最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「ソマリと森の神様」 5→5 1ミリたりとも予想していた方向からズレることなく幕を下ろした。ただ、結局はこういう王道のいい話は、いい話だからいい話である(語彙)。とりあえず水瀬いのりが「おとーさん」って誰かを呼んだらろくなことにならないってことだけはわかった。火葬砲は命を削りすぎるな。 まだ完結しているお話ではないのでアニメが中途半端なところで終わることは覚悟していたが、マジでなんの救済策も無しに俺たたエンドされるとは思ってなかったのでそこだけちょっとショックか。ゴーレムさん、暴れる前の時点でかなりリミット迫ってたわけで、下手したら最終回の後に1日2日で稼働停止しても文句言えないレベル。その状態でほったらかされて、視聴者はどうしたらいいってんだよ。まぁ、今回のことでソマリもある程度の覚悟というか、現状認識は出来たと思うので、終活を続けながら、シズノたちと暮らしていく方策でも模索するかなぁ……。 開始当初は「ソマリのお子様としての無邪気さでイライラさせられそう」と思っており、実際に何度かはソマリのせいでピンチにもなっているのでこれまた予想通りではあるのだが、そこまで身勝手な子供というわけではなく、ちゃんとTPOをわきまえた行動も多かったし、事件が起こった場合は不測の事態も多かったのでしょうがないと受け止めることができた。そして基本的に事件よりも心温まるお話の方が多かったのでストレス要因になりにくかったのはありがたい。あとは無垢なる幼女がどうやって外界と接していくかを見守っていくだけのお話だ。 ただ、やはり私は立場上(子供なんていないけど)ゴーレムさんの方にばっかり感情移入してしまうので、「これからどうしたらいいんだろう……」っていう絶望感ばかりがつきまとってましたけどね。キャストのせいもあるけど、このどうしようもない絶望感とか、先の見えない辛さってのは「planetarian」の悲劇に通じるものがあるかもしれませんね。老いて朽ちてゆくだけの者たちは、できる限りの未来を若い世代に託していくことしかできない。ゴーレムさんは、ソマリという人間の少女に、今後の「人類」の未来を託すしかないのである。まぁ、最終回間際の扱いを考えると、今後も人間種族には苦難しか待ち受けてない気がするけど……。 とにもかくにも、独特の世界観で1クール分の「望ましい」物語は楽しませてもらいました。出来ることなら、なんとかゴーレムさんの行く末にもハッピーエンドが訪れますように。 PR 「ダイヤのA actⅡ」 5→5 これは1年分のお疲れ様やね。大丈夫、ピカちんや鬼太郎と違って、別に大してロスはない(ひどい話や)。 まぁ、「七つの大罪」とかと同じ枠なので「MTGアリーナやりながら環境音楽として流してる」くらいの付き合いだったんですが、こっちの方はやってることが野球の試合ですからね。「七つの大罪」よりよっぽど理解は追いついてます。そもそもこの作品以前にずっと長い付き合いもあったし。これまでなんとなく見てきた青道野球部がどんな活動を続けているのか、父兄会みたいな気持ちでゆるっと見守るのにちょうどいい。しかも展開次第ではひたすら細谷ボイスのナレーションで試合展開を読み上げるっていうプロ野球ダイジェストみたいな展開も多く、耳で聞いてるだけでもあらすじが追えるのは親切設計である(いいか悪いかは別にしてな)。野球アニメは本気で全部のモーション作画やろうとしたらめちゃめちゃしんどそうだが、今作はそうしたウェイトはあまりかけず、必要なシーンだけを大きく切り取るデザインなので、良く言えば気楽、お手軽なのである。いや、絶対に制作スタッフは楽だとは思ってないだろうけども。でも1枚絵の見栄えで勝負する作品だったのは間違い無いと思う。それこそ原作漫画を切り取ったみたいな作劇が多かったんじゃなかろうか。夕方アニメで長い尺を維持するには、これくらいがちょうどいいんだと思うよ。 沢村たちが2年生になり、クセの強い1年生との絡みがメインで展開していくためにいろんなところで成長が見えるのは長い作品ならではの楽しみ方だし、沢村・降谷の2枚看板で試合が進むので単なる1人のピッチャーの物語じゃなくてチームとしての継投とか、好不調による起用の機微なんかにも焦点が当たるのが本作の売り(川上もおるがな)。特に、「圧倒的な強さ!」みたいな見せ方で勝負を仕掛けず、本当に地味なところからの積み重ねでギリギリの試合を勝ち抜く過程は、まさにプロ野球を応援してるのと同じ感覚で盛り上がれる部分。今作が長いこと愛されてるのって、そういう「地味にリアル」な部分を強調してるところなのかもしれませんな。 多分またどこかの枠で帰ってくることになると思うのだが、はてさて、この漫画のゴールはどこになるのか。御幸がいるうちに優勝できるのかなぁ。
