最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「うちタマ?!〜うちのタマ知りませんか?〜」 5 ケモナー!やっちまえ!ケモナー!ぶっつぶせ!ケモナー!いてこませー!ケモナー!いっちまえーーー! まだケモかー! 今期はこれで3本目かー! 怖いよー! なんか怖いよー! まぁ、単なるケモとは区別する必要はあるだろうけど、久しぶりにこんなカオスなコンセプトのアニメみたな……。「うちのタマ知りませんか?」って、実はかなり古い商品ブランドで、何を隠そう私も幼少期は割と触れていた。小さい頃は一番仲良く遊んでたのが妹ということもあり、ぬいぐるみをはじめとするキャラグッズがそれなりに家にあって、キャラ名はちゃんと全部言えたし、割と設定のディティールまで知ってたはず。流石におっさんになってすっかり忘れていたが、今回改めて観て、「新聞屋さんの猫」とか「銭湯の猫」とか「あ〜、そうそう、そんなんやった」とずいぶん懐かしく感じたものだ。ちなみに当時の俺はベー派、妹はノラ派でした(以上、我が家の貴重な個人情報)。 で、そんなわけでなまじ知らないわけでもない作品。最近もショートアニメなんかが作られていたことは一応知ってたんだが、わざわざ録画するのも面倒だったのでそういうのは放置していた。そして今回、擬人化企画が進行してるぞ、なんていうのも噂では聞いていて、正直、「ハァ!? なんやねん擬人化って? しかもタマがショタ味溢れる男の子ってどういうことやねん、キモいわ。はーキモいわ」と思ったり思わなかったり。今回わざわざノイタミナでの放送になると聞いても、そんなもんは見られたもんじゃないと思っていたが……。 ケモとヒトの同時進行形式とか斬新すぎるやろ。なんやねんこれ。てっきり擬人化した新たな世界でのifの世界の話なのかと思っていたら、あくまで筋立ては普通の「タマ&フレンズ」。人間もいるし、設定もそのままの日常アニメ。それなのに、時折(というか大体は)人間形態のタマたちが表示されてパフォーマンスをするという構造。そして、思い出したように元のアニマルモードへと変形する。なんやねんこれ。中途半端といえばそうだが……どういう概念がこの世界に干渉してこうなってるのかもよくわからん。ベースが普通の世界なのだとしたら、擬人化後の映像は「あくまでイメージです」ってことなんだろうか。まぁ、細かいことを考えてもしょうがないのは間違いないだろうが……。 そうして出てきた擬人化後のメリハリ効きすぎたキャラクターたち。こうなると、もともとあった長い歴史のコンテンツとしての力が意味を持ってくるかもしれない。バックグラウンドがブレないため、多少無茶しても世界はそのまま。動物形態に戻った時の丸っこくてちょっと主線を太くしたデザインなんて本当に慣れ親しんだシリーズの造形そのものなのである。この変幻自在のイメージチェンジを駆使するだけで、他には無い珍妙な空気が生まれるのは味わいといえば味わいだ。悔しいことにどっちのバージョンでも割と映像がしっかりしているので、アニメとしてはすんなり見られるっていう。キモいのは間違い無いんだけどな。ノラが渋めの梶ボイスで喋り出した時には爆笑したわ(キャストが無駄に豪華なのなんなの)。 とりあえず、今作を見てベー派はやめます。コマさんのファンになります。
PR ○「はてな☆イリュージョン」 5 完全に好みの話になるんだけど、オープニングとエンディング逆でよくない? イントロだけでそれとわかるZAQサウンドに歌って踊れる邪神ちゃんのコラボが実に痛快なエンディングが好きなんだ。鈴木愛奈、ランティスの中では確実に推されてるなぁ。 「迷い猫オーバーラン」や「ぱいこき」、そして「メルヘン・メドヘン」で知られる作者のさらなる作品。この人、亡くなってすでに3年も経つのに、こうしてコンスタントに新作アニメが作り続けられるのはちょっと他では見ない現象なのよね。短絡的に「亡くなった人の名義で勝手に商売してるんじゃ?」