忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[1] [2] [3] [4] [5]

 デルミンやヒメコの風呂場での髪の毛がどこに消えてたのかが気になる、第10話。この世界の住人たちの毛(体毛?)はどこがどうデフォルメされてるのかの概念化が難しいのである。

 まず何より、アプリリリースおめでとうございます。当方、ソシャゲ難民だったのでとりあえずインスコしてプレイ始めておりますが、様子見の段階で課金は出来ないのでやれることがあんま無いですね。まぁ、ましゅましゅとプラズマジカが並列して存在している次元なので見てるだけでも悪いもんじゃないですが。最初回したガチャで出たSRが阿だったのはまだ救いがあってよかった。やっぱ霧幻庵やね。

 で、そんなアプリとの連携も狙いつつ、ましゅましゅの掘り下げに終始したのが今回のお話。やっぱりこの4人でわちゃわちゃしてるだけで楽しいのは良いよね。ほわんとヒメコのカップリングがブレないのは当然として、横に控えしデルミン・ルフユの2人もしっかりキャラが立っているのはとてもおいしい。ルナティックおいしい。レイジンとの揉め事のせいでもうちょいメンバー内に陰鬱な空気が流れるかと思ったが、あんまりそこは問題視してないみたいなのは良かったよ。まー、これで落ち込むようなキャラはあんまりいないけども。ヒメコの悩みがバンドの立ち位置そのものではなく曲作りの方に絞られたおかげで他のことに頭を悩ませなくなったのがかえって良かったのかも。

 まさかの2度目の合宿で友情パワーもフル充填。ストレスが無いのはよいことじゃないですか。さて、レイジンさんたちはこの4人をどんな風に迎え撃つことになるのやら。

 

拍手

PR

 挫折回、第8話。どうしてもこういうアニメには欠かせないのが挫折回なわけだが、底抜けの明るさを持つましゅましゅの場合、どんな風に受け止めたらいいのかを計りかねるので難しいところであるな。

 本気の仕掛けをしてきたレイジングシグナルの面々。すでにほわんとの濃密な接触により、非常に高い目標を掲げたまっすぐなグループであることは明らかになっている3人だ。特にボーカルのララリンはほわんのことを高く評価しており、すでに実績がある身だがデビュー経験すら無いほわんたちに何かと目をかけてくれる。今回の対バンについては、結果的に「挫折」回になってしまったし、最後にララリンがかけた言葉がどこまで本気のものなのかは定かで無いが、ほわんたちにとってはかなり厳しい試練になるのは間違いないだろう。まぁ、普通に考えたらましゅましゅが崩壊することなど望んでいないだろうし、ある程度はハッパをかける目的での展開だとは思うが……彼女らのストイックさを考えると、本当にましゅましゅのノリに辟易した可能性も捨てきれないので、ちょいと心がクサクサしてしまうわね。

 ましゅましゅサイドからすると「突然上から目線でそんないちゃもんをふっかけられても」という印象にもなりかねない展開ではあるのだが、同時にレイジングシグナルの過去の苦労話も明らかにされており、3人が今の地位を確立するために犠牲にしたものや、血の滲むような努力が補強されているために説得力は保持している。「音楽ってのは生半可な覚悟でやって伝えられるもんじゃないんだ」という信念は決して間違いではないし、大げさな考え方ではない。そして、そんな大仰な信念を体現するもっともわかりやすい方策として、「あえて弱者であるましゅましゅの曲調に新曲をぶつける」という容赦ない戦略が採られたのである。

 ほわんたちだってちゃんとそれなりの努力はしており、相手方の研究を行い、自分たちの持ち味を再分析した上で、しっかり練習して対バンに臨んだのだ。素人バンドには充分な備えだろうし、その姿勢が間違いだったわけではない。しかし、あえてそうした「普通の精神」で挑んできたましゅましゅを返り討ちにしたのが今回のレイジングシグナル。実際、彼女らが今までのイメージを払拭するようにして叩きつけてきた「ネオンテトラの空」は良い曲だったし、新たなるレイジングシグナルを表現するものになっていた。まさに、ましゅましゅを踏み台にしてのもう一段の進化だ。あとは、そんなひどい仕打ちを受けたましゅましゅの面々が奮起できるかどうかの勝負。

 まぁ、アニメ的なことを考えれば当然ここからの再起がクライマックスってことになるわけだけども。次回がまたドコユビ回になりそうなんだよな……ちょっと不安な状態で宙ぶらりんになるのは勘弁してほしいけど……頑張れ。

 

拍手


 故にィ! 第7話! どこゆび勢も充分キャラが濃いところに真正面から立ちはだかる大先輩の姿。久しぶりにお会いしたはずなのに、あっという間に空気を持っていくそのたくましさたるや!!

