最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「夏目友人帳 陸」 5 圧巻の第6期。深夜アニメのシリーズでここまでの長期作品になったタイトルって、他にあったっけ?(てーきゅう除く) もう、説明不要でのんびり見ていけばいい作品なので、ぶっちゃけシリーズごとの良し悪しとかあんまり関係無いな。今回は「伍」との分割2クールみたいなもので、スタッフは大体同じだ。「伍」の時は万事窮して過去分の再放送が挟まったりしてしまったが、今期はそうならないようにお祈りしておこう。まぁ、別に入ってもいいんだけどさ。半端に人手が足りずグダグダになるよりは、本数削ってもメリハリつけてちゃんとした一本を放送してほしいね。 そして、今回は1話目からなかなか破壊力の高いエピソードが繰り出されてきたのでちょっとテンションも上がる。ショタ夏目と、まるで実子のように面倒を見てくれる田沼・多軌の2人。もうね、多軌がいちいち可愛くてしょうがないね。こんな女子高生の友人がいる時点で夏目は恵まれているよな。そして、記憶を失ったせいでやりたい放題の状態になったはずなんだけどやっぱり夏目のために行動してくれるニャンコ先生。やっぱりこの関係性あってこそだな。夏目が幼少期にどれだけ苦労して生きてきたのかも久しぶりに掘り下げられており、図らずも1話目に相応しいエピソードになっていたのではなかろうか(いや、図ってるかもしれないけど)。またしばらくお世話になります。 PR ○「ゼロから始める魔法の書」 4 もう異世界生活だろうがなんだろうがゼロから始めればいいじゃない。なんなの? こうして他と区別がつけにくいタイトルをつけるのはわざとなの? 特徴を出さないで埋もれることが美徳なの? こんだけアニメを見てるのに、ラノベ文化は分からないコトばっかりだわ(ラノベを読めばいいのでは)。 しかし、これってビジュアルだけみるととってもグインサーガ。いや、単に虎顔デミっていうだけなんだが、屈強な虎オトコが幼女(っぽいの)を連れて旅してるっていうだけで、どうしても被ってしまうな。そして、残念ながら「グインサーガ」のグインは格好良いキャラになっていたが、こちらはまだその片鱗は見えてこない。せっかく虎の設定したんだからさ、1話目くらいは虎っぽいままで崩さなくてもよかったんじゃないかな? いきなりママに泣きつく可愛い回想シーンを見せられたら、単に「無茶苦茶面相の悪いただのおっさん」になってしまうわけで、設定があまり意味を成さないような気が。いや、本人がそういう身の上だって言ってるんだからしょうがないんだけどさ。じゃぁどの部分で視聴者の目を引くつもりだったのか、っていう。製作はWHITE FOXなので応援はしたいのだが、如何せん、1話目段階では映像に惹かれる部分はなくてなぁ。虎顔って、もっと怖いか、思い切ってアニメ的にモフ要素増しで可愛くするかのどっちかだと思うんだけど、なんかすごく中途半端なんだよな。あの世界におけるリアル虎になってるのか、それとも着ぐるみみたいな状態なのか。それが画から伝わって来ないので、主人公の抱える生い立ちの悩みもあんまり真に迫らないのである。うーむ、そういうもんだと思って諦めるしかないのだが……。そしてポッと湧いて出た人生の目標。随分行き当たりばったりの物語だったが、「世界を滅ぼす」とかいうのは簡単。問題はそれが出来るような人間があっさりと書を盗まれてるのもどないやねん、という部分で。まぁ、おいおいそのあたりも明かされていくのだろうけど、あんまり2人の道中が気にならないのよねぇ。こういうラノベでテンションが下がる現象、実は久しぶりかもしれません。 中の人は汚い方の小山(本人談)。実は単独で主役ってテレビアニメだとこれが初めてだったりする? 意外といえば意外。そしてメインヒロインは飛ぶ鳥を落とす勢いの花守ゆみり。音域を下げても大丈夫ってことは「ゆゆゆ」を観ていたので知ってたけど、こういうロリババア系でも安定ね。まぁ、最近のロリキャストはみんな器用だからなぁ。年の差30歳のキャスト陣の交流も今後の注目ポイントですね。まぁ、ヒゲ所帯持ちがパートナーって危ない匂いしかしませんが。 ○「ID-0」 6 読み方は「あいでぃーぜろ」ですが、掘削業者のお話だから「いど」って読んでしまってもいいような気がします。