最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「それが声優!」 5→5 この作品に関わる諸々に触れるたび、浅野真澄という1人の人間のたくましさを思い知らされることになる。そんな壮絶の、女一大繁盛記。 作品として、余計な要素を取り除けば「安定して見られるお仕事ものだったよね」というくらいの感想でいいだろう。声優あるあるを元にスタートした作品であるが、中盤以降は架空のアイドルグループ(?)イヤホンズの奮闘を描いたまっとうなドラマとなり、そこから先は無難な進行。特に驚くようなことも、不満を覚える要素もなく着陸した。ラストの双葉を巡る決してハッピーとは言い切れないエンディングは、この業界の厳しさを見せる上ではなかなか良い落としどころ。「声優」という職業が色々と注目される中で、夢を与えながらもその現実を知らしめるという目的も達成されており、今後の「声優文化」の中では、指標とまでは行かずとも、導入のための参考としてある程度価値を認めて良い作品になったと思う。 しかし、どうしても浅野”荒鷲”真澄先生の影が見えてしまうと、そうしたまっとうな見方はなかなか出来ない。今作は、彼女がこれまでの人生で培ったありとあらゆる「商魂」「商才」をつぎ込んだ、あまりに野心的な作品になっている。例えば若手キャストを実際にデビューさせた「イヤホンズ」の活動。アニメのキャストが実際にユニットを組んでデビューするなんてのはよくある話だが、そのプロデューサーまでもが声優というのは希有な事例。自分が若かりし頃に苦汁を飲まされた「若手ユニット」という金のなる木。そこに血の涙を流しながら復讐を試みる荒鷲先生の怨念が見えるようで恐ろしい。プロデュース業務も非常に堅実であるが、若手声優の側からしたら彼女の積もり積もった情念の重みを一身に受けるだけでも相当な難行だったのではなかろうか。まー、売れなさそうだったらあっさり切るくらいのことはやってのけそうでもあるが……。「大先輩」荒鷲先生の様子を伺いながら必死に業界を生き抜いていこうとする3人の若手に、思わず頑張れの声を送りたくなる。 さらに、「声優」としてのスキル、キャリアも本作ではフル活用。最も話題を呼んだのは「実際の大物声優を毎回本人役で起用」というアイディア。過去にも「声優本人役」というキャラの作品はたくさんあるが、ここまで徹底して「ゲストとして話題になる大物をぶっ込もう」というセールス魂が感じられるものはなかなか無い。驚いたのはやはり8話に登場した真地さんだろう。確かに声優という職業を紹介する作品では、こうしたナレーター畑の人を呼び込むというのも不可欠であるが、それをしっかりと作品の売りにして見せることが出来るアイディアと実行力には頭が下がる。青二プロという自らの所属事務所のコネクションをフル活用しているあたりも凄い。ぶっちゃけ、荒鷲先生は神谷兄ぃとの共演なんてあんまりないやろうに。「事務所で待ち構えてひっ捕まえた」っていう話はどこまで本当なのだろう。 そして、今作の話題性をさらに持ち上げるかのように起こったAice5の復活。これも完全に作品のためのPR活動だよなぁ。自分の名前を再び表舞台にのし上がらせ、親友(本人談)・堀江由衣の力をもそのまま作品の動力に転換させる。使えるものは全てこの1クールで使い切る、という精魂の傾け方が尋常ではない。個人的に一番驚いたのは、長寿番組なのにほとんどゲストが来ていなかったちょろい(「ちょっとお時間よろしいですか」)にゲストとしてぶっ込んできたこと。矢作パイセンとは「ハヤテ」での交流が深く、その繋がりで取り付けたのだと思われるが、「話題をもっと拡散させ、PR出来る人気番組はどこだ?!」と必死に探したであろうことが窺える。かてて加えて、そのラジオの中で明かされた貪欲な取材魂。あやねるの「ワタシモ、タノシイ、シタイ」事件当日、佐倉さんが一人トランプに参加出来なかったのは、大先輩浅野さんが「若い頃から活動してる人はどういう苦労があったのか? 