 合宿回で、水着回で、銭湯回(?)。7話でサービス回という1クールアニメのお手本みたいな構成になっているはずなのに、主人公チームたるましゅましゅ勢は割と空気。まぁ、髪の毛のボリュームと水着姿のバランスがやたらおかしいヒメコさんとか、みていてほっこりする要素は多いんだけど、今回は本当に「息抜き」ってことで彼女たちにはお気楽に楽しんでもらうことに。

 さぁ、ヒロイン勢がプールでくつろぐ間、新進気鋭のどこゆび4人が無茶な冒険へと旅立った。そして待ち構えていたチーム・シンガン。いやぁ、この子ら、本当に何一つ変わってない……まさに実家のような安心感。かつて世界を揺るがす大問題の根幹に関わっていたとは思えないようないつも通りのお姿である。

 個人的には、最も頼りになるロム兄貴の勇姿を数年越しでみられたことが本当に嬉しい。しかもシンガンさんたちが現在どうなっているのか気になってたら、社会人のロム兄さんだけ出張でアラシュカに来てたっていう。なんやねんそれ。そして残りの3人の社会不適合者がなんとなく付いてきて、ほんで国外ライブをやるって目的だと。何いってるのか1つもわからんし、極寒の地でも腹筋全開のロム兄かっこよすぎんだろ。加えて全員がちゃんとお馬鹿っていう路線もブレていない。短い時間の中で「シンガンらしさ」を全て絞り出し、作品に大きな爪痕を残してくれた。

 幸いにして、こんな無茶苦茶な先輩レジェンドが登場してしまったにも関わらず、その背中を追うどこゆびのメンバーも決して個性では負けていない。まぁ、今回は流石にゲスト回ってことでメインは譲った感があるが、きっちり若々しさを炸裂させてシンガンについていくことができた。中でも参謀役(?)の双循については「悪がしこいのに馬鹿」という世界観からはみ出さない個性づけが的確すぎて笑ってしまう。いい後輩になったもんだな。まぁ、この2チームに一切の関係性はないが。そういやクリクリや霧幻庵の名前は出ていたけど、ほわんたちの話題にシンガンの名前は一度も出てきてなかったな。別に有名バンドにはなってないのかな(まぁ、そうじゃね?)。

 こうなってくると、まだ影も形も見えていない伝説のバンド、プラズマジカがどうなっているのかが気になるところだが……今後登場することはあるのかなぁ。今回のシンガンさんの扱いを見ると、どうしたって期待してしまうなぁ。

 

拍手

 いいですワぞ〜〜、第6話。この展開こそSHOW BY ROCKですな。や、ヒメコの偏愛についてはすでにだいぶ前から描かれてたけど。おちゃらけなしできちんと2人の関係性を確立させる展開はやはり必須だったでしょうよ。

 無印や#とは制作体制も変わったしキャラクターも総とっかえになってしまっていたので、しばらくは様子見だなぁ、と思っていた今作。実際、どういう方向性に進むのかはしばらく読めなかったのだが、フィンガーズの連中が出てきたりして、基本的には無印のときと同じ流れが確立され、さらに明確な「敵キャラ」設定がなくなったのでふわふわ要素も強めになった。そして全編を通じて言えることは、やっぱりキャラが可愛いのよね。愛に溢れるキャラ造形になっているってのもあるだろうが、ケモ成分を含みながらもケモに傾倒しすぎず、女の子の愛らしさとちょっとした萌え要素の分配が非常に良いバランス。思い返せば「#」の時のオープニング映像に萌え殺されたこともありましたな……。ちなみにケモで言えば今回のコンテ切ってんのが小島正幸(メイドインアビスの監督)なんですが、これもまたケモ的な繋がりもあってのことかもしれませんな(キネマシトラスつながりだろうよ)。

