最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
さぁ、事態がガンガン回り始めたわ、第9話。最初はちょっと追いかけるのが大変だった複数のドラマが少しずつ中央に向かって収束してくるこの感じ、実に良い。 Everlasting Shiratama stage、白珠さんの物語は回想に幕をあける。浜木綿が看破した通り、彼女が登殿する前に抱えていた秘密は禁断の恋。幼少期から「入内こそ全て」と北家の姫として育てられた白珠は、その不自由な生活の中で思想を縛られながらも、一途に一巳との愛を育んでいた。馬鹿な子ではないのでそれがダメなことだと分かってもいるし、叶わぬ願いであるということも重々承知。必死に自分を騙して宮中へと赴き、なんとか一巳のことは忘れ去ろうとしていた。しかし一巳さんだって惚れた女をそう簡単に諦め切れるものではない。宗家への密偵として遣われながら密書を通してなんとか白珠に通じ、いよいよこの度、彼女を迎えに行くと無謀にも宮中へ乗り込んできたのだ(それにしても警備がザルだな)。 想い人の英断に心揺れる白珠。しかし必死に自制を働かせ、たどり着いた結果が一巳の惨殺。しかも目の前で烏の姿のままで殺されてしまい、人としての尊厳まで奪われたかのような彼の死に様は到底受け入れらるものではない。これは勝手な想像だが、浜木綿が語った「断足の刑」の話(烏の姿のままであるのが何よりも重い刑罰であるという事実)と、一巳の死の実態(烏の姿で死んだので身元すらわからない)が同じ話数にまとめられたのは、彼の死がいかに悲惨なものだったかを伝える狙いもあったのだろう。 結果白珠はまともではいられなくなってしまい、そんな彼女の異状をもって浜木綿は何かの終わりを悟ったのかもしれない。白珠に身をひくことを提案して動向を伺ったが、白珠は最後に残された彼女の信念、意地でも入内するというその1点だけでなんとか自我を維持し、再び浜木綿へと牙を剥く。しかし、そんな精いっぱいの彼女の抵抗すら、百戦錬磨ですれっからしの浜木綿からしたら想定の範囲内だったのかもしれない。あけっぴろげに語られた南家の真実は、これまで白珠が抱え込んできた情念を軽々と上回る想像を絶するものだった。 南家による政権掌握計画。全く人の心が無い最低のプロジェクトだったが、「宮中ってのはそんなものだ」と浜木綿は訳知り顔。全部ぶちまけた挙句に「あー、しゃべっちゃったー」と白々しい様子でとっとと逃げる男前プリンセスの腹の底は未だ見えておらず、若宮と雪哉のいう「浜木綿はまだ何か隠している」は間違いなく事実だろう。あのタイミングで浜木綿が丸投げして逃げる意味もないし、ここまで見てきた彼女の人となりを考えるに、なんの益もない行動をするような人間とも思えない。もしかしたら白珠のぶっ壊れタイミングとこの宮中の動乱の様子を見て何かのきっかけを掴んだのかもしれない。普通に考えて彼女は南家に義理を果たす意味もなく、むしろ両親の仇である南家には敵対心を抱いていてもおかしくない。彼女がここで全てをぶちまけて逃げたことにより、確実に南家の立場は悪くなっている。浜木綿が単にそうした南家の没落だけを狙っているのか、それともその先があるのかは気になるところだ。 もちろん南家もいいようにやられて黙っているわけもない。おそらくここから長束派が多少強引にでも今回の騒動をうやむやに収めようと動くはず。次回は「若宮暗殺」ってことで武闘派連中が大きく動く様子。策謀の果てに何がまっていることやら。
PR 「私、こういうの大好きなんです」、第9話。ルパさん、まさかの視聴者代弁。ちなみに今期は「ルパ」という名前が複数のアニメで被るというよく分からない奇跡が発生した。 今週はがっつり智ちゃん回。加入してからこっち、なんとなく上っ面の付き合いだけでバンドメンバーっぽい立ち位置になっていた智&ルパだったが、流石に何も描かれないままで進むはずもなく、ここにきてがっつり中心に据えたお当番回が回ってきた。でもまぁ、智のスタンスやパーソナリティはわりかし分かりやすいものだったので軋轢も含めて飲み込みやすいお話ではありましたね。今後あるかどうか分からないけど、ルパ回があるとしたら絶対に今回よりややこしい展開になると思う。 ストイックに音楽でてっぺんを目指し、他人にも自分にも厳しいリアリストちびっこコンポーザー。立ち位置としては一番近いのは多分球手ちゆさんだろう。