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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「タイムトラベル少女〜マリ・ワカと8人の科学者たち〜」 5→4

 いくら何でも御影さんに厳しすぎる世界なんじゃないですかね……。主人公チームは最終的に家族団らんエンドなのに、御影さんは過去の時代に放置して一切フォロー無しという、なかなかの残酷エンドを向かえている。まぁ、あっちの時代でエジソンと仲良くやってたみたいだからそこまで悲観的になることもないのだろうが、「他の時間に放逐」ってドラえもんの世界なら無期懲役刑みたいな扱いでやってたやつじゃないのか。

 まぁ、シナリオ部分に余計な突っ込みを入れてもしょうがない作品なのかもしれないが、色々と考えさせる幕引きだったのはひょっとしたらまっとうな視聴者層であるはずの少年少女にこのSF的な問題を考えさせるためだったのかもしれませんね。アーミラリーコンパスがバグをおこしたタイムパラドクスの問題なんかも、この手の話題に初めて触れる子供だと「どういうこと?」ってなりそうだし、色々と家族で話せる話題は多い作品だったんじゃかなろうか。

 ただ、個人的に期待していた「8人の科学者たち」部分が作品にあんまり活かされてなかったなぁ、という部分がガッカリポイントだったので1点減。序盤はそれなりに個々の研究者のトピックに絡めるようにしてマリたちの日常ドラマパートに「それっぽい話」を作っていたんだけど、中盤以降、時間移動の方法自体が話題になり、さらに御影さんと親父さんの因縁が散々絡んできたせいで、どんどん偉人たちの扱いが適当に。モールスなんて親父さんに「あんた、そのうちでっかい発明しなきゃいけないからとりあえずコレ見ておきな」くらいの感覚で情報をパスされて終わりだったし、ヘルツなんて「なんか単に暗そうな人」で終わっちゃったし。もう少し「偉人伝」として見られる内容になったら勉強になる作品だったんだろうけど……。1クールで8人を走りきろうとすると、いくらなんでも尺が足りなくてなぁ。

 まー、元々スフィア目当てで見てた作品なのでそのあたりに目くじら立てるつもりもないんだけどね。目当てが中の人だったということで、戸松ママンがどんどん素敵な人になっていくのは嬉しかったが(最終話のゲンコツとかいいよね)、逆に彩陽秘書子の扱いの悪さがやるせないですよね。御影本人はいっそ人生を諦めて向こうで楽しくやったのかもしれないが、ずっと彼を待ち続けていた秘書子はあれから地獄のような余生を送ったんじゃなかろうか。可哀相すぎる。さて、次にスフィアが4人揃うのは何年後の作品になるのでしょうか。

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「はんだくん」 4→4

 とにかくばらかもんの2期はよぅ。それは変わらず言い続けて問題ないよな。

 1話目を見た時点であまり印象のよくなかった作品ではあるのだが、「ばらかもんとは別作品」と割り切れば作品の目指しているところは非常に分かりやすい。例えば「ラッキーマン」とか「カメレオン」とか、あと最近だと逆パターンに「ワンパンマン」があるけど、そういう「本人の意図してないところで回りが勘違いして勝手に云々」系のギャグ作品。何故これを「ばらかもん」の主人公である半田清でやろうと思ったのかはさっぱり分からないのだが、まぁ、作者からしたらどんな形であれ「読者が手に取りやすい」形で新しい作品を出した方がいいわけで、「ばらかもん」はそのためにちょいと利用させてもらったってところだろう。

 で、「完全に別なコンセプトで作られたギャグ漫画」であることは認識出来たし、それを認めることは認めるのだが、やっぱり、そこからノリ切らなかったという事実も間違いなくあるわけで。前クールの作品ではほぼ同じような「坂本ですが?」があって、あちらも「やりたいコンセプトはとても分かりやすいし、そういう存在を一定の度合いで評価はするが、それを1クールの作品としてアニメで見たいとも思わない」という評価が共通している。まぁ、一言で言うと「飽きる」んだ。「坂本ですが?」の場合は坂本がいかに破天荒な方法で難題を解決するのか、というところが「スタイリッシュギャグ」になるわけだが、こちらは半田が回りの事態をどのように曲解し、ぼっちマインドを炸裂させた結果、周囲の人間がそれを勝手に勘違いするトンチンカンな様子がギャグになる。構造は同じだ。そして、バリエーションが作りにくいというところももちろん同じ。どちらの漫画もそれなりの巻数で原作が終わっていることからもそれは分かるだろう。