 ここまで着実な地盤固めが進んでいた印象で、ほわんの人となりの描写から始まり、ルフユ・デルミンのコンビはしっかりと1話を費やしてその魅力を掘り下げた。ここまででもバンド結成の準備は整ったと言えるだろうが、さらにライバルバンドの登場からヒメコの内省へとつながって、これまで無条件でほわんに耽溺していたヒメコがちょいと冷静になり、過去の経験から一度はほわんを突き放してしまうという展開。まぁ、今までの愛情がさすがに行きすぎていたので、今回みたいにちょいクール目のヒメコになった方が正しい状態に戻ったといえるのかもしれないけど。

 悩ましいのは、そうしてヒメコがシリアスになってしまうと、本当に純朴一途なほわんはそれを受け止める手段が存在しないんじゃないか、という部分だった。前作の主人公であるシアンは「実は異世界転生(?)」というバックグラウンドがあったおかげで他の面々とのズレやすったもんだを彼女の内面で処理することができたが、ほわんの場合は内面も真っ白。本当にただ素直なだけの子なので、ヒメコがこじらせてしまうと、どうあがいても彼女の悩みを吸収することができない。だとすると手詰まりじゃないかと思われたが……力技で押し切りましたね。いわばワンピース的な「うるせえ!(ドン!)」みたいなもんですからね。どこまでもまっすぐに、どこまでも愛情を持って接するほわんの人の良さが、真正面からヒメコの厄介を打ち崩す展開。なんだか理不尽なようにも見えるが、このまっすぐさこそがほわんの最大の武器であることが確認できるので、見ている方としてはむしろホッとする結果かもしれない。「理屈じゃないんだな」と飲み込んだ後にお互いに絡め合う指のシーンは、有無を言わさぬ説得力に満ちておりました。

 バンド結成までが6話で描かれ、さぁ、残り半分でいよいよ出世街道を駆け上がるぞ! って思ったら、次回はフィンガーズメイン回っぽいな……まぁ、あいつらはあいつらで面白いから良いんだけど。この辺りもすげぇシンガンっぽい扱いだなぁ。

拍手

 キリンこっち見んなwwwww最終話!!! もう、腹抱えて笑った。そんな目で見るな! 視聴者の方に向き直り、滔々と胸の内を語って聞かせるキリンさん。もう、愛おしくてしょうがないわ。テンション爆上げで盛り上がっちゃうキリンさんを誰が憎めようか! 分っかりまぁす!

 いやぁ笑った。このテンション芸はやっぱりスタドラに通じるものがあるな……そして脚本もさることながら、前回の「画が強い!」に引き続いて画面構成考えてる人もいちいちすげぇわ。なんやねん約束タワーブリッジって。未だかつてこんな東京タワーの使い方した人間おらんやろ。先週のラストでは絶望の象徴になっていたはずの「倒れた東京タワー」が、絵としてはそのままのはずなのに全く真逆の希望をつなぐ橋となる。いや、絶対なってないけども! おかしいけども! その説得力の塊みたいな画面に、もう納得するしかないじゃない。

 やっぱり今作はこうした「こけおどし」が本当にうまい。まぁ、大したことない要素でも大仰に見せる、っていうのはまさに舞台の真骨頂だと思うのだが、1つ1つのファクターにいちいち壮大に見える意味を重ね合わせ、ここまで積み上げてきたものを全て使って鈍器のごとく殴りかかってくるもんだから、いちいちダメージがでかくなるのである。クライマックスで改めて提示される「アタシ再生産」の文字ね。冷静に考えてみりゃ、冒頭から何度となく繰り返されてきたこのフレーズも、意味はよくわからんのだ。最初に華恋が使った時には「舞台少女として、改めて夢を抱いて戦っていく」という意思表示に見えたものだが、最終回となる今回では、ひかりの夢を知り、その妄念に打ちのめされてなお戦い続けるための「コンテニューの方便」として使われている。レヴューでは上掛け落とされたら負けって言ってんじゃん! って思うのに、そこで「でも、再生産だから」って言われたら「じゃぁしょうがねぇよ……」って納得するしかないじゃない。今になって思えば、キリンが連呼する「分かります」だってこけおどしの一環なんだよな。視聴者側から「ん? 分からんぞ」っていう印象が沸き起こったとしても、キリンが分かってるんだから多分わかるんだろう、って納得させられるっていう。「もしそれでも分からないならお前はキリン以下やぞ」っていわれたら、そら「じゃ、じゃぁ分かります……」っていうしかないやん。

