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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 まさかの妹キャラ登場に話題騒然の第9話。え? そうでもない? まぁ、話題性の無い作品ですからなぁ。

 前回の引きから、どれだけ颯爽と松吉を救援するのかと思っていたら、ものすごく地味に、あっさりと奪還を終了させてしまった政之助。雇われのふりをして忍び込んでいる手前、おおっぴらに救助は出来ないんだろうと思っていたので、あっさり真正面から助けに行ったのは少々拍子抜け。自分の見張り当番の時間帯ではなかったようなので松吉との直接の関与は明るみに出ていないのだろうが、これで近江屋の一件に続いて「用心棒に入ったとたんに警護対象がさらわれる」という事態が重なってしまいました。信用商売ならおしまいです。

 ただ、救助の前に展開された、松吉が囚われた蔵の前での小競り合いはなかなか面白いシーン。痛めつけられた松吉を庇おうとする政之助に訝しげな顔をする菊屋の用心棒。それに対し、政之助はこれまで見たこともないような毅然とした態度で、その場をおさめてみせた。普段なら考えられないまっすぐな視線と、その場に適した無難な受け答え。あの場で疑いを膨らませず、さらに松吉の身を守る方法としてはベストの選択肢だったのではなかろうか。あのシーンだけ別物みたいだったなぁ。

 そして、ちょっとした反則ツールである八木が暗躍したことにより、大津屋と菊屋の事件は万事解決。八木の絶妙なサポートにより、大津屋にも被害は出ず、松吉は嫌でも「恩」を感じざるをえないような状態。なんだかうまく行きすぎたような気もするけど、政之助は晴れやかな顔で「めでたしめでたし」ってな風だったので、これはこれで良しとしますか。後日談の中では各人の松吉への接し方が描かれており、お互い皮肉混じりながらもしっぽりと友情を確認し合う梅と松吉が実にいい感じ。「親馬鹿過ぎるおめぇを見たくなかったけど、実際のところすごいと思うよ」というツンデレ風味の松吉。そして、それに炊事洗濯で応えてあげる家庭的な梅。こうしてみるといいコンビじゃない。

 政之助は相変わらず空気が読めないままであるが、松吉の現状と心情を根掘り葉掘り尋ねてまわり、いちいち「野暮でござった」と頭を掻く。このキャラクターで許されるのはあんたくらいのものだ。でも、松吉もきちんと「3人目の恩人」として認識してくれているらしく、友情アイテムである「松のかんざし」を贈呈。五葉の働きで手に入れた金の使い道も判明したし、松さんテラツンデレ。

 そして、1人達観したような視線を送り続けるのが、弥一である。「無事で良かったね」の一言も無しに、松にかけた言葉は「仕事を頼みたい」。この2人の関係性は、あくまでこのままがベストであるということを、どこかで感じ取っているのだろう。松吉の方もそれが自然であるらしく、怪我も快癒していない身であるものの、早速弥一のために動き出してくれている。これはこれで面白い友情の形と言えるかもしれない。

 そして、そんなかりそめの平和を乱す事件が2つ。1つ目は、突如来訪した政之助の妹、幸。兄の家を訪れたら妖艶な女性が1人の時点でドギマギ。その後懐かしの兄に実家での不満をぶつけるも、政之助は自分の言い分に共感してくれず、結果は幼さの残るふくれっ面。政之助、こうして頼られてきたってことは、一応兄としては慕われているみたいね。行き場を無くした幸は、おたけが気になってしばらくくっついてるみたい。秋津家の人間は人の心の隙にするっと入り込んで犬みたいに可愛がられる属性でもあるのかしら。

 そしてもう1つの事件は、八木の介入を快く思わない弥一による牽制。確かに、悪党集団の仕事に与力同心が一枚噛んでくるのは都合が悪い。しかも八木という男はなかなか食えない奴で、弥一が自分の思惑通りにコントロールしている五葉という組織にとっても異分子には違いない。この2人の小競り合いが、最終回に向けたクライマックスになるわけですな。

 そして、そんな八木が絡んでしまったせいで面倒なのが、弥一と政之助の関係性だ。「初めのうちは面白かったが、今は鬱陶しいとしか思えない」という弥一の言葉に、政之助は素直に狼狽する。そして、「それが駄目だ。ポーカーフェイスを貫けないなら、八木には会うな」というのが弥一の命令。言っていることはもっともなので、政之助も言い返すことも出来なかった。

 ここで微妙なのは、この「今はお前さんが鬱陶しい」という台詞が、どこまで弥一の本心なのか、という部分である。作中の流れからすると、弥一はこの台詞でもって政之助の動揺を誘い、「それみたことか」と揶揄するための台詞ととれる。実際に政之助もそう受け取っており、「先ほどの弥一殿の台詞には驚いた」と溜息をもらしている。しかし、本当に単に政之助を驚かすためだけに、弥一が口からでまかせを言ったのだろうか。彼の中で、政之助という人間の持つ奇妙な魅力のようなものを、処理しきれなくなっているのではないか。彼がきてから、梅も丸くなったし、自分にしか懐いていないと思っていた松吉までもが政之助に懐柔されている。この状況を、弥一はどのように思っているのか。最終的には、やっぱりこの2人の心の通わせ方がメインテーマだと思います。

