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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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第3位 
’10「刀語」 ‘11「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」 ’12「黄昏乙女×アムネジア」 ’13「有頂天家族」 ’14「月刊少女野崎くん」 ‘15「えとたま」 ‘16RE:ゼロから始める異世界生活」 ‘17「3月のライオン(第2シーズン)」 ‘18「ひそねとまそたん」
‘19BEASTARS
 まぁ、この作品は選ぶべきでしょう。「宝石の国」に続くオレンジ初のCGアニメ、BEASTARSである。
 今作の特筆すべきポイントは、単にCG作劇ってんで手間を省いたり、既存のモデルにおんぶにだっこで安易な映像化にしなかったところである。職人集団オレンジについて今更そんなことを言及する意味もなかろうが、「宝石の国」のときにはあまりにも画面自体が鮮烈すぎて、そうした部分を観ることがおろそかになってしまっていた。今回は「宝石の国」ほどぶっ飛んだ設定ではないので(それでも色々おかしいが)、ある程度普通のドラマとしても、既存のアニメの表現と比較してみることが可能だった。
 確か個別の感想記事でも言及したが、「ケモキャラのCG描写」といえば何と言ってもディズニー製アニメの印象があり、これとほぼ同じ目的で作成された「ズートピア」と比較すると、なるほどコストをかければCGの細部のクオリティというのは天井知らずで上がっていくもので、毛並みの細かさなど、手数ではやはり日本はかなわない。しかし、そうした方面でのこだわりは天井知らずだとしても受け手側の認識に頭打ちはある。それなら、コンテワークや心情芝居など、別な部分でいくらでもこだわりで上を目指すことができるはずなのだ。本作は現在の日本アニメが作れる最高峰とも言えるクオリティで映像を提供しつつ、なおかつ作劇も一切手抜かりなく作品のテーマ性を磨き上げた。全編を覆う「舞台」のモチーフはどこか不安定で閉鎖的なイメージを生み出し、獣社会に滲む闇を常に意識させる。「差異」を意識させる偏執的なまでの動物たちの差別化は、ただそこにあるだけでこの世界のあり方を訴えかけるのに、それを光と闇の演出でさらにはっきりと区分けしていく。「人」と「舞台」とで、初めて生まれるのが「演出」なのである。原作からしてそうしたドラマティックな演出の多い作品には違いないが、アニメという媒体に乗せる上で、また新たな魅力を付加してくれたことは、原作ファンにとっても大きな喜びにつながったのではなかろうか。
 さて、2期はいつ来るだろうかねぇ……。
 
 
 
 
準グランプリ
’10STAR DRIVER 輝きのタクト」 ‘11「花咲くいろは」 ’12「人類は衰退しました」 ’13「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」 ’14「四月は君の嘘」 ‘15「昭和元禄落語心中」 ‘16「ふらいんぐうぃっち」 ‘17「宇宙よりも遠い場所」 ‘18「風が強く吹いている」
‘19「まちカドまぞく」
 そりゃそうだろ。ここに来るだろ。奇跡が奇跡を呼び続けた謎の中毒性アニメ、ハイパーシャミ桃タイムのスタートだ。
 いわゆる「きらら枠」はやんわりとしたヒーリング効果を主目的とした作品が多く、なかなかこの記事のベスト3まで上がってくることはない。良作と呼ばれるものはいくつもあったかもしれないが、見ての通り、「けいおん」を最後に中庸な評価を受けてそれでおしまいである。しかし、何度も言及している通り、単なる癒し枠としての「きらら系」はすでに時代が求めるものではなくなり、アニメとしての拠り所を別に求める必要に迫られるようになった。そうして生まれたキマイラのごとき異形、それがこの「まちカドまぞく」である。
 魔族と魔法少女の骨肉の争い。魔族が主人公で、あの手この手で正義の魔法少女を籠絡していくダークファンタジー。そんなもんがきらら文脈に乗るはずがないというのが普通の神経だが、今作はそんな常識を軽々とぶち破り、独自路線すぎる新たな世界を築き上げた。その世界は虚弱体質の魔族の娘が、筋トレ狂いの魔法少女と慎ましくも大胆でインモラルな友情を育む世界だ。もう、この時点で意味がわからない。不条理に飲み込まれそうになる我々視聴者は、狡猾な魔族のご先祖に導かれるままに、ゆっくりと謎のシャミ子ワールドへと沈んでいく。気づいたら彼女の一挙手一投足が見どころとなり、激昂するとポコポコ音がするようになる。そう、これが魔族の、否、まぞくの手管なのである。
 めくるめくまぞく世界を生み出したのは桜井弘明監督。これまた繰り返しになってしまうが、氏が得意とするマシンガン早回しアニメがここまで作品を引っ張り上げることになるなんて、想像もつかなかった。「斉木楠雄」の時のように、早回しそのものがネタになることはあるが、完全にメタレベルでのネタであり、作品そのものにプラスアルファの要素があるなんて普通は考えられない。しかし、シャミ子は違ったのである。何故かあのテンポが「正解」だったのである。ただでさえゆったりまったりを是としてきたきらら作品で、このスピード感と破壊力を実装することに耐えられる作品があろうとは。恐ろしいまでの作品密度と、クドいくらいの徹底したネタ管理があってこそ可能になった禁断のジェットコースターだ。
 「きらら系」の枠1つとっても、アニメはまだまだ進化を続けている。惚けた頭で適当に視聴していては、この荒波には揉まれて砕かれるだけだ。各々の危機管理を怠らぬよう。
 
 
 
 

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<アニメソング部門>
 高らかに歌え、アニソン部門。カラオケ戦士たる私はこの部門をおろそかにはできないわけですが、改めて1年を振り返るに、「あれ? 例年に比べて歌える曲が少ないような……」ってなったのはひとえにガルパソングのせいである。コンスタントに新曲がリリースされ続けるバンドリコンテンツは、全バンドをフォローしようとすると曲数が膨大なものになり、どうしてもそちらの方にキャパを費やさなければならないのである。おかげでメインとなるアニソンが少なからず犠牲になることに。そして、基本的にガルパソングは「アニソン」ではないため、この部門で選出するのは憚られるのである。
 まぁ、そうは言ってもおそらく一般的なアニメファンよりは押さえている曲数は多いとは思うんですがね。とりあえず、最近は恒例になっているので、各クール、カラオケで最も歌ったと思われるタイトルをランキングに影響しない範囲でドン。
 
春クール(?)・「Blast!」(劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのメロディ〜)
夏クール・「乙女どもよ。」(荒ぶる季節の乙女どもよ。 OP)
秋クール・「graphite/diamond」(アズールレーン OP)
冬クール・「ミスターフィクサー」(ID:INVADED OP)
 
 意外にバラエティはあるかな? アニソンの大事なところは、アニメそのものに興味がなくても「歌自体が好き」とか「映像部分が好き」とか色々な愛で方があるので、他の賞とは違ったタイトルが出て来やすいところですかね。
 さて、いつも通りに各種タイトルを見ていくことにするが、まずは純正のアニソンシンガー枠では、最近気になっている名前はASCAだ。今年度でいうと「雲雀」や「CHAIN」など、様々な表情を見せてくれるスキルの高さが見どころ聞きどころ。来歴をたどると鈴木このみなんかと同じアニソングランプリ出身者なのよね。今後のアニソン業界の牽引者の一人になるかもしれない。上述の通り、大看板のMay’nは「graphite/diamond」を担当。この辺りはもう、伝統芸能と呼んでもいい頃合いかもしれない。そして個人的に外せないのは「それいゆ -Dear Destiny-」。やっぱりワシの中でモモーイは特別なんじゃ。
 刺激の強さでいうなら、あのオーイシマサヨシが一枚噛んでいる「No.7」なんかはインパクト抜群。こちらは映像との親和性の高さも見どころか。映像と曲の二重ドラッグっぷりで言えば、各種アニメでメインテーマや劇伴を数多く担当しているNoW_NAMEがブッ込んできた「Welcomeトゥ混沌」も最高のご機嫌ナンバー。枠に縛られずに常にアニメにマッチしたテイストを弾き出せるのが、熟練のアニソン職人たちの技の見せ所といえるのかもしれない。
 ちょいと目立たないところで地味に「アニソン業界」の版図を拡大している気がするのが、個人的に一押しのNakamura Emi。今期は「ちっとも知らなかった」が実に印象的なシーンを描き出している。過去の担当曲(笑ゥせぇるすまんEDやメガロボクスED)とは全然違う方向性だったので初めて見た時にはかなりのインパクトだった。そうそう、アニソンシンガーとして忘れちゃいけない伏兵には、あのBless4からお兄ちゃんのソロ歌唱「籠の中の僕等は」がある。作品としてはダンス映像の問題ばかりがクローズアップされてしまったが、曲単体でも「とんでも青春絵巻」たる作品のエンディングにぴったりなのである。そしてこの部門ではすっかり常連となっているジョジョの楽曲も今年度の看板の1つ。中でもやっぱり「裏切り者たちのレクイエム」でしょうね。もうみんなして「キングクリムゾンバージョンがあるに決まってるわ……」ってなってたから驚きはなかったけどね。
 映像部分でのインパクトがでかい作品にも色々とバリエーションがあり、記憶に新しいところでは「Easy Breezy」の中毒性の高さはさすが。深夜アニメのOPで「とりあえず起きろ!」って叩き込まれるとテンションあがるわね。別方向から映像の凄まじさを見せつけられたのは、ストップモーションアニメが印象的な「Wild Side」。あまりに偏執的で、これだけで一本の作品として成立しちゃうレベルなのが恐ろしいな。
 もう少し別視点でちょっと昔風のタイアップでいうと、「インフェルノ」あたりはいい具合に格好よさがはまってたコラボレーション。最近のアニソンで「本当になんの関係もない単なるJポップ」ってさっぱりなくなったけど、こうして「アニメと関係無しにも成立してるけど、合わせて聞くとちゃんとタイアップ」っていうバランスの曲は好きよ。そのカテゴリだと微妙なところだけど似たラインでは「キヅアト」も好きでしたね。バンドアニメだから安易に作中バンドに歌わせそうなもんだけど、そうしないあたりにこだわりが感じられる。
 現代アニソンで主流の1つといえば、何といっても声優歌唱。「声優アーティスト」としてソロでタイアップを果たすパターンと、作中キャラの歌唱のスタイルの2種が今年度の作品でも数多く混在している。前者のパターンだと、例えば「ダイスキ」が代表選手だろうか。ほんと、このMVのへごが好きすぎて困る。同じラインの「パパパ」も楽しい曲だし、「デビきゅー」なんかもお手本みたいな出来である。「ダメハダメ」もやたら印象に残ってて大好きな一曲で、最近の鈴木みのりの「ヘンテコアニソンシンガー」としての地位を不動のものにした感のある怪作。キャラ名義のクレジットにはなるが、ぐっと作品のイメージを引き締めた「異人たちの時間」は印象的。この辺の「ソロデビューしてるかしてないか」の差ってのは大した問題ではないな。
 転じて、がっつり作品に絡むタイプの声優歌唱でいうと、個人的にどうしても忘れられないのは「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃ママ」。各方面に傷跡残すのやめろや。かやのん、まだ産んでない。どうしても電波な曲が大きなってしまうジャンルだが、わかりやすいところだと「スマイルスキル=スキスキル!」が出てくるだろうか。毎度おなじみの太田節である。より脳に深刻なダメージがほしい人は「輪! Moon! dass! cry!」をどうぞ。丁寧に歌詞を聞くとほんとわけわからんからな……。歌詞はわかるけど製作者の頭の中身がわからないのは「犬生は一度きり」。仕事を選ばない大御所さんたちに感謝せんとな……。癒し成分多めで行きたいなら、「もっふもふ DE よいのじゃよ」で落ち着きましょう。あ〜ダメになる〜。同じ路線(?)での癒しには「#NULL*Peta」がありますよ。あ、キャラ歌唱の中でも異質すぎるのでカウントが難しいんですが、一応「スフォルツァンドの残響」はあげておきますね。
 最後に、アニソンにカウントできねぇと言っときながらやっぱりガルパ関係はあげとかないと死ぬ病気なので簡単にタイトルだけ。「約束」「Hell! or Hell?」の2曲だけで私の正月が終わってしまったのでね……。
 
