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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「境界のRINNE」 5→6

 祝! 続編決定! いや、最初から分割だろうけどね! 来年もRINNEが見られるよ!!

 あえての加点である。だって、好きなんだもん。この平熱ギャグが。いいじゃない、土曜日の夕方にこういうヌルッとした空気が流れる安心感ってのはまた格別だよ。おっちゃんくらいの歳になるとな、アニメ見るのも疲れるねん。「監獄学園」みたいなアニメもそりゃ面白いけど、そればっかりだと胃にもたれるねん。軽くサラサラッといけるお茶漬けみたいなアニメがほしいねん。いや、だったら週に40本もアニメ観なきゃいいやんけ、って話なんだけどね。それとこれは話が別なの。とにかく、ボーッと見てても問題無くて、それでいて満足感が得られる作品がほしいの。

 今作については、「古い」「寒い」などの意見も漏れ聞こえることもありますが、「古い」はしょうがないだろ。だって高橋留美子なんだから。どう考えても新しくはならねぇよ。でも、考えてみなさいよ、「新しい」を求め続けた結果、今のアニメの何本が正当に評価出来る「新しさ」を持ち合わせているというのだね。作品の面白さには新規さばかりが必要ではないのだよ。「何となく得られる安心感」だって、アニメの良さとして認められてもいいじゃない。「寒い」っていう意見については……しらん。ギャグの合う合わないなんて理由は分からんしな。俺だってこのアニメ見て毎週大爆笑してたわけじゃねぇよ。多分そんなに笑ってねぇよ。でもいいんだよ、真宮桜とりんねの夫婦漫才をのんびり見て、そこに十文字のお約束芸をはさみ、アゲハのテンション芸を満喫する。それでいいじゃない。とても幸いなことに、今作は映像面についての低品質化が起こらなかったんだ。別に毎回毎回目の覚めるような映像技術を見せるなんてことは無いわけだが、ず〜〜〜〜っと平熱のまま、必要充分な映像クオリティが維持され続けた。そして、それはキャラの可愛さなり、おかしさなりに繋がっているのだ。このNHKアニメの安心感。素晴らしい。ご丁寧に分割で放送クールを分けて品質維持に気を遣ってくれてるんだぜ。ありがたい話だ。

 中の人の配置も完璧よね。序盤はずっと井上麻里奈・石川界人の漫才だけで見てられたが、増えるキャラクターがいちいち賑やか。親父役が勝平ちゃんってのは「留美子補正やんけ!」って思ったけど、ちゃんとベストポジションで配置されてる感があるんだよな。他にもりえしょんとかいず様とか、そのあたりのヒロイン勢が良い味わい。

 半年後を心待ちにしています。

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「乱歩奇譚 Game of Laplace」 6→4

 オリジナルものを担当した時の岸誠二の法則。……うーん、うーん。

 画面はすごく良かったですよね。キャラのメリハリははっきりしてたし、サイケな画面造りも個性が際だっていて、舞台を意識した独特の進行様式も見た目に新鮮だった。もちろん、単に見た目の珍しさを引き出す目的だけでなく、例えば小林少年の認識の状態を表示したり、登場人物が多くなっては面倒な推理ものにおいて、どこまでが「関係者」であるかを示すサインとして用いたり、単に飾り立てるだけの演出で終わっていない。そうしたチャレンジングな画作り、構成については、流石に最先端を突っ走るノイタミナ作品だなぁ、という感心はある。

 でも……圧倒的にチープな内容だったんだよなぁ……。これ、乱歩じゃないよね。いや、乱歩ってのはこういうものなのだと認識されてるのかな? 確かに子供向け作品の印象も強いし、目先のエログロみたいな部分に注目が集まるのも分からないではないが、そこだけを掬い取ってアニメの土台にするのは駄目でしょ。そこだけを取り出すなら、わざわざ乱歩の名前を表する意味が無いんだ。乱歩をやります、というのなら、もっとあのじっとりとした湿気が欲しいし、どこか底抜けな明るさから導き出される狂気じみた空気が欲しいんだ。常人では理解の及ばないような、本当の暗さが見たいんだ。単にキチガイが出てくればそれでいいってわけじゃない。