 なにやら情報屋を介して五葉に近付く黒い影もあり、最後のヤマもきっと大きい。どうなりますことやら。 

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 友達って言葉の難しさを痛感する第8話。八木に「交友関係が広いな」って言われたときの政之助のきょとんとした顔が実に印象的。「あれ? 弥一とかって……自分にとって何?」みたいな心情だろうか。この不器用さ、自信のなさは、「おお振り」の三橋に通じるものがあるな。

 自分の一件を無事に解決し、念願の(?)五葉抜けを宣言する梅。元々表面上は仕事の付き合いだけが繋いでいたドライな関係だけに、松吉との決別宣言は薄情と思えるくらいにひどくあっさりしたもの。ただ、それを回りが特に止めなかったのも、関係性が薄いからではなく、「どうせそんなこと言ったってダチはダチなんだろ?」みたいな安心感があるから。お絹が手土産を送ることを思いつくと、それが自然に梅、マサと繋いで届けられるあたり、どう考えても根が善人な小料理屋の主人の計らいが見て取れる。

 そして今週は松吉のターン。彼が五葉で仕事をしている動機が判明し、それを五葉のみんなでバックアップしてやるという、実にシンプルな筋立てだ。まぁ、いくら恩人のためとはいえ、松吉が大津屋に突撃したのは流石に浅慮が過ぎるとは思うのだが、菊屋の旦那が言っていた通り、優秀には違いないのに回りが見えなくなるところはあるんだろうね。そんな松吉だからこそ、回りの人間も助けがいがあるわけで。

 今回最もクローズアップされたのは、我が身をなげうってでも義理を果たそうとする、松吉のシンプルかつ徹底した義理堅さである。今回のタイトルは「恩人が二人いる」で、1人は盗人働きをした松吉を、何のかかわりもないはずなのに身を挺して庇ってくれた弥一のこと。そしてもう1人が、顔もろくに知らない息子を救うために、盗人に金を掴ませてくれた菊屋の旦那。どちらも、悪人であることが一目瞭然な松吉に対して、躊躇いもなく善意を施してくれた人間だ。この2人のためなら、松吉は過剰なまでの恩返し行動に出てしまうらしい。そして、今回新たに候補として登場したのが、これまで散々邪険に扱ってきたのに、我が身をなげうって助けに来てくれた政之助。「恩人が3人になっちまう」というつぶやきは、松吉のまっすぐな人柄が表れた実に印象的な台詞だ。まぁ、実際に命の恩人という意味では、これまでの2人と同レベルの恩人と言うことになるが……政之助にぴったり張り付いて献身的になっている松吉はちょっと想像しにくいな。

 他方、義理人情という側面で未だに怪しい動きを見せるのが、話題の中心ともなる弥一である。一度は抜けると宣言した梅が、話の流れとはいえ、犬猿の仲の松吉を「仲間」と称し、救うために尽力したいという意志を表した。それに対し、五葉の首領であるところの弥一は、「仲間、ね」と思わせぶりな台詞を残し、例によって感情を表さずに事態を静観している。もちろん、これまでの振る舞いから考えるに、松吉を見捨てる気などは無いだろう。ただ、緊急時にがむしゃらに動き回る梅やマサと違い、彼の中では未だ「仲間」という理念が他のメンバーと共有されていない感がある。最後の最後まで「五葉」は「仕事の上での道具」なのか、それとも「苦楽を分け合った仲間」なのか。弥一の心中、未だ図りかねる。

 そんな弥一が、今回八木と初接触を果たした。前回までの流れだと顔見知りなのかと思っていたが、八木の方から弥一への具体的なアプローチは無し。弥一の方は、政之助に漏れ聞いた八木の話から何か思うところがあるらしいが、さて。

 そして八木であるが、相変わらず何くれとなく政之助の世話を焼いてくれている。別に縁もゆかりもない弱虫侍のことなど放っておいてもいいのだが、政之助に子犬のような放っておけない何かを感じ取っているのだろうか。「交友関係が広いな」とは言うものの、その政之助の不思議なパーソナリティに籠絡されてるのはあんたも同じですがな。マサの方は八木のことを「友達」と思っているのか、「恩人」と思っているのか。人見知りのくせに変なところで遠慮しない部分がある奴だからよく分からないね。今回松吉の家に上がり込んであれこれ詮索する空気の読めなさとかもなかなかだったし。「野暮でござった」なぁ。