「異世界かるてっと2」 5→5 よいゴッドブロオオオォォォウ! でございました。 まさかの3期決定。なるほど、こうして世界さえ作ってしまえばおちゃらけギャグならいくらでも延長は可能なんだよな。一応「学園もの」っていう縛りはあるけど、そのあたりもいくらでも調整は効くことがわかったし。さらにシリーズが進めば売れた他のなろう系とのコラボで増援も可能。節操のないコンテンツだと思っていたが、その節操のなさ自体が売りになるのだとしたら、いいぞもとやれ以外のコメントは特にない。まぁ、今期だって「別に盾いらなくね?」という話ではあったが……(フィーロ可愛いからいいだろ)。 今回も実にユルく、見たいものを色々見せてくれた。特にびっくりしたのは、一瞬だけとはいえまさかの駄女神共演が実現したことである。こういう楽しみがあるなら、なろう系アニメもちゃんと履修しとくべきか……という気持ちになり、それこそ作り手側の思うツボ。まぁ、毎度そんなに盛り上がるゲストが出てくるとも思えないけども。あと、ぶっちゃけると「このすばの続編があったほうが嬉しくない?」って話ではあるんだけども。とりあえずつなぎでもいいのでアクア様の活躍が見られればそれでいいよね。あとパックも。アルベドも。ハムスケも。……こうして並べると、やっぱりかるてっとにしか出来ないことってあるな……。 「7SEEDS」 5→4 正直、これも「なんで今作ったんだ」案件なんだよなぁ。いや、別にそんな古い作品でもないらしいけども、ネトフリが金出して作ってるのに、特に見るべき点はない「雑多なアニメ化」になってしまってるのはどういうことか。最近薄々わかってきたことだが、ネトフリ案件って別にそんなに環境が良いわけではないのでは……。 大きな取りこぼしがあるとも思わないのだが、アニメになって得した要素があるとも思えない作品。強いて挙げるならキャストが賑やかなことは一定層にはややプラスな可能性はあるが(こっちでもアザリー(の中の人)大暴れやな)、流石にそれを売りにするような作品ではなかろう。それよりも求められているのはその凄絶なストーリーラインをしっかりと意味あるものとしてアニメの文脈に乗せること。それなりに画面映えしそうな作品のはずなのだが、全体を通してやたらと淡白で、ショッキングなシーンでもすぐに感覚が鈍化して逼迫感よりも「進行しなきゃ」という義務感の方が強く感じられる。「とにかく限られた尺の中で話を進めないと」という意識が強くて、お使いムービーみたいになってしまっている感じか。 原作の構造からしてしょうがない部分ではあるのだろうが、多数のチームの描写が交錯してなかなか焦点が定まらない状態で進んでいくため、生きるか死ぬかの過酷な環境での戦いにどっぷりと浸かることが出来ないのは大きな問題だった。時間のズレとか、地理的なズレとか、とにかく「いろんな要素が複雑に散りばめられて、それが収束していくのが面白いのだ」っていうのは事実なんだけど、状況の把握にある程度の労力を費やす必要があり、おそらく作劇している側も「わかりやすさ」「伝わりやすさ」を優先して、説明的な部分を増やしての展開を意識しているはず。おかげでヒューマンドラマとしての側面がどうしても事務的になり、サバイバル要素の臨場感に繋がらなくなってしまっているのだろう。冒頭では本当に生きるだけでも手一杯みたいな状態だった連中が、いつの間にかなんの問題もなく日常生活を送れるようになってたり、とんでもない距離をあっという間に移動してたりするのはどうしても違和感がある。ある程度システマティックに割り切るのだったら、例えば時系列表を入れるとか、マップを入れるとか、原作にない要素だとしても「とにかく効率的に事実を伝える方法」を模索すべきだったのかもしれない。半端にアドバンチャー、半端にサスペンスだと、観る側のテンションが定まらないのである。