最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「シャイニング・ハーツ 〜幸せのパン〜」 3→4
見事に1クールの間、パンを焼き切りやがった。恐ろしいアニメ。 結局1話目での感想から何も変わってない。パンアニメで、青二アニメだ。それ以上でもそれ以下でもない。いや、多分それ以下だとは思うけども。2話目で「まだパンを焼いてやがる!」と驚愕したのだが、結局毎週驚愕することになった。延々続いた1クールをまとめると、パン焼いて、パン焼いて、泥棒と対決して、パン焼いて、パン焼いて、あと空飛んで、パン焼いた。もう、それだけじゃない。すげぇとは思うけど、これを褒めちゃ絶対駄目だと思う。何がすごいって、ここまでのパンアニメのくせに、別にパンは美味そうじゃないんだ。何となく「パン食べたいな」とは思う時もあるが、それは決して「作中のあのパンが食べたいな」じゃないんだ。どこのステマだ。いや、ステルス性無いけど。 結局、そうして「パンだ!」と叫び、「焼かれる!」と怯え、「エンディングだ!」と狂乱するという楽しみ方以外には何も無いという、実に恐ろしい結果となった。すげぇ気になるから原作ゲームがやってみたい気もする。なんだろう、最初に自分の店の定番メニュー決めるところから始まったりするのかな。どうせなら最初の勢いのままにひたすらパンを焼き続けて、「今回はジャムパンの話」みたいにパンメインのストーリー展開にしてくれれば良かったのに……無駄なファンタジー要素なんか入れるから途中つまらなくて仕方なかったわ。どうせ最後はパンだったんだからさぁ。でも、改めて振り返るとすごいな。結局メインの3ヒロインの印象が全く残ってないもんな。名前すら覚えてないや。かな恵ちゃんはまだ存在感あったけど、みかしーがなんか不憫。あ、千和は良かった。青二に囲まれながら戦ったアイムの千和とVIMSの堀江由衣は完全に外様だったはずなのだが、それでも充分存在感が出せるポジションで出番があるってことは、やっぱりこの2人は特別ってことだろうか。あ、でもいず様とかもいたな。 とにかく、多分アニメ本編はもう今後見かけることはないだろう、と思われるどうでもいい作品だったが、何故か配点を上げてしまっているという罠。……エンディングがなぁ……愛を込められたらなぁ………………これがデジタルドラッグって奴か……怖いなぁ……最終回の終盤でオープニング曲が流れ始めた時には「まさか!」と思ったが、ちゃんと最後にエンディングを流して締めてくれたことは評価したい。もう、我々に残された道は、こねられるしかないのである。 まぁ、ここまで唯一無二の視聴の仕方が強いられた作品というのも希有なので、これはこれですごいと思うのだが……やっぱり求めてるものじゃないなぁ。最終話は桑島ボイスで「寝てていいのよ」とか涅槃に連れて行かれそうになったのがかなりやばかったけども。パンのおかげで事なきを得た模様。人はパンのみに生くる。 PR
「坂道のアポロン」 5→6
実は、おそらく今期の作品で一番面白かったんじゃないかと思っている作品。「面白い」にも色々と種類はあるだろうが、こんだけしっかりとまとまっていて、視聴後に何一つ遺恨を残さずに清々しい気分になれたのは久しぶりである。 今期は、個人的に何くれとなく忙しく、正直アニメも限られた数しか身を入れて見られなかったという反省がある。横目で見てる程度で評価するなんてことは本来ならばおこがましくて出来ないはずなのだが、いかんせん何か書いておかないと落ち着かない質なので、真剣でなかった作品はそれなりに当たり障りなく、というのが現在のスタンス。 実をいうと、この作品も最初のうちはそんな「横目で」作品になるところだった。1話目の吸引力は低くなかったのだが、ハードスケジュールの火曜日に位置していたこともあって、「まぁ、少女漫画原作だし、大した爆発力は無いやろ」という駄目判断により、序盤は割と適当に見ていたのだ。しかし、やはり何かを持っている作品というのはそんな適当な見方を許さない。次第にずぶずぶとはまっていって、気付けば終盤は正座視聴の作品になっていた。