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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「終わりのセラフ」 6→6

 途中から感想書かなくなってしまったことからも分かる通り、いくらかトーンダウンした感は否めないものの、やっぱりこれはこれで唯一無二の作品になっていたとは思うのです。

 トーンダウンってのは単純にシナリオラインに強力な誘致要因が無くなったことによるもの。考えてみりゃ掲載誌がジャンプなんだからそこまで恐ろしい展開になるわけはないんだよね。鬼呪装備獲得後の吸血鬼との直接対決は、戦闘自体に見るべき点があまり無く、どの試合も基本的に「一方的に強い側が弱者を嬲る」という展開ばかりになってしまっていた上に、そうした「強さ」の尺度が今ひとつはっきりせず、戦うにしても単に剣で斬り合ってザクーってな展開が多かったものだから、あまり積極的な盛り上がりを作れなかったのは素直にマイナス要素であったと思う。そのへんでオリジナリティをみせろと言ってもなかなか難しいとは思うが、全体的に戦闘を展開するテンポが悪く、鬱なシナリオラインとも相まってどこかどんよりした、気の重いバトルシーンが多かったので意気を削がれてしまったのは間違いない。

 しかしまぁ、そうした部分でのマイナスを加味したとしても、やはり今作の映像は秀逸。というか、もう背景美術の一点だけでも観る価値はあるんじゃなかろうか。毎週毎週、よくもあれだけの美術を維持し、そこにキャラクターたちを溶け込ませて描けたものだと思う。メリハリの効いたキャラクターデザインも実は非常に危ういバランスの上で成り立っており、もうちょっとでも「アニメ的な」絵を推し進めてしまうと、あの背景デザインとは遊離してしまうことになったであろう。アニメ的に輪郭のはっきりした絵を造りながらも、どこか粗く削ったような線の揺らぎを残すことで背景に合わせる事に成功したデザインやモーションは、作品の独自性を訴える上で最大の武器になっていたと思う。

 そして、こうしたデザインから繰り出される女の子の可愛らしさね。具体的に言えばシノアちゃんの可愛らしさね。結局、最初から最後まで彼女を愛でるために観ていたというのが正直なところでしてね……あ、吸血鬼姫が出てくるときだけは話が別だけど。人間側代表、柊シノア。吸血鬼代表、クルル・ツェペシ。この2人がいる限り、2期目も問題無くこの世界か可愛らしいままでしょう。10月まで延々4話をリピートし続けるんだ。クルル様に「首を千切ろうか?www」って言われ続けるんだ。

 そんな日常です、僕は元気です、敬具。

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「ハイスクールD×D BorN」 6→5

 実家のような安心感(嘘)。こんな実家、嫌だ。

 初期配点は何のテンションなのかちょっとやり過ぎてたので戻させてもらいましたが、別にご不満はございません。いつも通りに、いつもの中身が展開されただけです。流石にどんな作品でも3期もやれば年季による見せ方ってのは安定してくるもので、こちらもいい加減にどう観ればいいかを心得ているので積極的に呼吸を合わせていくことが出来るわけです。ナイス連携。わざわざ息を合わせなきゃ観られないようなもんなのか、って話だけども。まー、そりゃ手放しで喜んで正座しながら観るような作品ではないわな。

 特に大きく褒めるつもりもないが、今期は2期よりも好きだったかもしれない。2期は「1クールしかないくせに二部構成」というなんだかよく分からない展開で、そこに特徴を見出すほどのものでもなかったので半端になってしまった印象だったのに対し、今期は芯を貫くシナリオラインが良くも悪くも安定しており、非常に観やすい、ベタベタの展開が微笑ましい。「イッセー頑張る」→「敵がもっと強い」→「だからもっと頑張る」というだけの少年漫画展開であり、毎回そこにちょっとだけ違うヒロインが調味料として加味されるだけ。今回は途中のアーシア救出編からクライマックスのリアス部長対決編まで、素直に1クールの中で物語が膨らんでいることが分かりやすく、インフレを繰り返す少年漫画設定で飽きてきそうなものなのに、適度にヒロイン勢の刺激が変わってくるだけで何となく観られてしまう。2期で加わったゼノヴィア、ギャスパーに大きな活躍のシーンがなかったのは残念だが、小猫ちゃん、朱乃さん、そしてアーシアというオリジナルメンバーにそれぞれ見せ場があったのだからこれはしょうがないところか。特に朱乃さんはリアス部長と肩を並べながら丁々発止の関係性でやり合ってる図が活き活きしてて良かった。

