最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「戦姫絶唱シンフォギアXV」 6→7 ご祝儀評点させてもらいます。本来なら今回の1クール分のみを判断材料とすべきだが、さすがに私の身からそれは不可能なので、あくまでも「シンフォギア」というテレビシリーズの総括という意味での評価。本当に、楽しませてもらいました(そしてこれからも楽しみたい)。 始まった時は単なるネタ枠だったのよねぇ。「バトルアニメ」も「歌うアニメ」も「歌でバトるアニメ」も存在してたけど、「歌いながらバトるアニメ」はさすがに埒外。それを成立させ、さらにオリジナルソングとライブをつなげて総合的な商品としての付加価値を高めた。ソシャゲの展開は本来ならおまけと考えるべきなのかもしれないが、それ以外にもパチンコなんかもあるらしいし、1つのモデルを生み出し、様々なフォーマットへの波及を見せたシンフォギアの世界は、替えの効かない一点物に違いない。 今期だけの評価でいえば、おそらく作画はシリーズ中最高水準だろう。まぁ、ぶっちゃけこれは他のライバルが大したことないからであり、2期3期を思い出すと、シンフォギアといえばむしろへなへな作画の印象すらある。そこに予算をつけ、ノウハウを蓄積し、今期は文句なしのど迫力おバカバトルアニメとしての地位を確立。これが最後なら、そりゃ満足するしかないだろう。加えてキャロル軍団の参加などの惜しみないファンサービスも(いつものことながら)披露し、シリーズの集大成としての彩りもそれなりのものだった。普段が大馬鹿な作品なので「さらなるバカを!」と期待しているとなかなか頭の上を飛び越えるのは難しいが、今期は充分期待に応えるだけの爆裂っぷりを見せてくれたのではなかろうか。まぁ、最大の難点としてはノーブルレッドたちの扱いの悪さがあるが……ほら、オートスコアラーだって当時はこれくらいのもんだったわけだし。今後のシリーズでの再登場を期待するしかないよね。 今後について考えると、やはりアニメというメインコンテンツを終了させて今後シンフォギアが続いていくのかどうかは不安である。最大の柱がソシャゲになるわけだが、さすがにソシャゲ一本ではここから5年10年とファンの心を繋ぎ止めるのは難しいだろう。スパッと終わりを告げられるのはもちろん辛いけど、こうして一縷の望みを残した状態でコンテンツが続いていくのもなかなか微妙な気持ちではある。おそらく展開を続けていく中で最大の問題は「いくら何でもライブをやり続けることはできない」って部分だと思うので、もうライブ展開は諦めてもいいので、できることならソシャゲストーリーのOVA化とか、そういう負担の軽い方法で今後も末長く愛でていけるフォームが提供され続けることを祈りたい。金子さんにしろ上松さんにしろ、多分そのうち「あー、シンフォギア文法でなんか書きたい!」って思うタイミングが来るに違いない。シンフォギア的な欲求を発散できる場所は、シンフォギア以外にないのだ。僕たちは、いつまでも帰りを待っている。「だとしても」の続きへ。 PR 「MIX」 ー→5 ぬるっと来てサラッと終わった作品。なんだろね、やっぱり嫌いじゃないんだよ、この温度は。 「試合展開のほとんどを実況の語りだけで進めて映像すらろくにない野球アニメ」という、ある意味超次元の存在となった一本。野球アニメの作画が大変なことは前シーズンの「シンデレラナイン」が嫌という程教えてくれたし、実のところ「ダイヤのA」なんかも試合シーンをフルに動画で動かすなんてことはなく、あちらは印象的なコマをなるべく劇的な演出になるように見得を切って迫力を出そうとしているわけだが、そうして「なんとか躍動感を見せよう」という努力が存在しないのがこの作品。スポーツを主題にしたアニメでなんでそんな暴挙が許されるのかといえば、それはもう、「あだち充作品だから」。 高橋留美子作品の時にも感じることだが、やっぱりサンデーの古参作家の独特の空気感ってのは不思議な味わいがある(いや、この2人だけかもしれんが)。とぼけてスカして熱を持たせず、それなのにどこか気になるような会話劇を中心に引っ張るあだち充の芸風は、おそらく大昔から変わらないものだ。わたしゃ「タッチ」を履修してないので今作の懐古要素が今ひとつ刺さっていないのは間違い無いのだが、それでも「クロスゲーム」なんかで見ていたあだち充的世界観が変わっていないことは分かる。