動画の流れに、まるで初めて知恵の木の実を与えられたアダムとイブのごとき衝撃を受けただろうが、我々は現在、そうしたあまりに膨大な情報を、日常的に受け取り、背後へと流していく行為を続けている。現代という時代が、人の歴史の中でも極まりきった異常な状態に到達しているということが、ちーちゃんたちの新鮮な驚きから改めて確認できるのである。文明とは何か、そして何を持って始まりとなし、何をもって終わるのか。何も知らずにただ旅を続ける2人の少女が、そんなことを改めて考えるきっかけを、たくさん与えてくれるのだ。

 もちろん、そんな余計なことを考えずに、ただちーちゃんとユーの2人の女の子の友情譚として見ても問題なく楽しめるだろう。百合というのは流石にちょっと違う「バディもの」というのが無難なところだが、無茶苦茶なユーを(ときに本気でぶん殴りながらも)愛しているちーちゃんと、そんなちーちゃんに無条件の信頼を寄せながら、旅の楽しさを提供してくれるユー。この2人のコンビネーションがあって初めて、この旅行は見るに耐えるエンターテイメントになっている。ただひたすら「2人ぼっちの世界」が続いていながらも、一切退屈せずに眺めていられるこの2人の関係性はそれだけで特別だ。頑なにつぶれまんじゅうであり続けるキャラクターデザインは、最初は「異物なのでは」という印象で見ていたものだが、それは当たり前のことだった、2人は見る側、世界は見られる側。2人が世界から切り出されて初めて作品は成立している。そのことを絵的にもはっきり表すのが、愛くるしいつぶれまんじゅうなのである。それにしても酔っ払いちーちゃんはかわいかった……。

 酔っ払いちーちゃんの歌もそうだったし、今期最も印象的なアニメソングといっても過言ではない「雨だれの歌」もそうだし、無音の中でケッテンクラートのエンジン音だけが唸る今作の音響演出も実に秀逸。きっちり「ただ画を見せられる」という世界観の作り込みがなければ実現し得ない構成である。それだけ本作スタッフは原作の持つ力を信頼していたし、それを映像として起こすことができるという自信があったのだろう。本当に恵まれたアニメ化だったと思う。

 最後は中の人の話だが……まぁ、2人だけだしな。水瀬いのりのこういう役、本当にずるいくらいにハマるのは天賦のものだろう。そしてそんないのすけのナチュラルボーン無気力を引っ張り上げるしかこのユー。本当に良いコンビネーションでございました。

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「このはな綺譚」 5→6

 可愛かったです(素直)。まぁ、今作の場合はそこが満たされていれば充分という話ではあるな。

 ケモミミ少女のお話ということで、開始時には「うらら迷路帳」との類似点が意識されていたが、こうして1クールが終わってみると、多分一番近い作品設定は「ARIA」であろう。純朴まっすぐで世間(その施設がある世界)をさっぱり知らない田舎の少女が、接客業に挑むことでまっさらな状態から努力を重ねていく。そして仕事を通じて、または同僚や先輩の同業者とのふれあいを通じて、様々な感動を織り重ねていくのである。感動屋さんで頑張り屋な柚のキャラクターはウィンディーネを目指す灯里に重なり、たくさんの(ヘンテコな)お客さんがやってくる街並みも、和洋の違いこそあれ、どこかネオベネツィアに通じるものがある。

 別に「パクリ設定だ!」なんて叫ぶ目的で類似点を強引に結びつけているわけではなく、「ARIA」シリーズだって面白かったのだから、同種の楽しさと癒しが得られればそれは素敵なことですね、と言いたいだけである。加えて、今作はメインキャラクター達が狐であるという謎要素があり(火星の場合は社長が猫だったが)、こちらの可愛らしさも独自のセールスポイントとして売り出すことが可能になっている。ぶっちゃけ「ケモだから」という特別な楽しみ方があったわけでもないのだが、単にデフォルメの時の四角形デザインがとにかく可愛かったのである。デフォルメされた時にケモ要素が強めになるので、あわよくばモフれるんじゃないか、っていう絶妙な「動物的愛らしさ」と「少女の愛らしさ」の間を行き来できるのが良い。お話の方も、ふんわり温かいものをベースにしつつ、単に癒しを求めるだけではなくてきちんと柚の成長譚を構築し、脇では皐の悩みを描いたり、ちょいちょい百合要素を加えてみたりと決して単調になりすぎないバランスもある。「日常もの」の路線での旨みを確保しつつ、独自のプラスアルファが邪魔にならない味わいににある。このさじ加減はなかなか狙ってできるものではないだろう。