何かネタになることはないか?」と根掘り葉掘り聞いてきたためだという。この熱意、この飽くなき探求心。世のクリエイターのどれほどまでが、この荒鷲先生ほどの熱意でもって仕事に当たっているのだろうか。 とにかく、隅から隅まで「稼ぎたいんじゃ!」という魂がこもった本作。最終回では自ら本人役で出演し、この一大テーゼを改めて声高に叫んでいる。ここまでの偉業を成し遂げられる浅野真澄先生には、改めて畏敬の念を抱く。もちろん、こうした「稼ぎたい」という熱意、「売りたい」という野望は、それすなわち「ユーザーに面白いと思ってもらいたい」という気持ちに違いないわけで、商売人として、クリエイターとして至極まっとうなものであり、褒められこそすれ、非難される理由は欠片も無い。本当に見事な生き様を見せてくれました。浅野先生は、今後もこの作品の成功・失敗を糧に、新たなビジネスチャンスを探し続けるのだろう。 まぁ、作品としては普通なんですけどね。 PR 「実は私は」 5→4 私が原作大好きなのはしばらく追いかけてた感想見てもらえば分かると思うのですが、…………「原作読んでればいいかな……」っていうちょっと寂しい気持ちになった。 いや、アニメも別に悪いわけじゃないんだ。特に良いところは「声がついた」ことね。割と序盤の方から言ってたけど、最初に発表された時点で「どんだけ萌えキャストやねん」と思ってたキャスト陣も、いい感じではまる所にきちっきちっと収まって、最終的には「この声が白神さんだー」と思えるようになった。あざと可愛い感じで無問題だった。委員長も獅穂もみかんも明里も、いつの間にやら完璧なキャスティングだと思えるようになった。可愛いと思っていたキャラにさらに可愛い要素が付いたのはアニメで得られた純粋な恩恵である。 ただ、その部分を差し引いても、ちょと僕の思ってたアニメ化と違ったんだよ……。原因を分割するといくつかの理由を取り上げることが出来て、1つ目は無理矢理1クールで何となく「お話」を作ろうとしてしまったこと。そりゃね、アニメから視聴し始めるお客さんがいるんだから、1クールである程度「お話を見たなぁ」という満足感を出さなきゃいけない。私も常々「アニメシリーズはきっちりアニメでまとめろよ」と言っているわけで、原作がどうこういうのは全くの別問題。何とかして13話分で「まとまったもの」を提供する必要性は認める。というか、自分がアニメ組だったらそうしてもらわなきゃ怒る(過去の感想で怒っている作品も多々あるはず)。でも、いざ自分が原作組に回ると、人間ってのはわがままなもんでね、「なんでこんな改変にしたんや! 原作の良さが! くぁwせdrftgyふじこ!」となってしまうわけですよ。 それと共通しての2点目は、1クールにまとめようとした時のエピソード選択の微妙な違和感。正直、今作はどのエピソードを切り取ってもそんなに展開が変わらないから大きな問題はないと思っていたのだが……なんか、色々と勿体ない要素が削られてるし、原作の持ち味のギャグが犠牲になってて……ちょっと違うテイストの作品になってる気がした。いわゆる「日常もの」に近いテイスト(多分「学園もの」が正解なんだろうけど)の作品の場合、油断すると毎回同じようなことをやっているように見えてしまうのだが、実際にエピソードの順番をいじると微妙な違和感が付きまとう。それはやっぱり、同じように見えるネタの中でも少しずつ蓄積して、馴染んでいくものがあるってことで、それをすっ飛ばして未来に進むと、どうしても「とってつけた」感が出てきてしまう。このあたりは原作ファンだからこそ感じてしまう部分が強いと思うのだが……フクちゃんとみかんの関係性とか、出会いのエピソードを一番最初にやらなかったらみかんの素直モードの良さが出てこないし、委員長の恋心だって、この短期間であっちに行ったりこっちに行ったりで振り回されてると、原作のように「追い詰められてテンパった」感が出てこない。やっぱり、ダラダラと原作を読む方がそのあたりは楽しめると思う。 