 今回は松吉が闇に蠢く人種だったせいもあり、いつもに増して画面が暗い。そして、そんな中で実に印象的に画面を彩ったツールが「ろうそく」である。今回ネタに絡んだ菊屋と大津屋というのがろうそく屋であるというのにもかけてあるのだろうが、例えば盗みに入った松吉にさしのべられた菊屋の旦那のろうそくは、そのものずばり「救いの光」を表すだろう。か細いながらもゆらゆらと柔らかい光は、松吉の人生の貴重な「恩人」を示す。また、蔵の中で疲弊しきった松吉の前には短くなって今にも消えそうなろうそくが1本置かれている。これはもちろん、松吉の「命の灯火」のメタファー。闇に生きて、無様に死んでいく己へのこの上ない悔恨が、彼のろうそくを縮めている。そして、最後に訪れたのが、政之助という新たな「光」なわけだ。無駄に身体だけはでかい政之助、彼の存在は、松吉の人生にとって、新たなろうそくを提供できるのだろうか。

 さぁ、頑張って松吉を「さらって」もらいやしょう。 

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 政之助と剣を巡る第7話。ようやく主人公らしくメインでスポットがあたった政之助だったけど……うん、相変わらずで切ない。

 ご隠居宅での療養を終えて江戸に戻る政之助。道すがら弥一に身の上の話をしてみるが、弥一は珍しくはっきりとしゃべりたくないという意思を表してみせる。なにやらご隠居にも顔を知られた賊の一味であったらしいが、立場の弱い政之助では、それ以上の詮索は無理な相談だ。

 弥一の不思議なところは、これまで誰もそのバックグラウンドを詮索してこなかったということ。もちろん五葉というのは互いの干渉をあまり好まない徒党であるが、それでも皆、弥一を慕って集まってきた者ばかり。松吉も、梅も、苦労した過去を弥一に救われたからそこにいるわけで、弥一はメンバーの素性を大体は知っている。その上で、自分の素性だけは知られたくないという一種のワガママがまかり通っているわけだ。これは勿論他のメンバーとの人間関係もあるだろうし、弥一の徹底した秘密主義も原因となっているだろう。実際、今回弥一は「今が一番幸せだと思いたいから過去は話さない」という、なんだかいい話っぽく政之助を丸め込んでしまっているのだが、冷静に考えれば詭弁以外の何物でもない。それでも、わざわざ弥一がそのように「逃げ」を打つということは、語りたくないし、語る気もないことの表れである。そう言われてしまったら、他のメンバーとて黙っているしかない。あくまで、「野暮」なのだから。

 そして、そんな弥一の過去が暴かれずに終わってしまった代わりに、今度は政之助の過去が少しずつ切り開かれていく。2度目の出会いとなってしまった絡み癖のある浪人に勝負を挑まれて情けなく逃げ出す政之助。これまでの立ち振る舞いからすれば決して剣の腕は悪くないはずなのだが、徒に刀を抜くことは性格的に躊躇われるし、人の目のあるところではどうしても萎縮してしまう。どうやら郷里の弟もこの「極度のあがり症」に関わっているようだが、彼の剣に、一体どのような過去が秘められているのだろうか。そして、そんな臆病者の政之助にすら刀を握らせてしまう弥一の「気迫」とは一体何なのか。

 今回は謎の親切侍、八木が政之助に積極的に絡んできている。稽古をつけてやろう、なんてのも随分な申し出だし、プライベートな墓参りにも嫌がるそぶりもなく政之助を帯同させているし、飯もおごってくれたりしている。政之助は本当に色んな人の善意で生きていけてるな。ここまでのストーリーで何回飯おごられているやら。

 そして、そんな八木が墓前で呟く親友の名前は「弥一」。さて、これは偶然か、何かの因縁か。そこまで珍しい名前とも思わないが、政之助からしたら気になる過去が2つも「弥一」で重なったのだ。今後も無視するわけにもいくまい。そして、独自の動きを見せていた松吉だが、こちらも何か動きがある様子。最近なかなかグループ活動が出来なかった五葉ですが、久し振りにミッションスタートになるんでしょうか。

 今回も相変わらずのジリジリとした空気が特徴的。晴れた日のエピソードが描かれているはずなのに、まるで雨上がりのような妙な湿度を感じさせる演出が印象的だ。日本は「湿度の国」であるから(ソースは「ギャラリーフェイク」)、江戸時代の物語の描き方としては、至極まっとうだし、実に味があります。せわしなく動き続ける「四畳半神話大系」の後にこの作品が放送されるので、本当に救われるんですよ。 

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 珍しく、切った張ったの第6話。多分これまでの中では一番動きがあった回じゃないでしょうか。それだけに、この作品の中では異色の回と言えなくもない。

 梅のかつての知人、仙吉を追い詰めていた悪党の伝七は、小金を脅し取るだけでは飽きたらず、仙吉には仲間に戻るように詰め寄り、それが高じて梅の店や、ご隠居にまでたかりの範囲を拡大していく。元々梅のことを恨めしく思っていた仙吉だったが、今回のことは完全に不測の事態。あれよあれよと追い詰められ、最終的な結論は、「最初からこうしてりゃ良かった」という台詞が漏れ聞こえた刃傷沙汰。悪党どもの腹の探り合いが繰り返される世界ではあったのだが、やはり実際に人死にが出ると、取り返しのつかない事態になってしまったことが実感出来る。かどわかしのみで事を成す「義賊」の面々に、今回の事件はどのように映ったのだろうか。

