最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「柚木さんちの四兄弟。」 5→6 今期後悔していることの1つに、今作の感想を毎週残すことができなかったことがある。今期は視聴本数も多かったので切り捨てる要素が増えてしまい、例えば「フリーレン」はまぁ、俺なんかが何も書かずとも世間が勝手に盛り上がってたので構わなかったのだが、今作については、途中からきちんと向き合っておけばよかったと残念に思っている。 それくらいに評価が尻上がりになっていった作品。正確には3〜4話あたりですでにだいぶハマっていた気がしてて、1話目の視聴時に要らん警戒心から不当に評価を下げてしまっていた可能性がある。まずもって映像クオリティは非常にソリッドで、そりゃまぁ飛び抜けて目を引くようなハイパー動画が求められるような作品でもないので動画だけで評価が爆上げするなんてことはないが、最終話まで1ミリもブレない安定のキャラ作画は昨今では貴重な仕上がり。地味な作品にはリソースを注がれない印象があっただけに、これだけの地力があったのは想定外でもあった。 そして……どうやら私は本郷みつるテイストが好きなようである。たいそうなベテラン選手だというのにこれまであまり注目していなかったのだが、彼の名前が気になりだしたのは「本好きの下剋上」から。そして直近では「ぐんまちゃん」の電波采配に魅了され、今作では流石にあんな飛び道具は出てこないだろうと思われていたところに、手堅い演出に混ざった時折の爆弾でいい刺激を提供してくれた。こういう「ちゃんとアニメしてんなぁ」ということが分かる自由な演出はとても好みだ。 内容に関しても、1話目時点では「男だらけの四兄弟」というだけで「どうせほにゃらら向けだろ」と勝手な色眼鏡で見てしまった部分があり、すぐに「地に足つけたホームドラマだった……」と気付かされて反省することになった。そりゃまぁ、兄弟各々の極度のブラコンっぷりなんてのはあまりに漫画的ではあるのだが、それが単なる消費型の萌え要素として置かれたわけではなく、物語を見守っていれば「まぁ、この兄弟ならそれぞれに愛情が過多になってもしょうがないよなぁ」という納得感があるし、何よりもまず、視聴者目線でも4人のことがどんどん好きになっていく。ハヤトは溢れるオカン風味の裏にある苦闘の人生へのシンパシー、ミコトはクールな表情の奥にある少しの狂気ととぼけた味わいへの興味、ミナトは最初に単なる悪ガキだと思っていたところが反転して愛嬌になるまっすぐな性根と、何よりもウタとの関係性へのニヤニヤ、そしてガクはその健気さ、聡明さへのエール。四者四様の魅力を持ちながら、それでいて根底ではどこか似ているような不思議な兄弟の感覚。結局、私はどんな形だろうと「家族の物語」が伝わってきたらそれでおしまいなのである。 あと、やっぱり霧島家との関係性がほんと好きでねぇ。ウタちゃん可愛いわねぇ……。ウタ・ミナト関係の恋心とも言えないような絶妙な関係性、ず〜〜〜っとニヤニヤしながら見守っちゃうし、その後により強固になった悪ガキコンビの活躍から目が離せなくなる。ガクと爺さんの関係性も涙なしには見られないくらいに優しさに満ち溢れており、家族関係だけでなくご近所付き合いにも色々とおかしなことになってしまったこの世間で、ジワリと染みる憧憬が温かい。 ある意味で今期最大のダークホースとも言える作品。興味がなかった人も、心に余裕がある時にのんびりと見守ってほしい。
PR 「冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになっていた」 5→5 無事にゴールまで辿り着けたなろう作品の1つ。まぁ、あんま真面目には観てなかったけども。実にフラットに好感も嫌悪感も持たず、「まぁ、これくらいなら」という感情のみで視聴を続けていた感があるが、多分最大のモチベはるみるみ成分の補充だった希ガス。 「嫌悪感を抱かなかった」理由としては、クソみたいななろうタイトルに出てきている「娘」要素が、いうほど鼻につくチート要素になっていなかったこと。ふつーに娘さんは「才能もあるだろうけど、頑張って訓練して、強くなった」というお利口さんなだけ。そんな娘について、主人公(?)のおっさんは「自分には勿体無いくらいの娘になっちゃったなぁ」とは思いつつ、常に家族愛を持って娘が幸せになれることを考えており、優秀な娘をチートツールのように鼻にかけるでなく、保護者として節度ある距離感で見守っている。