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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「グリザイアの果実」 5→5

 なんか変なのオワタ。KBS日曜三人衆最後の刺客。「エロゲみたいなので三連発かよー、絶対途中でわけ分かんなくなるわー」って思ってたけど、世の中そんなにつまらなくないのです。きちんと三者三様、良くも悪くも印象に残るものはあったが、そんな中でもぶっ飛んでいたのがやっぱりこれ。やっぱエロゲって頭おかしい(褒め言葉?)。

 日曜三人衆の中で、序盤に一歩抜き出たのがこの作品だった。理由は簡単、最初のシナリオがみちる編だったおかげだ。元々日本一ソフトウェアの薫陶を受けて育った身であるので、ミズハスボイスは脳髄にたたき込まれており、彼女がフル回転したらそれだけでも満足。なおかつ、シリーズ全編を通してみれば、みちる編は割と優遇してもらっていたことが分かり、それなりの尺でそれなりの内容を楽しむことが出来た。1話目時点で既に「この世界、頭おかしい」ってことは分かっていたので、みちる編の「どないやねん」要素もなんとか強引に飲み込むことは出来たし、「なるほどー、こういう刹那的な世界で雄二が各ヒロインと絡むことになるわけね」と納得し、次のシナリオを楽しみにしたものである。

 話がおかしくなってくるのは次のシナリオから。押し寄せる圧倒的理不尽、見せつけるかのごとくに容赦無く眼前に叩きつけられる尺不足。1人1話という殺人的スケジュールの中、必死に限界まで切り詰めて理不尽劇場を演じる各ヒロイン勢には涙を禁じ得ない。由美子シナリオでは人の死が極限まで軽視され、蒔菜ルートでは「この世界における強さとは一体何なのか」を真剣に哲学する。幸ルートに至っては何してたかよく覚えてないわ。いやー、やっぱり1クールは無理だろ。かといって2クールにするほどの尺も無いのかもしれないけども……どうせファンならキャラが出ずっぱりでしゃべってくれるだけでも満足するのだろうし、実際のゲームのプレイ時間を考えれば2クールでも短いくらいなんだから、いっそダラダラと長引かせても良かったと思うんだけどね。ある意味シュールさは突き抜けたのでこれはこれでアリだった気もするけども、お話としてみようとした時には、中盤でこの作品は完全に瓦解した。

 そして最終章、エンジェリックハゥルに突入する。どうやら原作では一番人気のシナリオとのことで、恵まれた尺配分は何と他の追随を許さぬ4話分。こりゃ看板ヒロインですわ。しかし、お話の方向性はキャラの可愛らしさやエロとは無縁の方向へと突き抜け、まさかの「三時間歩けば外界と接続出来るクローズドサークルサバイバル」という異次元へ至る。「日本のどこやねん!」と突っ込みを入れようとするものの、当然世界中のみんなが口を揃えて同じことを叫んでおり、むしろ申し訳なくなって押し黙るレベル。まー、設定のための設定だから仕方ない。いや、むしろ元々がエロゲなんだし、こんだけ無茶な状況設定も普通といえば普通か。しかし、エロゲユーザーの求めるものってのは一体なんなんだろう。あまりに高次に昇天しすぎて、新参にはついていけないレベルになってしまっているのだろうか。

 とにもかくにもインパクトは充分。それまでのシナリオでも「ネジの外れた緊迫感」はあの手この手で展開されていたわけだが、こうして5つ目のシナリオでもまだ新鮮な驚きと絶望を提供してくれたのだから、優れた脚本だったという解釈も可能であろう。結局ラストまで一切退屈することなく、突っ込み疲れた手をいたわりながら最終回に至るわけである。うーむ、世界は広いな。これ、本当にクソアニメとして放送してくれればサラッと無視して終わることも出来たのだが、キャラ原案が渡辺明夫なので見ていて割と気持ちいいことに加えて、監督の天衝はガチでこのアニメを作りにきているので、画面も油断出来ない作りになっている。メインでコンテ切ってた名和さん、名村さんも割と好きな作家なので、どんだけ性急なシナリオ展開でも不思議と見られてしまうことに驚きつつ、つい見てしまう。脚本・シリーズ構成が倉田なんだけども、こんだけ無茶苦茶でも一応成立させられた(?)ってのは神業だったのかもしれん。天衝は続編制作が決定してる今作の間にきんモザの2期を挟むことになるんですかね。……メンタルの乱高下で気が狂いそう。