制作側がそれを意図してるのかどうかは知りません。 サンジゲンによる、あまりに潔いフルCGアニメーション。サンジゲン作品は「アルペジオ」「ブブキブランキ」としっかり個性がでながらもいわゆるジャパニメーションとの融和を目指したデザイン性が秀逸で、個人的には割とお気に入りなのだが、なんと今回はそこに監督・谷口悟朗が起用され、「スクライド」以来となる黒田洋介とのタッグを構築したという。アニメオリジナルで何が出てくるか分からないことも含めて、期待度の高い要注目作品だ。 CGの質感だけで見ると、「ブブキ」ほどキャラ造形がコミカル寄りではなく、「アルペジオ」時代の「メカがメインだけどそこに違和感のない程度のキャラ」レベルになっている。いや、1話目ではあんまり人間キャラが出てこなかったので比較しにくいんだけども。宇宙空間でパワードスーツみたいなメカがバタバタ暴れるのがメインなので、むしろ近いイメージはポリゴンピクチュアズの「シドニア」ですかね。ただ、やはりキャラ絵になったときの落とし込み方は独自の路線であり、いかにしてこの絵で「アニメ」にしてやるか、ってんで変な方向に手招きされているような感覚である。こうしてバリバリCGで作られた作品を眺めていると、我々視聴者も随分こういう作画に慣れたものだなぁ、と改めて感じる。多分数年前だったら「CG作画はキモチワルイ!」ってんで無条件に受け付けなかった可能性もあると思う。 そんなCG宇宙物語だが、やってることはなんと岩盤掘削である。宇宙のロマンも、血潮滾る戦闘もあるような、無いような。メインヒロインは奨学金の受領条件に必死になっている貧乏学生だし、指導教官は平気で学生を見殺しにするクソみたいなおっさんだし、生命の危機を助けてくれたのは宇宙の鼻つまみみたいなお調子者のならず者集団だし。ガチガチの絵で描いている割に随分卑近で、飄々としたお話。このギャップ、肩の力を抜いていいんやで、という1話目の示唆はいかにも黒田脚本らしい。ここからおそらく今後ヒロインが加わってメインキャラになるであろう掘削会社の連中、平気で人を騙すような悪い奴らなのは間違いないのだが、どこか憎めないキャラになっており、常識人の女の子がここから散々振り回されるお話になるんだろうなぁ、と思うだけでもなんだか楽しくなってくる。お堅い女の子を少しずつ崩していってアウトローにする物語ってワクワクするよね。同じ谷口監督がやってた「アクティヴレイド」もそういうところがあったな(まぁ、あっちはヒロインが壊れ過ぎてしまったけども……)。 画も割と面白そうだし、ともすると動きが分かりにくくなってインパクトが弱まってしまう宇宙空間での作劇も決して悪くないレベル。そこに先が気になるドラマがパッケージされたということで、スタッフへの期待感も込めて上めの評価で。いえ、決して好きなキャストが久しぶりにメインで登場したから喜んでるとかではありませんよ。えぇ。「ギアスからこっち、谷口作品では重宝されててとても嬉しい」とか思ってませんよ。いや、思ってますけど。 ○「有頂天家族2」 6 やぁみんな! 今期2度目の登場、P.A.WORKS大好きおじさんだよ! P.A.作品が一週間に2回放送される幸せを噛みしめるがいい! 説明不要の傑作、「有頂天家族」が4年の時を経て帰還。いやぁ長かったね。面白いアニメがでてくると何でもかんでも「2期! 2期!」と叫んでしまうのは欲しがりアニメオタクの悪いところで、伸ばすことがよろしくない作品だってたくさんあるのだし、制作側にも事情はある。1クールで終わったものは終わったものとして、大人しく受け入れるしかないのだ。……でも、今作はやっぱり続きが観たくなる。あの物語の空気感は、ずっと浸っていたくなる。毛玉の転がる京の都は、いつでも帰ってきて欲しい、そんな素敵な思い出なのである。 そして、この4年の間に制作側にどんな動きがあったのかは定かでないが、ようやく矢三郎たちが帰ってきた。嬉しいことに、あの時とは何も変わらず、4年の時など無かったかのような何食わぬ顔で。P.A.WORKSによる、漫画的景観を完全に再現した見事な映像、どこか芝居がかった大仰で小憎らしい語り口、そして何とも言えぬ間の抜けた空気。