これで他の諸々の作品のように最後の展開がなあなあだったりしたら無難な評価で終わらせることも出来たのだが、実は今期の作品では非常に珍しい「すごく綺麗な幕引きを実現させた1クール作品」だったのである。こいつぁさすがのノイタミナ。何が出てくるかわかりゃしません。 少女漫画原作なのだから、シナリオラインに特別なものはないだろう、という判断は大きく間違っていたわけではない。内容としてはいかにも古風な恋愛ドラマであるし、個々のキャラクターの設定や見せ方だって、特に驚くべき部分があるわけじゃない。キャラクターの絵柄だってどこか古くさくて、とても今のアニメで人気が出るような設定とは思えない。正直、最初の方は「やっぱり少女漫画の絵柄ってのは癖が強くてあわんなぁ」と思っていたものだ。 しかし、それがだんだん気にならなくなるにつれ、今度は中身の方が気になってくる。単なる恋愛ドラマのはずなのに、そこに展開される色恋沙汰が、何故か気になる要素になる。一時は完全なる一方通行恋愛ものという、どこかで見たような展開になったものの、それが何の不自然さもなく、非常に丁寧な心理描写を伴いながら「あるべき形」に落ち着いていく手堅さ。普通なら2人の男の間でふらふらしていた律ちゃんなんかは「この尻軽が!」と思われてもいいようなポジションなのに、こと恋愛については作中のキャラクターが全員本気で、全員真正直なおかげで、決して軽く見えないし、「単なるアニメの一要素」に終わらないだけの説得力を持っている。ここまでの「ロマンス」があれば、駆け落ちも失恋も嫉妬心も、全てが「面白い」要素である。 結局、こういう「普通の」ものをどれだけ魅せながら描いていくか、というのがアニメの真骨頂ということになる。ちゃんと見ているつもりがまだまだ侮っていたんだろう、渡辺信一郎はやはり素晴らしい監督である。監督の仕事といえば、もちろん、この作品のもう1つの肝である演奏シーンの見せ方にも関わってくる。このアニメは「ジャズアニメ」であるから、その演奏シーンに血が通っていなければ折角の恋愛ドラマも持ち腐れ。そして、そのことはスタッフも重々承知している。こちとらジャズの知識なんて一切無いし、何が「スイング」なのかなんてさっぱり分からないが、その「分からないもの」が充分見えてくるんだから不思議なものだ。これまで数々の「アニメライブ」を見てきたが、今作で描かれた演奏シーンは、そのどれにも負けない唯一無二の出来であったと言える。細かな仕草まで徹底的に描き込まれているので、おそらく相当な手間を要しているはず。この作品を支えた最大の要因は、そうした手間暇を惜しまずに「とにかくドラマを盛り立てる」ために作ってくれた画面の全てである。 「演奏シーン」と「ラブロマンス」。2つの要素が結実して、見事な12話、見事な一本のドラマの完成。こいつはお見事でした。お約束のように吐く「2期が」云々があり得ないのが寂しいが、この作品の成功をきっかけに、同じように作り込むことで魅せられる作品が増えるといいですな。 最後は中の人。今作は「都道府県アニメ」でもあったわけだが、もう、私は「律」の字が突くキャラクターは全員惚れなきゃいけないんじゃないかという錯覚さえ生まれるくらいに、律ちゃんが可愛かった。おかしいなぁ、最初見た時はデザインのせいで「変なヒロイン」としか思わなかったのだが……やっぱり方言か。そして南里侑香ボイスの魔力か。途中一瞬だけソロで歌ってくれるシーンとかがあって、もうたまらんかったな。方言女子の破壊力は異常。私が都道府県ネタに弱いことは周知ですけども。行ってみたいな長崎県。そしてメインの野郎2人は木村良平・細谷佳正の2人だが、広島県民細谷がなかなか面白い味を出しながら九州方言を使っていたのが印象的。「正しい細谷の使い方」がようやく分かった気がするアニメ。あと、「正しい岡本信彦の使い方」も。「正しい諏訪部の使い方」は……みんな知ってる。
「さんかれあ」 6→5
