忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[216] [217] [218] [219] [220] [221] [222] [223] [224] [225]

「おまもりひまり」 4→3

 まぁ、まともに評価出来るほど真剣に見てたわけじゃないんですけど……どういう層がこれを欲しているのかがいまいち分かりません。エロが云々言っても、どうせあの画だしなぁ。無闇やたらとビーム修正が入ってた回なんかもあって、頑張りたいのか、そうじゃないのかもよく分かりませんでした。

 ヒロインのキャラクターは、まぁ悪くなかったと思う。特に松岡ボイスがいい味出してたくえすは人物の背景もそれなりに考えてあったし、きちんと志のある描写はあったのでいくらか好感の持てる仕上がり。もちろんメインヒロインのひまりはそれ以上に頑張っていただろう。ただ、ひまりの場合、ブチ切れモードへの変化というファクターが何とも儀礼的で、いかにも平川主人公といった印象の優人が本当に魅力のない人物であるために、その必死さも空回りしてしまっている。エロなくせに変なとこで奥手に振る舞ってみせたり、とにかくその場その場で印象の良さそうな行動に出ているように見えてしまい、最後まで感情移入しにくいキャラクターであった。中の人は頑張ってたんだけどなぁ。

 他のキャラクターもあれだけ大量に出てきて充分に描写が与えられたのはせいぜいしずくくらいで、せっかく妖怪大集合という好みのセッティングなのに全く特性が活かせていなかったのは拍子抜け。一本ダタラとか、チョイスは渋いのに……萌えキャラ化したらあかんのかな。

 ま、ジワジワアニメの本数が減っているとは言っても、まだこういう作品も残ってるし、ニーズはあるってことだろう。今後似たようなコンセプトで妖怪娘を集めるなら、是非つるべ落とし、あまめはぎ、おとろしの「個人的にビジュアルが怖い妖怪3体」の萌えキャラ化をお願いします。……あかん、もう「ゆっくり」しか浮かばねぇ。やっつけ↓

拍手

PR

「とある科学の超電磁砲」 6→7

 あらゆる面において期待を持って観ていた作品であり、その期待に充分に応えてくれたのは間違いない。改めて振り返ってみると、ここまで捻りの無い「普通の」ラノベ原作アニメできちんと風呂敷をたたんだことは、まず評価しなければならないだろう。

 もちろん、この作品の場合には、何度も触れたように大きな欠点も抱えていた。それが原作シナリオにおける世界設定の不備、キャラ心理の不可解さなど、要するにラノベにありがちな「適当さ」「嘘くささ」である。実際視聴時にはそのあたりの意味の分からない部分が鼻につき、どうしたって完全に物語に没入することが難しかった。「科学」という言葉をタイトルに冠し、能力バトルものとしての売り出しているのだから、プロットの練り方が直接作品の出来不出来に関わってくるのは当然のこと。ディティールを意識せずに適当に書き散らしただけのシナリオラインは、誰が見たって褒められる代物ではなかったはずだ。

 しかし、それを補ってあまりある魅力があったのも事実である。そして、その魅力を生み出せたのは、純粋にアニメスタッフの功績としてしまっていいのではないか。前半が原作準拠、後半がアニメオリジナルという構成になっていたわけだが、原作の持つ最大の武器が「女の子達の日常と非日常を描いた学園バトルドラマ」であることを理解し、その魅力を最大限に押し出すことを意識した作品作りが徹底していた。細かい作品世界のあれこれを多少犠牲にしようとも、魅力的なヒロイン勢を描くことに心血を注いでくれた。このあたりの手練手管については、流石の長井龍雪としか言いようがない。現時点で長井監督の携わった作品にはハズレがない(世間での評価は知らんが、「アイドルマスター」も充分面白い作品だったと思っている)。J.C.STAFF的にも「とらドラ!」→「超電磁砲」とヒットを2本繋ぐことが出来たわけで、長井監督の評価も安定したものになっているだろう。