 もちろん、こけおどしだけの作品だなんて噛みつく気は欠片も無くて、例えば今回たどり着いた「ひかりの想い」について、今回の1クールは実に周到に構えを作っている。今にして思えば、実はひかりの思いってのはバナナのエゴと似たり寄ったりの感情なのだよね。バナナは「99回が大好きだから」という理由でレヴューを私物化し、ひたすら繰り返すことで自己満足を極めていた。誰の迷惑にならずとも、それは明らかにバナナのエゴだった。そしてひかりの場合、「華恋が大好きだから」という理由で舞台(とオーディションそのもの)を私物化し、全てをうちに取り込んで自己満足に浸っていた。もちろんそこで抱える自己犠牲の精神は真似できるものではないし、尊い犠牲と見ることもできようが、最大の問題は、その行動に出るに際し華恋本人の意思を一切確認していないということである。実際、そんなひかりの歪んだ信念を知った華恋は単身で彼女の世界に殴り込んでストップをかけているわけで、極論すれば今回の彼女の行動もエゴの極みなのである。こうして舞台少女全てを一括りに抱え込み、変質させる(もしくは永遠に変質させない)ことを願う構図を繰り返すことで、ひかりの精神性が理解しやすいようになっており、最後のカタルシスへの接続が容易になっている。バナナの一件がなければ、突然レヴューがわけのわからない展開になってしまい、今回の顛末を笑って見守ることは出来なかっただろう。

 いや、もちろんだからと言って今回のレヴューが全て説明されたというわけでもないのだが……いいじゃないの。「私もスタァライトしたくなっちゃう」んだから。ほんと、「スタァライトする」ってなんなんだろな。分かります。えぇ、分かりますとも! クロディーヌさん、僕にもカニください!

拍手

 画が強い、流れが強い、第11話。なんやこのアニメ。

 もう筋立ての分からなさはどうでもいい。とにかく画に強さがある。見せ方にしたたかさがある。どうも私の周りの環境を見るに、今作を過度に楽しんでいる人間が多くて若干引き気味だったのだが、改めて思い直す、今作は強い。

 引き気味だったので、割とメインシナリオには懐疑的なんですよ。というか、わざと粗探ししようとすら思ってたんですよ。先週までの感想もそうだし。今週だって、「ハァ? なんでひかりさん消えてしまうん? 訳わからんやん」と思っていた。いや、多分今も思っている。結局今作において、現実世界での「舞台演劇」と、華恋達が挑み続けた「オーディション」の関係性は完全に整合性をもって説明できる存在ではないので、オーディションを中心とした筋立ては、「訳がわからない」と言ってしまえばそれまでなのだ。いくらでも「意味付け」はできるが、視聴者の数だけその意味づけに微差があるだろうし、「正解に近い何か」であっても、それが真実かどうかは誰にも分からない。どこまで行っても具象化不可能なシナリオなのである。

 しかし、そうしてせせこましい考えを純粋にアニメ的な要素で殴り倒してくるのが今作である。「ひかりはどこへ消えたのか!?」という疑問に対して、「彼女はオーディションに勝ち抜き、望むものを手に入れた。しかし、星に手を伸ばしたことで彼女は償いをするために地下深くに眠るオーディション会場に幽閉され続けているのである」という答えが提示された。うむ、訳が分からない。でも、それがこの世界の真実なのだ。その唯一無二にして不可侵の真実に、愛城華恋だけがたどり着いたのだ。もう、その時点で説明は不要になる。この世界には、「それ」があるのだから。

 こうして謎が明かされると、冒頭部分で華恋が警察に相談しに行ったことも壮大なネタ振りであったことが理解できる。「え? マジで警察行くの? っていうかこの世界にちゃんとした警察とか有って、行方不明の女子高生の捜索に乗り出してくれんの?」という疑問は誰でももったことだろう。今まで散々無茶してきて、突然そこで普通のことするなよ、っていう(その直前の退学届にわざわざキリンが押印してることとのギャップがすごい)。しかし、そうして作られたギャップも、後半に控える「そんなバカな!」というとんでもない画のための予備動作でしかないのだ。

 ひかりが消えた、オーディションが終わった。全ては元どおり、普通の学生生活に戻り、もう間も無く開催されるであろう、100回目のスタァライトのための準備が着々と進む。そんな「普通の学園祭の準備」みたいな光景が、確実に積み重ねられていく。それはまるで、神楽ひかりという存在が、これまで展開されてきた非現実を全て抱えて持って行ったかのような様相である。

