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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「輪廻のラグランジェ Season2」 4→4

 うん、思った程悪くはなかった。1期目はちょっと期待しすぎていたこともあって最終的にがっかりすることになったけど、2期目は最初から過度の期待を持っていなかったので、「あ、これなら悪くないか」というくらいの印象。まぁ、だからって何か嬉しいかっていうとそんなこともないんだけど。

 2期目は1期目の反省を活かしたのか、最初からそういう予定だったのか(まぁ、分割2クールなんだから後者なんだろうが)、ジャージ部のダラダラした生活要素が多めの配分。クライマックスの壮絶バトルに食い込むのはラスト3話だけだったので、基本的にそれ以外は「鴨川ジャージ部物語」であった(まぁ、最終回もそうだけど)。そして、個人的には当然そっちの方が好き。元々ウォクスのデザインなどでメカものとしての見せ方があるのかと思ったらそうでもなかった、というのが腰砕けポイントだったわけだが、「女子高生の割とどうでもいい日常に時たま流線型を強調したメカ」だと、違和感は強めで面白い。あんだけご大層なメカなのに、お祭りの日にでっかい風船作られてふわふわしてたりね。ヴィラジュリオたち異星人軍団も、今回はほとんど狂言回しとしての役割だったのでなんだか憎めないキャラになっていたし、最後の決戦が無ければこのまま「鴨川ドタバタ宇宙人交流記」として見ていてもいいんじゃないか、っていう印象。

 まぁ、そのために用意した舞台としてはちょっと乱雑過ぎた気もするけど。2期目はスタート直後からなんだか作画面に不安が残っていて、「この手の作品ってメカものだろうが萌えものだろうが、絵がしっかりしてないと客がつかねーぞ」と他人事ながら心配になってしまった。筋立ても存外適当で、結局最終決戦に転がり込んだ理由も良く分からんかったし、分かったところであまり楽しいバトルになっていたとも思わない。糸目のにーさんが行進曲でぶっ飛ばされたのは流石に笑えたが、ネタっていうよりも「悪ふざけ」っていう印象が近いのかも。いっそのことまどかが「まるっ!」と叫んだら世界中の全ての問題が解決する、くらいの爆発力があった方が楽しかったと思うんだけど、最後まで「なんか分からんけどメカにのってる女の子達」っていうだけだったからね。ヒロイン3人がバトル要素で上手く絡めてなかったなぁ、というのが気がかりなのですよ。

 2クールやってみて、最終的には「何を売りたかったのか、いまいち絞りきれなかった『楽しそう』が集まったもの」というのが結論。世界観もキャラも、決して嫌いということは無いし、個々のシーンを見ていたら楽しい部分もいっぱいあったとは思うので、もう少し統制の取れたシナリオラインにのせて、同じスタッフが描く鴨川の姿を見てみたい、という気持ちもある。そうした「面白くなる気がする」という期待感も込めて、今作は「今ひとつ」ということにしておこう。

 ちなみに、中の人には不満は無い。やっぱりきゃりさんの仕事は悪くないと思うんだ。瀬戸・茅野という残りの二人ももちろんね。特に瀬戸麻沙美は同時進行でやっていた「TARITARI」と聞き比べてもやっぱり器用な子。ランが即位した振りしてホントにどうでもいい話を延々喋り続けてるシーンが好きでした。

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「TARI TARI」 6→6

 無事に終わりました、今期の目玉作品の1つです。予想通りの秀作になったことは言うまでもないだろうが、敢えて「予想通りではまだまだだな」という、ものすごく上から目線の感想も重ねて書いておきましょう。

 純度の高さでいったら一二を争うアニメスタジオ、P.A.Works。その技術力が遺憾なく発揮された今作は、とにかく画面が綺麗、女の子が可愛い、動きが愉快。アニメとして必要なものはおよそ取りそろえられている。その上でシナリオもそつなくこなし、印象的な青春絵巻をとりまとめがらも、ギャグ有り、萌え有り、感動有りと、本当に「期待された通りのもの」を提供してくれた。現時点でP.A.が制作した作品というのはこの点においてほぼハズしたことはなかったわけだが、その連勝街道を更に突き進むことになったわけだ。個人的に「水があう」スタジオなので観ていて楽しいというのはあるだろうが、客観的にみても「面白くならないわけがない」スタジオだと言ってしまっていいだろう。

