最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「ダンジョンに出会いを求めてるのは間違っているだろうかⅢ」 5→4 紐は、もとい、ヘスティア様は相変わらず可愛かったね……本当に思ってた以上のものは出てこなかったなぁ、という印象。 今回は1クール使ってまるまる1本のストーリーが展開された。「モンスターは心があるのか?」という古今東西いろんなところで展開されているファンタジー理論を改めてこの世界で語るお話で(個人的にはこのテーマでの私のバイブルは「モンスターたちの交響曲」)、そのストーリーの捻り方も、落とし方も、「まぁ、そうなれば、そうなるやろ」という程度のもの。別にやってもいいかもしれんけど、わざわざこの世界で1クール割いてまでやることかね、という印象はぬぐいきれない。もちろんその中にベルの成長とか、この世界で暗躍する「神」の諸々をばらまいて今後に広げていく狙いなんかもあるのだろうが、少なくとも今回の1クールを見る限りではそうした広がりは結実していないわけで、単に「モンスター殺すっていうけど悪いやつじゃないよ! 根拠はないけど俺が見てたから間違いないよ!」という話を堂々巡りさせるだけである。この状態でしれっと「はい、おしまい」と言われてしまうと、「ヲイ、納得いかねぇゾ。温泉回をOVAじゃなくて地上波でちゃんと寄越せ!」と文句も言いたくなるだろう。2期は温泉回あったじゃん!!!! まぁ、こうして文句たらたらではあるのだが、やっぱり「これで終わり」ではないっていうのが本当のところだろうから、あんまり文句を言ってもしょうがないんだよな。ここで「心を持つモンスター」と出会い、彼らを一時ダンジョンへと逃して妥協案とした今回のシナリオは、どう考えても今後ダンジョンに挑む際にモンスターたちの力を借りることの準備段階である。長く続いていくであろうヘスティア・サーガ(ベルクラネル・サーガとは言いたくないな)の1つの伏線みたいなもんである。一応そこを取り出したらそれっぽい物語が形成されているというだけで、このくだりだけを切り取って1本の作品として満足しなさいというのはそもそも無茶なんだと思う。1クールで落とし前つけて「それっぽく」見せたというだけでも、スタッフは頑張ってまとめたんだよ、と認めるべきなのかもしれない。いや、原作読んでないから真相は知らんけども。 こうしてチームメンバーが増えていくワンピース形式のお話って、どうしても各人に活躍させたくて場面が散漫になっちゃうのが悩ましいよなぁ。何よりヘスティア様の出番が減るとなぁ……今回露骨にイチャイチャしてエンドじゃなかったのがなぁ……。結論・最終的に紐に落とせ。
PR 「炎炎ノ消防隊 弐ノ章」 6→6 今期真っ先に最終回を迎えたのはこちらの作品。コロナ下での2クール作品ということで色々と難題も多かったと思うのだが、そんなビハインドを感じさせずにきちんと最後まで走りきった。まぁ、「こんな時期に終わるの?」と思ったらどうやら来週再来週は特番と言う名の穴埋めの何かが入るみたいだが……余計な引き伸ばしとかをせずに、必要な話数だけでスパッと終わらせたと思えばこれはこれで。 1期との印象の違いについては番組スタート時に書いたのだが、やはり、素直に面白いと思える作品になっていたと思う。いや、ぶっちゃけ半島に渡っていったあたりのくだりは正直不安で、「え? 風呂敷の広げ方って、そうやって地理的にフィールドを広げちゃうの?」と思って「新大陸編」みたいな途方もないものに繋がるのかと思っちゃったのだが、ちゃんと帰ってきたし、その後のお話の規模も安心してみていられる範囲内だった。ことに灰島に疑惑がかかり、第八・灰島・白装束の三つ巴になっていくあたりの展開が、一筋縄じゃいかないプロットの掘り下げ方として素直にワクワクした。敵に回る連中のキャラがやたら良くて、ピーク時の「白装束(釘宮・内山・大久保)VS灰島(櫻井・早見)VS第八」なんて構図は、もう本当にどのキャラもコッテコテに前に出てくるもんだから各方面からお腹いっぱいになれた。