 今作の場合、「回りの勘違い」という重要な部分に関してネタ回しがややクドく、よほど無理しないとそうはならない、という世界の歪み方が何だか痛々しく見えてしまうのが辛い部分。おそらく「半田が曲解する」という部分に一つ目のハードルがあり、さらにその半田の行動について、「回りが勝手な解釈をする」という二段階の錯誤が必要なデザインが足かせになったのではないだろうか。どちらか片方ならギャグとして組み立てやすいのだが、常に二段構えとなると少なからずどちらかのプロセスに無理が生じてしまうことになる。そういう「無理してる」部分がどうにも気になって、気楽に笑えるまでに馴染むことにならなかったんじゃなかろうか。

 まー、実際はそこまで面倒なことを考えてるわけでなく、何となく「キャラがピンとこん」で終わりなんだけどね。その感想なら2行で済むな。

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「ベルセルク」 5→4

 無事に2期報告も入り、まだ終わったわけでもなかろうが、一応それなりに最終回っぽいまとまりは見せてましたね。

 本作の場合、シナリオラインについての話はあんまり意味を成さない気もするのだが、「まぁ、こんな感じやろ」という進行でそこまで盛り上がることは無かった。初見の人間からすると、「割と話題になってる作品だし、何かすごい展開が待ってるんだろうか」と期待して見ていた部分もあるのだが、1クール通じてやってることは大体同じだったし、少年漫画としてみても「ふーん」くらいなもの。まぁ、そもそも登場した時代が違うわけでなぁ。何か特別なことがあるのではなく、ダークファンタジーとしての王道を行っていることが人気の理由なのだろう。改めて今の時代に新作アニメとして享受するような作品でもないのは当たり前のこと。

 取り立てて悪い印象があるわけではないのだが、「なんでそこまで根強く愛される作品になってるんだろう?」と疑問に思えて理解出来なかったことは、単に私の感性が合わなかったからなのか、往々にしてそんなものなのか、それともアニメとしての見せ方があまり良くなかったからなのか。どうも、若干最後の選択肢の可能性が感じられるのが悩ましいところ。初回を見た時には「とんでもねぇ映像がきたもんだな」と驚いたものだが、確か初見のときにも「それはそれとして難の多い映像でもある」という指摘はしていたはず。結局「CG部分の固さ」については、積極的な解決はもたらされていない。本作は手描き部分とCG部分のシームレスな繋がりが特徴で、さらにCG部分にも色々と独自のアレンジを加えて「らしい」画作りを実現しているのだが、最初にびっくりした部分については、あまり発展的な進化が見られる部分ではなかった。ガッツのモーションについては様々な部分で「描き込み」の追加があり、流石に主人公なだけあって愛されていることが伝わってくるのだが、こと対戦する悪魔サイド、特に異形のもの、不定形のものになってしまうと、「どういう風に影をいれたものか」がはっきりせず、結局は昔ながらのつるりと無機質な「CG作画」に落ち着いてしまう。そしてCGの無機質さは要所でヒロイン勢の顔などにも影響を与えてしまい、全体的にキャラの魅力をそぎ落とす方向に働いてしまっていた。せっかくエロいシーンも多いのに、流石にこのキャラクターデザインだとそそられる部分はないよなぁ。

 でもまぁ、「そういう部分を楽しむ作品じゃないんだよ」と言われればそれまでなのかもしれない。ファルネーゼさんが人生を転がり落ちていく様なんかは割と愉快に見られたし、力強く活きている商売女チームの面々なんかは、映像でやや見劣りした分をキャラのしゃべりや行動でいくらかフォロー出来てもいる。今回の第1クールはあくまでそうした「何となく末法な世界観」を伝えるための導入部分であって、今後のシリーズが展開していけばシナリオ部分も盛り上がってくるのかもしれない。映像作りについてはまだまだ試行錯誤といったところだが、何事もチャレンジしてみなきゃ結果は出せないわけだしね。あまりせかせかせず、気楽に見守っていきましょう。