 今作の場合、最大の売りはなんと言っても「合唱」という要素であり、キャストにはじまり、サポートに本物の合唱部を起用するなど、ディティールにこだわった作劇は相変わらず。「歌うことは楽しい」という、何とも分かりやすいテーマ性ながら、それを伝えるのには充分過ぎるくらいの脚本だったと思うし、それだけでは終わらないだけの魅力もあった。「ご当地もの」として「聖地商法」に働きかける仕事もしっかりこなしており、江ノ島に息づく高校生達の日常に、リアルさを出しつつも1つの「憧れ」として昇華させていた。「高校時代ってこんなんだったなぁ」という懐かしさもありつつ、「こんな高校生活だったら楽しかったろうなぁ」という羨望も混じる絶妙なさじ加減は、おっさん達が観る分にも丁度良いし、おそらく現役の中高生にも楽しく観られたのではないだろうか。こうした「等身大の物語」の立て方は、本当にそつがない。

 ただ、そうした「そつの無さ」は「無難さ」とも紙一重、というところが一応けちの付けどころだ。まぁ、こんだけ堪能しているんだから文句を付ける必要もないのだが、あまりにも「想定通りの脚本」であったがために、中盤以降は既定路線に添って「見たことがある物語」が進行したのは事実で、そこに「現代アニメとして作り上がる」必要性がちょっと弱かったかな、という気がした。今更「斬新なテーマ」なんてものはなかなか無いだろうとは思うのだが、たとえば同社の作品における「True Tears」のガチンコのドロドロ恋愛もの、「花咲くいろは」における女細筆奮闘記、家族三代における旅館経営ものなど、かっちりと的を絞った見せ方は、芯が通っているおかげで作品の丁寧さが何倍にも活きた作品だった。シナリオに粗が目立った「CANAAN」であっても、「つながりの形」というテーマ性は短い中にギチギチに詰め込まれており、それを描くためだけに筆を裂いたと思えば、あれだけの完成度もなかなか無いだろう。

 本作の場合、テーマは「歌うこと」であり、ざっくり大きくくくれば「青春と目標」である。そのことになんの不満もないが、最終的に一番のセールスポイントだった「歌うこと」から多少目線がぶれてしまったのが気になった。具体的には、最終話を見ても分かる通り、和奏の活躍がもう一つである。なんだか最後だけ見てたら紗羽が主人公みたいになってましたやん。「歌うことの楽しさを伝えるお話」であるなら、やはり最後は和奏に収束してお話を締めるのが正しい姿だったと思うし、駆け足でシナリオを辿るよりも、もっと「歌うシーン」に時間を割いてほしかったと思うのだ。もちろん、そうなったら脚本構成も画面構成も難度は上がるのだろうが、それが出来るスタッフであったと思うからこそ、そうした感想も出てくるのである。

 とまぁ、無理矢理いちゃもんをつけてはみたが、基本的にこの13話に不満があったということではない。今までのP.A.作品は「想像以上のもの」ばかりだったので、「予想通りの良作」ということがちょっと勿体なかったのである。まぁ、こんだけの仕事してると、作品作るたびにハードルは上がっていきますけども。いや、それをクリア出来るスタジオなんですよ。もちろん、次回作もそんな高い高いハードルをご用意して待ちたいと思います。

 で、最後は中の人。もうまひるさんの中の人についてはこの際置いておくことにして、やはり本作はメインの3人である。歌にメインに走り回って作品の根幹を作り出した屋台骨、高垣彩陽。かき回し役として尖った演技を見せ、また新しいステージに歩を進めた感がある最年少の瀬戸麻沙美。一番人気となった超人キャラ紗羽を作り上げる最大要因となった早見沙織。この3人だったからこそ作れたキャラ、作れた世界である。サポートに回った男2人、島崎信長と花江夏樹君もお見事。特に、ウィーン役の花江君はこれがほぼデビュー作といってしまってもいい。あれだけの大役を見事に果たしたのは大したものである。男性声優って、どうしても女性に比べてデビューが遅れる傾向にあるのだが、花江君はなんと御年21歳の若手。今後の活躍に期待したい(まぁ、島崎信長も大して歳は離れてないが)。

 あと、最終話でも触れたけど校長役の宝亀さんが本当に素敵。あらゆる所で声が聞ける「お馴染みのあの人」なのだが、ここまで印象に残ったのは初めてかもしれません。教頭役の田中敦子、志保さん役の能登麻美子など、おねーさん()がたも頑張ってくれていました。そうそう、年上といえばまひるさん役(略)

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「ファイブレイン 神のパズル2」 5→5

 コメントに困る作品の大団円。1期2期のインターバルが一切無かったので、事実上4クール作品が終わったようなもんですよ。来年にまた帰ってくるらしいんだけど、この作品ってそんなに人気があったのか?! やっぱりNHK教育だからお子様からの声があったのか? いや、だとしたら嬉しいことだけど……やっぱりサトジュン作品ってことで子供には何か訴求するものがあったのだろうか。

