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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「黒子のバスケ(第3期)」 5→6

 やっぱり今シーズンもつつがなく。これでもいいのだ。

 無事に完結しましたなー。こうして全部通して見終わって、割とわたしゃこの作品が(原作・アニメ含めて)好きだったんだなぁ、っていうのを再確認した。この3期目にもなると完全にバスケがバヌケとして覚醒した後の姿だけが描かれているので非常に清々しい気持ちで見守れるし、何よりも赤司さんが格好良すぎるのでね。いちいちアイツが暴れるたびに腹抱えて笑えるわ。ただ、「2人目の赤司」が出てからの展開って意外に短かったな。こんなもんだったっけ。もう少し暴れてた印象があったのだが……まぁ、洛山は全員濃いから赤司だけに筆を割くわけにもいかないか。最後にやらかしてた実渕もアニメでよりキャラが立って印象に残るようになった気がします。

 超次元バスケってのは、実は案外ありそうで無かったジャンルであり、そもそもバスケ漫画自体、それなりに数があるとはいえ、野球サッカーという2大スポーツに比べればまだまだ作品数は少ないし、いじれる要素も残っているフィールド。そこでジャンプがきっちりと「ジャンプ漫画として」拾える要素を拾って作りあげた「バヌケ」ワールドは、テニプリほどの異次元に突入しないながらも充分に頭がおかしいという、ほどよいあんばいでとても見やすい。能力バトル漫画だけどそこまで小難しい理屈を捻らずに見せられるだけの画もあるし、アニメはI.G.のアクション描写のおかげでそれが更に極まっている。ジャンプ漫画のアニメ化は(ここ最近は)大体が恵まれたものになっているが、そんな中でも、ファンからのプレッシャーも大きいジャンルだけに、アニメスタッフもしっかりと与えられた任務をこなしてくれたのではなかろうか。

 今やってる外伝(続編?)もそのうちアニメになるんですかねぇ。「さわやかな青峰」とか「可愛い紫原」とか、憑き物が落ちた後のキセキの世代の活躍はもう少し見たいかも。

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「ニセコイ:」 5→5

 今シーズンもつつがなく。これでいいのだ。

 2期開始時に想像していた通り、1期よりも更に穏当な出来になっている。「穏当」ってのはシャフト的演出がどぎつい方向に向かわず、どんどん普通のアニメになっていることを表している。元々大して中身がある作品じゃないのでシャフトお得意の引っかき回し方には向かないし、そうしたデコレーションを必要としていない作品なので、自然と原作のテイストに寄っていくのは当然のこと。そして、別にそれは悪いことではない。どれだけ普通と言っても「シャフトはシャフト」なので、それなりに自己主張をしつつ、数多の原作ファンに怒られない程度にアニメを陰から彩るだけである。

 2期に入ってから「穏当な」出来になっていった理由はもう1つあって、ストーリーが進むことでキャラが増えたり、描く要素が増えたことで、自然と「それで足りる」ようになっているためだろうという気がした。ぶっちゃけ、アニメ見てても、現在の原作をリアルタイムで読んでてもほとんど代わり映えしないその圧倒的「変わらなさ」は恐ろしいくらいだと思うが、それでも一応、作中で時間軸は進んでいる。それがはっきりと分かるのはキャラクターの数で、今回のアニメでは主に春ちゃん、そして千棘の母親の華さんなど家族が増えた。これにより、単にエピソードを追いかけるだけでも充分賑々しく、話を進めることが出来るのである。個人的には春ちゃんの登場が一番大きなトピックですかね。いや、そりゃもちろんあやねるの仕事も立派なもんだけど、彼女のおかげで小野寺家の描写が増えたからね。小野寺母の出番も増えるからね。そういうこと。

 結局、この作品の見方は「誰が好き?」っていうのを決めてやわやわとヒロインの戯れを見るのが正しいわけですよ。そういう意味でシャフトの大崩れせずに適度な崩しを入れてくれるデザイン性はやっぱり今作に向いているのかもしれません。

 最終回は千棘回で幕を閉じたわけですが、僕はちゃんと途中でるりちゃん回(舞子回?)があったので不満は無いです。エンディングテーマも良かったし。あ、でも原作にあったるりちゃんのおじいちゃん回までは見たいな。原作持ってないから覚えてないけど、あれってどれくらいアニメが続いたら観られるんでしょうね。3期はあるのかなぁ。あるとして、羽先生が登場したらキャストは誰になるのかなぁ。