というわけで一段落。これ、2期ってあるんですかねぇ。 点数をさげさせてもらったのは、やっぱり原作がどうあれ、シリーズ構成がどうなんだろう、と思ったため。最終回は決して悪くないのだが、間に入った萌路回とか、なんか微妙に機を逃していたように見えた。これだけたっぷり尺を取って掘り下げるっていうスタイルは最近じゃ珍しいので嬉しい部分だったのだが、ちょっと行きすぎて足を引っ張ることにもなってしまっていたかな、と。 ただ、毎回の感想で書き綴っていたけれど、本作が多分今期で一番「好みの作品」だったのは確か。純粋に監督の方向性が趣味にあっていたということなんだけど、私の好きなディーンはこのあたりの空気なんですよ。小滝さんとか名村さんとかね。そして畠山監督の感性が純粋に好きだ。シャフト分派であるということを差し置いて、独自の作風はむしろディーンの良さに繋がりやすいんじゃないか、って気がする。尾石さんなら実写で、大沼さんなら白で埋める画面を、この人の場合は光で揺らす。明暗の付け方の癖なんかは、案外初期の新房監督に一番近いのがこの人なのかもしれない(まぁ、あんなにクドくないけど)。 感覚的な部分を抜きにすると、割とシンプルなラブコメ展開に非常に厄介な「ゾンビとしての悲哀」を混ぜるという方向性がなかなか面白いデザイン。結果的にはそこまで異質なものが出てきたわけではないのだが、常にキャラクターの背後について回る「屍」のイメージは、ラブコメとの食い合わせの悪さが良い味になっている。さりげなく異常な千紘の感性と、それを受け入れてしまうより異常な存在の礼弥。考えてみりゃこんなにグロくてついて行けない関係性も無いはずなのだが、全てに蓋をするのではなく、2つの側面から少しずつ要素を混ぜ合わせていくことで、曰く言い難い世界が構築されるという。このバランスはなかなか難しいところですよ。最終話にはそうした「バランスをとり続けた結果」が見られると思うので、出来ることならもう一回最初から見直してみたい作品だ。 で、中の人のこと。ラジオのおかげで萌路の中の人の影響がでかいような気がしてくるが、実際作中では萌路はそこまで大きな役割を果たしているわけではない。どっちかっていうとばーぶの方が存在感があるくらい。そんな中で注目すべきは、やはりメインヒロイン礼弥役の内田真礼。本当に堂々とした仕事ぶりで、キャリアが浅いとは思えない。今回の仕事を通して同期の中では頭ひとつ抜きんでた存在になったと思うのだが、いかんせん事務所がアイムだからあまりも正統派路線だと上が詰まりすぎているという……。「アキバレンジャー」の実写仕事も見事だったので、枠に縛られないで好きな方向に個性を伸ばして欲しいもの。そして、そんな新人の前に立ちはだかる先輩の1人が矢作紗友里だったりするし、正統派でぶつかるのが福圓先生だったりする。井口・矢作・福圓……なんだかものすごい現場だったんじゃなかろうか。木村君はこんな現場ばっかやな……。
「あっちこっち」 5→5
今期屈指の空気作品。特に話題になることもなく、ひっそりと終わっていったことを考えると、ある意味究極の「日常系」と言えるのかもしれない。 点数を見て分かるとおり、実は割と嫌いじゃなかった。取り立てて「ココがすごい!」ってな部分も無いのだが、何事も身の丈にあった出来ってのが大事だと思うんですよ。このどーでもいい安易で盛り上がりに欠ける「萌え四コマ」だったら、これくらいの温度で作ってくれるのが一番肌に合っていたのではないかと。どこぞのアニメみたいに、中身が全く伴わない似非推理なのに京アニ動画とかつけられちゃうと、ギャップが激しすぎて機能不全を起こす恐れもあるので。 いや、別に他の作品をくさすのが目的ではないのだが、とにかく「この作品が他の作品よりも面白い部分ってなんだろう」ということを考えたら、それを出すためのスタイルをとるのが必然であり、それがある程度出来ていたんじゃないかと、そう思うわけですよ。特に画がすごい、ということもないけど、デフォルメ強めの丸っこいキャラクターがボーダレスな会話劇に興じながらほどよく動く。萌えやらギャグやらが強く出るわけじゃないけど、要所要所で思い出したように可愛い。落ちてるんだか落ちてないんだか分からないようなネタ回しだって、「つみきたちはこれが日常なんだから、まーいーか」というくらいの感覚。視聴者の態度としては甘っちょろい気もするのだが、大量にあるアニメの中で、1期に1本くらいこういうのがあってもいいじゃない。最近はこの手の作品も少しずつ供給量が落ち着いてきたしさ。 もちろん、「悪くない」という部分はフォローするけど、個人的に「ひだまり」「らき☆すた」「けいおん」なんかに並ぶと思ってるわけではない。