最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「おおきく振りかぶって〜夏の大会編〜」 6→6 この作品の魅力を語るのは、実はとても難しい。原作からしてかなり独特な、面白さを表現するのが難しいものなので、それをアニメーションに仕立て上げる際の「うまさ」というのは、なかなか言語化出来る要素ではない。それが証拠に、毎週楽しみに見ていたのに、いつの間にか感想文を書くのをやめてしまった。「今週はここが良かった、あそこが見事だった」と書くことは出来るのだが、それが最終的にこの作品の長所を語ることに帰結していなかった気がするからだ。 1期の頃から続いてきた演出方針は2期も継続しており、あくまで原作の魅力を維持することを最優先として、「執拗に」「地味に」、西浦ナインをはじめとした高校球児たちの心情を描いていく。その生々しさはときには眩しく、ときには小っ恥ずかしく、実に印象的なゲーム場面を見せてくれた。 今回は特に、阿部が怪我をして退場を余儀なくされるという大きなイベントがあった。これにより、それまで要所要所に臭わせていた「阿部の独善的なリード」という要素にスポットがあたり、そこから脱却したことで得られる三橋の成長が克明に描かれる。そして、その成長が、都合の良い投手としての覚醒などではなく、「負けるしかないこと」で描かれるというのがこの作品の素晴らしいところ。三橋は阿部の退場というアクシデントを乗り越えてみせたし、田島も急造捕手にしては充分なくらいに仕事をこなしてみせたのだが、それでも様々な要因が絡み、三橋は打ち崩される。そして、そこで「阿部がいないからやっぱり」という流れを断ち切って見せたことが、この作品最大のクライマックス。誰もが絶望して下をむきかけたグラウンドで三橋が叫んだ「ワンナウト!」の一言は、ずしりと魂に来る雄叫びだった。 終わってみれば、1クールやって2勝1敗で落ち込んだ高校生を見るだけ、というすさまじいアニメである。そして、原作にストックがほとんどないので、「夏の大会編」に続くエピソードはしばらくアニメ化もされやしないだろう。そう考えると何とも宙ぶらりんな勿体ない「切り売り」ではあったのだが、そんな中でも一切手を抜くことなく、「おお振りワールド」全開で堪能させてもらったことには、ひとまずの満足感が得られた。時折見せる試合場面の臨場感のある動きなど、「使うべき部分に労力を使った」演出方針が実に好みでした。 最後に1つはやっぱりキャストのこと。代永翼と三橋のシンクロ率が半端じゃない。あり得ない無茶なキャラなのに、ありそうなキョドりっぷりがすさまじかったです。 PR 「薄桜鬼」 4→4 終了……と言ってもまだ全然終わってませんけどね。秋から2期が始まるらしいので、今のところは「小休止」といった感じ。ただ、前にどこかでも書いた気がするけど、一応1クールで放送をやめるなら、最終話はそれなりに「終わった感」を出して欲しい気はするのだが……まぁ、しかたないか。 気付けば結局最後まで視聴していた腐女子向け作品。「裏切りは僕の名前を知っている」があまりにしんどくてリタイアしたのとは対照的で、こちらは特に作中に不快な部分もなく(まぁ、男同士が筋肉を見せ合う乳首祭とかはどうかと思ったけども)、引っかかりもなくゴールにたどり着いた。要因としては、基本的に史実を元にしているので労せずに背景設定を入手しやすかったことと、それに加えて筋立てが分かりやすいのであまり頭を使わずにすんだこと。 もちろん、史実を元にしているとは言っても、やはりどこかおかしいのは間違いない。最大のポイントとなるのは当然「鬼」と呼ばれる謎のドーピング状態の存在で、この作品をものすごく恣意的に言い換えるなら、「たくさんの野郎どもが、自分の大切なものを守りたいがためにイケない薬に手を出して身を滅ぼす悲劇」である。1話の登場シーンのおかげで鬼どもというのは完全に道を外れた外道の者というイメージだったのだが、いきなり山南さんが薬物に手を出してしまった時点でまずはどっきり。その後も少しずつ犯される連中が増えていき、気付けば新撰組の中軸が全員薬漬けというのは、ちょっとまずい状態。まぁ、ビジュアル的には映えるし、それで女の子が守れるんだったら悪いとは言わないが……流石に刹那的過ぎやしませんかね。