 何ともイカレた阿呆な作品であったが、まぁ、終わってみれば色々楽しかったからオールオーケーかしらね。中の人的にはもうミズハス祭りでいいんだけど、本作で重要なのはやっぱり櫻井主人公ですかね。睡眠の重要性ばかりが取り上げられているが、その他にもいっぱい訳の分からんこと口走ってるからな。もう一回言っておこう。エロゲ脚本ってやっぱキチガイやで。

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「曇天に笑う」 5→5

 1話目感想の「可もなく不可もなし」という印象を最後まで引っ張りきった作品。本当に、それなりのものをそれなりにまとめた印象。逆にコメントに困る類のやーつ。

 正直、6話目はびびった。「曇三兄弟のお話です」って言ってたくせして、シリーズ半ばでその骨子たる長兄がまさかの処刑。「いやいや死なねぇだろ」と高をくくって見ていたし、一時は処刑が反故になりかけたところに、まさかの天火自らのご注進による処刑決行で、物語はまさにタイトル通りの曇天世界に突入した。世界中のキャラクターは落ち込んでるし、問題が解決したと思ったら今度は空丸のところにオロチもくるし、どんだけ大変なお話やねん、と。そういう意味では割ときっちりシナリオラインの誘致に従って見進めていたわけで、楽しんでなかったわけじゃなかろうが、正直、この中盤のどんよりムードはなかなかしんどいものがあってね。よって立てる部分が無いから「これ、どうなったら終わるねん」ってずっと思ってた。原作知らないから「ひょっとして分割2クールとかで世代が入れ替わったりしないやろか」とか不安にすらなった。そしたらラスト2,3話で思いの外分かりやすい方向に少年漫画してくれましてね。「あー、終わっちゃった」てなもんですよ。今調べたら原作はコミックス6巻分か。こんだけあっさり終わったのは、原作ファンからしたら「詰め込み過ぎ」なのか「丁度良い」なのか。アニメだけを見てる人間としてはやっぱり「可もなく不可もなく」。

 映像はかなり安定している。どうしても「そっち向け」傾向が強いので個人的には絵では惹かれにくいが、余計な心配無しにお話が見られるだけの画が供給されるのは良いことだ。お話の方も、上記の通りの動き方だったので割と退屈せずに見られたのは良いが、SAN値が削られそうな展開で、空丸がどんどん腐っていく展開はちょいとキツかった。天火と違って、空丸は主人公として応援するのは未だに抵抗がある性格してるんだよね。どうしても天火に引っ張れるポジションだったもんだから、彼が失われてからは拠り所の無い視聴体制が続く不安定な状態。もちろん、だからこそ空丸の成長物語としての描き甲斐があるのだろうが、その部分は少し弱かったかなぁ。でも、何かが大きく欠けているということもない。まるで「PSYCHO-PASS」の雛河が櫻井フラグを回収し忘れたのをフォローするかのように、こちらの白子はばっちりと「お前、絶対アカン奴やろ」フラグをきっちり回収して仕事してくれたのはとても良い展開だったし、登場人物がやたら多かった割には、最終的にそこまでとっ散らからずに収束したのも悪くない。うん、やっぱり「良いも悪いも」である。つまらないとは言わないが、別に知り合いにも勧めないくらいのレベルのお話でした。助けて、コメントに困る。

 えーと、えーと……サトリナの大和撫子は本当に良いよね。個人的にこのアニメで一番良かったところは、最終話のモブが叫んだ「滋賀県民なめんな!」です。知らんがな。

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「天体のメソッド」 5→5

 ノエルちゃんは可愛い。うむ、可愛い。可愛いは正義なので、それはつまり幼女は正義ということでもある。あんまり馬が合わなかったこの作品、点数下げることも考えたのだが、ノエルの可愛さに免じてとりあえずの点数維持にしておく。