 

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<キャラクター部門・女性キャラ>
 出来るだけ手短に、的確にを目標に、女性キャラ部門だ。なんとか短く収めるためにも、今年も1作品1キャラを原則として進めていこう。あと出来たら1声優1キャラも守りたいところだけど……こればかりは……。
 こちらは男性部門とは逆に真っ直ぐな主人公から入ってみよう。直近の記憶で印象深いのは、新たな性癖の幕開け、岩永琴子女史(虚構推理)。まぁ、可愛いを狙ったら狙い通りのところにズドンときたという分かりやすい造形。そういう意味では犬山まなちゃん(ゲゲゲの鬼太郎)も同じカテゴリに含まれるかもしれない。最近のヒロインは率先して百合要素を推していく安定感。足の太さを売りにしていく八尋寧々さん(地縛少年花子くん)、頭皮の臭さで勝負するタキタ(空挺ドラゴンズ)といった戦う女性陣にも注目。守られてばかりのヒロインの時代は終わったのだ。
 戦うヒロインといえば、ピーキーな性能が謎めいた魅力となったティラナ・エクセディリカCOP CRAFT)も手堅く可愛い。村田蓮爾絵の魅力がアニメでも存分に発揮された好例だろうか。戦いの次元こそ違うが、えりぴよさん(推しが武道館いってくれたら死ぬ)も立派なメインヒロイン(?)として活躍してくれたし、そこから派生して出てくる名前は当然紗倉ひびきさん(ダンベル何キロ持てる?)ということになる。みんなそれぞれに、負けられない戦いがあるのだよ……。そういう意味では、先輩(手品先輩)も常に真剣だったな? 決して悪い人じゃない。それは知っている。あ、この流れは多分メイプルちゃん(痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。)の名前も上げられそうだ。まぁ、彼女はほんとに趣味を満喫していただけだろうけどさ。
 視点を少しずらして、メインヒロインのそばで戦うポジションを見てみよう。複数のヒロインが乱立する作品では「推し」と呼ばれる枠である。例えば直近だと「SHOW BY ROCK! ましゅまいれっしゅ!」の中では、悩みに悩んでデルミンを選ぶ。いや、でもましゅましゅは4人とも本当に良い子ばかりで悩ましいのだが……。同様の悩みを抱えたノーブルレッドの中だと、なんとなくエルザちゃん(戦姫絶唱シンフォギアXV)を選びたいかなぁ。ソシャゲの方だと「ガンス」って言いまくってんだけど、本編でそんなに連発してたかね? 個性派女子高生勢揃いの「女子高生の無駄づかい」からは、当然私はリリィを選ぶ。可愛くて行動力のある百合脳、世界を破壊するだけのパワーがある。女子中学生アイドルグループが乱立する「RE:ステージ! ドリームデイズ」からなら、こちらも悩みに悩んだ結果、市杵島瑞葉部長を選出。どうにも私はこういうポジションにいる怪しげ関西弁に弱いらしいな(東條希に大切な何かを壊された者並の感想)。あ、一応メイドリーちゃん(異世界レビュアーズ)の名前も上げておきますね。別に深い意味はないけどね。ちなみに獣枠でもコマ(うちタマ?!〜うちのタマ知りませんか?〜)が選択肢に上がっていたことは黙っておこうな。あ、あとフィーロ(盾の勇者の成り上がり)。羽毛は正義。
 続けて、曲者揃いのライバル、敵キャラ部門。ここでパッと浮かぶのは、厄介の塊だった菅原新菜さん(荒ぶる季節の乙女どもよ。)あんな女子高生がいたら、そりゃ風紀も乱れるし友情なんてあったもんじゃねぇよな。ライバルっていうか実はそっちが本命でもよくない?とすら思えてしまうのがジュノBEASTARS)。あらゆる意味で肉食系女子。強い(小並感)。ライバルってのはちょっと違うが、どこか悪辣さの中に憎めない要素が入り混じる秀作ヒロインには食蜂操祈さん(とある科学の超電磁砲T)もいるぞ。ヒロイン力は胸囲力なんだゾ。そして真正面から主人公チームにぶつかりながらも、最後には感動の渦を巻き起こしたドラマの立役者といえば何と言っても堂島晶さん(この音とまれ!)。正しい人が正しく幸せになれるストーリーは良いものである。同様に最終的な幸せを掴み取った敵役としてはスザクさん(新幹線変形ロボシンカリオン)もあげておきたい。彼女の成長は、まさに「進化」と呼ぶにふさわしいものだったのだなぁ。そうそう、救いも何もあったもんじゃない単なる最悪なやつとして、シベール(キャロル&チューズデイ)が何故か印象に残ってるのであげておきますね。メインヒロイン差し置いてこいつの名前だけ上げるのはおかしくないか?(仕様です)
 あとは細かい名前を羅列していきますが、過去にすでに一度取り上げているので選出から漏れる名前には女神ヘスティア(ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅡ)とか、霜月美佳さん(PSYCHO-PASS3)がいます。良いヒロイン勢は時代を超えても良いに決まってますからね。個人的には何故か全部一緒くたのカテゴリに入るのはシュカ(ダーウィンズゲーム)、ペタ姉(ぬるぺた)、グレイ(ロード・エルメロイⅡ世の事件簿)の3名。なんでひとまとめなんでしょうね。わかんない人は宿題だぞ。中の人的要素だけで何故か印象深いのはリィン=メイ(プランダラ)とかだろうか。だって素直にエロ可愛いし。メインヒロインだったのにそんな感じが全然しない桐生瑞葉さん(可愛ければ変態でも好きになってくれますか?)も中の人要素強めではありましたが、もしかしたら新境地だったかもしれん。あとスイカDr. STONE)とか。中の人の変な声が忘れられないんだヨ。ヒロイン候補が多すぎてどうしたらいいか悩んだんだけど、「ドロヘドロ」からはあえて能井を選んでおきますね。まぁ、上の部門でシンさんをあげるならそうなるわな。そうそう、作品の出来不出来とは別でやたら印象に残ってしまったキャラとしては御杖夏南子(星合の空)なんてキャラも。これだけインパクトがあるってことは、ちゃんとシナリオが完結してれば名作だった可能性もあるんだよなぁ。
 さぁ、残りは10名だけだ(?!)。うち3名がベスト3に入るので、惜しくも選外に漏れてしまったファイナリストたち7名。まずは、謎のバイタリティで異常性を遺憾無く発揮させた名探偵、本堂町小春さん(ID:INVADED)。ロリなの? ショタなの? 純愛なの? 単なる異常者なの? いいなぁ、M・A・Oボイスのロリショタ探偵に突如発砲されたいなぁ。同様に発砲されたいというか、惨殺されたい願望が止まらないのはアザゼル・メアリ嬢(魔入りました!入間くん)。なんだこの可愛い生き物は。そりゃ生徒会が多少おかしな組織になるのもしょうがないよ。
 正統派ヒロインとしての力強さを見せつけてくれたのは藤戸千雪さん(ランウェイで笑って)。こんなにもまっすぐに少年漫画の主人公として戦えたヒロインは久しぶりかも。身長コンプがダイレクトにキャラ特性につながっているのも可愛い(本人に言ったら殺されるやつだが)。真っ向勝負に挑み、完膚なきまでに敗者となり、それゆえに頂点を手にした女、日高小春(ハイスコアガールⅡ)。彼女の持つ「負けの美学」は、女子大生が背負うにはあまりにも重く、潔い。彼女に幸多からんことを。最終的に幸せを掴んだのかどうか、少なくとも作品を一本作り上げたことは間違いないのは女神リスタルテ(慎重勇者)。映像、シナリオ、そしてキャスト。全てが本気でぶっ壊しに行った特級壊れヒロイン。何故最終的にいい話になったのかはいまだに理解が追いついてない。
 そして癒しの極致、現代が生んだ救いの象徴、仙狐さん(世話やきキツネの仙狐さん)。モッフモフで良いのじゃろう。甘えても良いのじゃろう。そしてその対極、荒廃と超過労働の極致、現代が生んだ勤労の象徴、金森さやか氏(映像研には手を出すな!)。金がなきゃ、世の中はまわらねぇんですよ。この戦いに終わりはねぇ。
 さぁ、残りの3名は、天国か、地獄か。
 

