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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「3月のライオン(第2シリーズ)」 6

 無事に今期最後の新番組に到着した。ここまで見てきた新番組の本数は39。これに継続視聴の10本を加えた49本が今期視聴本数ということになる(ショートアニメのぞく)。スタート時点で50本を割ったのは久しぶりな気がする。取捨選択ができている証拠やね! まぁ、今期はもう少し途中でリタイアしそうな作品もあるし、あとは余力を見ての調整である。ただ、今期は逆に力がある作品も多いので、恒常的に感想を書きたい作品が何本あるかも気になるところだ。

 というわけで、こちらも余力があれば毎回しっかり見ていきたい作品の1つ。1期目も序盤は感想書けてたんだけど、途中から力尽きてしまったので少し後悔している。2期目もおそらくは1期と変わらない丁寧な作劇を見せてくれるだろうし、期待感は高いのだが、いかんせん金曜土曜はアニメラッシュが尋常じゃないからな……。もっと分散してくれればいいのに(個人的な都合です)。

 さておき2期目。一体どんなスタートを切るだろうと思っていたが、幸い鬱方向からの導入ではなく、零が多少なりとも明るい表情を見せてくれるお話からスタート。重たい話は本当に重い作品なので、最初くらいは明るいところから始めてくれる方が助かります。零が学校でどんな生活を送るかというのも気になる要素の1つで、「科学部と将棋部が合体」というとんでもない展開を迎えた前クールの時点で「これ、成立するんかいな?」と不安がっていたわけだが、科学部部長の野口君が想像以上の人格者であり、見事に将棋文化も科学部に定着し、さらに零が「部活」に参加できるほどに科学部の活動もフレンドリー。これまで川本家くらいしか癒しの空間がなかった零の生活に、新たな救いが生まれたのかもしれない。もちろん、川本家が人生最大の癒しであることは揺るぎないけども。

 他にも宗谷名人の対決の様子など、様々なシーンが多角的に描かれる本作、アニメーションとしての特徴は、多くの画風が1つの画面に同居し、様々な側面を違った風合いで見せてくれているということ。テレビをつけた時に映っていた謎画面は置いとくとしても、にゃー将棋のようなほんわかあり、ダイナミックショートケーキのようなガチバトル描写もあり、さらにオープニングやエンディングまで加えれば、本当に一本のアニメとは思えないくらいに刺激が多く、制作側が色々と工夫をこらしながら見せ方を考えていることがよくわかる。その上で、きちんと「羽海野チカ風」のデザインベースは守られているし、活かすべき要素は遵守しているのも嬉しいところ。改めて、シャフトの制作理念と相性の良い作品である。

 例の藤井4段ブームの時だけ放送時期じゃなかったり、なぜか微妙にはずしてしまったあたりが絶妙に勿体無かったが、あれから世間の将棋への興味関心は高まっているだろう。これを機に、多方面にアピールできる、懐の深い作品になれば良いと思いますよ。

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○「アニメガタリズ」 4

 猫踏むな、猫を。なんであいつら生の猫を踏んであんなに平然としてられるんだ。鬼か。

 うーん、アニメ語りというには何かがタリズ(うまいこと言った)。1話目では何をやるアニメなのかさっぱり分からなかったな。いや、そりゃアニメについてあれこれいうアニメなんだろうけども。そもそも「アニメについてあれこれ言うアニメ」ってなんだ。観たことないわ。そもそも主人公がアニメに詳しくないって言ってる時点であんまり語らないのでは。

 女の子が可愛くないわけではないのだが、全体的にキャラデザも動画レベルももっさりめ。確認すると制作はワオワールドという、私の中では「タイムトラベル少女」を作ったところという認識のスタジオである。うーむ、だとしたら映像のクオリティはお察しだなぁ。エンディングでなぜかCGダンスを披露しており、こちらはむしろ本編よりも出来がいいくらいのレベルなのだが、多分このお話でCGダンスが活きてくるようなチャンスもなさそうなのであんまり本編に影響はない。軽く調べてみても出自のよく分からない作品で、今後この世界がどこに転がっていくのかも予想ができない。「1話で全部わかる必要はない」ということはしょっちゅう言ってるのだが、魅力的だと思える部分が1つもなく、ただ「分からぬ」というだけで放置されて「1話切りするなよ」はなかなか酷な注文である。