まぁ、あそこまで好戦的でもないし、過去に何度もバンドがご破産になった経験から多少自分を抑えるようになってしまっていたみたいだが……そんな頑ななちびっこが少しずつメンバーとの交流で心を開いていく様子を描くのは非常に分かりやすいドラマメイクである。 こういう頑なで過去に傷を持つ子を打開する一番の要素はいつの時代も「空気を読まずに突っ込むバカ」と相場が決まっている。なんかもう、どんどんキャラの方向性が吹っ切れている井芹仁菜氏。初登場時は陰キャ代表のぐちぐち主人公だったくせに、いっぺんブレーキが壊れてしまった仁菜は距離感がバグったジャンプ漫画の主人公みたいな近距離パワー型主人公へ変異している。下手なくせに勢いで始めたギターを鳴らすのが楽しくてしょうがないギタボ志望の主人公と、そんな下手くそに振り回されて理屈が通じないことに辟易する世話焼きキーボード。どこぞのきらきら星コンビにも共通する部分があるかもしれない。仁菜がこんな風になってしまったことはむしろ智にとってはありがたいことだったのだろう。理屈が通じないシンプルなバカには、よりシンプルな方法で返してやるしかないのだ。打算も腹芸も全部おじゃんにして、ようやく願った道に進めそうな智さんの未来に幸あれ。 そんな智の来歴を語るため、都合のいいところで都合のいいコメントをくれる万能サポーターのルパ。相変わらず右へ左へとさまざまなシーンで役を選ばぬ大活躍を繰り広げており、終わってみれば全部がルパの思い描いていた設計図通りに進んだようにすら見えてしまう。元々の器がクソでかい奴なのは間違いないのだろうが、おそらく智という才能を真っ先に見抜き、保護して共に歩むだけの価値があると判断したからこそここまでサポートに徹してくれている側面もあるんじゃなかろうか。智とは「親に頼れない」という境遇だけが共通しているが、幸か不幸かひと足先に大人になったのがルパで、大人の特権で頼ってきた智を保護することに成功。なかなか他では類を見ない、「保護者と被保護者」という関係性のバンドメンバーである。ただ、よくよく見てみると常に余裕で大人の対応をしているルパも案外あけすけにやりたいようにやっている部分もあり、今回は桃香よりも先にナイスキャッチしたビールを飲み始めたシーンなんかに分かりやすいし、すばるさんブチギレの家屋損壊事件の主犯はルパである。そしてラストの河辺のシーンでは、うまい具合に智と仁菜の関係性をとりなすため、都合のいいところでちょっと声をかけて仁菜にこちらのことを気づかせたのもルパ。あそこで智の背中を押すのが一番有効だと判断したためなんだろう。色々と強かな女である。 それ以外のメンバーについては、「蛇嫌いでちょっと乙女アピール」・桃香さん。吹っ切れて音楽活動に向き合ってくれた桃香さんは基本的には頼りになる先輩ですね。 そして今回も不幸を一身に背負った苦労人のすばるさん。もうね、回を増すごとにどんどんすばる派になっている私からすると今回のご自宅でのドタバタも最高のエンタメでしたね。ただ、こうして智の絡み方が定まった結果だけを見ると、多分メンバー内で一番「本気でバンドをやってない」のがすばるだというのはちょっと気になる要素ですね。現時点では「智には聞いてないから何も言われない」としれっとした様子だが、これで智が本気でバンドのことを考えだして、すばるにダメ出しとか始めたらどうなるかは気になるところ。強く乗り越えてほしいとは思うのだが、さて……。 今回くらいの話なら好き、第8話。なんか1話目で良かった感触がちょっと蘇ってきました。 ということを伝えたかっただけの記事立て。というのもねぇ、今作はさ、実はここ最近あんまり面白くなくてね。今期は視聴本数を減らせていることもあって通常よりも若干感想を書いてる作品は多いのだが、それってつまり普段よりハードルを下げてるってことで、そこまでおもんないと思っていても記事を立てられる可能性があるってこと。全部読んでる奇特な人ならお察しかもしれないが、今期は今作とか、あと「Unnamed Memory」あたりは多分これまでの視聴体制だったら感想書いてないだろうな、と思う程度である。 ただ、今作がつまらないのに下駄を履かせたというわけではなく、1話目時点では実際に何か惹かれるものがあったからこそきちんとした視聴を続けていたわけで、その部分をずっと捕まえられれば幸せだった。ただ、残念ながらここ数話に関しては作画のそこはかとないやる気のなさにくわえ、どうにも引っかかってしまう絶妙テンポの演出方針などがネックとなり、ついに「書くことないなぁ」という位置まで落ちてしまっていたのだ。