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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ソードアート・オンラインⅡ」 5→4

 このアニメを見始める段階での心構えについては新番チェックの時の文章を参照してもらうとして……、やっぱり好きにはなれない作品なんだよなぁ。やりたいことが分かりやすく見えるだけに、「なんでこんな話にするんかなぁ」といちいち首を捻ってしまい、視聴モチベーションは下がる一方であった。

 相変わらず映像面に文句はない。力の入った作画になっているのは一目瞭然だし、ヒロイン勢は可愛く描けている。アクション面での動画もA-1の面目躍如となるいいモーションを見せてくれている。相変わらずけれん味たっぷりの伊藤智彦作品らしい、見映えのするアニメーションだ。そこについては一切の不満は無いのだが、どうにもお話の方でテンションが下がり、一度「おもんないなぁ」と思ってしまうと、あとはそういう視点で観てしまうという負のスパイラルが止まらない。これで「精霊使いの剣舞」とか「星刻の竜騎士」くらいのもんだと思ってればいっそ諦めもついて流し見する程度ですんでいるんだろうけども……。まぁ、その辺と似たり寄ったりのシナリオラインである。

 正直、1期目同様に2期目も導入は非常に魅力的だった。何しろ「ネトゲの中で殺されたプレイヤーが現実でも死ぬ」というセッティング。謎としてはかなり魅力的だ。まぁこの世界のネトゲシステムがどういう風になってるかもよく分かっていないので「なんか特殊な配線でもってあれをこーしてそれをこういじれば、実は人を殺せます」とかいうオチだってあり得る話なのだが、流石にそんな適当な謎解きだったらアニメ化なんてされないだろ、と思ってたら……想像を上回る適当さだった。「実際にお宅訪問して殺してました」って。それネトゲ関係無いやん。単なる押し込み殺人鬼やん。なんで警察が逮捕せんのや。ネトゲ云々の世界で片付く問題じゃねぇだろ。さもキリトさんの名推理で謎が解けてシノンが助かりましたよ、みたいな話になっているが、死亡事故がおこってんだから警察が介入しないはずがない。万が一ネトゲと関連してるみたいな話になれば、確実にゲームシステムの方に規制が入るに決まっている。ただでさえ一度は「ネトゲから出られない上に死人続出」なんて事故が発生している世界なのだ。こんなアホみたいな方法で「デスガン」とやらがのうのうと活動出来るわけがないのである。何故、そこに突っ込む人間がこの世界にいないのか。あげく、「実銃で人を殺したことがあるトラウマ」持ちの女の子がゲーム世界で歪んだレゾンデートルを見いだして生きている様子までもがさも美談のように描かれているが、だから、命に関わるんだったらやめろって。キリトもキリトで、死にかけたはずのゲームをジャンキーのようにプレイし続ける姿が恐ろしくて仕方ない。そのせいで「過去に自分が殺した人間」とかにあって苦悩するなら、やめとけ。アスナとの接続が最も実感出来るのがネトゲなのだろうか。アスナのお母さんがあれだけやめろっていってるんだから、大人しく従ってりゃいいものを。

 「デスガン」のお話のあとは、「普通にネトゲを攻略するだけの話」という、外野が見ていても別に面白くないファンタジー冒険譚をはさみ(まぁ、余計なしがらみが無い分、ラノベとしては一番見やすいエピソードだったわけだが)、ラストのユウキ編では、「やっぱり生死が関わらないと感動ものは作れない」ってんで、ついにネトゲ関係無しに「現実でも死ぬんだけど」というヒロインが登場。やってることはKey作品とかと同じだよな。同時にアスナ家の家庭問題にも関わり、彼女の生き方を改めて描いているわけだが、「ゲームなんかやめなさい(あんた死にかけたんだから)」という至極まっとうな親心に対し、「いや、ゲームおもろいねん、ママも入りなよ」と連れ込み、親子水入らずの会話もゲーム内で行ってしまうという、依存症MAXの病状を披露。もう、この世界駄目かもしれない。そうか、そんなにゲームがやりたいか……それなら開き直って「俺、ゲームキチガイだから」というスタンスをはっきり見せてくれればいいのに、何故かキリト・アスナともにリア充っぽい描写になるんだよなぁ。「死にかけた世界から帰ってきた俺」がヒーロー扱いでモテモテなわけだが、普通に考えたら「死にかけた経験を全く反省せずにゲームをやり続ける奴」でしかないんだよなぁ。そう考えると、発想は暴走チキンレースで生存自慢したり、ムショ帰りでドヤ顔をするDQN連中みたいなもんなのか。まぁ、リア充といえばそうかもしれんが、まったく共感は出来ない。

 「キモオタ、キチガイであることを肯定してゲーム世界だけで楽しく生きる」という生き様は、現在「ログホライズン」で余すことなく描かれており、「ネトゲアニメ」という大雑把なくくりで見るなら、今作が「ログホラ」を超える魅力はほとんど無い。1つだけ違う「現実世界での生き死に」という部分について、アホ殺人鬼の存在や「ゲームと関係無くエイズで死ぬ」ヒロインの存在を肯定的に見られるかどうかで、今作の意義を見出せるかどうかが変わってくるが……個人的にはそこに価値は見出せなかった。まぁ、「シノンはエロ可愛かった」という部分を評価する程度にとどめておこう。純正沢城ヒロインとしては上々の出来ではないでしょうか。その他、ユウキ演じる悠木、そして1期から続投のモブヒロインズなど、中の人的には好みの部分が多かったので、そこはそれで。あとド変態を演じる花江君が楽しそうだったのは収穫かな。変態を描かせればとても楽しそうに出来る作品なのだから、もっとそっち方向に伸ばせば良い見通しもあったかもしれないんだけどなぁ。同じ作者のアクセルワールドで出てきた能美とか、良いキャラだったし話も良かったんだからさ。

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「デンキ街の本屋さん」 5→6

 先生ちゃんがとても可愛かったですよっ!(半ギレ) もうそれでいいじゃない!