 1期は確か最終的に4点だった気がするんだけど、2期目はお疲れ様の意味も込めて加点。なんかねぇ、あの適当な世界観も、適当な絵面も、見慣れてくるとこれが結構愛おしいんですよ。たとえば、現在キッズステーションで「魔神英雄伝ワタル」をやっているんだけど、あれと同じくらいの作画の質、って言ったらいいのかな、すげぇ適当なんだけど(現代目線だとね)、それでも「汚い」っていうんじゃなくて、「なんか散らかってる」っていう感じが出る。「ARIA」とか「たまゆら」で写真のような世界を切り出してきたサトジュンスピリットとは真逆の方向性だ。いや、2期目でサトジュミスがどんだけ絡んだのか知らないけども。

 シナリオの方も、1期は真面目に「ひでえパズルだな!」とか「この世界パズルに左右されすぎだろ!」とか突っ込んでたんだけど、2期目になっちゃったらそれが日常ですから。「人の命を賭けたパズル」が、命どころか国の命運までかかってる規模の施設で繰り広げられるんだけど、最終的にはなあなあになってみんな死なない。1期のうちは必死でカイトが「敵の裏をかいて味方も敵も死なないようにする抜け道」を探していたはずなんだけど、最近は「もうとにかく勝ったから死なないぜ!」っていうだけで、パズル自体も「それどっちかっていうとアスレチックだから」みたいな体力勝負なものまで出てきて、笑いどころには困らない。やっぱり、お子さんに見せるにはこういうのがいいですよ。理屈も何もあったもんじゃないが、とにかく見た目に「すげぇことが起こってる!」って思えるのが大事。アニメって、そういう原体験でいいと思う。

 今回はカイトチームが完全に味方陣営として定着したので、そんなチームの交流を描くために敵側も団体。この団体戦設定もこの作品の面白さと噛み合っていて、「単なるパズル」のくせしてギャモン、キュービック、アナで全員対応が違ったり、それに合わせてオルペウス・オーダー側もちゃんとそれっぽい敵を用意してくれたり。今期はオルペウス・オーダー側の連中が憎めないキャラだったのも良かった。フリーセルは最後まで単なるキチピーだったけど、ミゼルカとダウトが途中からいちゃいちゃし始めて「もう好きにせいや!」と投げっぱなしになったり、単なる賑やかしだと思っていたメランコリィが実は中心人物だったり、そうかと思えば負けるときにはパズル勝負すらさせてもらえなかったり、なんだか好き放題なシナリオがいっそ気持ちよかった。クロンダイク様の登場時の存在感と、負けた時の噛ませ感が半端無い。おっさんが魅力的なアニメは良いアニメ。

 というわけで、初期の予想に反して、これはこれで随分面白い作品でした。サトジュンに期待してたのも、サンライズに期待してたのもコレジャナイ気はするけど、最終的に面白ければそれでいいや。中の人的には……正直、「もっともっと神のパズル」のコーナーでのどこまでアドリブだか分からん掛け合いが一番の見どころだったので、メインキャストは全員好きだ。キャラの吹っ切れ具合だと後期ルークがお気に入り。あと常に反則気味の軸川先輩。軸川先輩が敵に回りかけたお話のときには「やっぱりな! やっぱりその声は裏切るだろ!」と思ったが、最終的にそれすらお遊びだった先輩すげぇ。生徒会長をやっている石田彰に勝てるのは悠木碧だけ(男子高校生調べ)。

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「機動戦士ガンダムAGE」 4→4

 長かった歴史の閉幕。うん、最終話はきちんと見させてもらったけど、ちゃんと幕は閉じていたと思いますよ。

 「ガンダム」という看板もあるせいか、色々と話題の尽きなかった今作。基本的にあまり良い評価が聞こえてこなかったが、個人的には(あんまり真剣に見てなかったこともあるが)、そこまで毛嫌いするようなものではなかった、と思っている。免罪符にして逃げてしまうのはまずかろうが「子供向け」という軸を持っていたのでそれに向けて多少なりともこれまでと違った作品作りを求められていたのは事実であるし、そっち方面への切り出し方として、とにかくよく分からんけど宇宙でロボットが暴れるアニメとしては、案外画面は楽しかったと思うのだ。不可解な必殺技や不可解な概念、不可解な戦争も、どうせ子供にわかんねーんだから勢いで押しちゃえよ、というのが狙いだったとしたら、こけおどしとしての「ガンダム」はそこまで的外れだったとも思わない。ヴェイガン側のモビルスーツのデザインなんかは、ちゃんと一目で「悪い奴だ」と分かるように作られており、戦闘シーンだけを見れば勧善懲悪のドンパチは分かりやすく出来ていたんじゃなかろうか。

