忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[153] [154] [155] [156] [157] [158] [159] [160] [161] [162] [163]

「プリンス・オブ・ストライド オルタナティブ」 5→4

 頑張って走ってたアニメ。決して悪い作品ではないが、まー、狙ってる層には含まれていないと思うので、途中で飽きてやや減点。

 改めて振り返ると、今期は割とまっとうなスポ根ものが多いシーズンだった。その中で、これと「フォーリズム」の2作品に共通しているのは「実在しない競技である」という部分。そしてそんなフィクションスポーツを描く時に、この「ストライド」という競技はちょいと地味過ぎた。「Free!」の競泳だって同じではあるが、とにかく根性を出して速度を競うしかないソロ競技ってのは、なかなか盛り上がるドラマってのは作りにくいね。「Free!」の場合、そこはメインとなるメンバーどうしの物語を中心に描くことで成立させており、今作も当然狙うところは同じ。ただ、人数を絞ってドラマが見やすくなっていた「Free!」と比べると、今作はちょっと目先が散ったかな。方南の6人(7人か)だけで話がまとまれば良いんだけど、団体競技だから全部の対戦校が同じ人数だけ出てきて、「こいつら誰やねん」みたいなことが多発してしまうので毎回のエピソードがとってつけたような印象になってしまう。でも全部必要なことだから、やっぱりこれを1クールで綺麗にまとめるってのはかなり難しかったんじゃないかねぇ。決勝戦ではそのあたりの諸々を諦めて全部陸の物語としてまとめ、競技の意味が無くなってしまったのも肩透かしではあったし。まぁ、ある意味で狙った通りの結果になったとも言えるか。

 ストライドの描き方自体は決して悪いものではなかった。単なるリレー競技ではなく、色々と変化をつけて走る以外の戦略性を設けるってのはアニメ的に正しいだろう。でも、それも全部「何となく」なんだよな。どこをどういう風にショートカットして、どれくらいの効果があったのか、ってのが分からないし、その選択がどの程度勇気ある行動で、各人がどんなレベルで試合をしていたのかもぼんやりしている。この辺りはフィクションスポーツなのでどうしようもない部分で、効果的に見せようと思ったら事前にコースを全部紹介したり、説明臭い台詞で効果を教えてもらわなきゃいけなくなってしまう。流石にそれをやっていたらアニメが成立しないだろう。そこで今作が採用したポイントに「リレーション」ってのがあって、ここにリレーショナーも絡めて一つの見せ場にすることでアニメがグッと締まる。でも、やっぱりそこもマンネリ化しちゃうとあんまり説得力がなぁ。うん、全般的に「やりたいことは分かるが、やっぱりテーマのハードルが高い」ってのが結論になるのかな。

 しかしまぁ、のぺっとした青が基調のいしづか演出は嫌いじゃなかったし、見ていてそこまで嫌いになるような作品でもない。2期があるなら大人しく見せてもらうくらいの付き合い方は出来るなじゃないかな。いっそ2期は将棋部編にするとかでどうでしょう。

拍手

PR

「この素晴らしい世界に祝福を!」 6→7

 今期一発目の終了作品だが、終了してしまうことが惜しまれる作品でもある。うーむ、駆け抜けた10話は実に恵まれていた。

 放送開始1発目から割と気に入っていた本作だったが、この手の作品にありがちなマンネリ化によるトーンダウンが無く、ずっと笑いっぱなしだったのは素直にすごいと思えるポイント。ギャグってのはなかなかその良さを文章にするのが難しいので説明出来ない部分も多いが、どのあたりがその他諸々の「異世界」作品と違っていたのかを考えるのは今後の参考になるだろう。

