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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 メイガス三原則だのアシモフコードだの……第16話。どうやら今期は「ロボと人の在り方」を考えるための作品が複数存在しているようだ。ちな、そんな中でブレイバーンの野郎……。

 というわけでさよならノワール。いや、さよならしないかもノワール。存在抹消の可能性が示唆される中で、最近影が薄かった鬱憤を晴らすかのようにノワール可愛いエピソードをたっぷりと展開してくるという、なかなかに人の心がない脚本。すっかり街の人々にも受け入れられてマスコットみたいになっちゃってるノワールを描写することで、がっつりとノワールの「社会性」「人間性」を掘り下げ、「この子が消えちゃってもいいの? よくないよね?」ということを訴えてくる。まぁ、消えちゃっていいわけがないんだけど。

 意外なことに、この「ノワール消えちゃう問題」についてカナタは信じられないくらいに鈍感だった。序盤にミステルが経過報告をしてる時にやんわり「私が戻ってくるよ〜ってことはノワールは用済みになっちゃうよ〜」って伝えてるのに、カナタはさっぱりそれに気づかない。イストワール絡みの進展が大きかったんで舞い上がってる部分もあったんだろうが、ニブいにしてもなかなかに罪作りな態度。ミステルの話を聞いてた時にシエルはなんとなく察してたはずだし、ミステルの方だって実は案外いい奴なので「ノワール消えちゃうかもしれないけど、いいの?」っていう意味も含めて説明してたのに、全然そこを飲み込めてなかったカナタ。彼があそこでちょっとでも「あれ、でもノワールは大丈夫なの?」って気にかけてくれていれば、ノワールの「私が死んでも変わりはいるもの」みたいな思考にもブレーキがかかっていたかもしれなかったのだが。

 でもまぁ、1つのボディに2つの人格っていう状態が不健全だったのは事実なわけで……周りがどう思ったところで、ミステルだって権利を主張できる1つの人格。彼女が自分の意思を優先し、「本当の姿」に戻りたいと願うならそれを邪魔することもできない。仮初の姿にお別れを言い、超有能ゼロ型メイガスが復活する展開もある意味ではハッピーエンドと考えることもできる。それを許さない空気になっているのは、ミステル自身もノワールに気を遣ってる部分があるからなんだよなぁ。ミステル、多分いい子なのよね。彼女がなまじ気を遣ってノワールの存在を消し切れないからこそ、ノワールにも欲が出てしまっている。なんとか思い残すことがないようにと精一杯動き回った結果、さらに「ノワールという自己」の存在意義がどんどん掘り出されてしまい、どんどん「消えたくない」の方向に自我が傾いてしまった。

 ミステルが分析するには、ノワールがセーフティのくせにそこそこのスペックで動けていたのはミステルから容量を奪っていたせいだという。もしそれが事実であるなら、そんなことができるのは本当に一介の「セーフティ」であるだろうか? それだけの容量を使用するだけの権利が、ノワールにも与えられていたと考えられないだろうか? であるならば、1つのボディに共存するミステルとノワールの主従は未だ定まらない。最後の最後に抵抗を見せてしまったノワールは、一時的にボディこそ入れ替わったように見えたが、最後まで精神の部分は維持したままだった。ミステルにとっても完全に想定外のこの抵抗、単なるイレギュラーなのか、それとも「ノワール」という機体の元々の仕様なのか。

 ここまで見せられたら、もう視聴者目線ではノワールとミステルのどっちが消えても納得いかない状態になっちゃってるのだが……最終的に、どこに落としどころを見つけるんでしょうね……でもなぁ、鴨志田一脚本の中では、梓川かえでちゃんはケジメつけて存在抹消されてるんだよなぁ……。

 
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 意外にあっさり仮面オフ、第15話。流石にあの対話は仮面のまんまではできませんかね。いや、2人がどんな関係なのかはまだよく分かってないのだけど。