 そして、実際にこの直感は当たっている。ひかりは全てを持って消えたのである。それは彼女が望んだことではあるが、どうしようもないレヴューの流れの中で生まれた自己犠牲の精神。舞台という魔力に魅入られ、一度は自分を失った少女の、精一杯の罪滅ぼし。それは1人の女の子が背負いこむにはあまりにも重すぎるものだ。途中、バナナと純那の「こんな寒さ初めてじゃろ」みたいな会話で彼女達が初めて「新しい冬」を経験していることを強調するくだりが出てくるが、かつてのバナナの「抱え込んだ罪」はひたすらに繰り返される時間を生み出すことだった。「繰り返し」については、バナナは何かを失ったりせず、ただ悠然と己が権利を謳歌するだけだったが、「前に進む」という権利を行使するために、ひかりはなんと大きなものを背負いこまされたものか。

 しかし、そこまでして全てをなげうったひかりの独りよがりな自己犠牲は、ついに華恋によって看破された。半年もの間彼女の影を追い続けた華恋。この2人の繋がりがなければ、ひかりの沈み込んだ深淵に光が差すことは決してなかったであろう。それでも、華恋は気づいたのだ。見つけたのだ。彼女がバールのようなもの(バールだ)を振りかざして壁をぶち破るシーケンスは3話でひかりがやったのと全く同じである。互いを思い、なりふり構わずに目の前の壁をぶち壊す行為。かつてのひかりの信念が、今になって彼女自身に光をもたらす。

 かつては2人で高みに登ろうと誓った華恋とひかり。今や、華恋はひかりの姿を求めて下へ下へと降りてゆく。そこに付き添うのは7人の仲間達。一歩ずつ「舞台」へ向かいながら、少しずつ降りて行く中で彼女達とのこれまでの熱戦がフラッシュバックして行く。そこはまるでこれまでのレヴューの大道具を全て収納している倉庫のようであり、これまでの2年弱の記憶を詰め込んだ思い出の表れでもある。7人と華恋の繋がり。そして7人とひかりの繋がり。一歩ずつ降りて行く過程を見てみれば、最後に付き添ったのが天堂さんである。ご丁寧にクロちゃんは直前で立ち止まって上から声をかけているので、おそらくあの長い長い階段の「下」は舞台という世界の深み、これまでは逆説的に「上」と言われていたものを示している。かつてはその上下を巡って争いあった者たちが、最後には皆が揃って、全てを無かったことにしたひかりを待ちわびている。華恋の想いは、いよいよ舞台の中心・ポジションゼロ(USBコンセントつき)にたどり着いた。

 そしてCパート。広漠と広がる荒野。砂地に吹きすさぶ嵐に翻弄される上掛け。一糸纏わぬ姿で全てを断ち切るかのように伏す神楽ひかり。そして横たわる東京タワー。

 もう一回言わせて。画が強い! 

 この映像を作っただけでも、もう今作には畏怖しかない。

拍手

 「選択希望舞台少女」とかいうパワーワード、第10話。つまりあれは完全にドラフト会議だったわけだが、もし希望が被ってたらやっぱりくじびきだったんでしょうか。いつぞやの真中監督みたいに喜んだら勝ち、みたいなルールだったら笑える。「頑張りましょう、はずれ1位の可憐さん」。

 さぁ、準決勝。もう、展開が確実にディアボロスVSジョンドウズである。キリンさん曰くレヴューの日程調整によるものらしいが、別に本番まで日にちはあるんだろうし、1日くらい伸ばせなかったもんだろうか。多分、舞台少女たちじゃなくてキリンさんの方のスケジュールがケツカッチンだったんでしょうね。世界中で舞台少女を煽って戦わせるお仕事してますもんね。もう、ここで敢えてタッグマッチをやらせるあたり、プロレス魂を完全に理解した有能すぎるプロモーターである。もしかしたら、上位4名がこの面子で残っていたからこそ、キリンさんはこっちの方が面白いと判断してスケジュールをいじった可能性すらあるな。

 あとはもう、史上初のタッグレヴューというマッチメイクを楽しむだけ。私はこの手の作品を見ているといっつも「早くこれの格ゲーでねぇかなぁ」って思う。古くは「舞-HiME」の時からで、その後も「なのは」シリーズとか「シンフォギア」とか、キャラ特性を妄想して格ゲーのキャラとしてぶつかり合う様を想像するのがとても楽しい。特に今回の舞台少女たちはしっかりと得物が違うし、9人の中でキャラ特性を設定しやすいのでゲームバランスも良さそうだ。挙句にタッグマッチまで実現し、タンデムコンボも自由自在ときている。そりゃぁ今回みたいに鉄板のカップリングでぶつけ合うのが大前提だが、訳のわからないコンビを組ませて「これ、原作にない技やーん!」みたいな楽しみ方もしたいのだ。まひる&双葉のタッグとか、どんなスパコンが発動するんでしょうね。

