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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 素直におもしれー、第12話。ミステリアニメ(?)観てて解決編でふつーにドキドキしたの、久しぶりかもしんない。多分この昂りは「六花の勇者」最終回以来だわ。

 毎回感想を書いていたので、それを遡ることでいかに私が作者の手のひらの上でコロコロされてたかがよく分かります。とても素直な視聴者を務めておりました。いや、わかってたけどねー、そういう展開だよねー、そうだよねー。……ごめんなさい、少なくともサプライズは喰らってます。一応ね、私もミステリ読みの端くれとして読書中は色々と推理というか、邪推しながら読み進めることはあるんですが、ことアニメに関してはそういう回路は意図的にシャットダウンしてるきらいがありますね。1つ例を挙げてみると、一巳かと思われていた謎の侵入者については正直「なんか描写が曖昧なまま進んでるな……」とは思ってたんですよ、ほんとですよ。でもそこはさ、一応「一巳が殺された風の描写」になってたわけで、逆にそこで「あれ、誰が殺されたの?」とか言い始めたらかえって読解力がない奴だと思われるじゃん! だからこう、「まぁそうだよねー、一巳だったって話だよねー」っていう前提で受け止めているわけで。冷静にさ、「でもあれが一巳だったとして、秋殿に行くのは意味わからなくね?」みたいな疑問は一旦飲み込んでるわけさ。そうだよ、私はあえて単純で愚鈍な視聴者を演じているのさ!

 ……以上、ミステリで真相が見抜けなかった奴の言い訳コーナーです。いやぁ、一応「こうだったら面白いかも」の第7候補くらいには今回の展開も想定してたかもしれないけどもちろん本線では考えてなかったから、「なんか面白い方向に話が転がってる!」って素直に楽しめちゃいましたね。またここまでの進行に比べてさ、今回からきっちり「ミステリの解決編」のフォーマットに則ってるのが妙におかしくて。后選びのふりをしながら真相を推理していく名探偵若宮の一人舞台、このセッティングは格好良くて憧れちまうなぁ。ご丁寧に最後のあせびのターンになるとあせびがろくに実情を把握してなくてぼんやりしてるもんだから、テンプレである犯人側の弁明というか、限定をサポートしてあげるガヤの役をお付きのものが務めてくれるっていう親切設計でね。やっぱ名探偵に「さて」と言われたらみんな様式美を意識しちゃうんだろね。

 というわけでどこからどう切り取っても「解決編」な今回。残された3人の姫君を1人ずつ斬っていくというフォーマットになっており、最初の犠牲者(?)は白珠さん。ここまで1年よく耐えたとは思うが、表情を見る限りではすでに限界だったご様子。そこに若宮からのKYコメントがドバドバ浴びせられ、最後の一押しに「子供の作り方知ってる?」というセクハラまがいのブラフまでかまされて即落ち。まぁ、白珠さんはこれ以上の抵抗も無意味だしな……なんだかんだで彼女からしたら最高のハッピーエンドを迎えてるあたり、若宮が冷血漢のくせしてきちんと人の上に立てる器であることを示してるのはそつがない。

 続いての対戦相手はススキさん。彼女の場合は最終的に裏は一切なく、ただ若宮とは「この腐った宮中で貴様のような腐った主君が幅を聞かせるのは我慢ならぬ」と直談判。「まず浜木綿についてなんとかせぇ」という主張が出てくるあたりにススキさんの人格が表れている。それに対する若宮の対応も徹底した鬼畜ロールを維持しており、多分ハナからススキさんは一番話が分かるキレものだということを分かった上で煽り散らかしているのだろう。問答の果てに、ススキさんはめでたく私のフェチポイントである「作中でヘアスタイルが変わるヒロイン」の権利を獲得。ミディアムショートでもとてもいい女だった。

 さぁ、残す枠はただ1つ、アニメ1話だけ観たら間違いなくメインヒロインだと思われていたあせびさん。でもさ、流石に私もその辺は承知してるから、この展開だと「最後の1人」ってのはやべぇポジションだってのは分かりますよ。ドキドキしながら見守っていたが、終始表情を変えずにぽやぽやしてるあせびを見て「こいつ……」ってなってましたね。そうかぁ、そっちパターンかぁ……すっかりアニメの構造自体にもしてやられてしまいました。

 別にあせびさんは何も嘘をついていたわけではないのだろう。彼女には彼女なりの世界があり、その理想の世界の中で、自分がやりたいこと、できることを精一杯やっていただけ。彼女自身の尺度で言えばきっと頑張り屋さんの部類。しかしなんということか、「無知は罪」でございまして……歪んだ宮中の澱の煮凝りみたいな性質だったってことですかね。こんなあせびについて、(ススキさんは信じきってたみたいだが)浜木綿さんはどう見てたんでしょうね。この展開なら、流石に来週出てきてくれるでしょう。彼女の口から、あせびの評価を聞けることを楽しみに待ちたいと思います。