問題があるとすればどちらかというと娘の方で、ファザコンが強すぎていわゆるなろうにおける「主人公格好いいbot」に成り下がることもあったが、まーこれも「過度な家族愛」の範疇ではあるし、生い立ちをつぶさに見ていけば娘目線で父親に憧れる理由も分からないわけではない。普通のホームドラマのレベルでの関係性は最低限成立はしているので、テンプレにおんぶにだっこの産廃作品とは一線を画す「物語」にはなっている。 「好感を抱かなかった」理由としては、「文句をいうとちょっと可哀想だけどやっぱり誰が見てもヘタってしまった作画」が最大の要因。「魔剣使い」同様、このクオリティに文句を言い始めると贅沢病かも、というギリギリのラインだが……いや、でもバトル描写のショボさは割と深刻だった気もするな。一応「そこまでバトル要素を中心に据えていなかったから容赦しよう」くらいの評価点でいいか。もうちょい頑張れば、それこそ娘がいるくらいのおっさん世代(でも娘はいない)に刺さった可能性もあるだけに惜しいところだ。 今作を見て「妹萌えの時代が終わり娘萌えの時代がきたとしたら、純粋にアニメユーザーの高齢化が深刻なのではないか」みたいな言説が出てきそうな気配がどっかに感じられた気がするんだが、「うさぎドロップ」が10年以上前の作品ですので、これは人類の普遍の性質の1つです。うちの娘のためならば(略)。
「Dr. STONE NEW WORLD(第2クール)」 ―→6 引き続き、続編があるのでその間で採点する意味もないんですが、相変わらず、丁寧にちゃんとやってくれてます。 正直いうと、これまでのシリーズの中ではかなり楽しめるシーズンだった。「宝島」編、割と好きでしたね。ただ、これは筋立ての面白さだったのか、単にこの辺りから俺が原作を読んでなくて「先の展開を知らずに見られたから」なのかはちょっと分かんない。もし後者が理由だとしたら、ここから先の展開は何一つ知らないのでずっと楽しめる可能性があるのは嬉しいよね。 今作の一長一短要素として「急速に発展しすぎる科学技術」ってのがある。「科学」をテーマにしながらも狂おしいまでに「ジャンプ漫画」であるため、いわゆる戦闘力のインフレ要素がそのまま「科学力のインフレ」という形で現れる。以前までのシーズンでは「いくらなんでも千空1人で何もかもやりすぎだし、雑に発展しすぎだろ」というのが気になってもいたのだが、裏を返せばそうしてダイナミックな拡大再生産を繰り返すことで世界が広がっていくわけで、どんどん要素が増えていく楽しみもそこから創出されている。そして今回のお話は、「再生産により積み上げてきた要素」をフル回転させて巨悪と戦うという、「発展は少ないけど活用が多い」というパートだったおかげで、より面白さが見やすい状態になっていたんじゃないかしら。 もしかしたらダイナミックすぎる贔屓かもしれないが、こうしたダイナミックジャンプバトルを盛り上げた立役者は、イバラ役の青山穣だったんじゃないかと思っている。千空陣営とぶつかるはっきりした「ボスキャラ」って司以外だと今んところこのイバラだけだと思うんだけど、「いざとなったらフィジカルでねじ伏せる」司と違い、互いに策謀のみでぶつかったイバラは今までになかった敵のスタイル(まぁ、最終的にフィジカルも強かったわけだが)。そして、千空と舌戦も交えた戦術バトルをするにあたり、千空の持ち味にして最大のイライラポイントでもある「やりすぎヘンテコ口調」と真っ向から対立するには、敵側も「すげぇ変な喋り方」で今作の空気に合わせていくしかない。おかげでどうしたって不自然で鼻につく台詞回しになるはずの無茶苦茶なキャラ造形が、青山穣ボイスで恐ろしい程に馴染んじゃったのよ。イバラの口から出てくるねちっこすぎる「おじちゃん」、最高にキモくて気持ちよかった。中ボスとして使い果たすのが勿体無いくらいにインパクトのでかい敵キャラだったなぁ。 改めて、こっから先がどういう展開になるかはさっぱり知らんので、いつくるか分かんない(けど確実に作ってもらえる)続編を楽しみに待ちたいと思います。月……月ねぇ……。 「でこぼこ魔女の親子事情」 6→6 好きです(外角高め)。「魔法に溢れる世界のほのぼの作品」「エルフが活躍する」「ヒロインがほっぺプクーってするのが可愛い」「(主に情操教育に)悪い諏訪部キャラと敵対する」。これもう、事実上のフリーレンと言っても過言。 というわけで、最近はすっかり定番になりつつある「なんか分からんけどユルいくせにやたら刺さっちゃう」枠。