最終的には対策手段も立てられてしまっていたし、命がけで投薬したのにいいとこ無しですやん。 そして、そんな男どもの中心にいて、事態を悪い方悪い方と持っていくのが、我らがメインヒロイン、雪村千鶴嬢。個人的には彼女の声を聞いていたいがために何となく見続けていた部分もあり、次第に彼女の回りを取り巻く状況が凄惨になり、最終話では阿鼻叫喚の屍の山。もう、流石の桑島キャラ。不幸オーラが半端じゃありません。千鶴自体は特に大きな癖もなく、シンプルなキャラクターなのだが、その回りで勝手に彼女を守って死んでいく人間たちに、慟哭と戦慄が止まりません。ほんと、どうしてこうなった……もっとやれ。そういう意味では、続編希望かもしれない。 「君に届け」 5→6 関東圏から見たら1クール遅れなのでしょうか。ようやく終わりました。そして、とても満足しております。みんなみんな、幸せになればいいと思う。 この作品の胆は、非常にゆっくりとした、堅実なシナリオ運びである。2クールというそれなりに長い尺がありながら、その中で描かれたものは基本的に爽子と風早の恋愛模様のみ。途中でくるみ絡みの事件や千鶴の恋愛なんかもあったが、それだって、長い目で見れば爽子たちを近づけるための因子である。いくつかの苦労と、たくさんの幸せを抱え込んで、2人は一つのゴールにたどり着いた。ここまで執拗な恋愛モノというのは、昨今の大量消費のアニメ作品群の中にはなかなか見られない。一応尺の長さだけなら「のだめカンタービレ」などもそれなりに時間をかけて恋愛を描いていたが、あちらはキャラクターの濃さを前面に押し出して勢いに任せて進行する部分もあったのに対し、こちらは爽子も風早も奥手中の奥手。しかも実に気の利く人間なので、色々と回りや相手を気遣ってもやもやしている様は、いらだたしいほどの「青春」を感じさせてくれる。 こうした青春ドラマをささえるのは、やはりメインとなった2人のキャラクター、爽子と風早。男目線からすると風早は流石に阿漕過ぎるくらいのキャラクターなのだが、冷静に考えれば爽子も凄い。あそこまで「理想の」女性像というのも珍しいとは思うのだが、彼女が体現した「女性らしさ」というのは、ここ最近の少女漫画原作アニメのヒロインの中では特殊な気がする。 「女性向け作品」「少女漫画原作作品」などのアニメには大きく2つのタイプの主人公がいる。あまり単純に類型化するのも問題だろうが、個人的には大体そういう風に見ている。1つは、いわゆる逆ハーレムもの、今期なら「薄桜鬼」に登場する千鶴のような、「基本的に淑女であり、回りの男性が心配して声をかけてくれる」というパターン。この手の女性は基本的にキャラクターが強く表に出てこないことが多くて、トラブルに巻き込まれておろおろしていると何となく男性が助けてくれたりする。このタイプの場合、女性キャラクターそのものよりも、むしろそこに群がる男どもとの掛け合いが勝負になる。 そしてもう1つのタイプとして、「女も惚れる女傑」タイプ。最近は多い気もするのだが、例えば「会長はメイド様!」の美咲、他にも「スキップビート!」のキョーコとか「S・A」の光など、何でも出来るスーパーマンなのだが、自分を上回る才能を持った完璧な男が現れて、そいつを相手に恋愛が展開する形。こちらはキャラクターもはっきり浮き出るので物語に動きが出しやすく、女性主体になるので賑やかさが出る。 そして、ご承知の通り、この作品のヒロイン爽子は、このどちらにも属することはない。タイプとしては前者に近いわけだが、爽子はお飾りというには強烈過ぎるキャラクターを持っているし、この作品は爽子を見ている時が一番面白い。かといって、男勝りでガンガン前面に押し出してくるキャラクターでもなく、おろおろしているうちにトラブルに巻き込まれていくので、事態の中心にいるというわけでもない。それでいて、少しずつ周りの人間に好感を持たれるようになっていくというのだから、かなり特殊な立ち位置なのではなかろうか。 そんな爽子が魅力的に描かれることがこの作品の至上命題であり、これが見事に成就している。終盤に登場した、髪型をいじったまっすぐな爽子は混じりっけ無しの「ヒロイン」像にまで成長していたし、もちろん要所要所で登場するデフォルメ爽子の愛らしさは最初から一貫している。