 終わってみて振り返ると、実はものすげぇ作品だったことが分かる。何がすごいって、メインプロットが本当に「1つだけ」なのだ。「幼女来る」→「幼女帰る」→「寂しい」→「幼女戻る」である。1話目を見た時点でノエルと円盤の関係性は分かり、更にののかが周りの友達連中と関係を築いていく中で「あぁ、これはノエルが消えますわ」というのも誰だって分かる。そして、「まぁ、帰ってくるやろなぁ」ということだって、よほどのペシミストでなければほぼ確信出来る内容だろう。本作は、本当に「ノエルがいる、嬉しい」「ノエルがいない、寂しい」だけをテーマとし、延々それだけを紡ぎ続けるという、あまりにストイックすぎるシナリオで1クールのアニメを放送したのである。普通1クールっていったらどんな作品でも「尺が足りなく描写不足がなー」と惜しがるところなのだが、今作の場合、描写もなにも、描くことはただ1つなのだから、迷いようがない。そういう意味では、あまりにもベタベタ過ぎるお涙頂戴であるにも関わらず、非常に挑戦的な作品だったといえるだろう。

 更にこれも終わりかけのタイミングで気付いたのだが、今作は「あの花」と構造が酷似している。「幼少期の辛い記憶」を共有し、大きくなってから疎遠になり、関係性が変わったグループを、「当時の記憶」の象徴たる幼女が突如現れ、引っかき回して修復する構図だ。ただ、めんまは最終的に「消えるべき存在」だったので「泣ける話」として一本立ちしたが、今作のノエルは最終的に「帰ってくる」。いわば「完全ハッピーエンド版のあの花をやろう」という試みだったともいえる。まぁ、別にこういうジャンルの類型なんてものはあの花に始まったことではないのだけども。たまたまののかのお母さんがめんまだったもんだからね。

 ただし、正直言って今作は「あの花」ほどの成功を収めたとは言い難い。まず、導入部分での不親切さというか、ヘンテコな味付けが随分抵抗を生むものになっていた。矢面に立っていたのは「円盤撲滅運動家」という謎のポジションを与えられた柚季で、「なんでそんな無茶してまで追い出したいかね」と気味の悪いものを見る目で見守られていたものである。中盤には汐音にもその役割は回ってきて、「ツンデレなのは分かるけど、いくら何でも扱いにくすぎだろ」と、ののかとの関係性にストレスを溜めた視聴者は多いのではなかろうか。かくいうののかにしても、ちょいと周りが見えていないところがあり、周りの人の好意に甘えて暴走しがちなのが悩みの種。「自分の見えている世界と他人の見えている世界は違う」という当たり前の事実が、このグループにはなかなか認識出来ていない。まぁ、まだ中学生であることを考えれば致し方ない部分もあるのだが……結局、「尺に余裕がある」はずなのに、その「余裕」を変な方向にこじらせてしまったシナリオラインに疑問が残るのである。

 最後まで観れば、ラス前の盛り上がりなどはそれまで築き上げてきた関係性があればこそ輝くものなので、決して「無駄な引き延ばし」などでないことは分かるのだが、前半部分だけを見ている段階ではもやもやをしばらく抱え続けなければいけないのが辛い。ノエルは常に天真爛漫でそれを吹き飛ばそうとしてくれているのが、「幼女はこんなに頑張っているというのに……」とより一層辛い気持ちを引き立ててしまったりもする。ノエルの動きというのは我々にも共感出来るものなのに、その他の面々の「勝手に不平不満を溜めている様子」はあまり共感出来るものではないので、どうしても視点が主人公ポジションに落ち着かないのよね。もう少しののかのドラマが整然としたものになっていれば観やすさも違ったのかもしれないのだが。

 しかし、こうしてシナリオ面に不満は多々あるのだが、それでも悪くないと思えるのはひとえに絵が良かったからだろう。新規のスタジオとは思えない安定した作画面は、とにかく「ノエル可愛い」に落ち着けるように見事な配置になっている。ひまわり、フキの葉、麦わら帽子など、ノエルの小さな可愛らしさを引き立てる小道具も憎らしいし、ひまわり一面の背景描写も良い。エンディングの演出については、曲も含めて今期1,2を争う出来である。そして、こうして組み上げられたノエルの「可愛い」を完成させる最後のピースはもちろん水瀬いのりである。うむ、たまらんな。あと、久しぶりにスタンダードで良い豊崎ワークを聞かせてもらった気もするのでそこも加点要素か。