 「Game of Laplace」という副題が示すように、物語の後半はナミコシと明智が「数式」を巡ってあれこれと対決する姿が描かれるわけだが、この「数式」の概念のご都合主義は作品作りをする上で致命的。運命論を主軸に置いて、何のドラマが広がるものか。いや、上手く書けばいくらでも広げようはあるのかもしれないが、本作における数式、そしてナミコシの存在はいわば神の道具立てであり、そこに人の情念も感じなければ世間の難しさも見受けられない。ドラえもんの秘密道具よりもあっさりと、無味乾燥な「運命」が押しつけられるだけである。妹のために殺人鬼に身をやつしたカガミ警視も、地下の牢獄で失禁する黒蜥蜴も、みんなみんな数式の下で任務を果たすだけの道具でしかないと言われては、そこに感じ入ることは出来ないだろうし、現実味の無さにどうしようもない距離を感じてしまうのも仕方ない。奇人変人だらけの世界観にしても、どこかに世界を規定するニュートラルが存在してこそ際だつもの。全部が全部おかしかったら、もう、それがおかしいのかどうかも分からないのだ。なんだか、「乱歩だからこういうものだろ」がすごく残念な方向に曲解されて出来上がった、何とも浅薄な作品世界であった。

 まー、以前の「UN-GO」と比べて大してかわらんだろ、と言われるとひょっとしたらそうなのかもしれないが……安吾の方が知識が乏しいから気にならなかったのか、あの世界がそこそこ納得できるものだったのか。いや、違うな、多分「UN-GO」は最低限ミステリの文法に乗せようという意識があったから見られたんじゃないかな。ちゃんと事件があって、捜査があって、解決があったんだ。こっちの作品は、事件はいっぱいあるけど捜査も無ければ解決も無いんだ。何となくそれっぽいことしてたのって最初の「人間椅子」だけで、あれだって本当になおざりだったんだ。1話時点では「まあ、最初の事件だからこの程度かな」とか思ってたが、まさかあれが最後の事件でもあったとは。

 ウーム、勿体ない作品。本作の収穫→高橋李依のショタが可愛い。あと、藤田咲のブチギレ検死官のお仕事も良かったです。作中一番ドキドキしたのって、「このBGMはキューピーに訴えられないのか?!」っていう部分だった気がしますね。

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「ケイオスドラゴン 赤竜戦役」 5→5

 まず、「あんまり真面目に観てなかった」という謝罪を先にしつつだが、なんか色々と不思議な作品だった気がする。難点も多いけど、その分この作品ならではの売りもそれなりに見えており、随分視聴者を選ぶような、非常にアクの強い作品になったのではなかろうか。

 先に難点の方をあげておくと、流石にシナリオラインが適当過ぎる。根本的な設定に「主人公は自分の大切な人の命を費やすことで敵を倒すことが出来るよ」というものがあり、これのせいでほぼ毎回のように「大切な人」が死ぬ。ご丁寧にミステリアニメのような人物一覧が毎回挿入されて一人ずつ消えていく仕様になっており、「次は誰が犠牲になるんやろなぁ」という「死人トトカルチョ」まで楽しめるようになっている。斬新な設定ではあるのだが、「大切な人との別れ」はレアだからこそ意味があるわけで、主人公・忌ブキとお手軽にインスタントな友情物語を見せられた後で「はい、じゃ次はこいつ」という風にサクサク死んでいくと、そこに大した感慨も湧かずに流れ作業になってしまう。「大切なキャラ」1体を殺す割にはその代償が「敵の何か鬱陶しい奴の殺害」くらいであり、ホントにそれが必要だったのかどうかもよく分からない場合が多い。また、作品が進むにつれて今度はその赤の竜の力が「大事な人のアンデッドを完全消滅させるため」とかにも使われるようになり、もっと戦争に直接役立てる方向性にしろよ、というもやっとした展開も悩ましい。いや、忌ブキにしてみれば深刻な問題なのは分かるのだが……「還り人」設定のせいで生と死の堺が曖昧になってしまい、「命の対価」の大きさがぼやけてしまったのも悩ましい。