こういう現象を意識し始めたのが「このヒーラー、めんどくさい」からなので、私の中では「ヒーラー現象」とか「カーラ作品」と呼びならわしていきたい。その例でいえばこちらは「フェニックス作品」なのだけども。例によってゆる〜いギャグなので刺さらん人には全く刺さらないし、アニメとしてのクオリティは「話が分かりゃそれでいい」くらいなので決して人に勧めようとは思わないのだが、疲れた脳に染みるアニメってこれくらいでちょうどいい気がするんだよな。なーんも気を使わず、しかもショートネタのたたみかけなのでぽんぽん笑って次に行ける。キャラにハマってくるとどのシーンを見ていても楽しくなっちゃうので、「終始ニヤニヤ、ところによりゲラゲラ」くらいのテンションで見られるんですよ。私の場合はフェニックスが出てるシーンはほとんどゲラゲラだったんですけどね。笑いの沸点って歳とともに下がってくるものなのかしら。ぜんぶ土師さんのおかげ。 画についても「大したことない」と悪し様に言ってはいるものの、今作のユルさを考えりゃこれくらいで適材適所だし、へちょ絵のタイミングとか転がし方も良いあんばいなので決して「無駄なアニメ化」とは思わない。キャストがやたらとゴツいので声の力も大きかったとは思うが、そんだけのキャストパワーに臆面もなくこの絵を当てて、むしろ相乗効果で笑いにつながっていたのだから作品作りの方向性は正しかったということである。人材不足を嘆く声ばかりが聞こえてくるアニメ業界、こういうデザインのアニメでもちゃんと傷跡が残せることが証明できれば、もうちょっと環境も変えられるのかもしれません。まぁ、そんなご大層な志を持った作品じゃなかろうが。 もっと続きは見てみたいんだけど、今確認したら原作コミックは6巻しか出てないのか……だと流石に2期はないかなぁ(心残りがありそうなエンディングじゃなかったしなぁ)。とりあえず、この量だったらコミック買うわ。
「陰の実力者になりたくて! 2nd Season」 ―→6 正直に告白するとあんまり真面目に観てた作品ではなくて、1期の時点で(特に七陰に)キャラが山ほど出てきちゃったせいで全然名前も覚えられてない状態での2期目だったんだけど、「とりあえずCVだけでだいたいどの辺にいたキャラかを認識する」という強引かつキモい認識手段で強引に大枠だけを楽しむスタイルでの視聴。その結果、あんまり小難しいことに悩まずに見られたもんでかえって受け入れやすい部分が多くなった。 1期時点で作品の空気感がしっかり把握できたおかげで2期は何も悩まずにこの独特なノリを楽しめるようになったというのも大きな要因かもしれない。「なろうチートイキり厨二病ギャグ」という新しいんだか古いんだかよく分からないネタ回しはそれなりに数がある「ギャグテイストなろう」の中でも異彩を放つ存在で、今作はその「チートイキり厨二病ギャグ」に一点特化した芸風がきちんとオリジナルの持ち味として確立していた。全くジャンルは異なるが、基盤の確かさでは「このすば」に比肩するかもしれない。あとはまぁ、このサムさと紙一重のネタ回しを楽しむだけの心の余裕(と素直なオツム)があるかどうかですね。私は正直あんまり好きなタイプじゃないと思ってたんですが、なんかね、2期目は全然イライラせずに見られたのよね。1期ほど間延びせずにスパッと事件を描いてくれたおかげでドラマ展開にもちゃんとみるべき点はあったし、作中でもギャグの味わいの使い方を心得たおかげでテンポアップできたという理由もあるのかもしれない。 アニメとしてのクオリティもそれなりに安定しており、女の子がエロかったり可愛かったりは必要条件、その上で「全部ギャグなんですわ」という前提を持った異能バトルの見せ方は既存のラノベ的バトルにもきちんと別テイストを混ぜ込ませることで退屈しないようにもなっている。ネタ扱いされてるはずだけど、別にバトルにしろ恋愛にしろ政治的策謀にしろ、中核にあるドラマの世界設定は最低限作り込まれてはいるんだよね。そりゃまぁ、通貨価値を巡っての経済学的アレコレとか「どないやねん」と思う要素はそこらじゅうにあるんだけど、「でも、全部シャドウ様が考えた壮大なフリオチギャグだから」と言われたら「じゃぁしょうがねぇな」と納得するしかない。元々理不尽さを売りにした芸風なので、正直言えばどこまでが作者の想定した理不尽で、どこからが単なる破綻なのかが分かんなくなっちゃったのよね。もう、これはこれでいいんじゃねぇかな。どんだけまともなフリしてたとしても、真顔で「ドエム・ケツハット」って連呼されてたらそりゃ諦めるしかねぇよ。 あとどうでもいいことなんですが、オーイシファンなので最終回のタイトルが「HIGHEST」なのがなんか嬉しかったです。最後に1期オープニングに戻ってきて、作品としても「元に戻る」エンディング、想定してた以上に綺麗に終わった風に見えてズルいよ。