元々「ホラーアニメ」という大雑把な括りもあって「ダークギャザリング」からの延長で見ていた部分もある気がするのだが、正直、紅衣小女孩編はホラーとしてもアニメーションとしてもあんまり見るべき点がなく、2軍に下げざるを得ない状態になってしまった。 んで今回。話が変わってインタールードみたいなお話だったが、あんまり焦ってシナリオを進める必要がなかったおかげか、最初に観た時の丁寧な話運びが戻ってきた印象があったのだ。Aパートは不思議な書店とロリ菫子さんのお話。なんとここにきて、菫子さんのあの特徴的な話し方のルーツが明かされたのである。漫画のキャラってのは変な喋り方をする連中もしばしば登場するが、それって基本的に「キャラ設定」であって特に理由など語られることはない。本作はそこにもちゃんと理由をつけて、今の菫子さんの成り立ちに説得力を持たせてくれている。「本」という本作のキーアイテムともお話がうまく結びついているし、書籍姫がロリ薫子さんにしてくれたアドバイスもなかなかに興味深い。彼女が文筆家として花開くようになるまで、その内なる感性をじっくり醸成させていった理由がわかり、ますますキャラとしての魅力が増したのではなかろうか。まぁ、結局は今作は菫子さんという主人公のダイナミックな魅力が一番ってことになってしまうのだけども。尻でか団地妻、いいよね! ほんでBパートは次回へ続くお話になるようだが……今作でもVTuberが出てきましたね。現代怪談にはVTuberだって当然出てくるかぁ。そんなことより乙ちゃんがバイト続けてたりシズクさんがあのエピソード限りのゲストキャラじゃなくて今後も出てくれる可能性があることの方が驚きでしたけどね。怪異を乗り越えてみんな強く生きてるわ。 お客様の中に作画スタッフはいらっしゃいませんか! 第7話! ……もったいねぇ、もったいねぇよ……めちゃめちゃ大事な回だったと思うのだが、まさかの作画がギャグマンガ日和状態という……戦慄しなきゃいけないライブシーンが完全に笑いものになってしまっては、作品としては破綻するのよ。スタッフロールを見たら作監がアジア系ネームの列挙という、確実に「ダメだったんだろうな」と思えるものだったし……久しぶりに「ソフト化する時に修正版出せよ」と思ってしまうクオリティだった。いや、ここ最近劇場版以外にアニメのBDとか買った記憶ないけど。 とまぁ、ほんとのほんとに口惜しさが先に立つ話数になってしまった。まぁ、大事な回という意味では告白エピソードの前回の方が大事ではあるし、そっちでそれなりに力を入れた皺寄せが今回にまわってしまったと考えることもできるのだが、そんな勝手な想像には「いや、毎回頑張れよ」というセルフツッコミを入れてしまう。前回頑張ったから今回作画崩壊してもいい、とかいうルールは無いねん。そう、今回は普段あまり使いたくない「作画崩壊」という言葉を使うしかなかったお話。自宅でしっぽり話し合うヨリと亜季のシーンの亜季の顔とかも「お前誰だ?」みたいになってたけど、やはりそのピークは一番負担がかかるライブシーンに出てしまった。ヨリたちのライブもいつも通りになおざりではあったが、こちらはまぁ、柔らかい雰囲気もあってなんとなく誤魔化せたシーン。しかしその後に出てきた泉志帆ら、ローレライのライブは今作ではこれまで一切無かったテイストをぶちこんでくる必要があり、ひまりが受けた衝撃のデカさを表すためにも画面に存在感を出す必要があったのだ。ここでバシッと決まれば今後の色恋沙汰も含めた修羅場な雰囲気に向かって、一気に世界を変転させることが出来るシーンだったのだ。そこが「ベースの手の動きwwww」とかいうお笑いシーンになってしまっては、作品ファンは涙に溺れるしかない。ほんとのほんとに残念だ。しっかりしろよ横ラボォ! ……というわけで作画への文句で文字数を費やしてしまったが、そこに目をつむればあらゆる局面がグリングリン動いていかにもなトレンディドラマ展開。ひまりの周りの人間関係、あやとりのごとくぐるぐるに絡み合って奇跡の陣形を形成しているのがあまりにお見事。よりによって亜季・ひまり・ヨリのすでに片付けられたと思った三角関係に介入できる唯一のポジションに志帆が介入してくるとは……こいつがやろうと思えば、ヨリに向かって「こいつお前にガチ恋だぜwww」とチクることも可能であり、そうなった時にはバンド内で2人がまともなコミュニケーションが取れなくなる恐れがある。 