 全体的にピンとこなかったのは映像部分が第一だが、それ以外にも、キャラの描き方がしっくりこないというのもあるだろうか。主人公の少女については、分かっているステータスが「なんか変な夢のアニメ記憶を気にしている」という1点だけであり、彼女がどんな性格で、どんな人生を歩んできたのかは現時点では不明。その上で何故か隠れオタクのお嬢と絡むことになり、完全なとばっちりだったにも関わらず何故か人助けのようにしてお嬢の部活設立を手伝う流れになっている。お前自身は何もやってないんだよな。モチベーションが全く理解できず、しかもやってることが「私は貴様らの活動に共感も何もないが、流れで全部手伝ってやるし、お嬢の部活設立は煽れるだけ煽っておく」という不可解な姿勢なのである。高校入学から一ヶ月経ったところらしいのに、あれだけ露骨にセバスチャンパワーを発動させていたお嬢の「金持ち度」に関しても今日初めて知ったような口ぶりだったし、そのお嬢も、ほんの小さな誤解から一気に自分の隠れオタクをぶちまけるというガードの低さで、この一ヶ月間、お前らはどんな接し方で過ごしてきたのかと疑問ばかりが湧き出てくる。正直、あんまりいい脚本だとは思えない。

 あとはまぁ、ここから仲間を集めて何かをするってことなんだろうけど……何するんだろうね……。作中に登場するアニメタイトルは全て架空のものだし、ここからリアルな「アニメ語り」なんてできるとは思えない。「ゲーマーズ!」がゲームを語っていたのと同じくらいの比率? それって「あんまり語ってない」って言われるレベルだぞ。そしてさらに猫が喋ったり、謎のベレー帽パワーがあったり……どんな世界なんだよ……。まぁ、分からんことしかないのだから1話切りせずに大人しく2話目を待つしかない。果たしてこの「保留」が吉と出るか凶と出るか。お嬢の「今期は何を観ていますの?」という質問に対してはとりあえず「全部」と答えて正面からぶん殴っていく覚悟である。

 中の人はフレッシュな面々ながらもメインキャストにはよく名を連ねる定番の陣容。本渡ちゃんの不可解なまでの安定メインヒロイン率はさすがである。そして地味に仕事をつないでいる東城日沙子。なかなか覚えられないんだけど、まぁ、やってるキャラの方向性は安定してるんだよな。

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○「いぬやしき」 6

 タイトル通りに(?)犬が可愛いアニメですよね。やっぱり和犬は可愛いんだよなぁ。将来おっきなおうちを買ったら柴犬が飼いたい。まぁ、その前にまず猫が飼いたいけども。

 原作未読で、なんかネットの断片的な画像とかで見たことがある程度の一番たちの悪い先入観だけ持ってる状態。まぁ、今作で見たことがある画像っていうとジジイがなんか言ってるやつと宮根が撃ち殺されてるやつだけなんだけど。ついでに言うと同作者の作品も一切見たことがなくて、つまり「ガンツ」も知らない。だからどういう作品を描く人なのかも全然知らなくて、「まぁ、宮根が死ぬ作品なんやろなぁ」くらいのイメージ(どんなイメージだ)。そんで1話目を見たわけだが……。

 なるほど、こういう作品なのか。ごめん、ちょっと笑った。いいね、いかにもノイタミナだね。と言うかノイタミナじゃなけりゃ絶対アニメ化しようとしない作品だね。最終兵器が彼女だったら他の局でも作ったかもしれないけど、「最終兵器じじい」って、そりゃ人気出るわけないもん。普通アニメ化しようとは思わねぇよ。あ、でも「アンドロイド山田」はアニメシリーズあるな……。正直、1話目前半のどんどん落ちていくところは「完全に山田やないけ……」って思って見てました。幸い、こっちのアンドロイドはヘソビーム以外も強そうだ。