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「魔装学園H×H」 4→2

 色々猛省してほしいです。アイムズさん、これを製作してなかったら「アクティヴレイド」にもっとリソースを割けたんじゃないですかね……。

 もう、毎度毎度のことなので書くのも面倒臭いが、「こういうのは地上波アニメでやらなくていい」「エロアニメはエロアニメで業界があるんだからそっちでやれ」「やるならそこに矜恃を持ってやれ」「全力でエロを作れ」「作画だけでも何とかしろ」。

 エロを売りにするにしても、「ハイスクールD×D」くらいの品質ならそこに価値を認めるのだが、本作は全体的に作画が低調だった今期アニメの中でも一二を争う絶望感。「俺ツイ」の悪夢の再来である。万一「エロいアニメが見たいけど18禁アニメじゃないヤツがいい」というよく分からないニーズがあったとしても、この作画でそのニーズに応えられるとは全く思えない。地上波だったらさらに修正まで入るしなぁ。なんでこんな製作状況でゴーサインが出るの? 本当に日本のアニメ業界は大丈夫か? あと、日本のラノベ業界も大丈夫か? 「エロが売れます」「メカバトルも売れます」→「じゃぁ、エロいことをするとライフが回復する美少女メカバトル作品でいきましょう」。もう、そのドジョウは「IS」あたりの時代に取り尽くされてると思うのだが……。それ以外の売りが一切見あたらず、「長妻樹里の喘ぎ声に耳を研ぎ澄ます」くらいしかやることが無かった作品です(赤﨑の喘ぎ声はあんまり求めるものじゃないです)。

 色々猛省してほしいです。

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「ももくり」 6→6

 栗原さん可愛い作品。ただただそれだけのために存在していた。そして、それで足りていた。

 正確には今期終了作品ではないので簡単なメモ程度に留めておくが、栗原さんが可愛ければそれでいいや、なのでそれ以上の感想も特に。純正イチャイチャ作品だし、1話から最終話まで何一つやってることは変わらないのにそれで構わないこの空気。メインの2人が「なんか良い」だけで、本当なら壁ドンもののイチャイチャも「これでいいや」っていう気分になりますね。幸い桃君も「まぁ、惚れられてもしかたないキャラなんだろうな」ってのは分からなくはないし。男から見ると微妙なキャラではあるのだが、これくらいに非現実的な方が、「栗原さんがトチ狂うのもしょうがない」ってんで諦めもつくし。今作のメインヒロインは桃月の方である。ド変態ストーキング狡猾ヒロインは、実際には性欲に任せてヒロインを蹂躙する暴君系主人公だから。

 2人だけでもシナリオは充分成立し、ずっと同じ話を続けつつ、牛歩の速度で前に進んで最終的に栗原さんのカミングアウトで締めるだけで万感の最終回を演出できる。そして、回りを囲む友人連中の存在は添え物程度に。邪魔にならず、それでいて味は出しつつ。早柿さんだけはちょっとスタンスが特殊だが、彼女の可愛らしさもちゃんと引き立ってたしね。後半、桃×栗関係が固まっちゃうと出番が減ってしまうのは悩ましいところなのだが……。「2人の関係がいかに理解のある友人達によって成り立っているか」が分かるのもほっこりポイントですね。

 やっぱり平池さんの萌え方向の演出は安定していて良いね。そして、加隈ヒロインの破壊力の高さは言わずもがなだね。次は一体どんな危険物質を提供してくれるやら。

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ReLIFE」 6→5

 なかなかいいダメージがもらえる作品でしたね。ちなみに点数さげたのは新太に対して「てめぇ、結局社会人としても働けてたし、Relifeしたらしたでリア充やないけ」という嫉妬を込めたものです。あながち嘘でもないです。

 当初想定していた通り、終始「学園ラブコメ」な感じを貫き通した作品。出てくる主要人物は全部くっついていくし、その過程にあるトラブルもご褒美イベントもおおよそテンプレートにのっとったもの。特に意外な展開もなく、何となく微笑ましく、ニヤニヤしつつも、時にイラッとしたり、時に可哀相になったり、そうして見守るアニメ。「いくらなんで狩生さんは不安定すぎやしませんか」とか色々心配になりつつも、主人公・新太が割かしこちらに近いおっさん目線での独白を入れて見守ってくれているので、近いようでそうでもない視点から物語を見守ることも出来る。これくらいのドラマが無難で良いところ。しかしまぁ、最終話でひとネタぶっ込んできましたがね……。