 正直言うと、伝七の命を奪ってしまうという幕切れは、いささか拍子抜けではあった。五葉の本質はあくまで建前上の義賊という看板を守りながら、「誰1人悪人のいない悪党」として、なるべく不幸の規模が大きくならないように立ち回ってきた印象があるからだ。今回、実際に伝七を手にかけたのは仙吉であるが、彼の凶行を事前に防ぐ手段もなく、ことが起こった後でも積極的に解決に導けなかったのはちょっと残念。そりゃま、あの状態からどうなるものでもないだろうが、もっとミラクルな何かを期待してしまっていたので、事件の本質的な部分ではちょっとしょんぼり。

 勿論、それはこちらの勝手な望みであって、今回メインで描かれるべきは、梅を中心として描かれた五葉の「思い」の形。メンバーの全員が梅の事情を一切聞いておらず、その上で、今回の事件が少しでもマシな形になるように、各人が心を砕いているのが分かる。おたけは単に野次馬根性からご隠居宅を覗きに行ったのかもしれないが、伝七の存在が発覚した後の松吉と弥一の心遣いは最後に確認出来た通り。そんな心遣いを思わず口に出して確認してしまう野暮な政之助も、きちんと「梅との義理」を守るべく、ご隠居の前に出ることが出来たのだ。お互いに距離を置き合っているように見えて、気付けば1つの問題に5人であたっている五葉の姿は、ちょっといい話。

 そして、画面上の特徴としては、冒頭でも書いた通り、この作品にしては動的なシーンが多かったのが印象的。例えば伝七が仙吉の首根っこを掴んで脅しをかけるシーンなんかはカメラアングルも動きを意識したポジションであったし、実に1話以来(!)となる政之助の用心棒らしい剣裁きのシーンも、短いながらもシュッとした動きが目に映える。そして、驚くべきことに、今回あれだけのすったもんだがあったにも関わらず、めだって「動きがあった」シーンはこれくらいのもの。普通の作品なら、流石にもう少しダイナミックなシーンで売り込んでくるべきところだ。

 しかし、この作品は本当に徹底的に「動き」を捨象する。今回顕著だったのは、伝七が匕首を抜いて斬りかかった最初のシーンで、画面の切り替わりで、突然政之助が腕から血を流す場面になる。実際に伝七が刃物を振り回した場面はカットされているのだ。また、仙吉が伝七に出刃を突き刺す場面も、上半身のみの描写なので実際に突き刺したところは描かれていない。今回2回もあった「斬りつける」シーンが、どちらも全く描かれないのだ。このこだわりは凄い。おそらく監督の意向だろうが、この作品からは、江戸ものというと典型的にイメージされる「チャンバラ」を要素を極限までそぎ落とし、それを取り囲む五葉の人間関係だけにスポットを当てる意図があるのだろう。

 このこだわりは、個人的にはそれなりに評価出来るものだと思っている。陰影の深いキャラデザのおかげで、夜中に碁を打ちながら語らうご隠居と政之助の会話劇もじっとりと重みが出るし、ラストシーンで弥一が姿を現した際のご隠居の感嘆の声も、画面に描写される以上の存在感をもって現れる。このあたりの心情の揺れの描写は、全編を通じて「静かな」画面が貫かれているからこそ、映える部分であろう。

 出来ればこのままの演出姿勢で貫き通してほしいとは思っているが、ラストで弥一の過去に関わる何かが動き出しそうな気配。今回以上に動きの多い展開になったら、今後はどうなっていくかな? 気になるところです。

 ちなみに、髪を下ろして行水をしていた政之助のところに弥一が訪れ、政之助が「あらまぁ、あなたが来るならもう少し身だしなみに気をつけてましたのに」とちょっとテレ気味で言ったシーンは…………腐女子向けのセッティングなのでしょうか? マサさん、なんでそんな恋する乙女みたいな顔するのよ! 

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 雨に濡れそぼつ第5話。今回は梅がメインのお話で、主人公(?)はどんどんやることがなくなっております。「特に何もしてないのに分け前をもらう」→「仕事先の紹介」→「住み込みの場所の紹介」ときて、今回はサナトリウムへの案内までしてもらっているというのに……野菜喰え野菜。

 前回ラストで描かれたかどわかしは、五葉が設立するきっかけとなった初めて物語。梅の個人的な腹いせに弥一が一枚噛み、面白そうだったおたけがのり、便利屋として松吉が呼ばれる、という流れ。この時点で、梅は単に仕返しのつもりでコトに及んだわけで、他の連中のように一大誘拐団になろうなどとはつゆも思わず。そんな梅が、ずぶずぶと五葉に沈み込む動機が、今回のメインテーマである。