 ここからどういう展開になるのかはさっぱりわからないが、1話目の怒涛の展開は素直に面白かったし、作品は無駄と思えるくらいに作り込まれている。何しろ制作スタッフがMAPPAとさとうけいいちなのである。つまり「神バハ」と同じ体制。さとうけいいち氏といえばタイバニにしろ神バハにしろ、とにかく凝ったデザインのハードな世界観をがっつり絵に構築するのがうまいという印象があり、さらに遡ると私の中では「ビッグオーを作った人」でもある。そんな人たちが、至極真面目にサイボーグジジイの映像を作ってくれているのだ。そりゃまぁ、無駄にゴツい。ある種似たような設定には「寄生獣」があった気もするが、あれとは全然違って、もう1話目のジジイ変形シーンがことごとくキモいし、それでいてなんともスタイリッシュ。原作絵もこうした硬質な絵柄が特徴の作品だろうし、このアニメ化はある意味で最高純度の技術力だと言えるだろう。なるほど、ノイタミナである。

 最大の問題は、この「ジジイ劇場」を今のアニメ視聴者が求めているのかどうかという部分だが……。求められてないだろうなぁ……。基本的に鬱々とした世界だしなぁ……。個人的には、このままジジイが溌剌と世界を正すための独善的なヒーローになったりする展開だったら楽しいのだが、まぁ、そういう作品じゃないんだろうな。すでに原作は完結しているみたいだが、特に話題になったような印象もないしな。アニメではどんな展開を見せることになるのやら……。

 中の人については、主役のジジイを俳優の小日向文世が担当しており、これがまたいい味を出している。わたしゃ専業声優のファンであるが、こういうしっかりした役者さんならがんがんアニメで仕事して幅を広げてもらって構わない。なお、あまりに特別待遇を受けているせいかキャストクレジットは贅沢に1人で1ページ使っており、そのせいで次にクレジットされてるすみぺがメインヒロインみたいに見えるのがちょっと笑える。娘役がすみぺ、息子役はあやちゅ。つまり、アフレコ現場のおっぱいが(略)

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○「干物妹!うまるちゃんR」 6

 まだまだ2期もの。いったいどれだけあるというのだ。今期は大沼心作品と太田雅彦作品が両方とも放送されるシーズンになったわけやな。

 1期が2015年ということで、今期放映の2期ものの中では比較的新しい方。それでも2年ぶりの新作ということなので久しぶりではあるのだが、太田さんと動画工房のチームはどれだけ時が経とうとも変わらないという安心感があるし、あと何よりも間に「ガヴリール」挟んでるせいであんまり久しぶりって感じもしない。よく見たらモブの中にガヴ(の中の人)おったやんけ。もしかして2つの世界は繋がっている可能性が?(なんの話だ)

 さて、久しぶりに帰ってきたうまるワールド。こうしてみると、「ガヴリール」とはだいぶ違うということが分かってくる。1話目は特にうまるがほとんど迷惑行為を働かず、割と「いい方の話」ばかりだったので特にその印象が強く、「ガヴは純正のクズだけどうまるは年相応の女の子として結構可愛いところあるんだよなぁ」という。あと、何よりもうまるの場合は周りにいる友達がみんないい子だからね。問題児だらけの天使や悪魔とはそこが一番違う。大爆笑するようなシーンこそ無いが、この「実は意外と素直で良い子たち」という要素も含めつつ、最終的に「お兄ちゃん大好き」の一言でごまかされながら、今季もうまるの奔放さに振り回されていきたいところ。やっぱりフォームチェンジを自在に操るうまるという生物は謎が多いよなぁ。

 正直、1期の時に比べると衝撃は抑えめなのだが、こればっかりは受け手側が慣れているというのも大きな要因なので比べるべきではないだろう。オープニングもやっぱり1期の方がインパクトあったよなぁ、という気はするが、そのぶん、今期はエンディングも割と愉快な映像になっているので総合点で勝負だ。ちなみに1期1話は監督自らコンテ演出を担当していたが、2期は副監督の大隅さんの手による。オープンエンドの映像を組み立てているのも大隅さんだったので、太田体制も少しずつ信頼できるスタッフに仕事を分散させる方向に動いているのかもしれません。別に違和感はないので悪いこっちゃないよね。

