最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「DOG DAYS”」 5→5 綺麗なクロスアンジュ。変わらない良さが、そこにある。散々にラノベアニメを否定しておいて、こっちはOKな俺。別にダブルスタンダードじゃないぞ。だって、他の作品にはリス姫様はおらんのだろう?(核心) 1期最終評点が3で2期最終評点が4,着実にこのケモっ子王国に洗脳されつつある私、「早く4期プリーズ」などとは決して言わないが、あるならあるで来てもらってもかまわんくらいまではしつけが完了している。やっぱり継続は力なのかな。最初から新規性で目を引くことを放棄してしまっている作品であり、極論してしまえば「ひだまりスケッチ」と同じ方向性でこの世界の空気を楽しむ「日常もの」の枠である。そう考えればこの世界特有の「誰も傷つかない戦争」は「バトルアニメ」と「日常アニメ」の融和点を見出すための画期的な設定であり、その先駆となった本作が着実に年輪を重ね、評価を上げることは納得出来るのである。……うん? なんか自分で自分をだましている気もするのだが……胸に手を当てて確認するんだ……あおちゃんがリス姫……彩陽がでかい姫……うん、間違いなく成長してるな!(迫真) 今回はクライマックスにこれまで以上にシリアスなバトルが用意されており、ぶっちゃけるとその辺が一番中だるみした気がするわけだが、それ以外の部分は安定のフロニャルド。犬耳すみぺ、うさ耳ショタっ子を仲間に加え、より多方面のケモ要素をフォロー可能になった。更に妖精や人魚方面にまで手を伸ばし、困った時にいきなり歌う姫様の勢力圏は更に拡大することになる。ある意味で他のどんな戦争よりもエグい文化侵略を描いており、恐ろしいプロパガンダアニメとも言えるな。レオ様たちもあの犬っころを放っておくといつの間にか王座簒奪とかされているかもしれないぞ。いや、それよりも猫耳とうさ耳が交配するとどうなるのか、っていう当面の問題の方が気になるけども……。うわぁ、不思議世界に毒されているぅ。 ちなみに、一番の加点要因は中の人たちも盛り上がっていたエンディングの映像だった気もします。あれは可愛いとエロいを絶妙に掛け合わせた秀逸なデザインだったと思う。「可愛い」をベースにおきながらしっかりエロもアピール出来る配合ってけっこう難しいバランスだったと思うのよね。あ、リス姫様は脱がなくてもいいです。プリンセスドレスだからこその萌えって、あるのよ。お覚悟はよろしくて? PR 「ISUCA」 4→3 いや、「完」じゃねぇよ「完」じゃ。何も終わってねぇよ。どないやねん。 まぁ、最初からこのくらいのもんだとは分かっていたけれども……今期「四天王+α」の「α」の部分がこちらになります。なかなか熾烈なデッドヒートになっている5作品ですが、やっぱりこれはどうにも上に行く要素が見あたらない。もとが漫画原作なんだから比べること自体がちょっとおかしいのだが……でもなぁ、漫画による差ってあんまり無いよね。今作は「新妹魔王」ほど修正が露骨ではなく、エロ押し要素の強い作品としては本来ならば魅力に映る部分があったはずなのだが、やっぱり肌色部分が特に響かないねぇ。序盤は鼠に囓られて喘ぐ女子高生なんかがいて、そのあたりのエグい描写がもっと極まれば面白い部分もあるだろうと期待していたのだが、「VS妖怪」要素がすぐになおざりになり、ラストバトルなんて単なるでかい蛇である。逆鱗に触れると鱗飛ばしてくる蛇である。グラディウスのステージボスかなんかか。それ以外の部分ではバトル、ホラー、ラブ、ギャグ、どれをとってもパッとする部分は見あたらず、「別にアニメ化せんでも……」という気持ちしか湧いてこない。私の回りには残念ながらいないけど、これ、原作ファンが見たらどういう感想になるんだろうか……。こんだけ「特にない」状態で、「まぁ、落とし前つけてくれればそれはそれで納得出来る」と思ってたら、最終回で何一つ落とし前をつけずに去っていったからな。