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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「文豪ストレイドッグス(第5シーズン)」 ―→7

 なんかもう、この点数でいいや。1回も個別記事で触れたことがない作品だが、「5期目ともなるとちょっと触るのも難しいんだけど、トータルで見たらすげぇことやってるよ」っていう稀有な枠なのでせめてもの発信ということでこの記録を残しておく。

 今期の評価を端的に表すなら、「マジで毎週全部クライマックス」。原作は全く読んでないので今回の天人五衰事件ってのが作品全体でどの程度の立ち位置になるのかは分からないが、少なくともここまでアニメ化された範囲内では間違いなく一番とんでもない事件。前クール時点での「こんなもん、解決できるわけないやろ」っていう絶望感も半端じゃないし、解決に至るまでに絡み合った人間模様の規模も当然最大。あらゆるキャラがあらゆるシーンで「これがラストバトルだぁ!」みたいなことをやり続けているのだから、そりゃ盛り上がらない方が嘘である。普通、こんだけ大量のキャラが溢れてしまった長期シリーズは多かれ少なかれ散漫な印象を伴ってしまうものだが、今作は元から割と振り切れた設定にしていたおかげだろうか。どこで何が起こっていても「そこが焦点ッ!」みたいな密度が維持されており、本当に毎週お腹いっぱいだった。途中まで単なる狂言回しでしかなかった幸田文の立ち回りが最後の最後でまごうことなき英雄譚に成り上がるところとか、ほんとに捨てキャラがいないのがお見事。いや、今回はほぼリタイアしてるような奴らもいっぱいいたけどね。個人的には一番かわいそかわいそなポジションである国木田がほぼ退場してたのは残念ではあるが……それでも背景としての存在感はちゃんとあったしなぁ。

 ラスボスポジションの福地、そしてそこにぶつかる社長という2巨頭による世界の二分。さらにその上で神の如きぶつかり合いを見せた太宰&フョードルの真の頂上決戦。少年漫画の矜持を守り続ける中島&芥川のいちゃいちゃバトルなど、今作がこれまで培ってきたものが全て盤面上に出し切られ、全ての燃料を使い切っての大団円。そして、そんな大きすぎる大大大舞台を彩る五十嵐拓哉&ボンズの必殺の座組。歴史はまだまだ積み重ねられていく……。

 蛇足とは知りつつも、こうしたダイナミック人間模様をこれ以上ないくらいに飾り立てる「現代声優業界の全て」みたいなキャストラインナップに触れたくなる。我々は宮野真守と石田彰が戦い続ける銀河で美少年な世界を愛している。それを子安が見守っている様子も救いがなくて良い。女の子の数は少ないが、久しぶりに美奈子が純然たる関西弁で魅せてくれたし、小市眞琴が着実に業界での基盤を固めつつあるのも気になるところ。

 これ、6期はあるんでしょうかね。もう、いくらなんでもこれ以上の盛り上がりを求めるのは不可能だと思ってるんですが……「未了」ですからね……。原作が続いているなら、期待はしちゃうよなぁ。

 

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「自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う」 5→6

 まぁ、楽しんだことを恥じることもないのだし、素直に好きだったと言ってあげていいんじゃないかな。いや、「嫌いじゃない」くらいにしといてもらえると……。

 とまぁ、微妙に日和った表現を探してしまうのは、やはり後半になるにつれてネタ切れ感が否めずにややトーンダウンしたこと、そしてそんな状態から2期を発表され、2期目も同じように楽しめるかどうかが不安でしょうがないことなどが理由である。こうして少しずつなろう恐怖症を慣らしていって、素直に面白いと言える日が来るといいですよね。まぁ、俺じゃなくてなろうサイドが努力すべきことだとは思うが。

 今作については毎週触れていたので今更確認することもないが、少なくとも「自販機に転生しました」というトンデモ要素から最後まで逃げずに戦っていたことが最大の評価点。過去にもいろんなものに転生してきたが、スライムは初手からスライムじゃなくなるし、剣は勝手にレベルアップして自分で飛び回りやがるし。「自分で設定した土俵があるなら、ちゃんとその中だけで勝負する責任を持てよ」という感情が溜まりに溜まっていたせいで、今作が少なくとも表面上は自販機であり続けていたのが高評価のポイントとなった。やはり「地元民と通常の言語で意思疎通できない主人公」を1クール貫き通したのは偉い。同じ制限でこれ以上に頑張ったのって蜘蛛子くらいしかいないと思うし。