それと同時に、ひまりに大きな衝撃を与えてしまったというのも志帆の大きな問題点で、何しろひまりはヨリのライブを見て一目惚れ(仮)した人間。他の素人のライブを見て、あの時以上の衝撃を受けてしまってはダメなのだ。しかし今回の志帆のライブはそんなひまりの狭い狭い世界にヒビを入れるものだった。まーひまりがこれで「あっちのバンドの方がすごかったから鞍替えするわ」なんて思うような人間でもないし、そうならないようにこれまでの関係性を構築してきたわけだが、それでも「ヨリよりあっちの方がセンスあるわ」と思ってしまったのは事実。これまで手放しで誉めてきたヨリの歌を誉めづらくなってしまい、2人の関係にも変質を余儀なくされる。これでヨリの方から「どっちが上手いと思った?」なんて聞いた日にゃぁ地獄だが……できればヨリさんにはそういう言動はしてほしくないですね。 唯一の朗報(?)はというと、百々花部長が下手したら志帆に惚れてるんじゃねぇかと心配してたのだが、どうやらバンドのもう1人のメンバーである王子様系のドラムが相手っぽい。志帆の尻馬に乗って百々花までがひまりたちを害するポジションにまわっちゃったらどうしようと恐れていたのだが、流石に部長に限ってそんなことはしないか。……しないでね? Oh,シラタマサン……第8話……。「こいつが巨悪か……」と思って登場したキャラがわずか1話で「それどころじゃないやつだった……」ってなる展開、とても心臓に悪い。 宗家の女官・早桃の死はただでさえ不穏な宮中の空気をさらにピリつかせる。まぁ、人が1人死んでる割にはみんなしてぼーっとしてるしかないあたりは貴族らしさではあるが、入内争いという背景もあり、疑心暗鬼は嫌でも加速する。もちろん一番傷ついたのはこれまで早桃と仲良くしていたあせび。そして女房として取り立ててしまったことに責任を感じる藤波も、ただシンプルに人の死を悼み、悲しみに暮れた。 しかし残念ながらそんな事件も政争の道具の1つでしかなく……もはや建前も何もなく、明け透けにぶつかり合う四家の姫君たち。いや、ぶつかり合うというのは正しい表現ではないか。一方的に喧嘩をふっかけてくる白珠に対し、ただ狼狽するばかりのあせび、庇い立てて怒りを露わにするススキ、そして何かを知っている様子の浜木綿。いわば1対3の構図であり、北家だけがこの事件に対して何か特別なスタンスに立ったような状態だった。 そして事件は続く。今度は西家に侵入者あり。みんなして烏に変身できちゃうこの世界だとそのままの姿で誰だか分からないので全人類がナチュラルにシェイプシフターというすげぇ厄介な状態。不届な侵入者は烏状態で首を斬られてしまい、その素性もよく分からぬ状態だったが、その正体に気づいてしまった者がただ1人。皮肉なことに、それを一番望まぬ白珠その人である。 権力争いが人を狂わせることはよく聞く話だが、白珠の場合、北家に生を受け、生まれながらにして入内を迫られるという立場そのものが、すでに彼女のことを壊していた。きっと誰よりも真面目な性格だったのだろう。一家の悲願である入内のためには私を滅し、ひたすらに目的に邁進しなければならないと自分に言い聞かせていた。たとえ北家に思い人がいようとも、である。偶然にも若宮に取り上げられた庭師・一巳は、わざわざ宮中まで隠れて白珠の様子を見に行くほどに繋がりの強かった人物。2人の間には「何もなかった」。白珠はそういうが、一巳の方はそう思っていない。もちろん、白珠だって、本心からそう思ってはいない。思ってもいないことを「思い続けなければいけない」環境。それは最も容易く人を壊してしまうのだろう。 一巳は久しぶりに見た白珠の姿にこらえが効かず、宮中へと入ってしまったのか。「あんな醜い骸なわけがない」。白珠の弁が虚しく響く。彼女の限界は浜木綿だけが理解していた。以前のなりふり構わない行動の全てが、白珠の最後の抵抗だったのだ。もはや入内闘争は4家の争いではなくなった。北家は、もはやその拠り所を失ったのだから。 問題は、早桃殺しの犯人がまだ定まってないところなのよね。今回の顛末を見る限りでは、別に北家とつながる理由がないのだが……櫛の件は早桃と窃盗団を繋げる直接的な証拠ではあるが、裏事情を知っていた人間の工作の可能性もあるわけで。……これ以上何かを腹に抱えてる人物には出てきてほしくないけどなぁ……。 久しぶりにハイパークレイジー釘が見られて満足でしたが。白珠様のお顔がとても怖かったです。これはこれで良いキャラデザになったものだ。 声が届いた、第8話。