どーゆーことやねん。10話しかない尺の中で無茶があったのは想像出来るが、だから無理ならアニメ化するなよ。アニメだけで作品を楽しもうと思ってる視聴者をなおざりにするなよ。ンもぅ。 結論・特にありません。 「ログ・ホライズン2」 5→7 終わってしまいましたな……ラストがおっさんの笑顔の時点で、絶対にここで終わる気は無いよね。どうやら原作にはほぼ追いついてしまったらしいので、次は原作の完結に合わせた第3期を期待したいものです。 非常に面白い作品だった。正直、そこまで世界観に没入せずにダラダラと眺めていた作品ではあるのだが、筋立てのそこかしこに新鮮な驚きが用意されており、昨今のアニメの中では非常に珍しい、「素直にプロットが面白い」作品になっている。これ、「まおゆう」と同じ作者が原作なんだってね。「まおゆう」では(少なくともアニメでは)色々と粗が見えたものだが、今作は思い切りの良さが大きくプラスの効果をもたらしており、何事もチャレンジしてみるもんだなぁ、という感心が先に立つ。ファンタジー作品でこんなにワクワクするのは久しぶりですよ。 正確に言うと、今作は「ファンタジー作品」なのかはやや微妙なところである。というか、どう扱っていいのか分からないジャンルの不可解な境界性が、この作品最大のオリジナリティと言っていい。過去の日本のファンタジー小説、ラノベに繋がる「中高生向けの冒険小説」の根幹ってのがどこにあるのかは定かじゃないが、そうした「ファンタジー観」は、むしろ小説媒体よりもゲームのジャンルとして花開いた方が意義が大きかっただろう。ドラクエ、FF、もちろんその前身となりうるウルティマやウィザードリィまで遡っても良いが、それらの世界観というのは、コンピューターゲームの形で消費されることが多くなり、ゲームの世界は、いかにして「システムをファンタジーの世界に落とし込むか」を考えるジャンルになっていった。そのため、我々の多くはこうしたファンタジー小説を読む場合にはどうしてもゲーム的な視点に立つことが多く、「そういうイベントか」とか、「ここでこのキャラはレベルがあがったし、武器が強くなって、新たなステージに進んだんだな」なんて考えることが多いのである。 しかし、今作はそんな歴史あるファンタジー観を根底からひっくり返した作品になっている。何しろ「ファンタジーの文脈を描くためのゲーム」ではなく、「ゲームの文法を使ったファンタジー世界」なのである。1期の時にも「リアルタイムバトルの拍の取り方で苦労する直継」なんかが描かれていて「そうか、ゲームシステムがそのまま有効で異世界に放り込まれたらこういう困り方をするのか」と感心したものだが、この捻れた世界設定は、2期に入ってますますオリジナル色を強め、実に多方面からエポックメイキングな「なるほど!」を提供してくれている。大地人との交流についても興味深いし、今期前半戦の焦点となった供贄の黄金の設定なんかは、「まさかファンタジー世界でそこに突っ込むのかよ!」と驚いたもんである。確かに「何でモンスターって人間が使える貨幣をもってるの?」ってのは、説明されなきゃ不自然極まりない状態なのだが、それを「世界の理」として導入し、腹黒眼鏡がそれを利用して窮地を脱しようと策を弄するところは本当に斬新。その後のレイドでも、「その世界に生きるもの」としてきちんとモンスターと対峙しているのに、あくまでも戦い方の気本は「ゲームの戦略」。「フロアボスがこっちに歩いて来るのかよ!」なんてのはゲームでやられても衝撃だろうが、それを(この世界の)現実で現された時の「ムリゲーやんけ!」という言葉通りの衝撃。ウィリアムの「俺たちなんてゲームしかできないクソゲーマーだから!」っていう、現実ならどん引きされるような台詞を叫んでいるのに、この世界では格好良いってんだから笑えてしまう。 更に、後半のシナリオで最も重要だった概念として、「死ねない冒険者」というコンセプトが関わる。