 世界は 幼女で 出来ているんだなぁ みつを。

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「トリニティセブン」 4→4

 現役高校生御用達アニメ。ソースは家庭教師やってる知人なので責任持ちません。まぁ、健全な高校生(でも深夜アニメは見る)にはちょうどいい番組だったのかもしれません。

 いうても、特に大失点は無いアニメではある。1話時点の感想では導入時のシナリオの不備に散々ケチをつけてブーブーいっているが、ほんの少しシナリオが進んだ段階で、今作は特に理由はいらないから単に作中のキャラクターに「ラッキースケベ」って言わせたいだけだということが分かり、およその事情は察したつもりである。そういう作品に何かを求めようとした方が悪いわけで、「このTo LOVEるという漫画は転ぶだけでアクロバティックな姿勢で絡み合うからあり得ない!」と文句を言うのと同じくらいに不毛だ。とにかく主人公は魔王候補で、最終的に世界を滅ぼすループに突入する人間であり、何となく女の子連中が集まってそれを盛り上げたり阻止したりしようとするけど、最終的に服が破けて全裸になるための仕込みでしかないなら気にしてもしょうがない。そうしたエロ目的、ハーレム目的のお話に肉付けをするためのシナリオの根幹部分は、基本的に少年漫画の文法である。特に理由も無く強い主人公がおり、次々に現れる敵を仲間と協力して倒していく。そしてその敵が今度は仲間になり、より強い方向にインフレした次の敵と戦っていく。伝統のジャンプメソッドで「仲間集め」じゃなく「ハーレム構築」を行うというのがこの学園が産みだされた唯一にして最大の目的であり、それ以外の要素は特に求められていない。非常にシンプルで、余計なことを考える余地の無い作品である。

 ただ、何を描くにしたって上手い下手はあるわけで、本作の場合には決して「上手い」とは言えない。世界設定の説明は全部口頭で片付けてしまうので切迫感もなければ高揚感もないし、バトル演出にしても、「7つのテーマ」とやらで色々とバリエーションがつけられそうな設定なのに、それをアニメーションの画として差別化する方法も無いらしく、「何となく能力バトル」にしかみえず、「ちゃんとこの世界らしい戦いをしているんですよ」という部分は、これまたキャラクターが口頭で説明するだけ。そこに一切のけれん味は無い。あとは「たくさんの女の子が入り乱れて、ときに全裸」という部分を楽しむ以外の道は残されておらず、昨今そんなものは他のアニメでも過剰摂取出来るわけでねぇ。ま、「魔弾の王」と一緒に摂取すると、こちらの方がお気楽だし余計なこと考えなくて良いから幾分気が楽、っていうくらいの違いかな。正直、3年後にこのアニメの映像を見せられても思い出せる自信が無い。「えーと……悪魔のリドルだっけ?」とか言いそう。今思うとネタ要素をふんだんに提供してくれた兎角さんはまだ親切だった気もする(いや、よりアカンけども)。

 というわけで、女の子が跋扈するアニメなので中の人要素でフォローするのが一番の安全策だ。本作は安定して大量のヒロイン勢が沸いて出るし、それこそ「悪魔のリドル」同様にエンディングテーマが週替わりで色々楽しめたりするのは良いところ。メインヒロインの原由実を筆頭に、「可愛い」成分は充分である。あやねる忍者の人を食ったようなエロ要素も嫌いじゃないし、真面目くさった堅物ぴかしゃ、若い子に混じって余裕の仕事を見せる柚姉ぇなど、楽しみ方は人それぞれ。りえしょん→あやねる→あやっぺと繋がる謎の佐倉トリックっぷりが不思議と味わい深い。

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Fate/stay night [Unlimited Blade Works]」 6→5