本当に良きタイトルがついたもので、こいつらってばとにかく泣く(Cry)し叫ぶ(Cry)。その声は、どこかに届けたくて。 仁菜のステージ上での行動に桃香はまずお怒り。「ステージはお客さんに見せる場所」とはまさに正論で、それを勝手に私ごとに使ってしまった仁菜は叱られて当然である。そのことにはバンドメンバーも依存はない。しかし桃香ですらまだはっきりとことを認識してはいなかったのかもしれない。そう、この井芹仁菜という女、本当のクソ野郎だし、空気を読んだり、礼節を知ったりは絶対にしない。お前が見出した才能ではあるが、なんともはや生粋のロックンローラーなのである。「当たり前の反省は後からでいい、とにかく今はバンドのいく先のことを考えさせろ」。それが仁菜の一方的な申し出。自分はもう予備校中退で覚悟を決めたから、テメェらも覚悟を決めろと。その辺のことを納得づくで加入したルパ&智コンビはまだいいとして、仁菜目線でもそんなこと認めてもらえるわけがないことが分かりきっている家庭環境のすばるからしても寝耳に水だろうし、業界から足を洗おうと思っていた桃香からしても「知らんがな」の一方的な申し出。どう考えても「ふざけんな」で終わりのお話。 ただ、桃香さんも過去とのしがらみがあったもんで負い目となる部分はあった。確かに「バンドで食って行くなんてまっぴらだよ」という表明はこれまでもちょいちょいやってきたとは思うし、「そんなこと考えてるとは夢にも思いませんでした」も通るといえば通る理屈だが、だからとていきなり長野県まで引っ張り出して「はいここでラストライブです」はいささか一方的すぎた。そうでもしないと仁菜を丸め込めないと思ってしまったのだろうか。もしそうなら、すでに仁菜には借りを1つ作ってしまった状態。どちらに正当性があるかは難しい問題だが、何かしらの隙を作ってしまったのも桃香の方だ。 あとはもう、ただ互いのエゴをぶつけ合うしかない。何しろ、どちらの言い分も実に身勝手で、相手のことなど考えちゃいないのだから。それぞれの目指した方向性が、各々の回想シーンに結び付けられていることから、「過去に勝手に決めてしまった生き方」だったことは表れている。桃香が青臭い仁菜の夢を毛嫌いするのは、すでに一度自分が挫けてしまっているから。かつての自分に仁菜が重なれば、夢破れてうらぶれた今の自分がかえって情けなくも見える。賢しく大人ぶって説教するが、その実単なる言い訳、逃げだというのもまた事実。弱いと思われるところを突かれればこそ、人間はムキになってしまうもので。 ただ、だからとて仁菜が正しいかといえばそんなこともない。「バンドやろうぜ!」については元々仁菜は嫌がってる側だったし、手のひらクルンで猪突猛進してしまったら周りの人間だって急にはついていけない。また、最大の原動力になっているのは過去にダイダスの桃香に救われたことがあるというこれまた身勝手な思い出である。この度仁菜は桃香に対して「私を思い出にするな」、つまり自分を勝手に完結させるなと暴れたわけだが、桃香という偶像を勝手に打ち立て、そこに依存しようとしているのは仁菜の方である。「お前はもっとすごいやつだ」と勝手な人物像を押し付けられた桃香もたまったものではない。挙句「手を出してきたら遠慮なく軽蔑できる」とぬかしておきながら、最終的に手を挙げているのが自分という暴挙。感極まった末の極限行動ではあるものの、一度走り出した井芹仁菜には理屈など通用しないということがよく分かる。「大人ぶってんじゃねぇよ、勝手に言い訳して私との夢から逃げるんじゃねぇよ」。彼女の主張に対し、桃香は「知らんがな」の一言で済ませることができる程度の話であった。 しかし、そうはならなかった。桃香が必死に目を背けていた夢。変わってしまったダイダスの存在。結局、一番現状を動かしたかったのは桃香本人だったのだろう。すったもんだの末にかつて誓い合った仲間たちからも背中を押され、ロックな軽トラは走り出す。ふかしたエンジンはもう止まらない。いよいよ、バンドが動き出した。 この度の演出も実に強烈で画面の求心力が強く、特に「学生時代の若かりし桃香」のシーン、わざわざ現代のバリバリCGテイストからちょっと淡めのアニメ調に露骨に映像表現が変えてあるのが憎らしい。「青かったあの日」と「辛くて叫び出したい現在」の対比がこうしてダイレクトな映像表現で表せるってのは、今作がわざわざCGデザインを採用してインパクトを強くしていたが故の強烈な効果だった。