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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ランウェイで笑って」 6→5

 評点は下げたが、決してネガティブな印象があるわけではない。普通に作られて、普通に原作の内容を全うしたアニメである。

 いくらかのビハインドがあったのは事実だろう。1つは、これまでのアニメの歴史において、なかなか「ファッション」というものにスポットが当たった作品がなかったこと。方法論として、どうしてもアニメ業界は「ファッションそのものを見せる」というノウハウに欠けるため、単なるキャラ作画だけでは処理しきれない部分は大きな負担になったはず。そしてもう1つは、深夜アニメを見る層は、根本的にファッションにそこまで興味がないということ。いや、後者は偏見でしかないのだが……多分、私みたいな人間が少なからずいるのは間違いない。そうした層に対し、「ファッション」というものをメインテーマとして魅力を叩きつけるには、過剰ともいえるくらいに大胆なアニメの仕掛けが必要になると思うのだ。今作は「原作のアニメ化」としては至極真面目な作品ではあるが、「ファッションのアニメ化」としてはもう一工夫欲しかったところだ。

 とはいえ、私は原作コミックは素直に楽しんで読むことができたのだから、「オタクがファッションに興味がないから面白いと感じない」は嘘なんだけどね。やっぱりそこは漫画とアニメという媒体の違いであろうか。漫画の場合、そもそもモノクロだし、絵の癖がダイレクトに出るので、ファッション部分については読者側もそこまで過度な期待をしているわけではない。むしろ話の運び方とか、コマの割り方とか、そういう部分でどれだけ見せるべき部分を際立たせられるかの勝負になる。少年漫画的な「バチバチのファッションバトル漫画」として、原作コミックは問題なく目的を達成していたのだ。

 転じてアニメの方はどうかというと、こちらも別に不足があったとは思わないのだが、やはり「せっかくアニメにしたのだから」という欲が出るのは仕方ないところ。そこまで作画クオリティが飛び抜けた作品ではなく、どっちかというと「プラスアルファを盛り込んで」というよりも「できる限り原作の魅力を取りこぼすことなく」という方に意識が回ったのだろう。原作で意図されていた「ファッション的見せ場」について、誠実な見せ方になっていたとは思うのだが、すぐに流れてしまうアニメの映像の場合、一連の流れの中でファッションの魅力を叩きつけるにはもう一つ何かが欲しかったのである。

 もちろん、だからと言って全てが「漫画以下の単なるフォロワー」だったかというとそうとも思わない。私が印象に残っているのは、服そのものではなく、千雪がランウェイでいかにして歩くか、どのように動くかを見せ場としたシーンである。体の小さな千雪は常にランウェイで「表現すること」を考えながら、必死に戦っているわけだが、彼女が柳田の服を預けられ、それに育人が手を加えて急場をしのぐシーン。そこでの千雪の頑張りは、身体の動かし方からきちんと伝わってくるものになっていたと思う。当たり前の話だが、そうして「動く」という部分を見せるならアニメだって有利な部分は多いのである。それがこのアニメではなかなか出てこなかったっていうだけの話なのだ。

 千雪の精神性は、実際にランウェイで輝いているシーンを見れば伝わってくる。そうなると、できればもっと見たかったのは育人の頑張りの方だったということになるか。いや、彼は彼で文句なしに主人公しているし、原作通りなのだから不満もないのだが……今後ますます降りかかってくる彼の災難は変わらず見どころであり続けるので、できることならこの続きも是非アニメ化してほしいものである。多方面からバシバシ叩かれてめげずに強くなっていく育人の素直な「少年漫画っぽい活躍」はこれからも展開されるのだし、千雪や心といったキャラの人生はこれからが本番である(個人的には千雪の親父さんの人生のキツさがもっと見たいところではある)。今のところ2期の報告はないのだが……流石にここで終わらせるのはもったいないよねぇ。

 

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SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!」 6→7

 良き……。新たな時代と、過去の栄光が交わる場所、それがミディシティだ。

 思いの外どっぷり浸かってしまって、なんだか悔しさすらある。3年ものブランクが空き、前作の記憶も薄れたところにさらに新バンド導入ってのはなかなかハードルが高いと思ったのだが、むしろそのフレッシュさが売りとなり、新たなSB69の魅力を発信する作品になっていた。折良く(というか必然的に)アプリ配信もスタートし、常に身近にキャラクターたちの存在を感じられることも、今作のアットホームな雰囲気にはマッチしていた。無事に新作製作も決定し、二つの時代の集大成が見られるかと思うとそれだけで感無量。しょばふぇすやりながら、楽しみに待たせてもらおう。