 中の人もこの2年で着実にキャリアを積んで安定感を増しています。うまるの中の人は色んなところでちょい役として名前を見るようになったし、海老名ちゃんはベアトという強力な「二人目」のメインキャラをゲット、切絵ちゃんに至っては、任される役のバリエーションが豊富なので未だにどういう声の子なのかはっきり認識してなかったりする。器用なのは良いことだ。シルフィンは……ごめん、知らん。2期になってシルフィンのシュバーンもなんだか豪華になりました。

 今後は1話目のようなちょっとあったかい話が増えていくのか、それとも1期同様にきっちりとクズエピソードも展開してくれるのか。このなんともむずかゆいようなバランスが今作の持ち味だと思うので、ぜひ1期同様に芯をしっかり持って挑んで欲しい。

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○「Wake Up, Girls! 新章」 5

 えー、ナマハゲーズ解散しちゃったのかよー。あんなにキャラ濃かったのに……。いや、絶対にニーズ間違ってたチームなのは間違い無いんだけども……。

 まだまだ続く2期ものシリーズ。こちらは1期が2014年ということで3年半ぶりのテレビシリーズ(劇場版が2015年)。そして、この2、3年の間にどうやら裏側では様々な動きがあったことがうかがえるのである。まず、制作がミルパンセ,監督が板垣伸に変更になっている。つまりordetの名前も山本寛の名前もどこにもない。「ヤマカンどこいったんや?」と思って調べてみると、現時点でも彼の立ち位置というのは業界で定まっておらず、持ち前の癖の強さでいろんなところでフラフラしている様子。うーむ、何度か書いている通り、わたしゃ個人的に彼のアニメクリエイターとしての手腕は評価しているので、またどこかでアニメ制作に携わってほしいものだが……本人が飽きてしまったのかなぁ。とにかく、原案・原作を務めていた当初の担ぎ役だったヤマカンは完全にプロジェクトから外れている様子。ミルパンセが制作担当になっているのは、なんでも劇場版の制作の際にordetと共同制作の形になっていたかららしい。会社の性格から考えると主にCG部門での担当だったのかな。

 そして、ミルパンセが担当するということで、作品イメージも思い切り更新。なんと全編キャラクターまでもがCG処理(公式によるトゥーンレンダリング処理)になっており、世界のイメージもキャラのイメージもかなり変わっている。そりゃな、あの「ベルセルク」の制作チームな訳だからな。もう、作品の外側だけを見たら旧作とは別物と捉えたほうがいいのかもしれない。脚本部分を誰が担当しているのかは定かでないが……関係者で引き継がれているのって音楽担当の神前さんたちくらいじゃねぇかな。

 このデザインの変更は、良い面と悪い面がある。先に良い面を見ておくと、1期の時に絶望的だった「作画崩れ」とは完全におさらばしたという部分。なにせトゥーンなので、モデルさえ作っておけばなかなか「作画崩壊」という現象にはぶつからない。最近のCG技術は本当に凄まじく、日常パートでのアイドルたちの表情もコロコロ変わって本当に可愛らしいデザインが実現している。モブも含めて全てのキャラのモーションにメリハリがつき、鮮烈なイメージの映像が実現しているのだ。

 転じて、悪い部分としてはその異質さが処理しきれていないという問題が挙げられる。極端なモデリングなので、どうしてもキャラから「人間味」は失われており、特にライブシーンではやたらと細い手足がシャキシャキ動くのがどうにも落ち着かない。また、キャライメージが全体的に均質化しており、メインの7人もかなりイメージがかぶるようになった。もともとロリによっていたメンバー(菜々美、実波、藍里あたり)は違和感なくこれまで通りのキャラが維持できているのだが、逆に大人っぽさを前面に押し出していたキャラは丸っこさのせいでかなり幼い印象になっており、特に佳乃は「お前、そんな顔だっけ?」っていうくらいに印象が違う(不思議と夏夜ちゃんは夏夜ちゃんな気がする)。まぁ、ひょっとしたら3年分のブランクのせいで勝手に脳内で修正されてるだけなのかもしれないが……この変更は、慣れるまでちょっとかかりそう。