 中の人の話をすると、どうしても個人的に無視できないのはお菊役の渡辺明乃である。当ブログ右柱をみてもらえばわかる通り、私は長年彼女のファンである。声質のおかげでなかなか「可愛らしいメインヒロイン」なんてものが回ってこないのだが、今作では珍しく、可愛らしいレギュラーヒロイン(?)の役をもらって存分にその呪いの人形っぷりを見せつけてくれた。そこそこのキャリアの役者にぽろっとこういうキャスティングが回ってくるのはとても楽しい。あとは触れるべきはやっぱり柚役の大野柚布子。圧倒的に「可愛らしい声」を存分に活かしての熱演。「天使の3P」に続いての大役を無事に果たしここからのステップアップが期待できるだろう。

 そして何と言っても……うか様! うか様じゃないか!!! なにこれ?! え? まじ? 狙ってキャスティングしたの? どういうこと?! なんと、最終話で登場した宇迦之御霊神、つまりはうか様のキャスティングが、桑島法子である! どういうことなの? そりゃね、京都の伏見稲荷大社にいたうか様だって、こっちの世界のうか様だって、同じうか様なんだから声は同じで然るべきなのだが……調べてみたけど制作会社も、原作の出版社も全然関係ないので、キャスティングが被ったのは本当に偶然……いやぁ、どうなんだろ。スタッフの中に「わかってる」人がいたってことなんだろうか……。もう、それだけで本当にびっくりしてしまった。うか様、いなりちゃんは元気にしておられますかね? ちなみに、こちらの世界のうか様は柚の育ての親、八尾比丘尼(CV:大原さやか)と仲良しなのである。なんだこの作品。此花亭は、私にとってのパラダイスなのである。

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「いぬやしき」 6→5

 小日向文世の演技が実に良い。まずはそれ。よく誤解されるんですが、僕は専業声優以外が嫌いなわけではないんです。仕事ができない役者が嫌いなだけ。こんだけハマってる役者さんには何の文句もありません。

 「格好いいじじい」というなかなかハードルの高い課題に挑んだ作品。普通「格好いい親父」と言えばハードなボイルドでCVが大塚明夫だったり藤原啓治だったりするキャラクターのことを言うものだが、今作はその真逆をいく犬屋敷さんである。体もひょろひょろだし元の生活は本当にパッとしないただの爺さん。それでも、力をもらえばヒーローにもなれる。サイバー爺さんの活躍を描くのには、これ以上ないくらいにしっかりした作品だった。

 点数を下げたのは、筋立てがあまりにもシンプルだったことであまり1話目の印象からプラスになった部分がなかったからだ。ラストの展開もどう考えても打ち切り漫画の展開だろうし、ショッキングな大量虐殺シーンも、さすがにこんだけ連打されると飽きも来る。2人の最強マシーンの対立構図がもう少し中心にくれば見栄えのするシーンも増えたのだろうが、今作は1人1人の内面を掘り下げる方向に展開したので、いかにも「アニメ的な」見せ場はちょいと減ってしまっただろうか。でもまぁ、それは別に悪いことではない。「どれだけ最強でも庶民的な何か」を持っている爺さん達の等身大の戦いとの噛み合わせが面白みだったわけで、ぶっ飛んでいるのにどこか卑近な、妙な違和感を抵抗なく描けたのだからそれはそれで成功と言えるだろう。まぁ、欲を言えば本当の意味でのハッピーエンドが見たかったところではあるのだが……。

 こういうヘンテコ作品でも臆せずそれなりのアニメとして仕上げられるのがノイタミナの持ち味なので、今後もよくわからない原作を拾って展開していってほしい。

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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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