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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「可愛ければ変態でも好きになってくれますか?」 4→5

 きっちり最後に落としてきたぞ。期待してなかったからオラちょっと驚いたぞ。

 なんなんだろう。変化球のようであり、その実どこかの時代のラノベ文化ではド直球のようであり……いや、やっぱ曲げてんのかな……。もう俺にはこの辺りの文化のスタンダードがよくわからんのよ。あえて1つだけ言えることがあるなら、「実は意外と悪くないのでは?」であった。長き歴史を持つ「妹系ラノベ」の系譜を継ぐものとしては、これでも結構良い作品になってる気がするんだ。いや、「妹系ラノベ」が何なのかは書いてる俺自身が一番わからんのだが……。まず「俺妹」があるわけでしょ。「妹さえいればいい。」があり、「この中に1人、妹がいる!」なんてのもある。「新妹魔王の契約者」も妹系ラノベといえばそうかもしれない。「おにあい」「いもちょ」それにお兄様だって妹ラノベといえば妹ラノベであろう。さらに調べていけば「ノゲノラ」「はがない」「SAO」だって全部妹。世に妹はここまではびこっている。人類総妹である。そうして「いかに可愛い妹を作るか」という実験が日々繰り返されてきた中で、本作は比較的恵まれたクリーチャーとして、爆誕したのではないかと思うのだ。

 本作の重要な点は、ギリギリまで「妹ラノベである」ことが伏せられていたこと。いや、露骨に妹推しの部分もあったが、一応ミステリ的な要素で妹は陰に押し込められており、自然に主人公のサポートをしつつ得点を重ねることで、着実に力をつけてトドメの一撃のチャンスを伺っていた。そうしてじっくりコトコト煮込んだ妹スープを最後に流し込む手法は素直に意外性があり(まぁ、伏線もクソもないんだから意外に決まってるが)、妹ものとしては軽いショートフックが綺麗に顔面に入ったような感じ。なるほど、妹可愛い文化は、まだしっかりとアニメ文化の奥底で息をしていたわけだ。

 そうしてメインのギミックが「案外味がした」ことに加え、アニメ全体としては作画が低調であるにも関わらず、どこか無視できない求心力も持っていた。キャラデザなんかを見ると意地でも譲らない一線があるようで顔の描き込みで「可愛い」と思わされる部分も多かったし、「変態を描く」という大義名分で開き直っているのでエロの描写も清々しい。なんか、省エネの覚悟を決めて、低カロリーでも伝えたいことを残せる作劇とでも言えばいいのだろうか。わかりやすいところだとオープニングの作画があって、手拍子するカットなんてあからさまに枚数が少ないからカクカクした動きになってるのに、まぁ、そこはそんなに気にならず、「ちゃんと可愛く動けてるやん」って思えるんだよね。この辺りは動画に対するセンサーの感度にもよるのかもしれないけども、私としては「分相応の頑張りじゃあるまいか」と不思議な納得があった。

 そして、個人的にイチオシ(?)なのは、今作でもやはりキャスト。最終的に「ほら、本渡ちゃん可愛い」でファイナルアンサーなのだが、残り4名の揃え方がどこまで意図的なのか分からない揃い方になっていて、世が世なら「全員妹」なんだよ。竹達はラノベ業界では終身名誉妹みたいなところがあるし(高坂家&桐ヶ谷家)、日高里菜は言わずとしれたロリの巨塔。野水も最近はそうでもないが、四糸乃やニンフといった妹系キャラが原点の声優である。そういう意味では作中屈指のロリキャラを担当していたへごが一番妹度数が低いが、それでもロリ的キャパのでかさは疑いようがない。つまり、今作は歴戦の妹が集まり、それぞれの変態芝居を競いながら戦う「妹大戦」だったのである(あくまで個人の感想です)。誰が勝ってもおかしくなかったな(全員負けたという話もある)。そして、妹と関係を持つヒロシモノという、「何ガノソラだよ」というからあげ大使の活躍。なんだろね、この「永遠の童貞臭」みたいな個性ってのは、やはり業界でも唯一無二のものがあるんだよな……。癖の強いヒロイン勢ばかりが集まってピーチクパーチクやってるだけだととっ散らかった印象になりそうなのだが、その真ん中に下野が入ると、全てがずるずると下野空間に吸い込まれていくような、そんな奇妙な安寧がある。そんな彼も来年で40歳だってよ……マジか……。本渡ちゃんは24歳だってよ……わっかいなぁ……。

