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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」 6→7

 一息ついて改めて感想をまとめようかとも思ったけど、大体毎回の感想で書いてた気がする作品。改めて2期目がどういう構図になっていたのかを振り返ってみると、やはり賑やかな作品だったのは間違いない。

 1期の張り詰めたようなきわきわの脚本をくぐり抜け、2期は非常に分かりやすく「盛り上げる」構成になっていた。大まかに分けると3つのパートがあり、冒頭はアールを中心としたヘックスさんわっしょいの回。続いてトージョをメインとした怪しげなスパイ作戦の回。そしてそこから大きく盛り上がっていくラストエピソード。これだけでもお腹いっぱいだが、間にはヨナが日本で子供たちの行く末を見守っていたり、爆弾親父が守りたい笑顔を展開したり、実に贅沢な盛り込み方である。そして、再三繰り返している通り、これらの脚本が詰め込み感をそこまで際だたせず、きちんと理解出来るレベルで進捗していたのが一番の驚きだろう。もちろん、あっさりと片付けてしまって勿体ないと感じる部分もあっただろうし、原作ファンには物足りない部分などもあったのかもしれないが、アニメしか知らずに視聴していた人間には、これでも重たすぎるくらいの刺激の連打であった。

 改めて振り返ってみると、当たり前のことではあるのだが、脚本は全てゴールを目指した一本の線の上にある。戦争や軍隊、武器をテーマとしたアニメというのはおそらくこれまでも少なからずあったと思うのだが、「武器商人が武器を売ること」というテーマは寡聞にして初めて見た。「武器商人を憎む少年兵」と「才気溢れる武器商人のうら若き女性」なんて非常にあざといセッティングだと思っていたものだが、ことの顛末を最後まで見守った今となると、なるほど、なかなか面白い道具立てだった。最終的な判断は視聴者・読者に丸投げの状態にはなっているが、1つの試論として、問題提起としてこの物語が提示してくれたテーマは非常に興味深いものだし、それに見合った「お話」でもって退屈せずに見守らせてもらった。もちろん、単なる蘊蓄語り、胡散臭い運命論だけのお話にならず、そうした世界の中に活きる個々のキャラクターにもきちんと生き様があり、哲学が見えたのも面白い部分だろう。日野木のように最後までなんだか不思議な人もいたし、ヘックスやDr.ミナミのように、いかにも漫画的でシンプルにかっとんだ奴もいた。2期でクライマックス以外に一番盛り上がったのが19話のワイリさん大爆発回だったことも、非常に良いアクセントになっている。ちょっと離れて見ると実に幼稚で、あり得ないお話なのかもしれないが、畳みかけられたシリーズの中で、こうした「説明不要の盛り上がり」がきちんと用意されているのも、単にお利口さんなご高説アニメに終わらないだけの魅力になっていただろう。

 そして、こうしたキャラクターたちの魅力を支えた画作りのスタッフ陣も、見事なお仕事だった。元永監督指揮による素晴らしい演出面は言うに及ばず、アクの強い原作絵をギリギリのバランスでアニメ絵に落とし込み、要所でインパクトのある動きを産みだしたWHITE FOXの仕事ぶりは、これまで築き上げてきた信頼の1つ上の仕事だった。アクションパートではチェキータさんVS黒坂さんのワンシーンが強く印象に残っているが、一歩間違えればギャグにしかならないココの「悪い顔」や大見得を切った時のキレた見た目など、1つ1つの絵に熱がこもっていた。もちろん、押し寄せる女体の波による深夜アニメ的ご褒美だってごちそうさまである。キャラクター全員がエロかったが……一番ヤバかったのはヘックスさんかなぁ。尻がエロいアニメは良いアニメ。バルメさんは最後の最後までおっかなかったけど。

 冷静になってから見るとまた感想も変わってくるのかもしれないが、一気に走り抜ける分には大変満足出来たアニメでした。もちろん最後は中の人の話で締めたいのだが、こちらも1人1人がえげつないくらいに濃かったから、なかなかまとめるのが難しい。エロいおねーさんを褒めるべきか、クドいおっさん連中を褒めるべきか。……どちらも褒めるべきだろうなぁ。久川綾・豊口めぐみ・大原さやか・冬馬由美と並んだ屈強なる布陣。ケロちゃんとスッピーの共演アニメはなんだか久しぶり。おっさん連中では、ブックマンの磯部勉やワイリ役の乃村健次のえげつなさがたまらん。ごついのが集まる中でも異質な胡散臭さを発揮したキャスパー役の松風雅也も相変わらずの仕事ぶり。もちろんスケアクロウとショコラーデコンビも好きよ。ここまで殺伐とした濃い世界だと、あみすけボイスのアホっぽさが際だつこと。