 多くの視聴者が、1話目の設定を観て「また随分ベタやなぁ」と思ったのは事実ではなかろうか。お約束の引きこもり主人公、剣と魔法のファンタジー、ゲーム的な知識があるからなんだか上手くいっちゃう設定。最近は本当にこういうのが多いようで、細部は違うが今年度だけでも「OVERLORD」や「ダンまち」など似た作品がアニメ化されている。しかし、どうやらそれを十把一絡げでまとめてしまうのは早計なようだ。今作の最大のオリジナリティは、観ていればすぐに分かることだが、女神アクアというたった1人のキャラクターに集約されている。異世界に転生するラノベは多々あれど、ゲーム外からヒロインも一緒に引っ張り込むというのはあまり聞いたことがない。普通ならば「こんな世界まっぴらだ!」と斜に構えて当たり散らすのは主人公1人だけのはずなのだが、今作ではカズマとアクアがセットで暴れる。カズマが駄々をこねても、さらにその上をいく無茶苦茶さでアクアが暴れる。ギャグの肝であるドタバタの全てを、アクアが引っ張り上げてしまうのだ。そして、この手の主人公に必須の俺ツエー要素も、カズマ本人ではなくアクアが担当している(はず)。無茶苦茶な能力、メタで視点を持つポジション取り、どれをとってもアクアは文字通りに神レベルのチートキャラクターなのに、ただ1つの欠点のために全てが台無しになる。そう、知力だ。

 この「道連れ」+「馬鹿」+「女神」というアクアさんの設定が出来上がった時点で、今作は勝利したのかもしれない。1話2話あたり、まだ2人しかいない状態でドタバタしてるだけで充分面白かったのだから、そのあたりは想像出来るだろう。もちろん、設定一発で勝った作品などというつもりは毛頭なく、その後に参加しためぐみん、ダクネスという2人のヒロインも、アクアとカズマという唯一無二の2人の主人公の良さ(悪さ?)を壊すことなくさらに追加トッピングで馬鹿を提供して、見事な共存共栄を果たしている。一応はカズマのハーレム設定になっているものの、テンプレに収まらない残念馬鹿ヒロインだけを回りに配置することによってとにかくギャグに特化した「素晴らしい世界」を作り出している。うーむ、よく出来た世界ですこと。

 こうして出来上がった設定に、アニメスタッフの悪のりも加わって見事にトップレベルの馬鹿が完成。ぶっちゃけ、アニメの質っていう点で見ればそこまで高品質なわけではないんだよ。キャラも崩れるし、動画に見応えがあるシーンが多いわけでもない。どっちかっていうと低予算アニメに分類されるレベルだと思うのだが、キャラデザの不可解なこだわりによって安い絵でも充分に用をなし、ギャグならばむしろそのヘタレ具合すら武器にする。テンポ重視の作劇とメタな自虐発言を連発するテイストは金崎監督の得意分野であり、視聴者は「女神コント」を10回に渡って楽しんだだけである。これでいいのだよな。研ぎ澄ましたギャグ、安定した萌え、そこにちょっとまぜた自虐。まぁ、「いかにもオタクが好きそう」と言ってしまうとそれまでのものだが……えぇ、好きですよ。いいじゃない。2期もこの調子で行けるといいね。

 最後は当然中の人。もう、メインの4人は全員お見事としか言い様がないが、敢えてピックアップするならやっぱりメイン2人の仕事の割合が多いかな。福島潤演じるカズマの「小声レスポンス」は、台本だったのかアドリブだったのか。もう、あのカズマさんの適当な相槌が癖になってしょうがない。「カジュマさまぁ〜〜」に対して「ハイ、カズマです」って、知ってるわ。そして、そんなカズマを前にして更なるクズっぷりでこの作品の空気を決定づけたメインヒロイン、アクア役の雨宮天。てんちゃんは「モン娘」のミーアに続いて、天真爛漫馬鹿娘で2勝目。事務所の先輩である戸松の系譜を、さらに高音域で賑やかにしたような天賦の「なんかイラッとくる馬鹿っぽさ」はお見事。このテイストはずっと大事にしてほしいもんだ。

拍手

GO!プリンセスプリキュア」 6→7

 ウソダヨ、オワッテナイヨ。ライシュウモマタ、テレビヲツケレバキララチャンヤトワッチガワライカケテクレルヨ……。

 

 

 

 最高だったろうが。もう、何も言うことはなかろうが。個人的にはプリキュア史でも最も盛り上がった作品です。まぁ、ドキプリの時も同じようなこと言ったけどさ。毛色が違うのさね。ドキプリがキョウリュウジャーだとするならこっちはゴーオンジャーみたいな面白さだった、といえば分かるかな。いや、分からん。俺にも分からん。