そこはそれ。そんなに簡単にメガヒットなんてうまれやしません。でも、改めて追崎監督の「ほどよさ」が確認出来た作品だったし、多分、(無いと思うけど)2期があったら普通に見ると思うよ。 中の人的には、台詞量が一番多かったナバが大変そうだった、っていうことが第一。丁度同じ時期にAT−Xで「無敵看板娘」もやってたので、よく分からないスーパー生天目タイムを楽しむことが出来ました。あと、今作の大久保留美はいい仕事してたと思う。にゃんこボイスが愛らしい。個人的にはアコより、ちなつより、つみきが好き(え? 信長?)。オープニングとエンディングも雰囲気が合ってて可愛らしかったし。エンディングで流れてたガチャポンっぽい造形、いいよねぇ。あれはちょっと欲しい。
「謎の彼女X」 4→4
1話を見たときからの印象は大きく変わらず。良い意味でも悪い意味でも、とにかくフラットに進行した作品。 正確には、1話時点よりも「やや上げ」くらいのバランスだと思う。一番大きかったのは丘の存在。図抜けて可愛い。中の人の尽力も大きかったと思うが、原作を読んでる時点ではやっぱり卜部のインパクトがでかくて丘にはそこまで目がいってなかったので、アニメになって丘の存在感が圧倒的になっていたのが最大の発見だった。つまり、そのあたりがアニメになったことによって得られたプラスアルファなのかな、というところ。 結局、この「プラスアルファ」というのが最終的な評点を左右する部分。原作が嫌いじゃなかったので、どうしても「漫画でいいんじゃないか」という印象がぬぐい切れなかったのは勿体なかったかなぁ、と。ほとんど悪い点は無くて、あの独特のイラストレーションを非常に忠実に再現していたのは素晴らしいと思う。特に髪の毛のグラデーションなんかの色彩はこの画に違和感なくフィットしており、世界観を壊さずに動かすことに貢献している。この作品の最大の肝であるよだれの表現も、無難なレベルで落ち着いていて思ったほど不快感には繋がっていなかった。諸々を見ると「まぁ、アニメ化する最大公約数はここなのかしら」という気はする。 でも、これって結局イロモノ要素がプラスに転じてないんじゃないか、という気もする。よだれ要素なんかは引く人は当然引くわけで、その部分はなかなか「プラスアルファ」にはなれない。アニメで魅せるとしたら「動く」ことに言及しなければならないわけだが、期待していたハサミアクションなんかについては、特に見栄えがあったわけではなくて普通の処理だったのが残念。あの画で他の見せ方をするのは難しかったと思うが、あそこまで忠実な再現にこだわったスタッフなら、何かもう1つ上のものが見られても良かったんじゃないか、と思うのだ。当然、原作ファンだからこその高望みではあるのだが、あの画だったら不可能ではなかったんじゃないか。 とまぁ、色々とあるが、普通に考えたら加点要素こそあれ、大きくマイナスになる点なんかないならば平均点以上の作品だとは思う。毎週見ていて決定的に足を引っ張るのは……中の人なんだよなぁ……やっぱりそっち方面の影響が大きい人間なのでね……慣れるかと思ったけどやっぱり駄目だった。何でこんな大事なところで素人を引っ張ってきてしまったんだろう。丘さんが可愛く見えれば見えるほど、卜部がどんどん残念に見えてきて……。そこさえなければなぁ。
「這いよれ! ニャル子さん」 5→5
よし、大丈夫。おおかた予想通りに推移した。改めて、人間の叡智に感謝するとしよう。 ことアニメ視聴に関しては、パターンによる解釈は一長一短であり、個人的にはあまり短絡的になってはならない、という自戒もあり、なるべく機能させたくないと思っている部分はあるのだが、今作に関しては、予測していたパターンとの合致部分が多く、「やっぱり経験って捨てたもんじゃないな」と思ったものだ。12話の視聴を終えた後に残った感想は、1話を見た時に予測されたこの作品の大体の到達地点に一致していたのである。やはり、この作品はラノベアニメであった。粗製濫造のこの世の中、思いつきだけで作品を飛ばすことは大量消費の世相に合致しているので決して悪いことではない。悪いことではないが、そこから何か未知の面白さが出てくるかといえば、それはなかなか難しい。