 
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 「やっぱバンド名をもうちょっと考えてつけとけば……」みたいな思考が止まらぬ、第12話。メンバーは元々名前に思い入れがなかったはずなのに、これに思い入れなきゃいけないのが変なとこで足引っ張ってる感。

 兎にも角にもメジャーデビュー達成。結成から事務所所属・デビューまで1年かかっていないというスピード出世の電撃デビュー。そこだけ考えたらとんでもないサクセスストーリーなのだが、すでに一度メジャーに行った状態からドロップアウト経由の桃香、そしてよそでちょいちょいデビューの話もあったという智ルパコンビから見ればそこまで非現実的な話ではないのかもしれない。

 とはいえ、やっぱり作品全体を見ればサクサクテンポ。かのRoseliaですらメジャーデビューまで多分リアル時間では4〜5年かかっているのとはエラい違いである。まぁ、あっちも作中の時間だと2年弱くらいではあるんだけど。なるべく長く長く続けていきたいソシャゲ媒体と、1クールでスパッと結論を出すシリーズアニメではその辺の尺の感覚も随分違いますね。……とここまで書いた時点で気になったのだが、このアニメが終わった後ってリアルの方のトゲトゲはどういう活動をしていくんでしょうね。いや、別に単なるリアルバンドとして活動してもいいとは思うんだけど、その場合ってアニメキャラの方のトゲトゲとはどんどん乖離していくことになるよね。今後もアニメキャラとの重ね合わせは一定ラインで保つのか、それともあくまでこのアニメはリアルバンドのデビューのスタートブーストという意味合いがあるだけなのか……まぁ、普通はそうするしかないかぁ。バンドリプロジェクトというある種異様なメディアばっかり追いかけてるもんで、その辺の感覚が良く分からなくなってる。バンドリと違って、こちらの作品は継続的に続編を作るってこともできないだろうしねぇ(出来なくはないかもしれないが、合間の期間を埋めるゲームが存在しないと流石にプロジェクト自体が保たない気がする)。

 というわけで、彼女たちのバンド人生はこの短いアニメの中で走り切る必要が出てくる。おかげで以前から期待していたルパの単体お当番回はどうやらなさそうな気配。まー、ありがたいことに短いシーンの中にもメンバー個人個人の見せ場はあるのでそこまで描写不足って感はないんですけどね。

 結局、この1クールで描かれるべきは主人公・仁菜の物語であり、そこに付随する桃香の物語だ。今回も当然この2人を中心にお話は回っており、桃香があらためてダイダスと同じステージに立った状態に、過去の因縁を断ち切れるかというチャレンジ。そして一見すると逆境とも取れるこの苦しい芸能界の荒波の中、仁菜という向こう見ずが空気を読まずに突っ走る様子はおっかなくもあるが、雄々しくも見える。最後までちゃんと「ロック」を貫こうとしているあたり、ほんとにこの子ってば主人公気質になったもんである。途中の電車内のシーンで桃香が仁菜に寄りかかってるカットはやりすぎな気もしたけど、まぁ、トータルで見ればもはやバンドの関係性はそうなりつつあるのかもしれない。そこから進む道がたとえ茨の道だったとしても。

 脇でわちゃわちゃしているすばるさんが元気なのは相変わらずなので大変結構だが、個人的にはやはり智ルパの細かい表情などにも注目したい。好きポイント1、神社での仁菜の恥ずかしいセリフに露骨に赤面してるのに突っ込めない智。ほんとは「恥ずかしいセリフ禁止!」くらい言ってやりたそうに見えるが、彼女のキャラだとそこまでいけないので黙ってそっぽを向くしかないのである。可愛い。

 好きポイント2、今週もやりたい放題・ルパ。やっぱこいつ強キャラ感が1ミリも下がらないのすごいな……今回はダイダスとの対バンを巡ってメンバー内で多数決を行ったわけだが、そこでしれっと仁菜に票を合わせているのがルパ。こいつの場合、絶対に「仁菜に気を遣って彼女に賛同してあげよう」とかじゃないんだよ。純粋に自分のエゴと向き合い、「私はやっていいと思ってますよ」ってんで手を上げているはず。そしてこいつも智たちと同じで業界の厳しさはある程度認識しているわけで、「ダイダスの狙いは分かるし、不利な状況かもしれませんが、それくらいひっくり返せない私たちじゃないです」とか思ってる。さらにさらに、最終的に仁菜が暴走して結局方針がひっくり返るところまで読んでいた可能性がある。なにせ最終的なジャッジの段階で桃香の傍らに寄り添い「決めるのはお前だ」と信頼して任せているように見せかけ、その実あそこで桃香が引っ込むとも思っていない。仁菜が飛び出したこと、神社ですでに仁菜と桃香の関係性が変わっていたことを充分に理解し、最終的に「自分が票を投じた方」に決定が流れるようにコントロールしている。やはり今作のラスボスはルパだと思ってる。いいキャラしてやがる。

 追伸:マネージャーの三浦さんの一人称で「三浦は」って出てくるのちょっと好き。

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 エンドカードの路近が格好ええな、第11話。敦房からは「路近ごとき」とか言われてたけど、あいつはいあいつでかなりやりよるのでは?