 総じてみると、「異質さ」をポジティブに受け入れられれば、今後の作画崩れが無いと分かっている分、期待感はあるし、モーションだってCGならでは見せ方で今後の新曲などは見応えのあるものが作れるだろう。ただ、今回のライブシーンはまだあんまりこなれているという印象ではなかったので、このままのクオリティだと「ライブアニメ」としては物足りないもので終わってしまうかもしれない。まぁ、この作品に何を求めるか、ですけどね。個人的には「土着型アイドルもの」という他のアイドルとは一線を画す泥臭さが魅力だと思っているので、今後の展開次第では映像のディスアドバンテージは充分覆せるとは思う。映像部分だって単にマイナスでは無く、コロコロした映像部分は可愛いと思える要素もあるんだし(アイキャッチの実波の表情なんか、もう「てーきゅう」にしか見えなかったけども)。オープニングの今までにない高めのテンションもいいと思います。やっぱり夏夜ちゃんが好き。

 そしてもう1つの見どころは、やはり中の人要素。この数年で「WUGの中の人」も随分色々な変化を見せており、声優としての一本立ちに成功した面々は、なまじ「キャラとキャストの名前が同じ」という設定だけに中の人がかなり透けて見えるようになってしまった(善かれ悪しかれ)。作中でも実際とほぼ同じ2年の歳月が流れているが、どのキャラも随分自然に聞こえるようになったもんである。その分、あの時の気持ちを忘れてはならぬとばかりに、さらなる新キャラ・新キャストを追加。再び実写次回予告で新たな次世代声優を売り出していく姿勢も忘れてはいない。ま、ぶっちゃけ、最後の実写パートで配点を1点下げる決意をしたわけだが……ちゃうねん、そういうのアニメにいらんねん。動画配信とか、別なところでやってくれればええねん。なかなかこの辺りの機微って難しいですよね。さぁ、目指せ次世代アイドル。

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○「僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件」 4

 アホガールの第2章である。嘘だけど。まぁ、アホなガールには違いない。

 端的に言えば低予算アニメである。制作はディオメディア。こういう品質で出てくると「そうそう、やっぱディオメディアはこうじゃないと」という謎の安心感(と失望感)が得られる。監督は知らない名前だが、調べてみると一応これが初監督作品。頑張って欲しいとは思うが、1話目で何かに引き込まれるということはなかった。

 まぁ、仕方あるまい、この原作で、何をどう面白くしたものかという問題はスタジオや監督どうこう以前の問題である。ゼロ年代的な懐かしさを持った古き良からぬラノベ作品。まぁ、やってることは「いつも通りやなぁ」という印象のもので、懐かしい意味での「深夜アニメ」感が出たノスタルジックな作品。だからと言って画像品質までゼロ年代の粗製乱造期に合わせる必要もないと思うのだが、今作もなかなかひどい出来である。ここ数年、技術の進歩でいわゆるクソ作画作品ってのは減っていく傾向にあるかと思われたのだが一切そんなことはなく、今期は特に呆れるような作画と変質的なまでの仕事ぶりを見せる作品の二極化が進んでいるように思える。残念ながらこれはあんまり望まれない方の極にいるけど。話の懐かしさみたいなものも含めると、やっぱり「はじめてのギャル」あたりが比較対象としてちょうどいい気がするね(こうしてみると「はじギャル」便利だな)。