 久しぶりにがっつりメカ戦闘を展開した手に汗握るバトル回。しかも相手はあの黒仮面様ときており、カナタの大ピンチもなんだか久しぶり。カナタが黒仮面さんとぶつかってしまうことになった直接の原因は、イストワールへの手がかりをがっつり獲得して最短コースで真実に肉薄してしまったため。それもこれもにノワール(ミステル)という鍵を偶然拾ってしまったせいであり、黒仮面さんとしてはそんな面倒の種であるミステルをさっさと取り返し、カナタには余計な夢や希望を抱かないようにしてほしそうである。ただ、残念ながらそうなると仮面さん所属の組織・イデアールはカナタの夢と真っ向対立する存在になってしまうわけで……今回のような悲劇的な衝突は避けられない状況だった。黒仮面さん、こんな状況なのにそこかしこでいい人感を迸らせてるのがなぁ……登場シーンでメイガスにめっちゃ海鳥がなついてるの草。

 カナタたちがイストワールに辿り着けるか否かは現状ミステルにかかってる状態。彼女の持つ知識が最短コースなのだが、改めて確認しておくと人類が文明をぶっ壊されてから現在まで約150年ほど。流石にそんだけ経ったらどんな文明の遺跡でも機能しなくなっていそうなものなのだが……今回見つけたロケットの発射場、そしてそこに備え付けられたレーダーは動力を与えるだけで割とあっさり復旧した。すげぇよな。この100年以上で電力規格とかに変更はなかったんでしょうかね。そして100年以上前の機械がそのまんま動いたのも驚きで……まぁ、当時の人類の技術力が凄まじかったということにしておこう。実際、イデアール連中の装備を見るとかなり高次の技術力を持つのは事実だし、当時の人類はそれ以上か。

 そうしてあとちょっとでイストワールの存在が証明できそうだったところへの遠距離狙撃。わざわざあのタイミングで撃ってくるってことは、カナタたちの旅路ににはずっと帯同していたってことなんだろうね(前回のプールにも隠れてたんだろうか)。イデアール側の目的は今のところは「イストワール到達の阻止」だと思われ、そのためのミステル鹵獲計画。ただ、カナタさんの主人公パワーを前にギリギリまで時間を稼がれ、これしかないタイミングでのトキオの乱入を許してしまった。あのシーンで救援が入った時点で「誰が助けに来たんだー!? トキオか? 普通に考えたらトキオだな。でももうちょっと意外な人物が来てくれる方が面白いんだけどな! クラウディアさんワンチャンあるな! 大穴ランゲさんとかだったら株が爆上がりだぜ!」とか思ってたら一番つまんないトキオだった(そりゃそうじゃ)。でもまぁ、そこからまさかの黒仮面さんとの濃密な絡みを見せてくれたので、ここは彼しか果たせない役割があったということで。2人で盛り上がって一気に色々とぶちまけてくれましたねぇ……そのくせ肝心なところは何も教えずに逃げていきやがった。核心はまだ引っ張るか……。

 今回一番驚いたのはトキオの正体がうんぬんよりも「ムートンさん、情報処理系能力者でむっちゃ有能だった」という事実。トキオと2人で全裸だった時代もあったというのに……。


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 イストワールにつくまでにしたい100のこと、第14話。おばあちゃん、「虹を見る」はそんな大層な目的でもない気がするんですが……まぁ、なんでもないようなことが幸せだったと思う旅なんでしょうね。