 閑話休題、そんなわけで、私は基本的に今作を「バトルもの」として楽しんでいるので、2対2の目新しい戦闘シーンはそれだけでも満足いく映像である。ただ、欲を言えばもうちょっと事前に天道さんのキャラを掘り下げておいて欲しかったってのはある。クロちゃんはそれなりに心情部分が掘り下げられていたし、今回の「天堂真矢は負けていない!」のくだりなんかもビシッと決まっていたのだけど、天堂さんって結局これまでほとんど喋ってすらいなかったせいで、単なる「強さのアイコン」でしかなかったのよね。おかげでバトルシーンも「とにかく強キャラ」っていうことしかわからないので今ひとつ特徴が出てない。ことここに及んで全員使ってる武器が似通っているので差が出しにくいってのも、これまでのバトルとちょっと違うところだし。まぁ、多分タイプで行ったら天堂さんもクロちゃんも基本パラメーターがめっちゃ高いことが前提で、さらに天堂さんがいくらかテクニック寄り、クロちゃんがパワー寄りのキャラになると思われる。上から思い切り落下して舞台かち割るクロちゃんがかっこよかった。

 しかし、レヴューには必ず決着がついてしまうもの。あれだけ強キャラオーラを出していた天堂さんも、主人公補正にはやはり勝てなかったのか。肝心のシーンで勝敗を分けたものがなんだったのかよくわからないのはもやっとするが、まぁ、ここは負けるのが常道である。いつの間にそんなに強くなったんだ、華恋よ。もう、記憶を取り戻してひかりと繋がっていれば無敵状態か。今回描かれた「子供の時の約束」シーンがかなり強かったのでこれも摂理かという気もする。強引に理屈をつけるなら、天堂×クロペアの関係性は入学後からの一年ちょい。それに対して華恋・ひかりの関係性は心のつながりも含めれば十年来。試合がシングルマッチだったらそれぞれ天堂さんやクロちゃんが上回っていたかもしれないが、タッグの力は10倍にも100倍にもなるということなのだろう。あー、でもそんなこと言ったらクロちゃんに怒られそうだよなぁ。最強に最強を足したら、やっぱり最強でいて欲しかったなぁ……。どうしても、クロちゃん(の中の人)をたっぷり堪能した後に観てしまったせいでクロちゃん贔屓が強くなってしまう……。

 兎にも角にも頂点には二人。しかし、それは許されぬとキリンは宣う。最後に残るのはただ1人。そして悲劇のレヴューが幕を開け、そこでは覚悟の違いが表れる。一度は涙を飲んでレヴューを乗り越えたひかり。彼女が見る頂上の景色とは、一体どんなものなのか。いよいよ大詰めですな。

 

拍手

 「嫉妬」って言われて「あ、私ですかね」みたいに顔あげるまひるさんがツボ、第9話。去年の時点で嫉妬の女神に選ばれてるあたり、配役センスあるやんけ。

 バナナ編完全決着。前回の対ひかり戦で決着がついたものだと思っていたが、1度の敗北で脱落はしないのがオーディションのルール。訳のわからない新参者に負けただけではバナナも納得いっておらず、完全に心をへし折られるまでにはもう1戦を必要とした。そして、そもそもひかりというイレギュラーが現れて全てが変わってしまった原因が華恋であると読み解き、全てを賭けて自分のレヴューを取り戻すために挑んだ一戦だった。結果完敗してしまった訳だが、ここで彼女が敗れる理由はやはり「停滞」を選択したことだったのだろうか。これまでのループでは天堂さんを楽々屠ってきたバナナが劣等生だった華恋にこうもあっさり敗れてしまうというのは釈然としない部分もあるのだが、華恋・ひかりの相乗効果というのはそれだけ影響力が大きいということなのだろう。