これは最初から見ていても全然気にしていなかった視点だったので、まさに膝を打つ思いだ。エルダーテイルの世界ですっかり馴染んでしまっているシロエたちならまだしも、その他の冒険者たちは「出られない、死ねない」というこの状態で精神が参っているかもしれない。しかし死ねないから、記憶を失っていくリスクを理解しながらも、好んで享楽に身をやつしていく。考えて見れば実にエグい設定なのだが、これこそが「ゲーム的ファンタジー観」をよく考え、よく表したが故の物語である。SAOの「ゲームの死が実際の死」とは真逆のセッティングだが、あちらは「いや、それなら別に現実のバトルとかわらねぇんだから、わざわざゲーム設定にする意味ないやん」というこけおどし以外のなにものでもない設定だったのに対し、こっちはきちんと「ログホラだからこそ描かれる物語」になっているのである。こんだけきちんと「設定の妙」を活かし、それを膨らませている小説って最近じゃなかなかお目にかかれないんじゃなかろうか。 そして、そんな興味深い「ファンタジーアニメ」がNHKをバックにしっかりしたアニメーションで構築される安心感。飛び抜けて何かがすごい、ってなこともないのだろうが、これだけ大量のキャラが一気に蠢いているのにとっ散らからずに画面をまとめる構成と、人間ドラマの身の丈に合わせた描写の妙は、コアなアニメファンからお子さんたちまで幅広く受け入れられる良いさじ加減だ。もちろん、僕らが見るべきは女の子の可愛さだ。あ、男の娘でもいいですよ、もちろん。ちみっこ可愛い、セララたん可愛い、ミノリちゃん可愛い、マリ姉ぇ可愛い、レイネシア姫様可愛い、ロエ2もカナミちゃんも、ダリエラさんもみんな可愛い。そして何よりてとらちゃんが可愛い! カワイイは正義! 主君、3期早く。 「まじっく快斗1412」 5→5 特に無いです! うん、普通だったよ! もう、休日の夕方にやるアニメとしては模範的な作品だったよ。サザエさんやちびまるこちゃんに比肩するんじゃないかと思えるくらいの安定感。特に捻りを必要とせず、この後に続くコナンのようにそこまで注目を集めるでもない。肩肘張らずに、「良い子のマジック講座」的な立ち位置でのんびり2クールやってくれた。適材適所、こういうアニメがあるのは悪いことではないのです。 しかしまぁ、原作読んだことないから敢えて今更書いとくけど……この世界の警察、もう少し学習しろよ…………中森警部が左遷されない理由がよく分かりません(まぁ、そのために定期的に手柄を立ててることになってんだろうけども)。快斗も毎回よく同じ手で盗みに行くだけの度胸があるよな。このアニメを観て「大きくなったら怪盗になるんだ!」っていうお子さんが出てこないといいですね。多分コンビニのじゃがりこに爪楊枝入れるくらいのレベルで逮捕されるから気をつけろよ。 メイン(?)のマジック部分を徹底的に子供だましレベルで押さえておくのは、むしろ対象となる年齢層を考えればベストな選択。多少頑張って「タネ」の説明をしようとすると、空中歩行の回とか、瞬間移動の回とかみたいに、過剰な説明でどうしてもテンポが悪くなるし、多分子供さんが画面を見ていて面白くないだろう(だからそういう回では解説役としてバーローを出してバランスを取るわけだね)。結局、ルパンもキッドも、愛されるのは「魔法使い」でいられるからなのだよね。古き良き日本の「怪盗」文化、定期的に再放送して、日本全国の図書館で江戸川乱歩の貸し出し率があがるといいなぁ、と思います。 個人的に一番印象的だったのは、ガチ歌キャスで彩陽が起用されてた舞台女優の回かな。本気出し過ぎてアニメとして完全に浮くっていうね。あ、あとやっぱりM・A・Oは可愛い。以上。 「牙狼-GARO- 炎の刻印」 4→4 無事に2クールの放送を終えました。基本的に何から何まで1話目の印象から動かないままに推移した作品で、作中で楽しかった最大の盛り上げポイントは、「やっぱり適当なことを良いながら格好良い賢雄さんすごい」ってとこですね。