 「自販機からいろんなものが出せるんだぜ」についても、一応は現実にある自販機のみの制限が効いてて、「限られた手段をどのように組み合わせて状況を打開していくか」というパズルのようなミッション設定、それに「へぇ、そんな自販機もあるんだ」という単なるトリビアとしての楽しみ。この辺りも他のなろうでは得られない味わいなのでちゃんとオリジナル。そしてそれら全てをまとめ上げてくれるのは、やっぱり可愛いヒロイン・ラッミスちゃんであった。ハッコンの良いところは、そこから決してハーレム展開にならずにラッミス一筋で頑張ったこと。まぁ、同じ無機物系転生者である師匠(剣)もメインヒロインに一途で育成ゲームみたいな楽しみ方をしていたが、ハッコンの場合は「そもそもクソでけぇ自販機を単身で運べるのがラッミスしかいない」というあまりにも物理的な繋がりで生まれたタッグなので、余人の立ち入る余地がないのだ。ある意味で他のどんな作品のカップルよりも強固な絆で結ばれたベストパートナー。今後ともお幸せに。わたしの幸せなハッコン。

 さて、2期はどうするんかな……できれば、まだこの手応えが残っているうちに放送してくれると嬉しいのだが……Wikiで確認したらこれ、原作が2〜3巻分しか出てないって話なのだが……えっ、ストックとかあるの? 大丈夫?

 

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「ライザのアトリエ〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜」 5→4

 やっぱりゲームのアニメ化って難しいよね、という分かりやすい事例。

 とりあえず映像部分については○。1話目でがっちり話題をさらった本作最大の魅力である(?)太もも描写はお見事なもので、その後もことあるごとにちゃんとライザの「焦点」へズームアップしてくれるシーンがちょいちょい挟まれた。そういう意味では、きちんとファンのニーズに応えたアニメ化だったとは言える。

 ただ、やっぱり太ももだけで1クールは保たないわけで……(保ったというちょっと危篤な性癖の人はそれでいいと思います)、あとはきちんと「アトリエ」要素で引っ張らなきゃいけないはずなのだが、まさかマジで見習い錬金術師が大きくなるためのいろはを全部が全部やりはじめるとは思っていなかった。そりゃね、右も左も分からないぺーぺーがいきなりとんでもない調合を見せて大活躍してしまったら「こっちもなろうじゃねぇか!」みたいなツッコミを受けかねないわけだけど、だからと言って初歩の初歩から1つずつ錬成し、師匠の許可を得てちょっとずつ錬成強度を上げ、それでも周りの仲間連中のレベルが低いもんだからあんまり村の外にも出られずにご近所トラブルの対応にあたる話が続くとは思わないじゃん。一応ドラゴン退治まではいけたんだからレベルアップは充分と言えなくもないのだが……「錬金技術の上昇による痛快な英雄譚!」みたいな構造ではないので、観ていても「あっ、ふーん」くらいで終わってしまうお話になっちゃうのよね。

 こうして不満を並べ立てると、「でもお前、いきなり超難度のミッションをクリアしたらリアリティがないとかチートとか文句言うじゃん!」と言われたら全くもってその通りで、この設定からどんなアニメが出てきたら満足できたのかはよく分かっていない。結局、以前の「見習い錬金術師〜」の時と同じく、「錬金をベースにした物語の面白い見せ方」は分かっていないのである。老舗ブランドの作品だけに、ここから何かエポックメイキングなものが出てくるかもしれないと期待してみたが……残念無念。

 いやまぁ、丁寧にゲーム世界をアニメに落とし込むことは出来てると思うので、なんとなく風景を見て満足するっていう落とし前の付け方もあるとは思うのだが……それならもう、いっそドラゴン退治にもいかず、ひたすら村のおばあちゃんのお使いだけしてた方が開き直れて良かった気もする。でもそうすると「大志を抱いた若者たちの物語」とは噛み合わないし……。

 結論:ゲームやればいいと思う。

 

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AYAKA -あやか-」 5→4

 面白くはなかったです(やっぱり素直)。特段悪い点もなかった作品ではあるのだが、特に刺さるような大きな要素もなく、ダラダラと低迷して興味を失っていくだけの展開だった。まぁ、野郎ばっかの作品なのでどうしてもモチベは下がっちゃうけど。最近の作品でいうと「Opus.COLORs」みたいな立ち位置。あっちよりはまだ存在意義は分かる筋立てだったんだが、分かりやすいってことが単に陳腐に繋がってしまったかなぁ。