 本作の良い点はいくつもあるが、やはり何と言っても新バンド・ましゅましゅの魅力が一番のセールスポイントになるだろう。元のアニメもプラズマジカの面々の愛嬌が一番の引っ張りどころで、2期に突入してぴゅるぴゅるスペースへ飛び出すなどのやりたい放題も人気を博したが、今回はダークモンスターの出現などもなく、本当に等身大の女の子たちの和気藹々としたバンド活動に焦点を絞った作劇。素っ頓狂なファンタジー要素は消えてしまったが、その分だけゆっくりと新バンドを観察することができる。そして毎回の感想でも触れていた通りに、ましゅましゅ4人の関係性が見ていて非常に楽しいのである。ほわんのあこぎなキャラ設定も他の3人のフォローと相まっていやらしくならずに本当にハートフルな主人公として立脚できていたし、全体をフォローするヒメコは前作でいうなら監督者としてのチュチュの要素に、主人公へのデレをみせるレトリーを足したような配置。レトリーほどの病気はなく、さりげない中にも着実な友情を見せる良き同居人である。そしてそんな脇で存分に時間を与えられ、デルミンとルフユの描写が捗ること捗ること。今作ナンバーワンキャラが誰かと言われたら死ぬほど悩むのだが、やっぱりましゅましゅ4人の総当たりだ。中の人的にはデルミン推しではあるのだが、ルフユがいなければデルミンの魅力も十全には発揮できないだろうし、それら全てがほわんに収束するような構図もある。まさに4人揃ってこそのルナティックバンドなのである。

 そうしてましゅましゅの物語が安定して進んでいく中で、バンドリなどの他のアイドル系作品との大きな差である「野郎を含む複数のバンドがそれぞれに個性を主張し合う」というごった煮的な旨味もきちんと発揮している。2代目のシンガンポジションについたどこゆびさんたちはクドすぎるキャラクターでましゅましゅに負けず劣らずのデビュー戦。こいつらが面白くなるのがこのSB69世界の良いところ。そしてまさかの先輩バンドとの共演(かつ狂宴)。まさか、ファンとしても旧作バンドの再登場でよりによってシンガンが選ばれるとは思ってもみなかっただろう……。ロム、あんたかっけぇよ……。

 結局最後までプラズマジカの姿は見えず、と思いきや、最後に匂わせで出てきたシアンさん。この2人、やっぱりどこか似てるのは間違い無いんだよな……対バンでぶつかった時にどんな化学反応を見せるものか。今から楽しみである。今回登場しなかった霧幻庵の面々も、新作では大暴れしてくれるものと期待したい。

 中の人の話を最後にするわけだが……やっぱりましゅましゅは4人全員良いからなぁ……まぁ、でもほわんの中の人、とのぴーにMVPを送っておこうか。こんなキャラなのに、中の人とのイメージがそこまでズレないってのは人徳ですよ。どうしても最近は響声優に甘くなってしまってるなぁ……。

 

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「歌舞伎町シャーロック」 5→5

 終わってみれば、存外悪くない作品だった気がする。設定でガンガン攻めたオリジナル作品の割にはあんまり記憶に残らなそうなのは残念ではあるが、2クールのオリジナルアニメとして、まとめるべきところはまとめている。こういう有象無象の作品が跋扈して収拾がつかなくなっていたのが、10年くらい前のアニメシーンなんだよな。

 正直、目が覚めるような面白さはない。新番チェックの時に危惧していた通りに、奇抜な設定で目を引く要素は多いのだが、それらが具体的に作品の魅力につながったかと言われると首を捻らざるを得ないし、設定「しただけ」で満足してしまっている部分があるのは事実だろう。奇人変人が出てくる「ミステリアニメ」としても特段高品質というわけでもなく、「まぁ、そうなればそうなるやろ」と「いや、そうはならんやろ」が半々くらいのイメージだろうか。細かいシナリオだけで見た時には、あまり見るべき点は無いと思われる。