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「山田君と7人の魔女」 5→5

 思ってたよりも面白かったです。1クールで終わってしまうのは今後が気になってしょうがないが……原作読めって話なんでしょうけども。

 「入れ替わりもの」ということで(原作は序盤ちょっと知ってる状態ながらも)何となく追いかけて行くと、「入れ替わり」という要素は本作においては特異な世界設定のほんの一部であることがすぐに分かる。そこから展開していく「魔女探し」の話、そして山田・白石を中心としたラブコメ展開。どちらも常に新鮮な刺激が続くので、一切退屈する暇がない。駆け足じゃないかと思うくらいにサクサク話が進んでいくし、個々のキャラがしっかり立っていて見映えがするので、それこそ「たくさんの仲間を集めていくRPG」みたいな感覚で追いかけることが出来た。入れ替わり能力によって様々なキャストの聞いたことのない演技がたくさん聞けるというのも声オタには嬉しいサービスの1つで、はやみんのバリエーションが豊富なだけでも充分に観る価値がある。それにしても白石さん可愛くなっていったな。

 ただ、そうした「刺激の多さ」は性急さに繋がっている部分もあり、不思議現象が不思議なままで展開が加速し、後半はどこまでがルールで、どこからが超常なのかがよく分からなくなってしまったのがちょっと気になるところか。「もう少し腰を据えて見せてもらっても良かったかな」と思える部分が多く、中盤は魔女7人を見つけるために1話1人くらいのペースでどんどんクリアしていったために、流れ作業みたいに見えてしまうこともあった。小田切くらいに内面まできっちり描写された上で山田との関係構築が成立していれば文句無いのだが、そこから先の魔女は割と適当なんだ。能力もどのくらい強いものなのかがはっきり分からないままに進んだりもしたし。まー、ひょっとしたらその辺も原作通りなのかもしれないんだけどもね。ここからどういう風に進展するか知らないし。

 とりあえず「可愛い女子高生とキスしまくるラブコメ」としては充分な中身があり、画の品質も安定していたので充分満足。きっちり2期に繋げてもらえればこの続きもまた楽しめそうである。

 

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「えとたま」 6→8

 今期最高作品の1つ。もう、毎回悶絶しながら観ていましたが、今作は私の「好き」が全て詰まっているといっても過言ではない。

 細かい「好き」から始めれば「小動物好き」であるし、「長屋もの好き」だ。十二支という分かりやすいモチーフのケモ少女たちが1つ屋根の下でダラダラバタバタするお話。面白い。十二支のイメージは今後もどんどん変な属性が付与出来る伸びしろがあるし、何とか更なる展開を期待したい。もう、「十二宮星座なら聖闘士星矢がイメージを作りあげたが、十二支のイメージはえとたまが作った!!」と言えるくらいになってほしい。それぞれ黄金聖闘士に対応させるとするなら……鼠=双子座は確定で、蛇=乙女座も間違いないだろう。猪=天秤座にしておくと、残る師匠連中は虎=水瓶座、竜=射手座くらいに落ち着くだろうか。役割がちょうど被ったので羊=牡羊座、どうせなら牛=牡牛座もギリギリ当てはまりそう。残りをどう分配するかだが……とりあえず犬と猿は適当に蟹と魚に投げ捨ててしまおう。すると残るのは兎、馬、鳥と獅子、山羊、蠍か。不幸な立ち位置を考えると馬=蠍か? 兎=獅子になって、鳥=山羊か。まぁ、穏当なヒエラルキーじゃないでしょうか。なんの話だ。

 その他の「好き」は具体的なスタッフへの「好き」。エンカレッジフィルムズは追崎監督の先導によるスタジオであるが、やはりその根底には現代萌えアニメの祖、佐藤順一の魂が根付いているように思える。サトジュンイズムが垣間見せるチャカチャカと賑やかさを優先した画面作り、そして人情芝居とギャグのさじ加減。そのどれもがどこか懐かしさを感じさせるひな形に収まっている。今作はそうした懐かしさ、ベタさ以外にも、白組によるCGワークという新しい見せ場も用意されており、決して手堅いだけでは終わっていない。既に世界的には日本はガラパゴス化したと言われるCGアニメ技術であるが、孤島けっこう。萌えも燃えも、新しいCGで新しい地平を切り開くことが出来るのだ。今作はそんなジャパニメーションの一つの方向性に先鞭をつけた形になっている。もちろん、2Dシーンでの渡辺明夫デザインもたまらなくキュート。エロがそこまでエロくならないのは作品の性質上仕方ないが、むしろ可愛らしさにちょいとしたスパイスとして紛れ込ませる分には、これくらいが丁度いいのかもしれない。

