最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「エスカ&ロジーのアトリエ」 5→4 取り立てて何もなかった作品。本当に、びっくりするくらいに、徹底的に何も無かった。でもまぁ、考えてみたらアトリエシリーズって大体そんなもんだった気もする。どっちかっていうとごちうさよりもこっちの方が「日常もの」だった可能性すら。 シナリオの適当さは「星刻の竜騎士」なんかにも並ぶレベルで、いかにもゲームのシナリオの断片を切り取ってんだろうなぁ、という、イベントとイベントを繋いでいくだけの構成になっている。そりゃ「錬金術師がお客の依頼を受けて少しずつレベルの高いものを作れるようになっていくことを楽しむゲーム」なんだから、依頼がどんどん繋がっていくだけなのは当たり前なのだが、ゲームと違ってアニメの場合にはエスカのレベルアップが実感出来ず、ずっと同じことを繰り返しているように見えるだけなのが辛い。その分、回りの人間との関係性や、少しずつ広がっていく仲間の輪なんかで時間経過を表現していくわけだが、「いがみ合ってたあいつらがどんどん仲良く!」みたいなのは一切ない。何しろ、エスカって大体において第一印象からかわんない子だから。出会った直後から大体みんなしてエスカの仲間だし、彼女に悪いことなんてしない。一応、ロジーとの関係性は少しずつ深まったかなぁ、というところくらいが一応の成長ポイントなのだが、最終回での別れがあまりにあっさりしすぎてたしなぁ。本当に「蓄積」の少ないアニメであった。 そういう意味で「日常系」なんだ。一応ラスボス(?)を巡るメインシナリオはあったけど、おとぎ話を交えた骨子は何ともぼやっとしていて、終わった感じがしなかったのもなんだか日常ものっぽい。捉えどころの無さでは今期随一。ただ、だからといってすげぇつまらなかったかと言われると、案外そうでもないんだ。結局、「みんなでエスカを見守る保護者の会」みたいなスタンスが基本にあるので、エスカがわーきゃーいいながら楽しげに日常生活を送ってくれていればそれでいい。個人的にはエルルゥから時を経てやってきた新たなしっぽ系ヒロインとして、エスカはしっかりと脳髄にインプットされている。studio五組の割には作画がヘタレたところも多かったのだが、それでもエスカだけは可愛くあり続けた。なんかもう、それでいいような気がする。「可愛ければいいか」だからごちうさと同じ点数。うむ、ぶれてない(?)。 あとはもう、エスカを楽しむっていうか、村川梨衣を楽しむしかないでしょうね。多方面に活躍中のなしころもさんですが、単独メインヒロインは今作が初。そして、ほたるんやあおいちゃんのような「おっとり系女の子」と違って、エスカのテンションは禍々しいりえしょんパッションハイテンションに(わずかながらも)近い。そのあたりを無我の境地で楽しむという「りえしょん劇場」が一番正しい楽しみ方だったんじゃなかろうか。他にも、聞いているだけで心の底からホッとする「アホの小清水」とか、「眼鏡の植田佳奈」とか、お約束に満ちたこのキャスティングが、どこか嫌いに慣れなかった一番の要因なのかもしれない。あと、クローネ役の山村響が面白い仕事をしているのが印象的であった。なんか、見かけるときは必ず人造生命の役ばっかりやってる気がする。 PR 「ご注文はうさぎですか?」 4→4 圧倒的安定感を誇る日常枠。可愛いは正義を地でいくきらら系アニメに、更に動物の愛らしさまで加われば鬼に金棒、当初の期待通りのものが出てきた作品である。 しかし、不可思議なことに、私はあんまり心ぴょんぴょんしなかった勢。こればかりは本当に何が琴線に触れるかさっぱり分からないので謎なのだが、基本的に日常枠には点数が甘めだったはずなのに、いまいちピンと来なかった。中の人的にもかなり恵まれた作品だったのに、一体何故なのだろう。 理由を考えるに、どうも最近、身体が変な方向に慣らされた感がある。まさにあの依存症コピペのごとく、日常もの、「きらら系」という枠の中に、脱法ハーブのような致命的な何かが含有していたのではないだろうか。振り返れば、昨年のこうした枠に含まれていた作品といえば、禁断の果実だった「ゆゆ式」、出版社は違えど圧倒的依存度を誇った「のんのんびより」、そして鬼畜の王様「きんいろモザイク」と、「日常ものに見せかけて確実にネジがはずれている」作品ばかりだった。