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 僕の春休みの宿題、2018年度アニメグランプリのお時間が今年もやってまいりました。毎年毎年、僕はこれのために頑張ってアニメを観ている感もあります。
 究極の自分語りコンテンツなので各個記事以上に好き勝手にやらせてもらっていますが、それだけに私生活や加齢などによる変化も如実に表れてしまうのがこのコーナーの恐ろしいところ。まぁ、「私生活の変化」とか書いてるけど「変わってない」のが実情なんですが……。ちゃうねん。変わってるはずやねん。変わらなきゃいけないねん。でもね、たまに愚痴でぽろっと漏れることがあるけど、私のような人間は、「変化すること」が一番の恐怖なのさ。今まで何年、何十年と続けてきた生活スタイルを変えることが恐ろしいストレス。だからこそこうして、毎年変わらずに同じことをやり続ける。一種の精神疾患みたいなもんだと思いますよ。それでも人生とは残酷なもので、私も歳をとる、そして社会は変わっていく。そんな中で、どこまでこのオールドスタイルのオタクがアニメというジャンルと戦い続けることができるか。そんな人生を賭した壮大な実験プログラムだとでも思っていただければいいのかもしれません。いつまでも気は若く。いや、幼く。大人になんかなれないよ。
 毎度前置きが長くなっとりますが……そんなこんなでブログ上では記念すべき10回目のアニメグランプリ。来年もこうして変わらずにアホなテキストをアウトプットできていると嬉しいですね。過去分に興味がある方は、リンク貼るのもめんどいので「アニメ・雑記」タグでたどることが可能ですので遡ってみてください。テキストの量だけで言えば生半可じゃない量がありますので、耐性のある方はそれなりの暇つぶしにはなると思います。
 一応毎年のことなので約束事をコピペしておくと、(以下コピペ)タイトル賞の選出は何故か毎年「仮装大賞」の賞に依っており、タイトル部門以外の賞は、基本的に3位まで取り上げてある。(コピペ終わり)毎年自分で設定した部門に四苦八苦しながらの選出なのでもうちょっと選びやすいスタイルにすればいいじゃねぇか、とは思うのだが、これもやっぱり「変化を嫌う」傾向から変わらないままです。今年はこの設定が大きな大きな障壁として立ちふさがることになり……まぁ、後述。縛りプレイって大事よ。
 今期エントリーされたのは、「2018年4月期以降に終了した、もしくは現在放送中である」ことを条件として、ある程度最後まで視聴していた以下の183作品。……183かぁ……。毎年ため息をついているが、なんでだろう。全然切れてないやん。むしろ増えてるやん。まぁ、最近の傾向として15分以下のショート枠がかなり増えたのでトータルの時間で言えばそこまで差はないと信じたいが、やはり毎クール週に50本以上の生活スタイルはなんとかしたい。自分ではどうにもならないので、アニメ業界が自発的にアニメの量を減らしてくれることを期待するしかない。「アニメバブルは弾けたからアニメの本数も減り始めるよ」なんて話を毎年聞いている気がするのだが、私の視聴可能な範囲ですら増えているし、その私も「テレビで継続的に視聴可能な作品のみを視聴する」という制限(自己防衛)を設けており、ネット配信だけで観られるオリジナル作品などを加えだしたら、さらに本数が増えることになるだろう。現代の視聴者に求められるのは、適切な取捨選択の判断力なのであろう。残念ながら、私はそれを持ち合わせていない。
 毎度のことなので数字の上でのデータを確認しておくと、今期視聴本数の183という数字はショート枠を26本含む。過去11年分の視聴本数の推移は7674596790103(93)132(121)
149(133)152(129)170(148)170(150)183(157)となっている(括弧内がショートアニメを除いた数。今期は通常枠の分割ものは基本的にカウントをまとめている)。来年の数字を見るのが怖いんだが、大丈夫か俺、大丈夫か日本。

 加えて、業界的にはショート枠以上に増加傾向にあるのが「劇場アニメ」の本数である。本数が増え、自分でも観にいくようになって気づいたのだが、確かに、劇場作品なら私のような人間でも見るために1000円以上の出費が義務付けられているわけで、普段なかなか金を落とさない層からも資金が回収できる理想的な形態であろうことは理解できる。ただ、やっぱり個人的にはテレビシリーズが観たいんだよな……劇場版は劇場版として、作品の本質以外の部分で束縛が多いから。まぁ、テレビシリーズはもっと制限があるだろ、と言われたらそうなんだろうけどさ。ちなみに今期劇場作品の視聴本数は17本で、まぁ最近では普通か。ここ数年で安定して数字が増えているのは、やはり業界の流れを表したものであろう。一応本数の推移を書いておくと7→4→6→12→8→6→9→171517となっている。なお、毎年のことだが劇場作品については基本的にこのグランプリの選出基準からは外すようにしている(フラグ)。
 
○一応ある程度見ていたエントリー作品(アイウエオ順・ショートアニメは【】で表示)

【アイドルマスターシンデレラガールズ劇場3rd】【アイマスSideM理由あってMini】「ISLAND」「あかねさす少女」「悪偶-天才人形-」「あそびあそばせ」【あっくんとカノジョ】「アニマエール!」「あまんちゅ!~あどばんす~」【ありすorありす】「アンゴルモア元寇合戦記」「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」「イナズマイレブン アレスの天秤」「イナズマイレブン オリオンの刻印」「色づく世界の明日から」「Ws(ウィズ)」【上野さんは不器用】「うちのメイドがウザすぎる!」【宇宙戦艦ティラミス】「ウマ娘 プリティダービー」「エガオノダイカ」「えんどろ~!」「オーバーロードⅢ」【おこしやす、ちとせちゃん】【お前はまだグンマを知らない】「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」「音楽少女」「カードキャプターさくら クリアカード編」「ガーリー・エアフォース」【ガイコツ書店員本田さん】「学園BASARA」「かぐや様は告らせたい」「かくりよの宿飯」「賭ケグルイ××」「風が強く吹いている」「かみさまみならいヒミツのここたま」「からくりサーカス」【ガルパ☆ピコ】「ガンダムビルドダイバーズ」「寄宿学校のジュリエット」「逆転裁判(第2期)」「キャプテン翼」「Cutie Honey Universe」「京都寺町三条のホームズ」「銀河英雄伝説 Die Neue These」「銀魂 銀ノ魂篇」「グランクレスト戦記」「ぐらんぶる」「SSSS.GRIDMAN」「グリムノーツ  The Animation」「ゲゲゲの鬼太郎」「ケムリクサ」「けものフレンズ2」「荒野のコトブキ飛行隊」「ゴールデンカムイ」「五等分の花嫁」「ゴブリンスレイヤー」「こみっくがーるず」【狐狸之声】「CONCEPTION」「サークレット・プリンセス」「斉木楠雄のΨ難(第2期)」「殺戮の天使」「七星のスバル」「邪神ちゃんドロップキック」「重神機パンドーラ」「シュタインズゲート ゼロ」「少女歌劇レヴュースタァライト」【少年アシベGO!GO!ゴマちゃん】「食戟のソーマ 餐の皿 遠月列車篇」「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」「天狼Sirius the Jaeger」【人外さんの嫁】「新幹線変形ロボシンカリオン」「進撃の巨人Season3」「深夜!天才バカボン」「スター☆トゥインクルプリキュア」「すのはら荘の管理人さん」「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」「聖闘士星矢セインティア翔」「閃乱カグラSHINOVI MASTER -東京妖魔篇-」「蒼天の拳REGENESIS」「ソードアート・オンライン アリシゼーション」「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」「ソラとウミのアイダ」「ゾンビランドサガ」「ダーリンインザフランキス」「抱かれたい男1位に脅されています。」「多田くんは恋をしない」【立花館To Lieあんぐる】「盾の勇者の成り上がり」「DOUBLE DECKER! ダグ&キリル」「ちおちゃんの通学路」「つくもがみ貸します」「ツルネ-風舞高校弓道部-」「デート・ア・ライブⅢ」「デビルズライン」【テレビ野郎ナナーナ】「転生したらスライムだった件」「とある魔術の禁書目録Ⅲ」「同居人はひざ、時々、頭のうえ。」「刀使ノ巫女」「となりの吸血鬼さん」「ドメスティックな彼女」「奴隷区The Animation」「どろろ」「七つの大罪 戒めの復活」「ニル・アドミラリの天秤」「ハイスコアガール」「バキ」「覇穹 封神演義」「HUGっと!プリキュア」「BAKUMATSU」「バジリスク~桜花忍法帖~」【走り続けてよかったって。】「ぱすてるメモリーズ」「はたらく細胞」「Back Street Girls-ゴクドルズ-」「ハッピーシュガーライフ」「BANANA FISH」「はねバド!」「バミューダ・トライアングル~カラフル・パストラーレ~」「はるかなレシーブ」「反逆性ミリオンアーサー」「BanG Dream! 2nd Season」「ピアノの森」「BEATLESS」「B-PROJECT~絶頂*エモーション~」「ひそねとまそたん」「ヒナまつり」「美男高校地球防衛部HAPPY KISS!」「火ノ丸相撲」【ひもてはうす】「百錬の覇王と聖約の戦乙女」「Phantom in Twilight」「ブキーポップは笑わない」「不機嫌なモノノケ庵 續」【踏切時間】【フライングベイビーズ】「プラネット・ウィズ」「Free! -Dive to the Future-」「フルメタル・パニック!Invisible Victory」「ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。」「PERSONA5 the Animation」「鬼灯の冷徹 第弐期その弐」「僕のヒーローアカデミア(第3期)」「ポチっと発明ピカちんキット」【ぼのぼの】【ほら、耳が見えてるよ】【マナリアフレンズ】「魔法少女 俺」「魔法少女サイト」「魔法少女特殊戦あすか」【みにとじ】「明治東京恋伽」「メガロボクス」「メジャーセカンド」「メルクストーリア 無気力少年と瓶の中の少女」「モブサイコ100Ⅱ」「やがて君になる」「約束のネバーランド」「ヤマノススメサードシーズン」【闇芝居(第6期)】「夢王国と眠れる100人の王子様」「ゆらぎ荘の幽奈さん」「ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士」「妖怪ウォッチ」「妖怪ウォッチシャドウサイド」「弱虫ペダルGLORY LINE」「ラストピリオドー終わりなき螺旋の物語ー」「ラディアン」「revisions -リヴィジョンズ-」「RErideD -刻越えのデリダ-」「RELEASE THE SPYCE」「臨死!江古田ちゃん」「ルパン三世Prat5」「レイトンミステリー探偵社 カトリーのナゾトキファイル」「ロードオブヴァーミリオン 紅蓮の王」「鹿楓堂よついろ日和」「LOST SONG」「Lostorage conflated WIXOSS」「私に天使が舞い降りた!」【One Room セカンドシーズン】「ヲタクに恋は難しい」