 ただまぁ、もう少し掘りさげようとしてしまうと、どうしたって難点は見えてくる。シナリオについては、ものすごく大枠の設定だけなら、非常に面白いと思った。「親子三代のガンダム戦記」というのは馬鹿馬鹿しくも思ったが実は案外斬新な設定で、最終的にじいちゃんから孫までが顔を連ねて「俺たちのガンダム」を駆りながら戦うというのは、間違いなく「過去にはなし得なかったもの」だ。3人が3人とも違った思想を持ち、血のつながりがありながらも味方同士で対立し、それぞれの信念を形成していくという部分も、アウトラインだけを見ればホームドラマの延長なのだから、これはこれでアリだろう。これできちんと1人1人のキャラを丁寧に見せ、「立ち上がり」「ぶつかる」過程に説得力が生み出せれば、一風変わった家族もののアニメとして面白くなる要素は多かったはずだ。

 ただ、いかんせんその脚本がグダグダだ。今作の問題点は、その1点に集約されていると言い切っても良いかもしれない。主人公の考えが分からない、何故その事件が起こるのか分からない、何故そこに時間を割くのかが分からない、何故そこを描かないのか分からない。とにかく、「ここがこうなれば面白そう」というこちらの思惑をことごとくハズしたような不可解な構成でもって、どうにもすっきりしない方向へと物語は進む。1つ1つのファクターについて「多分こういうことが描きたいんだろうな」というのは何となく分かるのだが、「それを描くならそうじゃないだろ」という切り口ばかりが目立つ。「尺が足りてない」というのももちろんあったとは思うが、最終的にはどちらかというと「思慮が足りてない」という方が正しかったんじゃなかろうか。どうも、いちいちシナリオの大局が見えておらず、行き当たりばったりでその場の筋立てだけを考えているような印象がぬぐい切れなかった。

 そのことは最終回だけを真剣に見ても分かりやすい。最後の最後までお騒がせだったフリットじいさんが、もう一回引き金を引けば終わる、という時点で突然改心する。キオの説得という要因はあったものの、そんなものは随分前から繰り返されていたのだし、何故あのタイミングで突然しおらしくなったのか、全く分からない。ユリンが出てきたからか。「早見ボイスは宇宙をも救う」がファイナルアンサーか。また、全体を通じて言えるのは、「アセムの存在意義って何さ?」である。フリットが強行派、キオが穏健派、そこまではいいのだが、そうなると間に挟まっているアセムが中途半端。実際、中間層として2人の緩衝材になれば「3世代物語」としては役割を果たしたことになるんだろうが、実際はそうでもない。ついでにもう一つ「ゼハートさん何故死んだ」というのもあり、彼が死んだ理由が全く分からない。アセムの最大の存在意義として、「ゼハートと心の交流をした世代であり、最終的にイゼルカントと和解する際に、アセムとゼハートの絆が一番分かりやすい」という特徴があったはずなのだが、そんな学園青春を思い出す間もなく、何故か一番使いやすそうなゼハートが死んでしまった。ラス前まで生きていた彼の存在意義とはなんだったのだろうか。

 とにかく、1つ1つの要素を見ていくと「これはいらないんじゃ?」「これ、何で無いの?」という、素人目にも不可解な部分が目立つのである。素人が考えるベタベタなお約束なんてあっても仕方ないだけ、という考え方もあるが、それをしなかった結果として謎しか残らないのでは本末転倒だろう。個人的には、基本設定とプロット、そして作画制作陣などを維持して、もう一回別な脚本でこの世界を作ってみてほしい、とすら思う。それだけ、コンテンツとしては魅力があったと思っているのだ。

 褒めてんだか貶してんだか分からなくなったので、最後はきちんと褒めよう。中の人的には、老害の名をほしいままにしたフリットジジイ役の井上和彦が間違いなく看板となった。ライバルキャラとしては、「実はフリットがラスボスでヴェイガンが主人公」という説を強く下支えしたゼハート役の神谷浩史が挙げられるだろうか。あとキオ役の山本和臣も、初の大舞台できちんと存在感を示してくれました。これで名前を覚えられれば、少しは女性と間違われることも減る……のかな……