 さぁ、後半戦の「イストワール探訪編」が正式にスタート(勝手に命名)。2期目に入ってパワーアップした要素は、ミステルが自由にノワールを前面化出来るようになったこと。まぁ、カナタ目線でそれが進歩なのかどうかは微妙なところだが……ただ、これまでだったら「高圧的なミステル別にいらんからずっとノワールでいてくれよ……」と思ったかもしれないカナタも、古い知識を蓄えたミステルから思いもよらぬ太古の記憶をじゃんじゃん出してもらうことになり、「こいつも役に立つじゃん!」とちょっと前向きに。さらに歴戦の猛者という側面もあるため、フィジカル面での強化特訓まで施してもらい、もはやミステルはカナタにとって師匠的な立ち位置にすらなってしまっているかもしれない。いや、旅の先導をしているので純粋に「リーダー」かな。そうなっちゃうと、もうノワールが出てくる理由もないんじゃないかって話になり……当然ノワールさん自身はなにも言わずにただそこにいるだけなんだけど、この状況で一番気ィ使っちゃってるのがエリーってのがさ、やっぱり彼女の優しさよね。あとはまぁ、カナタがこの状況をよしとするかどうか。

 ただ、こうしてこまめにノワールが表に出てくるようになった表向きの理由は「休眠したい時の代替品」だとミステルは言ってるが、もしかしたらカナタのことを気にしてくれてる可能性もあると言えばある。出現当初は心無いマシンの権化みたいに思われていたミステルだが、付き合ってみれば意外にノワールに繋がる部分もないわけではなく、ちゃんと人のことを考えてくれたり、人間の情意にも理解を示してくれている。このままだとカナタの中でメインヒロインの座が塗り替えられる可能性すらあるが……まぁそれは無いかぁ。「ノワールか、ミステルか」っていう2択でしか悩めない現状、蚊帳の外のエリーさんは引き続き不憫枠である。

 そうしてだいぶ活動が安定してきたミステルが提供した驚きの情報は、なんとイストワールが地面の下じゃなくてお空の上にあるというとんでもニュース。「200年前の人類は自力で月にも行けた」とのことで、全く想定していなかった高いお空を見上げることに。なんかこぅ、「はるか昔の人類が実は宇宙から主人公たちを見下ろしてました」っていう展開、完全にDr. STONEになってますね。ちょうど千空(の中の人)もいることだし……まぁ、こちらの世界では敵はイエスマンではなくて、割と近くにいる謎の組織なんでしょうけどね。シエルさんは現在どんな気持ちでスパイ活動を続けているんだろう。彼女がカナタに対して抱えている恩義は決してうわべのものではないはず。板挟みに悩むシエルに対し、声をかけたのはまさかのミステルだったが、彼女もまだシエルの真実に辿り着いたというわけではなさそう。おそらくこれから先の展開で真っ先に看破しちゃうのはミステルな気がするけど……現状でシエルも黒仮面も悪人には見えないのが先を読めなくしてるんだよなぁ。どこに辿り着くんだろうなぁ。

 
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 優しさと、晴れやかさと、ちょっとの怖さと、最終話! 約束されし勝利の2期の報。まぁ、どっしりした進行だったのでこれで終わるとも思っていませんでしたが。素直に朗報なので生きる楽しみが増えました。それにしても最近のチャンピオン系列のアニメは恵まれた作品が多いなぁ。「BEASTARS」に「吸血鬼すぐ死ぬ」に「入間くん」、それに「もういっぽん!」。……「もういっぽん!」の2期目はまだですかね? あ、「六道の悪女たち」は別にいいです。

 というわけで最終回だけどつなぎのお話でもあり、立ち位置がなかなか難しい1本だったが、中心にテルと小石川さんの関係性を置いてくれたおかげで、とても気持ちよく「最終回らしさ」を味わうことが出来た。いくら女子中学生1人とはいえ、かついで家まで運べちゃった小石川さんのタフネスの高さには驚かされるが(この子、こないだまで足動かせなかったんですよ?)、それだけのエネルギーを持つ子だからこそ、これまでの人生で後ろしか見てこなかったテルの背中を押し、ヒーローとしての「背筋を伸ばす」役割を果たしてくれたのだろう。スティグマの試練を乗り越えて本当の意味での親友になれた2人。今後もテルはヒーロー活動を続けていくわけだが、常に隣に小石川さんがいてくれることは力を与えてくれるに違いない。