 
○今期視聴した劇場アニメ作品(視聴順)
「リズと青い鳥」「GODZILLA 決戦機動増殖都市」「犬ヶ島」「ニンジャバットマン」「あさがおと加瀬さん。」「ペンギン・ハイウェイ」「魔法少女リリカルなのはDetonation」「GODZILLA 星を喰う者」「HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」「シュガー・ラッシュ:オンライン」「ラブライブ!サンシャイン!! The school Idol Movie Over the Rainbow」「PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.1 『罪と罰』」「Fate/stay night [Heaven’s Feel] II.lost butterfly」「コードギアス 復活のルルーシュ」「劇場版 幼女戦記」「PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.2 First Guardian』」「PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.3 『恩讐の彼方に__』」
 
 

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第3位 
‘05「かみちゅ!」 ’06BLACK LAGOON」 ‘07sola」 ’08「喰霊--」 ‘09「ささめきこと」 ’10「刀語」 ‘11「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」 ’12「黄昏乙女×アムネジア」 ’13「有頂天家族」 ’14「月刊少女野崎くん」 ‘15「えとたま」 ‘16RE:ゼロから始める異世界生活」 ‘17「3月のライオン(第2シーズン)」
‘18「ひそねとまそたん」
 言うは易し、行うは難し。そんな身にしみる先人たちの言葉がある。毎年これだけの数が大量生産されているアニメ業界でも、きっとあらゆるところで日夜「いいアニメを作りましょう」「新しいアニメにチャレンジするんです」という夢や願望が垂れ流しになっているに違いない。しかし、なかなかオリジナルアニメでそんなチャレンジを細部まで完遂できる作品は多くない。ここまでの各部門はオリジナルアニメがたくさん並んでいるが、要となる上位はやはり原作付きのアニメがランクインしている。
 そんな中、完全オリジナル作品で全く新しい試みに手をつけ、それが成功を収めた作品として、是非ともこの「ひそねとまそたん」については改めて評価することが望まれている。強引にまとめるなら今作も「ゾンビランドサガ」と同様に「ありえなかった要素のごった煮」がスタート地点だとは思うのだが、最大の特徴は、そんなごった煮的な雰囲気をアニメーションの映像部分ではっきりと主張していたこと。具体的には、キャラデザとドラゴンの造形などが本当にユルくてまるで絵本のような作りなのに対し、戦闘機などメカニックの描き込みや飛行描写などはやたらと精密で、「自衛隊アニメ」としても力を抜いていない部分。こうして違和感を与えるような画面がいつしか自然に溶け込み、おとぼけギャグメインのシナリオラインを大きく下支えする構造。そしてそんな無茶苦茶な映像部分にしっかりと意味を与え、全てのパーツが求められる珍妙なシナリオ自体を作り上げる構成力。常々私はアニメーションという媒体を「総合芸術(もしくは総合技術)」と称しているが、こうして1つの要素だけでは決してなし得ないような総体を作り上げている作品を見ると、それだけで畏敬の念を抱くのである。
 しいて難点をあげるなら1クールにあまりに綺麗に収まりすぎてその後の展開も無く、いつしか忘れられる存在になってしまっていることくらいだろうが、昨年度の「よりもい」しかり、枠の決まった1クールアニメにおいて、この収束の良さはまた1つの美点となり得る要素である。こうした完成度の高いパッケージを単なる既製品扱いで終わらせず、長く膨大なアニメの歴史の中でしっかりと刻印し、その意味を残していくことこそが、新たなアニメーションの礎となるのではなかろうか。
 
 
 
準グランプリ
‘05「魔法少女リリカルなのはA’s」 ’06「コードギアス〜反逆のルルーシュ〜」 ‘07CLANNAD」 ’08「コードギアス 反逆のルルーシュR2」 ‘09「獣の奏者エリン」 ’10STAR DRIVER 輝きのタクト」 ‘11「花咲くいろは」 ’12「人類は衰退しました」 ’13「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」 ’14「四月は君の嘘」 ‘15「昭和元禄落語心中」 ‘16「ふらいんぐうぃっち」 ‘17「宇宙よりも遠い場所」
‘18「風が強く吹いている」
 改めて並べてみると、本当に「ひそまそ」とは真逆の立ち位置にある作品だと思う。オリジナルと原作あり、なんちゃってファンタジーと泥臭いスポ根、単発勝負の1クール作品と何度もメディアを変えて作り続けられた2クール作品。枠の中とはいえ、アニメ作りにも無数の選択肢があるものだという当たり前のことを思い出させてくれる。
 毎週感想を書いていたので今作の圧倒的な完成度に関しては今更ここで語る言葉もない。「ただ寄せ集めの野郎10人が道路を走るだけ」という、言い方次第では本当に身も蓋もない内容の作品なのだが、その「走る」というあまりに原初的な行動に、どれだけ人間性を盛り込むことができるかという勝負。スポ根とは言っても少年漫画のように「努力→勝利」のカタルシスがあるわけでもなく、ただひたすら足を前に出すことによって得られる人1人の物語が彫り込まれていくというストイックな構造。表に出た形を世間的にはなんとラベル付けするのかは定かでないが、これも立派な「純文学」といえる作品だったのだろう。
 そうして生み出された原作に現代アニメとしての肉付けを行ったのは稀代のCGワークで知られるProduction I.G.と、その遺伝子を強く受け継ぐ監督・野村和也。「ハイキュー」「ボールルームへようこそ」などで見せつけた「スポーツ作画ならI.G.」という新たな看板をさらなる純度で昇華させ、より描写が難しい陸上競技というモチーフでも稀有な存在感を見せつけることに成功した。王道ストーリーをどれだけ正面から見せられるかという挑戦は、どれだけ珍奇な物を作るかという挑戦と同様、場合によってはそれ以上に大きな難題であろう。よくもまぁ、逃げずにこの方向性を貫き通したものである。
 王道と革新。その2つの車輪で芸術は回っていく。労せずそのどちら側でも最上の物が楽しめるのだから、現代に生まれたことを感謝せねばなるまいよ。
 
 

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<アニメソング部門>
 カラオケ戦士、僕です。さぁ、毎年大忙しのアニソン部門だよ。とりあえず、近年はお約束になっていたので、ランキングに影響しない範囲で「各クールに一番カラオケで歌った曲」ラインナップをドン。
 
春クール・「進化理論」(新幹線変形ロボシンカリオン OP)
夏クール・「prima dynamis」(悪偶-天才人形- OP)
秋クール・「Fighting Gold」(ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 OP)
冬クール・「ハグルマ」(からくりサーカス 第2期OP)
 
 基本的に好きな音楽の方向性なんて変わるはずもないので、割とわかりやすいラインナップになっているかと思います。まぁ、自分で歌える範囲にも限界があるしね。ちなみに、今年はリストを確認していて「なんか、例年より習熟した曲が少ないな……」って思ったら、かなりのキャパをガルパソングに割かれてるからなんですね。基本的にガルパソングは「アニソン」には含めないのでその分は今回差っ引かれています。改めて、あのペースで曲をリリースし続けるプロジェクトって製作者にも、演者にも、そして購買層にも大きな負担がかかっているのだな……。でも、とりあえず真っ先に「Returns(BanG Dream! 2nd Season 12話挿入歌)の名前は挙げさせて。シーズンの集大成なのでどうしても曲だけで切り出しにくいのが悩ましいが。
 さておき、改めて今年のアニメーションを彩った曲を見ていくことにしよう。せっかくなので上記のカラオケラインナップを足がかりに見ていくと、純正のアニメソングといえる王道タイアップ「進化理論(新幹線変形ロボシンカリオンOP)からスタートしている。最近は純正のタイアップの割合は一時期よりも増加傾向にあり、よくMBSアニメなんかにあった「なんでこの曲がこのアニメやねん」みたいな現象はかなり少なくなっている。アニメファンとしては喜ばしいことだ。お約束の「アニソンシンガー」枠としては、例えば「ADAMAS」(SAO・アリシゼーションOP1)あたりが現代アニソンを代表する1曲になるだろうか。アニソンシンガーのパイの取り合いも激化の一途だが、LiSAのように不動の地位を気づいたアーティストを見ているとやはり安定感が違う。安定枠といえば、惜しまれながらアーティスト活動を終えた川田まみに変わって黒崎真音が担当した「Gravitation」(とある魔術の禁書目録ⅢOP1)があまりにも期待に応える曲になっていたのが笑ってしまった。まぁ、作詞は引き続き担当しているので、テイストはしっかり残しつつ、っていうオーダーだったのだろうが。
 多少変化球気味ながらもやはりアニソンシンガーの枠に入るMICHIからは、「ソラネタリウム」(あかねさす少女OP)も強烈なインパクトを残した曲である。「あかねさす少女」はエンディングに「壊れかけのRADIO」を起用するなど、雰囲気づくりに関してはセンスを見せつけてくれた作品だった(それが作品の品質につながったかどうかは諸氏の判断に任せる)。遠慮のない高音域を叩きつけるような歌唱に持ち味のダイナミックな映像美が結実して最高のOPに仕上がったのはYURiKAの歌う「ふたりの羽根(はねバド!OP)。やはり映像も含めてのアニソンなので、こうして曲ありきでがっつり合わせた映像が噛み合った時の充足感は素晴らしい。似たようなスポ根映像の使い方で見事だったのは「傷だらけの愛」(キャプテン翼OP2)。古さと新しさの融合がこういう形で表現されるのは実に愉快だ。あ、完全に贔屓目も入ってるけど、映像の格好よさでは「BRAVE JEWEL(BanG Dream! 2nd Season OP)もあげさせて……友希那さんがあいあいであいあいが友希那さんで……。
 冬クール代表で取り上げた「ハグルマ」(からくりサーカスOP2)は、さりげなく歌詞に関連ワードを混ぜ込んでくるタイプのタイアップ。こうして一般アーティストの楽曲でもしっかりタイアップが意識されているのは嬉しいものだ(まぁ、KANA-BOONは立派なアニソンアーティストな気もするが)。一般アーティストとのコラボで話題になった楽曲といえば、何と言っても「ラブ・ドラマティック」(かぐや様は告らせたいOP)だろう。まさかの鈴木雅之という起用に「話題作りにしてもどうやねん」という前評判だったにも関わらず、気づけばこれが作品の顔になっているのだからわからないものである。まぁ、「かぐや様」の場合は変則エンディングが全部持ってった感はあるけども……単一の楽曲と映像がこれだけの話題をかっさらっていったのも久しぶりなんじゃなかろうか。ぶっちゃけ「チカ千花」は今年のベスト3入りも検討したのだが、なんかそれは違う気がしたので一応ここで触れるにとどめておく。
 せっかく声優のネタソングに触れたのでそのまま似たような枠を拾っていこう。やはり私の中でキャラソン混じりの声優ソングは特別なポジションにあり、その中でも今年度筆頭に数えられるのは「あの娘にドロップキック」(邪神ちゃんドロップキックOP)だろう。アニメ本編で一切触れなかった物語の導入と設定を全部オープニングを活用して説明してしまうという異次元の発想。しかもちゃんとキャッチーな電波ソングに仕上がっているというのだから大したもんである。電波といえば電波だがどこかに愛嬌も感じさせ、クセになる映像のクオリティも格別な一作としては「ときめき☆くらいまっくす」(うちのメイドがウザすぎる! ED)がある。曲の狂気は程よい程度だが、やはり入念な映像の可愛らしさとこだわりは流石の一言。映像はヤクでもやってるんじゃないかと思えるMVも一見の価値あり(自己責任でお願いします)。そしてどうしてもこれと並べてしまうのは「ハッピーハッピーフレンズ」(私に天使が舞い降りた! ED)。嗚呼〜純正の可愛さ〜。負けず劣らずの愛らしさとまっすぐなテーマ性が魅力的な「ジャンプアップ↑エール!!」(アニマエール!OP)も合わせてどうぞ。やっぱりこの路線は安心してみていられる。きららジャンプも健在である。そうそう、忘れちゃいけない「地平線ストライド(ヤマノススメサードシーズンOP)も置いときますね。あぁ〜心がキュンふぁんするんじゃぁ〜。
 声優歌唱はもうお腹いっぱいでしょうか? いや、そんなことを言わず、個人的に外せないアニソン潮流の1つとして「ヒゲドライバー電波」ってのがありまして、今年度では「スパッと!スパイ&スパイス」(RELEASE THE SPYCE OP)で確認することができます。このオープニングで高まる期待感ね。逆にクールダウンが求められるなら、斜め上の「声優歌唱」でもあった「鮭とイクラと893と娘」(ヒナまつりED)はいかがでしょうか。公式が全力で病気。中島ヨシキの評価が爆上げした記念碑的作品である。そうそう、タイアップとかキャラソンとか、アニメとか実写とか、そんなチャチなもんじゃねぇもっと恐ろしいものの片鱗を見せつけた問題作に「...私だけ見てて♡」(魔法少女サイト 3話ED)ってのもありましたね……これが出来るのは業界広しといえども芹澤優くらいだよ……。
 もうちょい軌道修正して正統派に戻そう。上のリストで挙げた「Fighting Gold」(ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風OP)なんてまさかの及川眠子・大森俊之のコンビで度肝を抜いた楽曲だが、タイアップ楽曲としては実は正統派だったりする。codaの音楽性が意外にこの路線でマッチしてたのが面白い組み合わせ。いつの時代にも先進性を感じさせるのは一体何故なのか。時代に即した発展としては、例えば「ワンルームシュガーライフ(ハッピーシュガーライフOP)におけるナナヲアカリなんてのはいかにも「今っぽいアニソン」にカウントできるんじゃなかろうか。個人的にこういう方向性の音楽ってあんまり馴染みがないのだが(おっさんなので)、ピコピコした音楽も耳に馴染んでくるとなるほど中毒性がある。こうしたミックスが極まった楽曲で強烈な印象が残ったのは何と言っても「hectopascal」(やがて君になるED)。映像も歌詞も強烈だが、このアレンジが曲調に自然に馴染むものになるっていうのは新鮮。
 新規性をキーワードに、最後に取り上げるカテゴリは「prima dynamis」(悪偶-天才人形- OP)に代表されるとにかくインパクト部門。直近だと「カワキヲアメク」(ドメスティックな彼女OP)は最初に聞いた時にいきなりリピートした記憶が。やっぱこういう力技の芸風が好きなのね。力技というか、独自の芸風というか、アニソンとしては新鮮すぎたのは「火炎」(どろろOP)。このアニメにこの曲をつけようとしたセンスに脱帽。フルで聴くとまた随分印象が違う曲になるのが面白い。そして「本当にその選曲でいいのか……」といまだにふと疑問に思う「日出ズル場所」(火ノ丸相撲ED1)。いや、確かにタイアップには違いないが……。いろんなアニソンがあるもんですね。
 さて、選考が困難を極めたベスト3にいきましょうか。
 