 また、監督と製作スタジオの相性というのも無視できない。昨今はシャフトや京アニ、P.A.WORKSなど、独自性が強いスタジオの作品が注目を集めることが多いが、J.C.の場合、その特徴は原作再現率と、奇をてらわず、きっちり画面を仕上げる安定感にある。今作のように女の子がメインできゃっきゃうふふする作品の場合、やはり画面のクオリティというのは無視できないファクターであり、2クールのあいだに作画を崩すことなく、一定以上のクオリティで見せてくれたことに対しては素直に感謝したい。藤井昌宏氏によるメリハリの効いたキャラクターデザインを、ここまで動かせたのは大したもんである。そして、そうした保証があればこそ、長井監督の描く細やかなドラマ性というのも活きてくるというものだろう。取り立てて目新しいものがあるわけではないが、こうして必要な要素をそろえて見せてくれるアニメというのが、なんだかんだで一番安定するのである。

 そして、やはり無視できないのはキャストの魔力。メインヒロインの佐藤利奈に加え、新人賞コンビ(伊藤かな恵、豊崎愛生)のかっちりとした役作りには好感が持てる。その他にも敵役には田中敦子、大原さやかという嬉しいラインナップで、誰からも文句のでない鉄壁の布陣。植田佳奈、柚木涼香、甲斐田裕子、遠藤綾、生天目仁美、佐藤聡美、田村ゆかり等などの脇を固めるゲストもありがたい。

 そして、なんと言っても今作のイメージを決定づけたのは、黒子役の新井里美。彼女のおかげでこの作品が成立したと言っても過言では無かろう。彼女の偉業と作品の大団円を祝して、みんなで青空の下で叫ぶと良いだろう。「ジャッジメントですの!」と。

 

拍手

花咲ける青少年」 5→6

 話数的には3クールだが、BSで色々と休止をはさみ、ほぼ1年の長丁場を渡りきった少女漫画作品。改めて1年前に書いた新番チェックを読み直したら「こういう少女漫画は得手ではないので多分トーンダウンしていくだろう」という予想を立てていたのだが、なかなかどうして、無事にゴール出来てしまった上に、評価点まで上がっている。最終回近くになっても、毎週ほんとに楽しみながら観ていましたよ。

 まず、1話目の時点で「女性主人公が、誰かも明かされない3人の婿候補と勝手に恋愛してこいと親父に言われる」という突拍子も無い出だしに面食らった。そこで「ははーん、このまま3人のイケメンが登場して、主人公の花鹿は逆ハーレムでウハウハする『彩雲国物語』みたいになるのだな」と思っていたのだが、物語は中東情勢や過激派とのテロバトル、あげく隠し子騒動を巡って王位継承権まで争い始めちゃったからもう大変。序盤にユージィンが出てきて「こんな奴おらへんやろ!」と突っ込んでいた頃が懐かしくなる。ユージィンのエピソードがおよそ1クールで幕を閉じたので第2チャレンジャーのルマティも同じくらいの話数で消化するのかと思っていたら、待てども待てどもラギネイの政変は続き、結局作中最大のバトルグラウンドがラギネイ王宮となる。その結果、3人目のチャレンジャーであるカールの存在感の薄いことと言ったら。