悲劇の兄弟を描いたタッチから一転、こちらも複数の兄弟関係が描かれ、そのどれもがすごく日常的なものの延長にあり、悲壮さも緊迫感も無い。それなのに、全然素直じゃなくて真正面から対話しようとしないそのヒネた台詞回しなんかが、やっぱりちょっとクセになる。野球漫画である必要が一切感じられないが、野球やってるとなんか落ち着く、それくらいのアニメである。 そうして「野球部分はそこまで大事じゃないんだ」ということが明示されてしまえば、「じゃ、別にいいかな」ってんでユルい画面の扱いも全然気にならなくなる。むしろ、これで突然猛スピードで動き始めたらそっちの方が気になるだろう。能や狂言のように、伝統美を守りつつ、「お約束」の中で視聴者がもっとも見たいものをじっくりゆっくり見せる。アニメという文化にも、そういう分野が生み出されているということなのかもしれない。いや、能狂言にさっぱり詳しくないけど。 というわけで、やっぱり「土曜日にピック表見ながら横目で見る作品」としてはちょうどよかったです。読売のこの枠はいっつもそれくらいだからホッとするんだけどね。次はまたヒロアカかぁ。ヒロアカはこれの真逆で動画モーションで見せる作品なので、あんまりピック表向きじゃないんだよなぁ(ちゃんと観ろよ)。 「凹凸世界 Season2」 *→5 まぁ、別に真面目に観ているわけでもないのだけども。不思議と、興味がなかった1期目から比べると少しずつ愛着が湧いていってるような気もする。 我ながらスタンスが定まらねぇな、と思うのは、今作がやっていることってぶっちゃけ「ナカノヒトゲノム」と同じなのよね。わけのわからないゲームを次々に打ち出し、ゴールも目的もよくわからないままに参加者たちに命がけの戦いを強いていく。ゲームのルールは一応説明されるがふわっとしてて視聴者側からはよく分からんし、そこまで頭を使って解決する風でもない。とにかく「なんか競って争ってるな」という雰囲気が出ている程度である。「ナカノヒトゲノム」をつまらんとこき下ろしたのだから本作だってつまらんはずだ。まぁ、実際そこまで面白い作品とも思わないのだが、こちらの方がゲノムに比べると嫌な部分が少ないというか、それぞれのお話の中でのすったもんだはこちらの方が見ていて真に迫ってるような感じがする。このシーズン2ではクライマックスでジンとシドウゲンの関係性が注目され、ようやくお話もスパイスが効いてきた印象。おそらく3期がスタートするなら2期よりももっと楽しめるものになるんじゃなかろうか。 まぁ、映像の独特のテイストにすっかり慣れただけ、という話もあるかもしれないが……これがもし中国本土で売れまくってたりしたら、今後日本で作られるアニメの作風に影響を与えたりしないもんだろうか。無いかな……。
「グランベルム」 6→6 よろしかったんじゃないでしょうか。毎週の感想でも分かる通りに、およそ楽しませてもらった作品である。最近はよく「1クールアニメという枠内でまとめるクオリティ」っていう話をすることがあるが、今作は身の丈にあった尺で、穏当にまとめた佳作という評価になるかと思う。 新番チェックの時にも触れたが、そもそも「デスゲーム系」「バトルロイヤル系」の設定が無条件に好きなので、「魔法少女たちの仁義なき生き残りロボットバトル」という斬新なようで最近じゃベタな部類の設定の時点で割と好みの作品。ただ、今作はあんまりバトルロイヤル要素は掘り下げられることなく、最小限の参加人数の試合で丁寧に人物関係を掘り下げるところに旨みを求めた。何しろグランベルム参加者がわずか7人に絞り込まれており、バトルだけなら2話に1人程度の退場で問題ない。バトルフィールドがやたらぼんやりしているおかげで、この7人という人数に物足りなさを感じることも特になく、あくまで「1対1の人間関係」を描いていく中での入退場を認識させることでバトルの結果を伝えていくデザイン。どっちかというとバトルものよりも原典(?)となる「まどマギ」の魔法少女の5人と対比する方が正しいのかも。 今作の展開は本当にまどマギ的な要素が多く、流石にここまでの共通点があると「フォロワー」と呼んで差し支えないレベルだろう。これはもちろん「パクりだ」と貶める意図があるわけでなく、過去の傑作を下敷きにしてどこまで新しいことができるかを模索した挑戦であったと位置付けているだけである。