 あとはもう、中の人大フィーバーですよ。最終話感想で書き連ねてしまったが、主人公・にゃ〜たんを演じた村川梨衣が、文字通りにこの作品の看板女優。看板娘。看板うざい。ほんとうっさい。オープニングテーマの「うるさいバージョン」とか聞いてるとホントに癖になるよ。りえしょんがりえしょんのままで活躍出来るアニメというのがこれほどまでに素晴らしいものになるとは、誰もが予想しながらも実現し得なかったものだったのだ(みならいディーバ除く)。もう、それだけでも金字塔。その他にもチュウたんについては最終話感想を参照してもらうとして、謎の存在感を加速させたウリたん役の花守ゆみり、作品の雰囲気を力強く支えてくれたモーたん役の松井恵理子など、若くて期待一杯のキャスト陣が実に伸び伸びと作品を作ってくれた。

 画も良し、話も良し、芝居も良し、(りえしょん良し)。これ以上何を望もうか。何卒、続編を。何卒2期ををををおぉぉ。

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「てさぐれ!部活もの すぴんおふ プルプルんシャルムと遊ぼう」 6→7

 まず最初に書くべきは、監督の降板騒動は非常に残念だったということだ。裏で一体どんなトラブルがあったのか分からないし、誰が悪いなんてことも分からないのでただただ「残念だった」としか言いようがない。「途中で投げ出すなんて無責任な」っていう論調も見かけるし、「ダテコーを怒らせるなんて、製作側がマジで無能だろ」みたいな論調も見かけるが、我々一介の視聴者には何とも言えない。ただ、石館監督が離れてしまったということは、この先も「てさぐれ」が永遠に続いていくという期待が持てなくなってしまうということ。また、今回の騒動で石館さんもアニメ製作に対する態度が変わってしまうかもしれず、「gdgd」「ロボットアニメ」と続いてきた流れがここで潰えてしまうかもしれない。そのことは、本当に「残念」としか言いようがない。

 以上が前置きだが……石館さん、あんた立派に仕事してるよ……今回も最高に酷かったよ! 最初に「コラボ」なんて言い出したときにはどうなるものかと心配していたものだが、全くの杞憂である。「てさぐれ」の勢いをそのままに、キャストが倍に増えた強みを存分に活かし、倍増した尺も何のその。むしろ尺が短すぎて、ラジオまで含めてようやく足りるくらいの壮絶な作品群が屹立している。流石にこれだけの人数、これだけの脚本なのでぶっちゃけ話数によって面白さにムラはあるものの、キャストいじりの本質、てさぐれのてさぐれたるユルさなどは全て理解した上での作劇であるから、1期から「あんこーる」の時よりも更にステップアップした、地獄のてさぐれワールドがどんどんその侵食域を広げ続けているのがよく分かるのである。

 まー、ぶっちゃけこれで爆笑してるのって、単に私が声オタだからなのかもしれないけども……今期も大量の地雷を踏んで踏んで踏み抜きまくって荒れ地だけを残していったわけだが、そんな地雷原の中でたくさんの才能が立派に(なんて立派に!)育っていった。これまでの歴史の中で既に完成を見ていた西明日香の「ほんとコイツ駄目だな」感、あけこの「どこまで行っても被害者」感などは健在なまま、今回新たに羽ばたいた才能をあえてピックアップするならば、1人目はもちろん荻野可鈴。百合狼の時のスーパープレイもさることながら、ゆとりパワーを隠すことなく、「馬鹿」を前面に押し出しながらも一切物怖じせずにマイワールドを突き抜けるそのあまりの力強さに、芸能界ってのは本当に恐ろしいところだと冷や水を浴びた思いである。そして、そんな彼女との相乗効果の中で、真逆に下へ下へと落ち続けていった闇の才能上坂すみれ。いや、いつも通りなんだけどね。すみぺはすみぺでしかないんだけどね。しかし、我々はどれだけ「すみぺは危ないやつやで」ということを理解していても、結局紋切り型の対処しかしてこなかったのだ。そう、ここでキングオブゆとり、リア充の花形である現役アイドルと2人きりにしてぶつけるというあり得ない化学反応こそがてさぐれ。上坂すみれVS荻野可鈴の「高学歴VS自称馬鹿」の対決は、歴史に残る一幕になったのではなかろうか。もう、あの回だけでも永久保存版だ。人間って、怖いよ。