 とにかく全部のキャラに愛着が湧くっていうのが希有なところで、元々は「きららちゃん最高だろうが」から始まったのだけど、そこから無駄なキャラがほとんど出てこず、1本1本のストーリーでそれぞれに「楽しいな」と思えるポイントが押さえられているのが大きい。4人の中ではみなみんが一番愛着が薄いのだけど、それでも彼女が不必要だとは全く思わないし、彼女がメインの話ではいちいち輝いていた。ドキプリの関係性がマナを頂点にして四角錐を形成するとしたら、こちらは完全に4人が等しく結びつく。はるはるがいて、みなみんがいて、そこにきららとトワっちがいるのだ。もちろん、「5人目のプリキュア」ことゆいちゃんだって元気だし、クローズさん、シャットさんもいるよ。悪役のドラマが盛り上がったのもシナリオラインを支える上で大きかったな。きっちり全員に花持たせた上で、ディスピア様もこけおどしでなくてちゃんと「ラスボス」してたんだよ。大前提にディスピア様ありきで、そこから「絶望の被害者」としてのロロ、「絶望の離反者」としてのシャットさん、そして「絶望の体現者」としてのクローズさんの3人。このポジショニングがドラマ作りとして最高だった。ラストバトルがクローズさんとの一騎打ちになり、勧善懲悪にせずに「絶望を飲み込む」形での決着。あの形だったからこそ、最後の「ごきげんよう」がバシッと決まる。いちいち見ていてスカッとするシーンが多いんだよなー。

 映像面でも、今作は色々なところで一段上のものが見られた気がする。いや、プリキュアは本気出すと毎回すごいのだが、今作は衣装の見せ方とか、バトルの演出にもかなり野心的なカットが多くて、アクション映画さながらの見映え。最終話のクローズ戦、あれだけ見せてくれれば他の話数の多少のアラは気になりませんよ。まぁ、東映アニメはそういうムラも合わせて楽しむ前提になりつつあるんだけども。でも、全体的に安定感はあった気がするけどね。きららちゃんは毎回可愛かったからな!

 はぁ……こうして終わった作品に愛着が強いと、次へのハードルはあがる一方だな……。ドキプリが楽しすぎたおかげでハピチャ辛かったのは正直あると思うし、次はどうなることやら。

拍手

「うしおととら」 5→5

 最終回だったのに次回予告がついてるってどういうことやねん。まー、別に終わったわけでもなんでもないからな。なんか変な放送スケジュールだよね。

 3クール予定のうち2クール終了時点で一旦休憩。最近は分割2クールはよく見るようになったが、こういうスケジュールは珍しい。「デュラララ」がこれに近いけど、どうせ時間をかけるならいっそのこと4クールやれば良かったのに、という気がしないでもない。私は原作を殆ど読んでいないのでどの程度はしょられているのかはあんまり分からないのだが、ファンの間では色々と議論のあるところのようだ。まー、なかなか「ジョジョ」みたいなたっぷりした枠を貰える作品もないだろうけど、せっかくアニメ化するなら誰もが満足する形でのアニメにして欲しいとは思うよねぇ。はじめに枠ありきでシナリオの取捨選択をしなきゃいけないってのも変な話だ。

 アニメだけで判断する立場としては、今作はまぁ「可もなく不可もなく」である。アニメとしての質は決して低いものではないが、思っていたほど飛び抜けた品質というわけでもない。印象としてはジャンプ作品なんかでありがちな「人気漫画がとりあえずアニメ化してる」くらいのもので、アニメとしてどれだけダイナミックにみせるか、というオリジナルの勝負ではなく、どこまでも無難に、なるべく原作のテイストを壊さないように守りに入る方向での安定感を求めている気がする。別にそれが悪いわけじゃないが、どうしても話題性には乏しくなるかな。同じ時期に「ワンパンマン」っていうとんでもない作品もあったので、バトル描写は安易に比較される向きもあるし。ただ、別にそういうところと比べる意味もあまりないとも思う。本作は藤田絵のちょっとばたついた感じなんかを案外面白い形でアニメーションに落とし込んでいるとは思うんだ。線の太さってのはなかなかアニメに活かしにくいところではあるのだが、それが決して無駄にならず、何となく「藤田絵っぽさ」を残しながら動かすさじ加減は割といい感じ。それが2クール分維持出来たなら、まずまずの成果といえるのじゃなかろうか。