 そして、やはり最後に控えしはメインの2人。「台詞が少なくて楽」しか言ってなかったけど、ヨナ役の田村睦心。良い仕事してくれるよね。だんだん残念美人みたいになってくるむーちゃんマジカワユス。そして、今や時の人(?)、ココ=ヘクマティアルを産みだした伊藤静。今作の成功の一端は間違いなく彼女のおかげである。なんで私は気付いたらラジオCDを買っていたのか。「パンプキンシザーズ」とかこれとか、御前のやってるラジオは気付くとDJCDを買っている気がする。まぁ、特別編ゲストのおかげなのかもしれないけどさ。さて、原作本買うかな。

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「となりの怪物くん」 5→6

 今期なんだか多かった少女漫画原作のゴール1作目。先に書いてしまうと、多分3本の中で一番好きなのがこれだった。終始賑やかで、話を揺さぶりながらも暗くなりすぎず、どちらかというと高校生時代のよく分からない活気、エネルギーを感じることが出来た。やっぱり、この時期の男女なんてもんはあんまり真剣になりすぎず、勢い任せでギャーギャー騒いでる方がらしいってもんですよ。

 褒めるべき点を探すと、おそらく「貶す点が無い点」が一番の加点要素なのかもしれない。キャラクターデザインや背景美術などの個々の要素の完成度が高いのに加えて、それらをまとめて1つの空気を産みだすディレクションがしっかりしている。鏑木ひろは「君に届け」でも安定した作品世界を産みだすことで評価が高かったわけだが、ちょっと雰囲気の変わった今作でも、変わらずにその手腕を発揮してくれていたように思う。1話時点でも触れたように、やっぱりこいつら色々とおかしいのは間違いなくて、冷静に考え始めたら雫がハルを引っ張り回したりわめいたりするのは理不尽な部分も少なからずあるはずなのだが、それを感じさせずに、コミカルなシーンでは軽妙に、シリアスなシーンでもあまり沈みすぎない程度に地に足を付けて描く。全体的な賑やかさを優先しているおかげでどんなエピソードになったときにも中心がぶれずに済んだし、最終的には雫とハルのところに話が戻ってくることは分かっているので、先のことを知らずとも安心して見ていられるのだ。

 あとはまぁ、恋愛漫画というジャンルなので、その様子がどの程度の中身で描かれるのか、っていうところですかね。水谷雫という「ちょっと変な子」と、吉田春という「とても変な子」の恋愛模様。つかず離れずでなかなかもどかしい部分がありつつも、基本的に二人とも悪い奴ではないことが分かるので、その関係性は見ていて微笑ましくなる。一番良い部分は、ハルの無茶苦茶さが、「人として」無茶苦茶なのであって、「男として」無茶苦茶なのではないという部分。雫への感情表現はド直球だし、男目線で見ていても、なんだか馬鹿犬を見ているようで放っておけない感じがする。それに対する雫の反応もなんだか初々しくて、感情を隠しきれないくせにあくまで自分を貫こうとする不器用さにニヤニヤしてしまう。「お互いに好きあった後からの関係性が丁寧に作られていく」という部分が少女漫画では大事なパートだと思うのだが(少年漫画だと告白するところがゴールみたいな部分があるからね)、雫の「お前を好きなのは認めるし、付き合うのも望ましいが、日常生活でそれとこれは別」という割り切った反応がどうにもおかしくて良い。あれ? ひょっとしてこれって単なる私の好みの問題か? そうですね、単に女の子に冷たくあしらわれると喜んでしまうせいですね。雫は良い子だよ。

 メイン2人の関係性が一筋縄でいかない部分が一番の見どころだが、それを囲む「賑やかさ」の材料であるサブキャラも良い味になっている。終盤で見せ場を作った夏目ちゃんは登場時の無茶苦茶さからは想像出来なかった方向にキャラが進んで可愛かったし、気取ってみてもどこまでもヘタレ要素が抜けないヤマケンの見守ってあげたい感は、男目線でも萌えポイントである。最初から最後まで何一つ得をしていない大島さんの不憫な立ち位置も、外野から見ている分には良い刺激である。そういや優山なんてのもいたな。後半全然でなくなっちゃったけど。