 わざわざ原作からタイトル変更を食らうという某ゲッツアニメと同じ悲劇に見舞われてまでのアニメ化。そこまでしてアニメにする意味があるのかと言われたら疑問の残る作品で、メインヒロインも「処女ビッチ」というなんとも気持ち悪い概念を振りかざしている割には、単に「耳年増」という古式ゆかしいフレーズで事足りる程度のキャラ。ビッチという言葉も随分軽くなったものである。どっちかっていうと主人公の幼馴染の方が正しい意味でのビッチに近い気がするのだが、ひょっとして、「はじめてのギャル」がいろんなギャルを揃えてきたように、今作はいろんなビッチを揃えていく作品になるんだろうか。誰が楽しいねん、そんなもん。ヒロイン勢に淫語を言わせて楽しむというセッティングについては「生徒会役員共」みたいな振り切れた秀作がいくらでも出ているし、アホなドタバタギャグならそれこそアホガールでいいだろう。わざわざへなへな作画のこの作品を見たいというモチベーションは現状では見いだせなかった。

 否、1つだけある。それが毎度お馴染み「中の人要素」であり、今作は「おいちゃんに好き放題エロいことを言わせる」というのが最大の命題と設定された作品なのだと思われる。ただ、正直「茅野愛衣に淫語を言わせる」「早見沙織に淫語を言わせる」などの背徳感と比べて、「悠木碧に淫語を言わせる」はそこまでボルテージが上がらない。普段からうんこちんこ言うキャラだし。割とノリノリだし。バナナは夜食だし。うーむ、まぁ、単にファンとしてはメインヒロインがたくさん喋るならそれはそれでいいのだが……。前クールが響とよしこでぶっ壊れテンション、今期はこれに加えてキノ、さらに「ボールルーム」に登場したナイス問題児など、あげないテンションで見せていく役が目白押しである。今作もおいちゃんムーブメントの一環として楽しめれば良いのではなかろうか。

 そして1話目ではもう片方の車輪としてフル回転していた幼馴染キャラの方だが、中の人は最近ちらほら名前がクレジットされるようになって各所で話題を呼んでいる武田羅梨沙多胡がいよいよメインキャラで食い込んできた。ブリドカットセーラ恵美を超える衝撃ネームのデビュー。今後声優業界もますます多国籍化が進んでいくんでしょうかね。あ、お仕事は悪くないと思います。

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○「ネト充のススメ」 4

 ネトゲ嫁やんけ。まぁ、そりゃこの設定だったらこうなるしかないんだけども。

 正直いうと面白くはない。設定がベタベタだし新しさも感じられない。やっぱり、私個人の問題としてネトゲってやったことがないからこの手の設定はさっぱりピンとこないんだよね。いや、ネトゲやったからって印象が変わるかどうかは分からないけども……。ここまでヴァーチャルの世界にのめり込めるもんなんですかね? その辺りの感覚がつかめないので、ネトゲの中でガチ恋してしまうようなメンタリティってのはお話としてもちょっとついていけない。これならまだ「俺たちはゲームだと思っていた……」って毎回言いながらゲーム内で後悔しているSAOシリーズとかの方が理解はしやすいだろう(まぁ、あれも意味わからんが)。なんでこのご時世にこんなありきたりの設定の作品がアニメ化されるに至ったのか、全く理解できない。

 そして、そんな微妙な作品は映像を作る力もあまり無いように見える。制作スタジオの「SIGNAL.MD」っていう会社は聞いたことがなかったのだが、なんと「ひるね姫」を作ったところだという。うーむ、分からんなぁ。今回はCGも何もあったもんじゃ無いのっぺりした映像で、特に会話の間の部分のテンポがやたらおかしいのは、監督のディレクションによるものなのだろうか。時たまこういう謎テンポの作品にぶつかることがあるんだけど、会話として不自然な間が空くんだよね。普通、こういうところの時間感覚はコンテを起こしてる時点である程度調整できるもんだと思うのだが……どうなんだろう。素人目線だと普段見ているアニメの時間配分がどの程度のスキルによるものなのかも分からないからな。とにかく、なんか会話がもっさりしており、没入しようにもいろんなところで足を引っ張られてしまう。これがもし「ネトゲにおけるチャットのリズムの悪さ」を表現しようとした結果だというのならそれはなんとも甲斐甲斐しいリアル志向ではあるが、多分そこまで考えてないよね……。