まぁ、まだ全てのネタが明かされたわけではない段階なので、ここまでの作劇も全て伏線っていう可能性もあるのだが……。 ネトフリでは2期目が春から放送開始らしい。地上波におりてくるのはまた半年後くらいだろうか。それまで、今回作られた人間関係を全部覚えてられるかな……。 「魔術士オーフェンはぐれ旅」 5→3 身内に狂信者がいるのを承知しているので心苦しいのだが、まこと残念なアニメ化になった。まぁ、「封神演義」にしろなんにしろ、リバイバル作品は成功する例の方が圧倒的に少ないので覚悟はしてたけどさ……。 何よりもまず、圧倒的作画リソースのへなちょこ加減。現代アニメとしてリビルドすることの意義に「今の技術で新しく美しく」ってのがあると思うのだが、時期も悪かったのだろう、今作の作画は誰が見ても分かるレベルでへなちょこ。もともと時代がかったキャラクターデザインなので現代版にリライトして動かすのは神経を使う作業だったとは思うのだが、残念ながらそれ以前の問題。最近のディーンは安定感があったので期待してた部分はあるのだが、どうやら今作は本気の作劇とはならなかったようだ。 そして構成部分も「封神演義」「うしおととら」なんかと同じ末路を辿り、やたら性急で話の要素を拾い続けるような展開に。全く覚えてないけど旧作でこんだけ物語の内実についてのあくせくした印象はさっぱりなくて、むしろオーフェン御一行のスチャラカ珍道中みたいなイメージがあったので、今作でひたすら「だいたいアザリーのせい!」って言いながらオーフェンが生まれ育ちに悶々として喧嘩してる展開はむしろ意外だった。アザリーとチャイルドマンの真実が明かされるのがやたら早くて、その後のオーフェンのモチベーションがよく分からなくなってたんだけど、構成としてこれで正しかったんだろうか? いちいち「現代で事件に巻き込まれたよ」→「その元凶はあの時のあの出来事だったんですね(回想)」っていう展開が繰り返されるので展開もワンパターンになり、視聴者目線だとその度に「何がほんとで何が嘘なの?」って目線が散らされる。いっそ学生時代の話から時系列順にやったほうがよかったのではないかという気になる。後になればなるほど「チャイルドマン、すげぇやつだったんだぜ」って言われるのになんでそのすげぇやつが物語の冒頭で亡き者にされてんだ、っていうのが違和感になっちゃうし。 結局、「なんで今リメイクしようとしたの?」という疑問に積極的な回答を与えられない時点で残念である。これ、別に続編の企画とかはない単発ものなんだよね。企画意図がさっぱり分からん。 「ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル」 5→5 これはたいそう申し訳ない案件である。何が申し訳ないって、当初の目算よりも随分「ちゃんとした」作品だったのだが、ないがしろにしていたせいでこちらに受け入れ態勢を整えられなかったこと。よってあまりここで評点する意味もないのだが、少なくとも一定の価値を見出していることだけは記録しておきたい。 スタート時点で「長い歴史を持つオンラインゲームのアニメ化」という時点でだいぶ偏見があったのは事実だ。「どーせ初見の視聴者にはよく分からない、キャラがうじゃうじゃ出てきてごちゃごちゃしてぐちゃぐちゃになるやつでしょ?」と思っていた。そして、実際に導入部では大してキャラ付けも終わってない段階でじゃかじゃかキャラが出てきて訳が分からなくなったのは事実である。当初は「キャストが濃いから覚えやすいわwww」とか思ってたのだが、なんとこのアニメ、キャストが濃すぎてどこの誰がメインキャラなのかもよく分からないという、贅沢すぎるみたこともない問題を抱えていた。出てくるキャラが全部主役級のウェイトで描かれているせいで、もう誰がメインでどこかサブシナリオなのか分からなくなってしまったのである。 そうした理由に加えて2クールという長丁場だったせいで、「一応目の端には入れているけどシナリオラインを全然追いかけられない」という情けない状態でギリギリしがみついているような視聴状況になってしまった。2クール目を迎え、1つ1つの要素が解きほぐされていくに従い、「これ、ちゃんと最初からキャラを把握しとけば問題なく見られたし、それなりに凝った構造になってるから面白いやつだったのでは……」と後悔し始めたが時すでに遅し。物語は二転三転し、もうちょっとやそっとの復習ではついていけないところまで進んでしまっていた。