おっさん萌えポイントの多い作品は良い作品なのだけれども。 本作で最大の売りとすべきはやはり実写時代から引き継がれているそのCGワークにある。ごたごたと悪趣味なほどに飾り立てられた黄金の戦士の造形が、そのまましなやかに動き、戦うシーンにこそこの作品の見どころがある。そして、その部分は確かにお見事だった。特に中盤以降は戦うキャラも増え、敵の化け物のウネウネも含めて、実に賑やかな「CGバトルアニメ」としての見映えはしていただろう。その辺にお金がかかっていたのは、既存のファンにも嬉しいところだったのではなかろうか。ただ……それ、別に実写時代で事足りてたのではないかと思う。わざわざアニメにするということは、そこにアニメならではの魅力を付加する必要があり、今作の場合、非常にオーソドックスなファンタジー世界でもって「悪を狩る者」としての牙狼の姿を描くことで、実写版の世界観との差別化を図っている。しかし、残念ながらそのあたりがあんまり面白くないんだよな。良く言えば王道、悪く言えばマンネリ。適当に見流して2,3話楽しむ分にはとても贅沢な作品だが、わざわざこの設定で2クール引っ張るほどの魅力ある世界ではなかった。途中でレオンが挫けて一般人として野に下る展開とかも、どうせその後何が起こるかなんて視聴者全員が分かっているわけだし、たっぷり時間を割いて物語を構築しても「まぁ、知ってるわ」というだけで終わってしまう。ベタなことは悪いことではないとは言うものの、やはりそこには「ベタなことを見たいんや」と思わせるだけの売りが欲しかったものである。個人的に、その「売り」になるかな、と思っていたのは割と残酷な部分を露骨に描くダークな世界観だったのだが、中盤まで繋いだオムニバス展開でもそこまで強くアピールするにはいたらず、本当に無難な落としどころを模索することに終始したのである。同時期に同じようなCGミラクル作品として「神バハ」っていうアクの強い作品が被っちゃったのもちょっと可哀想なところだったかなぁ。やってることは全然違うのだけども、色々と狙っていこうとしたコンセプトが重なり、「神バハ」の方が吹っ切り方で一歩上だった気がするんだよね。 まぁ、とりあえず「賢雄さんファン必見の、おっさん全裸アニメ」という独自の価値は維持し続けたので、筋骨隆々のオジサマの猥褻物陳列を堪能したい人にはお勧めだ。何が怖いって、意外とそういうニーズが多そうなところだな! あ、あと土師孝也のホントにホントにねちっこい悪役が堪能出来るのも個人的には推したいポイントの1つ。今期は「ファフナー」「純潔のマリア」と並んでおり、地味に土師孝也フィーバーなクールだったのである。当ブログは曲者のおっさんキャストを応援します。 「美男高校地球防衛部LOVE!」 5→4 思ったほど面白くはなかったな! いや、そもそも何を思っていたのかも定かじゃないのだが。最近は魔法少女ものもキワモノ系が突き抜けちゃってるから、ちょっとやそっとのネタ作品じゃ動きにくくなってますなぁ。 基本的にはいつも通りの高松信司作品。パロディ要素多めにして、本当にしょうもない笑いをメタレベル高めでお送りする。今回はその土台として選ばれたのが「そっち層向けの野郎だらけの世界」であり、遠慮ない┌(┌ ^o^)┐ 要素が随所にちりばめられてネタに文字通り絡んでいく。ただ、基本的に全キャラテンションがギャグなのだから、恋愛感情なんかも際だつ部分は特に無く、「そういう要素」もネタの一部分でしかない。だって、メインの連中の友情物語なんかよりも俵山先生の容態の方がよっぽど気になってしょうがないんだもの。老人の腐乱死体を引きずり回して笑ってられる作品って、すげぇ怖いわ。麦さんがCVやってくれてなかったら単なるホラーに成り下がっていた可能性も。 そう、結局私の中でこのアニメは「おっさん成分満喫アニメ」であった。麦さんだけでも割と楽しいテンションだったのに、ラストでは敵側のボスとして大竹宏まで登場し、ジジイ対決花盛り。