「ソウルイーター」の時からそうだったけど、この作者はゲテモノの造形というか、ヒネててどうしようもないような連中の際立たせ方が愉快なので、やっぱり一癖も二癖もある敵キャラをみてると面白い。 また、その前段階での因果争奪戦の流れもまたアツい。出てきた時から不穏な空気を漂わせていた因果に対し、「これ、どっちの手に落ちるんだ?!」と固唾を飲んで見守っていたら、最終的に理想的なクソ女ムーブを見せて教団側に転げていくところとか、「堕ちもの」好きとしてはたまらない展開でしたね。要所ではもちろん脳筋一辺倒の根性バトルがありつつも、それ以外の部分での丁々発止のやり取りが少年漫画の枠を超えたドラマになっている。1期の時はそのあたりの膨らみがなかなか見えてこなかったのだが、キャラが固まり、世界が広がったことでいろんな方向から楽しめるようになったのは大きいんじゃなかろうか。 そうしてわちゃわちゃしてるとどうしたって画面がうるさくなりそうなところだが、本作のメインテーマである「炎」の意匠をしっかりと意識しつつ、バトルにしろギャグにしろ、作画部分での崩れをあまり出さずにクオリティを保っていたのもえらい。davidプロ、やっぱりいい仕事してくれるんだよね。正直、この2期目で普通に好きになったのであわよくばコミックを買ってもいいんじゃないかと思ってるんだけど、3期もあるならこの先の展開は取っておきたい気もするしなぁ……。 とりあえず、3期があるなら是非ともクライマックスでの白装束の活躍を全力で見せて欲しいですね。わたしゃ一番の推しはアローさんなんですが(中の人のこともありつつ)、因果と守り人のペア(島袋・大久保とかいう強すぎるコンビ)も応援したいし、最終回で登場した白装束が日笠だった時には「こんな濃い集団があるかよ!」って思ってしまった。3期、あるといいなぁ。 「メジャーセカンド(第2シリーズ)」 6→6 いやぁ、素晴らしい作品でしたよね。昨今、ここまで溌剌とした可愛い女子中学生が描かれていた作品もなかなかないでしょう。佐倉さん、沢さん、相楽、藤井姉妹にアニータまで、皆さん本当に素敵な女の子。なんならもう1点あげようかとすら思ったんだけど、冷静に考えて「今作を見る最大のモチベーションって、一番がリビドーだったのでは……」ということに気がついてブレーキをかけた。 振り返ると、まぁ、「野球アニメ」としてはそこまでびっくりするようなもんでもないのよね。モーション作画が毎回素晴らしいとか、度胆を抜く展開とアツいドラマが引きつけて離さないとか、決してそんなもんじゃない。何なら試合の筋立てはどっちかと言えば御都合主義で雑だとすら言えたかもしれない。キャラの絡みは毎回いきあたりばったりだし、ミチルちゃんとの再会とか、「これ、もっといいところでの再会もできたのでは?」みたいなもったいなさも感じたりする。そう、改めて考えるに、多分漫画としてもアニメとしても、「まぁ、メジャーだし」というくらいのものだったのである。 しかし、そうした「ふつーの中身」を、アニメでは徹底的に磨いた女の子たちが見事に覆い隠した。試合動画がそこまででもないとはいえ、要所での見せ方は実に周到で、モーションの「キメ」で1枚絵を見せる部分がうまい。そして、その「キメ」ってのが、「女子中学生の溌剌ユニフォーム」なのである。端的に言うと、エロなのである。いや、この子たちにエロスを感じてしまうのは犯罪なのかもしれないが、どうしたって、そうなるんですよ。しかも、このエロスってのが単純に脱いだり迫ったりとかじゃないんですよね。作中で、彼女たちは一切エロいことをしていない。それがなお一層エロい。エロいって書くのが問題だとするなら、それはもっと魅力の「魅力」でも良いかもしれない。さらに、そうして描かれた女子たちが、ダイレクトに「女だから」という壁にぶち当たっていくという身も蓋もない構造が、なおさらに若い奮闘ぶりを飾り立てていく。実に悪趣味な話ではあるが、いじめ抜かれる女の子は、エロいのである。さて、私はこの段落だけで何回「エロ」と書いたでしょう。 まー、本当にひどい感想だと思うが……それくらいに、この作品は研ぎ澄まされていた。是非とも、沢さんと相楽の今後の人生もアニメで見てみたいと思うのであるが、冷静に考えると、大吾が高校に上がったら流石に女子選手とはお別れなのよね。旧作の清水ですらあの状態だったわけで……。佐倉さんにも幸せになってほしいとは思うしなぁ。もう、アニータが何かに覚醒して男子高校生をなぎ倒す展開とかになりませんかね? 頑張れ少年サンデー。