みたいに気色ばむ風潮もあるが、どうやら没後の展開を見ると、生前にきっちりプロダクションとしての組織化を完成させていたがための展開なんだろうね。いうたら手塚治虫と同じような形だから、そこに文句を言われる筋合いもないわな。まぁ、だとしても「メルヘン・メドヘン」はどうなんだって話ではあるが。 そんな少し前の時代のラノベが原作らしいが、それこそ「少し前のラノベ」といってしまえば全てが片付くような作品。主人公とヒロインの関係性、ヒロインの造形、諸々の舞台設定と、全てが懐かしさを感じられるような潔いテンプレ。メイドの性格にちょいひねりが加えられているくらいだが、こうしたオタク文化に馴染むデザインも、数年前の時点で定番といえば定番か。当たり障りのないスタートなのであまり今後の視聴意欲をそそられる部分はないのだが、作画部分についても大きな減点はなく、逆にオープニング映像やエンディング作画など、本編と関係ないカット割りに不思議とひきつけられる部分がある。こういう細かい部分で「ちょっといいな」って思える作品は、もしかしたら今後の作り込み次第では評価が伸びる可能性はある気もするんだよね。おそらく視聴しててもほとんど情報負荷はかからないだろうから、横目で少しずつ追いかけるくらいで構わないだろう。 興味深い話題があるとすれば、今作の制作スタジオであるChildren’s Playground Entertainmentは、調べてみたら中国系企業、bilibili動画の系列会社であるらしい。実際、エンドクレジットでも明らかに中国人名義のスタッフが多く参加していた。これまで「中国アニメ」といったら独特のクセが強くて、良くも悪くも「やっぱ日本と違うなー」と思わせるものが多かったが、本作の場合、言われなければ「中国資本の会社やで」ということに気づく人は少ないだろう。まぁ、別に気づく必要もないのだが、こうして着実に中華資本が日本で放送するアニメの制作にも大きな影響力を持ち始めているという実情が、いよいよ地上波アニメでも確認できるようになっているのである。 別にどこの国が作ろうとも良いものは良いので気にしないが、今後の日本のアニメ業界がどうなるのか、そうした動向を伺う意味でも注目したいところである。 ○「空挺ドラゴンズ」 5 このタイトルは「中日ドラゴンズ」みたいなドラゴンを象徴としたチームっぽく見えるけど、その実態はドラゴンを狩る側……ゴーストバスターズが「ゴーストズ」って名乗るようなものか? まぁ、そんな些細なことはどうでもいいけどポリゴンピクチュアズ作品である。これまで「BEASTARS」のあとに散々CMを流していたのでどういうものが来るかはわかっていた気がしたが、何となく画面の雰囲気からオリジナル作品なのかと思っていたけど実際は原作ありだった。まぁ、ピクチュアズ製のアニメは「亜人」にしろ「シドニア」にしろ、原作から離れた独自路線の映像になるからあんまり「原作モノっぽさ」が残らないんだけども。今作は原作の絵がどんな風なんかなぁ。 なんか色々と見たことがあるような気もするけど、はっきり何かと言われると難しい作品。直近だと「荒野のコトブキ飛行隊」が一番近い気もするのだが、雰囲気だけを見ると何かもっと近いアニメがあるような気もする。何となく思い出したのは「忘念のザムド」あたりなんだけど……あそこまでドロドロとダークな部分はないのかな? 印象的だったのはやたらと気合の入っていたドラゴン肉調理シーンで、ドラゴンの肉なんて食べたことがあるわけもないのに、何だか無性に美味しそうには見えた。そういう意味ではポリゴンピクチュアズも細かいところで技術革新が進んでいるのかもしれない。もしくは、今作の制作チームだけそういうディティールにこだわって描けるクリエイターが参加しているとかかな。 本当に「導入」だけで終わったのでどんなストーリーになるかも想像できない作品ではあるが、それだけ導入をじっくりやってくれたということなのだろう。クルー全員を覚えようとしたらとてもじゃないが無理な相談だが、おそらくメインとなるクルーはそこまで多くないはずだ。