そして決定的な3つ目は、なんか余計な雰囲気作りだ。というか、やっぱりあの挿入歌だ。あれだけは最後まで慣れなかったぞ。どういう縛りなんだ。その辺のセンスは「原作ファンだから」とかそういう次元を超えて文句が出る部分だろ。要所でシリアスに締めるのはもちろん必要だし、そこでちょっとおセンチな音楽を流すのもいいだろう。でも、あの挿入歌、別にそういう雰囲気じゃなくても流れるんだよ。ギャグ展開でも突然流れるんだよ。意味が分からん。どう考えても「1話に最低1回は挿入歌を流して下さい」というお達しが上の方(つまりCDの会社)からくだされていたとしか思えない。そりゃ駄目だろ。自由に作品作りさせてもらえなかったら、せっかくのアニメスタッフもコントロールしきれなくなるわ。 なんか、色々勿体ない作品だった……まぁ、2期が始まれば喜んで観るけどね……。2期までいけば凜ちゃんも出てくるだろうし。あと、早くパトカーで連行される嶋が見たい。 「WORKING!!!」 5→4 これもまだ終わってない作品だけど、まぁ、一通り片付いたし、最終話を観たあとには覚えてない気もするのでここで一応記録しておく。 毎回製作スタッフが変わっている作品なので、同じ原作なのに微妙にテイストは違うんだよね。ここまでの2期はいうても「ギャグアニメ」の路線を守っていたとは思うのだが、シリーズファイナルとなる今期は、今まで好き放題にこじらせてきた人間関係を清算しなければいけないシーズン。つまり、あんまり余計なことをやってる余裕が無い。ひょっとしたら今期監督はそのあたりの要請で登板した人なのかもしれないが、これを前2クール分よりも面白くしろってのは無茶な話でね。いや、このごちゃごちゃした人間関係、惚れたの腫れたの言ってるシチュエーションが心底好きな人はこっちの方が楽しめた可能性もあるんだよ。1つ1つの関係性が予定通りの場所にかちっかちっと収まっていく感覚。何一つやり残しなく「めでたしめでたし」で終わるエンディングは、投げっぱなしが嫌われるアニメ業界においてはお手本のようなものだ。原作でもそのあたりの「収めるところに収める」意識はとても強く、高津カリノって人はどこまでいっても「ラブコメ」が描きたい人なんだろうなぁ、というのがはっきり分かるのである。 ただ、やっぱりドタバタを中心に見たいと思っていた人間、特に1期2期の平池さんや大槻さんのファンとしては、今期は「爆発力不足」と捕らえられてもしょうがない。いや、監督のせいじゃないんだ。あくまでストーリーの問題なんだ。正直、リア充が内輪でいちゃいちゃしてるシーンを立て続けに見せられてもイラッとする部分が多いんだ。それは、多分俺の氏素性が悪いんだよ。しょうがない。でも、微妙に店長のキャラが変わってたり、最後の最後で収めるために何かを犠牲にしてた気はするんだよなぁ。終わらせたい気持ちは分かるのだが、これまでの展開で「綺麗に収める」ことを前提にしてなかったものを無理に収めるのもなぁ。 というわけで、ちょっと物足りなさを感じてしまった、というのが率直な感想。まー、何も起こらずにただワグナリアの日常をダラダラやられて面白いかと言われれば微妙かもしれんけどさ。とりあえず、なんか色々と派生作品が出てきているようなので、そっち方向で改めて展開することに期待しましょう。しかし、これと「のんのんびより」が同時期に終わってしまうと、アスミスの代表格ともいえるちっちゃい役が一気に無くなることに……ゆのっちー! 早く帰ってきてくれー! 「聖闘士星矢 黄金魂 -soul of gold-」 5→5 やっぱり、みんな聖闘士星矢が大好きだよね、っていうことを確認する作品。やってることは本当にいつも通りのパターンだけなんだ。それでも、久しぶりの顔が勢揃いして昔を懐かしむように頑張っている姿を見せてくれる。一種の同窓会みたいなものだと思えば。 「お約束しかやらない」というのは、考えてみりゃ元祖シリーズだってそんなもの。つまり、「聖闘士星矢」の魅力というのは奇抜な筋立てや巧みな演出方向に求められるものではない。