「SHY」 7→7 好きです(直球)。毎週楽しんで感想を書いていたことからも分かる通り、今期楽しみだったベスト3に入る作品。早く2期が観たいけど、放送時期とかのアナウンスはないのよねぇ。原作読んじゃいたい欲求が抑えきれない気がするが、もう読んじゃってもいいかもしれないなぁ。 ディティールについては毎週なんか書いてたので特にまとめることもない。「現代のヒーロー譚」として端正なデザインだし、王道展開にピリッとスパイスを混ぜ込んだストーリー展開は安心してみていられるけど油断もできないという適度なバランス。「戦う女の子ヒーロー」の物語なので、なんかプリキュアシリーズの亜種みたいに見えないこともないけど、やっぱ「可愛くなったヒロアカ」の方がしっくりくるな。ヒロアカのアツさを借りながら、そこに女の子どうしの過度な友情もミックス。もう、いいとこ取りじゃないですか。エイトビットの手による映像も一部の隙もなく1クールを走り切ってくれたし、キャストもご褒美成分多め。こういう作品が週に2〜3本あればだいぶ人生も生きやすくなりますね。 以上で書くことが終わっちゃったので、この機会を借りて今作の監督である安藤正臣氏の作風について、ちょっと考えたことがあるのでここに書いておきたい。あんまり細かい演出論とかは分からんけど、素人目でも明らかな氏の作劇の特徴といえばなんと言っても「コマ割り演出」。本作でもさまざまなところで効果を発揮していたが、よくよく考えてみるとこのコマ割り演出って、ちょっと変な技法なんだよね。私が安藤さんのことを意識し始めたのは「クズの本懐」からなんだけど、そこからの担当作品は「ハクメイとミコチ」「彼方のアストラ」「地縛少年花子くん」、そして今作と、漫画原作付きの作品がほとんど。そして漫画が原作ってことは当然「元の作品にコマがある」わけだ。 通常、漫画原作アニメ製作の行程って、「コマの間を埋める」作業になると思うんですよ。漫画ってのは媒体の制約上、動きのどこかを切り取って表示するものであって、そのコマとコマにある時間を動的に見せられるのがアニメの強み。むしろそこを見せなきゃいけないのがアニメの責務みたいに考えられている。まぁ、当たり前の話だ。そこの埋め方がうまければ「良いアニメ化」と言われることが多いし、埋めずに「アニメ化しました」とは普通言わない。 翻って「コマ割り演出」はどういう技法かというと、一度動きを作り、「アニメ的な表現」に着地するはずのところを、再びわざわざコマの中に入れる。まるで求められるところに逆行しているような仕事ぶりなのだ。それなのに、何故かコマ割り演出でアニメのさらなる動きが生まれたり、時間的な長さを意識させる4次元的な演出に広がったりする。これが面白い。 もちろん、安藤作品を見た人なら分かるだろうが、氏の演出は単に「イラストをコマに押し込める」のではなく、「アニメをコマごとに作ってそれを同時多発的に展開する」というもの。コマの中でキャラは動くし、なんならコマ自体も動く。そこにきちんとアニメ独自の楽しさを生み出しつつ、コマを使用することで漫画に近いような視線誘導を行ったり、漫画の持っていた旨みをそのままアニメに転用できたりする。「静止画から動画へ」という動きだけで見れば3歩進んだ後に1歩下がっているような手法なのに、何故かそこに半歩先の景色も見えるような気がする。しれっと手癖でやっているように見えて、この演出で「サボってる感」を出さずに味わいとして昇華させているのは、やはり経験値の成せる技なのだろう。まぁ、もしかしたらほんとに作画リソースを減らして省エネする目的もあるのかもしれないけど。 というわけで、安藤演出の妙味を味わいたい人は今作を見ましょう。より効率重視の「コマ割りによる時系列同時展開の技」を見たいなら「彼方のアストラ」を、コマの動きと心の動きを連動させるエグいくらいの心情描写を見たいなら「クズの本懐」にいくのがおすすめだぞ。 最後になりますが、本編中で1回も触れてなかったで「主演の下地紫野もいい仕事してたのでなんだかんだでMVPは彼女だぞ」ということに言及しておきます。