 なかなか評点の難しい作品である。悩みに悩んだけど、ちょっと下げとく。

 正直、期待したほどのもんじゃなかったんだよね。「Zero」と違ってシナリオは大体どうなるか知ってるし、あおきえいの作る画面ほどのインパクトは今のところ出ていない。個々のバトルシーンでは確かにufotableらしい良い絵も多いんだけど、贅沢な話、「まぁ、ufoならこれくらいして欲しいな」っていうボーダーが上がってるもんだから。個人的にはバーサーカー戦がピークで、そこから先はそこまで手放しで褒めたいというほどではなかった。いや、でもすごく偉そうな要望なんだけど、「すごく動く」だけなら別に金かけりゃ(人手かけりゃ)出来るわけじゃない。「Zero」の頃から求めていたものって、そういう単なるモーションのキレ味だけじゃなくて、それで何をみせるか、っていう内情の部分なわけですよ。そのあたりの「気持ちの乗ったバトル」ということを考えると、どうしてもZeroよりもこっちの方が控えめになってしまうんだ。Zeroはサーヴァントもマスターもイカれた野郎しかいなかったけど、こっちはイチャイチャと遊んでる高校生カップルがメインだからなぁ。もっとアーチャーさんの横柄な戦いぶりが増えてくる中盤以降になれば、もう少し「意味深い」戦闘も増えてくるので、2期目には印象も違ってくるとは思うんだけどね。

 あと、やっぱりキャラクターデザインが微妙に引っかかる。こっちの方が原作に近いのかな? 1話目から違和感があった凜の能面みたいな顔がどうしても慣れなかったり、セイバーの顔も勇ましさが抜けてちょっとおっとりして見える。表情豊かに動くのがみたいなーって思うと、今のところアーチャーとワカメの2人になってしまうという謎。ギルさんが出張ってくるともう少し愉快になるかな? あ、あと綺礼さんも割と楽しそうな顔してるからその辺は素敵かも。頑張れおっさん軍団。おっさん軍団の活躍については、今作の純粋なプラス部分なんですよ。過去にDEEN版で見た時にはさっぱり理解してなかった過去の聖杯戦争の顛末が充分分かった状態で視聴しているので、例えば切嗣から受け継いだ士郎の生き様とか(そしてアーチャーに受け継がれる呪いとか)、綺礼さんの愉悦極まる楽しそうな様子なんかはニヤニヤしながら見られるよい部分。ただ、12話までの時点ではそうした要素はまだまだ前面には出てきていない「仕込み」の段階なので、盛り上がるまでにはもう少し時間が必要なのである。

 まぁ、1回観ちゃったシナリオを改めて見直してるんだから、よっぽどのことがない限りは多少モチベーションが下がるのはしょうがないところ。それもこれも全部随分な贅沢なのは重々承知しているので、2期目はもうちょっと素直に盛り上がろうとは思っている。もっとイリヤに出番を増やしてプリーズ。

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「魔弾の王と戦姫」 5→4

 まぁ、最初からこうなることは何となく分かってた気はするんだけども。今期の「適当ラノベ」筆頭アニメかな。

 巷に溢れる「俺つえー」アニメの1つであるが、どっちかっていうと「俺つえー」っていうより「弓すげー」アニメ。一体どれだけ弓矢に幻想を抱いているのだろうか。まー、最後の最後までティグルが弓にこだわり続けてタイトルを維持したのは他の諸々との差別化を意識する上では偉いと思うけども、ちょっと常軌を逸した持ち上げられっぷりなので、シナリオラインを考えると「どないやねん」でおしまい。また、登場時には神のごとき扱いだった「戦姫」システムについても、回を重ねるごとにどんどん「大したことない大量破壊兵器」に堕していき、「その辺にいるすげぇ強い男」と比べると神々しさもないという凡庸ポジションに落ち着くというのは残念至極。一国を揺るがしかねないはずの戦姫が共闘を始めたり、敵軍が巨大魔獣を率いたら互角以上の戦いが出来たりと、この世界はこのアニメが始まるまでどういう均衡状態を保っていたのかと首を傾げてしまう。戦闘シーンでは戦姫の特殊エフェクトや必殺技で見せなきゃいけないと思うのだが、結局「風を操るよ!」「氷が使えるよ!」と能力自体は平々凡々としたものなので、特にバトルで盛り上がるシーンがないというのも寂しいところ。戦姫とか言っているものの、結局は「ティグルのハーレム要員」でしかないからな。まぁ、それで構わないアニメではあるんだけど。