 残り1クール、再開は春だったかな。ブランクがあいてファンの熱が冷めないように、とか余計な心配をしちゃうけども。頑張ってほしいところです。

拍手

「対魔導学園35試験小隊」 5→5

 うむ! 何の後腐れもなく終わったな! 嘘だけどな! まー、一応「一旦おさめた」くらいの決着かなぁ。原作未完ならしゃーなしだし、希望が持てるエンディングだからこれはこれでいいのか。

 アニメとしての質はあんまり高くない。作画が怪しい回も少なくなかったし、魔女狩り化した後のCG甲冑も他のパートから浮いてしまっていて、戦闘シーン全体を見ても現代アニメの水準で見ればまだまだ上が目指せるもの。映像自体は、なかなかこのアニメの魅力としては切り出しにくい。それではシナリオラインはどうかというと、こちらはもっと首を捻る必要がある。その最たる事例が序盤の鳳の生い立ち、およびマリ加入までの流れ。何度か個別の感想でも触れた通り、あまりに性急過ぎて筋を追うだけのものになってしまっている。慌てて詰め込んでしまっているせいで戦闘まで味気ないものになっているし、人の生き死にを扱った各々のキャラクターの動機面についても真に迫ったものになっていない。中盤、残りのメンバーの個別の話になって以降は「普通のラノベアニメ」っぽくなったが、何故か途中で関係無い海回を無理矢理ぶっ込んでくる謎采配。いや、あのタイミングの水着回ってむしろ現代アニメのお手本みたいな配分ではあるのだが、そういうことではなくて、とにかくすっきりしない。今期はSILVER LINKもスケジュール的にきびしかっただろうし、普通なら「駄目なラノベ枠」に放り込んでそれでおしまいになる作品だ。

 でも……なんか良かったネ! うん、嫌いじゃないんだ。その理由は上記の問題点を全部ひっくり返したような流れになるので我ながらダブルスタンダードも甚だしいとは思うが、なかなかアニメ視聴ってのは単純に片付かないもんでね。まず映像面だが、(とてもとても)幸いにしてヒロイン勢はみな割と可愛い。興味が湧かないだろうと思われていた杉波ですらメイン回ではちょっと可愛かったくらいで、しのぎを削るメインヒロイン勢は言わずもがな。鳳はツンデレヒロインとして真っ向から草薙と並び立ってくれたし、そこにアクセントを加えるマリの立ち位置も「ダブルヒロイン」というのとはちょっと違うけど決して悪くない。そして、何を差し置いてもうさぎちゃんが可愛い。もう、彼女がバタバタぶるんぶるんしてくれてればそれで事足りる。つまり5話6話が事実上のピーク。いや、ラストには新しくキセキという妹キャラもねじ込まれた。CV的にもどストライクなキャラだったこともあり、阿漕な妹にもググッと寄せていける。そして、こうしたヒロイン勢をまとめあげる草薙さんがまっとうな主人公を演じてくれているので余計なことを考えずに「小隊」としてのまとまりが見られるんです。隊長が優秀だと助かりますわ。

 シナリオラインだって、性急過ぎてガタガタだったけども、それぞれの「草薙と女の子のいちゃいちゃストーリー」だけを切り取ればもうそれでいいかな、ッて気もする。要所で草薙さんがバシッと決めて、そこに女の子がコロリと転げる。そこだけ見てればもう気にしなくて良いか、ってな投げ方です。あかんのは分かっているが、「うさぎちゃん可愛い」が視聴モチベーションになってしまった時点で、そのあたりは覆らないのですよ。改めて監督の来歴を確認すると、「貧乏神が!」のチーフディレクターを務めていた人で、特に印象的だったエンディングのアニメーションを担当していたという。確かにそう思ってみてみれば本作でもやたら可愛かったアイキャッチのデザイン性などにそのあたりのセンスが活きている。どうやら「可愛いもの」を処理する腕前はかなりのものらしい。そうと分かれば、シナリオのバタバタは多少目をつぶって、「好きなヒロインを愛でる」作品として成立させても良いのではないでしょうか。