 オタクネタを中心に展開するのかと思っていた作品だったのだが、割と序盤からガチラブコメが臆面もなく展開され、1つのバイト店舗の中に惚れた腫れたが3組4組。なんやこの店。常時発情しなきゃいけない呪いでもかかってるんですかね? しかもそのうち一組のカップルは「昔の女」がマジで未練を持って絡んでくるという胃に悪い修羅場展開まであり、可愛い絵柄とは裏腹に回避不能のマジ恋モード。個人的にはつもりんを応援したくもあるのだが(CVのせい)、いかんせんひおたんも可愛いのでどうしていいのかよく分からなくなる。本当に迷惑な作品ですこと!

 とにかく、この恥も外聞もないキャラ設定が本作の勝負どころである。ひおたん→阿漕可愛い。先生ちゃん→オタクに媚び阿漕可愛い。ふがちゃん→竹達可愛い。カメ子→さりげなくも阿漕可愛い。つもりん→声をメインに積極的阿漕可愛い。Gメン→ん、まぁ。 ……つまり、全ヒロインが堂々とズルく可愛いのである。これはいけない。とてもいけない。結局、最初の方は「もー、こういうオタク層をテーマにした漫画やラノベなんて飽き飽きだろうに〜」とかいいながら流し見してただけなのに、気付くとつもりんの隠しきれない女の情念にやきもきし、先生ちゃんの充実しすぎた私生活に涙を抑えられなかったりした。我ながらちょろいもんである。でもね、仕方ないよね、作品としては割と安定して画面のクオリティも維持されてたし、途中でダレそうになると割と大胆にお話のフレーバーをいじってくるので、オムニバス形式の単なるギャグとしても退屈せずに見られるし。1クールもののアニメとしては、ドロドロラブコメとしても、ベタなオタクギャグとしても機能してかなりの高密度。男キャラの押し出しが強くなく、とっ散らかったヒロイン勢だけを楽しめる、いかにも野郎が考えそうな模範的な萌えアニメでございました。スタンスとしてはやっぱり「WORKING!」と同じとこに落ち着くのだけど、あれよりも更に男の影が薄く、キャラの丸さもあって女の子の攻めが強い。こういうのばっかりだと食傷気味になるが、1期に一本ぐらいだととても良いエネルギー補給源になるので悪くないと思いました。まる。

 でもやっぱり先生ちゃんなんだよ。女子力回が2回もあって徹底的に貶められているのも分かりやすい素敵ポイントだが、幼児退行の遠慮のなさとか、時々見せる女子力をあげるための健気な努力が本当に愛らしい。津田美波の代表役の2つ目としてカウントしていいのではなかろうか(1つ目は櫟井唯さんです。船見の方の結衣さんはまだ演技が固まってないから)。時折漏れ聞こえてくる津田ちゃんのTケメンぶりとの相乗効果もおいしかったのであった。その他も、当然つもりんの中の人であるしゅが美、ひおたんの中の人である高森奈津美といったメインの引っかき回し役も画面のクオリティに負けないだけのパワーを持っている。実に賑やかで楽しい作品だった。多分、今期終了アニメの中では原作コミックを買う危険性が一番高いので、今必死に抗っているところである。

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「白銀の意志アルジェヴォルン」 5→3

 1話目の感想では「廉価版ブレイクブレイドみたい」って書いてるんだけど、なんだか随分違う方向に進んだ作品になった。それが「オリジナリティ」だったらば良かったのだが、……うーむ。

 色々と新しいことをやってみたいという意思は伝わってくる作品だったと思う。まず、兵器開発の闇というのが視点としては新しい部分で、そりゃガンダムだってアナハイムがあるし、「パトレイバー」みたいにがっつり「商品」としても描かれたロボットはこれまでたくさんいたと思うが、バックにいる黒幕ポジションに兵器開発の会社を設定し、それが戦争の当事者国2カ国に渡って煽りながら開発の足しにしている、っていう構図が本気で描かれたアニメはなかなか少ないだろう。そういうドロドロしたドンパチ以外の「戦争」に加えて、主人公チームが基本的に「端っこで何かやってる部隊」で、直接戦争の趨勢に(普通は)影響しないポジションっていうのも、なんだか変な視点で面白そう。開発会社の新入社員がパイロットの青年と手に手をとって「2人で子供のようにして1つの兵器を育てていこう」なんて、なかなかキャッチーな舞台設定ではないか。

