最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「ハイキュー!! セカンドシーズン」 6→7 いやー、良いアニメだった。やっぱりこれは夕方5時に放送するべきだったんじゃないですかね。手に汗握るし、ジャンプの正しい読者層である子供さんにも見てほしい。これを見て盛り上がれば、将来の日本のバレー人口も増えるかもしれないのに。 およそ期待した通りの要素が、期待通りに、期待以上に応えてくれた作品。原作は既読だし、そこまで大好きってほどでもないので毎週正座して見るというわけではなかったが、何となく「ながら見」していても目を引き、いつの間にか引きこまれるようなダイナミックな演出に溢れていた。ラス前の最終決戦がその集大成といえる出来だったが、それ以外のシーンでも要所要所に今作最大の特徴といえる360度大回転パノラマなカメラアングルが活躍し、いかにもアニメ的なけれん味あふれるスポ根を盛り立てた。I.G.の技術力に、満仲監督の確かな手腕があって実現出来るこの超絶難度の演出方向。本当に恵まれたスタッフが、恵まれた製作状況で作っていたことが分かる贅沢な一品。やっぱりジャンプアニメってのはそれだけで幸せなアニメ化が約束されているよな。「黒子のバスケ」に続いてのこれだから、今後ジャンプのスポ根漫画は全部I.G.に任せてしまえばいいのではなかろうか。 とにかく「凄かった」くらいしかかける言葉が見あたらない作品だが、敢えて詳しく切り込んでいくなら……なんで今作は女の子たちが可愛いんでしょうね。潔子さんの完璧な女神性は言わずもがなであるが、新しく参加した谷地さんも容赦無く可愛かった。そして、谷地さんはこれに加えて「これまでとは別視点からバレー部員を見て、新鮮さをもたらす」という第2シリーズでは非常に大切な役割も果たしていた。熱気ムンムンの野郎共でも見せてくれるアニメだが、ちゃんと僕らのために(?)女の子もキラキラしている……いい青春です。3期はいよいよ白鳥沢との対決かぁ。まだまだ盛り上がりそうですわ。 PR 「少女たちは荒野を目指す」 6→5 まさかの子安オチワロタ。ちょっと中盤でだれた部分も多かったが、最終回は綺麗に青春ドリームな終わり方だったので可もなく不可もなしってことにしておきましょう。 本作は「お仕事もの」であり「学園青春もの」でもある。もちろん最大の売りである前者の要素の方が力点だったと思うのだが、どうしても高校生のお仕事ってことで現実感が乏しかったのが、中盤のいまいち説得力の無い修羅場展開の呼び水となってしまった。そりゃアニメなんだし、そこに現実感を求めるのは間違っているのだろうが、どうしたって「高校生のお遊び」だと思って見てしまうと「お仕事もの」とのかみ合わせは悪くなるよね。 「決して高校生のお遊びなんかじゃない、真面目にお仕事を取り扱った作品だよ」といわれれば、おそらく目指したものはそういう方向性だということは分かるのだが、残念ながら作中のエピソードがそういうデザインになってないんだ。大体各メンバーが各々1回ずつ問題を起こして、それが原因で仕事をするだの辞めるだのという騒ぎになるわけだが、その部分にプロフェッショナルな精神が介在してこないからね。意見が合わずにすぐいなくなるプログラマー、ペース配分が出来ず頑張りますと言っておいて仕事に穴をあけそうなグラフィッカー、自分のわがままでスケジュールが押しそうになり、まわりに不平をいう声優。そうした面子が集まってしまっているので、「どうせお遊びだろ」と言われてもしょうがない。そして、そんな面々が紆余曲折を経て最終的には一致団結、命を削る修羅場をくぐり抜けてゲームの完成に辿り付くわけだが、この修羅場の描写についても、なんだかよく分からない雰囲気だけの描写になってしまっている。主人公・文太の筆が進まなくなるスランプ、メインヒロインの演技をしようにも満足出来ない夕夏。各々の苦労について、非常にまっとうなテンプレートに乗っているおかげで理解は出来るのだが、それが実際にどういう症状なのかというところまでは真に迫らない。