おまけにそれなりに金のかかったわかりやすいキャスティングになっているため、キャラが見づらくて悩むということはあんまり無かった。あとはこうして紹介したクルーたちの中で見やすいドラマが作れるかどうか。そういう意味では「グランブルーファンタジー」と大して変わらない導入&ポテンシャルといえるかもしれない。CG部分については……まぁ、いつも通りとしか……今作で力を入れるべきはダイナミックな空戦描写になるわけで、人物中心のシーンで多少適当になっても構わない気もするけど、CGだと適当もクソもないんかな。いや、ちゃんと見られるならそれに越したことはないんだけどさ。やっぱりしばらく見てないとこのCGは違和感が強くなっちゃうんだよなぁ。
○「宝石商リチャード氏の謎鑑定」 5 現代の日本語感だとさ、このタイトルって「謎を鑑定すること」じゃなくて「謎すぎる鑑定行為www」っていう読みが出てくるんだよな。何だその謎理論。 ひじょーに渋い題材の、ひじょーに渋いアニメである。こうしたミステリ的題材を扱うアニメはちょいちょい登場するが、メインで殺人事件なんかを扱わない「日常の謎」の場合、アニメではどうしても空気になりがち。今作もそういうリスクははらみつつも、第一印象は決して悪くない、いや、むしろ良い方である。すごく身の丈にあった、すっきりしたデザインの作品だ。 制作が朱夏ってのは若干の懸念材料ではあるが、1話目の映像部分に問題はなし。割と顎尖り気味のキャラデザで、オープニング映像を見てるといわゆる「男同士の強めの感情を描いた作品」(オブラート)なのかしら……ともちょっと不安になったが、少なくとも1話目を見た限りではそうしたテーマは(ゼロではないだろうが)そこまで中心的な要素ではなさそうだ。むしろ、プロフェッショナルのクールガイにちょいアツめの主人公が重なるバディものとしての味わいがよく出ていそう。あまり動画部分でのディティールにこだわるような作品でもなかろうし、せいぜい話の進行を邪魔しない程度に整った映像を維持してもらえば、あとは構成と演出で引っ張ることができるだろう。 そうなれば、あとは本当に脚本部分が面白いかどうかだけが問題だ。1話目のお話は、綺麗に30分に収まる程度の「ちょっといい話」。そりゃま、多少御都合主義のきらいはあるが、別にそこに目くじら立てるようなものでもないし、一本の人情話として問題なく成立している。少なくとも京都どこそこのホームズのように設定そのものに突っ込み要素があるわけでもないし、「宝石というモチーフを中心に据えたドラマ」としてはかなり見やすい。あとは2話目以降、ここに宝石のうんちくや宝石商の技術のお話を少しずつ盛り込みつつ、プロフェッショナルな部分を個性として発揮してくれればいい。普段我々がさっぱり触れない「宝石」というテーマなので、使い方次第では色々と楽しいお話が見られそうである。 ところで、自分の母親のことを名前呼びする家庭ってどうなんだろうな……まぁ、正義の場合はばあちゃんとの生活が長かったから、自然とそういう呼び方が馴染んだのかもしれんが。
○「インフィニット・デンドログラム」 5 ん? デンドロビウムがなんだって?(難聴かつ乱視) 何だかどっかで見た要素をつぎはぎしたようなタイトルだし、どっかで見た要素をつぎはぎしたようなアニメである。 確認したらこれもなろうなのかぁ。今期なろうアニメは異世界に転生せずにあくまでもゲームにログインしているだけってことになるな。知ってるよ、この世界では最初に防御力に極振りした後に毒竜を食えばチート能力が手に入るんでしょ? まさか、こんなに短期間で「初心者がひたすらポーション開けまくって回復しながら耐える」という展開が被るとは……なろうチームはもう少しアニメの放送タイミングとかで気ぃ遣ってくれないもんなんですかね。それとも、単に流行り廃りの問題で似たような方向性の作品が同時期に人気になって、同時期にアニメになるんですかね? よくわからん現象だ。