 ただ、やはり2クールアニメの強みということだろうか、シリーズを通しての構成はそれなりに見やすく、収束性も悪くない。個人的に目を惹かれたのは切り裂きジャックの扱いで、彼が1クールの締め部分で一仕事してくれたおかげで、中だるみ無しでまっすぐにメインシナリオが引っ張れたのは大きい。なにせ放送開始直後からホームズの隣には「モリアーティ」という名前のキャラクターが出ているわけで、「お前、どう考えてもあかんキャラやんけ」というのは視聴者にとっては丸わかり(むしろそうでなかったら詐欺である)。そして切り裂きジャック事件の捜査が進むにつれ、「これ、どう考えてもモリアーティが犯人なんじゃ?」と思わせておいての一捻りである。そこで「あれ、意外な展開になったな」と思わせて、むしろモリアーティ編がそこからスタートする。あとは軸となるストーリーを追うだけで細かい部分はあまり気にならなくなり、さらに後半戦はきっちり1クール目で定着させた「突飛な」要素の回収に充てられているので納得しやすくもなっている。1クール目で「奇抜さだけのアニメだなぁ」と思って切ることさえしなければ、ちゃんと相応の見返りを用意してもらえるのである。

 ただ、そうは言ってもやっぱり準備段階というか、目くらまし的な装飾・虚飾の要素がうるさかったかな、という気もする。最後まで見て一番勿体無いと思ったのは、長屋の探偵の数だ。一応個々のキャラにスポットが当たる「お当番回」があったので無駄とまでは言わないが、おそらく1人2人少なくても充分シナリオは回せただろう。「個性派たちが集まる長屋」という設定を強調するために必要な人数ってことで6人が揃っていたのだろうが、結果的に目立たずに埋もれてしまうことになったので、そこを削った方がメインシナリオに力を入れやすかったんじゃ無いだろうか。最後に彼らが活躍した「モリアーティ救出作戦」の時の動きとか、なんだかとってつけたようで違和感のある展開になっていたのが気になった。全員に出番を与えようとすると、どうしてもちぐはぐになるのは否めなかったのだ。京極氏は流石に外せないけど、個人的には小林とかルーシーなんかはいなくても良かったんじゃ無いかと思う。あとからアイリーンも入ってくるからなぁ。

 まぁ、こうして「ここを直せばもっと良かったのでは?」という気持ちが湧くってことは、やはり悪くない作品だったということだ。最初は鼻について「なんでこれ、ホームズにする必要があったんだ?」と訝しんでいた部分も、ホームズの奇行が本家を上回るレベルで突き抜けてるのを見て愉快だったし、ワトソン・ホームズの友情譚として綺麗にまとまっていたので決して本家をないがしろにしていたということもない。レストレードやマイクロフトの扱いについては……まぁ、みんな平等にキャラ崩壊ってことで。そう考えると最後までブレなかったモリアーティが一番得してたキャラなのかなぁ。

 

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「空挺ドラゴンズ」 5→6

 良いおとぎ話じゃったな……。最終回の視聴後に不思議なくらいに充実した爽快感があって、これこそ1クールアニメの最終回じゃ、という満たされた気持ち。原作未完のコミック原作アニメはこれくらいスパッと綺麗な節目があると助かりますね。

 割と感想を書いていたことからもわかる通りに、素直に楽しめるアニメでございました。お話としては割とスタンダードな作りだったとは思うんだけど、「空飛ぶドラゴン狩りの船」っていう舞台を用意するだけで、それがなんとも新鮮なものに見えるのだから不思議なものだ。いや、「用意するだけ」っていっても、この「だけ」がとても大変なことなのだ。本作の見どころの1つにポリゴンピクチュアズによるCGベースの作劇があって、サイズ感を出すのが難しい「巨大な龍と、もっと巨大な船」というご大層なオブジェクトが重量感を失わず、それでいてすっきりと見やすく展開されている。色々と魅力はあるはずだが、大きくまとめると、この作画部分からの見せ方の妙が、本作最大の売りだったと言えるんじゃなかろうか。