しょうがないのでもう雰囲気だけで楽しむしかなかったわけだが、今作はとにかく作画リソースが安定して1人1人のキャラがしっかり動いているため、そうした「ぼんやり視聴」でもある程度満足できるレベルにまでなっていたのは良かったのか悪かったのか。何が正義で何が悪かという概念もグルグル動き、タイムリープ要素で時間軸までザクザク回る。そんな中で、着実にキャラ1人1人の物語が収束していく様子が見えるのは、それだけで「もう、とりあえずこれでいいや」と満足することにしたのだ。 ボスキャラ候補だけでも恐ろしい数がおり、その時々で常にクライマックス感。「え? お前味方だと思ったら敵に回ってたけど、最終的に味方サイドでいいの?」みたいなキャラが山ほどいるのは笑ってしまう。バトル自体は王道なのであまり戦闘にギミックがなくて単調な切った張っただけだったのはちょい不満だが、これだけの規模で宇宙戦争を繰り返すならあまりギミックを仕込んでも大差はないか。多分、最大の難点はこれだけ見てても割と完結できそうなので、ここから「よっしゃ、ネトゲやろ」っていう気持ちに一切ならないことくらいである。 今作についてはとにかく私自身が要反省だ。きちんと追いかけていたファンの人には申し訳ない。あと、しゅが美にも申し訳ない(視聴が継続できた最大のモチベーションであった)。
「pet」 5→6 凄まじい作品だった。今期はこれと「ID」が一緒に放送されていたことを考えると、なんとも不思議なつながりを感じる部分もある。ただ、「ID」がアニメオリジナルで自由に世界を作れたのに対し、こちらはあくまで漫画原作のアニメ化。その困難は全く異なるものであろう。よくもまぁ、“こんなもの”をアニメ化しようと思ったものだ。 正直、申し訳ないことに話の中身を十全に理解したとは言えない状態だ。今作に関しては流し見していたわけではないのだが、序盤から中盤にかけて、「まぁ、そのうち説明があるやろ」と思って適当に処理していた部分が、結局最終盤まで重要な要素であり続け、そのままの情報量で最後まで走りきったためだ。1クールでここまで詰め込み型の作品だと分かっていれば、もう少し注意深く精査することも出来たのだろうけど。これもまぁ、大量消費型のアニメ視聴スタイルの大きな欠点であろう。できることならもう一度最初から見直したいところだが、とりあえず現時点での雑感程度である。 「記憶」といういわく言いがたいものをメインテーマとして取り扱った作品であり、登場人物の多くが人の記憶をいじくりまわし、催眠のような状態に落とし込むことができる。その時点で、画面に何が描かれたとしても不確定要素が多く、下手したらあっという間に破綻してしまう恐れもある世界設定だ。実際、冒頭部分では「もうこれ、なんでもありやんけ!」と思って匙を投げた部分はあるのだが、もちろん原作がきちんと完結した上でアニメ化されている時点で、適当な要素など許すはずもない。多くの登場人物が能力者であり、それを取り巻く人々もほとんどがそのことを理解して動いているため、すぐにステージは「イメージ持ちどうしの権謀術数の世界」へと落とし込まれていく。その中心には林という1人の男がおり、そこから派生して悟の物語、司の物語が並行し、「ペット」と「家族」を思う人の心が常に中心にあり続けた結果、最後のキーであるヒロキが生み出される。イメージを持つ人間はやろうと思えばなんでも出来るのだが、それ故に多くの制約を自らに課す必要があり、その事実に誠実に向き合った林が、まず真っ先に壊されてしまった。 そして、「ヤマ」「タニ」といった独特の構造は、一人の「親」の崩壊をなし崩し的にその「子」、そして「pet」へと連鎖していく。チャイニーズマフィアの怜悧な利潤モデルとも衝突し、人の心、そして自分の記憶を守るためのギリギリの戦いが続く。改めて振り返ってみると、本当に限られた人間関係の中だけで物語が進んでいくというのに、常に二転三転して何が真実なのかを煙に巻く、怒涛の展開である。そりゃまぁ、1クールアニメにしたら、事実の列挙だけでも一苦労するのは間違いないだろう。 しかし、今作はそうして「プロットが超大変」というハードルの高さがありつつも、決してテーマ性をアニメに落とし込むことに妥協をしていない。「記憶」の描き方、そして「イメージ」の描き方。