 そして、本作最大の特色となったのは、個対個よりも軍対軍を意識した「戦記物」としての描出部分である。男の子だったら誰しも燃える「敵軍○万、一方味方軍はわずかに○千」とかいうスケールの比較や、寡兵で大軍をむかえ打つ計略の妙などは、三国志やらミリタリーものではお馴染みの盛り上げ方で、恰好よく決まれば歴史の壮大さをアピール出来るので面白くなりやすい。しかし、残念ながら(少なくともアニメにおいては)そうしたうまみというのは殆ど発揮されないままに終わってしまった。まずもってシナリオラインが粗いってのが一番の問題だとは思うのだが、やはりアニメで「大軍」を描くのはとにかく労力がかかる。個人的には「獣の奏者エリン」なんかがこのジャンルで成功した「軍記物」だったと記憶しているが、今作の場合、まずチェスのコマで見立てた軍略図式を描いて分かりやすくし、残った具体的描写についてはカメラをあまり引かずに局所的に見せていく、っていうコスト削減手法がかなり足を引っ張っていたと思う。いざ大軍を描こうにも、「山の向こうから数千!」とか叫んでる割にどう見ても200人くらいしか出てきてなかったり、色々とちぐはぐで描写力の不足が目立つ。難しいテーマだったのは間違いないし、チェスのコマのアイディアなんかは上手く使えばひょっとしたら独特の味になったかもしれないのだが、本作の場合は「適当なシナリオをごまかすための逃げ」にしか見えなかったのが残念である。

 ま、いうてもラノベだしね……そこまで期待するのも荷が勝ちすぎるか。割と最後まで「エロいキャラデザでエロいこと」は出来ていたので、そこだけでも満足してしまえばこのアニメの楽しみ方としては正しいのかもしれません。中の人についてはダチャーンがもう少し活躍する場があれば良かったのになぁ、とは思う。途中で出てきたショタ風王女がこちらも藤井ゆきよだったので、そこは注目か。戸松×伊瀬という姦しい2人がキャンキャン言い合ってた雰囲気は好きよ。あと、ダチャーンで思い出したけど、鈴木このみのOP、ダチャーンのEDはどちらも良かった。「銀閃の風」はどこかから自然に「紅蓮の弓矢」に接続出来そうな気がするけども。

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「俺、ツインテールになります。」 5→5

 現代アニメでは珍しい事件を引き起こしてしまったことばかりが話題になった、ある意味では問題作。みんなで一緒に、せーの、「万策尽きたー」。

 いやぁ、ここまでの作画崩壊は久しぶりですよね。ここ10年の動向として、ネットが口やかましくなったことや、全体的な作業の統制化などで、シリーズを通しての作画崩壊というのは(全体的なアニメの制作本数における割合ならば)減少傾向にあるはず。2006年のアニメバブルピークあたりでは、そりゃもう盛大な崩壊ラッシュが楽しめたものであるが、キャベツ事件やムサシGUN道などを境に、一応「なんとか見られる作画」へとシフトしていたのである。しかし、そりゃまぁSHIROBAKOはリアル、って言われる由縁なわけでね。ここに来て素人眼にも明らかな被害を受けたアニメが堂々の放送。制作は、「デート・ア・ライブⅡ」でも割とアウト気味だったプロダクションアイムズ。元々AICからの独立会社らしく、設立最初の元請け作品である「いなこん」はかなりのハイクオリティを発揮して期待を持たせたものの、ここ2作は誠に残念ながらのぷる天仕様になってしまっている。うーむ、本当に残念で仕方ない。

 何が残念って、割と中身が面白かったことである。最終評点は変化無しにしているが、これは内容点で+1、作画点を見逃せないのでー2くらいにしたいけど、なんか不憫なので下駄履かせて+1である。清々しいまでのラノベアニメであったが、中身は割と面白かったのだ。タイトルに冠した「ツインテール」というメインテーマ。過去のアニメでもいわゆるニッチ属性を売りにした「フェチもの」というのはいくつも存在していたが、「閃乱カグラ」とか「魔乳秘剣帖」みたいな「全員巨乳」作品は既にフェチとかニッチ産業じゃないから除外すると、例えば「全員ツンデレ」という「つよきす」、全員眼鏡の「メガネブ!」と、不思議と地雷臭が強い。そりゃそうだ、属性なんてものは1つの作品に多数の属性が混在して互いに差異をアピールし、「好きなものをお選び下さい」だからこそ意味があるもの。違いを楽しむ高尚な専門店など、よほどの覚悟と営業努力がなければ受け入れられないだろう。