「モンスター娘のお医者さん」 5→6 気づけばすっかりお気に入りになっていた作品だった。今期終了分で言えば、開始時からの好感度の上げ幅で言ったらこれがトップだったと思う。なんでなのかはよく分からんけど。 毎週感想を書いていたのでその都度のテンションの高まりはそっちを確認してもらう方が早いが、単なるゲテモノに終わらず、きちんと「モンスター娘」という設定を活かしつつの交流劇で、独特の世界観が味わいになる作品だった。いわゆるハーレムものに分類されてはしまうのだが、ちゃんとそれぞれの女の子たちがグレン先生に惚れ込む理由は納得できるし、理不尽な恋愛脳になるだけではなく、それぞれの個性を守りつつ、独自のアプローチで恋愛を楽しんでいる様子も微笑ましい。まぁ、アラーニャさんのは楽しんでいいのかどうかよく分かんなかったけど……ティサリアさんの甲斐甲斐しくも凛々しい貴族の交際は、「そりゃ家臣からの信頼も篤いわー」と納得できるものになっている。そしてサーフェさんの純愛っぷり。出会いが複雑だったので後ろめたい部分もあったようだが、途中から当て馬が増えすぎたおかげで隠すこともせずにまっすぐな求愛を始めるサーフェさんが可愛らしく、適度に混ざる蛇のような執念深さとか、奇怪さもネガティブな要素にならずに魅力に転じている。結論は「異種族まとめてよっといで」である。 評価を分ける点があるとするなら、CGを積極的に取り入れたキャラクターデザインが肌に合うかどうか。ちょっと浮いている部分はあったので未だ「硬い」という印象を与えてしまう可能性はあったかもしれないが、個人的にはそのあたりも「異種族であるが故の違和感」みたいなものを表出しているのだと好意的に解釈したい。結局、サーフェの胴体部分はどれだけ溶け込ませようとも人間から見たら「異質なもの」であることに違いはないのだから、そこはいっそ際立たせる方向で見せるっていう演出方針はありなんじゃないかと。やっぱりアラーニャさんのボディだって普通にキモいはずだし。そのあたりを誤魔化さずに真っ正直にデザインを立ち上げ、それをある程度まで世界に溶け込ませてみせたのだから、功罪でいうなら功の方が大きかったと思うのだ。 心配があるとすれば、こういう作品で心のガードを下げられて、マジでモンスター性癖が目覚めてしまう人がいないかどうか。いや、別に目覚めてもいいけども。私は大丈夫でした。何しろ最終的に一番ストレートに可愛いのが人間に近いスカディ様だったから。一個人に摂取できる種﨑成分には限界があるので、用法容量を守って正しく使用してくれ。
「Re:ゼロから始める異世界生活(第2期)」 6→5 改めて、前代未聞の作品であることは間違いないと思う。ただ、ちょっとスタイルに対する比重のかけ方に問題があったが。 まぁ、多分観ている人の大半は感じていると思うが、とにかく救いがない。もともとそういう設定の作品であるし、1期もその徹底した救いの無さが求心力となっていたのは間違い無いのだが、困難が設定されていることによる求心力は、それが解決されるカタルシスとセットであるべきだ。結局ドラマってのはそうして回っていく。スバルの行動だって、もちろん「解決」とのセットは前提になっている。そのために小さなPDCAを積み重ね、ゴールへと向かっていくデザインだ。しかし、そうして組み上げられた全体像が、今回はなんとゴールにたどり着かない。一番美味しい部分が無い。これはアニメシリーズとしてはかなり特異な構造であろう。