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「からかい上手の高木さん2」 5→5

 まぁ、特に何かが変わることもなく。いや、変わってんだけどね。やっぱり、流石にエンドレスで同じようなことをやり続けるというわけにもいかず、本当にちょっとずつちょっとずつ、二人の関係は前に進んでいるんだ。

 この2期になって敢えて「変わった」というなら、多分高木さんのアプローチがどんどんダイレクトアタックになっている点が変化だ。もう、一歩間違えたら単なる痴女なのでは? みたいな攻撃が増え、いくらなんでもそこまでやっちゃうとからかいじゃなくて単なるセックスアピールだろ、みたいな展開が多くなっているように感じた(個人の感想です)。まぁ、それだけ突っ込んでいかないと反応しない西片に大いに問題があるっちゅう話だが……というか、今作をこれだけ見ていて考えたのは、むしろ高木さんは「介護する側」としては割と普通の人間関係を構築しようとしていて、どちらかというと西片の精神性の方が異常なんじゃないかってことだ。こいつ、中学生男子だったとしてもちょっと精神年齢がおかしくないか? 「ホントは好きな子の前だから素直になれない」補正を間引いて考えたとしても、およそ中学生レベルの知能指数ではないような気がする。いちいち遊びの提案が幼いし、高木さんにやり込められるときのアホさ加減も単なる「頭の悪い中学生」というには病的すぎる。そりゃ高木さんだって心配になって「からかい」という名の問診もするんじゃなかろうか。そうとでも考えないと、高木さんがなぜ西片に熱視線を送るのかがよく分からないんじゃよ。

 ガキどうしの恋愛にムキになるなって? 別にね、あんな中学時代も楽しかろうと思って妬いてるわけじゃないんすよ。僕の中学時代の思い出? そうだね、柳生十兵衛(サムライスピリッツ)のモノマネをする友人の水月刀に危うく足を折られたかけたこととかですかね……。

 

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「胡蝶綺〜若き信長〜」 5→5

 大河ドラマだった。ただ、想像以上にちゃんと「若き信長」のところだけやってたのは意外だった。いや、タイトルで言ってんだから当たり前なんだろうけど。桶狭間で終わるのは尻切れ感があるのだが、まぁ、これ以上やると「若くもない信長」になっちゃうから。人生五十年いうてる奴の「若い」ってどれくらいなんだろうか。

 どっちかっていうと信長よりも信勝さんの方に感情移入しちゃうっていうデザインはどうなんやろうと思ったが、あれだけ信勝が徹底フィーチャーされてこそ信長の人格が形成されたのだって考えると、若き信長を決定づけた魔の遺伝子として信勝が永遠に語り継がれるシナリオラインは理念に基づいたものなのか。他にも帰蝶の扱いが若干ブレたとことか、戦国時代の割に合戦描写は割とおとなしかったところとか、なんか期待してたのと違う部分はあったのだが、その辺は描きたいもののズレってことだろう。これはこれできちんとヒューマンドラマとして成立していたのだから文句を言うのもお門違いってやつである。

 あとはまぁ、不満があるとすれば「全員単なるイケメンだから顔の区別がつけにくい」ってのがあって、これは毎度毎度のディーン製作そっち方面向けアニメなので致し方なし。露骨なラブ要素とかがなかっただけ助かったと思おう。考えてみりゃ、戦国時代の武将云々なんて衆道上等なんだし、よりダイレクトにBLを描いてもおかしくないジャンルなんだけどな。割と女の子もきちんと描かれてる作品だったのよね(織田家のCVは東山奈央)。

 さて、これが無事に終わって、何かここからさらなるプロジェクトの進展はあるもんだろうか……。

 

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「ナカノヒトゲノム【実況中】」 3→3

 「俺は何を見せられているんだろう……」って思い続けて1クール。気づけば終わっていた1クール。うん、まぁ、求めていた方向性が僕の考えるものとズレてただけなんだろうね……。

 デスゲーム設定は嫌いじゃないと再三言っている。何かしらルールを設定した中に突然放り込まれて、智謀知略で戦っていくお話というのは好みだし、それこそ「バトルロワイヤル」みたいな友情や愛情、策謀と裏切りに満ちたドラマだって好きですよ。最初に設定を説明された時点では、きっとそういう作品の1つなのだろうと思って見始めたのに、1話目の時点ですでにそれが裏切られていたっていう。まぁ、その時点で視聴姿勢の方向転換すれば受容体制も整えられたと思うんですが、問題は、「じゃ、これって何を目指したアニメなの?」っていうのが分からなかったことである。