アニメならではのふわふわと覚束ないビジョンが常に不安感を生み出し、夢ともうつつともつかぬ世界での精神を削り合う攻防をダイナミックに描く。おそらく制作のジェノスタジオはそこまで作画スタッフが潤沢ということもないと思うのだが、おそらくディレクションが一貫していたのだろう。それぞれの話数で大きな乱れが生じることもなく、徹底して「petの世界観」を守り通すことに成功している。ぶっちゃけ「気持ち悪い」画面も数多く展開するのだが、そうして不快感や不安感を煽る演出が綱渡りのような危ういこの世界を何よりも体現していたわけだ。原作漫画を全く知らないのでどこからがアニメスタッフの手腕によるものなのかははっきりしないが、これだけのものを「アニメにしよう」と決意したスタッフ陣はさすがとしか言いようがない。「刻刻」に続いてのツインエンジンの「よくこんな原作見つけてきたな」という事案であり、大森貴弘監督の「よくこんなもん映像に出来たな」という事案でもある。やっぱり、この人の映像センスは現代アニメの中でも異彩を放っている。 あとはまぁ、それぞれのキャラクターの魅力をどれくらいに見せてくれるかっていう阿漕な部分の勝負になるだろうか。おっさんだらけの世界の中で、なかなか現代アニメとしてキャッチーな部分を作るのは難しかっただろうが……まさか最萌キャラが桂木になるなんて、1話目では想像もできなかったよ……そりゃみんな桂木さん好きになるに決まってるわ(エンドカードに桂木出過ぎ問題)。そうそう、音響面でのこだわりも忘れちゃいけない要素で、あえて日本人キャストに中国語会話をさせた狙いも汲み取りたいところ。今作では「北京語がわからない」というファクターが非常に重要で、イメージの中なら「映像」で向き合えるので能力者同士なら垣根はないはずなのだが、ことが現実になると「言語の差」というあまりに分かり易すぎる壁が生じて「通じない」というのが設定の妙。まぁ、わたしゃ中国語なんてわからないので、キャスト陣がどれくらいちゃんと話せてたのかは分からないわけだけど……これ、中国でも配信はされてるんだろうか。地元のファンに受け取ってもらえたらいいなぁ。
「ゲゲゲの鬼太郎」 6→6 これも終わるよ……ロスだよ、大ロスだよ……「ピカちん」の終了と合わせて、朝アニメの沢城成分が一気に失われることになってしまった。いや、別に即座に命に関わる事案ではないが……なんか、やっぱ辛い。 こちらも「ピカちん」同様、約2年間のお付き合い。そして2年の長きに渡り、一切方針をブレさせることなく、「現代朝アニメとしての鬼太郎」を提供し続けてくれた。そりゃま、伝統ある作品なので色々と弄ることには賛否両論あったことだろうが、もともと水木しげる御大はそこまで細かいことを気にしない人である。面白けりゃいいだろうし、鬼太郎が鬼太郎として、現代社会を飄々と生き抜いていれば、きっと草葉の陰で笑って見守ってくれていたんじゃなかろうか。最終回ではねずみ男の口を借りて「戦争なんて腹が減るだけ」というあのメッセージも唱えられているし、緊迫感溢れるバトル展開の合間にも、どっか人間社会を小馬鹿にしたような滑稽さが盛り込まれている。こうして様々な姿を見せてくれるのも、鬼太郎ワールド、水木妖怪ワールドの良いところではなかろうか。 そう、まさに今作の良さはそのバリエーションの豊富さだ。放送が始まった時、「現代風アレンジは別に構わないけど、ちゃんと妖怪としての『怖さ』みたいなものは残してほしいなぁ。このアニメで初めて鬼太郎に触れる子供達に、トラウマを残すようなエピソードもみたいなぁ」と要望を出していたのだが、きちんとそれに応えるような正統派の怖い話もあり、そこから教訓めいたものを残す話もあり、徹底して後味の悪い話もたくさんあり。それでいて突き抜けたギャグの話も多いし、現代文化を余計なまでに取り入れて突き抜けた妖怪たちの姿にこの上ないたくましさを感じたり。最終回では必死に演説動画をアップロードする砂かけ婆の姿が確認できて、いつの間にか妖怪軍団のIT担当になってたのが面白かった(仲間のためにFXで増やした資産をつぎ込んであげる優しい砂かけとか、誰が想像しただろう)。 妖怪ってのはもともと「現象に名前をつけたもの」であるはずなのだから、それは怖いものもあり、楽しいものもあり、困ったものもあり、どうでもいいものもあり。そうした有象無象をひとまとめにして飲み込んでしまえるだけの度量のあるアニメだった。