もちろん分割になっているために尺の関係でそこまでたどり着かなかったという実質的な理由もあるが、本作はそうしてカタルシスを得るまでの「反復」に徹底した重きを置き、その中でどれだけのエンターテインメントを提供できるかということに挑戦している作品である。いわば究極のお預け状態でどこまで人は興奮できるものかを試す実験だ。1期の時には、この実験が見事に成功して、我々は申し分ない恩恵に与った。 2期も構造は変わらないとは言いつつも、1期で自身が設定したハードルがやたらと高くなり、それを飛び越えるためにはより綿密で、重篤で、無慈悲な設定が必要になった。構造上、どこをカットするというわけにもいかず、ただ黙々とゴールへの小目標を敷設し続ける必要がある。そして、その先にあるゴールは未だ見えていない。肥大化した「お預けの規模」がとんでもないことになり、我々は宙ぶらりんで放り投げられてしまったのである。これはさすがに、純粋に楽しめたとは言い難いものになってしまった。出来ることなら、何としても2クールを一気にまとめあげて欲しかったものなのだが……こればかりは世間の諸々の問題が関わってくるので致し方ない。ただ、非常に勿体無いのは、こうしてせっかく敷設した諸々が、ブランクの間にどうしても我々視聴者から抜けてしまうということである。構造が煩雑になればなるほど、我々が取りこぼす要素は増えてきてしまう。いざ帰ってきて最大級のご馳走を持ってきたとしても、我々がそれを味わう術をどれだけ覚えていられるか。知識として覚えていても、これだけ執拗に描いた「体験」としてどれだけ血の通ったものになっているか。そんな心配が出てきてしまうのは、避けられないことだろう。ちょい残念である。 とはいえ、私としてはやはりこの異様な構造を貫き通す製作理念は嫌いじゃない。序盤で作り上げた「ならでは」の持ち味を、妥協して繋げるのではなく、覚悟を持ってさらに磨き上げる姿勢は大したものだ。小説などの別な媒体で一気に受容できるなら、きっと今期放送分のパートだって充分な満足があるのだろう。願わくは、そうした満足が今後に待っていることを。 あ、でも「魔女さん大集合パート」は純粋にご褒美でしたね。そりゃキャラが濃いことはわかってたけど(魔女教徒があれだけおかしい時点で、魔女本人がまともなわけがない)、キャストもみっちりしていて、単なる草原でのお茶会もお腹いっぱいのボリューム。いっそどこかで「まじょさんたちのにちじょう」みたいなスピンオフが展開されるのが見たい。
「恋とプロデューサー EVOL×LOVE」 5→5 とりあえず赤の女王仮説は覚えた。使い方がアレで合ってんのかどうかは知らんけども。(大体あってるんじゃね?) なかなかファニーな作品であった。乙女ゲー原作のイケメンパラダイスなんてどうせNot for meやんけ、と思っていたのだが、そうした予断は割と早い段階でキャンセルされた。各々のイケメンが突飛な超能力を保持した状態でゲームスタート。主人公が小さな制作会社でプロデューサーを務めるうら若き少女であるが、そこかしこで出会うイケメンたちは異能を手にした「進化の先の存在」であり、それらの「種」を巡り人類の進化と存亡をかけた大きな渦の中に少女は呑み込まれていく。そして、いつしか彼女自身が「女王」と呼ばれる特別な存在であることがわかり……。 もう、イケメンパラダイスどうでもいいやんけ。設定だけで見たら立派なジャンプ漫画。イケメン異能バトルは乙女ゲーの中で。アホみたいな黒の組織の存在とか、その都度余計なことに首を突っ込みながらよくわからん理由でイケメンに救助される主人公とか、いちいち展開が大掛かりで笑えるものが多い。そして、イケメンパラダイスとは言いつつもその人数はきっちり4人で固定されており、あまり筋立てが野放図に広がりすぎることもない。ハーレム作品の場合でも、攻略対象3〜4人くらいが1クールアニメだとちょうどいいね。いや、多分4人でもちょっと多いんだけどさ。 でも、今作のイケメンとの関係性は、行きずりやんけ、というほど捨て鉢なものでもなく、割とそれぞれの男どもが主人公のサポートに回りたくなる気持ちは分からなくはない。