あくまでも分かりやすく、あくまでも暑苦しく、小宇宙が燃えれば僕らも燃える。それが聖闘士星矢の世界。そして、強さこそが正義の象徴であるこの世界において、僕らファンにとって至高の存在といえるのが、今回メインスポットを当てられた黄金聖闘士勢だったわけだ。原作を読んでいたときに、問答無用で盛り上がったあの幼い日。「小学生にとって高学年がとても大人に見える現象」の拡大版みたいなもんで、我々にとってサガは世界一恐ろしい最強のボスキャラであり、そのサガと肩を並べるシャカだって、アイオロスだって、みんなみんな憧れの存在だった。そうした「生きる伝説」が、再び僕らにその勇姿を見せてくれる。もう、それだけで充分じゃないか。そして、勇姿を見せてくれたのは何も仮想存在である黄金聖闘士たちだけではない。まさしく「レジェンド」になった人物も数多い、元祖キャスト陣が金に糸目をつけずに勢揃い。こんなキャスティングが実現するアニメ、最近ではなかなか無いだろう。どう考えても若者の声を出すのは無理な人らもいた気もするが、もう、この際「若々しさ」は必要ない。僕らと屋良勇作の年齢差は一切縮まっていないのだ。きっと、僕らとアイオロスの年齢差だって、縮まっていないんだ。ずっと「憧れの大人たち」で居続けてくれる、それが黄金聖闘士。 そうした「同窓会を大々的に行う」というファンサービス作品として、今作は充分にその任を果たした。12人が全員満遍なく活躍したし、ファンが見たかった「もしかして」のシーンも満載。正直、感想でも書いたけど「アイオロスとサガの共闘」っていうあの1シーンだけで、僕ぁ満足なのですよ。「アフロディーテが役に立った!」っていうあの瞬間だけで達成感があるのですよ。そういうもんじゃないですか。郷愁ってのは。 「画がひどい」「敵キャラが適当」「設定がガバガバ」などなど、商品としての今作には目に見える問題も大量に積み込まれている。だが、それがどうした。我々は「Ω」の十二宮でその程度の修練は済ませている。大きな目的の前に、些細な問題など問題にもならぬ。またあの人たちの笑顔が見られた。今はそれだけで充分じゃないか。ん? まぁ、デスマスクのキャラが都合良く改変されすぎ、とか、強い技までなんかイメージダウンさせられた、とか、原作に引っかかる部分もあるのだが……細かいことは……気に……しな……ければいいんだよ! 東映さん! せっかくの企画だったんだから、もう少し丁寧に作ってくれても良かったんじゃないですかね!! まぁ、愛憎の入り交じった、相変わらず愉快な作品でした。マジでこれが「Ω」クラスとまでいかずとも1年間のシリーズとかだっただろうなってたんだろうなぁ。さて、次のシリーズ展開はどんなものになりますかね。 「To LOVEるダークネス 2nd」 5→5 実家のような安心感。いや、だからマジで。まだ完結してないから感想書くのはおかしいんだけど、まぁ、あと2話あっても大してかわらんやろ(適当)。13話、14話見た後に書くより今書いてしまった方がタイミングはいい気がするので。 結局今期もさしたる変化はなかった。1話目を見た時点では「なんか画が変わった気がするなぁ」と抵抗を示してみせたものの、そんなものは3話も見てれば馴染んでしまうものである。あとはいつも通りの話をやっているだけなのだから、サザエさんみてるのと同じ気持ちですよ。いや、サザエさんにはあんな謎の光線は入らないけどね。 一応、クライマックスまでのシリアスシナリオはちょっと目先の違う部分もあったけど、シリアスになればなるほどに肌色も増えるっていう作品だからな……。タイトルの「ダークネス」が示す通り、今作はヤミとかメアーの物語が中心になっており、今期堂々の活躍を見せたネメシスとの絡みなど、兵器と人の間で揺れ動くキャラクターの物語が描かれ……てるんだけども、別にあんまり重要じゃない。何したって脱げるものは脱げるし、どれだけ真面目な顔でも転ぶところでは転ぶのである。まぁ、稀代の魔王体質であるリトさんの強さをまざまざと見せつけられるだけのアニメですよ。