 小野屋が正体を現すところは問題ないんだ。1話目でルールが説明された時点で、「途中から伏兵も出てくるかも」ということは想定されているわけで、小野屋の行動は想定された研究所の動向からはみ出るものではない。それなりに伏線も張られており、「まぁ、そういうこともあるんやろな」で終わる設定。そして一応、日代の存在もルールブレイクというわけではない。事前に明かされた小野屋の存在が暗に「もう一人」の存在を示唆していたと考えれば一応伏線も張られているわけだし、研究所が新太に全てを説明するとは言ってないわけで、こうしたペテンがあったことも、「プロジェクトの一環」と言われれば納得はできる。ただ、日代が「そういう」存在だったとなると、ここまで描かれてきた物語が全てひっくり返るんだよね。視聴者目線だと「(被験者としては)たった一人実験場にぶち込まれた新太が、たくさんのリアル高校生を前にしてどのように振る舞うかが試されている。その中で大神と狩生をくっつけて、恋バナを楽しんでると思ったらなんか自分もリアル女子高生・日代といい関係になってちょっと困ってる。何しろ年の差があるし、自分は経歴詐称してるし、なにより実験が終わったら記憶を消されてしまうし……」という景色が見えている。恋愛感情は抱くけど身分違いの恋だし、絶対叶わないことが分かっているから、っていうのが今作のオリジナルにして物語のキーポイントだと思っていたところを、たった1つの事実が明かされることでまるまるひっくり返る。「今までの視聴者目線は間違い」だったと告げられ、最終話だけではその事実を処理しきれないのよね。

 まぁ、物語はまだまだ続いていくのだし、別に日代の事実がこれまでのドラマを台無しにしたということも一切無いのだが、「え? そうくるの?!」というサプライズで、「びっくりさせ逃げ」されたみたいな感覚かな。出来ることなら、2クール目でこの「お互いに同じ理由で叶わないと思っている悲恋」の続きを見せてもらいたかったものだ。そもそも研究所の目的が未だに闇の中なので、本当に叶わぬ恋なのかも分からないしね(普通に考えたらこの作品の最終話はお互い元の姿に戻った2人が大人のキスをしてエンドなんだろうが)。しかしどうなんだろう、このどんでん返しを知ってから改めて1話から見直したら、ちゃんと日代の行動や夜明の行動に伏線はあるんだろうか。なんか、夜明と小野屋が2人してほくそ笑んでるさまは、いくらなんでも新太たちを完全にだまくらかしている悪人に見えてしまうのがちょっと気になるんだよね。ドッキリ番組とか苦手な質なのでね。

 あと、個人的には新太の社畜時代のエピソードに筆を割いていたのもややマイナス要因かなぁ。いや、新太の人格形成を考える上では必要なお話だったのは理解しているのだが、いくら何でも「会社に辞表叩きつけて思い悩んでたら、同じブラック企業のひどさに共感した後輩社員にたまたま出会い、自分が英雄視されていたことを知る」は出来すぎだからな。後輩社員の存在はちょっと安易過ぎるし、先輩の死についても、非常に分かりやすいのはいいのだが、もうちょっと細やかな背景設定は欲しかった。まー、「あれだけ勝ち気で優秀だった先輩がまさか」っていうギャップがあるからこその傷心ニート生活なのだろうが、私みたいな人間からすると「新太君! 別にそこまでの挫折がなくてもニートなんて簡単になれるで!」って思っちゃうのでね。

 なんだろ、やっぱり社会に出られない人間の病巣を殴り続けるだけのアニメでしたね。とりあえず、女の子はみんな可愛かったので、ラブコメとしては文句無く有能でした。日代も可愛いけど、やっぱり狩生さんの分かりやすさが打点高いなー。戸松ボイスはエネルギーのかたまり。