 具体的な理由は分からないんだが、多分過去のポリゴンピクチュアズ作品の中でも、今作のデザインが一番好きだったと思う。特に表情の付け方がかなりこなれてきてたし、ミカの捕龍アクションに代表される人体の動きの部分も、技術力の向上でどんどんブラッシュアップされている。こういう技術って手数で目減りしないので、もしかしたら劇場版のゴジラ以上の仕上がりになっていたんじゃなかろうか。地上波作品で「劇場版以上」だったなら、そりゃお見事というに決まっている(まぁ、ゴジラが素晴らしい作画だったかと言われたら議論の余地はあるのだが)。具体的にどこがレベルアップしてんだろうなぁ。どっかで専門家が解説してくれれば面白いんだけどなぁ。なかなかこういう技術面での良し悪しって、アニメを議論する際に引き合いに出されないのよね。過去に「CG作画のすげぇところ」を専門家も交えて説明してくれたのって、「裏アニメ」の時のオレンジの技術解説くらいしか知らないや。

 さておき、単に「CGが綺麗」というだけではなく、ちゃんとそのデザインが活きるドラマ展開も見どころが多かったし、さらに貪欲に「グルメもの」の要素まで加えているので多方面に満足度が高い。正確にいうならそもそも原作ありきでこういうCG作劇になってんだから、「うまそうな食い物をCGで作るぞ」っていう順番でプロジェクトが進行してるわけだけど、そこに妥協せずに掘り下げてくれたのは嬉しかったね。「CGベースだから、ある程度食べ物描写は犠牲にするしかないかな」ってなりそうなところだけど、今作では原作の魅力であるすべての要素を取りこぼしていない。もちろん、その中には「キャラが生き生きしてて楽しい」も含まれてると思う。女の子がきちんと可愛いのよね。タキタはもちろんだけど、操舵のカペラも貫禄のヴァニーさんも、みんなそれぞれの魅力を少ないシーンで展開している。何も女ばかりじゃなく、普通の基準からすればイケメンでもなんでもねぇようなクルーの面々が、不思議と魅力的に見えるシーンが多いのだ。おっさん連中に血の通ったキャラクター性が感じられるのは、原作自体が持ってる魅力なのかね。

 とりあえず、一段落したところで原作コミックを読んでみようかな、という気にさせてくれる作品だ。あわよくばアニメ2期も期待したいところだけど、原作はどれくらいストックがあるのかなぁ。

 

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「宝石商リチャード氏の謎鑑定」 5→4

 話が進むにつれて、どんどんリチャード氏が鑑定しなくなっていくのなんなの。むしろ鑑定される側になってたりするんだけど、この世界は宝石よりも人間の方に傷物が多すぎるよな。

 多分、純正の文学作品をアニメ化するってので相当いろんな部分を削って必要な部分だけを切り取ってるせいなのだろうが、とにかく人物描写がずさんというか、非常に断片的なものになってしまっているので、肝心要のヒューマンドラマが「どないやねん」になってしまっているのがキツい。原作を知らないので想像するしかないのだが、おそらく小説での描写なら、モノローグなりなんなりでいくらでも情報量が増やせるし、直接的でない装飾もいくらでも出来るはず。筋立てももっと理解しやすいものになっているんじゃないだろうか。しかし、残念ながらアニメってのはそれが難しい。どうしても表面的にわかりやすい「事実」ばかりをつないでいくことになるので、いわばあらすじみたいな状態で人情芝居が進むことになってしまう。そうなると、たどり着く結末の多くは「どないやねん」になってしまうのである。

 わかりやすいところでは、各キャラクターの「良いところ」「悪いところ」がおっそろしく端的になってしまうということがある。印象に残っているので最終回の正義の親父を例にとれば、もう、どこをどう切り取ってもクズ以外の何物でもない描写だけで構成されており、「幾ら何でもそんなやつおらへんやろ」という印象になってしまう。これはどうしようもない部分もあって、短時間でそこまではっきり描かないことには、正義の行動が正当化されず、視聴者側も視点が定まらないからだ。他のエピソードも、基本的に「ダメなやつはダメ、良いやつはどこまでも善人らしく」という描き方になってしまうので、細やかな人間ドラマの機微なんてものはなかなか生まれないのである。そして、おそらくこの作品はそこを掘り下げないことには魅力が生まれない。タイトルからもう少し「宝石」を手掛かりにした探偵物みたいな話になるのかと期待してた部分もあるのだが、結局どこまでいっても「宝石の性質や逸話をとっかかりにした、なんかこじつけた昼ドラ」なんだよなぁ。