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<キャラクター部門・女性キャラ>
 油断すると大渋滞を起こして大変なことになってしまう女性キャラクター部門。今年はもう、腹をくくりました。ここでピックアップする名前も、泣く泣く1作品1キャラ縛りにしたいと思います。ハーレム作品で複数の名前をあげることが出来ないということです。たとえば「ファイメイマオ(えんどろ〜!)でどれがいいか選べないよー!」なんて時にも、「スペシャルウィークは鉄板だろうけど僕が好きなのはエルコンドルパサーなんだよなぁ……(ウマ娘 プリティダービー)」なんて時も、どっちか選ばなきゃいけないわけです。えぇ、わけです。決して不正などなかった。もう小糸侑・七海燈子・佐伯沙弥香(やがて君になる)の地獄のトライアングルで悩まなくて済むね!(済んだよね!)
 こちらも男性部門にならって順当な主人公枠から見ていくことにしようか。まっすぐな女の子のかわいらしさをアピールするきらら系作品からは、鳩谷こはね(アニマエール!)と萌田薫子{かおす先生}(こみっくがーるず)あたりの名前をあげることができるだろう。どちらもわかりやすいまっすぐヒロイン。まぁ、かおす先生の方は色々と変なところも加点要素にはなってたけど。こはねは鳥フェイスの時が可愛い。あとはちょっと変化球だと上野さん(上野さんは不器用)も大変可愛らしいヒロインなのです。変態でもいいじゃない、思春期だもの。よりストレートな問題児として一応卯野さきさん(魔法少女俺)もあげておいていいですか。まぁ、彼女の場合相方の方がよっぽどおかしかった気もするけど。
 もっと壮絶なポジションに立つ強いヒロインにもスポットを当ててみよう。例えばちょっと地味ではあったが水嶋清衣さん(Lostrage conflated WIXOSS)なんかは悲劇に負けない堂々とした主人公であったし、レンちゃん{小比類巻香蓮}(SAO ガンゲイル・オンライン)なんて強さ、格好よさ、かわいらしさ、頭のおかしさを全て兼ね備えた万能ヒロイン。ピンクの悪魔の再登場はいつになることだろうか。別な意味での強さを持つキャラといえば管理人さん{春原彩花}(すのはら荘の管理人さん)なんて人もいますね。なんの強さとは言及しませんけど。大きいことはいいことだ。そうそう、主人公の主人公たる強さを秘めているキャラといえば何と言っても源さくらさん(ゾンビランドサガ)。本当はベスト3入りも考えたんですが、流石にここまでの部門で色々受賞しすぎてるので外させてもらうよ。フランシュシュは誰か1人を選出しろって言われただけでも悩むし。あとはまぁ、最強ヒロインといえば松坂さとうさん(ハッピーシュガーライフ)をあげておけばだいたい問題ないでしょう。やっぱり僕がヒロインに求めているものって、強さ、優しさ、そして頭のおかしさ。
 主人公以外に視点を移そう。まずはサブヒロイン部門だが、今年度最後に話題をさらって完全にメインヒロインを食ってしまった悪魔には藤原千花{書記の千花}(かぐや様は告らせたい)がいる。涼宮ハルヒ以来のムーブメント……かどうかは定かでない。お友達キャラはやっぱり主人公との絶妙な距離感だよな、という味わいをたっぷり見せてくれるのは貝崎名緒さん(ひそねとまそたん)。ツンデレなんて言葉は陳腐だが、良いものは受け継がれる理由があるものです。個人的に今期はサブヒロインじゃなくて完全にメインヒロインだったろ、と思うのはやはり最推しである花園たえ選手(Bang Dream!)。まさかおたえにこんなにスポットが当たるシーズンになるとはおもわなんだが。そうそう、アニソン部門でも触れたけどお騒がせすぎるアイドル穴沢虹海ちゃん(魔法少女サイト)も、その退場シーンも含めてのインパクトが絶大でした。
 「複数ヒロインから1人を選んで応援してください」的な作品で1人ずつピックアップしていくと、「少女☆歌劇レヴュースタァライト」からだと花柳薫子推し。やっぱ京女ってクソ(最高)だわ。「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」からは、悩みに悩んでやっぱり双葉理央推し。最終判断ポイントがおっぱいであったかどうかは不明。多分あんまり悩んでる人はいないと思うが「デート・ア・ライブⅢ」からは七罪をラインナップ。あのアニメ、精霊たちの転ぶ前と転んだ後のギャップ萌えがあざとくてずるいねん。激しすぎる部活アニメ「はねバド!」からは、実はずっと推し続けていた泉理子さんを取り上げたい。静かに想い人の傍らに立つ、そんな彼女の生き様に惚れる。壮絶なジレンマに悩んだが、「PERSONA5」からは佐倉双葉ちゃんを選ぶ。あの娘との最終決戦は中の人的にもほぼ互角なんだが、最終的にエロ同人の多さで決まった感あり(?!)。
 あとね、実は男性キャラ部門だけじゃなくて、こっちにも「人外部門」があるんだよね。幸か不幸か女性部門は人外がベスト3まで残ることはほとんどないんだけど、今年はかなりいいところまで食い込んだキャラが何人(何匹?)か。たとえばさ、ちとせちゃん(おこしやす、ちとせちゃん)なんて最高のラブリーヒロインに違いない。ずるい。鳥が本気を出した時のもふもふ感ってのはかなり強力な武器になり、他のアニメにもフィーロ(盾の勇者の成り上がり)なんて狡猾なキャラがいる。もふもふの鳥成分あり、純正ロリっ子成分あり、日高里菜成分あり、ずるい。そして多分去年もエントリーしているはず、地獄の獄卒・芥子さん(鬼灯の冷徹 第弐期)のかわいらしさは色褪せず。彼女が歌うかちかち山のヤバさは必聴。そしてごくごく真っ当な動物ヒロインといえばやっぱり{ハル}ちゃん(同居人はひざ、時々、頭のうえ。)。まっすぐに可愛らしさを訴える猫に勝てる生物がこの世にいるだろうか。あ、そうそう、一応動物部門だし、最強ヒロインだったのは間違い無いので淫乱クソたぬきことマナさんCONCEPTION)もリストアップしておきますね。こいつだけ同じ動物枠なのに毛色が違いすぎる……。
 まだ終わらない、次は「敵キャラ・ライバル」枠。私の基本属性がMなせいで毎回「ひでぇ敵キャラ」部門からベスト3に食い込むことが多いんですが、そんな敵キャラシリーズからも多数の魅力的な女性を発掘することができる。例えば何故かやたらと印象に残ってるのが不思議すぎるタランチュラパンサーCutie Honey Unverse)。どんなふざけた世界のふざけたアニメでも、バトル展開となれば命がけの戦いを繰り広げる戦士がいるものだ。同様に悲壮な覚悟が胸を打つ戦いを見せたキャラにはハーメリーヌ(ラディアン)もいる。彼女の戦いだけで、アニメの品質が1つ2つ上がった感があるな。中の人繋がりになってしまうが、敵サイドのキャラも含めて全員素敵だった「刀使ノ巫女」からは獅童真希さんを代表として選ばせてもらおう。親衛隊組は本当に4人とも捨てがたいんだけど、やっぱり真希さんの戦いが一番凄絶だったかなぁ。仲間の分を背負い込んでいることも含めてね。同じ路線ではスザク(新幹線変形ロボシンカリオン)の生き様も素敵。最初に登場した時にはまさかこんな成長を見せるキャラだなんて思ってなかったもんなぁ。あとは敵キャラかどうか微妙だけども、3人から1人選ぶならイワザル(ラストピリオド-終わりなき螺旋の物語-)。まぁ、ここは流石にワイズマンでいいと思うけども。
 ここまで40人近い名前をあげてきたが、最後はやっぱり「ベスト3に入れたかったけどギリギリで漏れてしまった」枠。1人目は鴨居つばめ嬢(うちのメイドがウザすぎる!)。求められる要項の「かわいさ」が欠けているが、それを補ってあまりある頭のおかしさ、そして筋肉。ぶっちゃけ同作からはメイン3人のうち誰がエントリーしてもおかしくなく、とにかくキャラの強度が強すぎるのだが、まぁ1人選べって言われたらやっぱりつばめさんだよなぁ。個人的に何故かどんどん魅力が上がっていったのは、その甲斐甲斐しさが胸を打つケバ子{吉原愛菜}(ぐらんぶる)。まぁ、声の魅力も強かっただろうが、どうも私は方言キャラには弱いらしい。話題をかっさらったサブヒロインとしては、三島瞳嬢(ヒナまつり)も忘れられないインパクト。完全に主人公を食う活躍を見せてしまったのも彼女のキャラクター性を考えると「そんなつもりは無かったのに……」なんて感じだろうか。
 そしてシーズン最後に実に嫌なインパクトを残して去っていった爆弾ヒロインにしてラスボス部門の覇者、美柳ちなみさん(逆転裁判)も要チェック。ねぇ、ほんとにこのキャラにサトリナボイスあてようって提案したのはどこの誰なの? 表彰するよ? そして最後は押しも押されもせぬ真性のヒロイン2人。光の戦士、キュアエール・野乃はなさん(HUGっと!プリキュア)。絶対にベスト3に入れようと思ってたのに……すまぬ……。そして闇の戦士、邪神ちゃん(邪神ちゃんドロップキック)。また、会えるみたいですね……。
 さて、ここまで頑張ったんだ。残り3人は致命傷で済む面子しか残ってないぞ。
 