 ラストが急展開すぎてそこまでのじっとりしたお話が全部吹き飛びそうだったが、経過時間だけでいえば放送開始後一番の尺を使ったのが今回のお話。山内の時間の流れを四季の移り変わりの色彩で見せる美術設定が見事で、同じくNHKで放送してるユーフォのオープニングやエンディングの彩りを思い起こさせる。今作の制作はぴえろなんだけど、少なくともここまでの作画クオリティは文句なしで高いよね。

 そんな綺麗な世界だが、中身はもうぐっちゃぐちゃだぞ、というのが若宮の説教。雪哉も自分の生まれがくそ面倒だったもんでその辺りの世知辛さはその身を持って知っていたはずなのだが、ちょっと心の傷をいじられて「どうせ私の身分が目的だったんでしょ!」と拗ねてしまうあたりはまだまだ子供なのかもしれない。いや、多分当人にとってはものすごく大きな問題なのだろうが……他の連中がそれに輪をかけてとんでもねぇタスクにぶち当たっているため、相対的に雪哉の懊悩については「お子様ねぇ」で終わってしまいそうになる。これは正直雪哉には申し訳ない。

 でもまぁ、本人の中では充分大きな問題であることは、若宮たちも承知はしていたようだ。だからこそこれまでおくびにも出さずにしれっと雪哉を使っていたわけだが、ポロッと漏らしたのが長束さんで、「弟にダメだって言われてたのにうっかりしてた、てへぺろ」とのこと。こいつ、敵じゃないことがわかって急に憎めない奴になったな。ま、結果的にはあのまま雪哉を謀った状態で雇い続けていてもどこかでボロが出ていた可能性が高いだろうし、今回の騒乱のどさくさに紛れてお互い腹を割って話し、膿を出し切っちゃったのは正解なのかもしれない。

 そして、そんな迷える雪哉に「お前はまだまだだ、宮中の凄まじさをみせてやる」という試金石の役割を(無理やり)果たしたのが、捕縛されてすっかりヘロヘロになった敦房さんだったというのもなかなかにエグい。彼の中では「長束への忠誠心」という綺麗で素敵な大義名分へと置き換えられていた必死のレゾンデートル。聞けばその発端は割と単純な保身であり、人を殺してでも情勢をコントロールして家柄を高めないとやってられないという現在の宮内のダメっぷりが敦房の実情に凝縮されている。「元は真面目な青年だった」とのことだが、真面目に生きようとした人間がぶっ壊れちゃうようなシステムはダメだよな。とんだブラック企業である。そう考えると路近さんとか澄尾とか、図太い連中ががっつりポジションを確保して生き残ってるのは納得できる構図だな。若宮としては、多分雪哉にもそうした強かさを身につけてほしくて、今回のような大騒動に巻き込んだ側面もあったのかもしれない。

 そうして雪哉に現実を叩きつけ、「あとはお前が決めろ」と丸投げして約束していた雇用期間はあっという間に終了。すごい勢いで半年から1年が経過してしまったわけだが、これまでのすったもんだを考えると、多分端折られた1年にもいろいろあったんだろうなぁ。まぁ、最後の女房衆のリアクションとかから考えるに、多分若宮は1回も登殿しなかったんだろうけども。この1年であせびさんとススキさんはすっかり仲良くなっただろうが、白珠さんがどんだけいたたまれない状態で宮中に残り続けていたかは謎。ただでさえぶっ壊されてたメンタル、こんなとこにいて大丈夫だったんでしょうかね。

 そしてこのタイミングでトドメを刺しにくる若宮。自在に烏形態に変形する若宮の登場はいちいちやり過ぎ感があって周りの人間は気が気じゃなさそう。後から追いかけてきたのは雪哉1人で、彼が無事に試用期間(?)を終え、ちゃんと正式な従者として登録されたことが暗に示されているので一安心である。そして行われる嫁選び、さて、何が起こるやら……。

 
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 キメたぜ、キマったぜ、第11話。クライマックスライブ、トゲトゲのこれまでの歩みが、そしてガールズバンドクライというアニメの集大成が、ここに叩きつけられた。

 今作では珍しく、ほぼ翳りがなくただひたすらに希望に満ちたお話。途中ですばるが沈みかけたように見えたので「ここですばるに損な役引かせるなよ!?」とドキドキしたが、なんとまぁ、婆ちゃんとの関係性は秒で解消。まぁ、元々あの婆ちゃんも割とトリッキーな存在として描かれており、孫娘が別な夢を見つけたと言ったらすぐにごくんと飲み込んでくれそうな度量の大きさも感じさせていた。どうせなら4話目時点で決着つけとけよ、とは思わんでもないが、おそらくここまでトゲトゲのスタンスがしっかりと固まり、それを見てすばるも本気の決心ができたからこそ婆さんに連絡できたってのもあるだろう。これにて5人のメンバーそれぞれの抱えていた「翳り」はほぼ全て解消されたことになる。