 いや、マジでこれ何がしたかったんだろう。タイトルからすると「ナカノヒト」であるから、いわゆるゲーム実況の面白さやつまらなさがテーマになっているはずだ。しかし残念ながら、今作においてプレイヤーたちが「実況している」と感じる瞬間は1秒たりともない。みんなして単に訳のわからない事態に巻き込まれ、その場その場で生き残るための方策を考えているだけ。外に「視聴者」の存在があることなど考えている様子はない。「いや、でもビュアー数が伸びることが目標って言われてるし」と設定を思い出してみるも。ここが一番の謎。もし我々視聴者と異なったメタレベルで、今作のドタバタを「見ている」ビュアーがいるとして、どう考えてもこのコンテンツは面白くなさそうである。だって俺が見て面白くないんだもの。何してるかわからんもの。なんで視聴数が伸びるんだよ。その視聴者数だって、毎週最後にカウンターが回るところでちょっと意識されるぐらいで、そのカウンターが何を基準に回っているのかも一切説明がない。ゲームの内容が何であれカウンターは回るし、出場者の行動に左右されるとは思えない。「人気ゲーム実況者」という設定がここでは1ミリも関係しない。

 それじゃ、もう開き直ってゲームそのものを楽しむ頭脳戦バトルアニメとして楽しめばいい。しかし残念ながら、ゲームで何をやりたいのかがさっぱりわからない。ルールもわからないし、目的も楽しみ方も分からない。「どう考えてもこんなん実況して面白くなるわけないやん」という取ってつけたようなルールのイベントが散逸的に展開されるのみで、そこに頭脳を使う余地もないし、そもそもルールがよくわかってないので見てる方も何が起こっているのかよく分からない。ありとあらゆる事象が「よく分からない」なのである。想定される全ての面白みが抜き取られたような、虚無のアニメである。

 まぁ、そんな中で一応眼目としては「個性的な若者たちが次第に打ち解け、友情を育んでいく」というドラマ部分が一番みるべき点になっているだろう。キャラのどこかを好きになれれば、もしかしたらそういう方向性だけは楽しむことができるようになるかもしれない。まぁ、残念ながら私はそうなれなかっただけで。一応ナカノヒト補正もあってユズさんは割と好きなキャラではあるんだけどね。

 SILVER LINK+大沼さんというお約束の座組みなので画面に馴染みはあるのだが、今回は作画力も並だし、演出もパッとせず。面白みは感じられなかったのだが、単にエネルギー不足だったのか、こちらの受け取り方が変わってしまったのかはよくわかりません。結論:アルパカよりキリンの方が強そう。

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「荒ぶる季節の乙女どもよ。」 6→7

 大好きな15ページだった。特別枠のシンフォギアを分けると、個人的に今期はこれがベスト(の中の1つ)です。本当はもう1点加点するつもりだったのだが、さすがにあの5話近辺の作画は褒められたものではないので減点している。これで制作状態が完璧だったら、もう、ピンズドで私の中へ。

 結局ね、好きなんですよ、岡田麿里の作風が。芸風が。彼女の脚本の妙味は「絶妙に使いこなしているおっさんが中にいる」感じなんです。男だから女だからとかいうとセンシティブな時代になってしまっているが、それでも「男にしかできないこと」「女にしか作れないもの」が世の中に存在しているのは間違いない事実。そして、彼女のセンスは、どうあがいても男には届き得ないものになっている。質感というか、肉感というか、やはり経験するというのは最大の武器になるもので、彼女が実際にどんな青春時代を送ったかは(再現ドラマでしか)知らないが、それでも我々男連中よりは、和紗たちに近い思考を辿ったこともあるだろう。そうした「女子高生の生の中」が見え隠れするような、どこか犯罪的な匂いがまずもって上手い。そして、それだけだと男というのはドン引きしてしまう可能性もあるのがわがままなところなのだが、彼女はそこでうまく手綱を握る。自分の中のおっさんを覗かせてくれる。そこで「男が見たい図」へとくるりと翻して、「生っぽさ」と「萌え」を接続させるのである。秘密を盗み見ているようであり、それでもどこか「オタクアニメ」の極致であり。そういうバランス感っていうのは、本当に岡田麿里オリジナルなんじゃなかろうか。