 その点、本作の「属性」の使い方は無難である。まず主人公・総二の属性愛は素直に本物であり、「オレ自身がツインテールになることだ」という宇宙規模の考え方を許容出来る男。そして作中で様々なツインテール蘊蓄を披露して愛を確実なものとし、最終的には「自身に内包されるツインテール(CV:池田秀一)との対話」という哲学レベルにまで昇華した試練を乗り越えて、ついにツインテール愛を極めるのである。ここまで頑張ってくれている主人公なら、そりゃ応援してもいいと思える。また、(作画が良いとき限定ではあるが)アニメ的に見映えのする「動き」がツインテールには込められており、アクションシーンでの「なびき」「翻り」の処理は、スタッフもきちんと「ツインテール愛」が籠もっていることが分かる出来になっていた。「敵組織がツインテール愛をベースにしながらもその他の属性をプレゼンする」という展開も目先が変わって退屈しにくいし、「フェチもの」の入門ラノベとしては割とよく出来ていたんじゃなかろうか。

 加えて、敵味方双方の組織も割と楽しくてギャグがふるっている。何と言ってもトゥアールさんの素直な腐れ外道っぷりが清々しく、愛香とのどつき漫才が定式化してからも一切テンションを落とさなかった。途中参加のテイルイエロー、イースナといった可愛い女性キャラの変態度数も総二に負けず劣らずでトバしており、「エロギャグ」としても退屈しない密度があった。そして何と言ってもアルティメギルの怪人たちの恐ろしいキャスト起用である。ほんと、昨今のアニメ業界はベテラン声優陣にいっぺん土下座して謝った方が良い。稲田さんとかならまだしも、速水さんとか玄田さんにあんなんやらせたらいかんでしょ……関さんまで……。挙げ句の果てに最終回のスタッフロールは「ツインテール:池田秀一」だよ。頭おかしいわ。こんだけ振り切って作ってくれた馬鹿の極み、楽しくなかったら嘘である。

 これだけいいところがたくさん詰まっていたアニメなのに、本当の本当に勿体ない。これ、毎週第1話とか最終話レベルのクオリティで女の子が可愛く、おかしく描けていたら、「さばげぶっ」とかよりも上に行けた可能性すらあると思うのだけども……悔しいなぁ。神戸監督や喜多幡さんも悔しかろうなぁ。是非、(どうせなら同じ制作スタジオの新作で)リベンジしてほしいものである。

 中の人の話は、やっぱりトゥアール役のまれいかなぁ。内田真礼はトバす役だと本当に輝く。変態台詞を言ってる時のトゥアールさんは素敵なレディであらせられた。それに対抗する愛香役の相坂優歌も良い仕事をしており、今作で無事に名前を覚えることが出来た。赤﨑先生やぴかしゃは……相変わらず。ただ、1点気になったのはテイルレッド役の上坂すみれである。すみぺはハマる役を任せると本当に良い味が出るんだけど、今作のように「普通の」声でやろうとすると、なんか色々と技量がおっついてない印象がぬぐえないね。落ち着いて台詞しゃべるときの発声がちょっと違和感を孕んでいる気がする。解決法としては、全部語尾に「ッス」をつけるっていうのがあるけど、それじゃ今後の業界を生き抜くことは出来ない。この辺で改めてスキルアップ出来ると良いのだけど。

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「なりヒロwww」 4→3

 んーーー、面白くはならんかったな。もとから大した期待はしてなかったから別にいいのだが……菅原そうた作品ではずれてしまうとちょっと寂しいね。

 あんまり面白くなかった理由は、設定自体にもう新しさが無かったからかね。gdgdだって別に設定に新しさがあったとは思わないけど、基本的にこの人の芸風って、内輪でゆる〜く会話していくうちに理不尽さで笑わせるのが主なので、今作みたいに「敵怪人との対戦」とか、そういう主軸のストーリーがあんまり意味ないんだ。最近はもう「なんちゃって正義の味方」なんてネタも使い古されてるし、アクションシーンで全く見せる気がないのにわざわざバトル展開を作る意味も無いし。基盤部分からして、旧作より面白くなる理由はあんまりない。設定と諸要素で充分な豊かさを持っていた「セハガール」とは比べるべくもない。