 それ以外にもシャイには心強い仲間がたくさんいる。此度の一件でスピリッツとの絆はより強固なものとなり、ペペシャ自身も大きく成長することが出来た。アマラリルクとの全面戦争を想定するなら、一度はその幹部クラス(?)を打倒しているシャイ&スピリッツは組織の中でも重要なポジションに立ったといえるのではなかろうか。今回サポートに回ってくれたスターダストも相変わらずの貫禄。「ヒーローが背中を丸めていては、助けられた人たちが申し訳なく思ってしまうぞ」というのはけだし明言。常に堂々と、傲岸不遜なまでに前をむき続ける彼の信念はその辺りからきているのかもしれない。レディブラックもシャイとの関係性では負けていない。彼女の生まれながらの献身の精神は、きっとスティグマの持ついびつな「夢」を前にしても戦っていけるはずだ。まだまだ謎多き敵組織を前に不安ばかりが募りそうな展開だったが、きちんと「ヒーローが作る明日」を見せてくれた、実に綺麗な中締めだったんじゃなかろうか。

 まぁ、それだけにラストのCパートが気にはなりますね。クフフさん、想像以上にツィベタちゃんの喪失の影響がでかかった……クソデカ感情なので本当に素敵には違いないのですが、正直言ってクフフさんにはあんまり理不尽な闇堕ちはしてほしくないんだよなぁ……ツィベタちゃんはきちんと「救われた」上でこの世を去ったわけで、クフフさんにも同じとは言わずとも、救いのある解決を求めたい。今週いきなり出てきた他の2体のアマラリルク勢については知らん。「アマラリルクに加入するには、(女性CV限定で)プリキュアの追加戦士を経験しなきゃいけないのか……」とかいう謎の発見があったりなかったり。総大将がビョーゲンズ出身。そして何よりも度肝を抜かれたのは、そんな「声の問題」が、まさかのテルのお姉さんから…………ええええええええええ、そこ、そういうことなの!? そりゃまぁ、レーニャさんがああいう形で敵として現れたのだから、他のヒーローの肉親が敵サイドにいるのは何も不思議ではないが……この世界、シャイに対して厳しすぎんか? それでも戦えるんか? 続きが気になるゥ!

 

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 泣くやろがい、そりゃ泣くやろがい、第11話。何度でも言いますけどね、あたしゃ母子の物語にとにかく弱いんだよ! どストレートだったけどいい幕引きだったじゃないか……。

 というわけで、悲しき親子の対決に終止符。実のところ、勝負はすでに先週時点で終わっていたようだ。スピリッツのハートに再び火が灯り、実母だと認めた敵に立ち向かった時点で、彼女たちの「悪夢」は終わりを告げていた。先週のように激しい打撃戦が繰り広げられることもなく、防戦一方で必死に自分の世界を守ろうとするツィベタの氷の殻を、スピリッツとシャイは容赦無く溶かしていく。文字通りに「火がついた」ヒーローの心に、何の障害があるものか。ギリギリまでクフフさんも戦ってはくれたが、あくまで今回のメインはペーシャ・レーニャの2人である。部外者はどんなサプライズがあろうとも口出しは出来ない。最後の最後に、ペペシャの強き心が悪夢を貫いた。そして、その心を育んだのは、他でもない母親のレーニャだったのである。

 個人的に嬉しかったのは、そうして趨勢が決した後にも、一番頑張ってくれたのがクフフさんだったこと。ツィベタとクフフさんの間の友情がどれほどのものかは想像するしかない部分だが、先週までのやり取りは「同じ志の下に集まった同志」とかいうよりも、本当に幼い見た目通りの精神年齢の、女の子たちの純粋な友情にも見えた。クフフさんは打開されたらツィベタが消えてしまうことを知っていた。そして、純粋に友達が1人失われることを嫌がった。まだまだ内面の読めないアマラリルクの面々だが、今回の一件ではそこに通底した「悲しいまでに人である」様子が垣間見えたように思う。次のクフフさんの登場時に、彼女は「ツィベタちゃんの仇」だと思ってシャイに襲いかかってきたりするのかな。それとも、彼女の遺志を最大限に尊重して、ツィベタの死の尊厳を守ってくれるのかな。