純粋に「普通」を愛でるひだまり路線からはずれていたのである。ゆゆ式患者としてリハビリに苦しみ、にゃんぱすと鬼畜こけしの影に怯えながらすごした日々を思えば、この「ごちうさ」のなんと穏当なことか。あまりに穏当すぎて、不必要なひっかかりを生むことなくスルリと認識の隙間にこぼれていった。そんな印象なのだ。何が悪いということはない。いや、むしろ同系統の作品と並べて見ても、品質は高い方だったと思う。しいていうならば、「時期が悪かった」ということになってしまうのだろうか。そろそろ日常ものには休ませる期間が必要だと思うんだ。 WHITE FOXの手によるアニメーションは相変わらずの安定感であり、メインの5人の可愛らしさは圧倒的。特に個人的にはシャロ推しであるが、強力すぎるキャスト陣の力もあり、「可愛い」という部分には何の異存もない。その上でもう一歩及ばなかったのは、その「可愛い」を印象づけて、病的なまでに神経に刻み込むまでの一押しが足りなかったためだろう。まー、やっぱりこういう作品ってのはどこかでがっつりはまって、正座して見るようにならないと抜けてしまう部分が多いからなぁ。ゆゆ式だって、私の中ではスルーされるべき作品であったはずなのだ。うっかり「何か」に捕まってしまうと、抜け出せない恐怖の世界なのだ。今回は心ぴょんぴょんワールドに取り込まれずに済んだ私は幸運だったのかもしれない。 それにしてもPVの種ちゃん可愛すぎるな。 「ブレイクブレイド」 5→5 時間の関係でそこまで真剣に見られたわけではないのだけど、やっぱり劇場版前提なのでそりゃ強いわ。これ、大画面で観られたらもっとインパクト出ただろうなぁ。 今作の売りはなんといってもロボ。実体弾がメインウェポンで、その挙動はメカニックが事細かに気にしないとすぐ駄目になる。「石英を動かす能力」がベースなんだから一種の超能力マシン、スーパーロボットのはずなのに、そういうスーパーな部分がなくてとにかく泥まみれで走り回るマシン。このほこりっぽさは他ではなかなか無い。戦記物としても遠慮なく物語に没入することが出来るようになっており、女性キャラこそ多いものの、いわゆるサービス要素はポイントを絞り、割とゴリゴリに殺し合い、醜い我の張り合いが展開される。結局最終的に戦争が終わるところまではいかないので、今後この世界がどうなってしまうのかが気になるが、「国と国との戦争」を書きたいならばこれくらいの身尺が良い振れ幅だったのかもしれない。 ただまぁ、それだけじゃなかなかアニメとして引っ張っていけないし、せっかくの男の子アニメ、ロボものなのだからだんだん無茶は出てくる。特にジルグさんの人智を越えた一騎当千ぶりはこの世界の無茶の中でも群を抜いており、「ニュータイプでも無理やろ!」という突っ込み待ちの状態。そこでかっ飛ばしちゃうと、なんか異次元だなー、って気分で笑いが先に立っちゃうな。元々泥臭さが売りだっただけにね。いや、すげぇアクションだから見てたら楽しいんだけども。最終的にどこをメインに見るべきなのか、勝手に迷ってしまったのよね。やっぱり、ロボもののテンション調整は難しい。 「蟲師 続章」 5→5 特に書くことが無い……予定通りのものを、予定通りの品質でご提供して頂いた、ただそれだけのアニメ。 本当に1期の時から変化は無く、「見たい画をそこに」置いているというそれだけ。そして、今作に求められるのはそれだけなので何の問題も無い。分割2クールのくせに間に特別番組が入っちゃう編成になったあたり、スタッフ大丈夫なんか、とは思うが、だからって他の話数がグダグダだったわけでもなし。これに文句を言ったら罰が当たるってもんだ。 とはいえ、1話感想で書いた通り、10年近く前に感動したあのときの「蟲師」とはやはり時代が違っており、「素敵だが、そこに唯一無二の存在感を感じるほどでもない」というのも事実。まー、余計なデコレーションが出来るような作品でもないので、慎ましく、「地味なのにすげぇ入念に」というのを徹底してもらえたことは相変わらず幸せなのかもしれません。秋クール分も楽しみに待ちましょうね。 「ノーゲーム・ノーライフ」 5→6 恵まれしブラジリアンラノベ。いや、ブラジル要素欠片もないけども。