 そして、こうした新たな変化を導き出していたのが、結局はバナナ本人の意思によるものであったのだろう、という結論が何かしら救いを感じさせてくれるものになっている。停滞を望み、殻に閉じこもっているかのような印象のバナナだったが、その実、「99回」というレヴューの思い出に拘ってこそいたものの、ちゃんと毎度の舞台で少しずつ脚本を改良したり、決して進歩的な面がないわけではない。むしろ、99回というただ1つのレヴューをとにかく磨き上げて良いものにしていこうという貪欲さは、純那が言っていた通りに誰よりも舞台少女らしいものである。それこそ、100回公演を目指して切磋琢磨する周りの仲間たちと同じ志だ。そんなバナナの向上心は、無限とも思われるループの中でも微細な変化を生み出し続け、最終的にはひかりと華恋という特大のイレギュラーを生み出し、皮肉にもそれがループ脱出の引き金になってしまったということなのだろう。もしかしたら心のどこかでは自分の停滞を後ろめたく思ったり、その行為の正しさに疑念を抱く心もあったのかもしれない。そうした己が内面を純那に諭され、無事にバナナも浄化されたのである。彼女が大切に持っていた99回の脚本、なぜか表紙にカエルが描かれていたのは、彼女の特性である「帰る」「還る」を表している……かどうかは定かでない。最終的に、彼女も自分自身を「変える」ことになったわけだが(うまいこと言うた)。

 そして、今回はこれまで何となく描かれるだけだった「スタァライト」という舞台の具体的な中身も明かされることになった。まぁ、今回のお話だけでは大枠しかわからないが、おそらくアニメを見る上では今回のあらすじだけを理解していれば充分なのだろう。キーワードになるのはやはり「2人の少女」という部分で、ゴールするのはたった1人のトップスタァではなく、互いを信じ合う「舞台少女たち」であるべきということだ。そんなスタァライトを夢見ているからこそ、華恋は迷わずに「ひかりと2人で舞台に立つ」ことを夢見ることができるのだろう。そして物語に登場する「大小2つの星」というのもなかなか意味深であり、どちらを掴むのか、はたまたどちらも掴むのか。そのあたりの結末に華恋とひかりの運命も変わってきそうである。ただ、二人のヘアピンを見る限り、ひかり1人で「2つの星」を担っていて、華恋の象徴は王冠なんだよね。あの王冠、毎回オーディションのたびに鋳つぶされてるけど……どういう意味があるんだろう。

 あと個人的に気に入った小ネタとしては、「塔」を象徴するスタァライトのアイコン(台本の表紙に書かれたデザイン)がオーディション中にバナナを示すものとして舞台上に投射されているが、この図式から華恋が一歩脇に避けることで「私は99回へは戻らない」と示すところがお気に入り。上に登るための塔のデザインなんだけど、あのシーンだけは「99th」という文字へ至るバナナの道程を示し、そこから華恋が脇に避けたように見えるんだよね。高みへ登る図式か、はたまた先細りの道行きか。どちらとも解釈できる面白い描かれ方。

 あと、冒頭で衣装の変更をクロちゃんに褒められた時の香子のドヤ顔がすごい好き。香子にはこのままブレずに調子に乗り続けて欲しい。

拍手

 キリンさん、めっちゃユーザーフレンドリー、第8話。すげぇ、2ヶ国語対応(応対は最初ランダムになります)、さらになんとサポートセンターへの電話番号まであり、連絡すればすぐにスタッフが現場に駆けつけて対応してくれるという。すげぇぜキリン、そりゃもうわかります! ちょっと契約内容が聞いてない話だったことくらい大した問題じゃないな!

 というわけでキリンさんの繁盛記……ではなくてようやく一人称視点から語られることになったひかりさんメイン回である。今回もまたまた驚くべき事実がたくさん出てきたが、前回で「もうこの世界は何があっても不思議じゃねぇな」と腹をくくったので(1話目でくくれよ)、ひかりの過去話くらい大した問題じゃねぇや。いや、どうだろ、やっぱ慌てるけど……。

 ざっくり言ってしまえば、なんとひかりさんは「2度目」だったという。去年までは異国の地で華恋との舞台を胸に抱きながらレッスンに励んでいたひかりさん。彼女はかの地ですでにオーディションの荒波に揉まれた後だった。例によっていきなり引きずり込まれて成り行き任せで参加していたオーディションだったが、あちらの国にも天堂さんのような強キャラはいるわけで、惜しくも決勝で敗れたひかりさんは2位に甘んじ、その結果舞台の上で何かがぽっかりと失われていたことに気づいた。推定130gの「何か」には、「きらめき」という名前がつけられている。正確にそれが何かは分からない。ひかりは舞台の上で多大な喪失感を味わっていたが、それだって「トップを取られてしまった」という状況から結果的に生まれたものであり、それがキリンのせいなのかどうかもよく分からないし、そもそもどんな効果効能がある代物なのかと問われたら、誰も答えられないものだろう。それでも確実に、彼女の中から「きらめき」は失われ、キリンもそれについては「スタァを作るためにはエネルギーがいるでしょ」と悪びれもせずに言ってのけたのだから、「奪った」のは事実なのだろう。