 本当は、こうしてアニメの感想を書くときに「あまりアニメ向きじゃない」という言葉は使うべきではないのかなぁ、と最近思い始めている。数々の「本来ならアニメに向かない作品」も、ディレクション次第ではきちんと魅力的なアニメ作品になるという実例をそこかしこで見せつけられているおかげで、「確かに原作がアニメに向かずとも、アニメにするからには責任を持って価値を生み出せ」という気持ちになってしまうためだ。今作はまさにその一例で、「アニメにするからには、もうちょい何かできなかったかなぁ」と思えば評価は下げざるを得ない。

 しかし……ここまで主人公(?)が徹底して「とにかく顔が良い」「顔が良すぎて困る」とか言われるアニメもないよなぁ。万一実写化したらリチャード役は誰になるんだろう……。

 

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「ネコぱら」 5→5

 何故、猫耳少女なのですか? 猫ではダメなのですか?

 というのが「うちタマ」より点数が低い理由です。嘘です。いや、嘘ではないな。今作でどこが楽しみだったかと聞かれたら、「次回予告の猫カフェ」だからな。別に猫耳は嫌いな属性ではないのだろうが、それ以上に私は猫が好きだ。猫と猫耳は別ジャンルだと解釈するしかないのだが、本作ではその部分にダイレクトに切り込み、「こいつらは猫耳少女ではなく、猫である」と明言されている。なればこそ、私は猫が見たいのである(Youtubeでも見てればよくね?)。

 まー、戯言は置いといて、今や潔しとすら言える、文字通りの美少女動物園が、頭から尻までぶれることなく貫き通された作品である。1クールみたところで何も学ぶところはないし、身体も健康にならず、コロナ対策にもならない。ほんのちょっと、「萌え」の成分を口にふくめる程度である。そして、このアニメに求められているのは本当にそれだけなのだから分相応の仕上がりと言える。猫よりは可愛くないが、それなりに可愛い猫耳少女の日常を1クール追いかけられた、その事実だけが残ることに、不満をいうべきではないだろう。

 何が悔しいって、「可愛い」をやるためのアニメーションとして、それなりに気合いをいれて作られているという部分である。そりゃま、大して作画リソースを費やすようなジャンルでもないが、こういうジャンルで作画がメタメタだと唯一にして最大の売りである「可愛い」すら瓦解するので商品価値が限りなくゼロに近くなるのだが、本作はそのあたりに抜かりなく、きっちり1クールのクオリティを維持して「可愛い猫は可愛いのだ」を貫き通した。それを求めているかいないかは視聴者個人に帰属する問題であり、私はベルマークやねるねるねるねの2の粉同様、「こんなん、いくらあってもいいですからね」というスタンスなのである。

 あとはまぁ、中の人の話題とかで文字数稼ぐのが定番なのだが、今作はあんまり中の人も印象に残ってないからなぁ。発情猫やってるのぐちゆりは割と楽しそうでした。

 

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「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」 4→4

 防御力に極振りしろよ。タイトル詐欺やんけ。永久にブロックを続ける亀のようなプレイヤーを見守るだけのアニメ……それはそれで見てみたい気もするな。

 まぁ、予定通りの作劇で予想通りの結末ではあったので特に語るべきこともないのだが、何故か今期は今作がやたら作画に力が入った作品になっており、「大沼さんもSILVER LINKも、もうちょっと有効利用できる作品があるんじゃなかろうか」ともったいない気持ちになった。いや、作画がきちんとしてるアニメが1本でも多く発信されるのはそれはそれで良いことだとは思いますが。何が問題って、この作品で「キレッキレのバトルシーン」って別に売りにならない気がすることなんだよな……ファンがいるとして、そういう人たちは一体何を目当てにこのアニメを見ているんだろうか。