結局略称はなんなんだろう。 加点減点の要素が多く、なかなかジャッジが難しい作品になってしまったのだが、やっぱりいしづかあつこというクリエイターの仕事については一定以上の評価があってしかるべきだろうと考えて加点。この独特の世界構築は、玉石混淆のアニメクリエイター業界の中でも注目に値するものだと思う。奇しくも本作は「はったり」がテーマの作品であり、シナリオの中身以前に「どれだけ威圧感を与えられるか」という勝負になっていたわけで、氏の産みだした世界が、このアニメに最大級の結果をもたらしていたのは疑いようが無い。そういう意味で「恵まれし」である。 初回の時から懸念していた通り、「知略もの」としては本当にグダグダになってしまった。放送途中で知人と話をしていたときにも「しょせんラノベなのに何を期待したものか」と目が覚めたのだが、やっぱり「天才」の「俺ツエー」なんて描ききれるわけがない。まぁ、本作の場合はまだ「天才性」についてはなんとか描出しようとしている部分はうかがえるし、割と筆を割いて表現、構築しようとしている努力はみられる気がするのだが、それでもやっぱり荷が勝ちすぎているのは間違いない。世間的には初回のチェスへの非難が多いが、その後のしりとりだってひどいもんだったし、最終回のコイントスですら、カイジと利根川さんにはボコボコにされるくらいに穴だらけの試合である。「ルールを厳守し、それを逆手に取る」ことを狙った主人公チームのくせに、そもそも世界のルールに穴がありすぎて、まともに考えることすらままならない程度の設定になっているのである。そういう視点から見ると、本当に身の丈に合っていない、駄目駄目アニメである。そもそも世界設定自体がざっくりしすぎているので、色んな可能性を全部考えはじめると、まともにゲームの内容なんか見てられなくなる。そして、その可能性のほんの一部を取り出して、「ほら、裏をかけた」とドヤ顔されても「知らんがな」としか言いようがない。「複数解が多すぎて答えを網羅できないよぅ」と思ってるところに1個だけ答えを持ってこられても、「サボってんじゃねぇよ」とか「出題者ふざけんな」と言われておしまいなのである。 まー、結局頭脳バトルを目指すとそういう問題は大なり小なり出てくるわけで、はじめから覚悟した上で、上記のように「ラノベなのに何を」と思ってしまえばそこは目をつぶることが出来る問題ではある。そして、アニメスタッフも最低限そのあたりの「嘘臭さ」「後ろ盾の無さ」がネックであることは分かっていたはずで、それをコテコテに塗り固め、勢いで押しきるためにアニメという媒体が用意された。幸い、この方向性は見事に功を奏し、「画面を見てるだけでも十分面白い」という恵まれたクオリティで提供されることになった。決定打となった11話は言わずもがなだし、思わず飛びついてしまった2話とかもたまらん出来。つまり、「あんまりものを考えずにすむ」時のこのアニメがとびきり面白いのである。久しぶりにマッドハウスの本気を見せてもらったような気がする。もちろん、単に突っ込んだ費用がでかいというだけでなく、「はったり」で回すための工夫も諸々凝らされており、8話エンディングのような興味を引く演出も、「分からないなりの」世界から視聴者を離さないための効果があっただろう。1つ1つのシーンに手を抜かない。それだけのことで、やはりアニメのグレードはググッとあがるもんである。 かてて加えての、あまりに素敵な萌え方向への誘致要因。最後に彗星のごとく現れた純正萌えキャラのいづなが全部持っていくかと思われたが、白、そしてステフの鉄壁さは微塵も揺るがなかった。作品的には白の完勝ってとこだろうが、個人的には立ち位置の関係もあってステフが一押し。11話を見ていても、「これ、絶対最後ステフが決めるだろ」と安心して見ていられるポジショニングが最高。日笠劇場、茅野劇場、そして沢城劇場。もう、本当にお腹いっぱいです。最後に進藤尚美の京都キャラ無双というのも実に贅沢なサプライズである。 結論、「ステフがアホ可愛いから、シナリオとかどうでもいいくらいにこの世界は満たされている」。 「一週間フレンズ。」 6→6 終わってしまったなぁ。いや、ここから先で何をやれるかって言われても、多分何も思いつかないから終わってしまってよいのだけども。