 そして、これだけの化学反応をみせた2人がいながらも、その上に覆い被さるのがゆとり神。ゆとりの上にはまだゆとりが立ちはだかる。大橋彩香。彼女のへごイズムに底は無い。

 是非とも、シャルムもてさぐれも、更なる展開が続きますことを祈っております。

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「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」 5→5

 例の紐の話題で持ちきりとなり、その後紐フィーバーが収束するとまるで忘れ去られたかのようななおざりな扱いを受けてしまったという、なんだかかわいそうな作品。でも、決して紐だけには終わらない魅力はあったと思うんだよね。たとえば神様が可愛かった。あと、神様が可愛かったし、おまけに神様が可愛かった。

 というわけで、今作を端的にまとめると「ヘスティアちゃん万歳」になる。……すまん、結局紐だな……いや、中盤まではそれだけじゃない盛り上がりもちゃんとあったんだよ。具体的にはリリのパーティー入りまでのお話は、ベタながらもきちんと見せられるだけのものが作れていたし、6話感想で書いた通り、シナリオを支えるだけの世界設定の魅力も、そこから作り出される映像面のこだわりも、単に「良くあるラノベ」で十把一絡げにされるのはちょっと勿体ない出来だったと思う。今時珍しい、「努力して強くなっていく」主人公だったのだし、そのあたりを丁寧に描いて、じわじわレベルを挙げていく話にすれば、今頃ゲーム中盤くらいの一番面白い展開が楽しめていたのではなかろうか。

 ただ、やっぱりそれだけではラノベとして成立させてもらえないらしく、後半の展開はいくらか性急になり、安っぽさが目立つようになってしまった。「結局ベルが主人公補正で俺ツエーしてるだけの話じゃん」と言われても反論しにくい状態になってしまい、展開も毎回似たようなもの。もう少しピンチの種類を増やすとか、回りのキャラのベルへの接し方にバリエーションを持たせるなど、細かい部分に変化を持たせられれば良かったのだが、いかんせん、「とにかくモンスターがガオーするだけ」だったし、世界の人間も「無条件でベルを支える便利アイテム軍団」と「無条件でベルをいじめる単なる悪人軍団」だけになってしまい、そこにキャラごとの魅力を感じるまでには至らなかった。リリと同じくらいの掘り下げが出来るキャラがもう1人いれば、中盤以降のお話もまた違ってきたんだろうけどなぁ。

 まぁ、それはともかくヘスティア様だ。結局、どれだけつまらない展開になろうとも、ヘスティアちゃんがほっぺを膨らませてプリプリしてくれてるだけでいいのである。「積極的なロリ妻」という配置に、水瀬いのりボイスの完璧な調和。彼女が毎朝ベル君に朝ご飯をつくって送り出すだけのアニメでも全く問題無かったのではなかろうか。是非とも「それゆけヘスティア様」みたいなスピンオフ作品で新しいアニメをつくってほしいものである。ん? ちょぼらうにょぽみがコミック出してるって? うーん、あれはちょっと……。

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Fate/stay night[UBW](2期目)」 5→5

 最終話のウェイバー君は笑ったわ。あとルヴィアさん出してくれてありがとう。これでごく自然に夏からの「プリズマイリヤ」に接続出来るね! 

 まー、普通だった。いや、もちろんufotableの高品質動画には毎回感心させられっぱなしではあったのだが、ずっと1枚絵を観ているわけにもいかず、シナリオ自体は「知ってるもの」だったし、比較対象が「Fate/Zero」なのでどうしても見劣りしてしまう部分はあるもので。

 今作は(特に後半部分は)徹頭徹尾「エミヤの物語」であり、衛宮士郎およびアーチャーというキャラクターの数奇な運命を語ることが主目的のお話。そこに厚みが出れば自然に物語は盛り上がるし、そこが白々しくなればうすら寒いお話になってしまう。個人的には、どうしても「今の士郎」とアーチャーの接続が上手く行かず、「結局お前が悪いんちゃうの?」という目線でしかアーチャーを見ることが出来なかったので、最後まで彼らの熱の籠もった対決がピンと来ないまま終わってしまった。どこまで言っても「士郎のお話」にしかならないので、回りのキャラクターの役割もなんだか雑になってしまう部分もある。「聖杯戦争」という魅力的な設定を活かしてとにかくたくさんの無茶な連中が暴れ回っていた「Zero」と比べてしまうと、スケールダウンしている感は否めないだろう。