とぼけた味、天然と言われる性格も嫌みになることなく、異性には愛され、同性にも可愛がられる、見事な「愛され系」を形成していたわけだ。このキャラクター造形は見事である。 そして、そんな爽子の存在感を不動のものにしたのが、メインヒロインとしては久し振りの、魔性のボイス、能登麻美子。能登ボイスが爽子というキャラクターと出会ってしまっては、もう、誰も他の人間が彼女を演じることは出来ない。それくらい、声とキャラクターのシンクロ率が高い。度が過ぎた爽子の鈍さや天然さ、そしていわれのない不気味さと愛らしさは、能登麻美子がいなければ成立しなかった奇跡の集合体と言える。 もちろん、他のキャラクターだって負けてはいませんよ。千鶴役の三瓶由布子、矢野役のみゆきち、くるみ役の平野綾など、この学校のガールズトークは、単に「可愛い」というのではなく、奇妙な生々しさをもった「女子高生像」を構築することで、逆に現実感の乏しい爽子の存在をフォローしていたような気がする。もちろん、男性キャラクターの方もね。 6月も半ばを過ぎた暑い盛りに、初詣を舞台にして2人の物語は幕を閉じた。原作はまだ新刊が出ているみたいなのだが、この後の続きが、アニメで語られたりすることはあるのだろうか。まぁ、現時点でほとんどのキャラクターが充分幸せみたいだし、あのまま平和だっていうなら文句はないのだが……最終話で1人報われなかった矢野ちんに少しでいいから救いを与えてほしい気はします。何はともあれ、楽しい作品でした。 「聖痕のクェイサー」 4→6 「馬鹿も通せば男伊達」。この冬に放送されていた「バカとテストと召喚獣」のエンディングテーマ、「バカ・ゴー・ホーム」の一節である。この作品ほど、この言葉が似合う作品も無いのではなかろうか。史上類を見ない、「修正上等静止画大散布アニメ」は、気付けば誰もなしえぬ独自の偉業を成し遂げていた。 最初に1話を視聴した時のぽかーんぶりは、今思い出しても鮮烈である。謎の止め画と、不自然に荒くなった画像。突然途切れる音声。何が起こったのかと訝しんでいたが、すぐにそれが「修正」であることが分かり、「地上波で流すなら修正なんて余計なものが入らないレベルにすりゃいいのに。余計なフィルターがかかった出がらしなんて見たくないわ!」と腹を立てたものである。それでも何とか視聴を継続できたのは、中の人補正という言葉の偉大さもさることながら、「ほんと、修正入ってるとこは申し訳ないけど、それでも作りたいモノがあるから」というスタッフ一同の熱意を感じ取れたからかもしれない。 乳の、乳による、乳のためのアニメ。それがこの作品の骨子であり、全てである。キャラクターの設定を作るときに全ての女性キャラについて「乳のサイズ」だけでなく「乳の形」「乳首の形状」「乳首の色」などを事細かに設定し、場合によっては顔を描くよりも注意を払い、全ての労力を注ぎ込む。そして、そんな努力が地上波版では一切見られないという奇跡。日本の匠は裏地に凝るものだというが、修正で消えることが分かっているのに、乳描写に一切の手抜きをしないというのは、既に粋といってしまっていいレベルの制作理念である。 もちろん、乳が絡むのは作画面だけではなく、全てのシナリオは乳に始まり、乳に収束している。ギャグあり、恋愛あり、そしてバトルありの本作であるが、その前にまず、乳がある。最初は馬鹿馬鹿しいと思って笑い飛ばしていた乳絡みのネタも、マジだと分かれば真剣に受け止めざるをえない。最終回で、サーシャが「お前は震えたことがあるか」と見得を切ったが、確かに震えがとまらないです。だって、ここまで真剣な馬鹿を見て、笑わずにいられるものではないのだから。 そして、乳成分さえ取り除けば、この作品はふつーの作品になるわけだ。バトル要素は非常に重要なファクターであり、「各能力者が1つずつ元素を専門にして扱うことが出来る」というのはなかなか面白いアイディア。塩素使いが毒ガス殺人魔、鉛使いが銃撃大好きな殺人狂など、シンプルな使い方もいかにも少年漫画らしくて分かりやすいし、ネオジムやレントゲニウムといったマニアックな元素でも一応の役割が与えられている。そして酸素使いや炭素使いなども、使い方次第では様々なギミックが演出できただろう。まぁ、正直言うとそこまで凝った戦闘があったわけではないのでバトルものとしてはあまり評価出来るものではないと思うのだが、数話をのぞけば作画状態も良好で、最低限のインパクトは出せていたのではなかろうか。