藤宮さんに会えなくなるのがちょっと寂しいです。 正直、メインのネタの比重を考えるなら、九条の登場前、大体夏休みくらいでこの作品は完結していた。「一週間でリセットされる記憶」というメインプロットが持ち出され、それが機能し、「治癒していく過程」を真っ直ぐに描いたのはそのあたりまでだからだ。別に10話以降が蛇足だったなどということではなく、1つの物語としての帰着点は、おそらくあそこだったんだろう、ということ。最終回視聴後すぐに原作コミック既刊分を読ませてもらったけど、コミックがこれだけ続いていることに一番驚いているのは作者自身のような気がするし。そこまで長く引っ張れるようなシナリオラインではないのだ。 「問題を抱えた女の子を相手に、ただひたすらがむしゃらな男の子が突っ込んでいく」というだけのラブコメ。それが本作の中身であり、「そう言われると大したことないな」と思えるかもしれないが、実をいうとこういう作品って昨今のアニメでは本当に少ない。「女の子のために頑張る男の子」像っていうと大体バトルとかが絡んできてしまうし、日常的なラブコメというとどうしても少女漫画のヒロイン視点からの作品ばかりになる。「男主人公+恋愛」というと、何故かハーレムものになってしまうのが現代日本の抱えた深刻な病状であるのだ。そういう時代に、この作品は本当にただただプレーンな味わいのラブコメを、遠慮なくやってくれた。ぽわぽわして淡いデザインもこうした緩やかなラブ風味にしっかりとマッチしていて気持ちよかったし、この絵だからこそ藤宮さんはあそこまでのピュア・ヒロインとして成立したのだと思う。生い立ちが特殊とはいえ、普通に考えたらあそこまで純粋培養な高校二年生女子って、「カマトトぶりやがってよぉ!」と言われるのがオチだ。藤宮香織だったからこそ、それをはねのけて存在し続けることが出来た。まぁ、簡潔にまとめると「藤宮さん可愛い」なんだけど。 その他、今作きっての聖人君子である将吾の、無償の愛。今作きっての問題児である山岸さんの、阿漕過ぎる天然模様。今作きっての可愛い奴九条の、意外な素直さ。今作も、疲れた心に優しい「悪人のいないアニメ」なのである。だからこそ、本当にだからこそ、長谷の野郎の要所での弱腰には本当にイライラさせられたわけだが。今作で一番頑張っていたのはそりゃぁ長谷なのだろうし、彼がいなかったら物語は始まらなかったのだから、今作の立役者といえば長谷しかいないのだが、どうにもピンポイントでイライラさせられることが多くてなぁ。そんな彼だからこそ、こうして長きに渡る藤宮さんとの対決が成立していたとは言えるのだが……。彼が本当の男を見せていれば、より爆発度合いの高い、完全リア充ラブコメが楽しめたかもしれない。幸い、原作コミックの方はアニメとちょっと違う展開になっており、「お、長谷の心無い態度が改められてるやん」と思ったら、5巻の最後でもう一回心折れそうになった。……しっかりせぇや長谷よぅ……。 というわけで、「主人公には色々イライラさせられたけど、ヒロイン勢可愛いし、お話もじんわり楽しめたのでOK」ということで。マイベストヒロインは……やっぱり藤宮ママンかな! あ、藤宮さんももちろん可愛いですけどね! 雨宮天のヒロインデビュースタートダッシュとしては実に良い舞台でしたね。(ブレイドアンドソウルはまぁ……) 「星刻の竜騎士」 4→3 「ゼロの使い魔」と「ドラゴンクライシス」を足して3で割ったようなアニメ。元々足しあわせたところで大した和になってないってのに……。 アニメとしては並といったクオリティだからわざわざ取り上げることもないのだが、なんでラノベなのにこんなにエロ優先だったのかがよく分からない。それこそダイミダラーみたいに漫画ならばギリギリ理解出来るのだが、その漫画でさえ「エロが読みたいならエロ漫画を読めばいいんじゃないかな」と思ってしまっているわけで、よりそうした方向でのニーズが薄そうなラノベでこういう方向性に進む理由が分からない。ひょっとして、エロかったのってアニメだけの判断で、実は原作はすごい真面目ってことはないだろうな(ないだろうな……)。 別にエロいだけならば構わないのだが、今作の場合、キャラクターデザインがなんかピンと来ない。顔つきというより体つきなのかなぁ。肌の露出部分の執拗なハイライトもなんか嫌。