 しょせん高校生のイチャイチャが中心だったのだからそのあたりはしょうがない部分だが、それなら個人的にはあんまりピンと来ないアーチャーさんの話よりも、振り切ってただひたすら頑張ってくれるセイバーさんの活躍が見たいわけですよ。「Fate」シリーズとの接触作品という意味でも、個人的には1作目の方が好きだったかもしれない。映像面ではこちらの方が優れた部分も多いが、それだって時代の変化だしねぇ。ま、あくまでDEEN版は一本立ちした「stay night」という物語であり、こちらは「Zero」の後日譚というサービス要素を盛り込みつつの「おまけシナリオ」みたいなもんだと思えばいいのかもしれない。少なくとも「凜ってこんなに可愛い奴だったんか」というのが分かっただけでも収穫ではありますのでね。

 さて、7月からはその凜さんも含めてまたみんなぶっ壊れるわけですよね。もう、今からそっちが楽しみですわ。

 

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「ガンスリンガーストラトス」 5→3

 んんんんん……盛り上がらんかったね……しょうがねぇよなぁ。先立つものがなかったからなぁ……。

 各方面で話題になっていたが、まず、作画状態がとことんまで安定しなかったのが最大の難所。今期のA-1は4本同時進行ということで不安視はされていたわけだが、これまた話題の通りに「電波教師」は安定のお通夜状態、更にこちらの作品も1話たりとも「これが本来やりたかった作画かぁ」と分かる回がなく、全ての話数でどこかしらがぷるんぷるん天国。終始シリアスで、ハードな世界設定をやりたかった作品なのに、それを描くための作画状態がブレブレぐずぐずでは、どれだけお話を練り込んだところで視聴する側のやる気がついていけない。結局メインヒロイン鏡華ちゃんの本来の顔ってどんなものだったんでしょうね……。

 それでは、作画の部分に目をつぶり、キャラの顔が愉快でも、戦闘描写がもっさりしていても我慢したとして、ひたすらSF的世界観だけを追いかけ続ければ楽しい作品になったかというと、残念ながらそちらにも疑問符は飛び交うのである。やっていることはとても面白いと思う。「有り得べき未来、他の時間線の自分たちとの戦い」というのは悲劇も活劇も含めて様々なギミックを仕込める可能性があり、ネタとしては非常にやりがいのある舞台設定だ。1クールと短い中ではあまり凝ったギミックを盛り込むことは出来ないかもしれないが、「同一人物が多数相対する」という独自の設定を活かせば、限られた時間の中でもいくらでも視点を与えることが出来るし、新鮮味のあるドラマ展開も考えることは出来ただろう。しかし、残念ながら本作の場合にはまず「世界の説明」「今、誰がどこで何をしているか」ということを説明するので手一杯になってしまい、そこから新しく興味を引くドラマを広げていく時間が一切無かった。好意的に解釈すれば出会いや別れだけでも一応はドラマになっているとはいえるのだが、それだって「こっちの時間の徹はこういう考えを持っていて、あっちの時間の徹は世界がこんな風に違うから意見が合わないよ」っていうのを全部説明してからでないと、個々のキャラの感情が追えないためにスタートラインにも立てない。そして、今作はそうした「スタートライン作り」に手間取ってしまったおかげで、「生きてるよ」「友情が芽生えるよ」「死んでしまったよ」といった要素が事実の羅列になってしまい、お話としての盛り上がりを与えるまでに至らなかった。もちろん、そうした要素にも作画が足を引っ張っているというビハインドは大きかったと思うが……これが最大級に調子の良いA-1の作画でやったらすごく面白かったかと言われると、別にそうでもなかったんじゃないか、という程度のものであった。

 更に、なんでこんなに作画が辛いんだろう、と思ったら、なんかTV版とWeb版で違う展開があったっていう。わざわざ特番用意してそのあたりのギミックを懇切丁寧に説明してくれていたわけだが、「いや、しらんがな」っていう以上の感想は出てこないよね。確かに「ずれていく時間線を描く」というのは斬新な思いつきだし、やってみたかったことを実現させたことは「おめでとう」と言わせてもらうが、だからってそれが面白いかというと……これを1つの作中でやるならいいんだよ。「ヨスガノソラ」みたいな分岐ものとして描かれたら分かりやすくなったのだろうけど、微妙な差分から結末が変わるというバタフライエフェクトを表現するにはそれも使えない。結局「気付かない人は絶対気付かない」というどうでもいい処理になってしまっている。何しろ作画があの状態なものだから1回観るだけでも結構な難行であり、それをTVWebで2回も観て、差分を検証しようなんて熱心な視聴者はそうそう出てこないよなぁ。「エンドレスエイト」や「悪の華」のテレスコと同様に、「やってみたことは評価するが、結果として出てきたものは評価出来ない」という結論である。