ちなみに今作は「井澤詩織の猫キャラアニメ」というのも被ってたりするのだが、そこはまぁ、むしろ良い。しーたむは猫だ。 ただ、なろう系だの被りだのとやいやい言っては見たが、不思議と今作の1話目にはあんまり抵抗はない。最初からゲームだと割り切ってるので余計なツッコミ要素はないし、その上で「AIだとわかっていても、なんだか寝覚めが悪い」っていう非常に曖昧かつ感情的な理由だけで、「どうせゲームじゃん」という批判を吹き飛ばしながら素直な主人公が行動している。一応「AIも進歩してるから自分で思考できるし、現実の存在と変わらんよ」という予防線も張っており、主人公たちが単なるゲームバカになりかねないところには注意も払っている。まぁ、AIが進歩しすぎて(しかも時間の流れが早い状態で)新たな世界を築いているのだとしたら、それって完全にアリシゼーションなわけだが。しょうがないよな。ナーブギア被ったら誰だってそういうことになるしな。ちょうどSAOが中休みしてる間にMMOアニメを2本同時に駆け抜けさせようって魂胆なのかしらねぇ。 そんなわけで、特にゲーム要素とかは強く出さず、「よくわかってないファンタジー世界でクエストこなすよ」というだけのお話になった。まぁ、ステータス画面とかレベルの概念とかがあるので結局なろうはなろうなのだが……今後どういう方向で差別化を図っていくかが勝負でしょうね。1話目では悪感情は抱かなかったが、特に引っかかる部分もなくてそのままフェードアウトっていうのは充分あり得る話なのでね。掴める部分があるとするなら、主人公のチートの見せ方ってことになるんだろうが、結局女の子頼みの展開になってしまったので、その部分はがっかりではある。チートに理由がないのはしょうがないけど、こんな雑なゲームバランスでいきなり初心者が勝っちゃったら、他のプレイヤーが引退待った無しなのでは? まぁ、どこぞの盾娘も同じことが言えるのだが……あっちは「偶然強くなっちゃったー!」っていうのがわかるように書かれているからいいけど、こっちの主人公がやたら強い女の子兵器を手に入れたのは本当にラッキー以外の何物でもないからな……大丈夫かな……。 書いてたらだんだん不安になってきたけど、ほら、監督が小林智樹っていうのはプラス要素だし。きっと大丈夫。大丈夫だと思う。大丈夫じゃないかな。まちょと覚悟はしておけ。
○「ネコぱら」 5 猫耳娘がメイド服でスイーツショップを経営しているとな? そこそこキュアマカロンの領域だな……。 まだまだ押し寄せるケモな流れ。ほんと、何か大きな力が働いてるんじゃないかと思うくらいに一気に来てるんだよな。「猫耳娘なんてテンプレみたいなもんだろ」と思われるかもしれないが、じゃぁここ最近のアニメで「猫耳」を押し出した作品があったかって話で。しかも今作は「猫耳娘」じゃなくて「猫」なんだよ。なんなんだそのこだわりは。 あまりにも潔く、中身よりも見た目で勝負を仕掛けてきた作品。きららアニメが変質を果たした現代、かつては脳死アニメの代名詞だった「美少女動物園」も、それほど脳死状態ではなくなった感がある。しかし、そんな現代アニメに息苦しさを感じたかのように、ここにきて全力で脳を殺しにくるアニメである。どこぞのうさぎの街の喫茶店同様、ここは猫の街のスイーツショップである。こころにゃんにゃんするかもしれない。しないかもしれない。 はっきり言って、目立って見るべき点はない。どこまでいっても本当に単なる「猫耳娘」だし、「猫の原点に近づくかのような描写」がもっとあるのかと思ったら、別にそうでもない。せいぜい喧嘩シーンを見て「これ、アフレコ現場楽しそうだな……」って思う程度だ。せっかく微妙なところで「猫の生態はこうだから」みたいなネタ振りしてんだから、せめて喧嘩シーンはネコキックの応酬くらいしてほしかった。なんで取っ組み合いでマウントとってんねん。そんな猫おらんやろ。他にも都合のいいところ(?)では猫になり、それ以外は女の子になり、BEASTARSの爪の垢を煎じて飲ませたいが、飲ませてあんな作品になったらそれはそれで困る。