ある意味、この上ない「俺ツエー」作品なのかもしれません。 個人的にはネメシスの活躍、というか日高里菜ちゃんの活躍が多かったのでそこは嬉しかったですね。川澄・能登・明乃・井口・花澤と連なる大沢ラインの締めとも言える日高里菜の参入。これで種ちゃんが入ってればこのアニメ一本で2000年代の大沢女性声優ヒストリーが大体カバー出来るという謎仕様(途中加入のかやのんをどうするかは難しいところだが)。その他にもかな恵ちゃんが頑張ってる声が聞けるきちょうな作品だったりするし、ちばちー、柚ねぇなんかの声も嬉しい。結局、リトさんの作ってるハーレムは我々にとっては声優ハーレムなんだってば。 「アルスラーン戦記」 5→5 第1話がゆーみん(エトワール)とのごたごたで幕を開け、最終話がゆーみんとのイチャイチャで幕を閉じる。そんな作品でした。格好いいゆーみんが聞けたのでこれはこれで。 正直、あんまり思い入れはない作品。知り合いの原作ファンにどれくらいの評価なのかを聞こうにも「だから天野喜孝画じゃなきゃ見たくないっつってんだろ」とばっさり切られてしまったので、原作ファンからどう見えてみるのかもよく分からない。一通り筋立てを見ても「ま、こんなもんじゃない?」っていう程度の感想しか出てこない。だって「少年は、そして王となる」って最初に言っちゃってるんだもん。いや、言われなくても分かってるけどさ、あんまり大きな動乱も無いままに話が進むから全部が全部予定調和なのよね。強いていうならインド風兄弟との小競り合いのあたりはちょいちょい策謀を巡らせるシーンもあるにはあったが、何をされたってナルサスが先読みしてるし、どんな強敵でもダリューンがいれば大丈夫だし、あんまりピンチらしいピンチもないのよね。「そういうお話」と割り切るしかない。 王道ストーリーなのだから別にそこはそれでいいんだけど、どうしても釈然としないのは、最終話でゆーみんもぼやいてたけども、「なんであんな愚王にみんなついていくのか」という部分である。主義信条に共感できるから、というのが最大の理由であり、ナルサスなんかは仲間になるときにそれなりのイニシエーションがあった気もするが、それからあとの面々については、単なる「あまちゃん」であるアルスラーンに従う理由がどうにも希薄。少なくとも政治的な側面から「得」であるとは思えない局面が多いので、自分の身に損を覚悟しなければ従いにくい。その上であのような「愚王」に従う人間が増え、最終的に王都奪還にまで至る「戦記」は、どこかしっくり来ないものがある。「アルスラーンの人柄なんだよ」ということは作中で再三描写されているはずなのだが、他のコミュニティを見ているとこの世界、この時代の人たちは徹底的に打算で生きているはずで、夢を語ってついてくる「一大軍隊」がイメージしにくいのだよなぁ。 そんなわけで、シナリオとしては「普通」。映像の方は日5枠ということで安定はしているが、だからといってびっくりする程のものでもなく、合戦シーンのCGなどにも目新しさはない。どうせ「情に訴える」物語なのだったら、戦闘シーンでももっと「大きさ」よりも「見映え」を意識しても良かった気もするのだが、あんまりそういう方向性の見せ方は無かった。何が起こっているか分かればそれでいい、という処理は一長一短で、確かに初見でも戦況は見やすいのだが、どうしてもアルスラーン自身は「高みの見物してるよ」っていう他人事みたいな印象にもなってしまう。もうちょっと「戦争すること」について真摯に向き合う姿勢を見せても良かったかも。まー、そういうところでウジウジしてると視聴者側がイライラしてくるばかりなのでさじ加減が難しいんだけどね。 とりあえず「特に不満はないが取り立ててこだわる部分もない」という作品。ま、この日5枠は勝負をかけるよりも安定感をとるべきポジションだからしゃーないわな。そういう意味では次作の「鉄血のオルフェンズ」は攻めの作品になるのかどうか……。 「デュラララ!!×2 転」 5→5 2期目の3期目。