 あとはやっぱり開けっぴろげな健全エロ要素が最大の売りなわけでね。どこぞの光だらけ作品と違って、すっぱりさっぱりとさらけ出してくれるのはストレスがないし、ちゃんと作品の個性として活きてくるので良いことですよ。作画は毎回しっかりしてるし、「ちゃんとそこに力入れてくれてるんだなぁ」というのが分かるのはとても良い。そしてそれがギャグ要素の方へと落とし込まれ、単にあけすけなエロばかりにならない心遣いも嬉しいじゃないですか。まぁ、最終話のラストはどうやねんとは思うが……梶君の熱唱に笑ってしまうわ。

 とりあえず、今回のお話で無事にグレモリー軍団は全ての駒をそろえたことになる。せっかくなら全部の駒が揃った後のお話もみたいよねぇ。4期は……ある気がするなぁ。

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「攻殻機動隊 ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE」 5→5

 本日が新劇場版の公開日らしいですね。僕は見に行くかどうか微妙なトコですが。

 アニメで放送されたこの「ARISE AA」は、「何となく攻殻見てる勢」からすると、純粋に「劇場で金払わないで映画見られた」というだけで割とありがたい放送であった。どんな内容なのかは少なからず興味もあったし、劇場で心構えをしながら観るっていうスタイルでなしに、何となく2話区切りで追いかけられるのもストレスフリーである。各々の話のつながりについても「2話区切りで一本の劇場版だよ」というアナウンスが事前にあれば分かりやすいし、放送順についても理にかなったものになっている。

 ただまぁ、そういう状況がありがたいと言いつつも、非常に身勝手ながら、やっぱり劇場でしっかり観るべき内容だったかなぁ、という気持ちも同時にあったりする。元々攻殻ってのは画面の情報量が多く、(悪い意味ではなくて)非常にストレスの多い造りの作品になっている。端的に言えば劇場の大画面で観た方が良い要素が多い。シナリオラインにしても、2話に区切ってしまうとどうしても1つ1つスケールが小さくなってしまう感じがあり、出来ることならば1つ1つのタスクを一気にみてしまった方が没入度が高くなるのは間違いない。元々「そういう流れ」を意識して作られた作品を、時間区分を変えて再編集することによって、なんらかの歪みは生じてしまうものだ。攻殻ってのはなかなか単純な起承転結の物語に収束しない場合も多く、2つに分けて山場を維持したり、見せ場を強く押し出したりするのは案外難しいものである。

 もちろんそれって劇場版と比較しないと分からない要素であって、見てない私みたいな不真面目な視聴者には憶測の域を出ないものではあるのだが。あとは「ARISE」になったことによるコンセプトの変化が受け入れられるかどうか、というのも大きなポイントになってくるだろうか。「まだ結成すらされていない9課」のあれこれを描くというのは非常に意欲的なコンセプトであり、まるでメイキングを見ているような不思議な高揚感がある。そして、その逆に「こんな少佐は見たくなかったんや……」という気持ちもどこかにある気もする。マジで恋愛に燃える少佐の姿を見て喜べるか、苦い顔をするかは本当に個人の楽しみ方次第だろうなぁ。僕の場合は……その中間くらい。やっぱり少佐はずっと少佐でいて欲しいっていう欲求があるのは事実だな。

 新劇場版、個人的にはツダケンのパイロマニアが更なる活躍! ってんならとても気になるのだが、残念ながら彼のごたごたは劇場版では直接見られないみたいなんだよなぁ。

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「トリアージX」 4→3

 今期の最終回ラッシュも、当然いつものように角川枠からスタートする。10話しかない中でどのようにとりまとめるか、というのがこの枠のいつもの課題なわけだが、まー、ここまで適当に片付けるのも珍しいわな。