 
第3位
‘05 「灼眼のシャナ」より「“弔詞の詠み手”マージョリー・ドー」
‘06 「天保異聞妖奇士」より「アトル」
‘07 「バンブーブレード」より「千葉紀梨乃」
‘08 「とらドラ!」より、「逢坂大河」とその他ヒロインズ
‘09 「デュラララ!!」より「セルティ・ストゥルルソン」
‘10 「会長はメイド様!」より「鮎沢美咲」
‘11 「47都道府犬」より「愛知犬」
’12 「しろくまカフェ」より「笹子さん」
’13 「サムライフラメンコ」より「真野まり」
’14 「デンキ街の本屋さん」より「先生」
’15 「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」より「ヘスティア」
’16 「響け!ユーフォニアム2」より「吉川優子」
‘17 「ヘボット!」より「ナグリ・ドツーキ女王」
‘18SSSS.GRIDMAN」より「新条アカネ」
 あ、ごめん、ラスボス部門の覇者はこっちだったわ。まぁ、救済があったからこっちは「最終的に味方」枠のカウントでもいい気がするけど。毎週感想を書いていた通り、私の中でグリッドマンはアカネちゃんアニメであった。SSSSは「新条さん、そのまま、最低最悪な、死んだ目をしていて」の略である。こんなにも萌え強度の高いクソ女はなかなかいないですよ。まぁ、強いて下駄を履かせている部分があるとしたら圧倒的に中の人修正なわけですけど……どうしたって私みたいな人間は中の人要素の比重が大きくなってしまうのでねぇ……上のラインナップでもリストを作ってたらやたらとキャストが被りまくって「流石に露骨すぎる……」ってんで書かなかった名前も多いんですよ。特にアカネちゃんと完全に被ってたので泣く泣くみゃー姉は書かなかったし(ここで書いたら意味ないやん)。他にも「賭ケグルイ」の選挙管理委員・宇留瑠美亜とかね。とにかくうえしゃまボイスは魔性であり、人を堕落させようとしたら本当に地の底まで落ちていくような陶酔感がある。そんな醜さに全振りしたアカネちゃんが弱いはずなどなく、徹頭徹尾最低なままで、蠱惑的な魅力に満ちていた。最終回演出まで含めて、今作の主人公はアカネだったのは間違いのない事実。そういう意味では、男性部門のキリンと似たような受賞理由と言えるかもしれません。ほら、キリンも声のウェイトがめちゃめちゃでかいし……。
 
 
第2位
‘05 「地獄少女」より「閻魔あい」
‘06 「うたわれるもの」より「トウカ」
‘07 「キミキスpure rouge」より「二見瑛理子
‘08 「紅」より「九鳳院紫」
‘09 「ささめきこと」より「村雨純夏」
‘10 「刀語」より「否定姫」
‘11 「花咲くいろは」より「四十万スイ」
’12 「人類は衰退しました」より「“わたし”ちゃん」
’13 「戦姫絶唱シンフォギアG」より「雪音クリス」
’14 「selector spread WIXOSS」より「蒼井晶」
’15 「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」より「アンナ・錦ノ宮」
’16 「クズの本懐」より「皆川茜」
‘17 「メイドインアビス」より「不動卿 動かざるオーゼン」
‘18「ポチッと発明 ピカちんキット」より「ギバさん(柳葉ヤバ美)」
 思わぬ伏兵! そう来るとは思うまい?! あえて朝アニメで野乃はなさんを蹴落としてまで入ってくるギバさん。いや、でも長期的な視野で見たときの破壊力はやはりギバさんに軍配が上がる気がするんだよな。どっちも「将来の伴侶が決まっていて、間違い無く子供をもうけている」っていうところまで一緒だな。いや、ギバくんの正体についてはわからないまま(?)ではあるけども。
 登場時には「この時間帯のアニメのくせにガチ百合とかどんな設定やねん」と思っていたのだが、なんとそのベクトルはひなちゃんオンリーへ向けられたものではなかった。その後も得体の知れないムーヴを続けながら、いつの間にかギバさんの手練手管に絡め取られていく遠松エージ。そして未来はギバさんの手の中なのである。上の項目で「クソ女最高」と書いたわけだが、やっぱり強くて賢くてイカれた女性の手玉に取られる快感ってのは他に替えが効かないんですよ。それがたとえ小学生であっても。まぁ、この世界の小学生はとてもじゃないけど小学生とは思えない行動も平気で取れるからな……。
 この異常性、ナシじゃない。
 
 
第1位
‘05 「ぱにぽにだっしゅ」より「レベッカ宮本」
‘06 「ローゼンメイデン・オーベルテューレ」より「水銀燈」
‘07 「ひぐらしのなく頃に解」より「鷹野三四」
‘08 「SOUL EATER」より「魔女メデューサ」
‘09 「CANAAN」より「リャン・チー」
‘10 「けいおん!!」より「田井中律」
‘11 「よんでますよ、アザゼルさん。」より「佐隈りん子」
’12 「中二病でも恋がしたい!」より「凸守早苗」
’13 「魔法少女まどか☆マギカ新編 叛逆の物語」より「暁美ほむら」
’14 「PSYCHO-PASS2」より「霜月美佳」
’15 「ガールズ&パンツァー劇場版」より「ドゥーチェ・アンチョビ(安斎千代美)」
’16 「この素晴らしい世界に祝福を!2」より「ダスティネス・フォード・ララティーナ」
‘17 「魔法使いの嫁」より「羽鳥智世」
‘18「リズと青い鳥」より「傘木希美」
 しょうがねぇよ……キャラの練度が、物語の練度が違いすぎるんや……「劇場版が強すぎた場合に、キャラ部門で帳尻を合わせる」というのは過去にも採用している手法であるが、今回は上にも受け皿を用意しておいて、ここで採用しないなんてことはないのである。ちなみに2年前の3位の欄に吉川優子の名前がある。この学年、強すぎないか?
 もちろん、リズ絡みのキャラが1位になるというなら、選択肢は複数考えられる。梨々花は嘘だとしても、デカリボン先輩の再任はもちろんあり得るし、有力候補としては「吉川と並び立つほどの善意」中川夏紀の名前も上がる。そして当然、そこには鎧塚みぞれの名前もあるに決まっている。リズという物語を総括するにあたって、選ぶべきはみぞれなのか、希美なのか。まぁ、受け取り方次第で個々に答えは変わりそうではあるが、私は悩んだ末、あの物語で選ぶべきはやはり希美の方であると判断する。「リズ」という映画が空前絶後の作品になったのは、傘木希美を赤裸々に描きすぎたことが最大の要因だ。彼女の救われない自意識の果てに、青い鳥が飛んだのである。みぞれの選択、みぞれの行動ももちろん最重要な因子ではあるが、あくまでそれはラスボスとして、ブレイカーとして、あるいは創造者としての力。そうしてみぞれが用意したステージ、閉ざされた檻の中で、見たくもない己がカルマを吐き出した希美の方が、「世界の中心のキャラクター」だと判断するのは間違いではないだろう。
 まぁ、最大の問題は、未だ北宇治高校の物語は終わっていないってことなんだけどな……。これ以上パンドラの箱を開けるのが怖い。
 
 

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 突発的エントリー。最近こういう「今まであんまりやらなかった経験」のエントリーが続いてますね。まぁ、刺激が多いのは良いことです。今回は、普段出不精で声優がらみのイベントでもなかなかお出かけしない私にしては稀有な、「観劇」というイベントだ。しかも観た演目は「Code:Realize〜創世の姫君〜」である。アニメは最後まで視聴していたが特に面白いと思ったわけでもないし、今回のミュージカルは声優が出てくるのでもない、アニメとは切り離して考えるべき存在。普段だったら絶対に接点を持たないコンテンツだろう。