 前回時点で懸念していたこととして、仁菜の両親との関係が改善されたことで仁菜の心の「トゲ」がなくなった時に彼女のモチベーションがどうなってしまうのかという問題があった。一応その部分には「まぁ、元ダイダスのボーカルへの敵愾心があるからまだ大丈夫だろ」と思っていたのだが、なんと今回のステージでそちらも不思議といい関係に昇華されてしまうという予想外の展開。なんなんだろね、高校ではまだお互いに見えてなかった部分が、文字通り「同じステージ」に立つことで透明化した部分はあるのかも。相手の子(ヒナ)も仁菜のことを認め、そんなヒナを見て仁菜も鼓舞される。掲げた小指に互いの闘志を乗せ、2つのバンドはいい感じの関係に落ち着いてしまった。

 「これじゃ仁菜さんの持ち味である空気の読めないギスギス感がなくなって、トゲトゲがほんとにトゲナシになっちゃう!」と思ったが、その辺りはラストステージを見れば一切問題がないことが分かる。現時点での問題が解消したとて、メンバー5人がそれぞれに抱えてきたものは決してなくなるわけではない。そして、糧があればこそ何もかもを踏み台にして人は成長する。この跳ねっ返り具合の強さが仁菜の武器であるとすれば、まだまだ溜まってるものは多いに違いない。飛び出した世界は、まだまだ広くて果てもないのだし。

 そんな決定的なシーンを描く今回のライブ。アニメシリーズとしても非常に重要なターニングポイントになるだけに、あらゆる技術を総動員した必死の作劇になっている。そのおかげで、今作の映像の良さもはっきりと表れて強烈なインパクトを与えてくれる。わかりやすいところでは変顔写真のところとか、CG一辺倒でなく作画部分も効果的に挟むことで印象的な画面を作れるのは本作では最大の武器。そこに違和感を覚える人もいるかもしれないが、印象に残るというのはとても大事な効果だ。

 そしてぐりんぐりんとCGの旨みをフルで発揮するライブシーン。今回は「前座」としてダイダスが登場し、もうそっちのライブだけでも充分じゃないかと思えるくらいに出し切ってくれたので度肝を抜かれた。「ダイダスって、演奏を犠牲にしてキャラに振ったのが桃香の不興を買ったんだろ? こんなにちゃんとバンドとして成立してる感出しちゃったら解釈違いなのでは?」と訝しんだが、その後できちんと桃香たちの口から「うまくなってる」「仕上げてきてる」と持ち上げておいて、ダイダスはダイダスでしっかりと戦い続けているということが分かり一安心。本当に忌憚なく、ダイダスはトゲトゲの「ライバル」として立ちはだかっているのである。

 そうして準備されたクライマックス。あとはもう説明不要ですけどね。個人的には本番前の音リハでリズム隊の2人がマイクチェックしてるとこがほんと好き。やっぱソロで音聴かせてくれるパートはいいよねぇ。すばるさんも「アニメだと私メインの演奏シーンってほとんどねぇからな!」とばかりに弾けてくれたし、ルパさんはルパさんすぎたし。そして「こいつはやる気だぜ!」と高まった期待感を一切裏切らない本番の映像。ぐりんぐりんカメラを回しすぎだとは思うが、やはりロックバンドの暴れっぷりってのはこれくらい大袈裟にやっちゃっていい部分なのよ。さらに、ラストに向けてのパートはなんと「歌詞でもねぇ独白をぶっ込んでメンバー全員を語る」という、ライブパートにあるまじき手法で「演奏のクライマックス」と「バンドとしてのクライマックス」を強引に接続。この演出はあまりにダイナミックだ。あとルパさんの過去をそこではっきり見せるのは卑怯だ。怒り悲しみ喜び苦しみ、全部が全部煮詰まってのワンステージ。文字通りの「晴れ舞台」お見事でした。

 追伸:ルパ智の湿度がだいぶ上がってきたし、ちょっと僕は冷静でいられなくなってきました……。

 

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 次回予告に例のプール!? 第10話。まー、変なところで下世話なこの作品のことなので別におかしなことはないが……ちなみに「例のプール……だよな? こんなんだっけ?」と思って念のために調べようとしたら、Twitter上には「アニメに登場する例のプール蒐集家」がいて笑ってしまった。もう世の中にはなんでもある。