 他の放送局がどうだったのかは知らないが、私の視聴していたBS11では、残念ながら湯気や光は一切トリアージされないままの放送である。こんだけ露骨な奇形乳を見たいのかと問われれば「別にそうでもない」というのが正直な意見ではあるのだが、いつも書いているように、「乳やらなにやらが見えないということ」よりも「余計な光や湯気で画面が歪められること」が嫌いなのである。最終話なんてあまりに露骨すぎるサービス回だったので、放送版ではAパートなんてずっと真っ白なままで、下手したら何が起こっているのかも分からないレベル。流石にあれを放送して「アニメを作りました」といわれても、「いや、見えねぇよ」としか言いようがない。そりゃまぁ、この手の作品での湯気商法はある程度の実績があるだけに脈々と続くのは致し方ないところであるが、そろそろ新しいセールスモデルを考えて、何とかこの無駄な時間を無くしてはもらえないものであろうか。

 本作の場合、こうして「湯気に隠されるような要素」を潔くトリアージすると、その後にはあんまり残るものが無い。テーマとしては必殺仕事人であり、各話でちょこちょこと悪人をぶっ潰して正義を気取ったり、時には過去に悩みを抱えた仲間の隊員の更生活動に協力してみたり。陳腐ではあるが、そこに特別悪い部分があるとは言わない。しかし、やっぱりいくら何でもテンプレすぎたし、このアニメを毎週欠かさず視聴しようというモチベーションには繋がりにくい。女の子どうしの戦いや、きちんとサイケな相手と戦う時は別にいいのだが、それ以外で登場する「トリアージすべき悪」の描写があまりに適当過ぎる。1話目だけだったら「いわゆる分かりやすい街のダニ」を出してそれを誅滅する流れを確認するのも悪くはないが、そういうコピペみたいなチンピラ悪役が毎回毎回飽きもせずに出てくるのは流石に萎える。あの世界にはブラックラベルという仕事人集団がいるという事実は(少なくとも裏の世界では)公然の事実なのであるから、悪者軍団ももう少し警戒心を持って、慎ましく謙虚な悪事に励んでほしいものである。どこまで行っても登場するのが「馬鹿なチンピラ」ばかりなのは何故なのでしょう。

 あえて今作で良かったと思う点を挙げるならば、最後の最後まで男が添え物でしかなかった部分。嵐は一応物語の中心にいて「ヒーロー」のポジションであり、最終話のラストカットが彼の映像だったことからもその事実は確認出来るが、本作での彼の役割は本当に些細なものである。ドラマも特に掘りさげられず、「ヒロイン勢が困った時に色々解決してくれる銃火器」程度の扱い。「主人公の活躍が見たい!」という欲求がある人にはこれ以上無いくらいの苦痛だろうが、もう、どうせ女の子のあれこれが売りなのだから、このくらい思い切って野郎を奥に引っ込めてしまうのはアリだろう。まぁ、だからといって面白くなったかと言われれば微妙ではあるのだが……。

 今期放送された他作品で今作と比較しやすかったのは「ハイスクールD×D」であるが、個人的にはこっちよりも「DD」の方が好きである。この「トリアージ」は1話完結の仕事人ミッションの魅力が薄く、それを繋ぐ縦軸となるお話も非常になおざり。「DD」の場合にはいわゆるラノベ展開ではあるものの、一応「次のお話」を追いかけるための誘導があり、一本のシリーズとしてまとまっている。今作はマンガ原作っていう媒体の差を、そのまま埋めずにアニメ化してしまったような部分が勿体なかった。まー、ひょっとしたらそういうところにも10話制限ってのが響いているのかもしれないが……。

 中の人については、確か新番チェックの時にも書いたけどもメインヒロインに近藤唯っていう起用はやっぱり悪くなかった。安定して仕事の出来る人だと思うので、今後少しずつ活躍の場が広げられればいいのだけど。あと、最終的に一番の中心人物になったのがうりょ子のキャラだったのは意外。久しぶりにフル回転した女性役のうりょ子を見た気がします。

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「デス・パレード」 7→7

 この作品をもって、無事に今期アニメの最終評価枠も全作品が終了。今期終了分は36本。まぁ、妥当な本数だな(感覚が麻痺してきている)。この春は冬クールよりも多少視聴本数は減りそうで安心しています。ほんと「多少」だけど……。アニメ製作もいくらか規模の縮小は進行しているようなので、出来れば週に40本以下で落ち着いてくれると助かります。