 なんでそんなものを観に行ったのかという理由は一言でまとめるなら「タイミング」なんだけど、一応細かく分けると、1つは「最近、なんだか三次元でも受け入れやすい精神状態にある」ということ。多分、「人狼ゲーム」で実写ドラマにちょっとハマってしまった後遺症に始まり、「リズと青い鳥」では執拗に作り込まれた映像表現に様々な舞台演劇などの影響を見ることになった流れ。そして直近ではRoseliaのライブで精神をやられ、今の私は「なんでもいいからとにかく新しい刺激が欲しい」という状態になっていたのである。あとはまぁ、もう1つの理由に誘ってくれたのがそれなりに信頼の置ける人で、「まぁ、この人が誘ってくれるなら私の好みから大外れになることはないんじゃないか」っていう安心感もあった。どういう流れからかは定かじゃないが、チケット多めに取ってしまったからタダでいいって言われたし。うん、やっぱりお金がかからないってのはでかいよな(結局それか)。

 そんなこんなで突発的に観に行ったイベント。案の定、会場にはたくさんの女性ファンがひしめき、私と連れ合いのおっさん二人はなかなかに異質の存在。でもまぁ、一度座ってしまえば等しくファンという存在に……なったのかな。別にファンじゃねぇんだけどな。ただ、今回の感想は基本的に「ファンじゃないからダメ」という言葉は出てきません。もちろん「演劇とか舞台に興味がないからダメ」という人はいるかもしれないが、普段こうした文化に一切触れることがなかった私は、あらゆる側面から「新しい刺激」が飛び出してきたので本当に楽しかったです。厳密に言えばfunの要素よりもinterestingの要素が強かったんだけど、観劇中はあらゆる要素を飲み込んでなんとか機能的に処理しようとしていたので、受容器官が限界を超えてヘトヘトになりました。普段アニメしか観ていないクソ偏狭オタクはこういう時に本当に大変です。でも、考えてみれば私が愛してやまない声優さんという存在も舞台演劇とは切っても切れない存在であるし、アニメ監督や演出家の人たちも、よく舞台の話を引き合いに出し、あらゆる創作物っていうのはやっぱりどこかで繋がっているんだと感じることがある。アニメファンをやめるつもりはないし、今後こうした舞台演劇にそこまでのめり込むつもりもないのだけど、時にはこうしたジャンルを受信して感性を磨くのはやっぱり大事なことだと思いますね。

 

 

<以下、ネタバレもクソもないので閲覧注意ではないですが、一応、中身を観た後の感想を書いていきます>

 


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 今年も頑張ってやっていきましょう。俺的アニメグランプリ2017年度版をお届けいたします。

 毎年のことなので完全に年間行事に組み込まれているわけだが、ここ最近は年々アニメを見る体力も落ちてきて、なかなか1年を通しての評価というミッションも酷になってきている。この企画を成立させるためにはある程度自身の評価軸を安定させる必要があるし、作品も数をこなさないと意味がないし。まぁ、逆にこれを書かなきゃ、っていうのがモチベーションになってる部分もあるので、どっちが先なのか既にわからなくなっている状態なんだけども。最終的な結論としては、「やっぱり書きたいから書いてる」。人間、どこかで吐き出すことが出来るからこその趣味ですわ(とある知り合いが「趣味を楽しむ時間ができたのに吐き出せなくてストレス」と言っていて大変そうだと思った)。

 さて、企画としては13年目(?!)となるこの企画(ブログ上では9度目)、蓄積は力と信じ続けているわけですが、果たしてその力は望んで欲しいものなのかはあえて考えないようにしています。ただ、やっぱり自分の年齢や労力のバランスは取っていきたいと思っているので、年々長大化の傾向にあった部分は反省し、多少なりともコンパクトにまとめようという意識は働いています(執筆前の現時点ではね)。果たしてどうなるものか。酔狂な人は付き合ったり付き合わなかったりすればいいじゃない。なお、昨年分以前は「アニメ・雑記」タグからそれぞれ辿れますので、参考までに。

 さて、一応毎年のことなので約束事をコピペしておくと、タイトル賞の選出は何故か毎年「仮装大賞」の賞に依っており、タイトル部門以外の賞は、基本的に3位まで取り上げてある。今年はふと「ワースト賞」とかを設けてみたらどうだろう、みたいなことも考えたが、基本的には「いいとこ探しして褒めていく」スタンスなので、余計な煽りはやめておくことにした。もし実現してたら何ナミックコードが受賞していたんだろう。

 今期エントリーされたのは、「2017年4月期以降に終了した、もしくは現在放送中である」ことを条件として、ある程度最後まで視聴していた以下の170作品。2期ものや分割2クール、それにショートアニメなどの集計が雑なので微差はあるものの、この数字は奇しくも昨年度と全く同じ。これまで毎年毎年増加し続けてうんざりしていたところだが、ようやく歯止めがかかった形。いや、歯止めをかけてこの数字ってのもどうかと思うが……多分、普通の生活スタイルの限界は超えてると思う。毎クール平均50本程度なので、日に7本以上のアニメを見てる計算でこれだからなぁ。一応これまでの本数の変遷をまとめておくと、今期は普通アニメが150、ショートアニメが20本で合算が170。タイトル数としては大体これであっているはず。恒例なので確認しておくと、過去10年間の本数の推移は7674596790103(93)132(121)

149(133)152(129)170(148)170(150)となっている(括弧内がショートアニメや分割を省いた数)。こうして見ると10年で倍以上に膨れ上がってるのか……。

 更に、業界的には「劇場アニメの増加」という傾向もあるわけだが、今期視聴しにいった劇場アニメは下記の15本。これは久しぶりに微減したことになるが、身近にプリ友(プリキュアおじさん友達)がいなくなってプリキュアが減ったことが理由。あと、単に忙しいと劇場から足が遠のくってのはあるかな。昨年までの推移を並べると7→4→6→12→8→6→9→1715となり、今後もこの辺りの数字で前後しそうな予感。まぁ、大体1ヶ月に1本くらいが健全で(お財布にも)良さそうですね。

 なお、毎年のことだが劇場作品については基本的にこのグランプリの選出規準からは外すようにしている(割と例外措置が多かったけど)。

 


 

○一応ある程度見ていたエントリー作品(アイウエオ順・ショートアニメは【】で表示)

ID-0」「アイドリッシュセブン」「アイドルマスター SideM」【アイドルマスターシンデレラガールズ劇場】「アクションヒロインチアフルーツ」「アトム・ザ・ビギニング」「アニメガタリズ」【アホガール】「アリスと蔵六」「異世界食堂」「異世界はスマートフォンとともに。」「いつだって僕らの恋は10センチだった」「伊藤潤二『コレクション』」「いぬやしき」「妹さえいればいい。」「Infini-T Force」「Wake Up, Girls! 新章」「有頂天家族2」「URAHARA」「18if」「エロマンガ先生」「王様ゲーム The Animation」「王室教師ハイネ」「オーバーロードⅡ」「おそ松さん(第2期)」「カードキャプターさくら クリアカード編」【怪獣ガールズ 2ndシーズン】【カイトアンサ】「学園ベビーシッターズ」「賭ケグルイ」「活撃 刀剣乱舞」「カブキブ!」「かみさまみならい ヒミツのここたま」「からかい上手の高木さん」「牙狼<GARO>-VANISHING LINE-」「キノの旅 the Animated Series」「境界のRINNE(第3期)」「キラキラプリキュアアラモード」「キリングバイツ」「銀魂(ポロリ編)(銀ノ魂編)」「鯨の子らは砂上に歌う」【gdメン】「クラシカロイド2」「グランクレスト戦記」「グランブルーファンタジー ジ・アニメーション」「クロックワーク・プラネット」「ゲーマーズ!」「血界戦線&BEYOND」「潔癖男子!青山くん」【喧嘩番長乙女-Girl Beats Boys-】「恋と嘘」「恋は雨上がりのように」「Code:Realize~創世の姫君~」「刻刻」「このはな綺譚」「コンビニカレシ」「斉木楠雄のΨ難(第2期)」「最遊記 RELOAD BLAST」「冴えない彼女の育て方♭」「サクラクエスト」「サクラダリセット」「3月のライオン 第2シーズン」「サンリオ男子」「時間の支配者」「citrus」「週末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」「地獄少女宵伽」「Just Because!」「十二大戦」「将国のアルタイル」「少女週末旅行」【少年アシベGO!GO!ゴマちゃん】「食戟のソーマ 餐の皿」「新幹線変形ロボ シンカリオン」「進撃の巨人 Season2」「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」「sin 七つの大罪」「スタミュ(第2期)」「スロウスタート」「正解するカド」【世界の闇図鑑】「ゼロから始める魔法の書」「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」「セントールの悩み」「ソード・オラトリア」「宇宙よりも遠い場所」「ダーリン・イン・ザ・フランキス」「DYNAMIC CHORD」「DIVE!!」「タイムボカン 逆襲の三悪人」【だがしかし2】【たくのみ。】「ダメプリ ANIME CARAVAN」「ツインエンジェルBREAK」「つうかあ」「月がきれい」「つぐもも」【徒然チルドレン】「Dies Irae」「デジモンユニバース アプリモンスターズ」「デスマーチから始まる異世界狂想曲」「天使の3P!」「刀使ノ巫女」「ナイツ&マジック」「夏目友人帳 陸」「七つの大罪 戒めの復活」【七つの美徳】「NEW GAME(第2期)」【捏造トラップ -NTR-】「ネト充のススメ」【信長の忍び】「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「博多豚骨ラーメンズ」「覇穹 封神演義」「HUGっと!プリキュア」「ハクメイとミコチ」「はじめてのギャル」「バジリスク~桜花忍法帖~」【働くお兄さん】「バチカン奇跡調査官」「バトルガールハイスクール」「BEATLESS」「ひなこのーと」「ひなろじ」「干物妹!うまるちゃんR」「Fate/Apocrypha」「Fate/EXTRA Last Encore」「覆面系ノイズ」「武装少女マキャベリズム」「ブラッククローバー」「プリンセスプリンシパル」「フレームアームズ・ガール」「ブレンド・S」「ヘボット!」「ベルセルク(第2期)」「宝石の国」「鬼灯の冷徹 第弐期」「ボールルームへようこそ」「僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件」「僕のヒーローアカデミア(第2期)」「ポチッと発明ピカちんキット」【ぼのぼの】「ポプテピピック」【まけるな!あくのぐんだん】「魔法陣グルグル」「魔法使いの嫁」「ミイラの飼い方」「三つ星カラーズ」【無責任ギャラクシー☆タイラー】「メイドインアビス」「メルヘン・メドヘン」【闇芝居(第5期)】「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章/勇者の章-」「UQ HOLDER! ~魔法先生ネギま!2~」「ゆるキャン△」「妖怪アパートの幽雅な日常」「妖怪ウォッチ」「ようこそ実力至上主義の教室へ」「弱虫ペダル GLORY LINE」「弱虫ペダル NEW GENERATION」「ラーメン大好き小泉さん」【ラブ米】「ラブライブ!サンシャイン!!(第2期)」「Re: CREATORS」「リトルウィッチアカデミア」「りゅうおうのおしごと!」「リルリルフェアリル~魔法の鏡~」「恋愛暴君」「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」「笑ゥせぇるすまんNEW