戦隊シリーズでいえば現戦隊ニンニンジャーのボスキャラ牙鬼幻月VSボーゾック総長ガイナモさんの戦いである。……うわぁ、ガイナモさんが勝てる気しねぇわ。その他にも征服部側は神谷兄ぃが相変わらず万死に値したり、世にも珍しいバリトンボイスのハリネズミが活躍したりと、なんだか愉快成分多めだった。他方の防衛部側は、基本が┌(┌ ^o^)┐ 要素であり、更に主役の有基がすこぶるウザいキャラなのであんまり親しみは湧かなかった。まぁ、主人公パーティーがなんかイラッとくるってのも高松作品の王道ではあるのだが。結局毎週「なんかこいつら腹立つわー」と思いながら、「今週のゲスト声優誰かなー」とぼんやり眺める程度の作品でしたとさ。ちなみに過労でぶっ壊れるんじゃないかと思っていたディオメディア製作であったが、今作は(元々そこまで作画に力入ってねぇけど)特にボロボロだった印象もなく、つつがなく終わりました。いっそこれでヤシガニってた方がネタ要素強くて良かった可能性も……いや、ないな。 「冴えない彼女の育てかた」 4→6 新番チェック時との点数の差が何故発生したかを顧みるに、一番大きな原因は「1話目を何故あの形にしたし」ということだろう。頭空っぽのエロハーレム作品だと思って1話目で見切りをつけた視聴者も0とは言えないだろう。かくいう私も「またこっち系か……」と思ってうんざりして「亀井幹太の無駄遣いはやめて欲しいなぁ」と思っていたわけで、なんだか随分勿体ない1話目(正式には0話目だったらしいが)であった。まぁポジティブに考えれば、そこからは大きく持ち直した(というか仕切り直した)ことによって印象がだいぶ良くなったおかげで、その温度差を楽しめたとも言える訳だけど。 本作を見ていて感心したのは、「テンプレハーレムものとは言っても、ちょっと視点を変えるだけでも随分新鮮な印象になるものだな」ということ。まぁ、見る人によっては「別に変わらんやんけ」っていう程度の差なのかもしれないのだが、個人的にはかなり「異質な」作品に見えた。具体的に一番の特徴は、タイトルにも表れている「冴えないヒロイン」こと加藤恵の存在であろう。いわゆる「眼鏡はずしたら超美人」デザインともどっか違うし、主人公との関わり方も独特のスタイル。分類としては素直クールに近いのだろうが、的確に吐いてくれる毒舌(正論)が良いアクセントになっており、彼女との対話だけでもこの作品「ならでは」が楽しめる。そして、普通に考えたらこんな素っ気なくてやる気もないヒロインはなかなかそこに魅力を見出しにくいし、主人公とのつながりも出来るわけがないので滑り台どころか完全フェードアウトしてしまうのが自然の摂理となるはずなのだが、女神のような恵さんは、するっと自然に主人公パーティーに合流し、いつの間にやらまわりの英梨々や詩羽先輩の心の隙間に潜り込んでいる。「気付いたらそこにいる」系ヒロインという、新しいジャンルの始まりである。そしてそんな彼女がずっと倫也に対して無関心を貫くかと思えば、都合のいいことにちゃんと嫉妬心を抱いたりしてくれるのである。この加藤のポジションを作り上げただけでも、今作は「楽しみ」を増やしている。 そして、そんな加藤の異質さとは対極的に、振り切った関係性を徹底的にご都合主義に、テンプレ要素で固めまくったのが、残りのヒロイン勢である。ラノベお約束のチョロさ130%増し、最初から好感度振り切れてる状態でのツンデレラッシュは、駄目だと分かっていても過剰摂取したくなるだけのこってり風味に仕上がっている。この辺りの描写で「もう食い飽きたわー」と思わせて終わるのか、「嗚呼! 身体に悪いとは分かっているけどやめられない止まらない!」となってしまうのかは、脚本構成の手腕よりも、アニメスタッフの映像構築の出来不出来にかかっているのではなかろうか。0話目では「なんか亀井スタイルには合わないデザインやなぁ」と思っていた主線強めのキャラ達も、あけすけなデレを前提として可愛さ半分、エロ半分の展開に非常にマッチしている。