 また、戦争設定も大きな枠組みで「戦乱」を描いている割にはせせこましいところで推移しており、国の命運を握ってるはずなのに問題がやけに所帯じみているのも変な感覚。もとがTRPGだったって言う話も聞くのであくまで「個人のレベルの戦闘」で処理出来るお話ばかりが繋がっているのは理解出来るし、設定上それが国の運命を左右しているかもしれないことも頭では分かるのだが、やっぱり忌ブキという主人公のサイズがどこまでも小さく見えてしまい、最後の最後まで「竜のおじちゃんにいいように弄ばれてる小僧」にしか見えなかった。回りの大人たちばかりが勝手に話を進めているので、途中からは赤の竜は放っといてもいい気にさえなったし。「とにかく人を殺さにゃならん」というシナリオ上の制約があったせいで、どうしてもキャラの数・死人の数が増えてしまい、物語に収拾がつかなかったのが今作の最大の難点だったのではなかろうか。

 ただ、不満点は多かったが、それをフォローする気になる点もちょいちょいあるのが今作の悩ましいところ。「死の物語」を中心に描いているので、ドラマは自然に重たいものになる。1つ1つのシーンは割と劇的なものが多く、例えば楽紹さんの死と復活のドラマ、ウルリーカさんの涙の主従関係など、他の作品ならば全部クライマックスに用意されていてもおかしくない密度の「悲劇」も合間合間に平気で顔を覗かせる。キャラデザこそ独特ながらも、映像自体は決してクオリティの低いものではないので、気迫のこもったバトルシーンなんかは見応えのあるものも多いのだ。還り人、生け贄という2つの要素が絡む「命」の使われ方も意外性のある展開を生んでおり、もっと掘りさげていけば愛憎劇としても命の物語としても面白そうな素材はそこかしこに転がっている。正直言って、忌ブキが絡まないシーンでこそそういう要素が輝いていたように思う。安易過ぎる発想かもしれないが、やはり「人の死」というのはショッキングなものであり、受容する側にもそこでは何らかの心的な影響があるはず。それを上手い方向に「面白さ」に繋げていければ、一回りも二回りも刺激的な作品になっていたのかもしれない。

 トータルで見ると、「まぁ、やりたいことはそれなりにやれていたのでは」と思うのでそのスタンス自体は嫌いになれない作品ではあった。もうちょっとキャラデザが見やすくなれば視聴モチベーションが上がってより深くハマれたかもしれないのだが、適当に処理してしまったこちら側にも非はあるかも。とりあえず「ぱるにゃすが真面目にしゃべっている」っていう事象だけ認識してればそれでOKだったから、別にいいか。

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「長門有希ちゃんの消失」 5→6

 16話という中途半端な話数のために、こんな時期に最終回を迎えるという不思議なスケジュール。これ、当然後番組のプリヤは10話とかで終わるってことだよな。まぁ、角川ならそれでいいんだけどさ。

 在りし日の「ハルヒ」と比べると話題性に乏しかった作品。そりゃね、時代も違えば製作スタッフも全然違う、そして何より作品が全く違うのだから比べること自体に意味が無いのだが、それでも、やっぱりこの作品の良さはあの「ハルヒ」のフィードバックだったわけで。個人的にはあの当時の熱狂が蘇ってくるというだけでも割と満足出来たし、それがストレートな形ではなく、大胆な変化球として、まったり日常世界を提供してくれる新しい「ハルヒ」の楽しみ方として得られたのは充分な収穫だったと思う。こうしてみると、フィールドが変わったとしても、ちゃんとハルヒワールドっていうのはキャラが立っているおかげで見映えがするのですよ。「日常もの」ってくくりにしてはみたけど、本当にシンプルな学園ラブコメとして、これだけの尺を苦もなく見せてくれるのは大したもんだと思いますよ。

 個人的に推したい今作独自の特徴は、「ハルヒ」の頃に比べて、更に回りのヒロイン勢のキャラもグッと前に出てきたということ。長門・ハルヒという二大巨頭は言わずもがなであるが、今作で最も注目すべきは、何回か感想でも書いた通りに朝倉さんの活躍である。メインヒロインは長門のはずなのだが、彼女を見守る保護者ポジションとして、実はキャラが最大限に引き立っていたのは朝倉さんの方だったのではなかろうか。彼女のちょっと強がりながらも弱さを見せた時の表情がとても素敵なのです。あと、今作で確実に1人だけ「キョンに惚れない」というのも大きなポイントかもしれない(いや、鶴屋さんとかも惚れないだろうけども)。面倒を見ているつもりだけど肝心なところで不思議と頼りない朝倉さん、そしてそこにべったりと甘えながらも頑張って歩き続ける長門。この2人の関係性があって、今作は完成するのです。