 そうした部分から「面白そうな要素」は垣間見えるのだが、いかんせん、それらを料理する方法が上手くいっていないのが本作。どの側面を見てもお仕着せの要素だけをはり付けている印象で、真に迫る部分が少ないのである。例えば「兵器開発」であるが、流石にあれだけのうのうと両国に情報を垂れ流し、実戦データでほくほく顔の会社員ってのは切実さに欠ける。1話目の時点からそうだったのだが、そもそも「どういう戦争なのか」がいまいち伝わってこず、主人公チームが、各国首脳が、今どのような判断を迫られており、どの程度命の危機に瀕しているのか、という部分が伝わってこない「なんちゃって戦争」が問題の1つ目。そして、「ロボット」という最重要ポイントについて、「あんまり戦闘が恰好良くない」というのが最大の問題点だった。ぶっちゃけ掃いて捨てるほどあるロボットアニメ。基本的にはロボがたくさん出てきてドンパチやらにゃならんのは変わらないのだから、シナリオで差異を出すのは難しい。世のアニメファンは「とりあえず格好いいロボットが恰好よく戦う」ことを一番に求めているわけで、感動的だったり、血がたぎったりする物語については、ロボの背中に引っ張られるようにして後からついてくる場合もある。アルジェヴォルンだって、あの白い機体の中にこの世界の問題の大半が詰め込まれていたのだから、アルジェが颯爽と戦場を駆り、圧倒的理不尽さでもってトキムネの意思を超えて暴れ回る怪物になっていれば、もっと色々なアツさや悲壮さも演出出来たと思うのだ。しかし、なんかもっさりしている。敵味方双方、ロボがあんまり恰好良くない。戦闘スタイルもとにかく地べたに這いつくばるので見映えがしない。「大量破壊兵器なんて使うよりよっぽどリアル!」とフォローしてみようかとも一瞬思ったのだが、スリムな人体構造でダッシュしたり横っ飛びしたりするロボの時点でリアルとはほど遠いわけで、そこまでやるんだったらもっと火薬と超科学をぶっ込んで暴れてもらった方がすっきりしただろう。ラスボスに至っては「一括操作でたくさんの機体を操縦出来ちゃうAIを人がこなすよ!」というもので、画面だけ見たらこんなに地味な技術革新もない。ちょっと画面の出来映えを無視しすぎた脚本である。

 ロボではなく、「人間ドラマ」が主軸だと考えればどうか。残念ながら、「人の心」に肉薄し、それをロボの無情さへと置換するドラマは、最近「M3」という佳作でやったばかりだ。あちらはホラーテイストに寄せて人間のメンタル面での理不尽さを突き詰めたので、人の感情が積み重なる後半になればなるほど盛り上がりを見せたが、残念ながらこちらの作品では、トキムネの出たとこ勝負属性を皮切りに、誰が何を考えて行動したいのかがよく分からないという難点が常に付きまとう。2クールの中で登場した人物はそこまで多くはないはずなのだが、何故か個々のキャラクターが頭に入って来づらい状態が続き、アルジェヴォルンとレイカという中心事象を取り巻く事件については、最後まで入り込むことが出来ずに「まぁ、とりあえずその兵器は作らん方がいいのは分かった」という至極当たり前の事実を飲み込むので精一杯である。結局、サモンジは良い奴だったのか、単なるウジウジ野郎だったのか。ラストエピソードについても、結局彼が何を思ってエピローグに向かったのかが分からんままなんだよなぁ。「人の心を食うロボット」っていうと、既にエヴァが散々食い散らかしたフィールドであり、トキムネくらいの被害だと「まぁ、元気で何より」って思えてしまう。

 その他、尺に余裕があると思って無駄にお色気シーンをぶち込んで水着回を演出したり、「現代アニメでやりたいこと」を色々やってはいたが、どれもこれも微妙に「違う、そうじゃない」という残念ポイントに落ち着いてしまったのが勿体ない。キャラデザだって決して悪くなくて、このキャラで大槻監督が本気の萌えをやればそれなりに見られるはずなのに、今作で「本気の萌え」なんてやってる余裕ないんだ。なら入れなきゃいいのにね。整備兵娘達とか、本当に「とりあえずいる」感じになってたしなぁ。辛うじて最後までメインヒロインとして頑張ったジェイミーはそれなりに可愛いと思えるシーンも多かったのだが、それ以上にトキムネが魅力のない人間に見える影響がでかくて、カップルとしてはやっぱり残念な出来だし。いっそそういうじめじめした展開がなかった分、キチガイ櫻井とそのサポートのみっこのコンビの方が面白かった気がする。結局、なんだったんだあの2人。

 以上、トータルでみると結論はやっぱり「色々やって、色々もったいない」。まー、個人的にロボものははまりにくい質なので、そのせいってのもあるのかもしれないけど。大槻さんは一旦全部忘れて「To LOVEる」の続編とかやってくると嬉しいんですがね。

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「アカメが斬る!」 5→5

 ひとまず2クールお疲れ様でした。最近では珍しく、2クールの尺でもってきっちり締めたという時点で、まずはスタッフに感謝しても良い作品だと思います。

 意外だったのは、途中からアニメオリジナル展開に入った(らしい)ことである。どうやら原作の方はまだ完結していないようで、アニメできっちり線引きをするためにオリジナルであのような「結末」になったらしい。どの辺からがオリジナルなのかは原作を途中までしか読んでないからしらんのよね。こういうスタイルってのはアニメ化されるとたまにあると思うのだが、今作の良いところは、そうしたオリジナルへの流れがかなり自然になっており、それまでのストーリーの収束点としてきっちり機能していたところ(ぶっちゃけオリジナルだって気付いてなかったし)。もちろん、広げてきた風呂敷を途中からたたむのだから多少性急になった部分はあるだろうが、それでも納得の行く幕引きにはなっていたし、一本の大きな「戦記物」ストーリーとして読んで、「なるほど、まとまった」と思えるだけの結末になっていたのではなかろうか。