癖の強いアデプトの連中なんかも、主人公チームが変態であるというハンデを乗り越え、きちんと別方向からの変態性が演出できていたのは評価したい。 改めて書いておくと、この作品はアニメとしてのクオリティが存外高い。シリーズ構成が上江洲誠氏ということでシナリオのペース配分が見事だったのは素直に評価出来る点だし、うのまことによるキャラクターをいい塩梅でアニメ画に落とし込んでおり、メリハリの効きすぎた女性キャラのボディラインなんかも、ギャグとエロの絶妙な境目をついている。小野学や高橋丈夫、日高政光など、それだけで看板が背負えそうなクリエイター陣が各話を任されてそのスキルを画面にぶつけていたのも面白かったし、おそらく全体統括に回った金子ひらくと名和宗則という2名がうまいこと舵取りをしたのだろう。これだけの布陣で作ったものがコレっていうのが、現代アニメの奥深さを感じさせてくれますな。 各話レビューでも触れたが、個人的に無視できないのがオープニングとエンディングのデザイン。オープニングは小野学によるオーソドックスながらも期待を持たせてくれる仕上がりで、まっとうな少年漫画のオープニングとしての迫力は満点。そしてエンディングは実にフェティシズムに満ちた高橋丈夫による風呂とベッドの饗宴。どちらも作品の本質をぎゅぎゅっと絞り込んだ愉快な出来でした。 なんだか無駄に長くなったが、最後は当然キャストの話。この作品を引っ張った大きな要因として、中の人たちの半端ねぇ努力を扱わないわけにいかない。主人公カップル役、藤村歩と三瓶由布子。この2人が基本線を作ってくれたおかげで他のキャストが散々遊べたことを考えると、やはり立役者といえるだろう。三瓶は途中のサーシャ女性化のくだりあたりでがっつり存在感を見せてくれましたな。 純粋に声優としての幅を見せつけてくれたのは、燈役の豊崎愛生。最初のうちは「ホントに豊崎はこういう役しかこねぇな、そのうち行き詰まるぞ」とか思っていたのだが、愉快なおっぱい劇場で散々遊び倒した後に、黄金のクェイサーが覚醒したところで本領を発揮。普段高音域ばかりで仕事をしている役者が突然音域を下げてくると、本当にドキッとします。他にも回りを囲みながら週替わりで痴態を見せてくれた女性陣、川澄綾子、清水愛、花澤香菜、佐藤利奈、黒河奈美なども良い仕事。 悪役側もこだわりが見えるシュートなキャスティング。私がこの作品を視聴し続けるきっかけを作ってくれたマグネシウム役の高垣彩陽。多分、今作で一番格好いい悪役でした。たった1話しか登場しない双子には中原麻衣・田村ゆかり。勿体ないくらいの使い方。 男性キャラだってなかなか濃いぃ面子が集まっており、最終回も含めてばっちり決めてくれた鳳役の大川透。終始冷静で世界を観察し続けたユーリ役の千葉進歩。興津和幸、成田剣など、濃い濃い。 そしてなんと言っても、「こんなエロ役やって、事務所的に大丈夫?」という心配を一身に浴びたのが、カーチャ役の平野綾と、華役の日笠陽子。ぴかしゃは……これのおかげで誰も届かない高みに到達してしまったかもしれません。芸人としては文句のない役だったわけですからね! エロいはずなのに何故かギャグにしか聞こえない。不思議! 「B型H系」 5→5 今期まず最初にゴールテープを切ったのはこの作品。誰がなんと言おうと、純正「田村ゆかりアワー」としての存在意義が不動の中の人エンジョイアニメである。 正直、本当に「田村ゆかりは偉大である」の一言で片付いてしまう作品だ。作中ではずっと品質は安定しており、作画が怪しかったり、シナリオの訳が分からなかったりといった不備は一切無い。毎回山田がかっ飛ばしているところをのんべんだらりと観ることができたわけだし、この作品に無駄にエッジの効いた演出なんぞ全く求められていないだろうから、「素材の味を、ハイそのままで」という潔い方向性に、文句の出ようもない。これは、そういうものである。 あとはまぁ、その「1位じゃないと駄目なんですか? テキトーに熱狂的なゆかりん信者に受けるアニメでいいんじゃないですか?」という姿勢を、どの程度許容出来るかという問題である。漫画自体がそこまで大爆笑というものでもなく、毎週バイキンマンがアンパンチでぶっ飛ばされるのを知っているように、全ての視聴者はこの作品が何をやり、どこに落ち着くのかを観る前から知っている。