 そして今作の場合、そうしたテーマ設定が「This is Mary」だったことに加えて、おそらく原作漫画の時点で生み出されている絵の良さもあるんじゃなかろうか。どのキャラも余すことなく個性を出し尽くしているキワモノ揃いなのに、みんなしてちゃんと可愛いという。主人公の和紗がふと眉ぱっつんのくせにめちゃくちゃ可愛いのは反則クラスだが(残念ながら、よりもいのキマリに一足先にこの魅力はさらわれてしまったが)、初見では「どないやねんこいつ」と思っていたひと葉にしろ部長にしろ、これが最終話では見事に可愛い女子高生に成り上がっている。最初から輝いていた菅原氏に至っては、むしろ転げることで人の身に墜ちて可愛くなるという神業である。1人1人の心情を舐め回すように追いかけたからこそ得られる圧倒的な「萌え」の成分は、おそらくキャラデザや各シーンの構図の取り方など、視覚的な要素が大きく効果を発揮した部分である。いちいちスカートの翻し方とか、太ももの覗かせ方がズルいのよ。そりゃ「性」がテーマの作品なんだからそういうところで手を抜かないのは当然の心構えではあるのだが、言うは易く行うに難い。キャラの心情がしっかり見えて、あけすけな表情の全てが「可愛い」につながるというのは、並々ならぬ苦心の果てに得られる成果であろう。

 こうしたあけすけな可愛らしさが得られる理由は色々と挙げられるだろうが、今作で注目したいのはどこか妄想とも言い切れない近しさじゃなかろうか。結局、男女の悩み、性の悩みってのは誰しも一度は抱えたことがある人類普遍のテーマであって、それをどこまで自分の身に近づけて考えられるかってのも熱量の差が出てくる部分だと思う。今作は岡田麿里作品にしては珍しく、作中に一切ファンタジー要素がない。幽霊もいないし不老不死もない。あくまでも「普通の女子高生」を描いており、普段以上に「あぁ、そういう気持ちって……なぁ……」みたいな身をよじるようなもどかしさが肉薄してくる。その中で最終回の「色鬼」みたいに「なんじゃそら」っていう突飛なものも出てくるし、「ヤろうと思ったら三枝の鼻毛が気になってしょうがなかった」みたいなどうしようもなく身近な要素も出てくる。そうして右に左に揺さぶられることで、我々は「フィクショナル女子高生」に埋没していけるのである。

 そうして作り上げられた偏執的な岡田麿里の世界を、しっかりと構築してくれた安藤監督には改めて賛辞を送りたい。よかった、信じていて本当によかった。そして、当然のことながら大役を果たしたのは制作スタッフだけでなく、キャストの皆々様も。本当に無駄弾が1つも無い布陣なんだよなぁ。むしろ割とキャラが読みやすかった菅原氏あたりの方が演技プランとしては楽だったんじゃないかと思えるようなヘヴィな役どころばかりで、みんなしてどれだけ入り込んでいたかは想像するだけでも恐ろしい。とりえあず、MVPは素直に和紗役の河野ひよりで良いと思います。だって和紗可愛かったもの。こんなにキュンキュンさせられるラブコメもなかなか無いわよ(コメでいいのか?)。そして重篤なところを任される北宇治コンビとか、実は影の立役者だったかもしれない三枝役の咲野さんとか、本当に刺激が多い素敵ワールドでございました。

 結論:エロい女子高生を大切にしていこう。

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「ビジネスフィッシュ」 4→4

 いや、もうだいぶ前に事実上終わってたんだけどさ。まさか6話構成だったとはね。折り返してからずっと番組名が「話数+」の表記になってて、単にエンディングが変更になっただけの再放送だった。「どっかからまた新作やるんかなぁ」と思って最後までチェックしてたらそんなこともなく終了。まぁ、もともとそういうコンセプトだったのね。

 ぶっちゃけ、当初の印象よりも割と好きになった作品ではある。「これ、単に主人公が魚っていうだけでネタが続くの?」って思ってたけど、思ったよりも「社会人ストレスあるある」みたいな展開でサラリーマンの日常アニメとしての広がりを見せ、その上できちんと「主人公が魚」要素は話の本筋にも関わっていたので、このアニメならではの楽しみがあったのは間違いない。タイの鬱陶しさもどこか憎めないところがあるし、一応真面目なタイプの人間ではあるのでたまに応援したくなるような場面もあったり。結局最後まで見てると「もしかしてこの中で一番の常識人って海野なのでは……」ってなってくるのがちょっと面白いところだった。