 話は凡庸、映像もイマイチ。あんまり拾うべきところのない作品だが……ただ1つ、僕らの能登麻美子をこういう役にぶち込んでいるという1点だけで加点してある。正確に言うと、今作は「能登麻美子と上田麗奈の百合作品」である。いや、正確には麻美子&櫻井になるんだけどさ……そこは都合よく解釈させてもらってもいいじゃない。世代を代表する清純派(?)声優の夢の共演。麻美子が誘い上しゃまがうける。そんな夢のような時間があればこそ、本作は寄って立つところが生まれていると言える。もう、アニメとかどうでもいいから勝手にそっち方向で脳内妄想しよう。補完しよう。上しゃまはこのままずっと清純派(?)でいてください。なんで私はこんなに北陸声優が好きなんだろうな。

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○「URAHARA」 4

 まーた難しいアニメを作りたがる……。今期は本当に一筋縄ではいかない作品が多いな。

 さすがにこれはわからぬ。話がわからないとかじゃなくて、制作理念と狙ってる方向性がわからぬ。「考えるな、感じろ」であるがままを受け入れるのが正しい姿勢ではあるのだが、ちょっと視聴中に体調が悪かったこともあり、「分からん」で済ますのは精神衛生上よろしくないと判断して軽く調べさせてもらった。Wikiによると「アメリカのアニメ配信サービスクランチロールにて連載中の小説を原作としている」とある。……すまん、やっぱり分からん。まぁ、とにかくこのポップキュートな方向性はやっぱりもともとに純正のジャパニーズセンスではないということだな。

 おそらく、いわゆる「Kawaii」文化の体現の1つなのだろう。日本のサブカルチャーから要素を抜き出して描かれた世界観。監督を務めている人を調べても、アニメ製作者というよりもCGクリエイターと言ったほうが良さそうな経歴の人で、シリーズ物のアニメーションを作る体制としてはかなり斬新な座組である。おかげでこんな「分からない」作品が出て来たわけだ。

 私としては、「分からない」を「つまらない」に直結させるつもりはない。こういう書き方すると怒る人もいるかもしれないが、こういう「女性監督ならではの他と違うセンス」っていうのは過去にも類例があり、例えばいしづかあつこデザイン、山本沙代の色彩センス、松本理恵の世界観など、ぱっと見では分かりにくい映像から個性的なビジュアルにつなげる制作スタイルは馴染んでくると色々と良さも見えてくるものだ。今作の場合は前提となっている世界観がどんなものかわからないのでどこからが監督の采配なのかは定かでないが、既存の枠にとらわれない「ヘンテコ」世界の構築は監督の手腕が大きく関わっているのだろう。

 「分からない」世界ではあるが、例えば過去作だったら「ローリング・ガールズ」のヘンテコ日本の風景みたいなものは追いかけるモチベーションにもなっていたのだし、今作の「原宿」だって、少しずつ表面化してきたら癖になるかもしれないのだ。1話目で「分からない」と切ってしまうのではなく、「なんか変な世界だけど、ひょっとしたらこれが原宿文化の最先端?!」と受け入れて見るのも一興だろう。…………ただ、1つ懸念材料があるとすれば、シリーズ構成が高橋ナツコなんだよな。1話目でどうこう言える内容ではなかったけど、果たしてここから面白いものが出てくるかどうかというと……。まぁ、怖いもの見たさで薄眼で見るような作品ということにしておきましょう。

 なお、中の人は何故か春奈るなが主演という謎現象が起こってるのだが、多分これもプロジェクトの根幹にサブカル文化の具現化アニメっていう狙いがあって、その代表としてアニソンシンガーとして実績のある人間を持ってくるっていうプランが繋がったんじゃないかと想像する。映像部分での際立ちのおかげで多少キャストに変なところがあってもあんまり気にならないし、このくらいの起用は別にいいかな、って気がする。あと、「エビフライが話すなんて!」っていうサプライズが作中であったわけですが、僕らは言葉を話すエビフライに一切驚かずにすみました。ありがとうだがね。