 そんなわけで、ノーマル長門と朝倉さんの絡みを見ているのが一番好きだったので、「消失長門」の出現以降は正直なところ微妙な手応えになっていたのです。そりゃオリジナルの長門のファンには嬉しいのだろうけども、俺元々ハルヒ派だったし、どっちかっていうと(原作の方の)消失長門の方が好きなので、中盤の消失エピソードは情感を溜めるために尺も長めだったのでちょっと間延びしてしまった感はあった。いや、あれくらい丁寧にやらないと陳腐になってしまうだけなのであれはあれで正解なのだけど、出来ることならずっとバレンタインエピソードとか旅行エピソードみたいなのをやってもらえば良かったなぁ、っていうのが個人的な好みなのでした。あー、でも消失を経由するのはハルヒに揺さぶりをかける意味もあるからなぁ。なかなか難しいもんです。16話っていう不思議な尺の構成ってのも、なかなか骨の折れそうな課題であった。

 まぁ、とりあえずこれで「長門有希ちゃん」はしっかりアニメとして形になったのだから、次は「ハルヒちゃん」の方をちゃんとしたアニメにしよう。

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「響け!ユーフォニアム」 6→8

 この感想を書いて春クールの幕を閉じようと思っていたのだが……血界戦線がな……まぁ、しょうがない。今期最も楽しんだ作品(の1つ)であることは疑う余地はない。

 終わってみれば「どんだけ私が石原作品が好きなのか」ということがよく分かるだけの作品である。ほんと、1つ1つの要素の取り出し方がツボにはまるんだよなぁ。今作はこれまでの京アニ作品の路線に順当に乗りながら、更に一歩先へ進む貪欲な進化の結果といえる。その前身になるものは「けいおん」であったり「中二病」であったり「Free」であったりする。それぞれにどのあたりに要素が絡んでいるかは何となく分かるだろうが、そこから一歩進むことによって、やっぱりどれとも違う新たな作品像がしっかりと刻まれている。

 冷静に考えれば、「部活もの」なのであるから非常にありきたりなプロットでしかない。主人公がたくさんの仲間達と切磋琢磨し、涙を流し、励まし合い、最終的に栄冠を勝ち取る。本当にそれだけの筋なのだ。しかし、その中で取り扱う要素がこれまで類をみない規模の部活である「吹奏楽」というところに1つの変化があり、更に黄前久美子という主人公像も、これまでの「ヒロイン」像からはどこかズレた、新しい時代の「スポ根」の体現者として生み出されている。そこに更に恋愛要素を潜り込ませたり、ハードな練習風景を実現させるために滝昇という魔性を生み出したり。とにかく13話の間で一切退屈しないだけの内容が盛り込まれている。筋立てだけを見ても、充分楽しめることが分かる作品だ。

 そして、そんな高密度な作品の中でもやはり白眉なのは8話だろう。麗奈と久美子のあの一夜が無ければ、黄前久美子は完成せず、同時に高坂麗奈との関係性が成立しなければ北高吹奏楽部も完成しない。それすなわち今作が完成しなかったことになる。麗奈という「特別」がもう1人の異物である久美子という存在に気付き、歩み寄り、高め合うまでの推移が、あの夜の2人の演奏に全て込められている。そこからはもう、転がるように怒濤のドラマを見せられただけ。8話という山に登るためにそれまでの7話が用意されており、8話で噴き出したありとあらゆるものが、そこからラストまでの勢いを生み出した。この山の作り方、実にそつのないストーリーテリングである。もちろん、8話がクライマックスになってしまっては最後まで盛り上がりきらない恐れがあるが、そこにはきちんと「高坂麗奈の物語」というもう1つの軸を用意し、更に田中あすかというラスボスまで設定されているおかげで、大願成就のカタルシスは存分に味わえるように出来ている。アニメ視聴なんてのは「気持ちよくなるため」だけに存在していればいいと思うが、こうして脳内から出ちゃいけないものが吹き出る心地が常に味わえるのは、全て制作陣の狙い通りの効果なのだろう。