 よるむん編の幕引き。今回の怪異について、確か前回は「付喪神だ」というふわっとした説明だったと思うが、今回はさらにそこに「絵馬に書かれた絵抜けの馬」、さらに「画霊」と繋ぐことで伝統的な怪異の1類型にまとめることができた。「製作者の思いが強すぎたために絵が念を持った」という構造はとても分かりやすいし、何よりこうしたVTuberやアニメキャラの話をする時には定番のやり取りとなった「絵だぞ」というツッコミフレーズにも上手く合致している。そして、古来より伝わる「人と創作物」の関係を、新たな世代のコミュニケーションツールで改めて考え直す興味深い機会にもなっている。今回の話の筋は妖怪ファンとしても割と満足なものでした。ちなみに余談だが、「現代的な妖怪の再解釈を行うという意味で先駆けていた「地獄先生ぬ〜べ〜」でも当然画霊は扱われてたよな?」と思って確認したら「人喰いモナリザ」が出てきて「あー」ってなった。まだあの時代だと美術品としての「絵」の霊にとどまってますね。

 都合よく畦目先生が「中の人」と知り合ったもんで解決に漕ぎ着けることができた今回の騒動。「神上げ」を行うという化野の民俗学的解決法は多分正しかったのだろうが、そこに至るまでのすったもんだは多分フィールドワークでは絶対出てこないイレギュラーなもの。そもそも「よるむんはひたすらいろんな人を応援しすぎて困る」というのが怪異の中心的な問題だったはずなのに、病室に現れたよるむんがいきなり海を顕現させて周りの連中まで巻き込んで溺死させかけたのはどう考えてもおかしいのである。その辺はまぁ、勢い余って何かが暴走した結果とでも捉えるしかないか。ちなみに海に襲われたのは化野兄妹と団地妻とのどかちゃんの4人で、中の人の美甘ちゃんが除外されてるのはまだ分かるけど、ちゃっかり畦目先生も被害を免れているのは、もしかしたらVの者についての知識が薄かったからなのか。その忌まわしい血を避けてしまったせいか。

 そして偶然避難できた畦目先生が久しぶりに塵輪鬼の能力を発動。しかもあんだけ水属性のよるむんを苦しめたってことは最初から「燃やす」能力フル展開の限界モード。先生、あの一件で反省して牛鬼は封印したとかじゃないのね。まぁ、元々そういうトーテム(族霊)の家系だって言ってたから、元々うちに宿ってるものなのかもしれんけど。相変わらず畦目先生の四つん這いぺろぺろポーズはエロいですね。菫子さんといい先生といい、この世界で怪異トラブルに巻き込まれた奴らは解決後に異能をうまく使いすぎだ。

 とにかく先生の協力なんかもあって想定していた目的は達成。そこによるむんからのご褒美として病の治癒までセットだったのはできすぎた終わり方だが、まぁ、「神」の座に近づいた存在だったというならそれくらいのご褒美はあってもいいか。ちなみにこうして「VTuberとファン」の関係性を「御神体と信者」にナチュラルに置き換えている図というのもなんだか現代日本の縮図っぽい感覚もあり興味深い。なぜこんなにもVが市民権を得たのかということを考えるに、今回化野が語ったように、元来日本の精神性って、「モノに魂が宿る」というか、なんらかの偶像への「気軽な神性付与」がやりやすいのかもしれない。そう考えると、案外この数百年で人間なんてさっぱり変わってないのかもしれませんね。

 で、結局先週の猫ダンスなんだったんや……何も回収されてねぇ……。

 
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 「あの〜、そろそろ種明かしをしていただけませんか?」 第10話。いいぞ雪哉、視聴者もみんなそう思ってるんだ。

 というわけでお話は解決編へと急転直下。まさか今回からいきなり謎が明かされるとは思ってなかったのでこちらとしてはドびっくり。いや、全部分かってたよ、うんうん、そんなこったろうとは思ってたけどね〜〜。……嘘、流石にそこまでの絵図は描けねぇわ。流石の若宮、お見事なタマですわ。

 「そんなん分かるか」というのが素直な感想ではあるが、一応何となく「分かってたわ〜」とドヤるためにいくつかの要素を回収しておくと、やはりどこまで行っても「さて敦房は信用できるのかな?」みたいな部分は2ミリくらいの疑問は残していた感がある。敦房登場とほぼ時を同じくして「南家の人間は顔に出さないから腹で何考えてるか分からない」みたいなことを言ってたし、彼の長束への盲信が何としてでも彼を支えようという発想から謀略へと結びついたという展開は納得できなくもない。

 あとは路近の存在かな。いや、ぶっちゃけ彼があんな奴だってのは1ミリも想定してなかったから素直にびっくりだったんだけど、思い返してみたらかつて路近と雪哉が出会って対話してた時に色々と疑問はあったんだよね。「なんで路近は秘密会議が見られてることに気づいてたのに、雪哉を野放しにできるんだ? 悠長すぎね?」とか、あと「そもそもあの状態から雪哉が覗き見てたの気づけたのすげぇな」とか。単なるツッコミレベルの話かと思ってたんだけど、裏で若宮が彼らとやりとりしていたと考えるなら全部綺麗に説明がついちゃうんだよ。個人的に一番納得したのはこの辺の伏線かな。