まぁ、ぶっちゃけ大胆な追加要素だった「ロボットもの」の部分はあんまり機能してなかった気がするのが残念ポイントではあるのだが……多分本作の明確な瑕疵はそこに集約されるんじゃないかね。ロボを追加したことで誘致要因が増えたとはあまり感じられず、逆にとっ散らかってしまった感はあるのよね。まぁ、私はロボにあんまり興味がわかないタイプの人種なので、もしかしたらどこかに刺さった層もあるのかもしれないが……。 ただ、そうして追加要素があまり劇的な足し算にはならなかったが、下地の部分でのシナリオラインは安定しており、頻繁に不安になった「マギアコナトスが万能すぎたら何をやっても茶番なのでは?」という不安についても意識的に作中で埋め合わせるようにできていたので救われた。「宿命の人形」たる満月を主人公において、新月の方をヒロインに設定した視点の置き方も中盤の盛り上げにうまく貢献していたし、終わってみればきっちり「新月の物語」として着地できた全体像もスマートだ。こうして全体を見た時に大ネタが機能するように配置し、合間を細かい刺激(アンナ劇場とか)でつないでいく構造が、やっぱり1クールアニメとしては無難なものなのだろうな。 ぶっちゃけ数年後にも語り継がれるような名作とは言い難いレベルではあるが、単発の1クールアニメを楽しむという目的なら、これくらいのクオリティの作品が量産される世界になれば僕は不満はありません。頑張れオリジナルアニメ。そして頑張れロボットアニメ。 「とある科学の一方通行」 5→4 次だ次! はよ超電磁砲もってこい! いや、別にこの作品が悪いって言ってるわけじゃないけどさ。あんまり真面目に見られないくらいの訴求力の作品だった、としか。すげぇ勝手な話なんだけど、禁書3期よりも先にこっちをやってくれてたら、まだもうちょい興味が維持できた気がするんだよね。あっちを2クールやって絶望的な置いてけぼりで疎外感を助長してしまい、「どうせあれと一緒で分かんない展開でしょ?」みたいな諦観が生まれたり、あっちで描かれた一通さんの姿がちらついてこっちの姿と齟齬があったり、メインの筋がサブの筋を侵食してしまった感がある。 やってることは「いつもの学園都市のとんでもないトラブル」の1事例。いっつも思うんだけど、この街でアンチスキルに就職してる連中って自分の命について軽く考えすぎなんじゃなかろうか。それとも、過去に起こったハザードに関しては情報統制でも敷かれて「平和な学園都市」のイメージは保持されているのか。普通に考えてレベル0以下の人間がこの街で治安維持に励もうなんて思想はよほどの命知らずじゃないと出てこないと思うんだけどね。まぁ、とにかくそんな街での大災害の新たな1ページ。ここで作品の個性を出すためには何としても「超電磁砲」と差別化を図る必要があるのだが、どんぱちの大枠はレールガンと大差ないんだよね。ゾンビを巡る事件の全体像も意外性に乏しく、「とある食傷」状態だった身に染みるほどのプラスアルファは感じられなかった。一応、一通さんが生涯背負うカルマであるシスターズ大量虐殺が筋に絡んでる部分だけはそういう努力の表れだったわけだから評価する部分か。 ただ、やっぱり一通さんのキャラが空回りしてんだよね。「自分が悪いやつだって口では言い続けてるだけの普通の正義の味方」だから、ワルぶってツンツンしようとしてる様子がかえって滑稽だったり、まだるっこしかったり、キャラの魅力を上乗せする方向に機能していない。ちゃんと「悪なりの正義」みたいなものが光る部分があれば良いのだが、今回の事件だって、御坂が解決したとしても何の不思議もない構図だし、一通さんだからこそできた、というお仕事ではない。単にラストオーダーが頭の片隅にちらついて「そうそう、この人ロリコンだった」ということをたまに思い出すことだけがアイデンティティである。どうしてこんな骨抜きヒーローになってしまったのだろうなぁ。まぁ、スピンオフのキャラ造形ってのが一筋縄ではいかないことがよく分かる事例ではあるか。 まー、ラストオーダーが可愛いのは良い世界ですよね。女の子は満遍なく可愛いしエロいのはこの世界全体の良いところではある。蛭美のCVが真野あゆみっていうのも加点要素にしておこう。そしてスカベンジャーの面々の活躍も一足先に展開。彼女たちは「超電磁砲」のコミックでもいいキャラしてたので、今後の活躍にも期待である。ということで、 次だ次!