そんなマンネリズムを、どこまで忌憚なく受け入れることが出来るか。私個人の感想は、「まぁ、1クールならいいんじゃない?」というくらい。流石にこれで2クールやられてたら途中で観なくなったような気も……いや、観てるかなぁ。山田がしゃべってるだけで面白いもんなぁ。 そう、結局、この作品を評価するには「田村ゆかりにエロいコトを好き放題言わせてそれを楽しむアニメ」という属性で語る以外にはない。1話では爆笑したこの山田のキャラ作りも、重なり続けるお約束展開に次第に慣れて、最終話はかなりきわどいところまで行ったはずなのに実に心穏やかに視聴出来る。まるで実の娘が女になるのを見守っているような心境だ。そして、返す返すも「田村ゆかりは上手いなぁ」と思わざるをえないのである。 山田のキャラクターは、原作のテイストからして充分「可愛い」キャラなのであるが、ともすると単なるビッチに成り下がる。小須田に対してやっていることはワガママの極みであるし、ツンデレと言ってもテンプレ臭が抜けきらず、下手な人間にやらせたら、下品さが際立ったり、紋切り型のキャラクターに落ち着いて面白味も無くなっていたかもしれない。しかし、御年34歳の田村ゆかり嬢にはそんな心配は無用。ハイテンションな山田のあふれ出る若さを存分に見せつけ、その上で何とも「可愛らしく」なってしまう。モノがモノだけに、細かい息芝居などの力量が如実に出る部分も多く、細かい演技プランには心底感心させられた。本意かどうかは分からないが、この山田というキャラクターも、是非田村ゆかりヒストリーには刻んでおきたい名前である。 そして他にも、とばっちりで堀江由衣、花澤香菜、能登麻美子といった面々も卑猥な言葉を言わされるはめになり、これもいいサービスになっている。小林画伯は……どこへ向かっているかよく分かりませんね。 そうそう、後は番組を良くも悪くも彩った「鬼印」のマーク。最初は「どうせこの画のエロなんて誰も期待してないんだから、邪魔な修正とか無くすか、修正無しで放送できるくらいの画にすりゃいいのに」と思っていたのだが、後半はなんだか慣れてきて味があるとすら思えるようになった。逆にDVDとかで外れてしまった方が興が冷めるかもしれない。ちょいちょい流れた「コンドーさんなら鬼印ー」のテーマも、随分耳に馴染みました。 多分半年もしたら忘れ去っているような作品になってしまうとは思うが、何はともあれ、ダラダラと楽しませてもらいました。キャストの皆さん、お疲れ様です。 「戦う司書」 4→7 まず何よりも、面白い作品でした。基本ラノベ原作の作品はわざわざ原作を当たろうという気にはならないのだが、これは原作が気になって仕方ないです。読むかもしれません。 1話での点数もやや低めだが、この作品の最大の失点は、序盤がしんどかったことだ。人間爆弾編ではいきなり本の記憶との連動が必須であるにも関わらず現実と本の区別が付きにくかったり、後々の展開を見るとヴォルケンが裏切るための非常に重要なエピソードであるのに、世界観が完成しておらず、ハミュッツという女性のキャラクターが掴めなかったために、ヴォルケンが何に反感を抱き、どんな大望をもって行動を起こしたのかが分からない。さらにミレポがアーガックスによって「ヴォルケンの記憶」のみをきれいさっぱり忘れてしまうなど、「それがいいんだったら何でもありやんけ!」という突っ込みが先んじて、「これだからラノベ設定は云々」というありがちな愚痴が先んじていた。頑張っていたであろう動画面も序盤は気になる部分が目立ち、途中で切ろうかと思ったことも何度かあったほどだ。 ただ、これが少しずつ変質し始めたのがモッカニア編あたり。「能力がご都合主義で適当」というのが、「さらに適当で大ざっぱなもの」との対戦に関わっているのだ、というのが見え始めたのがこのあたりで、神溺教団の真の意味が少しずつ明らかになっていき、更に「記憶を失うこと」とこの世界の大原則である「本の記憶が残されること」の関係性、そして、そんな無茶な世界設定を前提としたオリビア・リットレットの無茶苦茶な人生行路など、無茶がさらなる無茶で覆われていくに従い、些末なことが気にならなくなっていった。 ヴォルケンの死闘により神溺教団との闘争がクライマックスを迎えるあたりになると、もう何が起こっても平気になってくる。