 クフフさん退場後、レーニャは自分の復活劇の知りうるところを全て娘に伝えた。曰く、レーニャの復活はペペシャの願いの歪んだ発露だったと。ということは、もしかしてツィベタが生まれたのって、あの時の北極のまさにあのタイミングだったんだろうか? 何かしらの因子があそこで発動し、永久凍土から実の母親の歪んだ姿(スティグマが大人を望んでいないから子供の姿だった?)が現れたとか。まぁ、だとしたらツィベタちゃんとクフフさんの関係性って別に深くも何ともないのだけど……アマラリルクの関係性はまだまだ読めないなぁ。

 何はともあれ、立派に成長した娘の晴れ姿を見ながら、レーニャは再び空へと還る。そして別れの儀式は和風で言えば「盃を交わす」ってやつで。まぁ、そこがウォッカのビンなのがロシア人の恐ろしいところだが……ウォッカってああしてビンでがぶ飲みして平気なもんなんでしょうかね……よくドラマとかのロシア人がやってるのは見るけど……まぁ、美味しいならいいんですけどね……あの親子、「お酒を飲んで明るくなってる時が一番いい笑顔」って言いつつウォッカ飲み続けてるけど、あれで「ほろ酔い」くらいを維持できるのは立派な体質ですよ。よかったね、酒の強さはきちんと遺伝したってことで。……肝臓は大事にしろよ。

 母娘の物語としては何ら不足のない綺麗な収束、そして少しずつスティグマへと迫っていくこのジリジリした感覚。まだまだ先は見えないけど、それぞれのヒーローが出来ることをやっていく以外に、奴の中枢に食い込むことはできないのだろう。さて、第2の指輪は何を語るか……。

 

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 熱いアツい氷の対決、第10話。説明不要な王道バトル回。Aパートのしんみりシーンと後半の怒涛のバトルシーンでわざわざコンテ・演出を別立てにしているあたり、やたらと気合が入っているのを感じるよ。

 というわけでまずはAパート、在りし日のペペシャさんのマーマ・レーニャさんの悲劇の物語。まぁ、何もかも結局貧乏が悪いんや……っていうどうしようもない結論にしかならんのだけど、貧しても鈍しない強い心を持てればいい。そして、それは普通の人間にはとても難しいわけで……残念ながらレーニャさんは挫けてしまった。可愛い娘がいたところで、世間の荒波に立ち向かうには、どうやらこの世界は女手1つで太刀打ちできないくらいにはクソだったらしい。ご丁寧に一回持ち上げて希望の火を灯してからそれを踏みにじられるというあまりに救いのない展開になっており、そりゃまぁ、どれだけ心優しかった人物でも闇堕ちしちゃうかもなぁ、という残念な説得力がある。常に薄暗い氷土ロシアの地は、やはり人が生きるには厳しいのかもしれませんね。そして、そんな疲れ果てた心の闇に、スティグマが忍び寄ったということなのだろう。

 スピリッツは実の母の変わり果てた姿に打ちのめされ、完全に心砕けてしまった。戦隊・プリキュアと変身ヒーローにはお馴染みの「心折れたら変身解除される」という展開、今作における転心輪は特に「心の表れ」として変身をサポートしているらしいので、如実に心の動きが外見に出てしまうというのはハード。しかし、ここまでされて挫けるなというのも無理な話で、さしものペペシャさんもいつもの明るさはなりをひそめ、ただ打ちひしがれるのみ。もしスティグマが狙ってこの母娘関係をぶっ壊しに来たのだとしたら、本当にドンピシャで最適な戦略を組み立てていたことになる。