みんなして異能力者なのでハイパースペックのヒーローが寄ってたかって護りに来てくれる設定もそこまでおかしなものにはなっていないし、何より主人公ちゃんが頑張り屋でまっすぐ目標に向かって戦うことができる人間なので、そのナイトたちにもきちんと大義名分が与えられる。まぁ、結局「選ばれし血統」だから一種のチートものと言えなくもないわけだが、「結局血統で決まるやんけ」っていう文句もジャンプ漫画と同じと考えると、これは立派なバトルアニメだったのである。異能の見せ方も大仰で面白いし、個人的には救いようのない設定だった割に関係性に恵まれてたシモンがオススメ。このCV平川大輔の「すげぇいい人そうなんだけどちょっとタガが外れた時のガチキチっぷり」は実に良いバランスだ。 唯一文句があるとするなら、この内容だったらもうちょいタイトルなんとかせぇよ、という部分だろうか。こんな露骨に乙女乙女してる感じより、もっと厨二パワーを込めたタイトルの方がしっくりくる内容だと思うんだけど。いや、多分ゲーム本編はもうちょいプロデューサー業が大事なんだろうけどね。最近は僧侶やらなんやら、放っておくと職業名が全部エロのメタファーになるから……(メタファーではない)。 「ジビエート」 4→1 歴史に残る作品だと思います。私が温めて温めて、最後の切り札にとっておいた「1」の栄誉を与えるにふさわしい作品だと思う。この数字を与えることによって、むしろこの作品の絶対性を強調したい。現代アニメにおける奇跡と言ってしまっていいのではなかろうか。 何が奇跡かって、興味が湧いた人はなんとかして1本でいいから見てほしい。序盤はまだ救いの要素があるため、オススメは私が感想を書いた3話目以降。多分、それ以降ならどの話数から見てもさして問題ない(問題がありすぎてどうでもよくなる)。とにかく、褒めるべき点が1つも無いのだ。常々私は「一周回って面白い」はよくないと言っているのだが、すまん、今作に関しては、もうトリプルアクセルして面白い。全ての筋立て、全てのシーケンスで、「そうなるべき姿」を絶対に見せないという、クソアニメのイデアを煮詰めたような作品である。 作画はもうメチャクチャで、多分代々木アニメーション学院の在学生の卒業制作の方がはるかにクオリティが高い(かつて代アニが作ったアニメもありましたね)。しかしまぁ、作画がボロカスの作品なんてものはこれまでもたくさんあった。今作の場合は、まずもって作画チームに渡る以前のコンテの時点で壊滅してるだろうと思われるのが素晴らしい。およそ映像作劇を学んでいないんじゃないかと思うような、視聴者の「快」を追い求めない演出姿勢。とにかく分かりにくい画角を取り、絶対に矛盾するようなカットのつなぎを目指している。シナリオの要請には従わないことを良しとし、「間違い探しの間違ってる方の映像」みたいな仕上がりだ。 そうして作られた映像について、それならコンテをあげた人間が全て悪いのかと言われるとそうでもなくて、そもそも脚本時点で真面目にやる気があるのかかなり怪しい。おそらく企画会議の時点で「Oh! SAMURAI! NINJA! YAKUZA! ZOMBIE!」という盛り上がりを見せたのだろう。まぁ、トンチキな設定も笑い話に出来るなら問題ないし、恥ずかしげもなく全力でやってくれればエセジャポネスクは面白くなる可能性も充分あっただろう。しかし、脚本家はこの設定を投げられた時点で「こんなんクソにしかならんやろ……」と匙を投げたのではなかろうか。山もなければオチもなく、まるで「ネットに上がってる怪しい漫画の広告の文章を繋げた」みたいな脚本になっている。もしかしたらあんまり時間をかけずにAIに出力させた結果なのかもしれない。個人的には、ラス前で誰に聞かれたわけでもないのにシャアがいきなり事の真相を全部丁寧に、ゆっくり説明した後に突然キレて暴れ出すくだりはホントに無理だった。ヤクをキメてもこの脚本は書かない。 こんだけ書いてるけど、別に個々のクリエイターをくさす意図はない。