 そしてそんな伏線を回収できない立場である雪哉が限界状態から何とか答えにたどり着けたのは、かつて若宮と交わした些細な会話の違和感からだったというが、残念ながらこちらは視聴者目線では理解し得ない伏線。そもそも俺らは北家の文化とか知らんしね。だから残念ながらそこに気持ちよさはなく、もうちょい分かりやすく雪哉を導きつつ視聴者も納得できる伏線があればよかったなぁ、とは思うのだが、それがないからこその謀略だったと言えなくもないのでね。あと、この後の話に繋ぐために雪哉と北家の関係性ってのを掘り下げる必要もあっただろうから、その辺の前振りとしての機能もあるのかもしれん。

 ネタバラシした後の長束さんのすっきりした顔がやたら印象的で、これまでのあのおっかない雰囲気は全部周りを騙すために迸らせてた全力演技だったことがよく分かる。このお兄ちゃんも凄まじいタマだな。そんで今作の粗暴代表みたいに思われてた路近さんも案外思慮深い立場だってことも分かり、「若宮、結局一番いい位置に一番の理解者がいるのズルくない?」と思っちゃうわね。まぁ、この2人が手を組まなきゃいけないくらいには宮中が危うい状態にあるってことなんだろうなぁ。今回のすったもんだで南家の立場が1つ落ちるとは思うのだが、浜木綿さんがこの後どう動くのかも気になるところですね。

 それにしても、敦房の死に際(嘘)の死に際っぷりがあまりに最高のフラグっぽくやってくれたので「こんな古典的なシーンがあっていいものか」って戦々恐々としてたんで、全部嘘でほんとよかった。よかった、真に仇なす者なんていなかったんだね(お前やんけ)。

 

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 一山超えて、第10話。このタイトルは流石に「?」だったもんだから調べたら、ワンダーフォーゲルとは単なる山登りというだけの語ではないらしく、「Wandervogelは渡り鳥を指す古い言葉で、活動に冠された由来には諸説ある。一説によると1901年、初期メンバーの一人ヴォルフガング・マイエンの提案で、グループがよく歌った歌詞から採用したという。鳥、つまりさえずるという意であると同時に、社会の固定された規範から自由でありたいという願いが込められている」(出典:Wikipedia)だそうです。「歌う者」、そして「社会からの脱却」、なるほど、ワンダーフォーゲル。

 父と娘。おっちゃんくらいの歳になると弱いテーマである。この手の話になると「ほら、一応仁菜くらいの歳の娘がいてもおかしくない歳だから」と冗談めかして言っていたのだが、歳を重ねて近々「仁菜くらいの歳の娘がいないとおかしい歳じゃない?」とか言われそうで戦々恐々。そんな状態なもんで、やっぱり親父さんの方にすっかり感情移入しちゃうせいでこういう話は心臓がキュッとする。うちの娘は真っ当に大学に行ってほしいなぁ(まず、娘がほしいなぁ)。

 バンド活動に限らず、進路で自由に動きたい娘と頑固な父が衝突する構図はアニメ作品でもちょいちょい見られる。印象深いところで言えば黄前家の父と娘2人。あれは姉の方が一足先に反抗期を片付けてくれたおかげで妹の方は明確に対立構図まではいかなかったが、それでも互いに気遣いあって腫れ物に触るような家族の距離感がヒリヒリした。近しい「バンドが、その他の進路か」という父娘物語で言えば、今回の仁菜に一番近いのは美竹さんちの蘭ちゃんだろうか。あっちはより厳格な華道の家元という家庭の事情もあり、なんと美竹さんはリアルタイムでまだ進路云々に結論が出ていない状態で6年目である。さらに同じガールズバンド作品からは逆に娘さんの方が気を遣いすぎるパターンの山吹ベーカリーの例もある。娘が気遣いのできる子でもできない子でも、結局親と子の関係ってのは難しいもんです。

 井芹仁菜は、上に挙げた例と比較しても割と面倒臭い方というか、娘さんがほんとに思いつきで動く性格なもんだから問題が拗れちゃったパターン。高校でのトラブルでの中退までは仁菜のせいじゃないが、そこから「東京に行く」「予備校やめる」などなどについては親父さんが言っていた通りに完全に仁菜のわがままである。話しても分かってくれないという空気を作り出していた親父さん側にも責任はあるが、親目線では正直「もうちょい分かってほしい」と思うところだ。しかし、そんなすれ違いも加速して全てが表面化しちゃうと、あとはもうぶつけ合ってどちらかが折れるしかない。そして、こういう時に折れるべきは、親御さんの方なのである。だって、根源的に「親は子が大事」なのだから。

 多分、今回の話し合いで仁菜が諦めて折れていれば、親父さんはふつーに予備校にもっかい入れて、大学に入れていただろう。東京まで出てきた時点でどれくらいそんな未来を期待していたか分からないが、ハナから「もうあいつのいう通りにしてやろう」とは思ってなかったはずだ。しかし衝突の末にも、仁菜は折れなかった。そんな仁菜の決意に、親父さんは自分から引き下がることを決めたのだ。それが、娘のためだと思ったから。まー、お姉ちゃんの話を聞く限り、歳をとってちょっと弱気になった部分もあるのかもしれないけどね。