 良かった点から上げていくと、そうした「必要に迫られたまとめ」ではありながら、作品独自の「むごさ」みたいなものはギリギリまでキープしており、バッタバッタと人が死んでのまさかの全滅エンドは、新しい時代の夜明けを迎えなければならない「革命軍の反逆」ストーリーとしてはとても座りの良いものである(殺すために殺した向きも無いではないが)。確かに主人公チームがほぼ全滅ってのは後味の良いものではないのだけど、この作品の最大の売りは「主人公側全員が殺し屋稼業」という部分であり、作品冒頭でも、「悪であることを認め、罪だと自覚しながらも未来の可能性のために人を殺め続ける」というタツミの覚悟が描かれていた。そうした「悪による戦い」というテーマ性を保持するためにも、最後は「命をなげうつ」ところまでがセットであるべきだ。個人的には、死ぬ死ぬと思われながらも何度も生き抜き、最終的に男を見せながら散っていったラバックの死に様は見事なもので、実に良いキャラに仕上がったんではないかと思う。安易な救いを与えて終わるのではないってのもポイントで、最終的に皇帝は処刑されているし、一見すると望ましい死を迎えたかに見えるエスデスにしても、実はタツミに対して「お前と一緒に逝ける」ではなく、「お前と一緒ならば良かったのだが」と、末期にも自分はタツミと志を同じく出来なかったことを理解しながら死んでいる。こういう細かい部分で、一つ一つ「納得させてくれる」ストーリーになっているのは良いと思う。

 反面、やっぱり無理が出ている部分は少なからずあり、個人的には無理矢理気味にレオーネまで殺す必要があったのか、というのはやや疑問。前述のように「殺し屋は命を賭して」というのを遵守するならばレオーネもその例外ではないのだが、彼女みたいなキャラクターは「表の代表」ナジェンダ、「裏の代表」アカメと一緒に「民衆の代表」として生き残らせても良かったと思うんだけどね。あと、どうしようもなかったとはいえ、大臣の扱いが最後の最後で残念である。あくまでも「謀略のみで生きてきた下衆」を演出した結果なのかもしれないが、やはり、最後には彼にも一度殴り合いに参加してもらいたかった。タツミたちにしても、全力で突っ込んできた大臣を拳でぶっ飛ばしてこそのカタルシスがあったと思うのだが。その辺はちょっと消化不良ね。マインの死に方が割と適当だったのも気になるところではあるなぁ。

 ま、メインシナリオの性質上、100%すっきり満足、ってな終わり方になる作品ではなかっただろうから、そのあたりの小さなわだかまりは必要経費だろう。こうして「終わった後の満足感が大きい」ストーリーアニメがちゃんと出来ただけでも割と満足。ラストの皇帝VSタツミ戦、そしてエスデスVSアカメ戦なんかは映像面でも迫力があって満足出来るものだったしね。中盤はWHITE FOXには珍しく、ちょっと残念な作画の時もあったんだけどね。あと、理不尽な修正ね。もう、深夜アニメなんだから多少過激な表現があったってええやんけ。お子様に見せたくないんだったら、大人しく寝かしつけろ。子供さんは多少のグロやエグいシーンみたくらいで非行に走ったり精神にガタが来たりせんわい(あくまで個人の感想です)。

 トータルでいうと「小林智樹の新作としては飛び抜けた部分はなかったけど、まずまず期待通り」くらいのものでした。最後は当然中の人のお話だが、シリーズ通して一番好きだったのは……セリューかなぁ。ぶっ壊れ花澤香菜はホント好き。もっとこういうエグくてどうしようもない役もガンガンやってほしいけど、ここまでエグい役があるアニメはあんまし無いな。どうしても悪役が目立つにアニメなのでそっちにばかり目が行ってしまって、その他にあげるなら大臣役の石井康嗣が流石の存在感。いつでもどこでもぶっ飛ぶいやらしさがたまりません。こんな役やってるのに、夕方のワイドショーとかで淡々とナレーションやってるギャップが笑える。あとはやっぱりエスデスでしょうね。相変わらずあけこの演技ってどっか不安になるような危うさがあるのだが、今作の場合はエスデスの不可解なメンタリティと相まって面白い効果を出していたと思う。エスデス同様、あけこも生まれ変われば理想の旦那を見つけることが出来るのか……。そしてメインとなった若手は斉藤壮馬。安定感のあるヒーローっぷりは、確実に今後に繋がる仕事。メインヒロイン勢としては雨宮天と大橋彩香という、「あんまりそんな気はしないけどほぼ同世代」コンビがあがる。へごは本当になんでも出来るよな。天ちゃんは、未だにこれといった特徴をつかめないでいるのだが、こういうボーダレスな溶け込み方が売りになる役者ってのもいるからね。ミュージックレインでは珍しいタイプだが、今後どういう方向に進化するんだろう。楽しみである。

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「棺姫のチャイカ AVENGING BATTLE」 6→5

 もう、最終回シーズンなのですね。早いよ、何もかもが早すぎるよ……はぁ。毎度のように、10話しか無い角川枠が最終回一番乗り。この枠が10話しかないことで、誰か得する人間っているのか?