つまり4期目です。ややこし。 特に変わりなく進行しているし、今期は作品の半ばも半ば、この段階で何かを評する意味はあまり無い。ただ、それでも「承」の時に比べて映像が安定したのは助かったね。「承」の中盤は本当にどうしていいか分からなかったからな……まぁ、今回も途中で突然特別編が乱入したけども。 シナリオの方では、まさに「転」のタイトルに相応しく、物事がゴロゴロと転がってあとは「結」でどのようにまとめるか、というところまで来ている。こじれて捻れて歪みまくった人間関係、ここに誰がどんな形で決着をつけるのか。どんな結末が一番のハッピーエンドとなるのか、全く予想がつかない。特に帝人と正臣の望まぬ対立構図は本人も言っていた通りに「絡まった関係は一度全部燃やしてしまう」必要性すらあるレベルにまで極まってしまっているし、池袋の裏側で暗躍する臨也、澱切、そして粟楠会という大人の戦いも気になるところ。ヒロイン勢も贄川春奈に加えて張間美香さんも前線に加わったし、ヴァローナなんかもいるので非常に華やか。ここに鯨木さんや杏里といった実力者が絡むヒロイン争いも注目だ。 まぁ、何が言いたいかっていうと、「とにかく黙って最終章を待つしかないな」ってことですわ。長い付き合いもあと少しかなぁ。 「城下町のダンデライオン」 4→5 意外に退屈しませんでした。ちゃんとシリーズラストで選挙の結果が出ると思ってなかったので、この収束性にも割と満足感はある。 1話目時点では、「設定がわけわかんねぇし、あんまりキャラ立ちそうもないし、パッとしないかなぁ」と思っていたのだが、どうもそういう見方は見当はずれだったようで、別に設定は訳の分からないままでも構わない作品だった。「町中の一軒家に王家の大家族が!」という意味のわからなさ、どう見ても日本にしか見えない国なのに王制を敷いている謎の社会体制、そして年端もいかぬ子供たちを全員巻き込んでの国民人気投票。「何故?」を突き詰めるとぶっ壊れてしまいそうな世界観なのだが、「そこに大きな意味はありませんので、考えても無駄です」ということは割とすぐに理解出来るようになっている。あとは、「何となく国民に見られてる特殊能力持ちの家族にスポットを当てたホームコメディ」という何一つ分からない展開を適当に楽しんでいけばいいのである。 そうして、「こまけぇことはいいんだよ」が確認出来れば、そこから先の「何となく兄弟劇」はまっとうな仕上がり。キャラもそれなりに可愛く描けているので、いわゆる「日常もの」の路線としては外れていない。最初に「変なやつだな」と思った茜のキャラも理解出来るようになるし、家族間には一切ギスギスしたところがなく、純粋に「家族愛」のみで構成されているのでストレスも一切かからない。何となくふわっとアニメがみたい、という現代アニメに間違いなく存在しているであろう一定のニーズにはちゃんと応えられている。 あとは、「キャラ立ちが弱い」という第一印象さえ覆れば大丈夫。最初に「なんだこれ」と首を傾げた特殊能力設定が、あまり強すぎず、何となくレベルでキャラを識別するのに役立っており、9人もの大家族であるにも関わらず、それなりに印象づけはしやすい。(ほぼ)全員が「選挙に勝って王様になるんだ」という大目標についても前向きで、バラバラの性格、バラバラのライフスタイルだがまとまった視点も維持出来ている。「大家族で、なおかつ家族全員に共通目的がある」というとパッと思い出したのが「BROTHERS CONFLICT」なのだが(それもどうかと思うが)、あっちはあくまでも「中心に女の子が1人」必要だったのに対し、こちらの作品は本当に「今日は高校生パート」「今日は小学生のお話」という風に、独立したエピソードの構成が可能なのでバリエーションも豊富。各々の「王についての夢」もキャラ立てに一役かっており、「国民を思う優しさ」と「家族を思う優しさ」の2面からほっこりさせてくれる。最初は馬鹿にしていた設定だが、こうしてみると案外上手い設定だったのかも。 