 とはいえ、やっぱり普段見てるアニメとは色々とカテゴリがずれてしまうのでうまく評するのは難しい。やっぱり、この手のCGのやつってアニメーションとしての面白みじゃなくなっちゃうんだよね。構成演出の影響力が小さくなっちゃうので、どっちかっていうと実写ドラマと同じ軸で評価する方があってるはず。それだとやっぱり「別に無かったら無いでいいかな……」くらいが落とし所。まぁ、もし続編が作られたら、その時にはまた見ようと思うけども。

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「フルーツバスケット」 5→5

 ひとまず前半戦終了。ここまでお疲れ様です。その頑張りを評すればもう1点あげてもいいんだけど、どうしてもそれって原作えこひいきになる気がするので、とりあえず現状維持の姿勢で。

 良いアニメになっているのは間違いないこと。取り立てて派手な部分も無いし、毎週ドキドキしながら見守るような話題の作品でもないのだが、そりゃぁ20年前の作品を今更アニメにしてそんな展開が待っているはずもない(「どろろ」がおかしかっただけだ)。大切なのは、そこに「なんで掘り返したんや」という悪感情が生まれないということ。すごく申し訳ない言い方だが、マイナスの感情が芽生えないというそれだけで、本作は立派にその任を果たしている。

 旧作も本作も、どちらも非常に原作愛に満ちた作品である。旧作はその愛情をドラマティックに彩り、限られた時間の中で最大限のものになることを目指した。放送時点で原作はまだまだ未完だったことを考えれば、当時のアニメ化としては満点の答えだった。そして今作は、分割4クールの尺を与えられ、「完全新作」として改めて原作をアニメにしていくことを求められた作品。余計なリビルドなど無しに、原作の持つメッセージをできる限り生のままでアニメに乗せる。巧拙の差ではなく、制作理念の差が出た結果の2作品である。原作が好きな人間だったら、どちらも「ちゃんとフルバがアニメになってる!」と喜ぶべきところだろう。そう考えると、やっぱり加点したいところだな。

 そして後編に向けて、またキャストの配置が気になってくるわけで。今回は放送前に散々キャストがどーのこーのと盛り上がってた部分があり、さらに「杞紗たんのキャストが誰になろうが文句を言ってやる」と手ぐすね引いていたのに、よりによって「対俺用兵器」みたいなキャスティングにされたせいですごすごと尻尾を巻いて退散することになった。ありがとう。本当にありがとう。あと、個人的に律のキャスティングに笑ってしまったのでさらに一敗。依鈴が誰になるか気にしてたらさらに叩き込んできて2敗。繭ちゃんで3敗、真知で4敗。勝ち目無し。なんやこのスタッフ。残りのコマは紅野と公くらいかな……特に紅野はねぇ……魚ちゃんとの関係性があるから大事なところだよねぇ……。

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「女子高生の無駄づかい」 6→7

 僕を夢中にさせたいならどんなアニメを作ればいいか知ってるかな? そう、中の人荒ぶり作品だ。今作はそっち方向のホームラン本数が多かったのがとにかく素敵でな。メインにちー様と戸松を置いてる時点で、無限のエネルギーが発生しているじゃないか。

 中の人ネタだけでも丸々一本分の記事になりそうなので割愛するが、とにかく何をみてても気持ちが良い作品だった。いや、時たま気持ち悪いシーンもあったが(むしろ多かったが)、それも含めて気持ちよかった。フル回転のギャグアニメでこんだけ楽しませてもらったのは何だか久しぶりな気がします。……って思って確認したら最近だと「わたてん」とかあったわ。まぁ、わたてんはだいぶテイスト違うけども。でも、もしかしたらどっかで繋がってる部分はあるのかも。基本はギャグで畳み掛けてくるのに、スパイス程度にいい話を混ぜ込んだり、女子×女子の関係性を匂わせてみたり。いや、でも正直ラス前のヲタの恋愛話はそこまでピンとこなかったんだよな。わたてんのラブ要素は結構がっつりボディに来たんだけどな。そうなると、やっぱり今作はギャグの力でここまでのエネルギー量になったということか。とんでもねぇ話である。