東映作品ってことで作画クオリティは大して期待してなかったのだが、長期シリーズの割には案外安定した供給体制になっており、格好いい、不気味、そして可愛いとキャラの個性は引き立っていた。当然、その中では「可愛い」についてがダントツで気になるところでして……ねこ姉さんとまなちゃんの関係性がガンガンに掘り下げられたのは……これまた世相を反映したものでしょうかね(素直に視聴者のニーズに応える製作者の鑑である)。いいぞもっとやれ。いや、単に定型句としてじゃなくて、マジでもっとやって。 終わるかぁ……まー、きちんと長期スパンでのシナリオラインも作っている作品だったし、エンドレスで垂れ流すっていうデザインに切り替えるわけにもいかないしなぁ。願わくは、またこうして鬼太郎が時代に合わせて戻ってきてほしいところである。まぁ、その時はまたキャストが変わって別な作品にはなるんだろうけど……目玉のおやじさん、いつまでいけるかなぁ……。 「地縛少年花子くん」 6→6 シンプルに好き。こういう作家性がバリバリ発揮されるアニメは他の作品で補填できない分、やっぱりありがたみが違うわね。 「作家性」って言葉を使ったけど、漫画原作のアニメ化なので当然この言葉には2つの意味が出てくる。1つは当然原作の「作家」で、第一印象でも書いたけど丸っこくて枠線の太いデザイン性はとても好み。見てて気づいたけど、近いデザインってきゆづきさとこかもしれない。丸っこい目に、個性の強い色の塗り方。1枚絵として映えるデザインをそのまま漫画で展開しているような贅沢な仕様である。 そうして個性の強い漫画の絵ってのはアニメにしにくいもので、アニメ化に際して良さが失われてしまう場合が多々あるわけだが、今作はそこを見事にアニメの魅力に転換している。そこが2つ目の作家性、つまりアニメ監督のセンスである。最近どんどん好感度が上がってるけど、やっぱり安藤正臣はうまい作家だと思うのよね。得意の「コマ割り演出」のおかげで、上述の「漫画絵を動画に転化しにくい」っていう問題を大胆に解消しているし、止め絵要素が多い方がシンプルに見せられるっていう作品の性質に綺麗にフィットしている。いや、別にもっと動くデザインでも面白いものは作れるのかもしれないけど、おそらく動画部分で多少なりとも省エネしているからこそ、今作の最大の特徴であるエキセントリックな色彩や、個性的なキャラ造形をアニメとして展開できているのだ。無理に背伸びせずに長所を伸ばせるディレクションは、それだけで「アニメ化」に価値を生み出してくれる。 まぁ、ここまで本当に技術的な良さばっかり書いているので「お話の中身はどうやったんや?」って話になるけど、まぁそこは普通よね。最近だとこういう「ガンガン系」みたいなお話も減ってきた気がするけど、ちょっと幽霊、ちょっと冒険。そしてちょっとラブコメ。最大の特徴となるのはメインヒロイン寧々ちゃんの設定で、ここまで大々的に「別に可愛くないよ」って言われてるヒロインも珍しいよね。アニメとしてみてたら充分可愛いんだけど、作中では主に足の太さにしか触れられておらず、「可愛い」ポジションは圧倒的にライバル(?)の七峰の方に回っているという。まぁ、メインヒロインは実は花子くんの方と言えなくもないからね……。そう、やっぱりねちっこすぎて胃もたれするほどの緒方恵美劇場ってのが一番の濃い味ですからね。この設定で、あの声で2役やるんだもんなぁ。よくもまぁ、鬼頭明里は押し負けずに対抗できたもんだと思うわ。 強いて不満をあげるとするなら、やっぱり未完の漫画原作だから一旦終わっても座りが悪いって部分くらいですかね。テーマが七不思議だから、続けられるとしてもそんなに長くは引っ張れないと思うんだけど、どんな最終回を迎えるんだろうね。できれば2期もみてみたいところだけど……アニメ化されるかなぁ。ちなみに今作で一番気になったところは、チビ妖怪役に吉田有里と森永千才が一緒にキャスティングされてたところ。そこ……分ける意味あるか?!
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Thraxi
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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