 やはり、事ここにいたって、アニメ業界は粗製濫造の傾向を早急に見直さなければならないだろう。コンテンツの消耗も、人材リソースの消耗も、どちらもこの作品に顕著に問題として表れているのだから。ひとまず、この作品はそうした業界への警鐘と受け取って供養にすることにしましょう。南無阿弥陀仏。

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「パンチライン」 5→4

 大体言いたいことは毎週の感想で書いちゃったけども。色々と可能性を見せつつ、それが結実しないままに閉幕した感のある勿体ない作品。

 映像素材としての点数は高い。MAPPAはまだまだ独立スタジオとしては新興なのでスタジオの色というものは定まっていないが、今作でも独自のデザイン性を遺憾なく発揮して、「こういうのもできるんやで」という器用さと層の厚さを見せてくれた。オープニング映像に代表されるような賑やかな画面に加え、クライマックスを彩った諸々のアクションシーンなど、ノイタミナ作品の名に恥じない充分な素材を提供してくれている。ループもの独特の煩雑なシナリオラインについても、長屋住まいの面々の群像劇としてまとめることで案外分かりやすくまとまっており、無茶なシナリオラインにも関わらず「不明瞭さ」はあまり感じなかった。つっこんで見ていけば疑問は尽きないだろうが、何となく賑々しい画面を見ているだけの軽いお付き合いならば、魅力的な要素も多かったのではなかろうか。

 しかし、「軽いお付き合いならば」という条件は殊の外ハードである。何しろループもの。何しろ時間跳躍もの。どうしたってそこかしこに伏線を仕込んだり、SF的なネタを回収したり、「何となく」ではやり過ごせない要素が多すぎる。「適当に見よう」というのでは頭に入ってこず、グリチョコパインの入れ替わりの面倒さなど、少しずつライトユーザーを削っていくことで、「ちゃんと観る」ことを強いる作品の方向性はどうにも動かない。もちろん、そこから「ちゃんと観る」に耐えるだけのお話が展開されていれば問題無いのだが……残念ながらそこまでのものにはなっていない。感想でも度々不満を漏らしていた設定の適当さ、そして不必要と思える要素の詰め込み過ぎ、「群像劇」と言えば聞こえは良いが、実際には回りのキャラクターに割かれる時間はそこまで多くなく、どうしても薄味の進行にならざるを得ない。そして個人的に最大のノイズとして気になったパンチラ要素。ほんと、要素としてはアレが一番浮いてたと思う。視聴者サービスを心がけていたのかどうなのか。結局作品の魅力に接続されない要素として宙ぶらりんになってしまい、むしろ没入を妨げることになってしまったのは本当に残念。

 何故このような結果になったかを探ってみると、制作者インタビューでその答えが何となく見えるような気がした。どうやら本作は元々ゲーム企画として作られていたものらしく、それが何の巡り合わせなのか、シリーズアニメとしても脚本構成されることになったという。なるほど、確かに作中でも度々「これって覚えゲーだよね」と思わせる要素がたくさん出てきており、あらゆるフラグを踏んで未来を確認していく過程はまさにアドベンチャーゲーム。不必要と思われる要素にしても、ゲームにおけるサブカテゴリだと考えれば納得も行く。元々「パンツを見たら人類滅亡」という(心底訳の分からん)思いつきから始まったもののようだし、そこを中心として「パンツ見ないアドベンチャー」として本作をプレイ出来たのなら、「最終的にパンツ云々がこんな大仰な話になるなんて!」と笑いながら楽しめたような気もする。

 しかし、現実にはこれがゲームではなく、まずアニメになった。わずか12話のシナリオの中では、こうした「覚えゲー」の魅力を完全に再現することは出来ず。その断片だけが視聴者に目に晒されることになったわけだ。そりゃ破綻無く走りきる方が難しいってもんだ。こうしてみると、やっぱりゲームのアニメ化ってのは簡単なことではないよなぁ。振り切ってしまって「ワルキューレロマンツェ」まで行けば頭空っぽにして楽しめたのだろうが、今作はそういう方向性に逃げられないし……。むー、企画段階でちょっと無理がありましたね。MAPPAの次作に期待しましょう。

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