 というわけなので、個人的には中の人要素がかなり強めの作品になりました。一応トップには「細谷ご苦労」と名前を挙げておくが、各ヒロインはなかなか甲乙付けがたい。るみるみが至高であることには今更筆を割く必要も無いだろうから、ここは鳳役の上田麗奈の頑張りを評価しておこうか。うえしゃまは色んな方向でヒロインを担当しているが、どれもこれもちゃんと自分流が出来ているので聞いてて何がでてくるか分からない楽しみがある。それを支える伊藤かな恵・白石涼子の両ベテランも安定の仕事であり、最後にクライマックスを支えたのは安済知佳。キセキは最終話で思いっきり人格分裂を引き起こして病みまくっていたので、短い時間で恐ろしい量のちかぺ成分が堪能出来たのが素晴らしかったです。こうしてみると本当に綺麗どころの揃った現場だなー。細谷君が羨ましいなー。他の男性陣も遊佐さん、ジョージ、力ちゃんとかだもんな。濃いなー。

拍手

Dance with Devils」 5→4

 今期2本目のミュージカル風アニメ。「スタミュ」と時期が被ったのは良かったのか悪かったのか。

 2本とも「ミュージカル仕立て」という売り文句こそ同じだが、その方向性は全く異なっており、学園ミュージカルから地続きで物語と歌劇が同じライン上にある「スタミュ」に対し、こちらは世界観そのものもファンタジーだし、ミュージカル次元に入るとさらに場面がスイッチして完全に「舞台」演出になる。いわば金のかかった(?)PVがどの作中歌にもついているような感じか。一応ストーリーの流れの中で歌に繋がってはいるが、立ち回りなどはシリアスなお話の中身からは一旦切り離されるので、まさに「突然歌うよ!」のミュージカルといった印象だ。

 「スタミュ」とこれ、どちらが好きかはぶっちゃけ好みの問題になるだろう。こちらは乙女ゲー設定なので女の子が多数の理不尽な野郎に囲まれ、愛を囁かれるというシチュエーション。つまり、押し寄せる野郎共のセックスアピールとしての歌劇だ。残念ながら当方、そんなことして迫られてもしょうがない性別を有しているので、学園青春ものとして見ることが出来た「スタミュ」と比べたらワンランク評価を落とさざるをえない。ただ、これは個人的にニーズに合っていなかったというだけなので、決して質が低いと誹るつもりはない。まぁ、なかなかシュールな世界だったのは間違いないけれども……。個人的にはオラオラ系多めで無理矢理攻め込んで来る野郎共のがっつきっぷりがおっかなかった、ってのもある。こうしてみると「うたプリ」のおにーさん方は揃いも揃ってみんな紳士だったのだなぁ。今作は野郎共の中にジャイアンが混ざっていたりするので、なおさら恐ろしかった。

 ミュージカル部分を除いた時のシナリオラインもこちらは良くも悪くもべったべたなのであまり食いつく機会が無い。藤原啓治がドヤりながらラスボスとして登場したときはちょっと面白かったが、味方チームのあんちゃん方は淡々とそんな強敵を処理していくだけだからなぁ。平川さんとかジャイアンとか、こういう世界ではイロモノキャラを押し出していった方が見映えがするね。メインになる相方があんまり個性を強く出せなかったからピンと来なかったのかも。あ、でもシスコンおにーちゃんは割と頑張ってたか。彼の愛情が、「グリモア守らなきゃ」を飛び越えて完全に「うちの可愛い妹に何してくれんねん」であり、いっそ「他の男に食われるくらいならくぁwせdrftgyふじこ」っていう暴走まで至ってくれれば盛り上がったかも。まぁ、女性ファンにニーズがあるとは思えないが。

 歌って踊れるアニメーション。既に舞台の話もまとまっているようなので、今後も続いていくコンテンツになるのでしょうな。「うたプリ」同様、僕はそこまで追いかけませんが、きちっとファンのニーズに応えて、息の長いコンテンツになれば良いですね。

拍手

「コンクリート・レボルティオ 〜超人幻想〜」 5→5

 一言で表すなら、ぐちゃぐちゃした作品だった。ただ、このぐちゃぐちゃは決して悪いばかりのものではない。「ぐちゃぐちゃになった作品」と「ぐちゃぐちゃにした作品」は区別しなければならないだろう。