英梨々はテンプレツンデレとしての魅力を最大限に発揮しながらも、後半は「好きすぎてオーバーヒートする機械」として活躍してくれたし、詩羽先輩に至っては伝説のお当番回で圧倒的エロスを見せつけて以降はガハラさんすら上回るあけすけ下ネタクイーンとして恥も外聞も無しにセックスアピールを見せつけてくれた。美智留は僅か2話程度の活躍だったのでそこまでのアピールはないが、彼女のあまりに悲惨すぎるミュージシャン人生の罠は、それだけで割と笑えるお話になっていた。今作でこうした阿漕過ぎるヒロイン配置が上手く行ったことに、主人公の倫也は何一つ貢献していない。今作で一番の不満をあげるとしたら、(これまたラノベアニメではよくあることだが)「何でこの主人公にこんないい女たちが惚れる道理があんねん」という動機付けの部分だろう。そこはもう「そういう世界」と割り切るしかない。そして、普通はそこを割り切ることが出来ないからこそ「しょうもないラノベやで」という結論になるわけだが、今作で魅力的なのは、どっちかというと振り切れヒロインたちの相互関係、つまり女性同士の人間関係の方だったと思う。一番よく絡むエリリ・詩羽間の腹の探り合いも笑えるし、そこに独自のスパイスである加藤が混ざった時の相乗効果が実に刺激に富んでいる。美智留が登場した後は流石にマンネリ化するやろ、と思うところだが、その辺では既に英梨々と詩羽が雌奴隷化しているので、もう別なステージとして楽しむことが出来るのである。うぅむ、こういうヤリ逃げみたいな話作りもあるもんなんやな……これ、そのまんまエロ漫画原作に移行させようよ。あ、キャストはそのままで。 というわけで、適当に批判しつつも「俺もラノベ文化ってのに着実に毒されているし、全く読まないから耐性が出来てないな……」ということを身に染みて感じさせる作品でありました。ノイタミナ枠ということで制作体勢に恵まれていたことが大きなプラスになっていたことは間違いないけどね。カワイイは正義だし、やっぱり亀井監督は女の子を可愛くするのが上手いのだろう。七々々ちゃんだって可愛かったことは可愛かったからね。そして、そんなヒロイン勢を盛り立てた見事なキャスト陣の仕事ぶりは大いに評価出来る部分。安野希世乃・大西沙織という若手2人の仕事の的確さ。特に難しかったであろう恵の配役を(阿漕っちゃ阿漕だが)美味しくこなしてくれた安野は着実にメインヒロインポイントを稼ぎにきている。あとはかやのんのエロキャラでご飯三杯、歌キャスという意外な仕事で良いビッチ感を醸し出す矢作パイセン。数少ないキャストながらも的確でした。ノイタミナよ、永遠なれ(無くなるわけじゃないけども)。 「ガンダム Gのレコンギスタ」 6→6 すげぇアニメだったな。何がすげぇって……いや、すげぇすげぇんだよ。分からないだとぅ? 俺にも分からん。 ぶっちゃけ、シナリオについては3割も把握してない。「富野アニメなんだから流し見、流し聞きしちゃ駄目なんだ」ってのは重々承知していたつもりなのだが、どうしてもこのアニメ過多のご時世、ふと気が緩んで考えることを疎ましく思ってしまうこともある。するとどうだろう、一瞬のうちにGレコワールドは我々を置いて行ってしまう。このキャラクターたち、あまりにも生き急ぎすぎてる。普段の富野流の詰め込みももちろんあるのだろうが、今作は2クール作品ということで尺が短すぎたという側面はどうしてもあるのだろう。とにかく「要点」ばかりを詰め込んだ展開は、ついて行くのも大変だし、たとえ目を見開いて見ていても「はぁ?」ってな展開もあったことだろう。そこについては、「ちょっとキャラが共感出来ないッスよ〜」と文句を言ってしまっても良い部分だとは思う。ただ、あの爺さんは文句を言ったら軽々とこう返してくるだろう。「共感なんかするな、気持ち悪い」と。 我々ユーザーが共感できるかどうかはさしたる問題ではない。