 そして当然、これらのキャラクターを彩る中の人劇場が最大の視聴ポイント。ハルの中の人、鈴木達央が良かったとか、ヤマケンの中のてらしーが良かったとかいう話もしたいけど、まぁ、とにかく戸松遥に触れておけば問題無いだろう。やっぱり戸松だなぁ。文句のつけようがないなぁ。花澤さんも良い仕事だったしなぁ。戸松と花澤のタッグで共演した作品は名作。異論は認めたくないけど多分探せばけっこうあるだろう。そして、鉄板面子ばかり褒めても面白くないので今作で1人ピックアップするとしたら、夏目役の種﨑敦美である。事実上これがデビューみたいなもんだろうに、非常に良いキャラクターが出来ていた。こういうところから明日の新星が出てくることに期待したい。

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「ハヤテのごとく!CAN’T TAKE MY EYES OFF YOU」 5→4

 マリアさん、ハヤテ、そしてヒナギクと、今年結婚した声優が賑々しく盤面を飾る、ある意味記念すべき作品。ラスボス役が神田朱未という念の入れようで、本当に「ナギや伊澄や雪路の中の人は……」とネタをふるためにあるとしか思えないセッティングであった。

 さて、そんなことはどうでもいいとして、気付いたら終了していた1クール。新番チェックの時にも書いたが、わたしゃ「ハヤテのごとく」は嫌いではない。1期4クール、2期2クールはどちらもそれなりに楽しませてもらっていたし、今期だって始まると知った時にはそれなりに期待もしたものだ。ただ、いかんせん原作を追うほどのファンではないので、しばらくのブランクを埋めるようなことは無かったし、原作とリンクした何かをされても分からないのは仕方ないところだろう。そして、今作の場合、あまり私が好きだった以前のアニメシリーズとの接点は無かった。

 一番の疑問は、「このお話は、別に『ハヤテのごとく』でなくてもいいんじゃないか」という部分である。不可思議な時計「黒椿」を巡ったちょっとサスペンスな冒険活劇。舞台をアメリカに移し、主人公であるハヤテが一時退場までして産みだしたシチュエーションなのだが、そこに絡むキャラクターの繋がりがなんだか希薄で、メイン以外の外野陣は「出すために出した」と言われても仕方ないレベル。最後に活躍(?)していた雪路もそうだが、ヒナギクや伊澄、歩や3人娘など、「その程度の絡み方ならいっそ出てこなくてもいいのでは?」という印象だった。もちろん、個人的にはそうした脇を固めるキャラこそが見ていて楽しいものであるから、登場しなかったらもっと残念な気分になってはいたのだろうが、脇キャラを相互に絡ませて妙味を出すという、普通のドタバタコメディ要素が無くなってしまった時点で、あまりキャラを増やすうまみが無い。それなら、そもそもアメリカなんぞに渡らなきゃよかったじゃないか、と思ってしまうのである。

 一応、これまでほとんど触れられて来なかったナギの父親のエピソード、しかも脚本は原作者が時間をかけて担当していたということで、原作ファンからしたら貴重なシナリオだったのかもしれないが、これまでの2期を楽しんできた身としては、「これじゃない」が強く残ってしまう結果になった。一応、「劇場版からの発展形」ということだったので、劇場版を見ていない人間にはあまりコメントする権利はないのかもしれないが……それにしたって、あの謎のシンガーとかさ、結局最後まで何で出てきたのかもよく分からないし、制作側がプッシュしたかったのかどうかも謎だし。シリアスめのシナリオで押すんだったら、序盤の切れ切れになった日常パートの話とかもいっそいらなかったんじゃないかなぁ。せっかく色々と出来る枠だったはずなのに、なんだか狙いがスカされたみたいで残念である。あと、やっぱり最後まで「キャラ絵は2期の方が好きだな」という感想は動かなかった。単に藤井さんの絵が好きなだけなんですけどね。