 映像部分は本当に可もなく不可もなく。独特の風合いは面白いと思えるタイミングもあったのだが、それで見栄えがグッと良くなるというものでもなく、ところどころ漏れ出ちゃうサボり気味の作画の時のマイナスが目立ってしまう結果になっている。どうでもいい話だが、1話目時点で「どっかで見たことのあるエフェクトなんだけど、なんていう作品だっけ……」と悩んでいたのだが、あれから調べて判明した。「ディバインゲート」だ。あれと色彩がかなり似通っているのだが、なんで7年も前の作品のスピリットがこんなところで感じられたのかは全くの謎。一応「ディバインゲート」を作ったスタジオがぴえろで、今作の制作であるスタジオブランの分家元ではあるが、ぴえろなんてでけぇスタジオなのであんまりそこに直接の関係はなさそうだし。たまたまあの作品に関わってたクリエイターがこっちにも関係してたのかな?

 とまぁ、「7年前でもありそうなデザイン」だった時点でそこまで興味を引くものでもなく、今作最大の見せ場となるCGを多用した怪物バトルも「陳腐」の域を出ず。脚本担当がGoRAということで破綻などはしないが、あまりにも1クールアニメとして安全なルートで置きにきている感があり、今作でなければ味わえないようなオリジナリティは感じられなかった。まぁ、今時オリジナルアニメだからとて特別なオリジナリティを要求するのは酷ではあるのだが……無いなら無いで、1つくらい視聴モチベーションを支える魅力が欲しかったところ。作中で多用される「あやかい」という謎の形容詞もバズれば面白い要素になったかもしれないが、残念ながらそういう未来はなかったので、単にスベってる印象を助長するだけなのが寂しかった。

 こうして「別にそこまで悪くないけど……数多あるアニメの中から優先してくれだけを見たいと思わんなぁ」くらいのアニメの視聴モチベが大きく低下しているのは、流石に自分の加齢のせいだと思いたい。ちゃんと真面目に観て、今作独自の魅力を見つけられた人は、私なんかよりもよっぽどアニメに向き合ってる人です。

 

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「おかしな転生」 4→4

 面白くなかったです(素直)。面白くなかった理由は「なろうだから」と言えば話は早いのだが、もう「なろう」という一言で作品をくくるにはジャンルとして大きくなり過ぎているのが悩ましいところだ。

 先に悩みを打ち明けておくと、今期なろう作品群の中では多分トップクラスに作画は良い。大崩れもなかったし、パリッとしたキャラデザは可愛い部分も多く、正直言えば画面を見ていて不快感が少ないだけでもなろう枠としてはだいぶマシな方。今後ポロポロ出てくるが、今期はとにかく「見てるだけでなんか不快」というアニメがちらほらあったので、視覚的な不快感が無かったというのは相対的にプラスである。そこに配慮しての点数維持だが……「まぁ、作画がいいから」だけで評価してると、もうつまらなさの下限がわからなくなっちゃう気がするんだよな。今後の配点基準はまた悩むことにするが、こちらの作品は「スタート時の(さして大きくもない)期待に応えられず、ただ尻すぼみになろう魔道に堕ちただけ」ということを考えると評価は下げたかったです。

 もうちょい具体的に嫌だった部分を切り出すと、「タイトルに冠された『お菓子』要素が全然なろう展開と結びつかない」という部分。いや、そりゃお菓子作りがそのままなろう的無双要素に繋がる方が難しいとは思うのだが、わざわざお菓子というテーマを看板として掲げたのだから、多少無理してでも「お菓子で無双」してもらわないと他作品との差別化は図れない。かの有名な「美味しんぼ」の中で私が大好きな台詞に「株主総会はチーズで勝てる!」というものがあり、「んなわけあるか!」と思ったとしても、1ネタで作品を作るってのはそれくらいの思い切りがあった方がいい。その点、こちらの作品は「単に主人公がお菓子作り好きの元パティシエ」というだけで、その事実と「異世界で無双する」ことに何一つ因果関係がない。単にショタなのに不相応に大人びていること、そしてよく分からん魔力が使えることでチートを引き起こし、その頭の中を覗くと割とお菓子のことを考えがち、という程度の主人公では、わざわざ数多あるなろう地獄の中でこいつを見る必要がないのだ。命懸けで本のことしか考えてなかったマインくらいまでいけば説得力も出てくるのだが。