おかげで、ノルマのようにして問題発生→解決のルーティンを見せられているように感じてしまう部分が多かった。借金返済の話を聞かされ、一旦解散から再集結までの流れなんて、その間に何事もなくて、本当に「一旦ここで離散して、後は流れでお願いします」みたいなもんだったし。全体的に、シナリオの真実味が薄いのである。 でもまぁ、これはしょうがない部分ではあるとも思う。脚本家は本職なのだから、真に迫ってこの問題を描くことも出来ないわけではないだろう。しかし、アニメを観ている視聴者はそこで「リアルなもの」を見せられても、「知らんがな」で終わってしまう可能性が高い。偉そうなことを書いてはいるが、私だってエロゲー業界の悲喜こもごもなんてさっぱり知らんし、そこで微に入り細を穿ち詳述されても、全然視聴者に届かない自己満足に終わっていた可能性もあるだろう。短い尺の中でそんなことをするくらいなら、テンプレ的なお約束「トラブル」を通過儀礼として描き、後の部分はノリと勢い、「学園青春ドラマ」の一要素として飲み込んでしまった方が全体像は描きやすくなるのだ。実際、1クールの作品として俯瞰したとき、「まぁ、これはこうなるやろな」という予定調和な安心感はあるのだ。それは悪いことばかりではないはずだ。こうしてみると、問題の深いところまでかなりの密度で食い込んでいた「SHIROBAKO」ってやっぱり凄かったんだと思う。ま、1クールと2クールの差もあるからね。 あとはまぁ、青春アニメですので、色恋だのなんだのがちらほらあって、女性キャラには適宜萌え要素を分配。それがギャルゲーとして生み出されたこの作品の求められる最大のものだ。個人的にはそりゃトリちゃん一択になるところだが、まぁ、どのヒロインもそこまで没入度は高くないかなぁ。一番気に入ったのは、どこまでも外道だったライバル会社のプロデューサーだったり。だってサトリナボイスであそこまで下衆いキャラって初めてじゃない? 今期はサトリナが敵になるアニメが複数放送されるという希有なシーズンだったので、そこはとても満足です。 「ブブキ・ブランキ」 5→5 変な作品でした。いや、「でした」っつうかさっぱり終わってないんだけども。まさか続編が妹パートとは……確かに1話以来全く出てきてなかったもんな。そういう構成も面白いかもしれない。 良い部分も悪い部分も非常にとんがっていたのでなかなか評価の難しい作品。視点次第ではかなり意見が割れるだろうが、そういう意味で面白い作品なのは間違いない。個人的には「新しいチャレンジをしている」作品は好意的に受け入れる(受け入れたい)タイプの人間なので、本作については特に、良かった部分をフィーチャーしていきたい。 先んじて駄目だった部分をあげるなら、それはもう、シナリオ構成全般ですよ。そこが何がしたいのかがよく分からなかったからね。普通に考えたらアズマたち少年少女の成長物語が骨子になると思っていた作品だったのに、いざ蓋を開けてみたら主人公チームとは名ばかりで彼らの成長はなおざりな展開でしかないし、彼らのバックグラウンドを掘り下げるのかと思われた礼央子チームとのブブキ戦での回想は、むしろチーム炎帝の四天王のバックグラウンドばかりを掘り下げ、どんどん敵チームの方が魅力的に。シナリオが進むとさらに礼央子チームにばかりスポットが当たるし、終盤の格好良いシーンは全部大人たちが持っていってしまった。子供たちのチームは「はーい、お子様はお外で適当に遊んできてねー」みたいな感じでディテールも分からないまま放置だったし。世界の背景を描くためにはどうしたって礼央子の物語を描く必要があったので、そちらに筆を割く傾向になるのはしょうがないとしても、それだったらいっそこの第一シリーズは礼央子VS汀編に焦点を絞ってしまえば良かったと思うんだが。アズマたちが可哀相だったよ。挙げ句、ブブキ戦を終えた後にはアメリカチームとロシアチームまで乱入してますますアズマたちの影が薄くなるし、それぞれのキャラがどういう風に絡んでいるか分からないから勢いだけで筋を追わなきゃいけなくなるし……。