正直、この企画が通って作品として世に出ている時点で疑問があるのだし、製作を依頼されたクリエイターにどれほどの時間や資源が与えられたのかも疑問だからだ。「何故、このような作品が2020年の日本で生み出されたのか」というのは実に興味深い問題である。世の中には、この作品を生み出すことで利益を得た人間がいるのだろうか。刑務所で穴を掘る仕事と似たようなものを感じる。 何が悲しいって、こんな作品でもキャストの皆さんは全力で演技をしてくれているということだ。もちろん画なんてない状態でアフレコしているのだろう。生き死にを賭けた壮絶な演技で魂を吹き込んでくれたアニメが、まさかほとんど静止画だったり、めっちゃ叫んでるのに半笑いの映像だったり、そもそも映ってなかったりするなんて思いもしなかっただろうよ。声優さんたちには「どんな作品であれ、仕事をするなら愛を持って接してほしい」とは思っているが、今作に関しては狸に化かされたのだとでも思って、スッキリ忘れてほしいと思う。池田秀一はもう忘れてるんじゃねぇかな。
「A.I.C.O. Incarnation」 5→4 なんというか……すごく内容に乏しいアニメだったのよね。いや、この表現も間違ってんな。うーん、なんて言ったらいいんだろう。このアニメに対する不満点を上手いこと表現する言葉が見つからない。 映像はちゃんとしている。ハナハル絵の再現度は非常に高く、ハナハルデザインが好きな人(まぁ、私だ)にとってはそれだけでプラス判定を出しても良い。ただ、それなら「かみちゅ!」や「翠星のガルガンティア」に肩を並べるかというと、決してそうは思えないのである。残念ながらキャラデザだけでアニメの質は決定しないのである(当たり前だ)。 すごく端的な部分から触れていくと、例えば用語の取り回しが非常に不親切。別に名前をつけなくてもいいじゃん、と思うような要素にも片っ端から専門用語をつけており、初見の人間からすると何を言っているかわからない。毎回ちゃんと見ていれば各々の単語が何を表しているかは一応わかるわけだが、全ての用語を1週間後まで覚えているわけでもないし、途中から対応関係があやふやになると「えっと、こいつら何言ってるんだっけ?」みたいな状態になってくる。ついでに人名がややこしい(どこに誰の人格がいるんだ、みたいな話になってくるし、同じ名前を持つ概念の人格までいる)。これらの情報を処理しながら見ていく場合、そこに「謎の奥が知りたい」というモチベーションがあれば問題ない、というかむしろ謎めいた雰囲気は好奇心を刺激する要素にもなりうるのだが、今作は何故かそういう刺激を与えられた気がしない。結局1クールのドラマを通してやっていることは「とにかくプライマリーポイントに行くんや」というだけの話で、どうにもメリハリに乏しい。そう、これだけややこしくて情報量が多いようなふりをしているが、やっていることはかなりシンプルで、物足りないくらいなのである。おかげで途中で興味が途切れ、「こいつら、いっつもウニョウニョしたやつと追っかけっこしてんな」くらいの印象になってしまうのである。 多分、マターとのドンパチを見せる派手なアクションシーンと、主人公・アイコの人格と発生を巡っての「バイオ実験ドラマ」のプロットをバランスよくまぜこめばそれぞれを引き立てて面白いものになるという予定だったのだろうが、残念ながらどちらにしても殻を破るほどのインパクトが無くて、「面白そうな要素はいっぱいあるんだけど」というくらいで終わってしまった。これで2クールあったらもっとよくなるかと言われたら疑問だし、もっとコンパクトにサクサク行ったら今度は煩雑になりすぎる気もするし……うーむ、どうやったら正解が出るんだろう。結局「何が引っかかったのか」がよく分かってないんで、上手いこと評することができない……。 1つアイディアがあるとするなら、これってもしかしたらネトフリで一気に12話観てもらうことが前提の作劇になっているんじゃなかろうか。もし休日に一気に見るなら、上述のような「専門用語わかりにくい問題」も解決するし、物足りないようなボリュームだって、一気に見たら充分な物量に感じるだろう。まるで2時間の劇場アニメみたいな感じで、起承転結のわかりやすい「なんとなくSFドラマ」として成立した可能性はある。地上波で1クールをのんびりやる前提で作られていないが故の引っかかりだと仮定すると、ある程度説明できる部分があるのだ。いや、本当にそうなのかはわからんけども……。今後のアニメ制作は、もしかしたら「ネトフリか、そうじゃないか」によって中身を調整する必要があるのかもしれない。まぁ、そんなこたぁプロの脚本家の方が嫌という程考えてるんだろうけどさ。