 まぁ、結局「なろうに何ムキになっちゃってんの」で終わる話なのだが……これが異世界転生ものを名乗れるのだとしたら、同様に菓子類を提供して謎の街を舞台にした「ごちうさ」の方がよっぽど濃密なファンタジーである。

 

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「政宗くんのリベンジR」 ―→5

 僕ぁ個人的に師匠エンドでも良かったんですけどね。確認したら1期感想も結局「師匠は可愛い」で終わってた。

 ぶっちゃけ、放送開始時には全く期待してなかったというか、興味がなかった。5年もの時を経て復活されても1期のことなんてさっぱり覚えてないし、その1期についてもさしたる思い入れも無い。そんな作品を今更まともに追いかけられる気はしなかった。「忘れてたら放置してまお」くらいの感覚での視聴開始。

 おかげで序盤は本当にダラダラしてて、修学旅行からのフランス人娘とのくだりなんて普通に「くだらね〜」って思いながら流し見してたんだけど、そこからライバルキャラとの絡みが次第に加速し、「過去の謎」についての再提示、そして解決へと至る流れは、ちゃんと「お話」になっていた。5年前に何やってたかなんて覚えてなかったけど、改めて「ここがこの作品の大事なところなんです」と提示され、そこに真っ当な結論を出されれば、そりゃ納得するしかないし、ちゃんと面白いとも思えた。異質なダブルヒロイン体制からの三角関係、2人のヒロイン像がきちんと立っていたのは大きなプラス要素だったね。

 ラブコメとしての「オチ」はそこまで突飛なものでもないと思うのだが、タイトルにある「リベンジ」の精神を決して蔑ろにすることなく、「この出会いだからこそ、捻れて遠回りしたけど、そんな2人だからこそ作れる関係性があるんだよね」ってのは納得感のあるストーリー構造だったよ。映像部分は可もなく不可もないレベルだけど、決してヒロイン勢がぐちゃぐちゃになったりせず、可愛いシーンは可愛く、エロいシーンはエロく描けていたんじゃなかろうか。もちろん、最近では貴重なへごヒロインや暴力的なまでの水瀬ヒロイン像、そして取り巻き連中の贅沢なキャスティングなどは時代を飛び越えたからこそ得られるお得感ではある。まさか最終回の「ワガママMIRROR HEART」でちょっとグッとくるなんて、5年前には思いもしなかったものね。

 そうしてトータルでのクオリティには一定の評価ができるだけに、本当に惜しいのは「やっぱこれだけまとまった内容があったなら一気にやれよ……」という部分。頑張って「5年空けたことによるうまみ」を捻り出してはみたものの、どう考えても一気に見てもらった方が盛り上がりは大きかったはずだ。このブランクで作品から離れてしまった人、そしてアニメ自体から離れてしまった人も少なくないはず。原作ファン泣かせだし、届けるべき人に届かなかったとしたら実に勿体無い。……我が国のアニメ制作体制、なかなか理想通りにはいかないものである。

 

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「もののがたり 第二章」 ―→6

 良き少年漫画だったんじゃないでしょうか。割と好きだったので、続編の報が無いなら原作漫画を追いかけちゃってもいいかな、と思える作品。類例でいえば同じくジャンプ系の「怪物事変」に近い立ち位置(結局あっちの原作もまだ追えてないけど)。

 映像部分で言えば並程度のアニメ化。決して大崩れしない安心感こそあれ、バトルも含めてそこまで超絶作画ということもなく、とにかく「原作を追う」ことを最優先に作られたような印象のアニメ化だった。そういう意味で原作ファンからどう受け取られたかは定かじゃないのだが、何も知らずに見ている組としては、ふつーにシナリオラインの魅力だけで引っ張ってくれていたので不満がない。モチーフである「付喪神」のおかげで用語とか世界観にちょいレトロを感じさせる部分はあるが、そこで余計な小難しさを出すわけでもなく、シンプルな能力バトル、そしてボーイミーツガール。最後まで主人公の兵馬の軸がぶれず、真っ直ぐなバトルアニメのアツさを見せてくれたし、2期目ということもあり、確実な精神の成長がわかるのが良い。