いくらなんでももう少しのめり込みやすいシナリオの作り方はあったと思うよ。 ただ、それでも何となくパーツパーツが楽しそうだったのは事実。訳の分からん設定で割と早々に意味をなさなくなったブブキ戦の設定だっていかにも少年漫画らしいアツい設定だし、ブブキは全て性格が全然違うので、バトルシーンを面白く描こうと思えばいくらでも要素は盛り込めただろう。「全てのブランキを殺した女」汀の物語だって謎解きとしては気になるだろうし、礼央子と汀の物語も百合っ百合に盛り込めばかなり食い尽く層もあったはず。実際、四天王連中のヘンテコ物語は色々と突っ込みつつも面白かったのだし、途中参加のアメリカチームの訳のわからなさなんかも、それを単体で切り取れば強烈で楽しいものだった。ホント、「なんでこれとこれをここで繋げてしまったのか」っていう疑問ばかりなんだよな。 また、今作で最も見るべき点である映像面については純粋に楽しませてもらった。サンジゲンによるCGチャレンジは相変わらず尖っており、アルペジオのときとは違ってコミカルなテイストも全てCGに落とし込んだ画面は、他の作品では味わえないオリジナルなもの。以前感想も書いたが、アメリカチーム登場のときの完全に悪ふざけとしか思えない安っぽさのあるCG遊びは、ようやくこういうCGアニメが日本の「コミック」要素と融合を始めたことを示す1つの手掛かりになりうるものだ。右手ちゃんみたいなキモ可愛いギミックもこういう映像だからこその独特の存在感がある。小松田大全による画面作りはそうした「新しさ」をしっかりと意識して前面に押し出すものになっており、これがさらに前に進んだときにどんな姿が現れるのかと興味は尽きない。 トータルで見れば、「なんか雑だけどとにかく目新しさが楽しかった」という感想。出来れば四天王メインでのお話の続きがもう少し見てみたいんだけどね。次のシリーズが妹編になるってことは、今回の炎帝四天王は出てこないかなぁ。 「ラクエンロジック」 4→4 結局ロジックってなんやねん。ことある事に「ロジックが、ロジックが」って言ってたけど、ロジック=論理だとしたらおかしすぎるんだよ。いや、途中からは完全に「気」とか「念」みたいな意味だと割り切ってましたけど。「どちらのロジックが強いか、勝負だ!」っていう試合、もしもガチでディベート形式になったら面白かったのに。 基本的には「ディバインゲート」と同じ評価。ぶっちゃけるとどちらも同程度に適当な視聴体制なので、途中からごっちゃになって何がなんだか分からなくなりかけた。その上でこちらの方がやや観やすかったのは、多分冒頭にあるラクロジ宣伝アニメのおかげ……ではなく、まぁ、設定がシンプルだったからだろうね。大雑把にまとめちゃえば「なんか地球を脅かすやつら」VS「地球防衛機関」の戦いっていうだけなので、バトルすること自体には面倒臭い理屈が必要無い。その上で人間と女神の合体っていうシステムが加わるのでやたらと登場人物が多くなってしまうのは悩ましいところだが、割と色んなキャラにちゃんとお当番回が回ってきてキャラが掘り下げられていたので、有象無象の女の子たちにも一応は区別が付くようになった。個々のエピソードが面白かったかどうかはまた別問題だけどね。ケツァルカトルのところのコンビみたいに、ヘンテコなエピソードがあるのは嫌いじゃなくてよ。 気になるのは、これって一応カードゲームの販促(メディアミックス?)アニメなんだよな。このアニメからカードゲームやってみようっていう層はどれくらいいたんだろう……。いや、WIXOSSみたいな奇襲戦法が正解ってことはないんだろうけど、このアニメからカードゲームのことが全然イメージ出来ないんだよね。あくまで世界観を気に入ったプレイヤーが参入するってことなんだろうが、アニメで描いた世界観をカードゲームに落とし込むのって、すげぇ難しいんだよ。そのあたりの完成度はどうなっているのか気になるが……でもカードは買いたくない……(Magicだけで手一杯なんだよ)。