まぁ、どこまでいっても「何となく日常もの」なので劇的な感動が巻き起こるなんてことも無いし、意図的に「ほわっとユルめ」の作りになっているのでダラダラしているという見方も出来るのだが、このくらい賑やかなお話だったら充分なんじゃなかろうか。幸い、今回のプロダクションアイムズは作画で大崩れすることがなく、無難な仕上げでシリーズをまっとうすることが出来た。大きなプラスはないが、「それなりの原作を、それなりに」という悪くないアニメ化だったはず。 中の人については、私の最近のお気に入り、カッターこと松井恵理子が1人8役という無茶をやらされており、きっちり仕事をこなしていたので嬉しかった。色んなカッターが見られて楽しい。そして、我が家では放送時間が「監獄学園」→「これ」→「デュラララ」という謎の花澤三連戦の流れだったため、花さんと杏里の間に茜様を挟んでおかないと気圧の変化に耐えきれないっていう。いや、茜を挟んだから耐えきれるもんでもないが。 「監獄学園」 6→7 元気な作品だったなぁ。酷かった。あぁ、酷かった。 楽しかったですよ、毎週毎週よくこれだけ、と感心するようにぽんぽんと下卑たネタが連発されて、「どうせシモ展開なんてそのうち失速するんちゃうか」と高をくくっていた私は正直驚いた。どこまでいっても酷い。各キャラクターが週替わりで酷い。製作側がギリギリを狙って作っているし、キャスト陣もギリギリに打ち込んで応えている。こんなにも、関係者がたった1つのゴールを目指して作りあげている感覚が伝わってくる作品も珍しい。「もっと、もっと酷いアニメが出来るよ!」と、僕らは勇気づけられる。 製作スタッフの確かさは今更触れるまでもないが、やはり今作独特の陰影の濃いデザインをそのまま動かし続けた功績は大きいだろう。これだけクドいのに、あまり重たくならずに動かすタイミングではしゃきしゃき動く。突然アニメ的に頓狂な動きが出てきて笑いに繋がるのは「アザゼルさん」でもお馴染みの演出手法だが、ギャグのメリハリで言えば今作も似たようなところ。今作はそれに純正の「エロ」を加え、下ネタの救われなさは「アザゼルさん」とも違う、独自のテイストになっている。そりゃま、実際は光が入りまくってて何が起こってるか分からないレベルにはなっているのだが、おそらくあの光の向こうには、スタッフの努力の結晶である最低の画面が広がっているに違いない。それが製作側の義務ってもんだから、な! そして、やっぱり中の人に触れないわけにはいかないだろう。水島努が選りすぐった精鋭キャストたち。そのどれもが期待を裏切らない見事すぎるお仕事。何より、全員楽しそう。特に一番楽しそうだったのは、副会長役の伊藤静だろうか。元々こういう仕事が好きなタイプではあるが、今作の副会長はドSとドMが同居した実に美味しい役回り。見方によっては彼女が主役だったと言っても過言ではない。野郎側のMVPは全編にわたって作品をコントロールし続けたこにたんだろう。何であんなに「ござる口調」が自然に聞こえるんだろう。なんであんなにぶっ壊れた時に楽しそうなんだろう。もちろん、神谷、花澤といった看板役者の仕事も実に贅沢で美味しい。日本おっぱい党の党首様が「いかにおっぱいが尻の代用品でしかないか」を熱弁するシーンなど、涙無しでは見られない迷場面である。あと、合法的に花澤香菜に「ちんこ」と「おしっこ」を連呼させられるという特権。最終回のディープキスシーンのこの上ない達成感。素晴らしいです。 そして、私としてはやっぱり会長。会長と校長の2人って、「ギャラクシーエンジェル」でいうところのウォルコット中佐とメアリー少佐なのよね。何か、とても懐かしい、な。 |
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プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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