こういう表現が出てくるから現代アニメはあなどれない。 今日の一句:安和すばる 伊地知虹夏に 椎名立希 田井中律に 二葉つくしや (苦労性、まとめ役ドラマーの句。すばるさん、今週も可愛かったです) めでたしめでたし、第6話。誰かが言った。「恋愛ものってだいたい関係性が成就したところで終わってる」と。今作もここで終わっても誰も文句は言わないのだろうが……まだ第6話です。さて、ここからどういう展開になっていくのか。 というわけで、今回のお話だけで言えばデート→ライブ→告白という圧倒的充実生活を見せつけられるという拷問のようなお話。告白の順番おかしくね? という気がしないでもないが、まぁ、このカップルについてはこの順番でよかったのだろう。惜しむらくは、どうにも作画が安定せずにせっかく可愛いはずのデートシーンがあんまり入ってこなかったこと。今回は一番力入れて作って欲しかった回なんだけどなぁ……憎いぞ横ラボ。肝腎要のライブシーンに関しても特筆するような演出があるわけでもなく、あのバンドやあのバンドのライブシーンを見てしまったあとではどうにも省エネに見えてしまって勿体無い。まぁ、数年前の基準で言えば今作のライブシーンだってちゃんと描けてるレベルではあるのだが……アニメ視聴者もどんどん贅沢になっていけませんわね。 そんなわけでせっかくのひまりとヨリの記念日がなんとなくで流されてしまったのはちと残念だが、当然(?)作品として注目すべきはそちらではない。まずはなんと言っても私の好物ど真ん中の負け系ヒロイン枠・水口亜希さん。彼女は負けヒロイン呼ばわりするにはちょっと優しすぎるからほんと可哀想なんだけどね……一瞬の気の迷いでヨリに全部ぶちまけそうになるも、彼女の楽しそうな笑顔を見てグッと思いとどまれるぐう聖の亜希さん。その後も2人のために全力で背中を押してあげており、ステージ後にはギターを2本抱えて佇む彼女がなんとも寂しそう。挙句、1人でたそがれてるところにわざわざヨリがやってきて「一番の友達だよ!」というとどめの一撃を見舞っていく。もちろんヨリとしては「1番の」の部分を強調して最大級の感謝を表したつもりなのだろうが、残念ながら亜季さんに響いちゃうのは「友達」の方。不憫でしょうがないけど……今はとにかく割り切って「一番の友達ポジションだけは譲らないぞ」と前向きな姿勢。頑張れおねーちゃん、幸せになってくれ。 公認になった主人公カップルは周りの目も気にせずイチャイチャし放題だが、2人の関係に直接ヒビなんて入るわけもなく、掻き回し要素は全然関係ないところからやってくる。以前からちょこちょこ出ていた「前のボーカル」さんがいよいよヨリに接触。どうやら亜希とは因縁があるようだが、キーボードちゃんが余計なお世話でそこを繋いでしまっていたらしい。ヨリからしたら全くもって与り知らぬ存在なのだが、いきなり「お前のボーカル、しょせん代用品だろ」とか言われたらそりゃカチンともくる。せっかくひまりのおかげで楽しくなってきたバンド活動、なんでこんな生意気なやつにコケにされなきゃならんのか。負けん気の強そうなヨリさんのこと、ここから一波乱ありそうですね。まぁ、それがひまりとの関係にどう影響するかは分からんが。料理部部長がどう噛んでくるのかだけが気になる。 今日のワンポイント:ひまりさんのお母さんが娘の浮かれ姿を見て思わず「もしかして恋人〜?」って聞くのがこの世界らしい気遣い発言。普通、娘を茶化すなら「もしかして彼氏〜?」だと思うのだが、そう言っちゃうとひまりさんとしても「あ、え、うん」みたいな気まずい空気が流れそうだから。お母さん、そのうち恋人がご家庭に挨拶しにきますよ。 一気にミステリっぽくなってきた、第7話。発見された死体の右手だけが漆黒の羽になってる描写がしっかりオリジナルの絵面になってるのがいいね。 「水面下ドロドロ宮廷バトル」だと思っていたお話が、いよいよもって水上へと上がってきた。男同士の政争も、女同士のキャットファイトも、どちらもいろんな欲望が渦巻いておる。 まずは男の方から。若宮は奇策でもって敵陣営と思しき南家の本邸へ殴り込みをかける。ものの見事に兄である長束と同席している現場を押さえ、長束側からもあまり言い訳のしようがない状態。ここまで追い詰めてようやく、長束の本音が滲み出たかのような手応えがある。結局今回の会合で若宮が何を得たのかは定かでないが、より直接的なぶつかり合いのための下準備が着々と進んでいるような、そんな不気味な雰囲気が漂っている。 