 結局、「別に命がけでもない、単なるゲームをプレイし続けるだけのお話」を我々はどんなテンションで見守れば良いのかという永遠の命題は今作でも解決しないし、視聴のモチベーションに悩ましさを残し続けた。ただ、今期はもう一本似たような設定のアニメがあり(なんちゃらデンドロビウム)、そちらと比較することで、今作の見方はなんとなく分かったような、そうでもないような印象になった。結局、突き詰めれば主人公・メイプルは楽しくお友達とネトゲをやっているだけなのである。となれば、今作は「なろう系」と言われるオレツエー文脈で見るよりも、もっとトラディショナルな、「きらら系」とまとめられるような女の子可愛い系アニメとしてみたほうが理解が及びやすいのではなかろうか。一時期は「萌え系女の子アニメも飽和状態」ってんで様々なジャンルへと女子高生の版図が拡大され、マイナースポーツやおっさんの趣味にまで女の子が拡大解釈された作品が多数制作された。本作の場合も、そのうちの1本と考えれば、「オタクたちがやるネトゲを、女の子たちが楽しげになんのストレスもなく遊ぶアニメ」だと割り切ればいいわけだ。そうすれば、別にゲーム内世界でどんな理不尽が起ころうとも大した問題ではない。「けいおん」で唯がムギのコネを使ってクソ高いギー太を入手した時も、「女子高生がそんなもん手に入れるなんてチートやんけ!」なんてことに目くじら立てる人間もいないだろう。いや、ぶっちゃけ当時はそういう人もいたけど……。まぁ、「そこはどうでもよくない?」ってなるだけだ。

 今作の場合も、可愛い女の子が楽しそうにゲームをプレイする姿を見せることが唯一にして最大の目的であって、そのためには女の子にとってストレスフリーな遊びでなければならない。そして、一番簡単にゲームをノーストレスな遊び場にする方法は、「チートさせる」なのである。しかも意図したチートではなく、偶然に偶然を重ねた、単なるラッキーによる無双状態。これがあれば、お気楽女子高生でもニコニコと他者を蹂躙できて、快適なゲームライフを送ることができる。そういう設定なのだと考えれば、なるほど今作の設計は理にかなっている。……うん、かなっているはず。強いて問題をあげるとするなら、そうした「萌え系作品」は完全に閉じた世界でのみ趣味を満喫すればいいはずなのだが、ネトゲという媒体の性質上、そこはどうしてもオープンワールドになってしまい、「周りから主人公をヨイショする寒い声が聞こえてくる」という部分くらい。いっそそうした「周りから恐れられてる」みたいな文脈も削除してメイプル視点オンリーで単なる快適ライフを描き続けていれば、潔い萌え作品として新たな境地にたどり着けたのかもしれないのだが。

 以上はあくまで「私が今作を快適に見るための身の置き方」なので、本当にそれが正解なのかは定かでない。というか、絶対に制作側の意図はそうじゃないはずだが、「可愛ければいいじゃない」は一貫したセールスポイントとして認められていたのは間違いない。そこですり合わせができていれば、まぁ、悪い作品ではなかったのかもしれない。最後にもう一回だけ言っときましょうね。

 デバックしろよ。

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「七つの大罪 神々の逆鱗」 ー→ー

 情報量ゼロの記事立てである。もう、まともに観てないから何か書く意味もないんだけど。一応記録上は。

 夕方18時台のアニメなので、「MTGアリーナのデイリーが更新された後にイベント回すのにちょうど良いアニメ」なんだよ。ほんでアリーナプレイしてる時は完全に神経がそっちに行ってしまい、「ながら見」も絶対できない状態で流しているので、気がついたら終わってんだよ。「流石にその消費はアニメ視聴とは言わないのでは?」と言われたらそれまでで、実際に話の中身はさっぱり追いかけてない。加えて今期はエリザベスとの関係性で何やらとんでもない事実が明かされてしまい、ただでさえよくわかってなかった世界観が異次元に突入してしまい、わからないなりに観ていると本当に「なんか戦ってんなぁ」くらいのイメージしか残らないのである。もう見るのやめればいいんじゃないかと思うのだが、まぁ、来期からはそうなるかもしれませんね。しかし、まだ続くのか……。

 なんで記事を立てたかというと、なんだか栄枯盛衰を見ていて寂しくなったからである。思い返せば、たしか「七つの大罪」ってMBSの夕方枠で鳴り物入りでスタートした人気タイトルだったはずなんだよな。おそらく原作コミックの方はまだ同じような扱いになってるんだろうが、アニメの方は局も制作も変わって全くもって扱いが雑になっている。今期は特に、くだんのコロナショックの影響もあるのかないのか、作画のレベルが最低にまで落ちてしまっており、かつての勇姿は見る影も無い。なんでこんな雑な作品に成り下がってしまったのかと、非常に残念な思いである。まー、テレ東の夕方アニメは「ブラッククローバー」もそうだったけど、人気雑誌の人気漫画でも扱いがずさんな例はたくさんなるからなぁ。素直な進行でなんとなくでも見守れる「あひるの空」とは随分差ができてしまった気がする。とりあえず、これでスーパー梶裕貴アワーは一旦終了。