エロをやられるとやられるほどに萎えていくという不思議な展開。こういう部分で何が嫌で、何が琴線に触れるかっていうのは未だに自分でもよく分からない部分があるね。そして映像面でピンと来ない限り、残った部分で特に目を引くものはないわけで……もう、こっち方向の作品は「ゼロの使い魔」で完結してしまったんじゃないかな。「機巧少女」しかり。何かよほどエポックメイキングなことをしてくれないと、ラノベアニメの閉塞感を打ち破るのは難しそうだ。 一応の評価ポイントとしては、あやねるが珍しく硬派な役どころに回されており、普段出さないタイプの声を出してたのが面白かった。まだ「作り声」だとちょっと堅いんで、手放しに褒めるわけにもいかないんだが、色んな方向に掘りさげてもらえるのはありがたいことである。あと、特番の亀ちゃんがクッソエロかった、っていうのも言い思い出。亀ちゃんはムチムチなのにガードユルいから突発的に出てくるエロスが危険。あの特番を毎週放送してくれる番組だったら余裕でBD買えるクラスなんだけどなぁ……。 「僕らはみんな河合荘」 5→5 よろしかったんじゃないでしょうか。ほぼ原作通りの内容を、原作通りに崩さずやってくれていた。それなら、原作ファンはひとまず満足。 開始直後に懸案だった色彩設定のオリジナリティはすぐになれたし、あとはどのくらいギャグのテンポを回してくれるか、っていうところがポイントだった。最初は書き文字の演出なんかに多少の違和感はあったのだが、そのあたりもすぐに馴染んで、改めて見返せばかなり原作のテイストを意識して丁寧にアニメ化されていたのが分かる。基本的に宇佐がリア充になろうとして頑張る話なので要所要所でイラッとする部分はあるものの、そこも含めてのネタになるわけで、きちんとアニメでも「りっちゃん可愛い」と言えるようになっていたのだから問題あるまい。同じ作者の「恋愛ラボ」と比べて見るのも面白く、こちらの作品は独特の色彩のおかげでどこかじっとりと張り付くような質感が維持され、よりウェットに「ぼっち」や「非リア」といった哀愁が感じられるようになっているのが面白い。考えてみりゃ、アニメ放送分の内容だけを見ればりっちゃんは圧倒的ぼっち力でもって不幸な身の上にしかなっていないはずなのだが、それが許され、救われる河合荘という存在が、より身近なものとしてクローズアップされるように出来ているわけだ。こういうさじ加減で独自性が打ち出せるのは良いことだと思います。 そして、アニメ化されて浮き立つポイントといえばなんといってもキャスティングであった。花澤りっちゃんについては、全盛期のイチローに「なんでもいいから出塁して下さい」っていってるようなもんで、落ち着くところに落ち着くのは当たり前の話。今作でもっとも注目すべきは、なんといっても麻弓さん役のサトリナである。もう、こんなに下世話でヒドすぎるサトリナキャラはなかなか他でお目にかかることはないだろう。どこまでも品性下劣なはずなのに、なんかこの声で言われるとセーフ。というか、とにかくエロさが際だってファンにはたまらない仕上がり。年下に余裕を見せるサトリナ伝説が具現化した姿であり、「とにかくサトリナにエロワードを言わせるアニメ」という、なんだか中学生男子の悪戯みたいなモチベーションがとにかく昂ぶりっぱなしであった。「能登麻美子にエロワードを言わせよう」みたいなアニメってのは過去にたくさんあったわけだが、サトリナはそういう路線と違って何やらせてもケロッとしてるのがまた良いのです。ビバ、佐隈さん。その他、彩花役の金元寿子もどストライクで見事に決まっていたし、久しぶりに楽しめた小林沙苗の澄子さん、林役がぬーさんっていうのもなかなか面白い配役だった。 順当に行けば、原作ストック溜まった後の2期目も期待していいんだろうか。是非、そうなってほしいもんですけどね。 「ノブナガ・ザ・フール」 5→4 なんか色々メタメタだったけど、最終回まで見たら一応それなりにけじめはつけてくれたかな、という作品。これで「けじめがついた」とするジャッジはちょっと甘い気もするんだけど、オリジナルアニメだったら多少冒険してほしいっていう気持ちもあるしねぇ。 正直何がしたいのかは最後までよく分からない作品ではあったのだが、様々なイロモノ要素をフラットにならすと、割とシンプルな「戦国乱世」のお話だったのではなかろうか。