 終わり良ければ全て良し、という言葉があるわけだが、それが真であるならばその逆もまた然り。いや、この場合逆を取ろうとすると「全て良ければ終わり良し」なので真に決まってるんだけど、私が言いたいのは逆じゃなくて裏だ。「終わり良くなければ全て良くない」となる。決して納得出来ないエンディングってわけじゃなかったけど、やっぱり最終回はすっきりさわやか、ってわけにもいかない。あのエンディングをむかえるのなら、もう少し中盤での構成をいじって時間的な余裕を持たせることが出来なかったものか。「全て悪し」でこそないものの、ちょいと評点を下げざるをえない最終回だったのは間違いないだろう。

 原作は未完らしいのでそれらしいエンディングを作らねばならず、「最終回」と銘打つためにはどうしたってガズ皇帝には消えてもらわなきゃいけない。その上でチャイカにもトールにも納得いく物語を提供しなきゃいけないってんだからムリゲーにもほどがあるが、それをやる覚悟を決めたとするなら、この最終回はちょっとピントがずれていた。黒チャイカと地上の面々の対決くらいならば別に構わないし、ああいうレベルで派手でなくともまとまったバトルがあればそれで満足出来たはずなのに、最終回の1つ前の段階でガズ皇帝を強く描きすぎた。そのためにどう足掻いても1話で収束する話にはならず、ニーヴァの裏切りがすげぇ適当に処理されてしまった。むー、せめてもう1話あれば、トールとチャイカの絆の描写、そしてニーヴァとの友情の描写を増やして、最終決戦でトールとチャイカが手に手を取ってガズ皇帝に抗う姿なんかも見られたかもしれないんだけど。ラストバトルでチャイカ・トール・アカリが全員バラバラになってるってのはどうにもねぇ。勿体ない、実に勿体ない。

 というわけで、シリーズ構成のまずさで後味が悪くなってしまうという、同じ枠の「デート・ア・ライブⅡ」と一緒の結末になってしまった本作。ただ、この最終回の残念感を除けば、トータルでは決して悪い作品じゃない。作画面までもが足を引っ張った「デート」と違い、本作は最初から最後まで作画に関しては完璧だった。常にチャイカは可愛く、アカリもふてぶてしく。そこまでバトルシーンで盛り上がる作品でもないが、ガンドを中心とした色んなヘンテコ武器の描写もそつなく出来ていたし、「ファンタジーラノベアニメ」としてはお手本のような出来。脚本部分もどこか懐かしさが感じられるものになっており、「古き良きラノベ」の姿にちょっとしたノスタルジーすら感じさせる(まぁ、古きラノベも良きラノベもあまり詳しくないんだけども)。1期の頃の、「とにかく遺体集めまくるぜ!」って言って諸国漫遊するおかげで得られるバラエティは2期では失われてしまったが、その分「無数のチャイカと、その生い立ち」という本作のメインボディといえる部分にきちんと切り込めたし、決して視聴を終えて後悔するような作品にはなっていなかったと思う。

 そこまで目新しさも無い中で、何故毎回それなりに楽しみながら見られたのだろう、と振り返ってみると、やっぱりチャイカが可愛かったからなんじゃないかね。独特なチャイカ語による彼女の立ち居振る舞いは、安定した映像面の恩恵もあって、かなりキャラが立っていた。銃火器を振り回しながら命懸けのバトルを繰り広げるゴシックドレスの少女っていうビジュアル面もキャッチーで、「流石に厚底ブーツは脱いだ方がよくないか?」と心配しながらも、一張羅を着て浮かれはしゃぐ孫娘を見るかのように、穏やかな目で見守ってしまうのである。その他にも安定して駄目人間を貫き通したアカリの兄様ラブの力強さとか、赤チャイカ、半チャイカなんて適当な名前をつけられちゃった面々が「自分たちも主人公やで!」と頑張っているのも微笑ましい。これでガズ皇帝がもっともっと頑張ってくれて、おっさんキャラにも魅力が出てくればもう一歩上に行けたんだろうけどなぁ。ガズ皇帝の「絶対勝てるわけないやん」感は最近じゃ珍しいくらいだったのですごく恰好良かったよ(最終回ラスト10分まではね)。あと、トールも分かりやすい主人公キャラで悪くないスタンスだ。いつの間にかすっかりチャイカの保護者役が板について、恋愛感情やら欲情やらってのに一切縁が無いキャラになったので見やすかったってのはあるかも。

 てなわけで、そんなキャラクターを彩った中の人たちだが、当然チャイカがナンバーワンなので安済知佳が一番ってことになる。まぁ、完全にチャイカ語でインプットされてしまったので、今後他の役で声を聞いても気づけないとは思うんだけど(実際、ビルドファイターズで頑張ってたのに、未だにチャイカがしゃべっている気がしない)。また、同様にチャイカ役を務めた藏合紗恵子についても、その独特の声質はインパクト充分。次世代の小林ゆうポジションを狙えないもんだろうか。「かすれ声声優」って突き詰めれば面白い位置取りだと思うんだけどね。あとアカリ役の原優子も、まだキャリアが浅いのに凄く安定してていい人材だと思うんだけど、他の所では全然見かけないんだよね。将来的に原由実、原紗友里、原優子、原涼子っていう謎のユニットを組んだ声優グループをデビューさせるのはどうだろう。まぁ、その時まで原涼子ちゃんが声優やってるかどうかは知らんが。

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「ばらかもん」 6→7

 だいぶ遅れてしまったが、無事に今期の番組感想もゴールにたどり着くことが出来ました。結局「みならいディーバ」だけは生放送を追いかけるのがしんどくてリタイアしてしまったのだが、終わってみれば今期の感想執筆で35本。前クールが29本だったけど、4月10月は本数が多いので、妥当な本数だろうか。これを妥当と言ってしまう人生は既に終わっている気がするので注意が必要だ。