 で、最終的にはリーレンのごっつぁんゴール。まぁ、リーレンと花鹿の関係性は序盤から丁寧に伏線が張られており、まさにハリーの思惑通りに全ての物語が進んでいった。このあたりの丁寧な描写がきちんと理解出来たために、次第にリーレンエンドへ突き進み始めた花鹿を観ているのが何とも微笑ましかったりする。また、カールは可哀想な子だったが、最初は少女漫画のテンプレばりばりだと思っていたユージィンが意外に変な奴だったり、これまたテンプレ通りだと思っていたルマティが一時期は完全に花鹿を喰って主人公扱いになり、終わってみれば彼の成長物語としてもきちんと読めるくらいの完成度になっているという。もちろん、そんないい男たちの影で少しずつ株を上げつつ、あまりに無難なゴールテープとして待ち構えていたリーレンの存在感もなかなかである。一応中盤までは誰エンドで終わるのかというのも気にして観てはいたのだが(ひょっとしたら寅之助エンドまであるかとも思った)、次第にリーレンへのフラグを乱立させ始め、エンディングのイラストが3期のものに変わった時点で無事やきもきも解決。その後は実の娘の行く末を見守るかのようにして、余裕を持ってみることが出来ました。

 今作を見ていると、やはり食わず嫌いはよろしくないということを痛感させられる。この作品は1つの大河ロマンとしてきちんとまとまっているし、起伏の設け方、人物の書き方、心情の伝え方など、充分に高品質なものを提供してくれる。これだけの物語が読めるのなら「毎回毎回色恋沙汰にうつつを抜かしてるだけの少女漫画」と十把一絡げにして切り捨ててしまうのは非常に乱暴だ。過去には「スキップ・ビート!」でも似たような感想を持ったし、絵柄が苦手というだけで少女漫画を読まないというのは勿体ないのかもしれない。

 また、「とらドラ!」なんかを観ていても思ったのだが、やはり女性作家の書く女性像というのは非常に面白い。本作の場合は主人公の花鹿が真っ直ぐ天真爛漫系の美少女として描かれながらも、不思議とその無茶苦茶さが嫌みにならない。現実にはあり得ない人物なのは間違いないのだが、その淀みのない人柄は、女性の抱く1つの理想像として興味深く観られる。また、もう1人お気に入りの女性キャラにナジェイラもいて、彼女は一転、女性の持つ腹黒さや、それを後押しする苛烈な性格が実に面白い形で表出する愛らしいキャラクターであった。もちろん、中の人である新井里美の熱演も加点要因なのは間違いないが。

 しかし、なんと言っても格好良かったのはクインザだろう。もう、途中からは彼目線でしか物語を追えなくなるぐらいの男前。彼の末期のシーンでは本当にボロボロ泣けてしまった。最終回で泥を被ったツァオもそうだが、この作品の魅力の1つに、悪役の持つ情念、信念みたいなものの確かさがあるのかもしれない。もちろん、ここでも中の人の功績は大きいと思う。子安、森川、浪川、小野、福山、諏訪部。なんだこの素敵すぎるラインナップは!(あ、柿原忘れてた)

 まぁ、色々と語り足りない見どころはあるのだが、とにかく1つのラブストーリーとしてきちんとまとまり、1つのアニメーション作品としても立派に結実した佳作と言って良いのではなかろうか。是非とも、同じように骨子のしっかりした少女漫画を、こういう尺にゆとりのある枠でアニメ化してほしいものである。 

拍手

「ささめきこと」 4→7

 英語的表現をするなら、今期最も楽しんだ作品の1つ。1クールで終わるのがとても寂しくて、「さっさと原作重ねて2期作ってくれぇ!」と思わずにはいられない。まぁ、そのためにはDVDが売れなきゃいけないんだけどさ……

 この作品は、非常に地味な作品である。初回視聴時の点数が低いというのはその現れだと思うが、「百合」という根源的なファクターに琴線を揺さぶられない人にとっては、この地味さ加減はちょっとしたハードルになるだろう。しかし、実は1話目は原作漫画でも読み切り部分だったために若干テイストが異なっており、本気を出すのは2話以降。2話で描かれた朱宮君の登場と純夏の暴走によって、この作品の本質がようやく見えてくるのだと思う。