 

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「映像研には手を出すな!」 7→7

 楽しい3ヶ月でしたね。もう、それだけで充分なんじゃなかろうか。

 「アニメ作りのアニメ」という自己言及的な作品の性質上、並大抵のことでは成立しない作品。当然「SHIROBAKO」も同じカテゴリには入るだろうが、あちらはまだ「お仕事もの」という側面があり、より多方面の業態に内容が分散していたため、アニメそのもの以外にも描くべき部分がたくさんある。もちろんクライマックスに用意すべきは「完成した良いアニメ」になるが、強調されるのは「総合力としてのアニメ」のお話だった。それに対し、映像研はあくまで高校生の同好会。そこに試されるのは純粋に個人に帰結すべき技術と、情熱である。こちらの切り取り方は「青春部活もの」の範疇に入り、それゆえに「頑張ってきた結果のアニメ」が示されないことには完結しない。

 実にアニメにしづらい作品なのは間違いないのだが、この難題を請け負ったのが個性派監督・湯浅政明というのだから一大事だ。一体どんなヘンテコワールドが出てくるかと思って見ていると……まぁ、やっぱりヘンテコだった。本作は突き詰めれば「ひたすら女子高生たちが自分たちの妄想を披瀝するだけのお話」のはずなのだが、何故かあまり内向的な性質にはならず、常に外に拡散するエネルギーを持っていた。その理由も一言では説明しきれないが、その一端にあるのは、芝浜という奇怪な作品世界の持つ摩訶不思議なアドベンチャーだったのではなかろうか。

 いわばファンタジー世界でのアニメ作り。「そんな学校あるかい」「そんな町あるかい」という無茶苦茶な世界の中、さらなる無茶を突き詰めるためにアニメ作りに邁進する女の子たち。そんな無茶に無茶を掛け合わせた設定が、今作の本来なら地味であるはずのテーマをブーストさせていく。ただでさえ不可思議な世界に、さらなる不思議と魅力を上乗せしていく浅草の妄想。それを超現実的ながらも確実に魅力に映る動画へと落とし込んでいく水崎の作画。そしてそれら全ての道具を担ぎ上げ、マネタイズしていく金森のマネジメント。どこまでも空想的なのに、彼女たちの働きに「SHIROBAKO」と同等のアニメへの情熱を感じ取ることができるのは、こうした何段階もの「現実感」を積み重ねた構造そのものの妙味だ。

 あとはどれだけ「彼女たちが作ったアニメーション」を実際のものとして画面上に展開するかという部分が課題になってきて、「アニメの中のアニメ」だからといってごまかしが効くものでは無い。むしろ、アニメの中でアニメを描くならば、よりビビットな状態で、はっきりそれとわかるだけの特徴づけが求められる。おそらく本作で一番力を入れて演出が施されていたのが、そうした二重構造の明確化だったのだろう。流石の湯浅政明、異質なものを異質なものとして際立たせ、的確に伝えたい内容を盛り込んでいく。視聴者側は「アニメ作りというのはこういうことをやってるんやで」ということを座学で学びながら、それを実践したサンプルをすぐに味わうことが出来る。なんて贅沢な全部盛りだろう。コンセプト自体のハードルが高いからこそ、それを実現させた時のペイも大きい。これだけの野心作が1クール作品として放送に至ったこと、現代アニメ事情を鑑みるに、どれだけ幸運なことかは噛みしめるべきだろう。

 あとはまぁ、最後まで作品を引っ張るためにキャッチーな部分はダイレクトに、阿漕なまでに。個人的には吹き荒れる金森旋風にメロメロであったが、主人公3人はそれぞれに文句なしに魅力を振りまいてくれただろう。個人的には水崎氏役の松岡美里という人が、事実上のデビュー作できちんと求められるものに応えているのが印象的だった。所属はアイムらしいのだが、ここから次の仕事につながることになるだろうか。あとはまぁ、金森氏役の田村少年……ほんと楽しそうで何より。こういう作品、大好きだろうなぁ。

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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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