理解が及ばないのはちょっと問題ではあるが、今回の物語において、制作側は「ドラマ作り」にそこまで重きを置いていない気がする。若かりし富野であれば戦争や生命、恋愛や愛憎についての何らかのメッセージを込めて送ってきた部分もあるのかもしれないが、今作はそうした「伝えること」が主体ではなく、誤解を恐れずに言ってしまえば「俺の知ってるアニメってのはこれなんだ」というおじいちゃんの昔語りになっている気がするんだ。アニメってのは元来子供が見る娯楽であって、そこに「楽しむためのお話」を突っ込むことはあっても、みんなであれこれ議論してもらおうなんてことは考えてない。古くからのアニメユーザー、クリエイターってのは大なり小なりそういうもので、たとえば庵野なんかも「俺が楽しいからやってるんだよ」を地でいくクリエイターだろう。今回の富野作品も、「俺がやりたいこと」を精一杯ぶっ込んで、「愉快なガンダム」を作ろうとしているように見える。 そして、実際に愉快である。最終回に象徴されるように、何故ロボットアニメが日本のアニメ文化で一大勢力になっているかといえば、そりゃやっぱり「ロボが戦うと格好良いし楽しいから」である。見てるだけで楽しいじゃない。ガンガンぶつかる機械のボディ、理不尽に壊されていき、強さも信念も関係無い圧倒的な暴力と、破壊のおかしさ。ラストのニックのクレッセントシップひき逃げアタックなんて理不尽以外の何物でもないけど、そりゃニックがやりたいからそうしただけなのだ。主義主張じゃない、単なる感情である。富野作品のキャラは元々そういうもんだとは思うが、本作では特に、みんながみんな自分の言いたいことを叫ぶだけ叫んで相手を殴りにいく。モビルスーツの中にいる者同士で会話が遠いのが原因かもしれないが、とにかく独り言を叫び、そこに感情を込めながら、ひたすら相手を殴る。ベルリは本作では「とにかく平和が好き」というスタンスだが、そんなベルリだって「暴力なんて大っ嫌いだ! 暴力をふるうようなやつは俺がぶん殴る!」になってるわけで、他の荒くれ者連中は言わずもがなである。こうして各々が好き放題やりながら盛り上げ、殴り合い、散っていくという、あまりにも無責任で勝手な世界なのだが、それが蚊帳の外から見ている視聴者には可笑しくてしょうがない。だって楽しいじゃない。他人の喧嘩って。そしてそれが独特すぎる富野節、そして想像の斜め上を行くけったいな戦闘シーンで描かれるのだ。もう、それが毎週流れていただけでも奇跡的だよ。最近のサンライズのロボットアニメの不満点の1つに、「ロボ戦闘が良いって言う割に、1回その技術を見せると、あとは毎週同じようなことを繰り返すだけ」ってのがある。比較対象としておかしいかもしれないが、「クロスアンジュ」なんてメカ戦闘が本当に適当な添え物扱いだし、「ヴァルヴレイヴ」なんかも戦闘が楽しかったっていう記憶は無い。それに比べて、このGレコの戦闘シーンのなんと愉快なことか。無茶兵器歓迎、無茶展開歓迎ですよ。同時期にビルドファイターズで3体合体とかの無茶苦茶やってるのに、それすら鼻で笑って飛び越える雲の上の無茶。やっぱりガンダムってのは、富野の産んだ子供なのである。 あー、馬鹿馬鹿しかった。これ、お話を理解しながらきっちり見ていったらもう1回楽しめるのは間違いないだろう。個人的に終盤はひたすら「マニィ死ぬな! マニィ死なないで! あ〜! 死ぬ〜! これ死ぬ〜!」って叫んでただけなので、その回りの記憶があんまりないんだわ。20年前の富野だったら確実に殺してただろうな、ってクェスが言ってる。 中の人については……諏訪部が多すぎる。なんで富野その辺面倒になったんだよ。あんだけキャスト多かったのに、諏訪部声だけで4人いるってどういうことやねん。個人的に、やっぱり中原・小清水ラインってのはモビルスーツに乗る声なのかな、ってのはしみじみ思うね。一番好きだった女性キャラはバララだと思う。マニィも捨てがたいけども。 「幸腹グラフィティ」 5→5 サトリナの手料理が食べたいです(新番チェックのときと同じ感想)。