 昨今「百合」をテーマとしたアニメ作品は数多く、対象を絞っても「マリア様が見てる」「Simoun」「ストロベリーパニック」「BLUE DROP」「CandyBoy」など、それだけで1ジャンルを形成しているほどだ。他にも萌えファクターの中に百合要素を入れ込んだもの(「咲」とか「なのは」とか)まで含めれば、ほとんどの作品が「百合要素」を持っているといってもいいかもしれない。そんな玉石混淆の百合ジャンルの中でこの作品の白眉なところは、純愛として百合を処理しながら、その恋愛がきちんと禁忌として見られている点だ。上記の作品群を見れば分かるように、いわゆる「百合アニメ」の場合、前提として「女性は女性とつきあうものだ」という(非常にファンタジーな)設定が存在しており、その恋愛を描くための道具立ては、基本的に男女間のそれを描くものと変わらない。そのために世界まで作ってしまった「Simoun」や男性を隔離してしまった「マリみて」「ストパニ」あたりは一応サポートがあるとは思うが、その他の有象無象の場合、「アニメなら百合はあっていいんでしょ」とばかりに考え無しに使う場合も少なくないのが現状だ。

 そんな中で、この作品の百合は、非常にデリケートだ。汐自身、自分の性癖がおかしいことは理解しており、1話では純夏に揶揄されて落ち込みながらも悩んでいる。純夏もそれは同じで、自分の感情が普通でないと知っているからこそ、号泣しながら夜道をかけて「あたしじゃ駄目だから!」と絶叫する。あくまで彼女たちの恋愛感情は、「ささめきこと」なのだ。

 この、ある意味当たり前な前提から構築されているために、この作品の恋愛模様は面白い。ある程度オープンに感情を表せる汐に、決して前に進めない純夏。そしてそこに意識改革をもたらすために朋絵とみやこのコンビが現れて2人の関係を変質させていき、その歪んだ感情(禁忌を乗り越える勇気)を奇妙な形で決定づけたのが別視点から現れたあずさである(キョリちゃんは多分ノーマル代表)。様々な感情、倫理観が交錯することによって、「百合」という大命題はあけすけに描かれた他作品よりも濃密に浮かび上がってくるわけだ。

 もちろん、こうした作劇法は特に目新しいものではない。元来恋愛ものなんてジャンルはドロドロと歯切れの悪いものを描くジャンルであるし、それが「許されぬ恋」ならなおさらのこと。この作品はそれを女子高生たちの秘めたる思いとして昇華させ、最後の最後、汐の「良く聞こえるよ」という一言に集約させたのだ。これは、いいものだ。

 ま、百合好きといっても色んな方向性があるので、単に乳を出していちゃいちゃしてれば良いという見方も勿論間違ってはいないんだろう(そういう百合の人も実在するんだろうし)。ただ、一本のアニメとしてドラマを見たかったので、この作品の方向性がどストライクだったというだけの話である。とりあえず、放送が終わったので気兼ねなく全巻一気買いしてきます。

 そうそう、当然最後はキャストの話。感想文で再三触れているのでいい加減しつこい気がするのだが、やはりこの作品はキャストの力によって支えられた部分が大きいと思う。女優・高垣彩陽の素晴らしい伸びしろがみられるだけでも素敵だし、相方を務めた高本めぐみも確実なキャリアを重ねている。他にも若手からは原田ひとみ、牧口真幸などのこれからのがんばりに期待したい。歳は大して変わらないのに一歩抜きんでたイメージの英美里も言わずもがな。そして、ラジオでは「一番おねーさん」と言われていたのが、千和。あー……アラサーだなぁ。欠片もそんな様子がないですがね。 

拍手

「空中ブランコ」 5→8

 今期文句なく一番楽しく見させてもらった作品。最初はあまりにアクの強い演出にいくらか腰が引け気味だったのだが、中村健治監督が無意味に目障りな装飾など施すはずが無いと信じて見続けたおかげで、きちんと「虚飾の意味」を感じ取ることが出来るようになり、最終的には、私が最も好みである「多層的な意味を配置した画で見せる演出」が野心的に盛り込まれた佳作となった。