 頼りない政之助視点もあって、梅というキャラクターのナイスガイっぷりがよく出ていて印象深い今回のお話。相変わらずうまいのは、やはり積極的に梅に絡んで過去話をせがむわけでもないし、梅自身もありがたみをうったえながら昔語りをするわけではない。あくまでさりげなく、出自や過去の過ち、そして昔の仲間との関わり合いなどのファクターを結びつけることによって、次第に梅という人間の内面が見えてくるという構成。例えば、気付けばわざわざ手料理を運んでやるくらいに政之助に入れ込んでしまっている梅だが、最初は頼りなさそうな政之助を相手に、つっけんどんな態度でちょっと怖い人くらいのイメージだったはず。それが気付けば一味の中でも一番気を遣ってくれるポジションになっているのは、やはりおたけの言葉通り、彼の世話好きが高じた結果。悪党であった過去があろうと、梅の本質は、一味の中でも特異な、純粋な善意である。

 そうした政之助との関係の変化を先に描いておくことで、メインのエピソードである仙吉との関係性もすんなり入ってくるようになってくる。梅にとって、過去の兄貴筋に当たる仙吉の窮状は他人事ではない。「自分が先に足抜けしてしまったせいで法度を破らなければならなかった人間が居た」「その人間も、今や自分と同じようにカタギの生活を望んでいる」といったシチュエーションを無視することが出来ず、自分のことを小童呼ばわりしていた仙吉に金を渡すことで、梅は「悪事に荷担することの肩代わり」を引き受ける。自分も娘が大事なので出来れば胡散臭い連中とは関わりたくないだろうが、それでも、現時点で行き詰まっている仲間を助けないわけにはいかない。この選択をしてしまうのが、優しい梅という男なのだ。雨の中の彼の描写が凄く真に迫っていて、画面をフレームアウトしそうになったりすることで現れる彼の歩速の変化や、いきなり肩を掴んで金だけを押しつける不器用さに、彼の逡巡と決断がきれいに表れる。いきなり押しつけられた仙吉のリアクションが、感動や戸惑いではなく、絶句だったのも印象的だ。この作品は、本当に雨がよく似合う。

 他にも、今回は松吉と梅の関係性がちょっと不思議なバランスであることも面白い描写で表されていたり、ご隠居の器の大きさが台詞の一言一言からにじみ出してきたり、丁寧な描写が心に染みる。雨の縁側で仙吉を見下ろすご隠居が、いかにもオノナツメらしい、陰影のゴリゴリしたシャープなデザインで本当に迫力があった。いやぁ、惚れ惚れしますわ。

 今回のお話のおかげで、改めて「さらい屋」というのがあくまで「裏稼業」あるという当たり前の事実がはっきりと確認出来た。普段も政之助が渋っていることからきれいな立場でないことは分かっているわけだが、回も進んで、少しずつそうした罪の意識は薄れている頃合い。改めて「梅が苦渋の決断で裏の世界に身を転じた」ことが描かれることで、そうした「慣れ」に今一度のブレーキがかかり、「さらい屋」というこの作品の中軸のスタンスが見つめ直せる。なかなか上手い構成ですよ。さ〜て、来週のさらい屋五葉は? 

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  男の色香、というものについて少し考えてみたりする第4話。この作品の場合には、やっぱり櫻井孝宏のパワーってのが大きい気がする。今回のエピソードは特に弥一と他のキャラの絡みが紹介されるわけだけど、弥一×松吉とか、弥一×政之助で腐女子が叫んだりしないもんだろうか。

 前回の近江屋の一件で、政之助は当然の解雇。用心棒の依頼を受けて目の前で警護対象をあっさりさらわれているわけで、普通なら賠償請求されても文句は言えないような状況だが、ありがたいことに給料をもらってしまっている。敵を作らない人柄ってのは重要ですね。

 そして次なる斡旋先は、なんと弥一の居座っている女郎屋だ。一応用心棒という名目ではあるが、慣れない生活で身体までおかしくなってしまい、ただでさえ頼りない朴念仁が更に弱々しく。既に先生っていうよりも愛玩動物みたいな扱い。でもまぁ、これまで野郎ばかりでじっとりとした空気が漂っていたので、女郎屋の描写が増えて少しでも華が出れば視聴者としては嬉しい部分ではあります。まぁ、このキャラデザでは萌えとかとはかけ離れた世界なんですけどね。

 そして、今回はそんな政之助の右往左往している様子を描きながら、少しずつではあるが弥一という謎の人物にもメスを入れ始めた。冒頭で流れた松吉との出会いのエピソードは文句なしの色男であるし、その他おたけや梅などからも、「昔世話になったんだ」と口を揃えて証言されている。女郎屋の女将にも必要以上の金を渡しているので迷惑をかけている様子もないし、彼が敵対すべきは、世の理にちょっと反した、あくどい連中だけのようだ。前回までは「近江屋は単なるターゲット」という見方をしていたわけだが、今回「米の相場に関わっていた」という事実を明かしており、一応「義賊」としての立場もこっそり補強してある。