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「バッテリー」 5→3

 ほぼ野球をせずに進行するという、ある意味斬新な野球アニメ。まぁ「大正野球娘。」も試合なんてほとんどやってなかったけども……。でもあれはラストでちゃんと大事な試合をやったわけじゃない。この作品は、「試合を使わないで」野球少年を描くという、かなりチャレンジングな作品である。

 やりたいことは分かる。そして、それなりに名前の知れた小説だし、おそらく小説ではその「やりたいこと」がある程度出来てるんじゃないか、ということを(非常に勝手だが)想像することも出来る。しかし、小説から「文字による伝達」要素をとっぱらい、動きを武器とするアニメでこれをやるのは……流石に道具立てを間違ってるんじゃないかと思わざるを得ないなぁ。

 微妙な思春期の少年同士の心の交流を描くというのは王道のテーマ設定であり、学園ドラマってのがもっともポピュラーな方策なわけだが、本作はその人間関係が全て野球絡み、そして、メインとなるのはタイトルが表す通りに「バッテリー」。野球用語ではキャッチャーのことを「女房役」なんていうくらいで、野球におけるピッチャーとキャッチャーの関係性は夫婦のようなものなのだろう。……いや、流石にそこは区別しようよ。確かにバディとしての友情は大切かもしれないが、別にこれから生涯をともにするわけではないのだし……結婚したら奥さんは1人だけど、キャッチャーについてはいくら浮気しても別に罪にはならないしね。あと、これが一番大事なんだけど……同性だしね。

 いわゆる「女性向け」とか「ホモ臭い」とか言う言葉はあまり使いたくないし、今作はいわゆる「そっち向け」作品のように野郎どうしの絡みを前提に描いた作品ではなく、あくまで「思春期の友情形成の一端として、何となくそう見える描写もあるかもしれません」という程度のはずなのだが、男目線から見て、「そういう感情は無いんじゃないかなぁ」という要素が散見されるのが微妙なんだよな。そりゃね、私は野球なんてやったことないし、マウンドにも立たなければキャッチャーマスクも被らない。彼らが練習の時や試合の時に何を考えているかなんて分かりませんよ。でも、多分中高生のメンタリティはあんなんじゃないと思う。絶対、もっと馬鹿だと思うよ、男の子は。いや、主人公の巧1人くらいならああいうストイックで面倒なやつがいても構わないけど、今作に登場する野球少年は、みんな揃いも揃って非常にセンシティヴで、ロマンチストで、ポエミーな性格ばかりなのだ。そういう世界があってもいいとは思うが、それこそファンタジーな「少年」であって、おそらく「野球少年」には噛み合わないんじゃないかねぇ。

 こうして「なんか違う気がする」ヘンテコ野球少年達のマインドをアニメで綴っていくわけだが、ろくすっぽ球も投げないのに野球ってなぁ。投げたとしても別にモーションがすごいわけでもなく、「巧の球は超すごい」って言われてるのに映像からはそれを感じさせるようなけれん味のある演出も見えてこない。あくまで淡々と、少年達の心の葛藤を描くツールとして、野球があり、ボールがあり、投球がある。正直、あんまり心躍りませんわね。別に画が汚いというわけではないのだが、どうにも見ていて気持ちの良い部分が見つからなかった。多分、これは小説で読むべきものだ。いや、ひょっとしたらもっと目の覚めるような演出方向で今作の良さを引き立たせる方法もあったのかもしれないけど。

 あ、「大正野球娘。」を面白いからオススメですよ。

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「タブー・タトゥー」 5→6

 終わってしまったけどあんまり終わってる気がしない定期。現状で2期のアナウンスは出ていないらしいのだが、はてさてどう判断したものやら。

 序盤は割と感想を書いていたことからも分かる通り、それなりに楽しめていた作品だ。アクションシーンの派手さ、女の子の可愛さ、分かりやすい能力バトル設定に熱血系の主人公と、見やすい要素が揃っていたし、一定の品質を超えた作品だったのは間違いない。じゃ、なんで途中から感想を書かなくなったかというと、そりゃまぁ、桃子がいなくなってモチベーションが下がったから。こちとらハナからイジーよりも桃子派だったんじゃい。まぁ、イジーも可愛いんだけどね。「メインヒロインが死ぬなんてありえへんし、どーせその内なんか上手いことやって桃子も帰ってくるやろ」って思ったら結局最後まで戻ってきませんでした……。この作品で失われたヒロイン→「桃子1人+イジーの左手」。無理な人体錬成の結果かな? 