今後もこういう形態のゲーム&アニメってのは深夜アニメで出てくるんでしょうかね。日本のアニメ文化だと結局ヴァンガードあたりが一番いい落としどころなんだろうなぁ。 「金田一少年の事件簿R(2期目)」 5→5 こともなく。無事に終わってくれましたよ。前番組が「電波教師」だったおかげで、なんか安心感もひとしお。裏番組の「境界のRINNE」も無くなり、ゆっくりこれ一本だけを観ることが出来ました。まぁ、土曜の夕方なので観ながら100%ピック表書いてましたけども。 本当に「いつも通りに」だし、原作も全部読んでいるものばかりなので一切新鮮さは無いのだが、それでもこうして夕方の時間帯に「金田一」が放送されるっていうのはちょっと嬉しかったり。こちとら直撃世代ですからね。気付けばライバル作品(?)のコナンにすっかり水をあけられてしまった感はあるが、時代が時代ならゴールデンでドラマにまでなっていた大看板なのだ。別にそこまで復権しろとは言わないので、今後も細々と続けていってほしい、伝統芸能である。まー、最近の作品ってそこまで面白味がないのだが……しょうがないよなぁ。犯人当てクイズが無い金田一なんてなぁ。全部このネット社会が悪いんや……。 今回のシリーズで注目すべきは、久しぶりに放送されたオリジナルエピソードだろう。怪盗紳士も久しぶりの登場。まー、同じ枠で怪盗キッドが散々活躍した後だったのでなんか被ってた気もするけども、単発のオリジナルとしては悪くなかった(トリックの無茶苦茶加減が)。今後ももうちょっと余裕が出てくればオリジナル含みでの新シリーズ製作とかあるのかしら。あと、何といっても今作の良いところは遠慮のないキャストのぶっ込み加減である。みゆきちが好き放題にやっていた「薔薇十字館」、男性キャストが賑やかすぎる「雪鬼伝説」、見事な締めくくりを見せた「狐火流し」。どれもこれも、「キャストだけで真犯人が分かっちゃう」というミステリアニメにありがちな偏りがでないよう、遠慮なくキャストを盛り込みまくり。こういう容赦無いところはやっぱり風格がありますわ。 さて、後番組は相変わらずミステリ色が衰えず、「逆転裁判」になりますね。果たして、どういう作品になるものか……。 「紅殻のパンドラ」 6→6 福音ちゃんとクラりんのコンビが可愛かったです。以上!
いや、でもまさにそれさえ伝えれば良いアニメだったんじゃないですかね。もう、本当にクラりんが可愛くて可愛くて。猫耳可愛いし、ぶっきらぼう可愛いし、照れると可愛いし、へちょ絵になると最高に可愛いし。それに合わせているときの福音ちゃんもぼんやりしてるけど何となく可愛い。今期随一の百合を堪能するアニメですた。もう、それだけでいいじゃない。 何ともぬるっとしたアニメで、一応「攻殻」の世界観に準拠しながらも、メイン2人のおかげで(というか大体福音ちゃんのせいで)シリアスモードはほぼ無し。クラりんなんか決戦中に腕もげたりしてるのに、あんまり緊張感が無い。電脳戦で割とダイナミックな危機にも陥ってるはずなのに、島のことも何となくで守っちゃう。ある意味では今作も捻りのないストレートな「俺ツエー」作品になってるってことだな。でも、福音ちゃんのテンションならしょうがない。 いぃや、駄目だや駄目だや! 拓美ちゃんが活躍出来ないアニメなんて駄目だや! そうやなぁ、拓美ちゃんも可愛かったしなぁ。毎度ひどい目に遭うバニー(仮)も可愛いし、ブリなんとかさんだって可愛いは可愛いしなぁ。ほら、気付いたら電脳とか義体とか、そんなことどうでも良くなってくるじゃないですか。女の子の萌え作品として見ればフォーマットは変身魔法少女のそれ。魔法少女ものなのに、ところどころで電脳が絡んできて、ぽやっとした福音ちゃんがそのギャップを広げて楽しませてくれるというのが基本コンセプト。ほら、やっぱり最終的には福音ちゃんの人となりに帰結するんだよ。だったら「百合イイネ!」「猫耳イイネ!」というのが正しい楽しみ方なんじゃないか。