あくまでも「思いつきで出てきた新規性」なので、その部分の熱が冷めてしまえば、後にはどこかで見たもの、取り立てる価値のないものが残ることになる。 本作についていえば、「思いつきで現れた新規な部分」は大きく2つあると思われる。1つ目は原作の手柄である、ニャル子のキャラクター設定。クトゥルフ関係の設定なんてほとんどが意味をなさなかったが、あけすけな痴女設定のメインヒロインってのは存外新しい。痴女のくせに別にエロいわけでなく、時に苛立たしいくらいなのにどこか可愛い。結局この作品は「ニャル子可愛いよね」といえばそれで済んでしまうほどに、ニャル子に依存した作品だった。そして、それはそれで価値があるものだ。そして、もう1つの新規性はアニメスタッフの力によるもので、「とにかくオープニング」である。史上希に見るオープニング詐欺とも揶揄されるように、とにかくオープニング。これは決して詐欺ではなく、「一番良いものを一番目立つ場所に陳列する」のは商売の基本であろう。うまく客が引き込めればあとはどうとでもなるのだし、最も客の目に入る玄関口を豪華に飾り立てるのは真っ当な戦略である。この部分に関しても、充分に機能を果たしていた。 でもまぁ、あとは至って普通。いや、最終話の流れを見る限りでは、1話1話の区切りで盛り上がる部分が特になかったのだから、褒めるべき部分が少ない作品とすら言える。しかし、それも仕方あるまい。元々この作品が生まれた時点で、アニメ12話分の持久力を目的としていなかったのだから。ド派手に現れてひっそりと消えていく、7割方余韻みたいな作品のあり方ってのも、日本古来の詫び寂びを思えば案外風情のあるものなのかもしれない。 あとはまぁ、中の人劇場のミラクルさを堪能するだけ。結局、その要素が楽しすぎるから、散々悪口みたいなことを書き綴ってみたものの、全く嫌いなわけじゃないのである。特に作中で挟まれたニャル子と真尋の入れ替わりシーンなんかは、アスミス・キタエリのスペックを確認出来るぜいたくなエピソード。元々「ニャル子ってどう考えてもキャラ的にキタエリだよね」と思っていたので、あの起用は本当に楽しかった。回りでやいのやいの言っているまつらい先輩とくぎゅの配置も完璧。もう、それだけでいいじゃない。バウムについては作中での出番が予想以上に少なかったのは残念だけど。
「夏色キセキ」 5→4
今期の、「心残りだったで賞」が贈られるべき作品。色々とみそがつきつつもそれなりにいじられるこういう作品がいいのか、それとも完全に空気のまま終わってしまうような作品がいいのかは難しいところだが。 最終回がそれなりにまとまっていたおかげでシナリオ面についての不満点はあまり無い。日常ものでありつつもメインテーマの一端を担う「奇跡」要素を中心に女子中学生の生活を引っかき回し、毎回毎回毛色の違うハプニングの中でドタバタさせつつも「日常」の枠を出ず、最終的にはそうした「奇跡」の効果を「紗季の転校」という、奇跡でも何でもない「日常の大事件」へ収束させていく。少なくとも1クールもののシリーズ構成としては破綻無くまとまっていたし、毎週適度に興味を維持しつつ見られるだけの刺激もあった。考えてみりゃ「超常的な力でもって主人公が毎回全然違う種類の怪奇現象にもてあそばれる」っていうのは、ドラえもんとかキテレツみたいな藤子ワールドのテンプレートと同じなんだ。そう考えると、御石様というやっかいなドラえもんに捕まった4人ののび太のお話が面白くなりやすかったのは当然といえるのかもしれない。そのあたりの「単発としてのシナリオ」と、「シリーズとしてのシナリオ」の組み合わせの妙が、今作の見どころであったと思う。 ただし、やはりどれだけひいき目に見ても、現代アニメでは珍しいほどの絶望的な作画状態をフォローするまでには至らない。結局、シナリオ面で明確な誘致要因を見いだしにくい「日常系」作品の場合、どうあがいても「萌えもの」のレッテルを取り払うことは出来ず、最低限必要なものは「作画の安定」である。もしくは、多少なりとも崩れたとしてもごまかせるような、強力なキャラクターのプッシュなどでとにかく視聴者の目を引きつける必要があったはず。