 というわけで、「やりたいことは分からないではないが、個人的に求めていたものとは違っていた」というのが最終感想。そうなると中の人劇場を楽しむしかないんだけど、一番面白い桂姉妹や三人娘あたりの出番が少なかったのでなんだか消化不良です。ゆかち新キャラについても、なんだか使い捨てみたいでちょっと勿体なかったよなぁ。釘・ゆかちの絡みはギャンギャンうるさくて好きなんだけどね。

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「緋色の欠片 第二章」 4→3

 基本的に、珠紀ちゃんの中の人とフィーアさんを見るために視聴してました。だから、内容は覚えてません。ず〜〜〜っと玉依姫と鬼斬丸が色々で何かがどうにかなって大変そうでした。お婆ちゃんの末期だけはちょっと「わー」ってなった。もう、ホントにそれくらい。だって中盤までメインのお相手が岡野さんの方だと思ってたくらいだもの。「あ、杉田なんだ」って気付くのかなり後の方になるくらいぼんやり見てた。そんな適当な様子ならば観なければいいのに、と思われるかもしれないが、実際その通りである。でもなぁ、油断してたら1回小滝さんのコンテ回があったしなぁ。福田さんやら寺東さんやら、油断するとDEEN作品は豪華なところ突いてくるんだぜ。あと、中の人ではラスボスになったドライ役の上田耀司氏の仕事に驚いた。リアルジジイかと思うような声音で、やっぱりすげぇ人なんだな、というのを再確認。メインヒロイン珠紀ちゃん役を務めた三宅麻理恵も、乙女ゲーの課題である「女性に嫌われない嫌みのない女の子」という意味では頑張ってたと思います。お芝居の面では色々と面白い作品でございました。

 でもまぁ、最終的にはやっぱりあんまり覚えてないな……来期こそは、こういうところから観るのを堪えて時間を節約する勇気。

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「ひだまりスケッチ×ハニカム」 5→5

 また終わってしまった、いつもの生活。日常系アニメは終わるときにもフッと終わってしまうので、あまり実感が湧かないけれどもじわじわ寂しくなってしまうという。今期分で原作もほとんど尽きてしまったし、5期が作られるとしたら数年後ということになってしまうんだろうなぁ。原作がどこで幕を閉じることになるのかは定かでないが、ここまで来たらしっかりと原作の後を追いかけてほしいものである。

 基本的に、ファンになってしまった時点でこの作品について何かを語ったり計ったりすることは出来ない。「そこにひだまりがあるならそれでいいや」というスタンスになってしまうために、何が面白い、という部分すら必要無くなってしまうためだ。時折「ひだまりって面白いの?」と聞かれることがあるのだが、「好きだよ」としか答えようがないのである。何とも申し訳ない話だ。

 元々、ひだまりが好きになったのはコテコテのシャフト作品だった1期2期の影響である。なにせ1期が上坪さん、2期が尾石さん中心の作劇になっていたわけで、もう、あり得ないレベルでの構成が本当に刺激的だった。幸か不幸か現在はそうしたアクの強さは薄れており、3期は本当に素直な日常もの、4期になって八瀬氏のディレクションに変わったので再び「らしさ」が出るようにはなったものの、やはり1期2期に比べれば随分大人しい。初期ひだまりに求めていた楽しさとは別次元の作品になったと言っていいだろう。そうした変化が残念ではあったが、それでも一度落ち着いてしまった世界観に文句を付ける気も無い。すっかり落ち着いた作品世界をゆるゆると見続けることが何よりも求められているのだから、存在そのものが正義なのである。4期はそうした方向での充足感については文句のないシリーズだったのではなかろうか。

 具体的な内容を掘り返せば、3期で加入した1年生コンビの定着が最大の変化ではないかと思われる。2期目まで4人で展開していたひだまり荘に新入生が入ってきたのが3期目のこと。そして3期は新入生加入後のエピソードが約半分といった分配だったので、新規組に抵抗がなかったといえば嘘になるだろう。それが、この4期目になったことで安定し、しっかりと個々のキャラクターで「ひだまり荘」を回せるようになった。様々な組み合わせでの物語が織りなせるし、これに外野までを加え、多少アニメオリジナルで膨らませることで、より自然な世界の広がりを見ることが出来た。また、3年生組の進路という具体的な目標も見え始め、寂しさもある反面、ちゃんと時間が流れていることも意識させる作りになっており、積み重ねてきた4期分の歴史を嫌でも意識させる。こうしてなだらかに変化していく様子を見ているだけでも、時間が共有出来ているようで満ち足りるのである。ま、実をいうと中盤以降に作画面でちらほら気になるシーンも見受けられたのだが……富士山に比べれば、ね。