星が東洋と西洋に分かれていたり、色々と説明すら放棄した超常現象が起きすぎていたり、作中のキャラが大体においてネガティブな方に歪んでいたり、表層だけを見るとがんがん視聴意欲が削られていくのだが、「お家騒動」から始まって「土地と人を巡る覇権争い」が続くという要素だけを見れば、これは確かに戦国ものであった。創世王を巡る云々のせいで無駄に壮大になったり、観念的になりすぎて個々の心情が追えなくなってしまったのは大いに問題だが、それだってなにがしかの「大望」を表すための1つのツールとして使われていたわけでね。慎重に1つずつ取り出していけば、河森監督の書く話ってのは、そこまで常軌を逸したものではないのである。 ただ、そうすると今度は、「じゃ、その道具で何がやりたかったの?」ということを改めて問う必要が出てくる。マクロスやアクエリオンは、割とやりたいことが分かる作品だ。アルジュナだって「AKB」だって、見てれば「あぁ、このあたりがやりたかったんだな」というのが分かるのが河森さんの素直なところだ。ただ、今作は正直そこが感じ取れなかった。戦国絵巻という舞台設定はいいのだが、「信長を中心とした戦国絵巻」なんてのは昨今のアニメだけを切り取ってもとんでもない数に上るわけで、改めてそこを切り出して、サテライトロボアニメにした意味は一体なんだったのだろうか。サテライト的要素との融和によるハイブリッド感を出したかったのだとしたら、何とも中途半端な結果である。最後の最後までノブナガを「破壊王」というポジションのまま維持し、「うつけ者なりの統治」を描くっていうのが最大の眼目かなぁ。最終回だけ見ればそのあたりは割と納得出来たのだが、やはりどうしてもそこまで持っていくシナリオラインがもたつき、ダレてしまっていた。アーサー王が最後まで概念存在としてのあやふやなスタンスをキープしちゃったもんだから、敵も味方も、あまりはっきりした大義名分を持てなかったのがなぁ。 今作がいまいちピンと来なかった最大の原因は、ジャンヌだったんじゃないかと個人的に思っている。いうてもノブナガの苦悩や、最後まで貫き通した「うつけ」の道はそれなりにオリジナリティがあるものだったし、ライバルとして立ちはだかったカエサルは、実は見ていて一番楽しいキャラだった。その他にもダヴィンチやヒミコ、イチヒメあたりはそれなりに「生きた意味」のあるキャラだったと思う。他方、ジャンヌの巻き込まれ体質というか、最後の最後まで「振り回される側」でしかなかった立ち位置が、メインヒロインとして非常に勿体ない。ノブナガが破壊王で固まってしまい、救世王選択としては「外れ」だったのだからジャンヌが迷うのも分かるのだが、彼女の信念がどの程度のもので、それがノブナガにどう働きかけられたのかが見えず、メイン2人のつながりが最後まで固められなかった。途中で一度里帰りしたあたりからは「そろそろジャンヌのターンだろ」と思ったら、結局イチが死に、ヒミコが逝き、最後までメインヒロインとしてパッとしない状態が続いてしまった。そこが非常に勿体ない。あと、(そんなジャンルがあるか知らんが)「信長もの」で一番大事なポジションといえば、当然光秀であろう。今作の光秀は、序盤から少しずつ不穏な雰囲気を出す技能には長けていたものの、こちらも行き当たりばったりで揺れて、裏切って、負けていただけに見えてしまうのが勿体ない。他作品の光秀は「愛故」とか「正義故」とか「嫉妬故」とか色々と「強い感情」が表に出てくれていたのでそれを見るのが楽しかったのだが、今作の最後のまとめ方は、ミツヒデが恰好よく見えない残念なものになっている。そもそも、あの終わり方だとこの世界のミツヒデは三日天下じゃないんだよなぁ。その辺がしっくりこなかったのよ。 というわけで、「一応オリジナルアニメとして頑張ったポイントは見えるので評価に値するが、それが上手く行ったとは言いがたい」というのが今作の総括である。ロボバトルにもあんまりピンと来なかったしな。一番の収穫は……ヒミコが可愛かったことかな。 |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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