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「アクセル・ワールド」 5→6

 最初のうちは「まぁ、普通のラノベだよね」という程度のテンションで見ていた作品だが、赤の王がやたら可愛くてその辺から没入しはじめ、能美のド外道なリアルでのトラップなんかを見てるとやたら楽しくて、後半になるほど真剣に見るようになった。多分、同時にやっていた「ソードアート」の方が思った程面白くならず、「比較したらこっちの方がいいや」ってんでモチベーションが上がったのが原因だと思われる。

 「ソードアート」の方も多分同じことが言えるのだが、このラノベ作品の作者の一番謎なところは、せっかく設定を作ったのに、それを活かそうとしているように見えないこと。「その要素でもっと掘りさげるのがみたいのに!」という欲求が出たあたりで、「まぁそれはそれとして別な話しようぜ」ってんでぽんぽんと新しい要素を足すだけで、なんだか縦の掘りさげが見えない。今作の場合はバーストリンクという一貫したテーマ性があるように見えるが、たとえば「痛覚すら再現された世界」っていう設定は後半どんどんどうでもよくなり、平気で中学生が腕を切り落としたり、はるか上空から落下したりする。最初の基準だとそれって即あぼんだろ、とか思うのだが、いつの間にか平気になっているのだ。他にも「時間切れ」の概念がどうでも良くなっていたり、最初にどうなるのかと思っていたシルバークロウの必殺頭突き設定があっという間に空気になったり、「結局何がしたかったん?」というポイントが多く、どうも行き当たりばったりな感が否めなかった。

 ただ、そうした横滑りするシナリオラインが今作の場合はそこまで気にならず、「まぁ、次がよけりゃそれでいいや」みたいな視聴体制になっていって、その結果が「ニコは可愛いなぁ」とか「能美も可愛いなぁ」とか、そういう感想に。特に能美がハルユキをはめるあたりのストーリーは、ニューロリンカーシステムがどれだけ危ないものかっていうのがよく分かる(能美がやっていたことが現実で可能なら、多分この世界は無法地帯になっていると思うが)。ゲームの中で嘘くさい「命」のやりとりをするのではなく、現実世界のいじめ問題などに直接関わるにつれて、「もう、お前ら真面目にリアルで生きろよ」と思えるようになると、その温度差のおかげでゲームの方も気楽に楽しめるようになってくるわけだ。心意システムが増えるともう「多分このゲーム、ルールとかいくら作っても無駄なんだろう」と諦めるようになるし、後付設定でもとにかく今の刺激さえあればいいんだ、というジャンプ漫画のお約束みたいな肥大化が、かえって楽しめる要素になっていった。なんだか歪んだ楽しみ方のような気もするのだが、真面目に検証しながら1つ1つ感情移入するようなお話でもないしね。

 そして、一度視聴体制が決まれば、あとは綺麗な画面を楽しむだけである。サンライズ+小原さんのチームってことで、私の大好きな「舞-HiME」と同じようなテンションで楽しめる。個人的には、メカものにそこまで思い入れが無いので、「サンライズの見事な作画」っていうと、こういう小原さんの画作りの方が真っ先に思い浮かぶ。椛島さんとかもいるから「宇宙かけ」の方に近いデザインかな。アバターどうしのやりとりでも不思議と感情の起伏が見えやすいし、生身の時の不自然なまでのオーバーアクションが大のお気に入り。特に負の感情が高ぶった時の顔芸の豊富さはお見事である。筆頭にいるのは能美だろうが、ロリ鬼畜のニコや、ヘタレ眼鏡の拓武、おせっかいビッチの千百合など、あんまり友達にしたくない面々が実に生臭い話を嫌そうにやってくれているのがたまらない。結局「ブレインバーストは心の力」とか言ってるけど、この作品ってお互いに他人の弱いところとかトラウマをねちねちつつき合ってるだけなんですよ。それが一番面白いんだけど。

 そんなわけで、個人的に一番好きなキャラは拓武なんです。序盤の裏切りっぷりが愉快だったし、心を入れ替えたっていった後のしおらしい様子、そのくせ噛ませっていうには諦めきれてないような中途半端な立ち位置。シアンパイルの無骨な出で立ちなんかも、彼の不器用でどうしようもない面が良く出ていて愉快だ。最後までくい打ち男のままで行ってもらえば良かったのに、途中で剣を握ったあたりで幻滅したけどさ。最終回まで見てあの拓武を知った後に序盤のシアンパイル戦あたりを見たらまた違った楽しみ方が出来そう。