 この作品を見て思い出すのは、我がアニメ視聴人生を大きく変えた「妄想代理人」の存在である。安易なまとめ方になるが、この「空中ブランコ」と「妄想代理人」は、いくつかの面で非常に似通った性格を持っている。メインテーマが精神的な綻びである、というのが最も端的な部分であるし、各話に複数の主人公を配したオムニバス形式、群像劇のスタイルを取っているのも同じ。本作の場合は伊良部一郎という「観察者」たる中軸を通してテーマを伝えるので比較的分かりやすかったが、「妄想」の場合は「対象」である少年バットそのものを中軸としていたので難度がより高いという差が確認出来る。また、表現の難しい題材だけに、演出の抽象度が高いというのも似通った点で、特に最終話のトイレで不満をぶちまける津田英雄のシーンは、「妄想」第9話「ETC」のサブエピソードである「IQ」のトイレ描写と随分被った。

 他にも、こうした「画で多層的な意味を表す作品」で言えば、近年私がメロメロになった「地獄少女」シリーズも近いものがある。特に2期、3期での小滝礼演出回は圧巻で、「藁の中(3期17話)」の時に四苦八苦した内容分析のときの高揚感が、今作でも得られるような気がする。これら3作は全て「人の心の歪み」を描くという部分では共通しており(まぁ、たいていの人間ドラマは突き詰めればそう表現出来てしまうが)、アニメーションという媒体の持つ多面的な可能性を見るのに大きな役割を持っている。あくまで既存のアニメのスタイルからはみ出なかった「地獄少女」、構成や描写に独特のセンスを加えた「妄想代理人」、そして一見するだけでその異質さが伝わる「空中ブランコ」と、そのスタイルも様々なレベルがあるわけだ。

 今作の素晴らしい点は、そうした珍奇な表面上の描写が、きちんと描きたいもの(精神疾患)にフィードバックされている部分である。毎回登場する患者のシンボル化などは端的なメタファーとして抽象物の表象性を高めてくれるし、肉薄した各キャラクターの苦悩も、実写顔出しの役者達のおかげで奇妙な臨場感が出る。さらに最終話のところで解題した「実写+アニメ」だからこそ出る味もしっかり活かされており、実写取り込みという技法が単なる表面上のお遊びになっていない。こうした効果は、描く側がきちんと「何を描きたいか、何を描かねばならないか」を理解して画面を構築する必要があるわけで、制作者の技量と意識の積極的な現れになっているということ。もちろん、「描くものを理解して作れ」などというのはクリエイターとしては当然の心構えなわけだが、この大量消費の時代、全てのアニメにそれが徹底しているとはとても言い難い。このアニメの場合、そうしたクリエイター側の覚悟のようなものを、最初の画面でまず「異質さ」を強調することによって視聴者に「ちゃんと見ろよ」と警告を促しているわけで、ある意味非常に「親切な」作品でもあったわけだ。どうせ作品を作るならば、ここまでの気概を見せて欲しいものである。

 何はともあれ、十二分に堪能させてもらったこの作品。最終話までを走りきって、まだまだ自分の読解が不足していることを思い知らされた。今後機会があれば、是非とももう1度頭から見直して分析を行ってみたいものである。 

拍手

「アスラクライン2」 4→3

 いや、全く真剣には見てなかったので点数なんて付ける権利はないんですけどね。適当に見てたら内容なんてさっぱり分からなかったし。っつうか、1期の時点でよく分かってなかったのに2期を最後まで見てるのってどうよ。