最終的には「最も分かりやすいキャラクター」であったはずのノロティが、実はこの世界では最も異質な存在であることが分かり、それが原因での蒼怨呪病の恐怖が炸裂する。あそこまでのスケールでの「世界の恐怖」というものをそれなりの理由付けで描けたというだけでも面白い(そして、その後にさらなる規模の世界の恐怖がまっているわけだし)。27話という長い尺の中で、「多すぎだろ」と思っていた武装司書にもしっかりと肉付けがなされており、ハミュッツやマットアラストなど、一筋縄でいかない歪みきったキャラクターも、いつしかその心情を追えるようになっていた。容赦なくメインキャラがガンガン死ぬ展開に、目がはなせなくなっていった(そしてガンガン死ぬことが最後のバトルで関係しているのも感心した)。 当然、シナリオラインの粗を探せば恐ろしい数と致命的な質であげつらうことは出来るだろう。最終話で明かされたハミュッツの真の能力なんかは「どないやねん」と突っ込みたくなるのは確かだ。しかし、ここまで大きな「世界の力」を想定した物語構成というものは、たとえ無茶苦茶でもなかなか出来るものではない。ルルタとニーニウのねじれた世界に、それに対抗するためのハミュッツ、チャコリーという無体な「人間兵器」のアイディアなど、流石に思いついたままに適当に能力を作っていったわけではないだろう。最終話でチャコリーが魔法権利をミレポに譲渡して「あの能力」に繋がるあたり、実に気の利いたアイディアであるし、「死にたがり」のハミュッツの最期はどこかもの悲しくも、彼女の引き際を飾るにふさわしい舞台であった。色々と感心した部分が多くて、途中から感想を書いてないことをちょっと後悔した作品。 とにかくどのキャラクターも魅力的だったので、なんか他の方向への展開も期待したいところです。中の人評も含めて見ていくと、やはり圧巻だったのはメインヒロインのハミュッツだろう。どこまでも外道なヒロインってのも珍しくて、流石の朴姉ぇさん。過去話でマットと出会った時の針子姿から突然アサシンになるシーンがお気に入り。マットアラストにヴォルケン、ミンスといった男性キャラも格好いい。個人的には「どう考えてもパワー系なのに、気付けば武装司書の中で一番事務方」というミンスのギャップが好き。あと無駄に格好良くて能力もチートなのがエンリケさん。モッカニアの切ないエピソードも忘れられない。 女性キャラでは、やはりミレポ、ノロティといった司書軍団だが、個人的に無視できないのはやっぱりオリビア(=レナス)だろう。白さぁや・黒さぁやの見事な演じ分けが光る珠玉の大原キャラ。作中でバントーラに反旗を翻しつつも死ななかった希有なキャラクターには、女の持つ図太い強さが伺える。そしてラスボスのニーニウ。流石の能登麻美子も、ラスボス演じたのは初めてじゃないかなぁ。他にもアーキット役のくぎゅとか、おばちゃんの若い頃のゆかりんとか、川澄とか、ゲストキャラもみっちりぎっちり詰まっていてそっち方面でもお腹いっぱい。 さて、ある程度理解出来た現在、改めて1話から見たらまた面白そうだぞ。 「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」 5→5 様々な要素がプラス要素に働いたりマイナス要素に働いたりと、ややこしい作品である。ほんと、シャフトが作るものというのはいちいち質が悪い。 まず、この作品の原作自体は、新房演出との相性が非常に良いものであったことは確かだ。ダークファンタジーといえばあの「SOUL TAKER」が思い起こされるし、吸血鬼と人間の共存、そして吸血鬼の中での派閥対立など、ドロドロしたものを描くのに新房派閥の陰影を基盤とした作画の雰囲気はマッチしている。1話で見せたバラエティ番組風のトリッキーな構成なども、「楽屋ネタ」を得意とする長所をうまく活用した例といえるだろう。止め絵を多用する傾向についても、エロティシズム溢れる場面では実に良いものを見せてくれたと思うし、ジリジリと動きの少ない画面でも、闇夜に蠢く吸血鬼の雰囲気ならば盛り上げることも出来る。そうしたかみ合わせがうまく奏功した時のこの作品は、素直に面白かったと言える。 ただ、やはりどれだけ「止め絵や陰影の美学」を謳ったところで、根源的にアニメが必要としている全ての「絵」と「画」から脱却出来るというわけではない。