 1話目の感想では「一番近いのは『ローリング・ガールズ』か」と書いたが、奇しくも、1クールを終えての印象は「ロリガでやりたかったことを、別方向から幾らかでも成功させた作品」というもの。1つはレトロ趣味という外側を覆うデザイン性のことで、もう1つは「ごちゃごちゃした世界をそのまま面白さに繋げたい」というコンセプトそのもののこと。今作では前者のデザイン性の方は複数のクリエイターに別々に発注することで実現させ、後者のストーリーコンセプトの方は「超人と正義」という縦軸を物語に据えることである程度の成功を収めている。

 まずは映像面。総合的なアニメーションのクオリティ、いわゆる「動画面」では「ロリガ」に軍配が上がるだろうが、こちらは野暮ったさを意図的に維持することで「レトロ感」をそのまま持ち味に転化してしまうという思い切ったスタイルで独自性をみせた。「レトロ感」というのも色々と使い道があって、例えば今期ならば「おそ松さん」の世界もある程度「レトロ」を意識したものだが、あちらはパステル調にぼかし、赤塚作品という不条理な世界を淡く包み込むような描写にすることで独自に丸みを出して女性人気に繋がる「可愛らしさ」を演出した。対してこちらは、ロボット・怪人・怪獣に妖怪といった男の子の好きな要素をそのまんま投げ出すために、雑多な雰囲気をそのまま維持するように原色を多用し、一見すると乱雑に見える配置で古めかしいおもちゃ箱のような世界観を成立させている。変身するメカのディティールなんかは思い切りカクカクさせたり、歪ませたりしてヘンテコ感を出すわけだが、そのあたりもごちゃ混ぜ世界の中では個性を出すための演出の1つ。変幻自在の「お化け」はするりと苦もなく「化け」、魔法少女はしゃららと派手な演出で「変身し」、ロボットはガチャガチャとけたたましい音を立てながら無骨に「変形」する。あらゆる「超人」文化の融合が、全て画像面で溶け合わずに個を主張しながらも、全てがこの「猥雑さ」の中で統一されている感覚はもぞもぞするけどなんだか癖になる。

 こうして、独自のギミックとして手に入れた「レトロカオス」で、今度は「超人と正義」の物語を組み上げていく。話の根幹はひどく単純だ。こうして現れた異形の超人たちを、異形であるが故に「区別」するかどうかというお話。異なるものとの関係性を描くために、「互いに相容れない個の世界」が形作られている。非常にデリケートであり、答えの出ない問題であるために、シナリオラインがすっきりと解題されることはない。あくまでも個々の「超人」のケースバイケースで、各話では「こういう答えもあるかもしれない」という1つの結末が描かれるのみだ。1話ずつ区切られた断片だけを見ると、どうにもチープなお涙頂戴だったり、ありきたりで浅薄に見えるお話があったり、毎回テレビにしがみついて見るようなモチベーションは維持しにくい。しかし、こうして「毎回雑多な情報が目の前を過ぎていく」という構成自体も、今作の狙いに直結しているといえる。1つの答えは無いからこそ、あらゆる事例、あらゆる「超人」を見て、その1つ1つから考えていくしかない。視聴者側はストレスが溜まるので大変である。このあたりのコンセプトはオープニングテーマ「カタラレズトモ」の歌詞に綺麗にまとめられているので、そちらを見れば何となく伝わるのではなかろうか。

 非常に面白いチャレンジの作品で、その狙いのいくらかは成功したと言えるのではなかろうか。ただ、上述のように、1話1話で区切ってみると退屈なお話があるのも事実。また、時系列シャッフルからジローの動向すらもかき混ぜてカオスにしてしまうという構成は、その狙いこそ理解出来るが果たして十全に効果を発揮していたのかは疑問だ。2期目があるので現時点でその部分に結論を出すわけにはいかないが、少なくとも1期最終話まで観た段階では、流石に視聴者に過度の負担を強いていたのではないか、という気もする。ただでさえややこしい部分が多い作品なので、もうちょっとスリムにしてくれた方が助かったと思うのですよ。最近スタミナが無くなってきたおっさんは特にそう思っちゃう。もちろん、こういう面倒な構成にしたからこそ、食いついてはまり込んだ視聴者もいるのだろうけどね。