 いやまぁ、「人が死んだからショックです、辛いので見ません」とかいうどうしようもないメンタリティで見てるわけではないのだが、桃子の退場後はBBの過去話とかで多少流れが変わったじゃない。お話の全体像がはっきりしなくなっちゃったから、最後まで見極めるまではあんまり下手なこと書けないな、っていう状態になってしまったのよね。アニメ1クールで片を付けるとも思えなかったし、中心となるべき話題がどこなのか、ちょっと見定めにくかったというか。正直言うと、割と最後の方まで「姫さんは本当に敵キャラなんだろうか」っていうところまで怪しかった。割と敵サイドのお話もしっかり描いてたもんだから、悪い奴らに見えなかったのだ。実際、キャラも立ってて、単なる悪い奴ってだけじゃなかったし。合衆国も色々とあくどいところを見せていたので、セーギだって桃子のことがなかったら完全に敵対してたかどうか分からないわけでね。

 そう考えると、強いて作品の難点をあげるなら、セーギのキャラがやや弱かったかな? 後半は単なる復讐マシーンになってて、あんまり彼の情念に溌剌としたものが感じられなかったし、回りの人間がそれぞれにかなり濃い目的意識を持っていたので、敵味方の策謀に巻き込まれてちょっと埋もれた感じ。まぁ、分かりやすさでいえば主人公はこのくらいでいいのかもしれないけど。こうして見ると能力が(強力とはいえ)シンプル過ぎるのもちょっと考えものか。ただ、これって裏を返せば「サブに回ってるキャラが立っている」という話でもある。尊大に振る舞いながらも最後の最後まで「なんかゲームオタク」っぽい要素を外さなかった姫様なんかは最たるものだし、ピエーロなサンダースさんとか、フラグ立てまくり陸佐とか、なんでUSAのキャラはあんなに変なのが多かったんだろう。そういう部分でキャラどうしの掛け合いを見てるのは退屈しなくて良かったね。個人的に(桃子以外で)お気に入りを一人あげるなら、多分最強キャラがあまりにしっくり来ていたカルさん。あそこまで絶望感を与えてくれる敵キャラも久しぶりで、今作の売りであるぐるんぐるんアクションを活かしてくれるモーションの取り方も良かった。あとは猫娘のシュレディンガーキャットでしょうね。こうしてみると敵サイドにもいい兵士が揃ってたなぁ。

 アクションの動かし方について、当初は色々といぶかしがりながらみていたのだが、最後まで一貫してこの「らしい」モーションが崩れることはなかったので、おそらくJ.C.STAFFが新たに編みだした「バトルの見せ方」のテストケースだったんじゃないかと踏んでいる。絶対どこかでCGの技術を駆使して省エネしてるはずなのだが、それを感じさせないようにする「こけおどしの作り方」みたいなものが、今作で多用されていたのではなかろうか。その合間にきちんと背景動画とかも作り込んだり、楽するための道具立て一本に頼らず、ちゃんと全編通して「見せる」画作りを絶やさなかったのは素直に凄いと思った。これ、2期があったらもう一回見られるってことなんでしょうかね。

 というか、あの終わり方で2期が無いと流石に……ねぇ。お待ちしてますよ。

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Re:ゼロから始める異世界生活」 5→7

 そりゃもう、たっぷりと楽しみましたね。えぇ。

 ストレートなラノベ設定でここまで楽しめたってのも久しぶりかもしれない(「六花の勇者」はちょっと違うしな)。正確には「ラノベ」なのかどうか判断が難しいのは今作が「OVERLORD」と同じ「小説家になろう」を元にしている作品らしいというところ。もちろん人気があって面白い作品からアニメ化されるわけだから非常に偏った見方にはなるが、今のところこの「なろう」の作品は2作ともかなりのヒットということになる。普通のラノベと何が違うんだろう、ということを何くれとなく考えてみたが、余計な縛りの無さっていうのは大きなプラス要素になっているのかもしれない(以下の諸々はサンプル数が非常に少ない、適当極まりない言説なので無視してもらって結構です)。