 

○今期視聴した劇場アニメ作品(視聴順)

「結城友奈は勇者である 鷲尾須美の章<第2章 たましい>」「夜は短し歩けよ乙女」「夜明け告げるルーのうた」「結城友奈は勇者である 鷲尾須美の章<第3章 やくそく>」「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」「魔法少女リリカルなのは Reflection」「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い」「響け♪ユーフォニアム〜届けたいメロディー〜」「Fate/stay night[Heaven’s Feel].presage flower」「GODZILLA 怪獣惑星」「コードギアス 反逆のルルーシュⅠ興道」「ガールズ&パンツァー 最終章 第1話」「中二病でも恋がしたい! -Take On Me-」「さよならの朝に約束の花をかざろう」

 

 

<タイトル部門>

技術賞

‘05「創世のアクエリオン」 ’06「がくえんゆーとぴあ まなびストレート」 ‘07「モノノ怪」 ’08「キャシャーン Sins」 ’09「化物語」 ‘10「デュラララ!」 ’11「輪るピングドラム」 ‘12「さんかれあ」 ‘13「蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-」 ‘14「ピンポン The ANIMATION」 ‘15「ブブキ・ブランキ」 ‘163月のライオン」

‘17「正解するカド」

 技巧的見どころを評する賞、技術賞。年によって純粋にCGなんかの「新しい技術」を評価している場合と、主に監督演出などの個性を評している時の2パターンがあって軸がぶれまくりであるが、まぁ、ニュアンスで。

 日本のアニメ業界は景気の悪い話が多くてクリエイターたちの熱意も技術も宝の持ち腐れだ、みたいな話が流れてくることも多い昨今だが、それでもこれだけ大量のアニメ作品が吐き出されているのだから、その中で切磋琢磨し、さらに新しい次元へ突き進んでいる部分はたくさんある。独自の進化を続けるジャパニメーションの技術が今年はどのように結実したのだろうか。

 まず、各制作スタジオの個性がよく出ている作品群として、ベタで申し訳ないが京アニ作品の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」、MAPPAによる「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」「牙狼<GARO> -VANISHING LINE-」「いぬやしき」あたりは押さえておくべきだろう。クオリティの化け物、京アニの技術力を惜しげも無く注ぎ込んだ大作、そしてMAPPAは現代CGアニメーションの雄としてすっかり大看板へとのし上がったスタジオ。この辺りの完成度を見れば、今年のアニメの最先端はだいたい推し量ることができるはずだ。

 他にもCG作画から革新的な映像を生み出そうとするスタジオは多く、「ID-0」ではサンジゲン独特の「CGによるキャラ作画」がより親和性の高い統合を目指しているし、アニメスタジオ最古参のタツノコスタジオだって、「Infini-T Force」で新たな時代のヒーロー像を模索している。「メイドインアビス」で圧倒的な背景作画から圧巻の世界構築を見せたキネマシトラス、ジャンルにとらわれない様々なCGワークの融和を目指した怪作「Re:CREATORS」のトロイカなど、まだまだこの分野でのパイの奪い合いは熾烈を極めている。トロイカといえば、こうした技術力を現代アニメでは無視できない方向に伸ばした「アイドリッシュセブン」も外せないところ。女性アイドルをに端を発したキラッキラのアイドル像は華美に彩られることが多いが、本作で描かれた「等身大のアイドル像」を作り出すCGモーションはまた一段違った「ライブアニメ」の到来を感じさせる。古き良き手描きアニメとの折衷を目指したA-1ピクチャーズによる「Fate/Apocrypha」の作劇も、「迫力あるアニメーション」を模索する上では1つの指針となるだろう。そして迫力という点で外せないのは、やはりCGといえばここ、Production I.Gによる「ボールルームへようこそ」。バトル、ライブ、そしてスポーツ。描かれるものによって、スタジオの個性というのは様々に発揮されるものです。

 その他、多少軸をずらしてCGワーク以外の個性の強かった作品を拾っていくと、どうしても頭から離れないのは「18if」による週替わりの世界構築だろう。是非は別にして、絶対に他では真似できない怪作だったのは間違いない(さすがGONZOさんや)。同様の個性のかっ飛び方で言えば「URAHARA」もすごかった。今後の業界では、こうしたオンリーワンを目指す方向性も顕著になってくるだろうか。オンリーワンで言えば「刻刻」を生み出した中国系企業ジェノスタジオなんかもあるし、どんなところから伏兵が襲ってくるかわからないので油断できない状況なのだ。

 前置きが長くなったが、今回はそんな各所からの話題に富むアニメ業界の中で、まだまだ自分が牽引者であるという自負を持ち続ける東映アニメーションが生み出した新時代の映像作品、「正解するカド」をピックアップさせてもらった。毎週感想を書いていた通り、本当に刺激が多くてたまらない作品だったわけだが、とりわけ、虚実をないまぜにした絶妙なCGワークによる世界構築の妙が本作最大の見どころだった。突如現れた謎の立方体「カド」をめぐる骨太なSF作品。多次元存在、想像もできない超技術などといった「絵にもかけない」存在を次々とCGで形成し、視聴者をねじ伏せていく豪腕はまさにSF(フィクション)を名乗るにふさわしい。未知で不可知のものを描くのがアニメーションの本懐であるとするなら、これ以上ないくらいに「アニメらしいアニメ」だったと言えるのではなかろうか。ちなみに、本作放送終了後から野崎まど作品はあらかた読み漁ったのだが、割とアニメ向きの話も多い気がするので今後のアニメ化に期待している。個人的に好きなのは「死なない生徒殺人事件」です。まぁ、「アレ」もアニメでどんな風に描くかを考え始めたら頭を抱えてしまうが……。

 

 

 

努力賞 

‘05「蟲師」 ’06「ひぐらしのなく頃に」 ‘07true tears」 ’08「かんなぎ」 ’09「けいおん!」 ‘10「世紀末オカルト学院」 ’11「ブラック★ロックシューター」 ‘12TARI TARI」 ‘13「聖闘士星矢Ω」 ‘14「ばらかもん」 ‘15「デュラララ!×2」 ‘16「魔法少女育成計画」

‘17「魔法使いの嫁」

 なんとなく「頑張った!」という賞。いや、別にお為ごかしではなくてね……部門数が限られるから、どうしても入れる場所に悩む作品ってのはありまして、「こんなにいい作品を作ってありがとう」っていうことを伝えたいことってあるじゃないですか。

 まず、どうしてもインパクトでオリジナルに負けるけど「丁寧に原作をアニメ化してくれた」部門。筆頭に来るのは「ボールルームへようこそ」だろうか。あれって最後は原作にないところまで描いたのよね。I.G.によるスポーツものは「ハイキュー」から続く流れだが、毎度毎度凄まじい作劇で大迫力の対決を描いてくれるのは本当にお見事。同様に原作愛に溢れた丁寧さでいえば「キノの旅」も良かった。まさかあとがきまでもがアニメになるとは、誰も思うまいよ。さらに個人的にはミドルヒットとなった「カブキブ!」の存在も、もう少し世に広まってもいいと思う。確かに女性向けのデザインではあるのだが、意外にしっかり「学生歌舞伎」っていう無茶に挑んでいるし、部活モノとしての楽しさは充分だ。あとは2期目だからなかなか再評価が難しかったけど「干物妹!うまるちゃんR」はやっぱり良作だったと思うよ。3期はあるのかしらね。

 アニメのオリジナル作品で見ていくと、なかなか評価されにくいながらもしっかりといい仕事をしていたのは「サクラクエスト」。P.A.らしい丁寧な作劇で、ちゃんと「町おこしアニメ」という無理難題から逃げずにけじめをつけている。こういう方向性で、既存のアニメとは異なった社会性を含んでいくのもアニメの1つの方向性なのかも。さらに好き勝手にオリジナルから詰め込んだ作品としては「アクションヒロインチアフルーツ」の名前も挙げておこう。頑張ったっていうか、作品そのものを本当にスタッフが楽しんでいる感じが良いね。そういう意味では多分「Just Because!」「月がきれい」の2作品も、スタッフの愛はてんこ盛りだった気がしますね。こういう作品をじっくり作れる土壌があるのは喜ばしいことですよ。あ、あと非常に評価が悩ましいところですが……個人的な思い入れからここに「地獄少女宵伽」だけはねじ込ませてください。是非ともフルサイズのシリーズを。

 残った枠でどの作品に賞をあげるかってのは本当に悩むところで、最後に3作品まで絞り込んだ。1つは「有頂天家族2」だ。もう、大好きな作品なので選ぶなら文句なしではあるのだが、すでに過去に選出してしまっているのでなんとなく抵抗があったのですよ。最高の作品なのは間違いないので、是非とも記録に残しておきたい。そしてもう1本は「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の賞/勇者の章-」。ゆゆゆもすっかり一大ジャンルとして名前が残ったもんだなぁ。最初に始まった時には「なんちゃってまどマギ」みたいな扱いだったんだけどなぁ(俺だけかしら)。

 この2作品はどちらも長期にわたって愛され、丁寧に作られた作品だったわけだが、今期そんな愛され作品に新たなタイトルが加わった。それが、劇場作品などで少しずつ土壌が作られていた「魔法使いの嫁」である。本当に充実した2クール、本当に充実した世界だった。これだけの作品世界を焦らずじっくり育て上げるってのは、消化速度の速い現代アニメ業界では勇気のいることだっただろう。それでも、真面目に作ったものはしっかりと評価されるべきだ。残念ながら原作要素はもう使い尽くしてしまったらしいのでアニメ2期はなかなか難しいだろうが、きっとどこかで、またチセやエリアスに会える日が来るに違いない。新しい日本のファンタジーの模範になれれば良いね。

 

 


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