 ひょっとしたら2期目で更なる混沌が巻き起こるかもしれないし、1期目のこの過度なややこしさに意外な意味が与えられるかもしれない。こうして何が起こるか分からないのも、アニメオリジナルの楽しみやね。決して無駄な作品ではないので、今後も楽しみに見守りたい。

拍手

「終わりのセラフ 名古屋決戦編」 5→5

 終わった……のか? 終わってないなぁ。何一つ解決してないなぁ。これ、続編あるんですかね? 誰だったかキャストが「アニメが連載を追い抜いた」みたいなこと言ってた気がするが、果たして。

 シナリオ面については、この終わり方は流石にもやっとする。そして、そこにいたる過程についても、もやっと、というか胸くそ悪さはめいっぱいだ。何しろ、ポジティブな出来事が何一つ起こっていないのだ。序盤の「優ちゃん大丈夫?」から幕を開け、シノア隊の面々は人間達の醜い姿をことある事に叩きつけられ、勝てない相手との絶望的な試合ばかりを組まれる。対する吸血鬼側は我が世の春かというとそうでもなくて、こっちはこっちで内紛が蠢き、人間側の怪しげな動きに一喜一憂させられる。ミカもそんな中でひたすら己がアイデンティティのせめぎ合いに苦しみ、大願であった優一郎との再会がかなったものの、そこにはわだかまりがたくさんたくさん残っている。吸血鬼サイドの唯一の良心(?)と思われていた本作ナンバー2ヒロインであるクルル閣下に至っては最終話で櫻井の反逆にあい、小さな身体ではどうすることも出来ずに打ち倒されてしまっている。足下には大量の死骸、誰も救われない恐ろしい結末であった。

 もちろん、こうした鬱々としたシナリオラインが悪いというわけではない。「進撃の巨人」との比較は前期にもやっていたかもしれないが、こうしてただ絶望を描くというお話も充分に存在意義があるもので、そこに必ずしも「希望への復帰」が求められるわけではない。駄目なものは駄目、そのまま沈んでハイおしまい、という展開だって立派な物語である。ただ、それが少年ジャンプ系列に位置する少年漫画にあって良いかどうかは定かではないが……。そして、少なくともアニメの結末としてはもやもやが残ったままであるのはいただけない。「バッドエンド」ではなく「バッドエンド?」なのは駄目だ。出来ることなら、もう少し据わりの良いラストシーンを迎えたかったものだが……まぁ、原作が未完なのだからしょうがなかったんだろうなぁ。

 シナリオ構成には多くの不満があるものの、個人的に今作最大のセールスポイントは映像面にあると思っているので、そのあたりについては相変わらずのクオリティで非常に良いものだった。鬱々とした世界の鬱々としたビジュアル。容赦無い殺害描写もきっちりと描かれており、世界観にマッチした映像美術は「単に鬱々してるだけ」で終わらせないだけのものになっている。2期に入ってからは派手なバトルシーンも増えたので、独特のエフェクトで描かれる鬼呪装備の数々なんかも見どころだ。まぁ、ラスト前に出てきた謎の鉄串虐殺マシーンは流石に笑うけども。百戦錬磨の兵士たちが単なる棒きれに次々殺されていくシーンはかなりシュールだった。最終的に「セラフ」が覚醒するわけだが、その天使から生み出されたのがエルドラージみたいな化け物で、本体セラフじゃなくてウギンみたいになってるのも笑った。結局、軍が行っていたセラフの実験ってのはなんだったんでしょうね。よく分からないままだったのはやっぱり心残りだ。

 トータルすると、全体構成としては首を捻る部分は多々あれど、まぁ、独自のうま味はちゃんと維持していたのでイーブン、といったところ。是非とも、いつの日かこの続きが出てきて今度こそ「すっきりした」解決を見せてほしいものである。

拍手

「進撃!巨人中学校」 5→3

 正確にはアニメ作品としての評価ではなく、1つのテレビ番組としての評価ではあるが……これは、作品作りの姿勢として、どうなの?