多分正しいツッコミは「5分枠でやれよ」だと思う。 ただ、そうして「何もないなー」といっそ晴れがましい気分で見ていたら、最後の最後でちょっとストーリーが動き出した。一応、前に進む部分もあるみたいだ。そうしてみれば、実はこの導入の1話目は案外悪くない。何しろあれだけ大量の猫が出てきたのに、特にキャラの多さを苦に感じることもなかったからだ。最初から大量の猫を出すにしても、一度2チームに分けて「メインとそれ以外」がきっちりわかるようにしているのでストレスにならなかったのだろう。このあたりの「中身がなさそうなものでも可愛ければ何とかできる」っていうのは山本靖貴監督の本領発揮ポイントなのかもしれない(イカよりは描きやすいだろうよ)。まぁ、この調子で視聴のモチベーションが1クール保つのかと言われれば甚だ疑問ではあるが、せっかく番組後に実写猫コーナーまでいれてくれてるのだから、せいぜい猫好きが満足できる作品になることを祈ろうではないか。個人的な希望として、どのキャラよりもずっと本人の方が猫っぽい井澤詩織に実写パート参戦させてください。猫耳メイド姿で。 それにしてもポン酢売ってる店遠いな!!!!(突然思い出したのでつっこむ) ○「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」 4 まず気になったのがキャストロールでモブとかモンスターを全部担当している「松井暁波」という名前だったので試しに検索したら、何とあの鷹森淑乃の娘さんだってよ……。それが今作を見て一番驚いた話です。二世声優、着実に版図を広げている……。 さておき、多分観た人みんなが「デバックせーよ」と突っ込まずにはいられなかったであろう作品。私もそうだった。ちなみに私の場合、漫画で読んだ時にそうだった。つまりこいつも「慎重勇者」同様に原作既読である。ただし1巻だけ。うん、すまない、いつもの漫画喫茶なんだ。そういうもんやねん、私の行動パターンってのは。今作は幸い「ダーウィンズゲーム」と違って読んだことははっきり覚えており(割と最近だからな)、漫画で読んだ感想とアニメ1話の感想はほぼ一緒。「デバックせーや」である。違う部分と言ったら「わぁい、楓役の楓ちゃんの声だー」って思える部分くらいだろうか。同名キャラやるときの声優さんってどんな気持ちなんでしょうね。まぁ、逆に自分と同じ名前のキャラの相手役だったときの方が変な感じになりそうだけども(たまに見る図だ)。とにかく、誰もが思った通りに「どないやねんこのゲーム」ということばかりで頭がいっぱいになり、そこから情報は進まない。 ただ、これはこれでおっそろしく潔い設定ともいえる。チートをチートらしくして、なおかつ嫌味にしないための手段として、今作は「本人に悪意も害意も功名心もないから、強くなっててもピンとこないし、周りの人間が別に不幸にならない」というデザインを取っている。異世界転生でもないし、命がけのデスゲームでもない。本当に単にネトゲに潜ってチートできゃっきゃしているだけのお話。それが面白いのかと言われたら至極微妙ではあるのだが、角が立たないのも事実である。角が立つとしたらそれは主人公への文句ではない。「デバックせーや」しかないのである。 いわゆるラッキーマン的展開で、やることなすことがたまたま全部うまいこと働いちゃったもんだからゲームの制作側の意図を突き抜けたチート能力を手に入れてしまうという設定自体は別に不満はない。万に一つくらいはそういう可能性が無いとも言い切れないし、別に嘘だったとしても「そういう話」なのだからしょうがない。あとはそうして手に入れたチートを使って、この後どんなドラマが広がっていくかというのが問題である。だって、普通に考えてエンドレスチートが面白くなるはずもない。それこそ「慎重勇者」で持ち出したような、「全体でどんな物語を作れるか」っていう話。そして、今作は多分そのゴールは特に見据えていない。まぁなぁ、女子高生がネトゲやってるだけの話にドラマもクソもねぇよなぁ。 