 あとはもう、こんなもんは家族内の問題だし、理屈じゃねぇから水よりも濃い血のつながりで殴り合うしかない。そして跳ねっ返りの仁菜がこうした交渉のテーブルに立てたのは全てバンドメンバーのおかげなのだ。トゲナシトゲアリというバンドが既存の(アニメの)ガールズバンドと一番違うのは、メンバー5人のうち2人が明確に「大人」であること。説得に回った桃香は仁菜の家庭事情も性格も全部知ってるから最適な後押しができたし、最後には仁菜のことを一番心配していたことをネタバラシされた。そして更なる超然的大人ポジションであるルパの殺し文句はあまりにクリティカルすぎて卑怯なくらい。親の死に目に会えないのは、そりゃまぁ不幸には違いないわけで。正論ではあるが、ルパからそれを言われちゃうと半ば脅迫である。

 そうして大人2人に適切に背中を押され(ついでに旅費もカンパされ)退路を断たれた仁菜を智とすばるが同い年目線で背中を蹴り出す。すばるさんがすっかりバンドのムードメーカーになってるのはいいやら悪いやら。「大人は意味わかんないでしょ、すばるのおばあちゃんみたいに」って言われた時に特に否定しなかったのちょっと気になるんですが、マジですばるさんは今後家族とどう折り合いをつけていくのか不安でしょうがない。

 まぁ、今はとにかく仁菜の最大の問題が解消されたことを喜ぼうじゃないか。問題はこれで跳ね返る対象が1つ減って、文字通りに仁菜の「トゲ」がなくなっちゃうこと。ありがたいことに(?)まだ高校時代のあの知り合いへの反骨心という強いモチベは残っているけども……丸くなっちゃうと歌詞にパワーがなくならないか不安ですが、多分この子は生粋のアナーキストだから大丈夫だろうよ。

 
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 何やこのアニメ(n回ぶりm度目:n,mは任意の自然数)、第9話。ほんとに狙ってる方向がよく分からなくなるのだが……この方向性であってるんだろうか……。

 今作は作画云々については可もなく不可もないレベルで若干不可寄りの時があるかな、くらいなんだけど、今回は一部パートだけやたらとこだわりを見せたシーンがある。そう、冒頭ののどかちゃんのカラオケシーン、そしてラスト、謎の猫神様のダンスシーンの2ヶ所。まぁ昨今のアニメといえばライブシーンに力を入れてバズらせるのが常套手段なので「そこでなんかやろう」と思ったことは理解できるのだが、正直、頑張って動かしたのがあんまり魅力に繋がってないような……モーションもどこかぎこちない感じがあり、アイドルアニメのライブシーンとかとは一線を画したものになっている。まぁ、それを個性と取れるなら悪いこっちゃないし、こだわりを見せてくれるなら形はどうあれ評価したいところなのだが……今作の場合、周りのパートからクッソ浮いてしまっているというのが大きな問題で……「何だったんだ今の? シュールに寄せたギャグシーンか?」とか思っちゃう。冒頭ののどかちゃんはまだ「アイドルに憧れてる女の子が本気で練習して歌とダンスを披露しているシーン」なので今回のお話の中でも意味はちゃんとあるのだが、猫ダンスはマジで意味がわからんものを見せられてるだけだからな。来週以降、あの神様が何か役割を持って今回のダンスにも実は意味があったんですよ、っていう展開でないと絶対納得できんぞ。

 「見たいのはそこじゃないんだけどナー」みたいな謎の感覚が伴うアニメだが、見たいものもちょっと見せてくれるから悩んじゃうところで、今回も推しポイントになっていたのは畦目先生の活躍(??)シーンだろう。あのポンコツ先生に堀江由衣ボイスを当ててくれたスタッフは評価したいし、この先生を序盤の怪異の犠牲者にして、その後レギュラーキャラとしてちょいちょい挟んでくれる原作者にも感謝している。堀江由衣に「VTuberって知ってますか?」って質問投げたらどんな答えが返ってくるか気になる。

 ということで今回の怪異のテーマはVTuber。「呪いのVTuber」なんていかにも「現代怪談」っぽい題材なのでなかなか興味深くはあるのだが、いかんせん私自身がVの者にハマったことがなく、その存在意義にも懐疑的なもので怪異になろうがなるまいが「なんか怪しげなもの」としてみてしまっているため、作中ののどかちゃんに視点を合わせるのが難しい。益体もないことをくっちゃべってるだけの放送を楽しむというのはまだ分かるんだけど(まぁ、ラジオみたいなもんだし)、そこに多額のスパチャを投げて推したり、引退と聞いてこの世の終わりみたいに落ち込む感覚はまだ流石に追いつけない。私にも推しのVが現れたらそういう状態にもなるんでしょうけどね。