 今回面白かったのは、義賊としての五葉のスタンスもそうだが、歩き回って人の話を聞いている政之助は、特に五葉の内情に迫ろうという強い意志があるわけではないという部分。何となくフラフラと関係者を渡り歩いているうちに、少しずつ弥一という人物の外側から皮をはいでいくような状態になっている。義を重んじる人柄、たくさんの人達に恩を預ける人柄、そして自らを傷つけても飄々としている剛胆な人柄。そうした、弥一を形成する様々なファクターが、政之助というインタビュアーを経て、色々な角度から埋められていく。こうしてあまり押しつけの要素を作らず、少しずつキャラクターを掘り下げていくプロセスは、実に丁寧で好感の持てる作りだ。

 また、弥一自身が口を開かない「出自のこと」についても、いくらか遠回しながらも、面白い掘り下げ方がなされている。例えば「普段本当のことはなかなか話さない弥一が簡単にしゃべったということは、近江屋の一件は金目当てではないのでは?」と看破してみせた政之助に対し、弥一は「バカだから気に入ってるんだが」と独りごちる。政之助の勘が変なところで的を射てしまっていることを、さりげなく弥一に漏らさせるワンシーンだ。

 他にも、遊女達と政之助の話を壁を隔てた弥一が聞いており、「女の声は良く響く」と繰り返してみせるシーンでは、弥一が当然「イチさんの過去は知っているのか」だとか「お互い訳ありだから詮索は野暮ってもんだ」などと遊女達が言っていたのも、弥一に耳にちゃんと届いていたことを示唆している。弥一の発言によって政之助もそれを遠回しに牽制されており、結果的に政之助は「出自のこと」を口に出来ずに「人柄のこと」しか聞けなかったのである。このあたりの、やんわりとした腹の探り合いが、静かなテンポで(そして櫻井孝宏の重めの声で)展開するだけで、なんだかドキドキしてしまう。

 相変わらず静かで、重苦しい空気が支配し続けるこの作品だが、決して無駄な描写があるわけではなく、信頼と疑惑を持つ様々な人間関係が興味深い形で表出する仕上がりになっている。なんだかんだで、毎回楽しみではあります。

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  政之助の不憫さ、情けなさが救いようのない第3話。江戸時代でも現代でも、ニートになる人間ってのはそれなりの理由があるわけでね……

 いつの間にやら米問屋の用心棒として雇われることに成功した政之助。松吉の口添えがあったおかげとはいえ、これまでは口入屋で「用心棒にこだわってたら仕事なんかねぇよクズ」と鼻で笑われていたわけで、御店の庭まで進出していただけでもエラい進歩ではある。ま、単に時期が良かったんだろうけど。松吉が「腕は立つらしいですよ」と作り笑顔でごり押しするのを見ても一切の疑問を持たず、「良い人かもしれん」と惚れ気味の政之助。ほんと、どこまでも駄目な男。

 しかし、人畜無害も受け取り方次第では美点。気付けば御店で子供と仲良くなっており、そのおかげで誘拐計画が変更、実にスムーズに仕事が一件片付きました。五葉の皆さんからの評判は上々ですが、もちろん政之助本人は薬物大福喰って寝ていただけです。無駄にでかい図体を小さく縮こまらせる政之助の心中は他の面々も分かっており、おたけは「ほら、大福でも食べなよ」と死者にむち打つような素晴らしい嫌がらせを披露。梅もなんだか愉快そうでした。いい連中なんだけど、この底意地の悪さは政之助には苦痛だろうなぁ。一人だけいまいち納得いかない様子なのは松吉で、自分が色々と苦労して情報集めをしているのに、「新メンバー」の政之助は単に昼間はごろごろしておこぼれに与っているだけ。しかも自分が五葉だという情報すら初耳のようで、その常軌を逸した鈍くささにイライラしている。でも、本人にやる気がないんだから仕方ないよねぇ。

 ま、多分今回の一件でせっかく見つけた新しい用心棒の仕事も首でしょう。サブタイトルの通りに「徐々に巻き込」まれているマサさん、彼に本当の幸せが訪れるのはいつの日のことでしょう。今回のエピソードを見る限りでは、近所で子供の面倒見てる方がよっぽど性にあってそうだけどね。

 そして、断片的に挟まれた重苦しい回想シーンが、今後の展開や、五葉のメンバーの心理面に大きな影響を与えそう。最初は今回誘拐された子供の話なのかと思ったのだが、どうやら幼い頃の弥一の記憶らしい。弥一を誘拐し、一歩間違えば殺されるところまで陥れたのは、また別な「弥一」という男。両親に裏切られた弥一の生い立ちは、同情すべきものなのか、忌むべきものなのか。単なるのんびりニート侍物語で終わる作品ではないようです。