 さておき、そんな中でこの「デス・パレード」であるが、最初の段階で思い切って7をつけたことは決して買いかぶりではなかった。そもそもの出自からして、「アニメミライ」で放送された「デス・ビリヤード」からのシリーズ化という、当該企画のなかでは最大の功績として取り上げられるべきものであり、そこには一切の妥協は許されない。真剣に「アニメーションとしてのクオリティ」で勝負をかけてくれたおかげで、こちらも真正面からそのチャレンジを受け止めることが出来た。監督に抜擢された立川譲氏はまだまだ若手であるが、見事にその重責を果たしてみせた。11つの画を作り上げるデザイン面でのセンスに優れているだけでなく、画面に「語らせる」芝居の作り方にも一家言あるようで、6話や9話などに象徴される心理劇の造形が見事である。マッドハウスの優秀な制作スタッフに恵まれたおかげという部分もあるのだろうが、立川氏はなんとシリーズ構成、脚本までを全て1人で抱え込んでのこの実績である。今後のアニメ業界でも注目すべき人材なのではなかろうか。

 個人的に、「地獄少女」や「妄想代理人」でアニメにずぶずぶとはまったことからも分かる通りに、こういう分かりやすい「人間の暗さ」を主題にした悲喜劇というものが大好きなのである。おかげで必要以上に評価が高くなっていることは否定はしないが、こうしたテーマというのはそれこそ古今東西様々なジャンル、メディアで描かれてきたものであり、新しいスタイルを生み出すことはとても難しい。今作においては、「死の裁定」というコンセプトは古来よりあるものだが、「裁定する側の咎」というテーマを扱った部分が新鮮であり、それを通じて「生と死」という普遍的なテーマを振り返るメッセージ性もストレートで非常に見やすくなっている。そして、これだけを見ればどうしても説教臭くなってしまいがちなコンセプトであるところを、絶妙なシナリオ配分でもって時にはぐらかし、時にずらしてゆっくりと外周を固めることで、きちんと視聴者の興味を維持したままで語ってみせているところも秀逸だ。最初の単発作品の時に生まれた「死を賭けるゲーム」という(これまた陳腐な)目先のテーマに惑わされず、「それをもって何を描くか」というところまでちゃんと突き詰めて作品がデザインされているのが白眉な点だ。本人がどう思っているかは知らないが、立川氏は脚本家の分野でも充分に仕事を任せられるだけの技能を持っているのではなかろうか。

 「アニメミライ」もこれで一応「若手育成プロジェクト」としての面子を保つことが出来たわけだよね。出来ればこうした成功例が今後も続けられるように、アニメ業界で使える自由なお金は今後とも維持しておいてほしいものである。

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「アイドルマスターシンデレラガールズ」 5→6

 とりあえず前半戦終了。現時点で何か評価をする必要性は無いと思うが、節目としての記録は残しておこう。

 良いアニメ化ですわね。2話目で一気に346プロのアイドルが10人以上まとめて紹介された時には「流石に覚えきれんわ」と思っていたものだが、わずか3ヶ月を経た現在、問題無くメインメンバーは覚えることが出来ている。とりあえず、それだけでもかなり難しいタスクであるはずだ。その上で作中では大きな齟齬も生じず、確実に「1ユニットずつ消化する」という形で全アイドルに見せ場を用意し、アイマスアニメの売りであるライブパート、歌唱パートを設けて本来のセールスにもしっかり切り込んだ作品作りになっている。この構成は、簡単そうに見えてなかなかできることじゃないだろう。ちゃんみおクライシスにより波紋を呼んだりもしたが、「あれだけアイドルを目指してる若い女の子がいれば、そりゃ誤解もあるし若さ故の過ち、情けない部分も出るやろ」という「紛れ」を上手いこと落とし込んだ結果と考えれば、むしろ上手く行った部類のシナリオ運びだったのではなかろうか。

 それに加えて、やっぱりアイマスのライブ動画というのは良いものだ。出来る限り手描きによる見せ方を徹底しており、個としてのキャラのモーションの統制を重視するのではなく、ある程度大きな「グループ」としての動きを見せる演出方向。全員が同じモーションになってしまうCGモデリングではなかなかこうした「生っぽい息づかい」は生まれにくいもので、労力をかけた分だけしっかりと独自色が出て魅力に繋がっているという好例といえるだろう。やはりアイドルアニメの先駆者としての矜恃は伊達ではないのだ。