 映像面に関しても、「京アニだから」の一言では片付けられない、更なる進化が存分に感じられるものだ。「綺麗」というだけではない、「暑い」だとか「居心地が悪い」だとか「悲しい」だとか「切ない」だとか。そういうもの全部が画面に、画に表れる。「気持ちの入った絵」なんて言葉はよく使う表現だが、アニメーションの場合、気持ちを入れた絵が動くことによって「気持ちが噴き出す画」になる。あの日橋の上を駆け抜けた久美子と一緒に、どれだけの感情が噴き出したことだろう。オーディション会場の優子の涙は、どれだけの気持ちを洗い出したことだろう。「画」が見られる幸せというものを、今一度噛みしめたいところ。

 最後には当然中の人の話。個人的にはずっとニコ生見ていて「ちかペットマジちかペット」っていう気持ちばかりが高まっていました。「チャイカ」の時にその存在は認識していたものの、これだけ拡散を続ける声優業界の中で、なかなか気になる役者を全員追いかけるのは難しいですね。改めて安済知佳というふざけた爆弾素材を認識出来たので、今後の彼女の活躍がとても楽しみです。そして、ドラマ作りの上で功労者は誰かを考えると、櫻井孝宏、そして寿美奈子の2人は外せないだろう。「優しい世界」になりがちな京アニの持つ空気感の中で、どこまでも怜悧に、それでいて決して理不尽ではなく。2人の「ボスキャラ」が輝いたことが、本作を脱皮させた大きな要因であるのだから、この2人の存在感を支え続けた2人の役者には最大級の賛辞を送りたい。

 そして、黄前久美子役、黒沢ともよ。彼女はまだまだ荒削りだ。役者としてどのような信念があるのかはまだ分からないし、今後の彼女がどういう方向に進んでいくのかも定かではない。しかし、少なくとも彼女はこの作品を作りあげようという最大級の「責任感」を持ち、それを成し遂げられるだけの「技能」も持っていた。黄前久美子は、疑う余地もなく「完成した」のである。それだけでも素晴らしい働きだっただろう。今後の若手の動向からも、目が離せない。

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「レーカン!」 5→4

 何とも不思議な作品でしたね。いや、悪い作品じゃないんだ。悪くはないのだが……。

 前に何かでも感じた事がある感覚なんだ。それが一体何の作品なのか、もうこれだけの数のアニメを右から左へと流し続けていると全く思い出せなくなってしまったが……「なんか、すごくテンポがもっさりしてる感」である。これ、共感してくれる人はどれくらいいるんだろう。なんかね、1つ1つの会話のテンポがね、完全に一拍おいてる感じなのよ。流石に対話シーンなんかではそこまで露骨ではないんだけど、シーンの切り替えとか、話の繋ぎの部分なんかで、「普通ならここで動くな」「普通ならここで返事するな」っていうタイミングが、なんだかズレる。半歩遅い。非常にまったりしたこの作品独特の空気を出そうとして意図的にスローにしてる部分なのかもしれないけど、その抜けてしまった半拍がすごく気になってしまって、最後までリズムを合わせられなかった。「もう少し反応の仕方があるんじゃない?」って、そこばかりが気になってしまった。似たような感想を持った作品が前にもあった気がするんだが……何だったかなぁ。

 ただ、これって非常に感覚的なもので、そうした「何かひとかけら」がむずむずと気になる以外は、実は案外悪くない。そりゃまぁ、画にも大して力はないし、ストーリーだってユルユルで、全話見たからってものすごい充足感が得られるとか、衝撃のエピソードで涙が止まらないなんてことは絶対に無い。でもまぁ、日常系の平均値ってこのくらいでもいいと思うんですよね。ゆゆ式・きんモザなどの破壊力が桁違いのオリジナリティってのは、そこまで全ての作品に求めるべきものではないのですよ。ひだまりだってシリーズが進むごとにどんどんユルさが増してきているし、この作品ははじめからそういう「何も無くても良い作品性」を徹底していただけなのである。個人的には毎週見ててもほとんど文句はありませんでした。ただ、そのくだんのテンポの部分だけを僕のリズムに合わせてほしかった、ってのはあるけども。あ、あとエロ猫だな、あいつの存在がちょっとくどくて、大して面白くない要素なのに尺取りすぎてるとは思った。どうせエロで売る作品でもないんだし、あれは削っても良かった気がする。

 