そして同じ南家の邸宅で、そんな頂上決戦とは別に雪哉と路地(ろこん)という近習どうしの接触も起こっていた。てっきりあの秘密会議の一件から雪哉側が一方的に長束派の陰謀を押さえた形だと思っていたのだが、どうやら路地も只者ではなかったようで、「あの時感じた気配」というとんでもない方法から雪哉をふん捕まえる。普通に考えたらあんなヤバヤバ会議を見てたんなら即刻口封じされてもおかしくないレベルだと思うのだが、路地さんも案外その辺は慎重なようで、雪哉に若宮サイドの情報を持っていないか尋ねたり、挙句長束派へスカウトしたり。あの会議を雪哉が見ていたということは当然全ての事実が若宮に流れているということも理解しているはずなのだが、それで慌てている様子もない。現状、お互いに腹の中に抱えたイチモツを明かさずとも察しているみたいな危うい状態で固まったことに。これから先、長束派はのんびりと様子を見てくれるものだろうか。 ちなみに男サイドではもう1つのトピックとして「雪哉はどこまで若宮に忠誠を誓うものだろう」というポイントも注目。路地にけしかけられて思わずツンデレが溢れてしまい、それを若宮に思いっきり見られたわけだが、若宮側も「そっかぁ」みたいなちょっと寂しげな反応。視聴者目線だと雪哉はもう若宮から離れそうもないと思えているのだが、当の本人たちが自分の内なる気持ちをどう処理していくのかは見ものである。まぁ、今回若宮が「女の子たちにちょっかい出さないのは、余計な迷惑かけないためなんだよね〜」というイケメンエピソードを漏らしてしまったので、多分雪哉も「きゅん」しちゃってる。着いていくに足る人物だと判断したら、しっかりフォローしてくれる奴だとは思うんですけどね。 一方、そんな若宮に袖にされてしまった女子サイドもエラい騒ぎになっている。騒ぎの中心は北家、お家の悲願のためならなりふり構わないと宣言してしまった入内モンスター・白珠様。前回東西南北のポジショニングを軽く確認したが、今回はさらにそれぞれの家に属性の説明が追加され、東家は楽人、南家が商人、西家が職人で北家が武人の家系であることが分かった。東家についてはあせびのイメージそのままなので納得だし、南家の人を食ったような性質も商人独特の立ち回りに由来するものということか。西家については、真赭の薄さん(なげぇので以下ススキさん)がお着物を丹精込めて全部縫っていたことなんかがこれで説明できたような気もする。 そして問題の北家は「兵力最強」というしち面倒臭いステータスを所持しており、「私の思い通りにならなかったら暴れんで」というわがまま宣言。その下準備として浜木綿を取り込み経済力トップの南家を黙らせ、南北同盟から東西の2家を抑え込みにかかったという。どうやら一定以上の効果はあったみたいなのだが、これまでの歴史ではそうして2つの家が手を組むみたいな策謀は行われてこなかったんでしょうかね? もしあったなら、そりゃ武力で優位の北家が一番強そうだとは思うのだが……まぁ、無骨な家系でそういうのを良しとしない姫君が多かった中、たまたま生まれたクレイジーが白珠だったということかもしれんが。とにかくこれにて姫様大戦の勃発が宣言され、残り3家がどのように対応するかが迫られた。 そんな中での朗報(?)はススキさんが思った以上にいい人だったこと。前回時点で「あれ、この子実はすごく素直でまともな子なのでは……」と思ったが、今回は衣装のせいで浅い池でも容赦なく溺れかけたあせびを救うためになりふり構わず池に飛び込むという英雄的行動に出ており、その視線にも後ろ昏さはない。白珠の宣言に驚いてこそいたが、あせびと違って「入内争いってのは綺麗なもんじゃない」という覚悟もある程度はできていたようで、今後は東西が手を組む以外にないという状況下では、あせびの良き協力者になってくれるのかもしれない。「お姉様」とお呼びしてもいいのかもしれない。 そしてそこに死体が1つ……殺されたのは宗家の下女でしたか。さて、どのように話が転がっていくか……。 そんな名付けがあるもんかよ、第7話。……いったいどんな由来があるのかと思ったら、史上最もどうでもいい命名法で腰が砕けた。まぁ、古来より辻占と申しまして、辻に出てそこから聞こえてきた言葉で吉兆を占う文化があるって高耳神社の御神体も言ってたから。 でもまぁ、考えてみたら「バンド名の由来」ってちゃんとしたの考えるの結構難しいのかもしれない。我が敬愛するバンドリプロジェクトでも、名付けにがっつりドラマがあったのって直近のMyGO!!!!!