「異常生物見聞録」 3→3 クセの強い作品であった。訳のわからない断り書きをしておくと、「3点」って書いてるけど3点だと思うほど嫌いではない。……私の点数付けはもうボロボロよ! いや、聞いてくださいよ。そりゃね、このクオリティは3点ですよ。アニメーションとしてみるべき点は全く無いし、絵のショボさは現代アニメとして割と致命的なレベル。今期は「ジビエート」という遥か高みに至ってしまったクソアニメと並んだので印象が緩和されたが、平時ならば「こりゃぁダメだぁ」と匙を投げられるレベル。んで実際に匙は投げたんだ。その結果の3点である。 ただ、そうしてとにかく低クオリティなのは認めつつも、他にはないテイストがあった部分はフォローしてもいいかな、とはちょっと思うんだ。結局「ゴッドオブハイスクール」と同じ「面白くはないが興味深くはある」というのが最大要因ではあるのだが、それ以外にもそもそも私が好きな「ドタバタ長屋もの」の要素を含んでいるため、「個性的なキャラが集まって仲良く喧嘩する」みたいな部分の楽しみはあった。主にわんことコウモリの2キャラのみの掛け合いだけど、その後に入ってきたデーモンの存在感とか、要素としては面白い部分もあったのだ。あとは、なんでこの設定で半端にバトル要素を盛り込んじゃったんだろう、という部分を飲み込むかどうかで、私としては「もっとゆっくり楽しめる舞台設定にすれば作画も楽になっただろうし、別な方向に楽しめたのになぁ」というので点数を維持した。わんこがもっと可愛いところを見せつける展開になればよかったのに。 改めて確認するが、今作は中国原産アニメである。そして、脚本構成部分もがっつりと現地スタッフが食い込んだ中国度合いの高い作品である。台詞回しにやたら違和感があるところとか、ネタ回しが微妙に日本人の感覚からずれているところとか、どうしてもアニメを楽しむ時のハードルになる要素があったのは間違いない事実だ。ただ、これって結局慣れの問題には違いない。コテコテの洋物ドラマだって、おそらく始めてみたら違和感はバリバリだろうが、我々日本人は数をこなして「洋物の味」を覚えた。きっと中国センスのアニメだって、いつか楽しめるようになる日がくるはずだ。 サンプル数が少ないので完全に予断だし余談なのだが、私は今中国パブリッシャーのソシャゲをぽちぽちしていて、なんだかそのゲームと今作は通底するセンスがあるように感じている。その端的なサンプルの1つに「ゆるキャラの概念がズレてる」っていうのがある。いわゆるへちょ絵的な「崩したデザイン」って、日本の萌えキャラ・ゆるキャラの文脈で確実に培われてきた文化の1つなのだが、中国デザインだと、これが本当に「手抜き」とか「ぐちゃぐちゃ」につながるところが微妙にズレになっている。本作の次回予告で出てきたようなミニキャラデザインって、なんか独自文化で発展したもののように見えて、その違いがどこからきているのかがちょっと気になるのである。オタクはオタクなりの文化交流の方法がありますよね。 |
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Thraxi
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男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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