本作の場合、どうやら「女子中学生4人の何気ない日常」という素朴なテーマにこだわり過ぎたきらいがあり、演出面での(過剰なまでの)売り込みはあまり望んでいなかったようで、そうした淡々とした進行を支えきるだけの「質」が維持出来なかったのは不幸である。どうしたことだったんだろう。あれだけばしばし放送前にCMを打っていたことを考えればそれなりに準備期間と予算はあるもんだとばかり思っていたのだが。天下のサンライズとは思えないお粗末な結果である。おそらく製品版では大量の修正がはいってもう少しまともなものが出てくると思われるが、とどのつまりは「質が低いことを理解した上でそれを垂れ流していた」わけで、怠慢の誹りは免れまい。種々の期待感があり、各方面から注目されていた作品だっただけに、この致命的な「不足」は残念至極である。もう少し各制作会社でリソースの割き方を考えて欲しいもんだけどなぁ。 あとはまぁ、当然中の人的な盛り上がりを見せられるという売り方には注目すべき。「第2のスフィアクラブ」とも言える本作であるが、「女子中学生の永遠の友情」テーマをそのまま中の人への願望に転化するのは声オタの宿命。スフィアのユニットとしての活動はいつまでも続けて欲しいものです。そして、個人個人のスペックについては何もいう必要はない。役柄の差分もありつつ、相変わらず一番いいところを持って行ったのは戸松には違いないのだが、入れ替わり話での彩陽・美奈子の連携なんかはなかなか面白かったし、アイドルを目指すオーディションへの物語という側面もあったので、その辺の微妙な重なり具合から各人の隠しきれない個性が出てきているのは興味深かった。4人とも基本的にスペックが高いので、どっかで「全員役を入れ替えての再録」とかも見てみたい気がする。絶望先生のシャッフル話数みたいなやつを毎回やるっていう手もあるな。誰が優香をやるかで雰囲気ががらっと変わりそうだ。
「ZETMAN」 5→5
始まりはゼロ、よろしかったんじゃないでしょうか。いかにも読売系、っていうまとまり方だったと思う。なかなか他の局だとこういう作品のアニメ化ってしてくれないしね。 振り返ってみると、話の筋立ては本当にシンプルで、「正義とは何か」という永遠の命題を、黒と白の2人のヒーローの正義感、生き様を対比させ、そこに絶対悪を紛れ込ませることで問うていく形。結局どちらが正義か、とか、どちらが勝つのか、といった終わり方にはなっていなかったが、そりゃまぁ、たかだか13話であっさり理解されても困るしね。1クールで終わってしまうのは意外だったのだが、この尺にしては案外内容も豊富だったし、原作ファンからもそこそこ満足してもらえるくらいの出来にはなっていたんじゃなかろうか。いや、実際には原作が続いてるみたいなので、どの程度の「未完」っぷりなのかはよく分からないけども。 基本的に主人公2人の「正義」が揺れ動くものとして描かれているおかげで、この作品は「悪」の方が際だった存在になっている。2人のヒーローを形成しようと躍起になるおっさんどもがこれでもかと素敵な不幸を提供し続けてくれるため、どこまで言っても胸くそ悪い展開しか待ち構えていない。あっさりと人が死ぬし、あっさりと仲間には裏切られる。生真面目に生きようと高雅がもがけばもがくほど、その先には絶望しか待ち受けていない。何となく予想をつけながら見ていても、なかなかやるせない気持ちになれるお話である。ただまぁ、視聴者視点からすると高雅の幼稚な「正義」感にも同調できるわけでもないし、当然無頼を気取ったジンに感情移入するでもない。2人があーでもないこーでもないと大人に振り回されてどんどん追い込まれていくのを見ていると、「悲惨だなー」という気持ちはありつつも「そうなれば、そうなるやろ」という、なんだか腑に落ちる部分も多かったりするのである。なんだろうね、この微妙な歯がゆさが気持ちよくなる感覚は。 あとはまぁ、このどうにもならないお話をそこそこ楽しみつつ、存外出来の良かった映像面でのまとまりと、おっさんフェスティバルな中の人祭りを楽しむだけ。やっぱりね、おっさんが活躍出来るアニメって素敵だと思うんですよ。最近だと「Fate/Zero」もおっさん声優が贅沢に共演していて話題になったが、実はおっさん濃度で言ったらこちらの方が圧倒的に上。個人的に「親父にしてみたい声優」第1位(?)の菅生さんが活躍してるだけでもたまらんし、奇人変人おっさんパワーでは右に出るものの無い堀勝之祐氏も大大大好き。飯塚昭三氏がいて、広瀬正志氏がいて、石井康詞がいる。もう、アフレコ現場の加齢臭がすごそう。たまりません。千和を放り込んだら発狂するレベル。 終わりならゼッ。