 その上で、後半戦に繋がる課題も残されているのは事実。間に総集編が挟まったことは、やはり製作状況の問題を表したものだと考えるべきだ。作画は高い水準で安定していたとはいえ、一部で粗が見えたのは事実であるし、全てのユニットのエピソードが完璧に描けたとは言い難く、エピソードごとにどうしたってムラはできる。まぁ、今回の「前半戦」は、より密度の濃い「後半戦」の布石と考えればそれをマイナスと取る必要はないわけで、そこはどうしても「中間報告」であるから、良し悪しについては判断を保留するしかないか。こうして期待感を高めておいて、期間を空けての「本番」と考えると、後半戦にかかる期待は無闇に大きくなり、ハードルはガンガンあがってますけどね。さぁ、ファンの熱視線に応えることは出来るかな?

 どうでもいいことですが、現時点で私の順位は「きらり(杏装備)」→「かな子(最盛期)」→「莉嘉」→「きらり(単体)」です。もし「中の人が本気出した美波さん」っていう隠しキャラが出たら上位に躍り出る可能性はあるけども。「私が熱を出したのはしょうがないけど、あっちゃんは舞台に出させてあげて!」「あやっぷぇ〜(´;ω;*)

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「寄生獣 セイの格率」 5→5

 なんか、特に話題にならずにひっそり終わっていった気がするんだけども……別に悪いアニメじゃなかったよね。

 新番チェックの時にも書いたが、わたしゃ「寄生獣」というビッグタイトルを読んだことが無かった。おかげでこのアニメがファーストコンタクトになっており、「原作と比較してどうこう」という尺度を一切持ち合わせていないのである。そんな人間からすると、「なるほどコレが寄生獣かー」ということがよく分かる出来になっていて、つまらない部分というのも特にない。ぶっちゃけそこまで大きな盛り上がりってのもあまり見出せなかったので、淡々と「原作で与えられたシナリオ」を消化していった印象はあるのだが、それでも充分に面白いからこそ人気もあるし、これだけの時を経てアニメ化することになったのだろう。寄生生物との戦いや共同生活というパッと見のインパクトから物語に入り、そこからきちんと「他の種族という生物」の問題、「人間は何故人間なのか」という問題にも立ち入り、それを物語の中で効果的に処理したシナリオラインも綺麗なものだ。そして、最終的には新一とミギーの友情物語としてまとめられる。ふむ、なるほど理想的なドラマ作りである。

 そして、今作をアニメ化するということは当然「独自のモーション」を見どころとすることになる。ミギーの変幻自在のモーフィングの様子と、それを活用したバトルの描写は、上手く描ければ漫画原作以上の見映えを生み出すことが可能であり、それこそが本作最大のセールスポイントになり得るところ。ただ、そのへんについては思っていたほどのインパクトは得られなかったというのが正直なところか。まぁ、これも作品の性質を考えればしょうがないところで、最初は「異物」として主人公の新一に忌避されていたミギーも、最終的には「友達」として、「身体の一部」として生活のなかで融合していくわけで、そこに異物感を残したままではドラマが完結しない。我々視聴者側も、少しずつミギーや寄生生物たちの動きに慣れていき、気付けばそこにいることに違和感すら無くなる。こうして彼らが「消えて」行く余韻こそが、今作の幕切れなのだ。そうだとするなら、最後の最後まで「気持ち悪い!」とか「変!」という感情を引っ張ることは間違いである。なかなか難しい題材のアニメだったのである。いや、どの程度考えて演出されていたかは定かじゃないが。

 結局、原作人気が高いが時代が遡り過ぎる作品ということで、どのあたりをゴールに位置づけてアニメとして作り込むかは正解を定めがたい問題であった。今作が完璧なアニメ化だったかと言われれば、議論の余地はあるのだろう。それでもまぁ、私みたいに原作を知らない人間でも「割と面白かったよ」と言える結果に終わったのだからこれはこれで良かったんじゃなかろうか。個人的には田村玲子を巡る物語なんかはグッとくる部分が多かったので割と好きだったよ。

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「少年ハリウッド(第2期)」 5→6

 やっぱり少ハリは少ハリだった。この理由のよく分からない中毒性、漠然とした不安を抱え続ける話作り。今まで数々のアニメを観てきたが、こういうジャンルってのは一切食指が動かないのが基本だったのだ。ひょっとしたら、私の中でパラダイムシフトが起こったという意味で、今年最大の出会いはこの「少ハリ」だったのかもしれない。