 最終的に、「気持ち悪いラノベには違いないけど、その気持ち悪さが気持ちいい」というなんだか不思議な結論に。ほら、吉野さんはさ、こういうどうしようもないものを書くと色々楽しいいじり方が出来る人なんだよ、多分。改めて「舞-HiME」を見直したくなったよ。中の人については、赤の王一択でお願いします。あ、でもこの作品の梶君は結構好き。誰だったか忘れたけど、「デブキャラなのにデブ声じゃない。だけどしっくり来る素晴らしい演技」と言っていた。確かにそうかもしれない。そして、今作を契機として「地獄のミサワ」こと三澤紗千香もメジャーシーンへと送り出された。ぶっちゃけ役者としてはホントにまだまだだろうが、この歳でこのキャラ付けで大丈夫か、と思えるような妙なキャラクター性のおかげで、今後の進路が気になって仕方ない。「アニメ・声優オタクが憧れのままに声優になる」っていう非常に狭いサイクルが安定化してきたせいか、最近こういう娘も増えてきたよね(あやねるとかすみぺとか)。

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「黒子のバスケ」 5→6

 いやー、盛り上がりましたね。まさかアニメになってここまで様変わりすることになるとは思ってもみなかった作品。世間様の動きに左右されてちゃ情けないが、でも、やっぱりこれだけ盛り上がったってことは良くできた作品だったってことは間違いないわけで。

 1話視聴時点で「割と良さそう」とは思っていたものの、尺は決して短くない2クール、どこかで飽きがくる、どこかでボロが出ることもあるだろう、という不安があったのだが、むしろストーリーが進めば進むほどに作品も加熱し、「画の加速度」も増していった。次々と展開される「超次元バスケ」の数々が、劇的でありながらもきちんと「リアルな動き」の中で生きていて、スポーツに興味が無い人間にとっても充分楽しめるものになっていた。これだけのものを作ってもらったのだから、作者も本望には違いない。

 こと、動画面での見事さはI.G.の手腕によるものだろうが、偶然かどうか分からないが、2クール目のクライマックスとして青峰の活躍シーンがどんどん増えていったことも脚本上のプラス要素のなったのじゃないかと思う。火神もそうだが、やはり画面映えするプレイヤーと「そこまで見ていて面白くないキャラ」っていうのはいるもので、緑間のプレイスタイルなんかはぶっ飛んでいる割にはなかなか「強そうに」見せるのが難しい部類。その点、青峰の無茶苦茶なプレイスタイルは描き込めば描き込むほどに面白くなり(嘘くささも増すけど)、この超次元バスケの象徴として、最終版を見事に盛り上げてくれた。また、回りを取り囲むくせ者揃いのサブキャラ連中もアニメになって一歩上に上がった感があり、諸々のキャラの掛け合いも楽しくなった。ぶっちゃけると原作は全部読んでるくせにキセキの世代以外のメンバーの名前ってほとんど覚えてないんですよ。それくらいのレベルだったはずなんだけど、アニメだと退屈しないんだ。誠凜以外の学校もきっちりキャラ立ちしてるし(というか、敵校の方がひどいキャラ多いし)。

 そして、こうした楽しさを提供し、加えておねーさまがたからの人気を一気に爆発させたのが、中の人たちの頑張り。個人的にはこちらも青峰さんですわ。べーさんの胡散臭い格好良さが思う存分発揮されるキレキャラ、良かったですわ。その他もきっちりキャラに合わせてきててね。木吉がハマケンさんっていうのも嬉しかったかな。「女性キャラが少ない」っていう残念な点についても、2人しかいない女性陣が頑張ってくれてたから良しとする。

 確か原作だとこの後火神の知り合いのエロいおねーさんも出てくるよね。確実に作られることにはなると思うが、つづく2期目にも期待したいとこです。

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「人類は衰退しました」 6→7

 毎週感想書いてるからここで書くこと無い系作品。いやぁ、本当に勢いのある良い作品だった。下手したらラノベ原作でここまではまったのって初めてじゃないかしら。ギリギリ悩んだ結果「ラノベど直球の台詞回しとかがなぁ」と躊躇ったが、加点することにした。

 気に入らない部分もあったわけだが、いちゃもんつける部分が違う気がするんだ。これ、文体がどうとか、設定がどうとかいうレベルの作品じゃないものな。脚本面について語るとしたらたった2つだけで足りると思う。「わたしちゃんがどう」と「妖精さんがどう」だ。そして、その2点とも、ずぶずぶとはまるだけの深みと勢いがあった。新しい時代を作るアニメっていうのは何か唯一無二の「新しい要素」があるものだが、今作の場合、「妖精さんがいた」というその1点だけでも、何か開けちゃいけない扉を開いたんじゃなかろうか。まぁ、基本的に私の属性として「信じられないくらい小動物に弱い」というのがあるので、ちまっこい妖精さんがグダグダとどうでも良いことをいいながら蠢いているだけでも、勝手に印象がどんどん良くなってしまうのだ。