 さておき、そんな溢れ出る大量のアニメのなかで、最後にこの作品が鎮座していたのは何とも喜ばしいことである。日テレアニメのせいで2週間のビハインドがある作品なのだが、「それせか」に続いてこちらも高品質で、「放送が遅れてくるのが本当にやきもきする」という、ある意味とても贅沢な枠であった。今作も「それせか」同様に大きく話題に上るような作品ではなかったかもしれないが、その1つ1つの要素がすべてオンリーワンであり、「ならでは」が溢れたとても楽しい作品に仕上がっていた。アニメで気に入ってからはオンラインコミックの方もちょこちょこ見るようになったのだが(アニメ化されない部分なら読んでもいいっていう俺ルール)、漫画の方はもちろん悪くないけど、アニメは原作の魅力を更に引き立たせて「アニメ化して良かったなぁ」と心底思えるクオリティになっていたと思う。こういう何気ない作品でも、アニメ化するに際しての良し悪しっていうのは出てくるもんで。

 良かった点を挙げていくと、大きく分けて3つの評価点があるだろうか。1つは、ベーシックなテーマ性ながらも、ちょいちょいオリジナリティが楽しめる基本的なシナリオライン。特に「ご当地方言バラエティ」属性を強く前面に押し出した話作りは「のんのんびより」などと同じラインで「田舎っていいよね」感があったのに加えて、今作の舞台である五島は、海の魅力、そして「南国」の魅力も併せ持っている。そして、自由闊達、遠慮のない子どもたちを中心に描いていたおかげで、その楽しさ、自由奔放さが更に際だったのも大きな部分だろう。「のんのんびより」との大きな違いは、そうした「子供の自由さ」と「田舎の自由さ」の組み合わさった「野放図さ」を、外部の人間だった半田先生が第三者目線から評価するところである。「のんのん」にもほたるんがいるにはいるんだが、半田先生のように頑なに「中に入ること」に抵抗を覚えていたわけではないので、割とすんなり「中の話」に入っていた。先生の場合、とにかく「田舎への抵抗」があり、「子供への(ひねた)大人目線」がある。特に後者は強烈で、気付けば「実は全然大人じゃなかった」という先生の人柄が、子供との触れ合いで一度解体され、「書道展の結果」という端的な部分で醸成されていくまでの過程が分かりやすいドラマとなって楽しめる。冷静に考えれば、あんな島でのらりくらり過ごしていただけですげぇ書が書けて結果オーライになるなんてあまりにご都合主義過ぎるのだが、それでも半田先生の「実は純朴」な人柄や、島での体験の強烈なインパクトを見せつけられると、「これも田舎の魅力なのか」となんだか納得してしまえるのである。

 そうした田舎の生活を彩った2つ目の評価点は、やはりアニメの映像そのもの。今作は作画崩れがほとんど無かったことに加え、実に「漫画的な」見ていて気持ちの良い表現がバランスよく全編に配されている。中心になったなるちゃんのモーションなんかが象徴的で、とにかく自由に、伸び伸びと、「楽しさ」が伝わってくる画が多かった。もちろん、青い海と大きな広がりを見せる牧歌的な風景画の味わいも楽しめる。そこにタマちゃんの毒っ気をちょいと加えれば……素敵ですわ。

 そして3点目は、やっぱりキャストなわけですよ。どのキャラも活き活きしてて、物語後半は半田ママの卑怯なまでの愛くるしさにメロメロになったが、それでも今作の象徴はやっぱりなるちゃんだよなぁ。原涼子ちゃんがこの後どういう人生を歩むことになるかは予想もつかないが、子役声優としての一歩は本当にありがたい足跡になった。やっぱり今作はなるちゃん(と半田先生)がいてくれたからこそ成立したものである。もう、映像特典PVの小野Dと戯れてる映像なんかを見ると……娘が……欲しくなりますね……嗚呼。小野Dだってこのくらいの娘さんがいてもおかしくない歳なんだよなぁ。そして無闇に涼子ちゃんに懐かれてたなぁ。ラジオとかも楽しそうで、本当に保父さんみたいになってたもんな。結果的に小野Dのイケメンぶりを確認するアニメでした。あ、あと古木のぞみもGJです。方言アニメ万歳。

 これ、2期とかあるのかなぁ。

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○「戦国BASARA Judge End」 5→4

 なんか、2期までとは別物になっちゃったね。原作ありきのゲームアニメとしては大きく間違ってはいないのだろうけど、正直言って「これ、アニメ見ないでゲームやった方が良くない?」って思っちゃえるのは残念なところよね。

 この「BASARA3」の舞台となった関ヶ原は、既に一度劇場版でやってしまっているネタである。アニメにする際には当然それを意識しなければいけないだろうし、以前のI.G.製作の無茶苦茶な1期目、2期目も比較対象にされるに決まっているだろう。そうした「アニメのBASARA」と比べてしまうと、どうしたって今期はパワー不足の感が否めない。1クールという短い尺の中で新キャラも含めた大量の武将たちを処理しなければならないというのがまず大変な部分だし、筋立て自体も、「関ヶ原」なんてテーマはわざわざドラマティックに1シリーズ作ろうと思っても、誰だって答えの分かっているものである。それをなんとかして独自要素で盛り上げようとしたら、それこそ劇場版みたいなかっ飛び展開を採用するしかないのだ。そして、BASARAという土壌は、どこまでもかっ飛ぶことを許してくれる懐の深さがあるはず。しかし、残念ながら今作ではそうした思い切りの良さはすっかりなりを潜めてしまっていたのである。