うん、まぁ、特に何も無い作品だったよ。「そこに何も無いがあるんだよ」という哲学を感じてみよう。 元々のスタート時点では、「シャフトが変な方向に気合い入れてるから楽しみやね」という切り出し方であった。そりゃま、「女の子が飯食うだけだよ」というのは事前に知らされていたわけで、超絶スペックのロボットアクションも、技巧に満ちたハイセンスな情景描写も、特に求められる作品ではない。「おいしいものをおいしそうに」ということのみを追求し、わざわざ「メシ作監」の専門部署まで用意して挑んだ作品なのだ。「夜中に飯テロやめろや」と言われればそれで御の字である。そうした一点豪華主義の方向性が成功していたかどうかと問われれば、まー、65点で「可」くらいじゃなかろうか。確かに気合いは入っていた。食べ物の見映えが他のアニメとは一段階違っていたのは事実だろう。ただ、それが「美味しそうか」と言われると……そうでもなかったかな? なんか色味がどうにもね、しかも扱ってる食材がコンビニのおでんだったり流しそうめんだったりするじゃない。別にそこまで引かれないんだよ。キャラクターたちの食べ方にも色気や食い気がほとばしるかと思われたが、こちらもまぁ、そこまで独特の持ち味にはならず。個人的にはチープさでいうとピザが美味しそうだったかな……単にゆかちの勢いに負けただけかもしれんが。結局、「この作品ならでは」という頑張りは正直あんまり私の胸には響かず、「シャフト演出で女の子がのんびりまったりいちゃいちゃしてるのを見てるだけでもそれなりだよね」という、別次元のひだまりみたいな楽しみ方に終始したのであった。 別にそれが悪いこっちゃないと思う。「ひだまり」好きだし、あのジャンル開拓の一環として、シャフトに新しい銃弾が補充されたと思えば期待も持てる。まだまだ原作ストックが足りてないのかもしれないが、このまま2期3期とやられても特に文句は無く、リョウときりんがいつも通りにいちゃいちゃしてくれるのであれば、毎回見続けることに不満は無い。昨今の殺伐としたアニメ業界、優しい世界も必要なのです。そのためのサトリナだろ。そのための亀ちゃんだろ。「余計なことを考えずに飯を食えば人類皆幸せ」というとても大切な原理を教えてくれるアニメなのです。 で、それだけだとやや点数さげ目でもいいかな、とか思ったくらいの印象度だったのだが、本作の最大の功績は、アニメの中にはない。誠に勝手な判断基準で申し訳ないが、番宣実写番組「ムネやけ」が良すぎたのである。そりゃね、サトリナが顔出しでしゃべってはしゃいで突っ込んでるだけでも充分楽しいのだが、この3人の組み合わせは実によろしい。亀ちゃんのいつも通りの暴走に加え、みかこしの「できる風なのに全く出来ない」というこのポンコツトリオ。「食い物で遊ぶな」とお叱りを受けそうなくらいに、しっちゃかめっちゃかで本当に微笑ましい。彦麻呂来訪の時の神がかった展開なんかも、アニメの番宣とは思えないクオリティで恐ろしいばかりであった。僕はあのみかこしの泣きそうなキメ顔だけでもしばらく生きていける気がします。あ、あと中毒性の塊である次回予告テーマ「しあわせグラフィティ」も忘れちゃ行けない。次回予告の映像自体がとても可愛らしくて良かったが、やっぱりあのヘンテコな歌があってこそ。フルで聞くと存外にレトロな雰囲気の昭和歌謡なのがまた愉快である。こういうよく分からないこだわりがいくつも積み重なってこそ、シャフト作品は完成をみるのであった。2期やってもいいのよ。タベルー、ツクルー、ふたりドゥビドゥバ。 |
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プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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