 しかし、華恋に一方的に願いを押し付けたという責任感のなせる技か、ギリギリで踏みとどまったひかりにはきらめきの欠片でも残っていたのだろう。ユーザーサポートに問い合わせをした結果、キリンは改めてオーディションが行われることを告げ、「全ての手続きを片付けて」ひかりを日本へ送り込むのである。……やっぱすげぇぜキリン……。

 こうして、いわば「敗者復活戦」というか、経験値を蓄えた状態での戦いに挑むことになったひかり。かつての自分の不甲斐なさも懸案材料ではあるが、何よりも残酷な現実として、「レヴューで勝ってトップスタァになるのは1人だけ」という制約が重くのしかかる。バナナが勝ってるうちはそれもこれもひっくるめてのリセットだったので影響は出なかったようだが(?)、オーディション後に時間が進めば、2位以下になってしまった舞台少女は、かつてのひかりのように「何か」が奪われてしまうかもしれない。ひかりが勝ち残れば華恋から、華恋がトップに立てばひかりから。オーディション会場のランキングボードを見れば、「トップに2人」などという状況はあり得ない。

 幼い頃、あの東京タワーの見える公園で、4話と同じような構図で手を取り合った二人。かつては背中を追いかけてきた華恋の手をひかりが取り上げ、先日は滑り台側でためらうひかりの手を華恋が引き上げた。滑り台の上ならば、二人でてっぺんに立つこともできよう。互いに遥か高みを同じ目線で見上げることもできよう。しかし、それは舞台の上では叶わぬことか。ポジションゼロには、たった1人しか立てない。そのことを理解しつつも、今はただ、ひかりは目の前のライバルと戦い、勝ち続けるのみ。その後に訪れる試練も、きっと二人なら乗り越えられると信じて。

 前回暴勇とさえ言える圧倒的な力をふるったバナナ。彼女がいよいよイレギュラーであるひかりを迎え撃ち、新たな自分の「舞台」に引き込もうとした一戦、孤独のレヴュー。圧倒的な実力で他者を打ちのめさんとするバナナの獲物は鋭利な技巧に優れた日本刀。それだけでも充分強かろうが、なんと左手には小太刀まで携えての二刀流。彼女の手数の多さは、彼女の経験の多さの現れか。それに対するひかりのダガーはなんとも頼りない。一度は失った「きらめき」の損失がそこには現れている。しかし、一度敗れて立ち上がったものの強みか。何度もトップを取り続けてきたバナナを打ち倒すのが、辛酸を舐め「先の未来」を見てきたひかりだったというのも実に示唆的なものである。きらめきを取り戻したダガーはワイヤー機構が取り付けられており、ワイヤーアクションといえばこれまた舞台の「花形」でもある。一本の綱、か細い運命の撚り糸。そんなものをただ一心に掴み、すがりつき、ひかりは頂上への最大の障害を突破するのである。

 結局バナナの存在ってなんだったんだよ、って話だが、「ルール無用のクソやばいチートキャラ」でも粉砕するほどの信念が、「出戻り組」であるひかりの持つパワーだ、ということを示すことが目的だろうか。いうたらエスポワールにおける船井みたいなもんで、負けたからこそ得られるアドバンテージもあるということ。ただ、それは技巧的な部分ではなく、負けに対する恐怖心とか、2度とあそこに落ちたくないというがむしゃらさに表れるものだろうが。

 そんなひかりのジャイアントキリングに呼応するように、華恋も着実に勝ち上がって舞台を盛り上げる。残すところクロちゃんと天堂さんを上に見るのみ。ぶっちゃけ、クロちゃんは序盤から割と負けシーンが多いので強敵って感じもしないのだけど。どこかで天堂さんぶち抜いててっぺんとってほしいなぁ。

 

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[01/30 NONAME]
[01/27 デュッセル]
[01/21 デュッセル]
[01/20 NONAME]
[01/20 NONAME]
バーコード