 もちろん、そんな外面的なものだけが売りだったというわけではなく、妖精さんが産みだすカオスをしっかりと「作品」として成立させるのが、コンダクターたるわたしちゃんの役目。彼女の飛び抜けた対応力あってこその作品である。昨今のラノベ、少年漫画などをひっくるめてみても、ここまで「悪い」主人公というのはなかなかいなかったに違いない。「悪役」を主人公にした作品ならいっぱいあるだろうが、そういうことじゃない。わたしちゃんの場合、性根が本当に悪いのだ。悪さが余りに人間くさくて、「最低の奴だな」と思えば思うほどに魅力的に見えてきてしまう。この不可解な感情は何かしら。「外道萌え」? それとも単なるMっ気なのか。まぁとにかく、1クール終わって言えることは「妖精さんもわたしちゃんも可愛かったな!」である。考えてみりゃ、「瓶詰妖精」「gdgd妖精s」ときてこの作品。妖精がいる作品は全部はまってる気がするな。ん? 「伯爵と妖精」? いや、3話くらいまでしか見てませんし。

 改めて制作陣について確認しておくと、今回は確実に岸誠二の「勝ち」と言ってしまっていいでしょう。「原作つき作品にハズレ無し」の岸誠二の勝ち星がまた一つ。「神様ドォルズ」「ペルソナ4」ときて3連勝か。ボチボチ過去の因縁は忘れそうになっている私。まぁ、サポートに小坂春女、脚本が上江洲誠とかなり安定していた上、キーアニメーターとして沼田誠也がついてたんだものなぁ。かなり恵まれた制作体制だったのは事実だろう。それでも、あんだけ無茶な背景設定とか、紙一重な気がする色彩の使い方とか、冒険するところはちゃんと意欲的に作り込んであるのは嬉しかった。今期はラノベ原作が本当に区別出来ないくらいに横一線に並んでいただけに、区別出来る特徴がはっきりしている作品っていうだけでもありがたかったのですよ。是非とも2期以降に期待したい。

 中の人については……もういいかな。妖精さんの週替わりキャストで出てくる名前がいちいち「なるほどそう来たか」と思える人選で毎週楽しませてもらった。あとはもう、中原麻衣を崇め奉ればいいじゃない。「中原麻衣で良かったキャラを3つだけ選びなさい」とかいう質問をされたら、悩みに悩んではげるレベル。プリエ・メイ・マイア・舞衣・蒼乃・晶子・モルガン・七実・贄川・セルニア・わたしちゃん←イマココ!

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「ゆるゆり♪♪」 5→5

 無事に2期も終わりましたー。さて、ここまでは案外行ける作品も多いんだ。次だよね、原作ストックさせて3期目まで行けるかどうか、そこで真の人気作品かどうかが問われることになる。

 2期目はまぁ、「冒険は避けた」っていうのが一番の印象。そりゃこんだけ平坦な作品で冒険も何も無いとは思うが、よく言えば無難、悪く言えば付加価値がない。もちろん、1期で人気が出た作品だし、基本的な作品作りは丁寧なもので、作画面での遊びなど、1期を楽しんだファンにきちんと2期目も見てもらおうという意志は感じられた。メインで扱いたい登場人物が多いので油断すると散漫でガチャついた印象になりやすい構成だとは思うのだが、1期で作った流れを壊さず、「積み重ね」としての続編が作れた、というのも評価出来る部分。原作でもそのあたりは意識されているはずの部分で、一応看板に「百合」を標榜しているだけあって、個々のカップリングについて、「深み」みたいなものを加えていく割り振り方には神経を使っていただろう(まぁ、ひょっとしたら視聴者が勝手に脳内補完してるだけなのかもしれないけども)。

 強いて気になった点を明文化すると、ファンの目を気にしすぎたのか、なんだか幅を狭くするような制限を勝手に作りすぎているかな、という印象があった。たとえば冒頭の「あっかり〜ん」タイムなんかは、必ず「前回以上のもので、まだやっていないパターンのネタを用意しなきゃ」という意識が先んじてかえって無理矢理なものになっていたような気がするし、あかりのおねーさん、あかねさんのキャラが、「強烈なのにそれを表に出せない」といういびつな形で確定させてしまったおかげで活かし切れていないようにも感じられた。尺やストックの問題で「単に原作に忠実に」ってなわけにもいかなかったのだろうが、どうせなら「アニメはアニメだし」ってんで適当に描き散らすくらいの奔放さがあってもよかったんじゃないか、と思う。ちなつ絵のエンディングとか、そういう単発要素だけでなくね。