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅡ」 5→5 気づけば今作もベテラン選手の貫禄が出てきたもんである。まぁ、同じ日に放送されてたのが「とある」なので比較するとまだまだ若造ではあるのだが……。 ぶっちゃけ、話は相変わらずどうでもいい。今期は大きく2つのパートに分かれていて、前半のファミリア戦争、そして後半の娼婦強奪戦。前半は「おっ、ファミリアがぶつかり合う大きな戦争になるんやな!」と期待してたら、結局「4人しかいない弱小集団が大軍を打ち破る」っていうカタルシスが一切なく、なんとなく終わってしまって尻すぼみだったし、後半の娼婦編についても、基本的にやってることはリリの時と同じなので目新しさは無い。1期時点でベル君がある程度成長してその才能を認められているため、味方サイドは「仲間を増やす」方向以外での成長が見込めないので、いざ実戦の間で変化を見せようとしてもパッとしないのが難点だった。バトルを中心にしたアニメとして見ると、どうにも盛り上がりに欠ける作品である。 サブテーマの置き方も今ひとつ振り切れてないところがあって、後半の娼婦がらみの話なんかは、なかなかラノベでは掘り下げられない部分を掘り下げていたので興味があるドラマ展開だったのだが、「娼婦とは」という話に説得力を持たせようとしていた割には、最終的に「まぁ、あの子は勝手に勘違いしてただけなので娼婦って言ってもまだ清いままなんだけどね」とかいうわけのわからないフォローが入っていて台無しになっている。そこはいらんかったんじゃねぇかなぁ、と思うのだが、読者層の処女信仰にでも気遣ったのだろうか。まぁ、ヘスティア様が処女神っていう時点でファミリアに関わるためにはその必要があったのかもしれんが。 そうして全体的には低調な要素が多い作品ではあったが、やっぱり個人的には嫌いじゃない点も少なくないのだ。特に今作は「神」という存在の置き方だけはオリジナリティがあり、それぞれのファミリアの性格が神様のパーソナリティに起因し、それぞれの「信仰」をベースにぶつかり合う「小さな宗教戦争」がそこかしこで発生するというデザイン自体は面白い発想。多分、そこをもうちょい丁寧に活用できれば本筋も面白いものが出てくる気もするんだ。幸いにして使い捨てのなろう系作品なんかよりも制作の予算は確保できているようで、アニメとしてのクオリティも最低限のものが維持できるのだから、「次のシナリオでは」みたいなめげない期待を持っていてもあながち間違いではないと信じたい。 あとはまぁ、ぶっちゃけヘスティア様なのである。やはりどれだけ時代が過ぎ去っても、彼女の造形の見事さは輝きを失わない。「ロリ巨乳ボクっ娘ベタ惚れ系神様水瀬ヒロイン(紐)」とかいう仮面ライダージオウもびっくりの盛り込みすぎヒロインなのだが、彼女の存在だけは、他の次元に替えの存在しない唯一のもの。今期も紐は元気だったし紐がなくても元気だった。ぜひ繰り返し鑑賞したいのは温泉回であろう。普通の作品とは真逆の、「女性サイドから壁をよじ登って男湯にちょっかいをかけようとするムーブ」がこんなに自然かつ大胆に描かれるのはヘスティア様あってこそ。彼女の甲斐甲斐しい神的欲求と、見れば見るほど謎が深まるコスチュームのデザインは、まだまだ未来を感じさせるものなのだ。そしてフルスイング水瀬いのりパワー。今期は「ロードエルメロイ」との合わせ技で濃いめの水瀬定食をいただくことができます。そういう安心感って、大切なものですよ。 「イナズマイレブン オリオンの刻印」 ー→ー 気づいたら終わってたわ。「最初からクライマックスだぜぇ!」を地でいくアニメなので、どこが最終戦なのかよくわからないまま終わったっていう。 まぁ、真面目に見てないので点数はつけないんですが、脇目でチラチラ見てる分には相変わらず笑わせてもらっていたので文句はない。「そうそう、この理屈も何もあったもんじゃない感じがイナイレやろ」という漠然としたツッコミだけで割と満足はしてた。まぁ、漏れ聞いた話だと旧作ヒーローたちの扱いの悪さのせいで元からのファンにはあまり評判が良くない部分もあるみたいだが……わたしゃ旧作の途中で離脱した人間なので、遠藤がいて豪炎寺がいて鬼道がいる様子が確認できて、みんなそれなりに楽しそうにしてればそれで良いのである。