 しかしそこはやはり「ヒーローもの」である。どんなピンチでも、胸に灯る炎を引っ提げて、懸命ヒーロー・シャイがまかり通る。彼女が「火」に目覚めたのもまさにこの時のため。不器用でコミュ障なダメダメヒーローだって、親友のピンチに、そして可哀想な母娘のピンチに、奮い立たずにはいられない。そこにはあの時の小石川さんの涙も重なって見えるのである。

 かつてないほどに炎を巻き上げ、シャイは反撃に出る。バトルシーンの描写もシンプルながら見応えのあるものになっており、ナイスだったのは渾身のシャイパンチの3段ブーストのカット割り。安藤作品では定番の「コマ割り」演出をよりダイナミックな構図に転換し、ガツンと見せてくれるナイス演出。作画もバリバリに気合が入っており、勇ましく戦うシャイの勇姿も、それに真っ向から受けて立つツィベタの悲壮な様子も際立っている。そして迎えるクライマックスはペペシャさんの復帰。その手は砕くためか、握るためか。彼女の手袋を中心に復元されていく変身スーツの純白。普通の変身ヒロインでは衣装が本当に「衣類」のような役割を果たすので今作のように自由自在に概念武装を変形させるのは難しい。今作の変身はあくまでも「心のありよう」だからこそ、こうして特に見栄えのある「再変身」シーンが演出できる。

 ヒーロー・スピリッツはふわふわ系の煙ヒーローだそうな。雪と氷の凍える白に、真っ向からぶつかる白煙は「火」が再び立ち上げてくれた反撃の狼煙。始めましょう、本気の親子喧嘩。

 

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 クフフさんもいいキャラだなぁ、第9話。今期の日高里菜貯金がどんどん溜まっていくのですわ〜。今期特に聞く声はちゃんりな以上だと村瀬ボイスくらいかな。

 さぁ、だいたい想定通りの展開になってきたが、想定通り=最悪ってのがアマラリルクの手管である。「心をめぐる戦いが主戦場であるなら、ふつーにスピリッツの精神を攻めるために身内を使うこともあるだろ」と思われ、多分そのままの流れだった。もちろん現時点でスピリッツのマーマが何故幼少期の姿で北極に眠っていたのかってのはさっぱり分からないのだが、何かしらネガティブな心を感知して引っ張り上げるのがスティグマのやり口なので、ママさんがいつかどこかで現実に打ちひしがれている状態を冷凍保存でもしていたのかもしれない。……まぁ、この展開がアリになっちゃうと、マジでスティグマはなんでもありになってしまうのだが……。

 現状、まだそこまで非情になり切らない要素が残ってるんだか、かえって外道なのかよく分かんないのがトリックスター・クフフさん。彼女の立ち振る舞いは本当に道化のそれであり、デザイン全般がどこぞのオートスコアラーを想起させる。ただ、「人を笑わせたい」という思いはどうやら嘘ではないらしく、単にシャイを相手にふざけてはいるが、もしもシャイにもうちょい余裕があって、クフフさんの振る舞いに笑いで返していたらどうなったか気になるところ。ツィベタちゃんとは仲が良いようなのだが、それが彼女と笑いのセンスが合うから……なのかどうか。アマラリルクの組織形態も本当に謎なので、この2人が前線兵としてヒーローにぶつかってる状態が計画性を持ったモノなのか、本当に気まぐれなのかすら分からないんだよな。流石にヒーローチームにスピリッツがいて、そのマーマを担ぎ出してきたんだったら(少なくともスティグマ視点では)なんらかの企みがあると考えるのが自然だけども……。

 先週時点では、おそらくツィベタちゃんのスタンスを一番わかっていなかったのはツィベタちゃん本人だったのかもしれない。しかし、実の娘(?)との戦いや孤児院の景色を通じて、何やら色々と取り戻し、着実にプランを進めている。見事にスピリッツを怒らせ、そこからどう言う原理なのか、転心輪へと介入する機会を得た。ヒーローの力の要は間違いなく転心輪だろうから、そこに付け入る隙を許してしまったのはだいぶ致命傷。現時点ではスピリッツに異常は見られなかったが、来週あたり、倒れるのか、飲み込まれるのか、はたまた闇堕ちするのか。ヒーロー2人体制で乗り越えられる事態とは思えないのだが……援軍とかきてくれないのかしら。