 最後まで何となくでも見続けた理由は大きく分けると3つくらいって、1つは田中利恵。そしてもう1つは矢作紗友里だった。うん、それだけ。

 一応3つ目には、草川監督に対する信頼感というか、義理みたいなものがあったのだけど、流石に中身をさっぱり理解せずに見るのはハードルが高かったかな。本当にとっ散らかった印象の作品だからなぁ。一応フォローしておくと、最終話はなんかうまいことまとめた感じになってました。戦闘シーンもボチボチで、クライマックスに1期のオープニングがかかる演出は王道だけどなかなかグッド。エンディングも含めて、やっぱりangelaは雰囲気を構築できる良いアーティストである。あと、コンテがここでも福田道生氏だった。流石のお手並みでございます。

 でも、特に語るべき部分も無いのでこんなところ。ようやく気兼ねなく「なのは」の劇場版を見に行けるぞー! いや、関係ないけどさ。 

拍手

「夏のあらし!春夏冬中」 5→4

 正直あまり真面目に見ていなかった作品なのだが、やっぱり何故かシャフト製作なのに影が薄い。ここ最近はシャフトが関わった作品は良くも悪くも話題にはなるはずなのだが、この作品はそこまで吹っ切れたアクの強さがあるわけでもなし、かといって純粋にストーリーものをやりたいわけでもなし。要するに、中途半端な立ち位置なので観る側としては心構えをどうしていいのか分からなくなってしまうのだ。

 1期に比べると、2期はキャラクターが固まって安心して見ていられる反面、1期のやよいと加奈子のエピソードのような根幹を成すシナリオの土台が無いために、1話1話が適当な、浮ついた印象がある。それなら「絶望先生」のようにネタに走るかといえばそんなこともなく、「ひだまり」のように日常のダラダラを表現するのに細心の注意を払った演出が光るかと言えばそんなこともない。一応最終話近くであらしとはじめが揉めてみせたりといった起伏はあるのだが、どうしたって1話のやよい編の時のような山はない。かといって毎回似たようなタイムワープを使ったネタでは限界がある。どうにも、2期を作った意味が伝わりにくい作品である。

 ただ、ダラダラ続いていたからつまらないかと言えばそう断じるのもちょっと迷う部分で、ボーッと見ていればいかにもシャフトらしいネタ回しも散見されるし、何となく面白かったりもする。最終話なんかは久し振りにきちんと見たら、色んなお約束が片付いていく「何となく最終回」っぽくなっていたのだから不思議なものだ。延々頼み続けていた塩がこうもあっさり届く日が来ようとは。でもまぁ、果物爆弾ネタも流石に天丼が過ぎるから飽きてしまったけどなぁ。こんなところで「エンドレスエイト」せんでもねぇ。

 ま、1期と同じで評価はこんなところ。シャフトは1月からも「ひだまり」と「ダンスインザヴァンパイアバンド」の2本を抱えているはずなんだが、製作体制は大丈夫なのだろうか。2本とも期待してるので、何とかして下さいよ。

拍手

「そらのおとしもの」 5→7

 今年放送された作品でも「もうやだこの国」という言葉が最も相応しいと言われているこの作品(対抗は「ミラクルトレイン」)。話題を振りまきつつも無事に放送が終了したわけだが、何故だろう。こんな馬鹿な作品なのに、終わってみれば天晴れな寂しさが残っている。単なる馬鹿な思いつきで終わらないこの独特の味は、一体どこから生み出されたものなのだろう。

 第1話を視聴した時点での感想は、「まーたこの手の作品か」という分かりやすいもので、あまりにありがちな設定を逃げずに真正面から描いたその姿勢には、呆れこそすれ、特に興味を引くようなことは無かった。しかし、2話でパンツが飛び、4話でそれが帰ってきて、何かがおかしくなった。その後も迷い無き姿勢を貫き通した馬鹿のオンパレードは、それだけでも充分に歴史に名を刻むことが出来る所業ではあったのだが、「馬鹿をやって、ヤリ逃げする」という姿勢の作品ならば、昨今のアニメ業界では少なくない。この作品の場合、馬鹿は馬鹿として吹っ切れた描き方を心がけ、それに加えてきちんと1つのストーリーを形成しようという努力が、きちんと画面上に現れていたのが大きなポイントといえるのではなかろうか。