その上で新作から参加している「新生雷門」キャラたちが一番活躍できるようにも配慮されており、もう、途中からは誰がどんくらい強いのかもさっぱりわからず、「お前ここで出てくんのかよ」みたいな展開があるのもファニーである。いわゆる「本部が強くて何が悪い」理論である。いや、ちょっと違うか。 サッカーアニメってのはまともに描写しようとすると実はかなり面倒な題材で、ピッチは広いし、なかなか1点に盛り上がりが集約しないのでドラマを時間の流れの中で構成するのが結構大変。それをなんとか持たせようとしたのが「キャプ翼」のアナウンス芸だったわけだが、今作はそれに加えてあらゆる要素が「どないやねん」で彩られているので、1つのツッコミが解決したとしてもすぐに次のツッコミどころを用意してくれる。ほんと、この世界の大人たちは何を考えてるのかさっぱりわからない連中ばっかりである。もともと「サッカーの興行収入」が大人たちの最大目的だったかと思ってたのに、いつの間にかその辺も関係なしに「とにかくオリオン最高」になってたからな。 個人的には、「やっぱり村瀬歩ってすごい役者だよ」っていうのがこれだけ贅沢なキャスト陣の中でも余すことなく発揮されてたので悪い作品じゃないと思ってます。
「異世界チート魔術師」 4→4 チートしろや……。いや、チートされても面白くないんだけど、無いなら無いで「いや、チートちゃうんかい」ってなる。消費者とはわがままなものですな!! 点数付けが悩ましいんだよ。アニメとしての全体像で言ったら「リトライ」よりもまっすぐでわかりやすいし、全体的な作画クオリティだって特に文句を言うような部分はない。チート魔術師って言ってるくせに今期の作品の中では一番苦戦の連続だったやんけ、って思うけど、オレツエーを無限に見せられる地獄はどこぞの孫やどこぞのスマホで知っているので、苔の生えたラノベ作品のように、それなりに苦戦したり修行したりして、なんで戦ってんだかよくわからない戦闘に勝利するまで頑張る構図だって、むしろ認められるべき構成だ。今作は、本当に「昔ながらのそういうアニメ」の路線に乗って、改めて「チートじゃないように見えるけど、最終的にはチートを手に入れる主人公の物語」を作り上げている。間違ってないんだ。ドラマとしては。 でも、そこに味がないんだ……。画が悪くないとは言ったが、別によくもない。戦闘が真面目だとは言ったが、特に見せ場はない。吐き気をもよおすようなオレツエーの理不尽は無いが、理由があればチートしてもいいというわけでもない。多分、こういう作品を評する時に私がこれまで使ってきた表現があるとするなら、「ジャンプで10週打ち切りになりそうな漫画」である。これは……多分アンケート取れない。 ただまぁ、こういうのって求める層があってもいいとは思ってるんだよね。気持ち悪いオレツエーに固まった思考停止作品ではなく、一応「物語のフォーマット」をなぞろうとした結果陳腐になってつまらんだけの作品。でも、これをつまらないと判断するのは「陳腐だよなぁ」と思うだけの下地があればこそ。もし15年前に出会っていたら、普通に見られた可能性もあるかもしれないんだから。……いや、無いんかな……。でも試しに確認したら2004年に放送されたアニメにはこれよりもしょうもないタイトルがたくさん………………あれ、そうでもなかったわ……えぇと、あ、2008年まで進めたら「ドルアーガの塔」とか出てきた。それよりは……うーん。 まぁ、何をするにも蓄積って大事。このアニメだって、今後も続々生み出されるであろうなろう系作品を比較するための基準として、上がったり下がったりする人生が待ってるかもしれないのだ。まぁ、いつまでこのタイトルを覚えてられるかも自信はないが。こういうのよりもむしろスマホや孫の方が語り継がれる可能性が高いという事実、何事もやり切った方がいいっていう訓話だ。 「魔王様、リトライ!」 3→3 「俺は何を見せられているんだろう……」って思い続けて1クール作品その2。意義の分からないものでも1クール見られるのって、才能なのか、喪失なのか。ながら見でも一応見ていたという実績と失われた時間、プライスレス。 「なろう系だから、つまらない」というのは順接にしてはいけない。必ずそうなるとは限らないのだし、そんな一般化をするほどなろうに通じているわけでもないからだ。