 まぁ、色々と言ってはみても、あくまで「日常もの」の枠内のこと。やっぱりファンからしたらこれでいいものなのかもしれません。なんで微妙に消化不良な感想になっているかを自問自答したところ、「今期は千歳×綾乃成分が足りなかった」というのが最大の不満なのかも。ごらく部の比重が大きくなったせいで、今期は生徒会の活躍が少ない! いや、違うな、ひまさくは出番増えてたからな。単純に千歳の活躍が減ったのが不満なんだろう。私の推しカプは千×綾。時点が京×綾。

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「はぐれ勇者の鬼畜美学」 3→2

 これも形の上では最後まで視聴したけど、本当に合わなかった作品だったなぁ……大体の作品の場合、「ここはちょっと見るべき点だったけど、他の大半が駄目」という非難の仕方をするのだが、この作品の場合、横目で見ていて面白そうな要素が無かったんだよなぁ……唯一あるとしたら、「割と珍しいタイプの役をやってるぴかしゃの演技」。

 異世界を舞台にした剣と魔法もののラノベなんて本当に恐ろしい数があり、今期は特にこれと「僕H」「カンピオーネ」「アルカナファミリア」と立て続けに視聴しなきゃいけない日程だったので、しんどいものを見るのはかなりの苦行になった。それこそ、「俺は何でここまでしてアニメを見ているんだろう」と自分のアイデンティティを問われるほどに。結局その答えは見つからず、「よし、来期はちゃんといらん番組を切ろう」という、毎回決心していることを改めて決心するだけに留まったのであるが(今期はついに「ドリランド」を切ったんだよ!)。

 この作品は、一応「異世界から帰還し、既に実績をあげた勇者が主人公」というのが新しい切り口だったのだが、その新しさは全く話の面白さに繋がらず、余計なわかりにくさ、思わせぶりなイライラの種にしかなっていなかった気がする。主人公がとにかく「俺つえー」って言ってるだけなのでバトルに何のカタルシスも生まれないし、敵側が頑張って抵抗すればそれはそれで「最強の勇者さまpgr」としか言われないだけなので結局設定は活きない。魅力的な俺様主人公というのも数多く存在しているはずなのだが、今作の主人公の場合、無駄な紳士的振る舞いと、ニーズに無理に答えているかのようなエロ行為のバランスがちぐはぐで、最後までどういう人間なのかが見えてこなかった。もちろん、そんな主人公に振り回される回りのヒロイン勢に息吹など与えられるはずがないのである。

 エロいことをやるだけの作品があるというのは、それはそれでいいと思う。最近なら「ハイスクールD×D」とか、今期なら「カンピオーネ」「僕H」のセットは、これと大して変わらない、いわゆる「紳士枠」の作品。このジャンルでも「IS」みたいなヒット作は生まれるし、「何となくハーレムでわーわー言ってるだけでも見られるわ」というアニメは確実に存在する。だが、それが何なのかは定かでないのだが、この作品にそうした魅力は見いだせなかった。一番きついのは確実におかしなキャラクターデザインだったとは思うんだが……なんだったんだろ、あのゴツいデザインは。1話目の時点で「なんやねん」と思ったのだが、結局最後まで変わらなかったところを見ると、あれが正しいと思って描いていたってことだ。そういうニーズがあるってことなのかしら。「無闇な肩幅と長い首フェチ」とか、世の中に存在しているんだろうか。「この絵がいいんじゃないか!」という人もおそらく存在しているんだろうが、多分私は一生かかってもわかり合えないと思う。

 元々のキャラデザをさておいても、結局動画面だって演出面だって大した力は入っていなかっただろう。アームスってのはこういう作品作りは慣れたもんだと思っていたのだが、おそらくキャラデザの指揮がまずいと、そのままなし崩し的に動画の完成形もグダグダになるんだと思われる。「肉感的な」というと聞こえはいいが、身体のラインのメリハリが無くて動くともさっとするのである。同社が制作した「クイーンズブレード」シリーズと見比べると多分はっきりするんじゃなかろうか。

 結局、冒頭で書いた通りに「褒める点が見あたらない」というのが総括。そろそろこういう枠は削っていこうよ。粗製濫造の流れもボチボチブレーキが必要なんだからさ。

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プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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↑越えられない壁
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