総集編を挟んだことからも分かる通り、この作品の製作スケジュールはお世辞にも万全とは言えず、そのしわ寄せは、あらゆる画面に現れてしまっていた。ダークファンタジーを見せる上で欠かせないクリーチャーたちの造形や、後半になるにつれて盛り上がらなければいけなかった怪物どうしのバトルシーンなど、「ここが今回の限界でした」ということが如実に分かってしまうようでは、演出でそうなったという言い訳は通じないだろう。無理矢理詰めたかのような不自然な構成などもあったし、尺の都合を考えられなかった詰めの甘さは、やはり反省点として止め置くべきところである。 功罪をはかりにかければ、大ざっぱに言ってとんとんである、というのが最終的な感想だ。今期居並ぶ「エロが売り」の作品群の中でもトップレベルの「良いエロ」を描いていた部分は評価したいのだが、その分暁をはじめとする男性キャラのみっともなさが際立ってしまってもいるので、そこもとんとん。あとは千和&あおちゃんというメイン2人、それに画伯と御前のエロツートップを評価すれば結果オーライくらいじゃなかろうか。そうそう、ヒステリカにくぎゅをセッティングするという冒険心はアリだったと思います。シャフトは、とにかく「化物語」を完結させてから次の作業にうつってくれ。 「バカとテストと召喚獣」 5→6 予想していた方向とは多少ずれてしまったが、ジワジワ面白くなっていった作品。大沼心とSILVER LINKという組み合わせが、今後もこのレベルのクオリティを発揮してくれるならば、シャフトにこだわらずともいい物が見られるようになるのかもしれない。 1話を見た時点での最大の不満は、「世界設定の意味がねぇよ」という部分だった。文月学園独特の「試験召喚戦争」のシステムが理解出来ず、「それって結局テストの点数で争ってるだけじゃね?」とか、「お前等は何がやりたくてこの学校に入ってきたんだよ」とか、「魔法みたいなシステムが現実になってるファンタジー世界なのに、それ以外のシーンでは一切触れないのかよ」とか。ファンタジー設定のおかしさ、適当さなんてものは「禁書目録」シリーズみたいなラノベにはありがちなウィークポイントで、気にしないようにすれば無視しても構わない部分なのだが、流石に最も大切な部分であろう「試召戦争」の存在意義が分からず、1話の時点ではあまり画面にも求心力が無かったことは納得出来なかった。 結局、この「試召戦争の存在意義」という面については、最後まで分からずじまいであった。最後のAクラスとの大戦争も、なんか雄二がうまいことやって接戦に持ち込んだような雰囲気になっているものの、召喚獣を扱うスキルっていうのがどの程度の因子になっているのかも全然分からないし、追試や補充試験といったシステムがどういう働きをするのかも分からない。そして雄二が油断して負けたあのシーンも、結局「油断する」ってなんやねん、というレベルで分からない(単に殴り合ったら点数が高い方が勝つシステムではないのか?)。どうひいき目に見ても試召戦争によるバトル描写やドタバタがメインの作品なのは間違いないのだから、その根本的な意味が分からなければ没入することなど出来ないだろう。と。 ただ、結果だけを見ると、案外そうでもなかった。戦争シーンがメインになるとところどころ引っかかる部分があるのは事実なのだが、F組の人間が何となくうまいこと役割分担しながら「作戦を練っている」雰囲気は伝わってくるし、そうした「雰囲気だけ凄く策士っぽいことをしてます」というのもギャグの一環として受け入れてしまえば、なんとも緩いFクラスの空気に馴染んでいるともいえる。また、気付けばあまりに阿漕な作りのキャラクターも、バカを全面に押し出した数々のエピソードの中できちんと確立している。当初はなんでそこまで持ち上げられているのか全然分からなかった秀吉も、しつこく「秀吉可愛い」「秀吉最高!」と言われ続けると、明久たちのノリに巻き込まれる形で「理屈は分からないけどOK!」ってな感じになる。瑞希と美波というダブルヒロインはバカでありつつもどんどん愛着が湧くし、ムッツリーニ、翔子たちも、ひたすらたった1つの属性だけを押し出し続けていたおかげで、気付けばその勢いにはめられてしまっていた。本当に力業だとは思うのだが、こうした「細かいことを犠牲にしてでも曲げないキャラ描写」というのは、やっぱり強い。 