 ま、勝手に他の推しコンテンツに置き換えて当座の理解に変えておくと、いっぺん失ったと思った推しが「データの付喪神」という珍妙な形で蘇り、ファンだった人間に呪いをかけているという状態。題材こそ新しいが、やってることは旧来より受け継がれる「呪いの○○」の系譜から特に変わらないので、化野がそこに「付喪神」というまとまった属性を付与してくれたのは分かりやすい。人間、どんな時代でも娯楽との付き合い方、そして怪異との付き合い方ってのは変わらないものですね。個人的にはガンギマっちゃったのどかちゃんが最終的にガーピー言ってたのが(中の人的に)面白かったです。やっぱこの発声は会沢紗弥オリジナルとして積極的に運用していきたい。

 
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 間に挟まる百合姫のCMで久しぶりに新録のみゃー姉の声が聞けて嬉しかったです、第8話。……などという脇の話題から入らないといけない感じの、どうにも直視しづらい状態になっておりますが……。

 お話の中身は別にいいんだよ。まぁ、今週はちょっと突っ込みたいところもあったけど、これまで通りの展開じゃん。問題は何かって言えば、もちろん視聴者の方はご存知の通りで放送クオリティなわけですよ。That’s Japanese “BANSAKU”。まー諦めて総集編挟むのは致し方ないというか、これ以上傷を広げない正しい判断ではあるんだろうが……どうせだったらもっと早くにその判断を下してほしかった……先週のあれが崩壊の序曲……というか崩壊のメインサビだったんじゃん。判断が遅い!

 というわけで、話を追いかけようにもどーしても画面が気になってなかなか入ってこない。カットによってはパリッとしたキャラデザがきちんと再現できてる部分も存在はしているのだが、カットの切り替わりで何が起こったか分からんくらいぐにゃりとデザインが曲がってしまうことが多くてしんどい。動画についても外注でも「もうちょいまともなとこないのか?」と思ってしまうぐらいにやっつけ仕事で、令和の世になってもアニメ制作現場の末期状態ってゼロ年代と大差ないんだなぁ、なんてことをしみじみ感じる。コンテにも全く力がなく、とにかく話の筋を通すためになんとなくのカット割を繋いでるだけ、みたいな状態になっており、さすがにキツくないかと思ってスタッフ確認したら今回コンテに名前クレジットされてねぇじゃん。責任取りたくない人(もしくは人たち)に回されてんじゃねぇか! ……限界なんでしょう。横ラボ、今後の仕事をお願いしたくない。

 ……まぁなんとか心の目でストーリーだけ追う形で拾っていくと、まず亜季さんの暴走がいい具合に思い切っちゃったもんで何故か対バン展開になったというのは「ここまで来たらできる限りにぐちゃぐちゃにしちゃえ!」みたいな進行でちょっと面白い。大ガールズバンド時代でもなければ普通に生活してる女子高生が何かを賭けてバンド対決やるチャンスなんてないわけで、強引にでも何かを犠牲にした演奏に繋げられたのはむしろ功績と言える。まぁ、そんな話聞いたところでヨリをはじめとしたバンドメンバーが協力して必死に練習するかどうかは分からんけど……勝算が全くない状態でよく勝負ふっかけたもんだな。

 そして、そんな対決バンドに板挟み……というか面白サンドイッチされてしまったのが我らがひまりさん。ヨリを通じて無事にことの全貌を知ることになり、志帆との対話も多少ギクシャクしそうなもんだが、ひまりさんの持ち前の人たらしスキルもあり、今のところは志帆とのマンツーマンの対話でもあんまり気まずさは表に出ていない。このままひまりさん周りは穏当に進んで欲しいものだが……問題は、志帆のやつが「亜季が惚れてる女のイマカノが目の前のひまり」っていうことを知らないってことなのよね。あ、でもひまりは亜希こと全部知ってるからそこで繋がるのは問題ないのかな? 気まずさアップの可能性があるとしたら、志帆がヨリに全部ぶちまけるパターンやな。……こいつならやりかねない……か?

 ひまり目線で志帆って別に悪いやつではないんだけど、今回彼女が語ってくれた昔話はあんまり共感できない微妙な内容だったのが引っかかるのよね。「自分より才能あるやつにコテンパンにされて挫けちゃった話」なわけだけど、そこから自尊心を保つために採った手段が「別な楽器」っていうのが根本的な負犬根性の表れでさ、そこで「ヴァイオリンで超える!」って思えなかった時点でもうトラウマは解消されない気がするのよね。さらに逃げた先のギターで亜希たちに嫌がらせしてるという腐れマウント状態になってしまっており、そこだけ見たら人間性も最低。ちょっと現時点ではフォローしづらい立ち位置に。描かれ方次第では同情の余地はあったと思うんだけど、今回のお話(と映像)だと「知らんわー、こいつダメ人間やんけー」としか思えなかった。ここから志帆さんが評判を上げる方法はあるんでしょうか。そして今作はまともな形で最終回を迎えることができるんでしょうか。

 
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