 2期目がスタートするにあたって、「少ハリの面々が本当にアイドルになっちゃったら1期目みたいなもぞもぞする変な楽しみ方は出来なくなるよねー」と心配したわけだが、こいつらにそんな心配は無用だった。確かにアイドルとしては大きく成長した。ファンの数は一気に増え、アイドルとしての自覚も出てきて人気もうなぎ登り。このままあとは「マジLOVE」レベルのアイドルにのし上がれるかと思ったら、まー、ハリウッド東京にそんな無責任な夢物語は起こるはずもなく。今期も握手の仕方で悩んでみたり、センターの奪い合いでお互いに「結局アイドルって楽しいのかね」と探り合ってみたり。どこまで言っても「アイドルの華々しさ」よりも「裏側に横たわる少年の青臭い悩み」をベースに繰り広げられたお話だった。クライマックスとなるハリウッド東京乗っ取り事件についても、結局は自分たちの中のアイドル像を探るだけで完結して、大きな変革なんかなかったわけだしね。でも、それで良いのです。こいつらも将来は結局大道具係になったりケーキ屋開いたりしそうだよなぁ。シャチョウはシャチョウのままなのに。

 1期と比べると流石に露骨な遊び要素は減っているが、それでもキラの初恋話を今更盛り上げてみたり、トミー初主演のドラマがダラダラ垂れ流されたり、1期同様に変なところで刺さるエピソードは多い。個人的にはメンバーの中では(どこぞの妹さんと同様)生馬が一番のお気に入りなので、センター奪取話でのガチテンションは割と新鮮だったし楽しかった。もちろん、一番のお気に入りはキャットメイン回だけどね。このアニメ、狙っている層は当然腐女子を中心としたおねーさん層なのだろうが……こんだけ好き勝手に遊んでて正当なニーズに応えているのだろうか……まぁ、僕が楽しめりゃどうでもいいんですけどね。

 結局、作中で一番目立たないのが颯っていうのは変わらなかったよな……。

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「蒼穹のファフナー EXODUS」 5→5

 まー、1期目のファンだった人前提のアニメですよね。全く記憶が無い人間が突然追いかけて理解できるようなないようにはなっていなかったので、合う合わない以前に私は観る権利のない人間であった。

 とはいっても、実は案外毎週しっかり観られたのが不思議なところで。ここまで雰囲気を統一してじっとりと見せてくれるSFものってのも最近は珍しくなっており、とにかく毎週毎週なんだか不穏なことばかりを漏らし、「なんか分からんけど人類が酷い事になっている」感が出てくれるだけでも割と楽しめてしまった。最近だとこの手の「どうしようもないものになんとか立ち向かうよ」作品としては「進撃の巨人」がある(あとある意味ファフニールも同じような設定ではある)が、今作の敵対存在であるフェストゥムは飛び抜けて気持ち悪いのが特徴。話が通じないかと思ったら何となく意思疎通してきやがるし、話が分かるのかと思ったらやっぱり問答無用で敵だし。

 そして何と言っても、ファフナーといえばエヴァを源流とした「鬱ロボットもの」の極みである、「ファフナーに乗るだけでもう色々アレ」という設定がゴリゴリ前に出てくるのがキモくて愉快。人智を越えた兵器に搭乗しなきゃいけない青少年たちは毎回大変だ。「人と化け物の悲劇」に加えて「人の中での悲劇」も並行して進行し、基本的にどこにも救いが無いのが今作最大の売りであり、見どころである。そういう意味では、毎回アホなGレコ、そして何も考える必要のない「幸腹」に挟まれて、直下式のバックドロップぐらいの高低差で叩きつけられていたのも良いセッティングだったのかも。ロボ作画についても「Gレコ」とは全く異なった理念で構成されており、一見すると無機物の塊であるファフナーと、なにがなにやらよく分からないフェストゥムは全然違うのに、戦闘シーンを見ていると結局両者が同一存在として溶けていく感覚があるのが楽しい。このあたりのベースとなる雰囲気作りは、おそらく本作スタッフが一番力を入れたところなんだろうなぁ。

 まぁ、分からないなりに何となく面白かったです。理解しようと思ったら1期見直して、劇場版まで見ないといけないらしいのがなぁ。

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