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「プラスティック・メモリーズ」 5→3

 これもわからんかった作品やねぇ。とても予定通りに、1話目で懸念していた通りの結末を迎えてしまった。1話目で怪訝に思っていた要素については新番チェック参照。まぁ、世間の人々の大半が持っていたものと同じですけどね。

 結局、1話目で疑問符を乱舞させた「この世界の理不尽さ」について、何一つ納得のいく説明がされないままに、1話目でイメージ出来る「ひょっとしてコレがやりたいんじゃ……」という安易な方向へと進み続ける。おかげで中盤では「もうこれ、見なくても良いのでは」という気持ちばかりが先立ち、視聴はとても適当になりました。

 殺人ドロイドを放っておくデンジャラス極まりないこの不完全な世界、こんなガタガタの法整備でも一応物語として穏便に済ませる手段も無いわけではない。一番分かりやすい手段は「愛の奇跡」の演出だ。こんだけ無茶苦茶で、文句を並べ立てたくなるような世界だが、主人公チームはとにかく頑張って頑張って、抗いぬいた結果、見事にこの理不尽に打ち勝ったのです! アイラ生存! 生存んん!! という終わり方。理屈が伴わないので「整合性」を求める視聴者からの文句は増えるかもしれないが、無茶をしてでも予定されていた筋立てをブレイクスルーすることが単純な盛り上げ方である。極端なアイディアとしては、「実はアイラはギフティアじゃなかったんですわー」なんてオチも一考の余地があるかもしれない。

 しかし、今作はそんなことは一切やらない。「この亀、確実に十日後に死にます」と言われている亀を縁日で買ってきて、十日の間にありったけの手を尽くして亀との思い出を作り、最終日に「亀ぇぇぇ!」と泣きわめく。このあらすじの時点で受け入れる人間は減る。更に凄いのは、この「十日で死ぬ亀」は「人類の叡智を結集し、きっちり十日で死ぬ亀を開発しました、殺さない場合は、あんたが死にます」という特別ルールが付属しているということ。ほら、何一つ意味が分からない。「亀の死を悼むための世界」を作り、誰もが「まぁ、死ぬやろ」と分かり、そこで予定通りに「死を悼む」エンディングを見せられて、我々は13話・3ヶ月の時間に意味を見出せるだろうか。もちろん、アニメ作品なのだからその間のアニメ映像に存在意義を見出すことは出来るかもしれないが、スタッフは全力で「亀を失う悲しみ」を描こうと努力しているために、その全ては空回りになってしまうのである。無理だ、これでは泣けないよ。いくら僕でも、そこまで作り手側に譲歩する気は無いよ。

 難しいよね、「泣けるアニメ」作るのって。(よく泣く奴並の感想)。これと「あの花」の何が違うのか、っていうのを真剣に考えるのは割と面白い題材かもしれない。多分世の中には「『あの花』も泣けるんだからこれだって泣けるよ」派、「『あの花』は泣けるけどこれは無理だよ」派、「どっちもくっさいわ」派がいるんだろうけども。あなたは何派?

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「やはり俺の青春ラブコメは間違っている。続」 3→3

 やっぱり嫌いです。以上。

 なんなんだろね、これ。

 普段、評価を下げる作品ってのはどこかしら「画が悪い」という要素が入ってくるものなのだが、今作は画に関しては特に問題は無い。特別良いとも思わないが、決して作画が崩壊してるとか、演出に手抜きがあるとかいうことはない。だからこそ最後まで観られているわけだし、むしろ1期よりも画は好みになったかもしれない。でも、嫌いなんだ。私は普段、このブログにおける作品評価で「嫌いだ」っていう言葉はあまり使わない。前提条件として作品のいいとこ探しをしようと心がけながら視聴しているし、もし「嫌い」だったとしても、「嫌いだから嫌い」は理由にならず、出来る限り自分の言葉で「ここが悪かったからダメ」と理由付けするように努力している(結実しているかどうかは定かでないが)。しかし、今作においては、どうしても「嫌いだ」という言葉を使わなければならない気がする。その世界を包む「律」が嫌いなのである。