 いささか偏見混じりの分析なのだが、ここ最近の「エロ萌えアニメ」を並べてみると、「ストーリーをやりながら、エロい演出をする」というのが基本的な姿勢である。ここ2年の視聴履歴から「エロ」に重点を置いた作品をピックアップすると分かりやすく、その最右翼に「クイーンズブレイド」があり、その他「ロザリオとバンパイア」「ムネモシュネの娘たち」「恋姫☆無双」「セキレイ」「ストライクウィッチーズ」「CHAOS;HEAD」「宇宙をかける少女」「NEEDLESS」「乃木坂春香の秘密」「けんぷファー」など、これらは全て、「シナリオを進める中で、なにげにエロい」というのが基本的な構造になっている。

 これに対して、この「そらおと」は、シナリオを進めるフェイズでは、基本的にエロと馬鹿は脇に置かれることになる。最終話などは最たるものだろうが、他にもイカロスの心情を追いかけるシナリオとか、ニンフの葛藤を描く段になると、まるで作品が切り替わるかのように、カチリと何かのスイッチが入るのだ。このことはシナリオ構成にも分かりやすく現れており、散々シリアスをやっておいて、次の週にどんな展開になるかと思ったら智樹がアバンで「あー、女湯覗きてぇなぁ」とつぶやいてスタート。他にも、海辺でのイカロスの覚醒は、序盤の海辺のお約束エロを片付けたあと、夜の浜辺に画面を切り替えての進行になっている。こうしておおざっぱにでも「シリアス」と「ギャグ+エロ」というパートを隔てることにより、視聴者はきちんとストーリー部分を追いやすくなるわけだ。「バトル」と「馬鹿エロ」という両極の間に、「イカロスとニンフの心情」というどちらにも関わるファクターが介入しているため、それを軸に左右に振ることが出来るようになっているのもうまい部分。

 こうして「馬鹿は馬鹿なりに」「シリアスはシリアスなりに」という分業が行われたことで、ギャグにも全力を注ぐことが出来たし、おかげで様々な未解決問題が残されているはずのシナリオ面も、何となくこれを覆い隠すことが可能となっている。どの程度意識的にこうした「伸びしろ」を残しているのかは定かでないが、あまりにきちんと全てを片付けようとしていたら、おそらくここまで馬鹿馬鹿しい仕上がりにはならず、最終回のシリアス展開も白けたものになっていたのではなかろうか。今作の成功の裏には、視聴者の視点の振れ幅も計算に入れた、したたかな構成があったのだと推察したい。

 もちろん、画作りの面でも充分なクオリティが維持されていたし、毎回触れるキャストの活躍だって見どころの1つ。メインヒロイン・イカロスを丁寧に演じきった早見沙織はもちろんのこと、後半は微妙に空気になりながらも、きちんと作品の持つ暖かみ、日常世界を維持し続けたそはら役の美名、そして終盤に大切な役割を担ったニンフ役の野水伊織の新人2名にも、ご苦労様を送りたい。もちろん、圧倒的存在感を見せつける保志総一朗と、それを支える鈴木達央や高垣彩陽も同様である。

 様々な見方が楽しめるこの作品。後世にも色々と残すものがあるのだろうが、これの後追いを狙うのはなかなか難しそうだ。となると、やはり2期をやるのは…… 

拍手

DARKER THAN BLACK 流星の双子」 5→6

 良くも悪くも今期のアニメで最も話題性が高かったのは、やはりこの作品。一応シリーズ2期目ということで固定ファンがついてのスタートというアドバンテージはあったものの、今回の放送で改めてファンの数を増やしたのもまた事実だろう。なんやら1期のブルーレイBOXもなかなか売り上げ好調のようで、今や売れ筋のアニメ製作というと京アニ、シャフト、そしてボンズになってしまったのかとしみじみ隔世の感。一昔前のボンズっていったら訳のわからんものを作る代表みたいな会社だったのにねぇ。