だから、この作品がもしつまらなかったとしても、「なろう系だからしょうがないよな」というまとめ方ではいけない。そして、そもそもこの作品はなろう系のスタンダードからは逸脱してしまっている気もする。いや、とっかかりはそりゃなろうだったんでしょう。それこそ「OVERLORD」の設定をベースにした「魔王もの」と呼ばれる(?)ジャンルであり、多少のピカレスク風味を交えつつも、結局やることは圧倒的オレツエー。そうして「魔王」という言葉だけで安易かつ簡便に言い訳を用意したのが「魔王系」だ。今作は間違いなく「魔王系」をベースにスタートしている。 しかし、その魔王の力が、世界から少しずつそれていく。もしかしたら、作者は設定から出だしの部分をちょいちょいと書いて満足してしまったのかもしれない。「もう、この世界で異世界ファンタジーしてもしょうがないな」と思ったのかもしれない。その結果、現代日本にある技術を適当に異世界に持ち込み無双するという、「設備投資オレツエー」という意味不明なジャンル。確かに和風の温泉旅館を経営しようと奮闘する魔王ものなんてのは見たことが無いので「唯一無二」の作品になったのは間違い無いのだが、何故これまで地球上にそれが存在しなかったのかを考えれば、果たしてこれに意義があったのかは自ずとわかるのではなかろうか。 創作小説・漫画・アニメで「天才」を描くのは難しいという話はよく話題にのぼるもので、同じように「圧倒的な強さ」というのも筆力で勝負しようとしたらとても難しい。実力を発揮するにふさわしい障害を用意し、そこにぶつかる動機を用意し、巧みなぶつかり合いを描くための文筆力を用意する。本当にたくさんのものが必要だ。そして、世の「魔王もの」はこうしたハードルを乗り越えるために様々な努力を積み重ねてきたのだ。そんな歴史の地層を前に、作者は怯んでしまったのではなかろうか。「普通にやったら面白くなれない」と諦めたのではなかろうか。その結果としての、温泉旅館だったのではなかろうか……。なんじゃそら。 いや、完全にそういうネタに振り切れるなら別にいいんだよ。異世界ですっかりジャパニーズアイテムのブローカーの才能を開花させたカジュマさんみたいなキャラだっているのだし、見せ方次第でなんぼでも「魔王の温泉経営マンガ」は面白くできるはず。過去に「魔王がハンバーガーショップでアルバイト」アニメはそれなりに楽しかったのだし、へんてこ設定からファニーを導き出すのもセンス次第だ。しかし、今作はそうして「笑ってくださいよ」というネタの提供のほとんどの部分を安易なパロディなどで逃げようとしている。キャラの名前とか、台詞回しのテンプレとか、そういう部分でお茶を濁そうとしている。そういう作風が気に入らんのよな。恥ずかしがるくらいなら、やるなよ。「何ギャグにマジになってんの?」と、予防線を張るなよ。ボケるなら全力でボケて、全力で笑わせてくれ。それがどれだけ難しいかは、やってみなけりゃ分からないだろうけれども。 結局、CVがツダケンだからって許されるレベルを超えてしまっている残念感。最終的に「ツダケンがあいなまを喘がせるアニメ」という記憶への残り方になる気がするが、そうして供養してやるのがせめてもの情けなんじゃなかろうか。アニメスタッフは、いったいどんな気持ちでこの作品の映像を作っていたんだろう。ちなみに個人的に一番許せないのは桐野悠の存在である。「マッドサイエンティストで魔王にすら容赦しないドSの最強女」という設定のキャラにサトリナをキャスティング。「おっ、これはファインプレイ!」と期待したものの、何故か既存の設定に「魔王に理由もなくベタ惚れ」が追加されて台無しになった。上等な料理にハチミツをぶちまけるがごとき愚行。違う、ほんとそうじゃない。私はこれを作ったスタッフとは魂レベルで分かり合えない。何故、男として生まれ、サトリナに踏まれたいという欲求をぶつけられないのだ。 ちなみに今作の最大の印象は、「オープニングのきゃりさんの歌のサビ、アスラクライン2のオープニングに似てるよね」。
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HN:
Thraxi
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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