ちなみに今作は大沼さんが監督で製作がSILVER LINKといういつものチーム。なんかもう、こういう仕事ばっかり回ってくるようになってしまったな? ここはもう、開き直ってそういう道を極めるしかないのだが……1話目はただひたすら主人公が自己満足プレイを繰り返すだけの展開なので山もなければオチもなくてなぁ……周りで見てるプレイヤーのチャット部分なんかはアイキャッチとかで一気に飛ばす処理にしたようで、そういう端折り方や見せ場の強調の仕方が今後吉と出るか凶と出るか。奇しくも、似たようなチートにがっつりシリアスドラマも組み込んだ前クールの「平均値」とは好対照をなしそうなので、大沼VS太田という監督作品対決がどんな結果になるかは見ものである。
○「プランダラ」 4 なんだろ、このよく分からない「刺さらなさ」は……見れば見るほどにどんどん冷めていくような不思議な感覚はあまり感じたことのないものだ。自分でも言語化しにくいので点数は最低限のものにしておくが、第一印象はかなり難ありです。 あの「そらのおとしもの」の作者の作品。クレジットでそれを確認して「おっ、懐かしいな」と思い、キャラ絵を見て「確かに面影あるな」と認識。さらに監督に神戸洋行の名前を確認してこちらも「おっ、懐かしいな」となり、なんだか良さそうな要素が多いんじゃないかと期待した。そして、その期待の落とし所が見つからない。この作品は……ここから面白くなるんだろうか? 自分でも何が刺さらないのかは判然としていないが、個性を発揮するための設定がいちいち釈然としない。数字の設定と世界観がかみ合っているように見えない。第1話なのだから何も分からないのは当然のことで、今期だって「ID」のようにさっぱり分からないけどあまり気にせず見られるアニメもあるというのに、今作の場合、「説明すればするほど分からなくなる」という奇妙な現象が起こっている。まぁ、その説明すらも作中のキャラがしゃべっているわけで、もしかしたらどこかに大きな嘘が混ざっており、それが齟齬を生じさせている(つまり意図的に作者が作り出している違和感である)可能性はあるのだが……どうかなぁ……。 手っ取り早く例を挙げるなら、最初にヒロインがカウントのことを説明されるくだりに強烈な違和感があった。酒場の主人から数字の話が出た時に「カウント?」みたいな反応をして「あんたそんなことも知らないのかい?!」と驚かれていたのに、話が進んで「あんたは何をカウントしているんだい?」と聞かれた時にはすらっと「歩数だと聞きました」と答えが出てくる。他にも数字の大小関係を知らないとか、肝心の尋ね人の情報をこれまでの長い長い旅で一向に集めていないとか、この子の持っている知識状態が全然イメージできない。 また、世界設計自体も釈然としない部分が多い。一番の問題は「数字の小さいものは大きなものに逆らえない」という謎設定で、こんなとんでもないルールがまかり通る世界なら、もっとずっと殺伐とした世の中になるに決まっている。人は、自分に逆らえない人間がいると知っているならそこに上下関係を生み出さないはずがないのだ。にも関わらず、女主人は77なんて大したことなさそうな数字をおおっぴらにひけらかして歩いている。しかもでかいおっぱいに貼り付けて。あんなもん、78以上の人間が出てきたらエロ漫画展開待った無しである。普通の感覚を持つ人間なら、自分の数字は極力見えないように隠して生きるはずだ。まぁ、そんなことをしても、出会った人間全てに片っ端から「数字を見せろ」「従え」と言えば従えられることになるので、無意味ではあるのだが……。「逆らえない」がどの程度の条項なのかがよく分からんのよね。 てっきりあの不良騎士がヒロインに命令された時に「そんなとんでもないルールがあるわけないだろ!」と開き直ると思って期待していたのだが、結果は「まぁ、そのルールは基本的に守るんだけどね!」というお利口さんの対応。その上で公式試合を挑むことだけが数字のルールの抜け道だとか言い出す。