 流石にこの作品について中の人に触れる必要性はかけらも無いのだが、強いてとりあげるとするならばゴトゥーザ様の復帰をお祝いしなければならないことだろうか。まだ完治したわけではないのでどのくらい喜んだらいいのかは定かでないが、少なくとも仕事が続けられそうなのはありがたい限りである。早く元気になって、僕らの知っている後藤(強)を見せて欲しい。何しろ「もっとも強そうな6文字」に選ばれたわけだからね。「ぜんぶごりら」。

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「BTOOOM!」 5→5

 期待も予想も裏切らず、といった感じの作品だろうか。およそスタート時に想像出来ていたシナリオ展開と作品のテイストから外れたものこそ出てこなかったものの、それ自体の品質が悪くなかったおかげで、案外毎週身を入れて見ることが出来た作品。あの手この手で視聴者を引きつけるネタを打たなきゃいけない昨今のアニメ制作も大変だろうとは思うが、たまにはこうして「原作漫画があって、それが面白かったからアニメにしてみたよ」というスタイルがあると安心するものである。

 デスゲーム設定というものも随分と色々なところで流行ってネタにされて久しいと思うが、この作品もそのご多分に漏れず、隔離空間で突如集められた一般人が生き残るために殺し合わなければいけない、という分かりやすい設定。武器が爆弾である、というところが最大の特徴だとは思うが、やっぱりどうしても火力については不安定なところがあり、何故か坂本さんが喰らう時だけ火力が落ちたり爆破まで時間がかかったりするのは仕方ないところだろう。伊達さんのリモコン爆弾、どう考えても爆発まで時間かかり過ぎたと思うけど、世間ではそれを「主人公補正」という。宮本のおっさんが吹っ飛んだ時のタイマー爆弾なんかも、きっちり人一人死ぬだけのレベルでしか爆発せず、回りにガスが充満してたはずなのに爆発後にそのガスが拡散している様子が無いとか、色々謎な状況だが、気にしたら負け。むしろ、こういう「何となく危険な状態」「何となく助かってしまう状態」をうやむやのままで描くために採用された武器がおおざっぱな「爆弾」だったことは、設定の上手い部分と言えるのかもしれない。

 また、よくあるデスゲーム設定と少し違うのは、このBTOOOMの場合にははっきりと島の広さや生存人数が分かっていない、という不確定要素が多い部分。たとえばかの有名な「バトルロワイヤル」の場合には「あと何人殺せばクリア」という形で「絶対的な生き残り1人」が定義されていたが故にごまかしが利かなかったが、こちらのゲームの場合、「チップを集めれば逃げられる」という設定で、「何人中の何人を殺す」ことが明示されていないため、途中から新しい敵キャラを出すのも自由だし、「チップさえ集めりゃ無理に殺さなくてもいい」ってんで、ヒミコや平さんとのチーム形成もそこまで面倒な制限を与えずに成立させている。これが「最後に1人しか生き残れないデスゲーム」なら「誰かいつか裏切らねばならない」というドロドロした設定がまとわりつくので、こんなにあっさりといちゃいちゃ展開になるのを楽しむことは出来なかっただろう。そういう意味で、何から何まで「何となく」にしている設定のユルさが、逆に作品を見やすくしてくれたっていうのが面白い部分だ。

 アニメは1クールで原作が続いている、ということで綺麗に終わることはのぞむべくもなかったわけだが、それでも12話分のシナリオとしてはバランスが良い。敵キャラが最初のチュートリアルのザコに始まって、「パワフルなおっさん」→「イカれた小学生」→「無敵の中村ボイス」→「せこい医者」とバラエティに富み、爆弾だけのバトルにも関わらず意外に目先が変わってマンネリ化していない。「どうやって殺すか」の部分に加えて「どうやって騙すか」の部分が強くなったり、ユルいとはいえきちんと「信頼と裏切り」の要素が描かれたり、必要最低限のファクターは揃っていたのではなかろうか。マッドハウスの作る画面もシリーズを通じて安定した品質を保ち、特に鬱蒼とした緑の島の自然景観が綺麗。どこかジメッとした「野戦」の雰囲気も出ていたし、爆発のエフェクトや、死体の見せ方なんかも、「激しい描写が売りですから!」みたいなクドい見せ方ではなく、あくまでシナリオに必要なファクターの引き立て役として配置されていたのはいいバランスだ。これできちんと収束することが保証されるなら、続編を期待してもいいレベルであろう。