 今回も、執拗に描かれる「江戸の日常」の風景が目に優しい。町を行き交う町人のモブの描写にもこだわりが感じられるし、少し皮が厚めの大福なんかの小道具も、気が利いている。また、あまり斬った張ったで見せる作品ではないので、政之助の人柄に合わせたのんびりした作劇が終始意識されており、例えば政之助が階段を転がり落ちるシーンなんかは、普通に描けばいいのに意図的にカットして「動き」や「騒々しさ」を排除している。こういうこだわりは、本当に見ていて楽しいです。

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  相変わらずじっとり、しっぽり進んでいます第2話。この緊張感を維持しながらもゆっくりと流れる空気は、なかなか他の作品には無いものですな。

 五葉のメンバーと顔合わせを終え、次第に政之助が引きずり込まれていく様子を描く今回。何とも奇妙なのは、弥一以外のメンバーは政之助の「役に立つ部分」を見ておらず、本来なら情けをかけてやる必要が無いという点。梅の態度なんかはそれが分かりやすくて、最初はひどくぶっきらぼうな接し方をしており、おたけとの関係を見て味噌汁をこぼしたり、色々ときつくあたっているシーンも見受けられる。しかし、おたけは最初から政之助に対して親しげに接していた。これは彼女の人柄もあるだろうが、単にウブな政之助をいじるのが楽しかった、というのもあるだろう。

 そんな微妙な立ち位置の政之助が少しずつ打ち解けていく最低限の条件となったのは、やはり弥一の信頼だろう。弥一に言われたからこそ梅も邪険に扱うことが出来なかったわけだし、おたけも彼の太鼓判があればこそ、政之助で遊んでみようという気になったはず。五葉という組織の中心にはやはり弥一という厳然たる存在があるということを、少しずつ人間関係を解題しながら伝えてくれている。

 きっかけさえあれば、人畜無害の政之助との関係性は次第に良いものへと変わっていく。梅もいつの間にかあれやこれやと気にかけてくれるようになっているし、落ち葉拾いをするおたけとの関係性も、最初の頃よりもずっと自然なものになった。当人はまだメンバーになるという踏ん切りはついていないようだが、弥一の手練手管で丸め込まれる流れを見ると、あの店に腰を据えるのもそう遠い未来ではなさそうだ。

 で、この政之助のスタンスだが……現代でいうなら完全にニートのそれ。派遣切りにあって職を探すも余計なプライドが邪魔して職種を選んでしまって八方ふさがり。今回は五葉へ加わることへの抵抗感から渋々人足の仕事にも就いてみたが、やっぱり駄目。普通に考えると、自宅を警備して最期を迎えるタイプの人間。それが気付けば悪党共の集団に丸め込まれ、片棒を担ぐようになっているという……結構まずい流れだ。幸い五葉は「いい奴ら」だったから良かったものの、一歩間違えたら転落人生まっしぐらじゃないか。この情けなさは……実に共感が持てます。江戸を舞台にしたニートの社会復帰物語。それがこの作品なのかもしれません。

 相変わらず四季を感じさせる美術がきれいなこの作品。今回のコンテは宮地昌幸氏。少しずつ固められていく江戸の雰囲気が、いい感じに身に染みます。

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 最後の最後まで、そのしたたかな演出プランを貫き通してくれた最終話。9話ではこれまでの流れを断ち切って「他のキャラクターと繋がらない主人公」を描き、10話では「繋がっていたのに描けなかった主人公」を描き、最終話はどんな主人公かと思えば、なんと「精神病に至る手前の主人公」であった。精神疾患という難しい題材をコミカルに扱い続けてきたこの作品だが、きちんと最後の最後で意味のあるメッセージを送ってくるあたり、実に如才ない。

 今回の主人公・津田英雄(古谷徹)は、6話の主人公、津田雄太の父親。6話でも一言だけ台詞があって「なんで古谷徹なんだろう。無駄に豪華だな」と思っていたら、ここでその真価を発揮してくれたことになる。

 英雄は、救急病院の責任者として日々命の現場に挑み、責任を持って仕事を全うしながら、部下への気遣いも忘れない仁の人。回りからの信頼も厚いし、医者としては申し分のない人物。しかし、そんな彼もご多分に漏れず家庭に問題を抱えており、コミュニケーション不足の息子は「ケータイ依存症」になってしまっていた。そして英雄自身はというと、今のところ具体的に病名のつくような疾患は患っていない。その証拠に、伊良部に注射を打たれたあともシンボル変化はなく、画面上に病名も表示されない。しかし、伊良部はそんな英雄を見ながら、「普通の患者なんかよりもこーいう普通の人が一番めんどくさい」と言ってのける。そしてその言葉通りに、英雄は何とか自我を保ちながらも、どんどん「めんどくさい」状態へと突入していく。