 1期の時と大体同じ感想になってしまうが、全てのキャラクターの心情が理解できないっていうのが最大の障壁なんだろうな。そして、その中心にいるのが比企谷八幡という男だ。人嫌いを自称しておきながら人から離れられない臆病者。自分は世界から逸脱していると自嘲しているのに、自分以上に世界を理解している人間はいないと謳う勘違い野郎。そんな人間が主人公をやっていればヘイトが溜まるのは当然であり、作品作りとしてはこのいけ好かない男を徹底的に叩くところから始めればいいのだが、何故か世界は奴を受け入れる。奴が正しいと声高に主張する。作品作りにおいて「天才」を描くためには回りを精一杯馬鹿として描くしかなく、「天才」を描く技量が無い作家がこれに挑戦すれば、相対的に世界の馬鹿は加速する。それと同じようにして、「ムカつく奴」を中心において、これを主人公として魅力的に描きたいと欲求するとき、世界は相対的に「よりムカつくし、理解できない世界」になっていく。今期中盤から登場した意識高い君なんかはその典型で、どう見ても馬鹿だし間違ってるし好かれるわけないことは一目見て分かるキャラになっているが、それをだしにして比企谷を持ち上げようとしても、あまりに底が低すぎて一切あがってこない。むしろ、そんな馬鹿の極みを相手にずるずると何話も状況を引っ張り続けた奴は同罪であり、より評価は下がる一方。

 そんなゴミクズがウジウジしているだけなのに、何故か回りは比企谷に優しく、彼に同情の言葉をかけたりする。「友達関係を壊したくないから、友人が友人に告白するのを阻止しなければならない」というミッションで、「告白直前に自分が出ていって玉砕することで場を取り持つ」なんて頭が沸いてるとしか思えない行動に出るのに、メインヒロインたちは「正しい行動を取った」と認めるような発言をする。この世界の人間は、一体どういう思考回路で動いているのだろう。全く理解できない。それなのに、世界はさもそれが当たり前であるかのように進んでいくのである。

 だからしょうがない。僕はこの作品が「嫌い」なのだ。とりあえず、画の点数、キャストの点数でこの辺りにしておきますが、流石に3期があったらそろそろ不毛なので避けて通ろうかと思います。あー、でも小町は可愛いんだよなぁ……。小町だけは、比企谷に対して「肉親だから」っていう理由で「嫌わない」理由があるのが大きいのかもしれない。

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「うたのプリンスさまっ マジLOVEレボリューションズ」 5→6

 同じ「最終回に運命のライブ」でもユーフォニアムとは雲泥の差、こちらが元祖「頭おかしい系作品」になります。

 正直、僕は熱心な支持者ではないので、シーズン中はずっと生暖かい目で見守らせて頂きました。今期はSTRISHの面々はユニットごとの処理だったので、個々のキャラクターの掘りさげというよりはキャラとキャラの間の普段見せないつながりを中心に構成されている。こういう組み方って、熱心なファンには嬉しいだろうけど、そうでもない人間にとってはむしろ印象が薄くなるんだ。いや、スマホ宣伝回とかやっぱり笑うけども。そして中盤からはカルテットナイトの面々のエピソードに入るので、興味はより薄くなる。いや、やっぱりロボ回は反則だと思うけども。とにかく、こうして3期目に入って拡散を続ける世界ってのは、「まー、こういう構成になるわなー」くらいの気分で何となく見ていただけだった。「やっぱり僕はシンガンクリムゾンズかな」とか思うレベルで。

 でも……やっぱり元祖は強いわ。頭の悪さが一歩抜きんでている。無茶設定で振り回すだけの中盤の展開だったら別に気にならなかったのだが、最終回で全部持っていった。あんなもん、笑うしかないやんけ。すげぇ展開だ。「柱が……7本?!」じゃねぇよ。どんなライブイベントだよ。あの世界のアイドルファンたちはそうとう屈強な精神力を持っていないと押し寄せる理不尽の数々に対抗出来ない気がするぞ。そして最後は若本・杉田コンビで全部持っていくっていう。久しぶりだな、若本公認杉田。やっぱずるいわ、あれ。

 さぁ、To be continuedしちゃったよ。次もあるよ。いいよもう、好きにしてくれ。僕はこのまま同じ上松作品のシンフォギアに切り替えていくので。最大の焦点は、1000%, 2000%, Revolutionと進化を続ける連中に対して、100%,1000%と進んできた響がどんな曲を披露するか、っていうところ。うたプリの馬鹿に対抗出来るのはシンフォギアの馬鹿しかいない。将来的に「上松大甲子園」みたいなイベントが開催されたらエラい事になるな。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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