シナリオラインについても、12話が終わった時点では「それなりにきれいにまとまったんだからここで終わらせておけばいいのに……」と思ったのだが、13話は事前に準備しておいた翔子と雄二の伏線がきれいに決まっており、これはこれでかけがえのないエンディングになっている。「バカ」という言葉は本来悪口であり、あまりメインテーマとして扱うのにふさわしいタームではないのだが、この作品は憚ることなく「バカ」「バカ」と連発して他のギャグと同一のレベルにまで持っていくことで後ろ暗い部分を消していて(また、明久が本当にバカなので言われることも気にならないので)、エンディングの全員集合シーン(オープニングカットを使った疑似バンクが格好いい)で奇妙な暖かみをもったシンボルとしての意味合いを確立させている。実に如才ない。原作がどういう構成になっているかは知らないが、多分原作者の構成力はなかなかのものなのではなかろうか。 もちろん、そうした「うまい」作りを1作品として成立させたのは、画の品質を下げることなく、コミカルな画面構成とテンポの良い演出を実現させたスタッフの力。試召戦争で召喚獣が絡む画面でのデフォルメキャラとの並行描写は「ぱにぽにだっしゅ」以来のシャフトスタイルの亜流がきっちりはまっている。作画面についても崩れることがほとんどなく、本当に安心して毎話見ることが出来ました。そして、当然中の人。ダチャーンとミズハスのコンビはほんとに最高です。鈴木達央、加藤英美里、宮田幸季、磯村和美などの回りを固める面子も良い味を出してます。個人的に一番好きなのは、ぼそぼそと回りから取り囲むような津田健さんのナレーションなんですけどね。そして、この作品には個人的にもう1つサブタイトルを付けたあげたい。「下野紘の正しい使い方」と。 「ひだまりスケッチ×☆☆☆」 5→5 過ぎ去りし思い出の日々。そんな、心にぽっかり大きな穴を空けて去ってしまったひだまり。次にゆの達の顔が見られるのはいつになるやらなぁ…… 正直、この3期は「予想外」の仕上がりであった。おかげで序盤は完全に肩すかしの形になってしまい、不満もぽろぽろとこぼれることになった。何が変わったかって、やはり大沼心、尾石達也という2人のメインクリエーターが抜けたこと。これにより、いわゆる「シャフト臭」が全く毒気のないものに変わってしまい、画面に流れるのは本当に何の裏表もない、「ゆの達の日常風景」になってしまった。あのゴリゴリの尾石節を期待していた身としては、この変化は正直ショックで、作品自体のクオリティも下がってしまったと感じずにはいられなかった。 しかしまぁ、見続けているうちに、「あぁ、これがあるべきひだまりの姿だったのかもしれない」と考えを改めるようにもなった。ストーリーは地味だし、アニメーションとしても動きが素晴らしいとか、構図が見事だとか、そういう話には一切ならず、わき上がる感情といえば敢えていうなら「平和だなぁ」というくらいのもの。しかし、それも当然ではあるのだ。だって、ひだまり荘は平和なんだから。 そう思えば、この「☆☆☆」も、確実に「描くべきものを描いたアニメーション」としての仕事は全うしている。新入り2人を加えてプロット自体はややこしいものになったが、それを限られた画面カットで何とか表現していたし、これまで培ってきた2期分の「ひだまり」を壊すことなく、無事にゴールインさせることも出来た。やんちゃだった子供が立派な大人になったような、そんな奇妙な達成感すら感じられるかもしれない。蒼樹うめという人が描きたかった「ひだまりスケッチ」は、本来こうあるべきだったのかもしれない。 個人的な好みでいえば、やはり2期までの悪ふざけが過ぎる構成の方が好きだ。しかし、そればかりが正義というわけでないのも当然の事実として認めるべき。史上屈指の「ほのぼの空気系アニメ」として、ひだまりはゴールにたどり着いたのかもしれない。とりあえず、スタッフの皆さんはお疲れ様でした。アスミスは、これからもよろしく。 |
ブログ内検索
リンク
最新記事
(04/26)
(04/26)
(04/24)
(04/24)
(04/23)
(04/23)
(04/22)
(04/21)
(04/20)
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
最新CM
アーカイブ
|