 で、個人的な感想であるが、毎回のレビューを見てもらえば分かる通りに、かなり楽しんで見続けることが出来た。岡村天斎はやはり監督として優秀な人物であり、確固たるコンセプトの中で自分の作りたい世界を過不足なく描いていたし、それに加えて現代アニメのニーズに応えられるような(悪い言い方をすれば阿漕な)サービスも盛り込めていた。今回は主人公が白人幼女ということで「昨今の萌え文化に迎合しやがって」みたいな批判もあったが、1期の流れを考えれば、これはむしろ「迎合して無難に逃げる」意味合いよりも「ぶっ壊して台無しにする」可能性の方が高かったはず。当然、方向変換について批判的な意見が出ることも想定されていたはずだ。その上で、きちんと今作も「DTB」だった。蘇芳・パブリチェンコというキャラクターは単なる人気取りの客寄せパンダではなく、この無慈悲な「DTB」の世界を演出するための効果的な道具立ての1つに過ぎない。その証拠に、今回も1クールと短い中に何人もの癖のあるキャラクターがひしめいていたのだ。蘇芳だけが今回新登場した「イレギュラー」ではない。

 そして、そんな新機軸の「DTB」は、アニメ作品としては非常に質の高いスタッフでもって、質の高い画面を提供し続けた。監督の岡村と構成の管正太郎をはじめとし、ボンズの俊英五十嵐卓哉や、もりたけし、山本秀世など、流石に力の入れ方が違う。謎の多い設定上、様々な演出意図を読み込みながら毎週視聴するのは楽しかった。

 が、やはり問題はそのまとめ方である。1エピソードに2話を費やしていた1期とは異なり、今回はロシアを発って東京に至るまでの珍道中を1クールで描ききるスピードロードムービー。更に回を増すごとに増えていく謎の断片は、いつしか「想像する楽しさ」よりも「終わるのかという不安」を増大させることに。そして、当然のごとくあのエンディングである。様々な場所で作品解析が行われているようで、「やっぱり全然駄目」という意見と「考えればある程度決着はついている」という意見が半々くらいだと見受けられるが、少なくともあの最終話を見て、「スタッフはきちんとこの作品を描ききるつもりだった」とは言えないだろう。「謎は謎のまま」という終わらせ方もあるし、いっそ最近の流行を汲んで「続きはOVAで!」「続きは劇場版で!」なんて鬼畜な締め方だって出来たはず。それをあくまで「一応終わってるんですよ」みたいな締め方をされても、ちょっと納得いかない。それまでの作品の流れが素晴らしかっただけに、こうしたもやもや感で作品を評価しなければならないのは非常に勿体ない。まぁ、このもやもやも含めての「DTB」なのかもしれないけど……

 とにかく、そこまで真剣に伏線を拾ったり設定を追ったりしなかった身としては、やっぱり消化不良というのが最終的な評価。もちろん、それでもそこらに転がる有象無象よりは面白かったのが恐ろしいところではあるのだが。

 最後にいつものキャスト評価。今回のMVPは、蘇芳役の花澤香菜……では無いな。花澤もいつの間にか独自の存在感の出る役者になってきたのだが、それでも続けて「デュラララ」の番組予告とかを聞くと「あ、同じじゃん」と思ってしまう。もう少し芸幅が欲しいところですわね。個人的に今作で一番好きだったキャラは、鎮目です。らぁぶりぃちゃーーーん!

 あ、あと桑島キャラに墓碑を1つ追加です。死んでホッとする役者って、凄くね? 

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
20 22
24 25 26 27 28
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[02/18 な]
[02/17 とみしの]
[02/16 NONAME]
[02/11 NONAME]
[02/06 NONAME]
バーコード