 そしてまっすぐな主人公をフォローする味方陣営の頼りになる様子。やっぱりクライマックスでの婚礼調度の帰還シーンとか、分かってても無条件で盛り上がる展開だし、1期感想でも書いた通り、門守のおっさんみたいな強かな「大人」の立ち回りも一癖あって面白い。そうして1期で「悪そうな大人もちゃんと理知的な味方なんだな」というフリを持ってきておいて、そこからの雅楽寮のとち狂った展開に持ってきたのも憎らしい配置。雅楽寮の3人、悪いやつといえば悪いやつらだったのに、3人が3人ともちゃんと魅力を残しながら退場していくのがズルくていいよね。もちろん、そうして「悪いけど憎めない奴」が成立するのは、その背後にある巨悪の存在が明らかになったからだけども。唐傘連中の配置も王道と言えば王道だが、代表役だった日笠の存在感が強烈だったので1期から地続きでインパクトがあったよね。

 トータルで言えばほんとに減点要素がなく、ちょいちょい加点してくれる部分があった、という評価になるかな。3期が無いと流石に勿体無いと思うのだが……どうなりますかね。「大塚明夫にこれ以上ギャラを払いたくない」とかで続編がなかったらどうしよう(もうしゃべらんやろ)。

 

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BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」 6→7

 さて総括しようか。今期も容赦なく最終回シーズン(新番組シーズン)が訪れたが、最初に幕を下ろしたのはこちらの作品だった。「毎回感想を書いているから書くことがない」ってのがお約束のフレーズなのだが、今作については総括すべきことは色々とあるので、今回は大きく2つのセクションに分けて触れていこう。

 まず1つ目は他作品同様、純然たるアニメとしてどうだったのかという部分。ここについては「サンジゲンの人、いつもお疲れ様」というのが第一。流石にサンジゲンのCGワークにもすっかり慣れ、このデザインの良し悪しを評するのもあまり意味がない時代にはなりつつあると思うが、相変わらず安心して見ていられるクオリティに仕上がっている。バンドリ&D4DJという2軸のアニメ制作によってサンジゲンCGもちょっとずつ進歩を重ねており、特にD4DJシリーズでは表情の付け方など、心情描写に必要な細かいツール類が着実にノウハウを重ねてバリエーションを増やしていることを示してくれた。今作においてはそうした人情芝居がより一層キーとなるデザインだったため、本当に細かい目線の向き、口角や目につける角度などなど、いくらでも情報を盛り込める部分があった。ある程度制作の(時間的)コストを抑える目的であろうCG作画という手法で、どこまで細部にこだわって色をつけていくかというのはあくまでトレードオフの関係だとは思うが、その辺りの模索は今後も続けていってほしいところ。もちろん、「それでもCGはやっぱり薄っぺらい」という意見が出そうなのも理解は及ぶ部分で、例えば今作において表情芝居や細かい仕草に意味付けしていく部分は確実にレベルアップしているとは思うが、例えば楽器演奏シーンでの手の動きなんかについてはどうしたって限界はある。ちょうど同じタイミングで「ユーフォ」の映像を見てしまったため、「楽器を演奏する時の指の動きって作れば作るほどに綺麗すぎて怖い」ということが分かっており、そうした作品と並べて「ショボい」と感じるのも評価軸として間違ってはいないだろう。今後そうした描写力についてサンジゲンが向上させる意識があるかは分からないが、まだまだ伸び代がある部分だとポジティブにとらえておけばいい。逆に言えば、そうした映像での「まだやれる部分」があるからこその7点止まりである。

 そうしていつもながらの映像を用いて今回描かれたのは、1つのバンドが出来上がるまでの紆余曲折、合縁奇縁、悲喜交々、地獄絵図。世間ではギスドリだのなんだのと盛大に話題になっていたわけだが、この解像度の高さと執拗さはバンドリプロジェクトの最大の武器。この度メインライターの綾奈ゆにこが荒ぶった結果、そうした「生のバンドリスピリット」が実に鮮烈な形でアニメシリーズの魅力として発揮された。この点についてはもう、手放しで評価してしまって良い部分だろう。「世はまさに大バンド時代」のこの世界で、女子高生となれば誰もが皆バンドをやっているという状況。そんな中ではバンドの数だけドラマがあるはずだが、流石にシリーズ中「8つ目」ともなればドラマの類型だって限られてくる。そうしてマンネリズムと向き合わねばならぬ「新プロジェクト」に真っ向から立ち向かい、見事に「新しいドラマ」を紡いでくれた功績は非常に大きい。ソシャゲアニメの難点の1つに「アニメだけでは完結しないので終わった感がない」部分が挙げられるが、今作では意図的にMyGO!!!!!というバンドの完成形をかなり不完全なものとして残しておきつつ、間違いなく1つの「始まりの物語」が終わったという達成感も与えている。アニメ視聴者にも充分な満足感を与え、その上で「それじゃ、彼女たちの物語の続きはゲームで確認してね!」というデザインとしても成立しているわけだ。そういう意味では理想的な「ソシャゲアニメ」になったんじゃなかろうか。