 そして、gdgdを盛り上げた最大の要因である「中の人のアドリブ勝負」についても、はっきりいって今作は不発だ。定番化させて盛り込まなかったせいでネタとしての伸びしろが少なかったってのもあるし、この3人だと、絶妙にボケ・突っ込みのバランスが取りづらかったんだなぁ。基本はむっちゃんが引っ張る構成にするつもりだったのだろうけど、むっちゃんは勢いあるけどカオスワールドを作るには生真面目すぎた。ゆっこの方をもっと前に押し出す構成にしてれば、ひょっとしたらアドリブパートも違う方向性に伸びたかもしれんのだが……なんか、空回りだったなぁ。こうしてみるとgdgdとかロボットアニメの核融合クラスの反応って奇跡だったのかもしれん。

 まぁ、いうても15分のネタアニメだからね。こけても大して痛くないだろうし、また気楽に次のチャレンジをしてほしい。

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「大図書館の羊飼い」 4→5

 意外や意外、割と最後まで観られてしまった! 個人的に、こういうタイプのエロゲアニメで抵抗なく最後まで観られた経験は珍しいので、なぜこうなったかは非常に気になるところである。

 スタート時点での印象は「エロゲすなぁ」という身も蓋もないもので、正直「アカンやろな」と思っていた。映像面でも取り立てて見るべき点もないし、「学園に設置されたなんだか今ひとつ何してるか分からない部活動のメンバーに、押しの強くない達観系主人公」なんて、特に面白くなる要素は見出せない。エロゲユーザーからしたらごくごく基本的なスタート地点だろうから、ここからどのように展開するかで評価をしていくのだろうが、アニメ消費者としてはこのセッティングだけでややげんなりするのである。今期はほぼ同じような状況で「失われた未来を求めて」が被ってたし。やっぱりヒロイン轢かれるし。

 ただ、そうしてぼんやりと見続けていたものの、なかなか「退屈だからもういいや」という気持ちにならなかったのである。おそらく、最大の焦点である「羊飼い」というファクターが早々に明かされた展開が意外だったことがモチベーションに繋がったのだと思う。てっきりタイトルや導入部分から「羊飼いを捜す物語」になるのだと思っていたのだが、割とあっさりその正体が判明し、主人公がそちらサイドから「運命を編む者」としての使命を帯びるという展開は想定外。「他人の運命の分岐を読み取り、望ましい未来に誘導するお仕事」なんてのは考えてみりゃエロゲのルート分岐に適当な理屈をつけるためだけの安易な思いつきではあるのだが、本作ではそうした「設定のための世界」がそこまで違和感にならず、筧の性格からすんなりと「羊飼い業務」に入っていくことが受け入れられた。そして一番大きいのは、主人公だけがそうした超越者の視点を持つのではなく、隣に小太刀という「同業ヒロイン」がおり、彼女を通して「運命を編む者」サイドの物語も同時進行で恋愛展開になったのが良かったのかもしれない。「編む側」「編まれる側」の多相構造で各々の人生を考える恋愛ドラマは、未来が自由になっているような、決してそうでもないような、不思議なやきもきがあって楽しかった。

 また、この手の作品の常として多数のヒロインが押し寄せるのでその処理だけでどんどん話数が費やされるという難点があるのだが、今作は小太刀とつぐみというメインヒロイン2人にさっさと話を絞り、残りの面々はあくまで脇での賑やかしに徹してくれていたのでメインシナリオが見やすく、この2人のヒロインの魅力が上がったというのも良かったポイントかもしれない。個人的にはそりゃぁ小太刀一択であるが、つぐみちゃんだってまっとうな「正ヒロイン」ぶりは決して悪くなかったし。ほんと、こういうとこでの米澤円の安定感は格別ですわ。もちろん、小太刀がトップになった理由の1つには種﨑敦美の存在が欠かせないのはいうまでもなく。

 総じて見れば特に目を引くような要素があった作品ではないが、べっかんこう絵がこれまでのアニメ化作品の中では一番見やすく、ユルい絵になったときも愛らしさが維持されてシリアスとSDがシームレスに繋がっていたのが見どころだったかも。どうせエロゲ原作ユーザーが見てきた止め絵の1枚絵クオリティをアニメで完全再現するのは無理なのだろうから、こうして適度なユルさを持たせて余裕のある画作りをしていくのが、共存共栄のための穏当な手段だったのかもしれません。こういう方向性なら、今後もエロゲアニメに未来はある気がするね。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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