 先にアニメの方の話を片付けておくと、当たり前の話だが「進撃」ファン向けの内容である。私みたいに「進撃」に大して興味の無い人間が見ても、作中で登場するパロディを知覚することすら出来ないのであんまり面白くない。あと、これは憶測だが、ファンの人がパロディを拾えたからってそんなに面白くない気もする……。ネタの基本設計が「ものすごくシリアスな進撃ワールドで起こっていたようなやりとりを、全然シリアスじゃない舞台でやったらギャップで笑えるよね」っていう作りなんだけど、そもそも原作漫画の時点でシリアス要素に疑問符がつくんだよな。そりゃ生きるか死ぬかのドラマを演じているのだからシリアスには違いないが、その中で行われているキャラクターどうしの掛け合いが全部シリアスなわけじゃなくて、ふざけたものだって多いんだよ(ハンジの行動なんかは分かりやすい例だ)。おかげで、あんまりギャップが鮮明に出てこず、ゆるゆるとボーダレスに「進撃」ワールドと結びついてる気もするんだよね。残りの部分はベタな学園ギャグだし、あんまり興味を引くものではなかった。

 しかしまぁ、別に出来が悪いとかいうことでもないので、アニメだけなら「スピンオフのギャグなんてまぁこんなもんだろ」でスルー出来るのだ。だが、残念ながら本作はそれだけじゃない。放送時間の半分は実写なのである。放送開始時は「声優バラエティは歓迎やで(ニッコリ)」と笑ってみせたチョロい声優オタクの僕も、放送が続くにつれてどんより曇り顔。いくらなんでも企画が緩すぎる……DVD特典映像なんかでついてくるものにも似たようなクオリティのものはあるが、それはあくまで「おまけ」だから成立している。購入者は納得して買っているのだから、何が入ってたって文句は言うまい(まぁ、「らっきーれーさー」みたいな例もあるが)。しかし、今回はあくまでも番組の一環である。「金払って見てるんじゃないんだからますます文句言うなよ」と思われる向きもあるかもしれないが、せっかくアニメ制作者が頑張って面白いアニメを作ろうとしてくれているのだ。それを受けて、番組全体をまとめあげるプロデュース側は、少なくともアニメの枠が余計な失望感を生まない程度に、「見られる」コンテンツを維持するのは当然の義務ではないのか。

 予算・キャストを変えずとも、もっと見どころの多い企画にする方法はいくらでもあったはずだ。単純に男女チームの対決ルールにしてみてもいいし、もっとガチで「勝負」している感が出れば多少「茶番」という雰囲気は薄れる。声優をいじるにしても、もっと作品を絡めて徹底的に宣伝の姿勢を維持するとか、いっそ声オタ専用にするために声優以外の要素を全て排除するとか、そういう見せ方もある。今作の場合、声優ファンにとっては物足りないし、「進撃」ファンにとってはなんのこっちゃら。誰も得しない文字通りの「穴埋め」である。そして極めつけは小林ゆうの使い方だ。そりゃね、画伯を使えば面白くなるのは分かってる。彼女のプロ根性で、何を与えられたって精一杯頑張ってくれるだろう。しかし、だからといって製作側がそんなキャストに丸投げして良いわけがない。あれだけの爆発物を投入するのだから、せめてその受け皿を用意し、しっかり「企画」としてまとめ上げるという責任を取らなければならない。「小林ゆうに何かさせてれば面白いだろ」だけじゃ駄目なのだ。せめて彼女の魅力を最大限に引き出し、なおかつ「進撃の巨人」というコンテンツに結びつけるものでなければいけない。本作においては、「毎週放送する番組の1コーナー」としてこれを成立させるだけの計画性を持って放送していたとはとても思えない。何しろ最終回はアニメ無しで実写だけ放送するというグダグダの編成だ。流石にこれは怠慢だと言われてもしょうがないだろうよ。

 声優がコンテンツとしてすっかり独り立ちした昨今、声優オリジナルの番組、商品も多数展開されているが、そんな世の中だからこそ、「声優コンテンツ」というものについて、きちんと責任を持って、役者の価値を高める方向でのプログラム作りを考え直して欲しい。そんなことを考える、一切責任感のない声優オタクの一言でした。

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
25 26
27 28 29 30
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[04/23 NONAME]
[04/20 seachicken]
[04/14 DRAKE]
[04/14 とみしの]
[04/14 とみしの]
バーコード