うちにもクラりんが一台ほしいです。駄目ならブエルでもいいです。太もも画像を共有しあいましょう。 名和監督はこれで「ろこどる」に続けて2つの作品で存在感をアピールすることに成功した。元々割と好きな監督だったんだけど、確か私の最初の印象は「おとぼく」(2006!)なんだよね。つまり、百合百合しい作品を今後ももっと作ってください、ということになるな。ぽやぽやしたエンディング映像みたいなのがもっと見たいですよ。 中の人については、当然福音ちゃんの中の人である新人の福沙奈恵とクラりん役の沼倉愛美が……と言いたいところだが、個人的にMVPは拓美ちゃん役の三宅麻理恵。台詞量が一番多かったのってひょっとしたら拓美ちゃんの方なんじゃないかな。ダヤダヤ言ってるのがとっても可愛くて、悪だくみして福音ちゃんに怒られるパターンが最高に好きでした。「ラスボス兼保護者」って立ち位置は希有だったな。さて、次はSecond GIGとかARISEとかで合うことが出来ますかね。 「アクティブレイド -起動強襲室第八係-」 5→6 毎回ゆるゆると感想を書いてきた作品だが、それなりに楽しめる要素は多かった。拭い切れないB級感を漂わせつつも、ちゃんとアニメオリジナルでそれなりに発展が見込めそうなコンテンツが出てくるのは良いことだと思いますよ。 先に難点をあげてしまうと、どうしても散逸的なシナリオ構成は気になる部分。「B級感」という言葉が個人的には一番しっくり来るんだけど、例えばポーカー回とか鉄オタ回とか、そういう単発でまとめるシナリオの組み立てが、本当にやっつけ仕事っぽい。ユルさをひとつの売りにしている作品なので、どこまでがマジでどっからがおふざけなのかが分からない微妙な空気も楽しむべき要素の1つなのだろうが、それにしたって諸要素の配置が適当過ぎる。今時純正子供向け作品でももう少し納得できる形で収める努力をしているとは思うのだが。こうしたチープな毛色というのは受け付けない人はとことん駄目だろうし、その一点だけで「クソアニメ」と言われたら、まぁ、そうかもしれないと素直に認めるくらいには、駄目な部分だったとは思う。 しかしまぁ、やっぱりギャグってのはデリケートなものでね。こういうヘタレた感じを単純な欠点と見る向きもあれば、「これはこれで味がある」ということも出来るわけで。ポーカー回のブラッディマリーの設定とか、「どないやねん」しか出てこない部分なんだけどその無茶苦茶さが不条理ギャグになっているとも言える。ダイハチのお気楽な面々はそうした不条理さも何となく受け止めてヌルッと進行してしまうので突っ込み不在でもやもやしたものが残るのだが、「そういう理不尽な世界」だと思って見れば確かに面白いとも思えるわけで。そこに「世界平和を守ってるけどお役所だから書類がいっぱい必要」ギャグとかが絡んできて、この独特の空気を生み出している。「警察」「変身」「どこかシュール」という要素のかみ合わせとしては「デカレンジャー」に通じるものがあると思うんだけど、デカレンの場合は子供さん相手なので「こういう組織があるんだよ」という説得力を増す方向性にドラマを構築しているのに対し、今作は「こんな組織、あったら大変やろなぁ、他人事だけど」みたいなノリなので扱いがヘンテコになるのだ。最後の最後まであさみちゃんが監視者として外からの視点を貫いてくれていればある程度秩序も保てたのだろうが、彼女もチョロいからあっという間に転げて「愉快なダイハチの仲間達」になっちゃったしなぁ。 こういうヘンテコ組織が楽しい、と思える人には良い癒しになったと思います。時たまシリアスもあったけど、それを突き抜けるアットホームなユルさは、個人的には割と好きなものでしたよ。製作スタジオがアイムズということで当初は作画面での不安があったものの、そこはそれなりのクオリティで西田絵がキープ出来ていた部分は良い。その分ウェアのCGモーションなども含めてびっくりするような素晴らしい画にもならなかったけど身の丈に合った品質でシリーズを完走出来たのだから一安心だ。