 いわゆる「ラノベ」とこうしたウェブ小説の違いは色々とあるだろうが、最大の相違点は「編集」が存在しないこと。つまり、検閲が入らない。これにより、普通なら「世に出てこない」ような作品でも日の目を見る可能性があり、今作なんかはひょっとしたらその典型的な事例なのかもしれない。何しろ、冒頭のループ時点では「あんまり面白くはない」のだ。「第一章」と言われる麻美子戦までの流れ、決してつまらないとは思わないが、ループの設定が雑だったり、どこかで見た事があるものだったり、そして何より主人公のキャラがウザかったり、この部分だけを出版社に持っていっても門前払いを食らう可能性が高いだろう。最近のラノベの傾向やレベルは知らんが、まぁ、編集ってのはそういう仕事だ。しかし「なろう」ならそんなことを気にせずに自分の好きなように書き連ねることが可能で、「チュートリアル」としての一章の後に今度は雰囲気をガラッと変えた2章を書く事も出来るし、多少無茶な設定でも誰にも突っ込みを入れられずにまかり通ってしまう。細かい設定やら欠点やら、そうしたものを大雑把に流して、「やりたいこと」の最終形を見ることが出来る。この「リゼロ」の場合、その「大局的な作品観」が見事にはまっていた作品だったのではないだろうか。

 昨今のラノベ編集に忌避される(と噂されている)要素の1つに「余計な鬱展開」があるというが、今作は本当に「駄目でよわっちい主人公」が描かれており、失敗するときは徹底的に失敗する。そりゃもう、2度も3度も。目を覆いたくなるような失態を憧れの女性の前でやらかし、それでも飽きたらずループしたら別なルートで別な女性に蹴り飛ばされる。まさにトライアル&エラーの「エラー」が目につく作品。そうした見づらい部分を敢えてセールスポイントとして打ち出し、徹底的にスバルをいじめ抜くことが今作の楽しさの中心になっている気がする。いや、別にマゾヒズムに目覚めろというわけではなく、スバルは、これもよく揶揄されるような「ラノベ主人公って異世界に行くとなんだかんだでリア充になって成功しかしないよなー」を逆手に取った主人公なのだ。そりゃまぁ、お話なのだから最終的にはハッピーエンドを迎えているが、その過程で何度ものバッドエンドを繰り返す。つまり、スバルは基本的にクソ雑魚なのである。「弱いヤツ、狡いやつ、情けないやつでも最終的にお話に参加して主人公になるにはどうすればいいか」という問題解決の手段として、「死に戻り」が与えられているのである。どんな人間だって、殺されまくるとなれば、文字通り死ぬ気で打開策も探すし、どれだけ不格好でもそれだけの死の経験があれば何とかなるというのは、「結局スバルもリア充ルートじゃん」という非難をスレスレで回避しつつ成立させる大切な要素なのだ。

 試しに今作の面白かった話数を抜き出してみると、個人的にハマったのはロズワール邸での一連の死に戻りの過程からフライング・ラムまで(5話〜10話)。そしてボッコボコに叩きのめされた13話、そこからゴロゴロと転げ落ちて、ピークを迎えた15話。この辺が今作で一番の盛り上がりを見せた(まぁ、その後のレム爆裂回18話も格別の味わいがありましたが)。正直、その後の白鯨戦以降はおまけみたいなもんである。「ボッコボコにされるのを見て楽しむ」というのが本作の有るべき姿なのだとしたら、それって「弱い主人公」の本懐だったんじゃないですかね? まぁ、もちろんそこから立ち直ってスバルが暴れ回る爽快感溢れる展開の方が楽しいよ、っていう人もいるかもしれないが、そういうのは別に他の作品でも見られるんでね。それこそ「OVERLORD」でもいいし。「スバルがクソ雑魚だからこそ、本作は面白かった」。そう考えると、あれだけヘイトを集めまくる独特のムカつく言い回しも、下準備のためのキャラ作りだった言えなくもない……かな?

 まぁ、残りの細々とした褒めるポイントについては各話感想参照、ということで。一応ヒロイン度数で今作をまとめておくと、上からレム・ミミ・パックな。異論は認める。4位があるとしたら……ペテルギウスちゃうか?

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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