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○「つうかあ」 5

 サイドカーレースだから「互いにツーカーだよ」という意味のタイトルだと思っていたら、タイトルクレジットに「TWO CAR」って出て来て「そういう意味もあるのか」ってちょっと感心した。いわゆる4文字タイトルもこうして見るとなかなか面白い。

 「SLIVER LINK.10周年記念作品」というよくわからない記念碑を刻まれた作品。SILVER LINKが設立されてまだそれしか経っていないというのが驚きでもあるが、考えてみりゃ雨後の筍のごとくスタジオが独立・廃業を繰り返すこの現代、いわゆる最大手以外のスタジオがこうして10年の節目を迎えられるというのは喜ばしいことなのかもしれない。なお、200712月に設立らしいのでその年に実績は記録されておらず、数々の制作協力を経て、最初に元請け作品になったのは2009年の「タユタマ」らしい。ごめん、知らない。その次のバカテスあたりからようやく認識できて、しばらく元請けは大沼監督オンリーで進んでるスタジオだったんだな。

 さておき、そんな記念すべき作品だが……その割にフックが弱いな……。サイドカーレースとか、絶対にアニメにでもならなきゃ触れない文化を大胆にテーマとして採用。そこからメディアミックスしながらも完全オリジナル作品として作っていくわけだが、1話時点で「なかなかレースを見応えのあるアニメにするのって難しいよな」という不安は募る。単なるバイクレースとかならまだしも、サイドカーなんてどの辺に機微があるのか、一般人にはわかるわけもないので、どれだけ真に迫っても伝わらない部分も多いだろうし、そもそも制作側も描ききれるのかどうか。I.G.が製作している「ボールルーム」のように、「分からないけどとにかくすごい」みたいな見せ方ができればいいのだが……1話目ではまだその辺りは見えてこない。

 何故「サイドカー」なのかといえば、そりゃ当然バディがいるからだ。世はまさに大百合族時代(俺調べ)。仲のいい女の子の友情物語はそれだけで見るべきものであるが、それがサイドカーという競技ならチームのぶんだけ勝手に量産可能。しかもある意味では生死をかけた運命共同体としてのバディであり、そこに様々な関係性を見ることができる。今作もその辺りの売りはなるべく押していく姿勢であり、1話目から一気に7組の百合バディを出して「ここを見てください」と言わんばかりの姿勢である。各チームごとにドラマがあり、スポーツ競技を通じてその友情を深めていくというデザインなので、「ガルパン」みたいな楽しみ方も可能かもしれない。

 あとはやはり、「サイドカー」という独自性をどれだけオリジナルの武器に変えていくかだが……。1話目ではそこまで映像が素晴らしいというほどのものでもなく、「そもそもSILVER LINKってこういう作品作るイメージないよね」というのは懸念材料。監督は直近の担当作品が「アンジュ・ヴィエルジュ」とのことで、百合成分については期待も持てるが、マシン描写の方はどうなるかな。とりあえず、真っ先に誘致要因となる主人公ペアについては、正直ちょっと笑った。なるほど、間に男を挟んで節操のないバチバチ関係を作ったわけね。その男が顔も見せずにさっさと海外に逃げてしまったことを考えると、「一応スタート地点は男を巡っての問題ですが、本作に男は関係ありません」という鉄の意志が感じられる。余計な野郎はいらんねん。頑張れ、数多の百合。

 というわけでまだまだこれからの作品だが、とりあえず魅力を支える中の人の話。7組・計14人ものキャラがひしめくと思わせておいて、実はあやっぺだけ何故かぼっち。隔離されたかな。他のキャストもかなり濃いので今後の展開で見せ場が多そうだが、個人的に1話目で持って行ったのは実況役のそらまるだった気がする。全然わからないサイドカー文化の実況に熱を込めるのって結構難しかったと思うんだけど、天性のお祭り体質がうまいこと声に乗っていてよかった。あと、現時点でオープニング歌ってたスフィアからまだ2人しか出て来てないんですが、残り2人もどこかで加わるんでしょうかね。

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