 何が飛んできてもおかしくない芸風で、実際に「なんやねんそれ!」みたいなキレ芸も多かったのだが、どこまで計算してるか分からない底知れない恐怖感がある。だってさ、こんなタイトルの作品でまさか最終話に「タイトルの意義を回収する話」なんてやると思わないじゃん。別になくてもいいじゃん。でもやるんだよ。「あ、そゆこと?」っていうハズし方をわざわざやるんだよ。そういう「常に不意打ち」みたいな予測不可能な攻めのスタイルが本当に癖になる。今作は骨組みだけをみたら「学校でわちゃわちゃしてる個性強めの女の子集団のお話」なのだから「ひとりぼっちの○○生活」なんかと同じジャンルだったと思うのだが、ぼっちとこれでは全然破壊力が違うんだよな。ぼっちはコミュ障キャラを構築してしまえばあとはそこからの派生でルート取りしやすかったが、こっちは「ロリがいるぞ! ロリはこういうキャラだから!」って固めようとしたらそこにリリィの掛け算を叩き込んでくるし、「マジメは実際はバカだぞ!」と思わせておいて急激にガーリーな様子を見せてチャームしたりする。ヲタの恋愛話だって、ロボの友情話だって、「そんな話やるのぉ?」みたいな意外性がまず頭を殴ってきて、その上でいい話だったり、やっぱり変な話だったりするからこそフルスイングになっているのである。ただでさえさじ加減が難しいギャグ作品で、こんだけのものを積み重ねられたのは、本当にスタッフ一同の努力とセンスの賜物であろう。あとキャスト(しつこい)。

 アニメってのは工夫と手間暇でなんぼでも見せ方があるということを改めて教えてくれる作品。あ、別に作画がひどかったとかいうわけじゃないよ。まぁ、特によくもないけど。パッショーネは高橋監督との関係性が密になってからハズレがないのだし、このまま専用スタジオになってしまえ。

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「ギヴン」 6→6

 最近、バンドアニメに対する判定が甘くないですかね? いや、そもそもバンドアニメなんてほとんど無いからええやろ(完)。

 いや、割と好きでしたよ。1話目の感想が「上ノ山、実は良いやつなんちゃう?」で、最終話の感想は「上ノ山可愛すぎるやろ……」だった。上ノ山劇場。いや、でもギヴンの4人はそれぞれのキャラがちゃんと立ってて個別のエピソード観てても退屈しなかったしなぁ。

 改めて言えば完全なるホモアニメである。そして、事あるごとにホモアニメについては「Not for me」と言う言葉で避けるようにしていたのだが、今作はそこそこfor me。これまでダメだったものと何が違うのかはよくわからない。過去のホモアニメでも、「だか1」みたいなギャグ(?)に吹っ切れた作品がOK(??)になるのは分かるけど、今作は割と真っ当なラブストーリーである。それが受け入れられたのは私の性質が変化したのだろうか。いや、でも冷静に考えるとホモアニメの中でも真っ当に恋愛ドラマにしようとしてた作品って案外少ない気もするな。ぱっと思い出せないもん。「ユーリ」とかもカテゴリが違うしなぁ。私が「受け付けない」って言ってた作品って、案外「ホモアニメ」じゃなくて「男性アイドルアニメ」が多かったのかも。大量のキャラが寄ってたかってだと目線が散って、ホモである意味がうやむやにされるんだよ。今作はそう言う部分はなくて、ちゃんとみんなして恋愛感情に正面から向き合ってるからドラマとして観ていられる。とりあえず、そういう落としどころにしておきましょう。

 こういう世界ってのは不思議なもんで、基本的にホモはホモを呼び、作中の恋愛の大半がホモである。というか、ギヴンのメンバーは示し合わせたように全員ホモだった。ただ、おかげで最終的に上ノ山と真冬の関係についてもみんなの理解があって助かるし、必要以上に禁忌を匂わせるような要素もない。その辺りを一身に引き受けた真冬の恋愛が単なる同性愛であるがゆえのタブーみたいなものとは別次元の重さがあったので、そこから目線を逸らされたってのはあるかもしれない。改めて外からの視点で観て、「バンド内恋愛禁止って男同士でもダメなのか?」とか珍妙な疑問が出てくるあたりに、色々と想定外の刺激があったんじゃないかと思います。

 演出方向もシリアスとコミカルのバランスが良く、個人的にはやっぱり「上ノ山かわいいやんけ」が一番強いのだが、苦労人のハルさんが放っておくとどんどん溜め込みながら、それでも大人として良い仕事をしてるのが格好良くて好きなところ。高校生から見た大学生やら社会人って、やっぱり頼りになる「大人」なのよね。ちゃんと男から見ても魅力的な男であれば、ホモアニメってそこまでハードル高くないのかも。まぁ、僕はノンケですけど(大事)。

 

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