 実際のところ、トイレの個室に籠もって家族への不平不満を爆発させる英雄は、終盤には充分「病気」と断じてしまっていい状態になっていただろう。叫んでストレスがはらせる内はまだいいのだが、22日の時点では呼び出しを続ける携帯を見て患者の問診中に露骨に顔をしかめているし(そういや病院で携帯って大丈夫なのかな)、24日になると、ついに堪えきれずに問診中にもかかわらず電話に文句を言い始め、あげくトイレに籠もるという、職場放棄に至っている。ここまでくると、単なるイライラではなくて充分に「病気」だ。

 そして、そんな彼の病気のシンボルは、実は現れていた。それがトイレの個室でグニャグニャと落ち着きなく変化する彼の面相、つまりは「子供」である。これまでの患者達も、注射を打たれることによって自らの症状を象徴するような動物に変化してきたが、今回の英雄の場合は、嫌なことを他人に押しつけて逃げ道に駆け込む、「幼稚な子供」こそがそのシンボルである。注射を打たれて数日、彼の「症状」が進行したことで、「子供」は表面上にあふれ出した。

 今回、伊良部はこれまでのように画期的な治療でもって英雄を治療することはない。臨界点を突破した英雄に自分の現実を突きつけ、家族への姿勢を考え直すように諭しただけだ。画面の中では黒くよどんだ彼の体内に手を突っ込んで「膿」のようなものを取り出す描写はあるが、これまでも超常的な治療は行わなかった伊良部のこと、あくまでショック療法で彼の中の病巣を取り除いたことのメタファーと捉えるべきだろう。これにより、彼の中に溜まっていた「病気の根源」であるどす黒い染み(彼のイライラを集積させるトイレに堆積していた)は取り除かれ、英雄は子供から大人に戻る。ある意味、発症から治療までの期間が最短の例と言えるかもしれない。

 今回も色々と感心させられた部分が多いのだが、メインプロットで特筆すべきは、やはり津田親子の関係性だろう。6話の時点では完全に「息子の責任」だと思われていたケータイ依存症だが、今回のエピソードにおける津田家の食卓を見ると、実はその根本的な問題が英雄の方にあったことが分かる。息子の雄太にとって、携帯は父親を仕事に束縛し続ける目の敵。英雄は「食事中に携帯を使うな」と注意した直後に、自分は仕事場からの電話に出て食事をないがしろにするし、雄太に注意するときも、一声かけただけですぐに携帯に注意を向けている。父親の逃げ道である携帯を見て、息子も同じ「症状」へと逃げ込んだ。

 そして、こうした津田家の「崩壊の兆候」を、端的に表現したのが今回の「カナリア」という題材であった。伊良部の言う通り、雄太という存在は英雄があらゆる物事に縛られて、精神的に危うくなることの危険信号として働いていた。仕事に追われ、家庭を顧みなかった男のために、まずその家庭で最も過敏である息子が歪む。雄太が歩く道すがら、カナリアが息絶えたのは象徴的なメタファーである。これまで扱ってきた様々な「症状」。それらはあくまで結果であり、そこに至るまでの経緯は当然全てについて回る。事後治療は伊良部の専門だが、それ以前の「環境」にまず目を向けよ、というのが、この作品を通じての最大のメッセージだったわけだ。なかなか小利口なまとめ方ではないか。

 今回のエピソードは、序盤はおおよそ見たことのある津田家のエピソードだし、これまでのような時系列ネタで面白い部分も少なくて「なんか地味だなー」と思っていたのだが、Bパートの怒濤の展開は圧巻。トイレで叫び回る英雄の狂気を孕んだ様子は、これまでのどの患者よりも危険で、真に迫っている。いつも通りの展開だが、これはもう中の人を褒めるしかない。そしてこの英雄の暴れ回るパートは「主人公の顔が実写」という仕込みが最大限に活かされたシーンでもあり、大人から子供へとコロコロ体型の入れ替わる英雄の外見に、非常にえげつない形で古谷徹の実写の顔が絡み合う。体型は幼児なのに顔だけ実写のおっさん。しかもその顔には引きつった笑顔。このビジュアルは強烈だ。古谷徹には申し訳ないが、最大限に実写を活かした「気味の悪さ」が出ていた。この効果は頻繁に顔出しでテレビに出演している古谷徹だから得られた効果とも言えるかもしれない(また、古谷は離婚経験者でもあるため、作中の「家族なんか持つもんじゃない!」という英雄の叫びも何となく深読み出来てしまう)。他にも、今回はラストということもあってマユミちゃんが色々と活躍し、最後には雄太の頭をポカリと叩くのだが、実写と作画の絡みがなかなか面白い形で出ていた。

 どんな風に幕を下ろすのかと気になっていた今作だが、尻すぼみすることなく、最後まで非常に楽しく見させてもらった。ただ、今回のエピソードのおかげでこれまで画面の端々に映っていた「カナリア」の含意が分かってしまい、「ひょっとしてもう1回最初から見直さないと全部の伏線が回収出来ないのではないか」と戦々恐々ではある。まぁ、最終話の感想は「父親が古谷徹で母親が井上喜久子って、どんだけ贅沢な家族やねん」だったけど。 

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