谷口監督の作品といえば「コードギアス」があるわけだが、今作はあんな風に大きなムーブメントを起こすことは絶対に無い、どこまでも「B級」な楽しさに終始してくれればいいと思う。2期目もしっかり頑張ってもらいましょうね。 「ディバインゲート」 4→3 オープニングだけやけに印象に残ってはいるんだけど……正直あんま真面目に観た作品じゃありません。 新番チェックの時点で書いていた懸念がある。そのまま抜き出すと「『艦これ』アニメと同じ方向性。……既存のファン以外の新規視聴者の放置と、背景世界が見えないままのキャラクターの独りよがりな展開という危険性」。基本的にこの文言だけで説明は片付くような気がする。溢れ出る大量のキャラクターと、バックグラウンドがぼんやりした世界観。幸い「艦これ」に比べるとまだ世界観についての言及はあったので「なんとなく」レベルで追いかけることは出来たのだが、肝心のキャラクターの心情面まで掘り下げられるほどに共感を覚えることは出来ずに終わった。真面目に観てればもう少し没入度が違ったのかもしれないが、序盤の数話での誘致要因が乏しくてなぁ。イラストレーションの面白さはあったと思うのだが、そこからさらにバトルシーンの魅力やキャラの描き分けといった部分にまで派生せず、結局は「ちょっとメリハリの強いキャラ作画」っていう程度で終わってしまったのは勿体ない。当初はこの絵が動いているだけでも割と新鮮だったのだが、すぐに慣れてしまったし、「それ以上」が出てこないことにはモチベーションを維持するが難しい。 気になるのは、これって原作ファンにとってはどうだったんだろう、っていうところですかね。例えば「ガンスリンガーストラトス」みたいに映像面でもメタメタだった場合には原作ファンでも辛い映像化になってしまったと思うのだが、今作の場合は映像に不備があったわけではなく、単にシナリオ面で惹かれるものがなかっただけ。原作からしっかり世界観を知り、余裕を持ってアニメの細部まで観られた視聴者にとっては面白かったのかどうか。いかんせんまわりにこのゲームをやっている人間はいないのでそのあたりの感想は分からないんだけど。もし、「ゲームを知ってれば面白いんだよ!」という意見があるのならば、それはそれでマーケティングとしては問題ないんだよな。これだけの数のアニメが大量に垂れ流される時代なのだから、私一人が「あんまおもんない」と感じてもしっかり受け取れるユーザーが一定数以上いるならそれはそれでいいんだし。まー、せっかくこれだけ賑やかなキャストがわんさか出てる作品なのにいまいち楽しめないのは勿体ないんだけど。かな恵ちゃんが頑張ってる作品なのでそこはいいと思いました。まる。 「僕だけがいない街」 5→5 非常に取り扱いの面倒な作品である。というのも、最初に断ったことではあるのだが、私は原作を読んでいる。普通、原作を読んでいる作品のアニメ化ってのは「原作厨」みたいな立ち位置になることが多くて、過去にも「めだかボックス」とか「ダンガンロンパ」とか、その作品が好きであればあるほど、アニメを見る時の目ってのは厳しくなっていく(今期もそういう作品が1つありますがね!)。今作も原作との差の部分がクローズアップされることも多く、原作を知っている人間ならば避けては通れない評価点だろう。ただ、「原作が大好き」かっていうと、そういうわけでもないんだ。全てはタイミングの問題で、「たまたまアニメ放送のちょっと前に原作を一気読みしてしまった」という間の悪い状態。こんな状態でアニメを観るのは初めての経験なので落としどころが分からない。確かに原作は面白かったし、だからこそ一気読み出来たわけだが、通読したのは一度きりなわけで、ディティールまで覚えているようなお利口な頭は持ち合わせてない。それでも何となく原作と違っている部分、不足している部分は目についてしまい、「正確には覚えてないけど確か……」という変な文句の言い方にしかならない。どうしたらいいんでしょうね。 