 中の人については、まず主人公を演じた本郷奏多が必要な仕事を果たしていたことから触れるべきか。まだ声優として見るには違和感はあるのだが、演技の作り方が最初から最後まで芯が通っており、充分中心として機能するレベルだった。今後声優活動をするのかどうかは分からないが、もしその方向も考えているならば頑張ってほしいものである。その他、男性キャストはくせ者揃いだったのが本当に面白くて、大川さんの人の良さそうな大阪弁キャラとか、とにかくキルマッスィーンな黒田崇矢、イケメン過ぎる中村ボイス、ヘタレ過ぎる二又一成。おっさんが濃いのは良い作品。みゆきちのキチガイショタっぷりも相変わらずの仕事だ。

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「ソードアート・オンライン」 5→3

 今期と昨期を合わせて、世間的に随分盛り上がっていたのがこの作品。しかし、私の回りでは寒風しか吹いておらず、一体何がウケているのか、さっぱり分からない状態であった。映像の質を考えればそこまで点数を落とす必要も無いのかもしれないが、1話を見て抱いた期待感の損失や、世間との温度差を鑑みて、この作品にはやはりきちんと「否」という意見を提示したい。

 先に贔屓しておくが、私はこの作品の監督を務める伊藤智彦は良いクリエイターであると思っている。「オカルト学院」で見事な仕事を成し遂げた、という第一印象が強いこともあるが、その後ちらほらと仕事をしているのを見ても、割と好みに合致する、良い画を構築してくれていることが多い。「見得」を大事にしてきちんと「面白い画」を作ることを意識している人だと思うし、何より仕事が丁寧だ。今回もA−1Picturesとの仕事ということで、作画状態は常に安定しており、時にハッとするような映像も見ることが出来た。いくらか「動かすために動かしている」という、技術に引きずられている感じはあったものの、「この話ありき」で構成を評するなら、やはり上手い作品だったのだと思う。梶浦音楽なども良いバランスで配置されており、「本当ならこれは好きになって然るべき作品だ」と何度となく思ったものだ。それでは、何が受け付けない要素になったかといえば、それはやはり、脚本しかないだろう。

 この現象は、「氷菓」で起こったものに非常に近い。あちらも、京アニ画質が相変わらず高品質なものだったにもかかわらず、それがどうにもお仕着せのものに見えてしまい、最後までネガティブな印象をぬぐえなかった。ただ、あの作品の脚本を受け入れられないことはある意味仕方ない部分もあったので、「まぁ、好きな人がいるのは充分理解出来る」という範囲で留まったものである(だからこそ配点は維持していた)。しかし、この作品の場合、冒頭1話部分以外、どこを面白がったらよいのかが分からない。どこかに視聴のモチベーションを維持しようと思って必死に手を伸ばしても、進みゆくシナリオに一切のとっかかりが無く、掴みようがなかった。

 今作の原作者は「アクセル・ワールド」と同じ人である。なるほど、言われてみればそれも分かる気がする。「アクセル・ワールド」の感想では、作品について「せっかく設定を作ったのに、それをまったく活かそうとしていないのが謎過ぎる」という趣旨のことを書いた。その上で、あの作品は「まぁ、それはそれで」と設定を放置し、次々に目先を変えて新しいお話を繋げていた。おかげで見ている方としては「じゃ、いいか。意味わかんねぇけど」と気持ちをスイッチして画面を見続けられた。ただ、今になって思うと、この作者はおそらく「設定を活かそうとしていない」のではなく、「設定を活かすことが出来ない」のではないか、という気がする。作った時点で満足し、もう、それが筋立てと有機的に結びついて物語を積み上げる、という発想が無いのではないかと。