下地は某声優バラエティ番組のナレーションですっかりお馴染みになってしまっていたのだが、よく考えりゃガッツリ1つの役をここまで聞かせてもらえたの初めてかもしれない。いい仕事する子なんですよ。 「聖剣学院の魔剣使い」 5→4 立て続けになろう、と見せかけてこちらはなろうじゃない。いつものパターン。 ある意味でノスタルジーを誘われるような、「前時代のラノベってこんなんだったよなー」というざっくりしたラノベ観を踏襲した作品。そしてこの「前時代のラノベっぽさ」は私は特に好きではないものだったのであんまり評価が上がりようがない。1話目時点ではパリッとしたキャラ作画なんかを頑張っている感があったので一応期待はしてみたが、途中で作画部分もそこまで魅力はなくなり、最終的には「まぁ、女の子はエロいから……」というくらいの評価ポイントに落ち着いた。最後まで観ていた理由が自分でもいまいち分かってないのだが、①主人公の設定がちゃんと面白い方のアニメである「デッドマウント・デスプレイ」に似てるからなんかごっちゃになってどっちも観ていた。 ②CV井上麻里奈のショタが懐かしかった。 ③影のヒロインの名前が「ロゼリア」だったのでなんとなく温情を与えた のどれかかもしれません(多分全部違うわ)。 いや、でも途中でヘタった部分はあったけど映像としては割と頑張ってた作品なのは事実だったと思うよ。これくらいで不平を言ってたら流石にアニメ業界に申し訳ないか。画面に魅力があると感じるかどうかは、もしかしたらベタベタな作品の設定自体に責任がある部分かもしれんし。あー、でも最近すっかりセオリーになった感がある「敵クリーチャーはCGで描いて画面からゴリゴリに浮いててもそれは味わい」みたいな免罪符はやっぱり気に食わん。そここそがバトルアニメが一番頑張るところちゃうんかい。 「私の推しは悪役令嬢。」 4→4 今期は総本数の兼ね合いでバッサバッサとN話切りした作品があったが、当然そこには何本ものなろうも含まれていた。こちらはそんな過当競争を生き残ってめでたく最終話までクリア出来た貴重ななろうの1本目だが、何故最後まで視聴したかといえば、某奴から「他のなろうとは違う部分があるので出来れば少しちゃんと観てほしい」と言われたため。その言葉がなかったら、今作もN話切りの憂き目を見た可能性もあったのである。 で、そうして他者からの意見もあったためにちょろちょろと観ていた今作。一応、「他のなろうとは違うことは違う」というのはなんとなく理解は出来た。理解は出来たのだが、その上でやっぱり評価は上がらなかったので素直にそれは報告しておこう。別に面白くはなかったです。まぁ、その理由の筆頭に「そもそもアニメがショボい」というのがきてしまうので、原作ファンにはむしろ同情する部分はあるが……。中の下程度の品質で低空飛行する作品を最後まで追うのは、どうしても流れ作業になってしまうな。 そうして残念だった作劇になすりつけてしまってもいいが、内容部分についても結局評価は上がっていない。常日頃私が頭を悩ませている「破滅フラグのパラドクス」について、今作は特に解決を提示してくれなかった。いや、割と序盤から「ゲームの世界だけど想定から外れた事態も起こりうる」という描写にはなっているので、ゲームとはかけ離れた「元はゲームだったけどそこから派生したファンタジー世界」と取れなくもないのだが、だとしたら主人公のモチベの最大要因に破滅フラグがあるのはやはり無理筋。あれだけ「異世界チート」で振り回して世界を塗り替えておきながら、終盤も引き続き「ゲームであった展開だ!」に引き戻すし、主人公の「既知の知識」と「不測の事態」が視聴者目線で区別しようがないので、結局「ゲームの世界」というのがアドホックな設定を正当化するための道具にしかなっていない。どのレベルを「現実ライン」と定めてみたらいいのか、そこが分からないままに話が進んでいくので、作品設定そのものが相互理解を阻害するのである。 今作の主題は間違いなく「百合」であり、主人公が目指すゴールは無償の愛によって支えられた「純愛」だということは頭では理解できるし、ある程度ラブロマンスとして責任を持って描こうという姿勢も窺える。そこは加点要素だと思うのだが、「それなら、なんでこんなノイズの多いはめふら設定でスタートしたの?」というのがほんとに疑問。