 アマラリルクの思想についても、ツィベタちゃんの意識がだいぶはっきり見えてきたおかげでなんだか伝わってくるようになった。「成熟とは腐敗、ずっと変わらぬ楽園で幸せになればいい」というのは、私のような人間にはとても甘美に思えてしまうし、弊害なく実現できるなら、それこそ真の世界平和なのかもしれないとすら考えてしまうが……まぁ、ヒーローものでこういう思想は受け入れられないよねぇ……テルさんにはなんとかレスバで勝ってひねた子供の夢想を打ち砕いてほしいもんだが、こんなに不向きな役回りもないな。

 

 

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 ロシア人女性の成長残酷すぎる説だ……第8話。せっかくなので「ロシア人女性」とかでその真相をググってみたが、「寒い地域なので高脂質な食事を摂り、外出も不足するので老化の影響を受けやすいのでは」みたいな分析を見てなんか納得してしまった。

 というわけで今週からロシア編(?)に突入。ロシアの調査のためには律儀に飛行機に乗って移動しなきゃいけないのがまず謎なのだが、普段使ってるポータル(あれってえびおさんの手によるものなのね)はあくまでコロニー基地との接続しかできないんだろうか? 確認すると以前はVS小石川さんの時に「保健室から外へ」っていう移動でゲートを開いているので決して固定式のポータルではないと思うのだが、まぁ、あんまりホイホイ海外への移動に使ってると違法性が問われるかもしれないからね……正義のヒーローは正規の手順で渡航しようってことなのかもしれない。

 あと、今回判明したもう1つの地味情報として「転心輪は翻訳機能を持っている」という事実も明かされた。そうなんだよな、これまで日本人とロシア人とアメリカ人とスイス人がなんの苦もなく対話しているのをみて「まぁ、アニメ的なお約束かな」とか思ったものだが(スイス人が日本のおばあちゃんと話してたしな)、それも全てヒーローの能力であるということが判明した。これで心置きなくスピリッツさんが管を巻くセリフも楽しめるってもんですね。転心輪がどんどん便利能力を増やしていくと、ちょっとだけ抱えてる「ヒーローの能力ってのもなんかバックファイアがある危険な力なのかもな……」っていう不安が大きくなっちゃうんですが、まぁ、多分これは関係ないわ。

 そうしてインターナショナルなつながりを作り、テルも海外での交流活動。スピリッツさんの生い立ちが明かされ、「能登麻美子ボイスでちょっと不思議な母娘関係」とかいう事実が匂わされるとどこぞの仮面おばちゃんの顔が脳裏にチラつくが、大丈夫、こちらの母親(?)は麻美子ボイスではなくて沢城ボイスである。……そっちの方が心配だ。まぁ、今のところツィベタちゃんの正体は謎のままではあるが、どーせスティグマがやらかしてるんだからろくでもない因縁しかなさそう。これ、スピリッツさんが乗り越えなきゃいけない壁がだいぶ高い気がしますが……大丈夫なんでしょうかね。今回はご丁寧にAパートでたっぷりと「平和で心の拠り所となる孤児院」の様子が描かれ、後半はそんな孤児院も、母の思い出も、全てが反転して「心の弱さ」につながりかねないというエグい設定に。救いというか、まだ不確定要素として残ってる可能性として「スティグマがついてきてないので、侵攻がツィベタ&変な新キャラ・クフフちゃんの気まぐれで決まる」っていうのがありますけどね。あんまり大望を抱いて全身全霊で攻めてくるタイプの敵キャラじゃなさそうなので、なんとか気分が乗らない状態にしてやれればこの場は引き下がってくれるかもしれません。まぁ、動機が見えないってのはむしろ怖い要素になるのだが……。