 「アクセル・ワールド」は、「設定を活かしていない」のはそうなのだが、フォーマットとしては分かりやすい「友情・努力・勝利」の筋立てだった。その上で、思いついた行き当たりばったりなネタでも出しては爆発させ、出しては爆発させ続けて推進力を維持していた。心意システムなんて適当なパワーアップイベントあたりが分かりやすい部分で、ドラゴンボールなどの古き良きジャンプ漫画と同じで、とにかく何となく「今より大きくなった」ことが分かればそれで良い、という姿勢。それが正しいかどうかは別として、物語は一応成立する。しかし、こと「ソードアート」においては、そうした推進力は何も無い。最初から強い主人公が、最初から強いから活躍する、というだけで、けれん味が欠片も感じられない。

 そうなってしまったら後はメインプロットで主人公すら凌駕する「神の手」を使うしかないのだが、これがまるで、小学生がアドリブだけの勢いで作ったRPGみたいになっているのである。確かに、私も小学生の時に初めてテーブルトークの存在を知って、形だけ作って口から出任せの謎ゲームを友達にやらせたりしたもんである。思いつきで敵を出し、思いつきで強い武器を出し、思いつきでエンディングを迎える。つじつまを合わせる気なんかさらさら無いわけで、当然終わり方なんかはめちゃめちゃだ。まさに、この作品の1クール目がそれである。「100層のダンジョン」なんて、この作者が作れるわけもないし、「100層の果てに到達する巨大な敵」なんて夢のまた夢。何となく飽きたし、主人公が御しきれなくなったら、そこで冒険は終わってしまう。これのどこに物語があるというのだろう。「死の恐怖があるRPG」なんて設定、どこにも必要無かった。「仮想世界の結婚」なんて概念、新しさは生まれなかった。「仮想世界での殺人事件」に、共感出来る要素は見あたらなかった。1シリーズ目で全ての期待を裏切られた後には、「羽根で飛べる時間が限られている新しいネットゲーム」で延々空を飛び続ける、ルールも何もかも忘れた主人公たちをぼんやり見ているしかなかった。いかに監督手ずから「広大な空」の画を作ってくれたとしても、そこに動くキャラクターの意志が寒々しいと、やはり応援はしにくいものだ。

 敢えて評価するなら、やはり「空を飛ぶことが主眼となった世界」が後半に登場したことで、映像作品として色々と趣向を凝らした画面を見ることが出来たことくらいだろうか。「空の広さ」を見せてくれる画作りは非常に面白かったと思います。後は当然中の人の評価かな。こんだけブーブーいうてもアスナは可愛かったと思うし。仮想世界で戸松嫁と結婚する妄想を堪能するアニメ、と割り切れば、あの辺の数話は面白かったかもしれない。娘がかな恵ちゃんだし。

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「CODE:BREAKER」 5→4

 すみません、あんまり真面目に見てないです。今期アニメシャワーは一本目で満足してしまうから、その後に続く3本は本当に印象が薄くてなぁ。しかもこの作品、現段階でもマガジンで連載が続いてるんだから2クールあるもんだとばっかり思っていたのに、気付いたら終わりやがった。しかもなんか続編なんてない感じで。原作ファンはそれでいいんでしょうかね。

 ま、大体どんな内容の作品なのかは知っていたわけだが、その枠からはみ出るようなことは一切無いままで終了した。もちろん、予想を裏切ることは義務ではないし、期待さえ裏切らない出来なら問題無いわけだが、やっぱりちょっとパンチが弱い作品だったと言わざるをえないかなぁ。リアルで「爆ぜろリアル・弾けろシナプス」やってる漫画なわけでしょ、なかなか「ここがすげぇ面白い!」って言って食いつくようなもんではない。映像面はかなり頑張っていて、複数ある異能の視覚的な効果もかなり丁寧に描かれていたし、個々のキャラクターの表情なんかも面白い箇所は多かったのだが、それらの頑張りが活きるシナリオラインが出来上がってない、というのが勿体ない。最初から最後まで「悪を裁くこと」が一貫してテーマになっていたので分かりやすい反面、その先の進路が全て見えてしまっていて、どんでん返しのようにひっくり返してみても、「あぁ、そりゃそうなるよね」という納得が先に来てしまい、驚いたり盛り上がったりする要素としてついてこなかった。また、ヒーローものなのに「主人公が恰好いい!」という要素があまり強くなく、じゃぁ他の連中が目を引くのかというとそうでもない。今更火だの電気だのといった素材の味をそのままな能力バトルを真正面から出されてもなぁ、という感じです。