 こうしてアニメ作品として間違いなく質が高かった、というのが客観的な視点からの評価だと思うのだが、そこにもう1点、「バンドリファン」という極めて主観的な視点からも、大きく今作を評価できる点がある。それは、「バンドリってのはこういう作品なんやで」という宣伝をあまりに見事にこなしてくれたこと。ギスドリ、ドロドリ、色んな表現はあるだろうが、そりゃ「バンドやろうぜ!」の人間関係にギスギスドロドロがあるのは当たり前。バンドアニメ・バンドゲームであるなら、それを掘り下げるのが正しい姿であり、ユーザーが望むものであるはずなのだ。私のようなユーザーはその辺りについては百も承知で、数あるバンドストーリーを通してこのバンドリ世界が「いちいちエグいし、それだけに刺さるシーンがいっぱいある」ことを知っている。それが故に惹きつけられている。ただ、残念ながらそうした認識ってのは、ユーザー外にはなかなか届かないものである。「可愛い女の子がいっぱい出てくる音ゲー」なんてものは掃いて捨てるほどあるわけで、その他のゲームユーザーからしたら、バンドリもそんな有象無象の1つにすぎず、ただぽちぽちやってるだけの美少女動物園。そう思われてもしょうがないわけだが、実際には今作にしかない魅力がこんなにもあるんですよ、という一端が、今回のアニメによってかなり大っぴらに世間に知らしめられたと思うのだ。そこがユーザーとしては嬉しかったところ。

 どうやら制作側も「関係性の物語を徹底的に掘り下げた方がファンは喜ぶ」ということをこれまでの経緯から理解しており、(ゲーム中の時間軸で)3年目に入った新たなシーズンから、もう、あらゆるバンドがそうした「いちいちキツい」ドラマ要素を盛り込んできている。特に立て続けに打ち込まれた「パスパレのあの流れ」「アフロのあの展開」、そして「ハロハピのあいつ」などなど、今後が気になる要素が目白押し。まさかこれまでの展開から一番平和で心穏やかなバンドがRoseliaになろうとは、誰が想像できたであろうか(RASも今のところ平和ではあるが)。このバンドリ世界の魅力発信をアニメが務めてくれたことは最大の評価点だし、極々自然に新たな火種であるMyGO!!!!!という新バンドを導入し、きちんとそちらに興味が向くようにしてくれたのも嬉しい誤算。8バンド全部が均等に重い、そんなコンテンツを追うのは本当に大変だが、楽しいですよ。

 というわけで、「今のところ」8バンド。でもすぐ後ろに9つ目の影は迫っている。頼むぜ豊川祥子。お前の人生も、さぞかし愉快なドラマを我々に提供してくれるのだろうな。

 

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「トニカクカワイイ 女子高編」 ―→5

 4話でおしまい。テレビ放送はあったけど、まぁちょっと長いOVA程度のもんでしたね……。なんで本編とは別タイトルでわざわざ区分けしたのかはよく分からんのだけど、単に放送枠が確保できなかっただけなのかもしれない。これでふつーに第3期が続きからだと、この4話分だけ観られなかった、みたいな人が出てくる可能性が割と高い。まぁ、過去にもそういう事例がないわけじゃないからなぁ。

 というわけであまり触れるべきポイントもなく、単に2期の延長線上のお話ではあるのだが、タイトル通りにナサの勤め先が増えたので結構雰囲気は変わったかな。こんなに分かりやすくハーレム要素をプラスする方法を使ってくるとは……いや、「ハヤテのごとく」の時と似たようなもんか。それでもちゃんと中心にはナサ×司のイチャイチャを中心に据えている部分は軸がぶれてないので安心するような、ムカつくような。その上で微妙に核心に迫るような話も増えてきてるし、インタールードというには大事な話だった気もする。

 で、3期あるんですかね?

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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