 改めて「クフフちゃん」という変な名前を見て気づいたけど「ツィベタちゃん」も単に冷たいからこの名前なのか(下の名前がコオリスカヤってなんやねん)。多分ぜんぶスティグマがふざけてつけてるんだろうけど、それだけにシンプルな性質も分かりやすい。クフフは純粋な意味での享楽主義者っぽいし、どちらにせよ話が通じない相手だろう、という絶望感がある。CV日高里菜だし。こんだけクセの強いキャラだらけの中、陰キャヒロインのテルさんはどこまで頑張れるだろう……。

 

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 この話のアフレコ現場にキュアウィング(の中の人)がいたという事実に笑ってる、第7話。「よくできた偶然やな」とか思ってクレジット見たら、あの極まった男の子のCVはソラ・ハレワタールさんだったという……完全に狙ってやってるやないかい!

 などというエピソードはどっちかというと幕間劇みたいなもんで、シャイがさらにモチベを上げるためのちょっとしたご褒美展開。本編の中で重要なのはAパートの方である。謎多きスティグマの活動について、なんとまぁ、手がかりを与えてくれたのは小石川さんだった。命懸けで守った彼女の命が、そのまま敵に迫る手がかりとして残ったというのはシャイとしても誇らしい展開であり、ただでさえオドオドビクビクな少女の存在が、作中では着実に重要になっていく。本人の成長がなかなか追いつかないのは悩みの種だが、それこそヒーローガールが出来上がるまでの分かりやすい成長譚と言えるんじゃなかろうか。もちろん、そうして手がかりを掴んできた小石川さんとの友情が揺るぎないものになったのがシャイの心根に依拠するものだということも含めてね。ヒーローもので超次元バトルがガンガン飛び交うのもそれはそれで楽しいが、こうして「なんの力も持たない一般人にも自分たちの戦いがあり、それが世界を救う鍵になるのだ」という流れが勇気の讃歌である。

 今回明かされたスティグマの設定は色々と邪推できる部分も多いのが個人的には勝手に楽しくなってしまったところ。この世界のヒーローの仕組みがふわふわしていて謎が多いので何も断定はできないのだが、それだけにスティグマとヒーローの関係は下衆の勘繰りが色々広がる。こちとら最初の方では「そもそもユニロードが善人かどうかも分からんからな?」という目で見始めていたのだが、流石にまぁ、あのキャラ設定(そしてCV)でどんでん返しする悪役ってこともないだろう。基本的にユニロード側は「正義」だと思ってしまっていいはずだ。ただ、今回明かされたスティグマの性質が、「正義の裏は悪ではなく、別な正義」みたいな立ち位置をとっており、もしかしたら最終的にスカッと爽やかな勧善懲悪にはならないかもしれないという予断を残すものになっている。

 個人的に気になったのは、スティグマの指輪が「心を伝え、装備者の奥底に眠っている感情を表出させるアイテム」であるという部分。考えすぎなのかもしれないが、テルがヒーローになる際にも、そうして「心の表出」から変身しているのである。片や「心の奥底から暗い感情を呼び覚ます指輪」、そしてもう片方は「心の中にある一番煌めく部分を力として顕現させる腕輪」。そう、指輪と転心輪って、裏返しの関係にあるんですよ。まぁ、転心輪は「ユニロードと心を繋ぐアイテム」とは言われてないので鏡写しってわけじゃないし、単なるこじつけの可能性もあるが……そうして「人の心からエネルギーを取り出そう」という働きかけは双方とも同じわけで、もしかしたらこの2つの根っこがつながっている可能性もあるのだ。

 ……まぁ、原作がある作品なんだから、その辺についてはすでに答えが出ている部分なのかもしれないが……。このままワクワクしつつアニメを追いかけますので、ネタバレ禁止でお願いしますね。最終的にえびおさんがキュウべえポジになったらどうしよう!(あの白い悪魔にトラウマ植え付けられすぎじゃないですかね)

 

 

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