そんなもん、この世界で受ける人間がいるわけがないのに。つまり、彼はたまたま出会った女の子が数字のルールを全く知らない奇跡的な情弱田舎娘だったからたまたま助かったが、よそで数字の大きなちょっと賢い子に出会っていたらアウトだったのである。そんな奴が、大手を振って詐欺を働こうとするだろうか? まぁ、これらの疑問は全て今後出てくる情報で正当化される可能性はあるのだが……少なくとも1話目ではそうしたフォローの気配は匂わせておらず、「すげぇ適当に設定を繋いでるだけ」という印象が拭えない。うん、だいぶ言語化できたわ。胡散臭すぎて何を見どころに定めればいいのか分からないのよね。やたらと開脚シーンが出てきてパンツパンツ叫ぶことでごまかそうとしてるけど、すでに我々は大量のパンツが空を飛ぶシーンをたっぷり見ているわけで、今更そんなごまかしが通用するわけもない。うーむ、大丈夫なんだろうか……。
○「Number24」 4 オープニングのクレジットに出てきた「堂紫社大学」っていう表記を見て「これ、どうししゃって読むのかしら……」って思ったら冒頭で映った校門が2億%同志社で笑った。わぁい、京都にありがちな、聖地巡礼が超簡単に出来るタイプのアニメだ……。いや、別に巡礼しようとも思わんが。 狙いすましたようなラグビーアニメ。いや、もっと狙い澄ますならもう1クール早く放送すべきだった気もするが、それよりさらに1クール早く始めたラグビーアニメがおっそろしいクオリティで爆死したなんてことも風の噂で聞いたので、別に時期は関係ないのかもしれない。まぁ、このタイミングでラグビーが題材のオリジナルアニメが出来上がってきたのだから、どっかの誰かが手を回しているのは間違い無いのだろうが。ちなみに私はこれっぽっちもラグビーに興味がありません。最近はバラエティでもCMでもやたらラグビー選手が映るようになって「さすが日本」と腰の軽さに感心することしきりだが、だからと言ってラグビーに興味はわかない。 そんな状態で見るラグビーアニメ……かと思ったら、そんなにラグビーしてない。さらに次回予告では主人公自ら「次回もラグビーしないよ」と言い切った。その潔さは良いな。そして、なんと「怪我して一線を退いてマネージャーになった選手が主人公」という割と新鮮な設定。スポ根ものとしての取り扱いではなく、あくまで部員同士の心の交流を中心としたドラマを描こうという方向性の表れと見ていいだろう。これはこれで気になる設定である。しかも、わずか1話でマネージャーが増殖しやがった。なんやこれ、最終的に全員をマネージャーに落とし込むことが目標のアニメなんじゃなかろうか(どんな状況だ)。 色々興味を惹かれる部分は多いのだが、そうした部分から、「今作は男と男の間の行き過ぎた関係性をお楽しみいただくアニメです」(オブラートに包んだ表現)というニュアンスが見え隠れするので、現時点ですでに「俺は楽しめない奴やろなぁ」という気がしているので期待はしないでおく。これまで挫折した経験からして、あんまり興味が長続きしない設定だと思うんだ。スポーツの試合中心だったら見るべき部分も増えるんだろうけども……なんか1話目から面倒臭そうな野郎が大挙してるしな……。これで可愛い女子マネが出てくればもうちょい興味も湧くんだけど。そして制作スタジオはこれが初の制作元請という状態らしい。幸い1話は悪くない画面だったが、ここから飛び抜けたアニメーションが出てくるという期待もあまりなさそう。まぁ、興味が維持できる間は追いかけたいと思うけども。一応「オールアウト」は最後まで見られたはずなので、そのくらいの水準で収まってくれれば。 |
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HN:
Thraxi
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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