 描かれたのは、たとえるなら「ゲームのムービーシーンだけを切り貼りした」ようなダイジェスト。一応登場させる必要があった全てのキャラに触れてこそいるのだろうが、そのどれもが「脇役」であり、何がメインなのかはさっぱり伝わってこない。一応最終回にはこの作品の看板である幸村・正宗に花を持たせる形でアホエンドをつけたしたわけだが、どうしたっておまけにしか見えないし、それまでの展開との温度差が正直微妙。関ヶ原を真面目にやるのか、茶化すのか、それが分からないままにフラフラとゴールに入ってしまった形である。どう考えてもお市のくだりとかは関ヶ原を描く上では余計な要素でしかなかったし、ちゃんと描くならもう少し小早川をなんとかして欲しかったし。

 まー、あんまり真面目に扱うようなもんでもない気もするのだが、これまで築き上げてきたBASARA文化の中ではどうしたって小物扱いは否めないシリーズであった。次の世界では増えすぎた女性キャラだけの「ガールズBASARA」とかやって吹っ切れればいいんじゃないかな。

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「M3〜ソノ黒キ鋼」 5→5

 特に話題になることもなく、粛々と進行して閉幕した作品。2クールもあったのに、良いとも悪いとも噂は聞かず、なんだか勿体ない話である。

 話題性には乏しかったが、終わってみればこれはこれでなかなかにすっきりした作品である。元々のテーマが、「最近ハートフルな作品ばっかり作っていたので刺激が欲しかったサトジュンが黒い話をやりたいので立ち上げた」というものであり、その目的だけで言えば、100%の出来で達成している。何しろ黒い。画面が黒い、人間がシバガネ化するのでとにかく黒い。もちろん、お話の方も存分に黒い。中盤の展開の「救いようのなさ」は、理想的な展開であったといえる。興味深いのは、どこまで「黒い」作品にしようとも、最終的に「人と人とのつながり」というテーマ性に帰結することになり、最終話だけを観れば、そこに横たわっているのはいつものサトジュンイズムであるというところ。終わってみれば案外すっきりした、というのはそのためである。結局メインのメンバーで取り返しのつかない「死亡」に至った人間はほとんどおらず、正式に死んだことが確認されたキャラクターで「正義」側ってアオシくらいなんじゃなかろうか。あ、ミメイさんもカウントには入るけど……まぁ、彼女のことは昔の話だし。夏入さんは「正義側」とはとても言えないのでノーカウントね。

 面白いな、と思ったのは今作があの岡田麿里脚本であるということ。岡田麿里脚本でサテライト製作のロボットアニメといえば当然「アクエリオン」になるわけで、「この面子でロボットものなんか出来るのかいな」と訝しんでいたのが放送開始時だったわけだが、まぁ、ぶっちゃけ全然ロボットものではなかった。サンライズお手製なのでお馴染みのデザインとすら言ってしまえるロボットが動くには動くのだが、ロボがどう戦うかとか、ロボが格好いいか、っていう部分は作品の本質とは一切関係無く、脚本の中心となるのはどこまでも「人」でしかなかった。憎らしいのは、スタート地点では「無明領域」という圧倒的な「未知の外界」を打開することをテーマにしていると思わせておいて、シナリオが進めば進むほど、問題がどんどん内へ内へと入り込んでくるところ。「村? 何それ?!」から「ツグミ? 誰それ?」「ミナシさん、何してるんや!」と、どんどん身内の問題ばかりが大きくなり、最終的には敵も味方も全部身内の初期メンバーだけのお話。そしてそこには「孤独」と「共振」をテーマにした人と人とのつながりの形がある。そう、やっぱり脚本を取り出してみても「岡田麿里イズム」全開のお話なのである。「サトジュンらしいメインプロット」と、「岡田麿里らしいじっとりした脚本」という2つの基本線を、何となくサテライト風味なロボットの外箱でくるんだアニメが、このM3なのである。

 それが分かってしまえば、サトジュンファンであり、岡田麿里ファンでもある私には非常に観やすい作品になった。1つ1つの心情はとても丁寧に読み解かれていくし、ドラマはどれも決して軽率に扱われておらず、ちゃんと納得出来る部分から収束に向かうようになっている。あらゆる部分がオカルトで、ファンタジーで、SFなのだが、あくまでその中心にいる「人」のドラマは分かるようにできているのである。設定優先で上っ面だけを突っ走るラノベ原作なんかではなかなか出来ない屋台骨の太さである。ただ、そうした全容が見えてくるのがかなり遅く、序盤の下拵えが長かったのは商業的にはマイナスだったんだろうなぁ……。なんだかよく分からない無明領域、なんだか分からない骸。伏線は張ってあるとはいえ、その全体像がすっきりと見えてくるまで、かなりの時間を必要とした。「これが収束するんだ」という確証を持っていない人間にとっては、ちょっと視聴継続のハードルの高かったかと思われる。サトジュンも「2クールは長かったかも」と漏らしており(多分作業がしんどかったんだろう)、そのあたりの問題意識はあったのかもしれない。でもなぁ、この内容をきちんとやろうとすると、1クールだとどうしても駆け足になるし、こんだけきっちりとシナリオが成立しない気がするんだよなぁ。悩ましい。