「ヨルムンガンド」 5→5
最終話がちょっとナニだったのでややとっ散らかった感はあるものの、シリーズを通じての評価で言えば充分今期では上位に入る出来の作品。今から秋が楽しみではある。 本当に、惜しいとしたらシナリオの詰め込み具合だけ。話の筋はシンプルな作品だから、これにプラスアルファでアニメならではの良さを出すとしたら、独特の「悪漢たちの社会」を描くすれっからした感じを引き出す方向になると思うのだけど、急いてしまうとどうしてもそうした「おおごと感」が薄れてしまって、本当に武器商人が淡々と武器を売って回るだけの進行になりかねない。もちろん、ほとんどの話数ではそんなことは無くて、きちんとココたちの個性を押し出しながら、ピカレスクならではの爽快感もあったし、ココのふざけたキャラクターもいい味になっていた。最初は「尖ってるな!」と思ったキャラクターデザインも、ココがよくやる百面相を見ているうちにどんどん馴染んできて、独特な「隈取り」フェイスも面白味になっていたと思う。考えてみりゃ、あんだけ大胆に顔が変わるシーンはアニメにするとなかなか見せ方が難しい要素だったんじゃなかろうか。 あとはいつかも書いたことだが、この作品独自の長所は「武器商人」という立ち位置がそのまま見せ場に出来ること。「この武器ならこう使え」といった見せ方もそうだし、バトル要素も「多分みんな色んなことに精通しているからこんな風になるんだろうな」というよく分からない説得力の持たせ方でオリジナリティが出る。今時のアニメだったら、刀だろうが銃だろうがバズーカだろうがミサイルだろうが、扱うのが華奢な女の子だったりするんだが、この作品は基本的におっさんとムキムキだけだから安心だ。カレンさんがちょっと細身だったくらいだろうか。そうなると、自然に最萌えキャラがヨナ坊になるというのが恐ろしい。別にショタの気はないのだが、屈託無く笑えるようになったヨナは本当に「普通に利口な男の子」だよね。ラストエピソードでのバルメを通じたココとの関係性は良かったと思う。メインヒロインのココがあまりにも完成された人格なもんだから、回りにいるヨナやバルメの精神性を成長させることで物語としての進展を生み出す流れなのでね。次のシリーズではヨナが何をやらかしてくれるんでしょうか。 その他、レーム、ルツなどのメインスタッフ、スケアクロウやショコラーデなどの賑やかしも短いスパンできちっとキャラを出してくれていたし、どこまでギャグになっても一線は越えずにきちんと「命の取り合い」という路線をキープしている舵取りのバランスもよい(考えてみりゃ、阿澄ボイスが聞こえてきたのに殺し合いの現場、っていうのはすごい設定だと思うよ)。このあたりは流石の元永さん、といったところか。個人的には、「刀語」の時にも面白い起用のされ方をしていた音楽担当の岩崎琢氏の仕事も大きかったんじゃないかって気もする。これ書いてる今日この日、丁度サントラが発売されたらしい。…久しぶりにサントラ欲しいなぁ。 そして音響といえば中の人ですよ。最初は当然バルメの中の人目当てで見ていた部分が大きかったんですが、最終的にはきちんとメインヒロインであるココがお気に入りになってました。御前は良いお仕事をしてくれる。デビュー当時は割とお堅い役や包容力を求められる役が多かった気がするけど、最近は(本人のキャラのおかげか)こういう飄々とした得体の知れない役も増えたね。本当に、いい歳の取り方をしていると思う。 |
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プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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