乙女ゲー世界でこのお話をやる意味がなくて、「推しがいる」という一方的な感情は「ゲームのプレイヤーとそのゲームのキャラ」という異なるレイヤーにいる人物たちに不可避な断絶を与え、主人公目線でキャラたちを「下に」見る要素を作ってしまっているし、ラストで出た「ゲームで得た知識は恋愛には使わないと誓った」という言説も、1話から最終話まで見て誰が信じられるというのか。使わないも何も、この設定で主人公を特異な地位に置いた時点で、「フェアな恋愛関係」は破綻しているのである。それをさも誠実であるかのように振る舞っているのは主人公の自己満足でしかなく、歪ななろうチートの変形としか捉えられない。「チート能力を後ろ盾としたドタバタ百合コメディ」は面白い設定なのかもしれないが、そこに「乙女ゲー」要素を入れてしまったことは、まじで縛りプレイか何かかと思ってしまうくらいに相性が悪く見えてしまった。絶対にもっと真っ直ぐに見せられる道具立てはあったと思うんだけど。 まぁ、もしかしたら「なろうの課題曲部門」とかだったのかもしれない。「この設定は必ず使ってください」っていう課題の上でやってると考えれば、このチグハグさも分からんではない(どういう概念だ)。 「オーバーテイク!」 5→5 自動車レースのアニメかと思ったらそこそこの比率で写真撮影のアニメだった。……多分、間違ってないと思う。 TROYCAらしい、非常に清新なアニメ。映像クオリティは終始安定していたし、見せたいシーンも分かりやすい、平均的な満足度が高かったのは間違いない作品だっただろう。同じクールの「MFゴースト」をリタイアしてしまった身としては供養がわりにこちらだけでも高評価してもいいかな、とは思ったが、中盤でちょこちょこ心が離れてしまったタイミングがあり、1クールみっちり注目できたというほどではなかったので一応加点は見送った。「期待は裏切らず、されど予想も上回らず」といった感じか。 想定通りだった点として、やはり「F4」という特殊なテーマ設定はそこまでのめり込む要素にはならなかった。まぁ、これはその他のレースアニメでも似たような話だったが、純粋でストイックなレース競技って、試合のシーンで分かりやすい見せ場を作るのが難しいのよね。そこを乗り越えられた作品というと「風が強く吹いている」とか、あとは2期目までの「ウマ娘」とかが思い浮かぶが、今作はどうしたって専門知識が必要になる部分でハードルが高く、さらにマシンレースは外から見てもドライバーの顔が分からず、マシンの機微も映像として伝えられる部分が少ないというのは不利な点。「レースの迫力」という観点から言えばCGワークのレベルが上がった現代アニメらしいかっちりしたマシンの動きを見せられていたとは思うのだが、そこにアニメとしてのプラスアルファはあまり見出せなかった。 ただ、そうして「レースアニメって面白くするの難しいよな」という懸念については、きちんと自覚的に解決策を設けている作品でもあったと思う。これまた予想通りというか、セオリー通りの解決策ではあるのだが、「レースそのもの」ではなくそこに関わる人々のバックグラウンドのドラマを可能な限り膨らませることで1クールの時間を確保している。まぁ、どんなスポーツの作品だってそういう性質はあると思うが、今作で面白かったのはそれこそ冒頭で触れた箇所で、「自動車レースアニメ」の案内役を務める視点が「写真と向き合う」という全然関係ないジャンルのドラマを持つ人間であり、単に「俺も頑張ってるからレースも頑張れよ!」みたいな重ね合わせがやりにくい配置。しかし、きちんと筋立てを紡いでいけば「人の写真を撮る目的」と、「サーキットを走り続けること」がどこかで交わる時が来る。その辺りの筋運びに不自然な点はなく、過度な説教くささもない自然なお話になっていたと思う。レースは添え物というほどでもなく、かと言ってレースに固執しすぎて退屈にもならず。大崩れしないこの采配は簡単そうで意外に難しかったんじゃなかろうか。 まー、今作が終わった後に「よし、サーキットにいってちょっとF4のレースでも見てみるか」とまでは思わないですけどね。もちろん、CV上田麗奈のレースクイーンがいるなら話は別ですけど(またこのオチ)。 |
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HN:
Thraxi
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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