 「黒いお話」で一切ギャグを挟まない硬派なシナリオなので、当然中の人目当ての視聴だとかなりおいしい思いが出来たのは純粋に良いところ。かなりヘヴィーな役回りが多かったおかげで、「実力派」カテゴリの面々がかなり濃密な時間を作ってくれました。個人的にはマアム役の福圓先生を推したいし、難しい役どころを見事にこなした小岩井ことりも素晴らしいと思ったが、実はそれを上回る文句無しのトップは夏入役の飛田展男だ。やっぱり飛田さんのキチガイはたまりませんわ。あの理不尽さ、そしてあの尊大さ、存在感。今作を視聴し続けられたのは、まず間違いなく「今週の夏入さん」を楽しむためでしたからね。

 というわけで、個人的には「新世界より」に続く「最初はしんどかったけど、観といて良かったよ」作品です。まー、腰を据えて観られる作品が増えるのはむしろ良いことだと思うけどね。アニメの速度も、少しスローダウンさせようよ。

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「六畳間の侵略者!?」 5→5

 よろしかったんじゃないでしょうか。私の好きな「長屋もの」として、特に大きな失点もなく、1クールでつつがなくまとめてくれました。いや、住民たちの関係性としてはさっぱり解決されてない問題もあるんだけどね。一通り「お当番回」を回して、1つ目のゴールにはたどり着けたかな、と。

 やっぱり一番イメージが近いのは「これはゾンビですか?」である。あそこまで設定が頓狂ではないが、メインとなるのは「住人の男の子主人公と、1人1人ゆっくりとフラグを立てていく様子」であり、ハーレムアニメのハーレム形成が、心情面よりも先に立地条件で整ってしまっている形。「恋愛感情なんて後からついてくりゃいいんじゃい」ってなもんでね(まぁ、それが普通であり、全員戦闘態勢で入居してくる「がをられ」の方がおかしかった)。こういうセッティングだと、イヤでもコミュニケーションとらなきゃいけないから気付けば自然に様々な交流関係が築けるのが良いね。まぁ、1話目の形成時点が一番無茶なわけだけども。

 今作の特徴というと、1つ1つのフラグの立て方、感情形成が割と素直な「ラブ」であり、孝太郎が1人1人の住人相手に誠意でもって応えたために関係が更新されました、というのがすこぶる分かりやすいところ。本当にお当番回が「お当番」であり、幽霊・宇宙人・魔法少女・地底人に対し、じゅんぐり敵キャラが出てくるだけ、ってんだからそりゃ分かりやすいわ。おかげで展開としては非常にチープなものとなり、ぶっちゃけ、青騎士エピソードあたりでは飽きてきてた。多分一番真面目に観られなかったのがティア編なんだ。既に早苗編で「無茶苦茶な世界やねんなー」というのは分かった状態だったし、バトル展開自体はどうでもいいことは分かっていたので、せっかくの妹さん(クラン)のてこ入れも、そこまでのインパクトは無かった。多分、あのあたりの視聴モチベーションが辛うじて維持出来ていたのはルースさんが頑張ってくれたおかげだろう。宇宙人チームは申し訳ないが「ティア&ルース」でようやく1ユニット分やね。

 ただ、そこから先は割と不満もなく観ることができた。やっぱりゆりかの存在ってすげぇ不可思議な吸引力があるし、彼女のエピソードだけが圧倒的「未完」なのも、「どないやねん!」とは思いつつもこの後のゆりかの動きが気になってしまう。ラストのキリハ編は完全におまけみたいなもんだが、「回りのヒロイン勢が既にゴールしている」という大トリのうまみが効いており、みんなしてイチャイチャデートを追いかけてるだけでも賑々しくなってしまうのである。こうして最終的に4者(5者?)4様にお話がまとまり、それぞれの魅力がアピール出来たのだから、「萌えもの」としては及第点と考えてよいのではなかろうか。

 個人的には、最初に良い仕事をしたし、設定がずるすぎるのでやっぱり早苗ちゃん推しではある。幽霊という立場を利用したスキンシップ、そしてスキンすら越えてしまう「融合」シップと、孝太郎とは密接すぎる関係性を作り上げてしまい、お当番終了後は一切隠し立てしないストレートなラブっぷりも健気である。真っ直ぐなヒロインが可愛らしいというのは良いことです。まぁ、回りの人間からすると「孝太郎は桜庭先輩に惚れてるから」という認識なんだろうが……これ、最終的に誰エンドになるんでしょうね。

 ただ、そんな早苗ちゃんの優位は認めつつも、今作で最も異質だったのはキリハさんだった気もする。あの人、ヒロインとしては完璧過ぎるのだ。心技体を伴った完全無欠の女性なのだ。最終的に「孝太郎の大親友」というポジションに落ち着いていたようなのだが、男女の友情について懐疑的な私なんかから見ると、「いやぁ、どう考えてもその人が一番の優良物件だろ……」とか下衆なことを考えてしまう。途中までは「侵略者」ってことでギリギリ一線を引いていたが、最終的には気立ての良さまで証明してしまったわけで……キリハさんさえいれば全てが解決してしまう気が。何とも不思議な世界である。

 あ、あとキリハさんと一緒になれば、もれなくハニワが2体ついてくるってのも魅力だ。っつうか、そっちがメインで魅力だ。やっぱり、最終的にこのアニメはハニワのために観ていたんじゃないか、っていう疑惑がぬぐえないホ。そんなことないホ? 「恋はみるくてぃ」のPV考えた責任者は誰だホ? 頭おかしいホ。

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