と、あとRASくらい? Afterglowも名付けの方向性としては悪くないけども。結局世の中「結束バンド」くらいで充分なのかもしれませんね。 とまぁ、いつの間にやらバンド名が決まってしまったわけだが、今回のお話はそこにいたるまでの5人のすったもんだを描いたもの。というか、新加入の2人のポジショニングを見定めるお話という感じかな? ……それにしたってルパさん強すぎんか? そりゃま、登場時から完全に智のことはコントロールしてたし、なかなか図太いタマだろうなぁとは思ってみていたが、演奏スキルに加えて対人スキルまで(他の4人がしょぼすぎるとはいえ)頭ひとつ抜けた完璧スペック。抜群のスタイルの良さもあるし、多分あの世界ではルックスもいい扱いだろう。まだバンドとしては大して活動もしてないはずなのにファンの女の子達が入れ食い状態である。もう、いっそ桃香とかほっといてルパ中心のバンドにしてしまうという手も……。 ってわけにもいかないのが仁菜さんの事情。彼女がこれまで一切触れてこなかったバンドなんて文化にここまでどっぷりハマってしまったのは、あくまでも上京直後に浴びた桃香の歌が原因である。あの歌がなければもっと予備校でまともな成績が取れていたかもしれないし、そもそも進路で悩むことすらなかったかもしれない。しかし、変わってしまったルートはもう修正が効かない。バンドに触れてしまった井芹仁菜は、もうステージの上でしか生きられない。いうなれば「私をこんな身体にしてしまった責任を取れ」ということである。まぁ、桃香さんからしたら「知らんがな」ではあるのだが。でもまぁ、いうてここまで仁菜に付き合って盛り上げちゃったんだから、その責任を取らなきゃいけないって主張には一理あるかな。「あくまで落ち込んでた田舎娘を元気付けるためにやったんだ。プロ目指すとか言い出すのは保証の適用外です」と言われても、そりゃあんた、ちょっと手をかけすぎたってことよ。 そう、仁菜がこんなにものめり込んでしまう前にブレーキはかけられたはずなのだ。それをしなかったせいで暴れ馬は勝手に荒れ野を暴走し、気づけば4人目と5人目を引っ掛けて更なる他人の人生を背負い込んでしまっていた。この度明かされた智のご家庭事情。今作にはあまり模範的な家庭は登場しないのだが、その中でも智の家は一番ダイレクトに「そりゃ娘も飛び出すわなぁ」というダメ環境っぽい。彼女がなりふり構わず音楽活動で稼ぎを出そうとしているのも、他のメンバーにはない切実な理由から。ルパに関しては詳細までは触れられていなかったが、彼女の絶やさぬ笑みの裏にはやはり重たい悲劇が横たわっている様子。どちらさんも「親に頼れない、頼りたくない」という事情から、音楽を武器に生き抜くことを誓ったのだ(すばるさんのご家庭だけちょっと毛色が違う気もするが)。 こうして集まるべくして集まってしまったはぐれ者たち。ようやくその視線が同じ方向を向きかけたところでの桃香からの宣告。あまりに突然だし、無責任だとは思うが、この業界で生き残ることの大変さを一番よく知っているのは間違いなく桃香。自分の気まぐれで前途ある(かもしれない)若者をこんな世界に引き摺り込んでしまったことに責任を感じ、傷が浅いうちにけじめをつけようということなのだろう。桃香目線なら、すばるはどうせ学生時代までの時間制限ありのお遊びだし、智とルパについても、早めに見切りをつけて次のバンドを探してもらえば迷惑は最小限で済む。仁菜以外の3人に対しては納得できる「損切り」だったわけだ。長野くんだりまで引っ張り出して「ラストライブ」をやったのも、せめて最後くらいは自分のコネでちょっといいライブを楽しんでもらおうという先輩なりの気遣いだったに違いない。しかし、残念ながらそんな気遣いを無碍にする空気を読めないやつがいるのである。 桃香の先輩、沢城ボイスの素敵おねーさんの話を聞いて、この業界に飛び込んで命を賭けちゃう余計な決心を固める井芹仁菜。本当にこいつは考えなしで、頭が悪い。でも、多分ロックってのは馬鹿がやる音楽なのだろう。馬鹿じゃなきゃできない音楽なのだろう。あとはこの馬鹿が、桃香というお利口さんを丸めこめるかどうかだ。 |
ブログ内検索
リンク
最新記事
(11/20)
(11/19)
(11/19)
(11/18)
(11/17)
(11/17)
(11/16)
(11/15)
(11/14)
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
アーカイブ
|