 いや、これってやっぱり原作をぼんやりとでも読んでしまっていたのが悪かったのかな。先の展開を知らなければもう少し集中して見ることが出来たかもしれないし、そうなればもう少し作画面での頑張りにも注目できたかもしれない。適当な視聴体制からは適当な感想しか出てきませんね、すみません。

 中の人については、後半の印象がどうしても強いので、ミキシンが頑張ってたよね、というのが第一印象なのだが、女性キャストだと齊賀・甲斐田といった渋い面々が活躍してたのは割と好印象。特に甲斐田さんは普段強気な役ばっかりなので、今回みたいにちょっと守られてる側に回っているのは新鮮だった。

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「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」 4→5

 怒濤のように過ぎ去っていった、謎のあるるん、あり得たときあるタイム。あかん、何で俺点数あげてんねん。違う、こんなん違う。

 でも、凄い作品だったと思う。「妹萌えもの」のジャンルとして、これは一体どこに向かい、何を失って何を得た作品だったのだろう。この異質さは、どこから出てきたものなのだろう。およそ、他作品との最大の違いは1話の時点でほぼ出きっていたと思う。徹底的な要素の排除と、簡略化に簡略化を重ねた「関係性」だけの人物描写。いや、「関係性」なんてあいまいな言葉じゃなく、「主人公がひたすら4人(大家さんや編集さんも加えると最終的に6人)に迫られるだけのシチュエーション」が描かれ続ける。そこには理由は無いし、感情の機微も無い。そして見事なまでに、主人公サイドに恋心もエロ心も無い。ひたすらすらに女の子が男の子を取り合って毎回同じ手管でもって迫ってくる様子を、狭い下宿屋の中の、狭い人間関係の中で淡々と描き綴っていく。はっきり言って、蛮行だ。毎回ヒロインが変わるといえば「アマガミ」とかもやや近いニュアンスがあるといえばあるが、普通は恋愛をするイベントは、学校があり、家があり、遊園地がありプールがある。そして当然季節や親密度に即したイベントがある。しかし、この作品にはそれすら無い。強いて言うならば銀兵衛やアナはそこそこ過去話をやってくれたから一応フォローがあった気がするが、秋子は無い。もちろん会長も大家さんもない。なーんも無いけど、気付けば1クール秋人を追っかけるだけで成立させた。

 シナリオ構成だけではない。ほとんどが下宿屋の中で展開される上に、やることにそう大きな差があるわけじゃないので、画面がすこぶる地味になるのだ。ほぼ会話だけ、なんてこともザラだし、最近は定番と言ってもいいような、シャフト的な「嘘っこ画像で適当に間を保たせる」なんてこともしない。いわばヒロインが「そこにいる」というただ一点だけを押しつけて、それで逃げ切っただけなのだ。そして、少なくとも私はそれだけで逃げられてしまった気がするのだ。この構成は、よっぽど勇気がないと出来ない蛮行である。多分ここまで「どうしようもない」作品は、今後もなかなか出てこないだろう。

 まぁ、多分私が点数を上げてしまったのは、そんな端正な(?)画面を彩った中の人についての評価が多いだろう。とにかく終始作品を支え続けたのは、脅威の中学生、木戸衣吹。1話の時点で既に堂に入った演技を見せてくれていたが、この作品の象徴とも言える暴走特急秋子を、一切気後れすることなくやりきってくれた。もちろんまだ拙い部分もあるのだが、年齢を考えれば尋常ではない仕事だと思う。学業を考えればなかなか声優業に本腰を、というわけにはいかないと思うが、今回の仕事をきっかけにそういう芽が出てくれば良いな、と切に思う。また、芸歴ならば圧倒的に上だが年齢は更に下、脅威のロリっ子諸星すみれちゃんまでもが、こんなひどい作品に参戦。戦慄のティーンエイジャーたちの仕事ぶりには、回りのおねーさんたちも戦慄したのではなかろうか。すみれちゃんの場合はガンガン声優業にも身を入れてくれそうだし、期待大ですよ。あとはもう、他の連中はつつがなく。ポジション的にキタエリがなんか損してるいみたいな気もするけど、まぁいいや。個人的には編集役で活躍してくれた高本めぐみが一番です。めぐたん、もっと活躍の場を増やしてほしいのです。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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