というわけで、非常に半端な感想にはなってしまうのだが、やっぱりアニメにするバランスとしては「詰めすぎ」だったのは間違いないだろう。原作8巻分をアニメ12話でやるなんてのは到底無理な話。そのくせ、完全に一本の筋立てのミステリなので途中のエピソードを削って尺をごまかすという、一番スタンダードな調整もやりにくい。結局、個々の要素をしらみつぶしに検討し、「ここはなくても成立する」という部分をつまんで消していくという、恐ろしく地道な脚本構成が必要になった。しかし、それでもやはり「足りていない」という印象は与えてしまうもので、原作の持っていた繊細な部分が失われてしまっている。特に今作は主人公・悟の心情を中心に、雛月、八代などのメインキャラクターの心情が大事な作品。ミステリと言っても物的証拠を持ち出してあれこれ推理するのではなく、「犯人は何故こんなことをするのか」「どういう心理状態を辿って真相に辿り付くか」が大切な作品なので、ほんの些細な台詞をいじっただけでも、その意味合いは大きく変わってしまったり、突飛な印象を与えてしまったりする。「ダンガンロンパ」ならばとにかく証拠品を羅列して「推理のヤリ逃げ」みたいなことも出来たわけだが(それでも全然足りなかったが)、今作はそうした一元的な物の見方で尺をいじれる作品ではなかった。トータルで観れば、やはりアニメ化は失敗だろう。もっと尺を持たせた枠で放送することが、必要最低限の条件だったはずだ。 と、ここまでは批判であるが、「アニメ化は失敗」と書いたものの、それは「原作の忠実なアニメ化」に失敗したということ。アニメ化する目的、アニメ化の方法ってのは何もそれだけではないことには注意が必要だ。今作は、前述のように「1つずつ要素をつまんで削っていく」という作業が行われたわけだが、それでもまとめきれないことは分かりきっており、ラストの「15年後」パートに大きく改変が加えられている。そう、実はアニメは原作と「全然違う作品」になったのだ。こうなってくると、原作から削られた要素が本当に必要だったのかも考え直す必要がある。「原作のゴール」に必要だったパーツだが、「アニメのゴール」に必要だったかは分からないのだ。そして、この新たに用意された「アニメのゴール」は存外悪くない出来である(原作の方がいいのは間違いないが)。12話分でまとめられるように最善を尽くした、身の丈に合ったまとめ方である。「たられば」の話は身がないが、もし私が原作を全く知らない状態でアニメだけを観ていたら、これはこれでそれなりに満足したのではなかろうか。当たり前の話だが、アニメスタッフは12話では尺が足りないことなど重々理解しているわけで、その尺に合わせるよう、作品の魅力をギリギリまで維持しつつ、アニメ用の脚本構成を新たに作り出した。この努力と結果は、正統に評価されるべきものだ。放送中は不平不満もついて回ったが、改めて振り返ってみると、作中で駆け足だった印象というのはあんまり無かったし、1つ1つの要素の繋ぎに違和感は無い。脚本のバランス、そして画面のバランス、「このゴール」を想定してのプロジェクトは、問題なく完結したのである。それならば、今作のスタッフは褒められこそすれ、原作改変が駄目だったと非難するのはお門違いである。原作ファンが非難したいなら、こんな無茶な枠でアニメ化を決行した制作側である。 なんだか当たり障りのない一般論になってしまったが、作品との距離感がつかめなかったのでこのくらいの穏当な結論にしておこう。「原作読んでなければもっと楽しめたのになぁ」という後悔は、今後のアニメ視聴に活かすことにする。あ、ちなみにメインキャストの配置については、当然納得してはいません。大人悟はまだいいんだけど、やっぱり子供がなぁ……。 |
ブログ内検索
リンク
最新記事
(02/21)
(02/19)
(02/18)
(02/18)
(02/17)
(02/17)
(02/17)
(02/16)
(02/16)
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
アーカイブ
|