どの枠にも収まらぬ不可思議な「違和感」は、1期の頃から変わらぬ魅力である。そりゃそうだよな。千年の時を生きる京都の町並みが、たかだか4年で変わってたまるものか。まぁ、実際の京都は色々と変わるんだけどさ。 完全に内輪ネタになってしまうが、今作は面白いことに、KBS京都ではなんと夜の8時から放送なんですよ。普段アニメなんてやってるはずがないゴールデンタイムに有頂天家族。それだけ京都に密着したご当地アニメってことなんでしょうね。放送を記念して地元ではスタンプラリーなんかも開催されており、僕も余裕があったらちょっと足を伸ばしてグッズを探しに行きたいところです。京都に住む人間にとって、この作品は色々と特別なんですよ。1話では大文字の山の中なんかに潜っていたので街中の景観はそこまで出てきていないが、弁天が高笑いしながら飛んで行ってしまった桜咲き乱れる鴨川べりなんて、明日にでも行って見上げてみたくなりますね。今作の背景映像はアニメ的なデザインになっているはずなのに、不思議と実際の景色にリンクするんですよね。この「近さ」が楽しめるのは、地元住民の特権ですわ(ドヤァ)。 あとはまぁ、矢三郎はいつも通りにのらりくらりと生きながらも面倒ごとに巻き込まれていくみたいなので、迷惑天狗が巻き起こす騒動を楽しませてもらうとしましょうか。ちらっと出てきた日笠声のナースとか、夷川家の長男らしい中村ボイスの狸とか、色々と気になるキャラが出てきている中、やはり注目すべきは赤玉先生の息子さん。天狗って色々いるもんやなぁ。100年前の親子喧嘩で絶縁して以来久しぶりの再会とのことだが、果たして今おいくつなんでしょうかね。別に天狗は不老不死ではないよな。先生はあんだけ歳取ってガタ来てるんだし。人間とは違う間尺で生きてるという意味では狸も天狗も大して違わないかもな。色んな生き物が蠢き、迷惑かけまくる京都の町。ひょっとして人間の住むところではないのでは? ○「エロマンガ先生」 5 「おあがりよッ!」じゃねぇよ。提供が同じだからやれる的なコラボレーションか。 それにしてもひでぇタイトル。うちのレコーダーだと番組表の表記をそのまま拾って「Eマンガ先生」って表記で録画されてるんだけど、何のコンプライアンスなんですかね。こんなタイトルで出しても売れるっていう、強気の姿勢が無いと展開出来ない商品なのは間違いない。「おれいも」で成功した作者ならではの攻めのネーミングということなのだろうか。 しかし……また妹なのか……。これ、別に「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」っていうタイトルでも何の問題もないよね。ひょっとしたら地続きの世界観とかなのかな。主人公の父親(故人)のCVが京介と同じって確実に狙ってやってるだろうし、妹の部屋にあるクッションが桐乃の部屋のヤツと同じだったりするし。製作体制が一緒だから出来るネタ……と思ったら、別にスタッフは共通してなかった。「おれいも」はAIC製作、こっちはA-1なので、別におふざけでコラボネタをやってるってわけでもないんだな。単に原作イラストが同じだからそう見えるだけなのかも。 非常に分かりやすい設定のラノベ作品だし、「おれいも」作者が書いています、と言われれば至極納得出来る作品。兄妹揃って「どんな確率だよ……」って言ってるが、それを言いたいのは視聴者(読者)の方だろ、っていう。まぁ、潔く分かりやすさを優先させた設定だし、今更そこに文句を差し挟むようなもんでもないですよね。しいて苦言を呈するなら、本当に日本のラノベ・アニメ文化は両親を大切にしねぇよな、っていうことくらいですかね。すーぐ両親殺すんだから。まぁ、そうしないと始まらない設定だからどうしようもないんだけど。ラノベ作家の兄とイラストレーターの妹。そして可愛い妹はかなり高レベルの引きこもり。うーん、まさにラノベ好きが考えたラノベ設定って感じなんだけど、意外と無かったパターンなんですかね。ひでぇ話だとは思うが、見ていて退屈するものでもないし、ラノベ作家がラノベ作家の生態を描くんだから、それなりに真に迫ったものが書けたり書けなかったりするだろう。どのあたりまでがフィクションで、どこからが実際のラノベ業界をいじったネタなのかを考えながら見てみるのも面白いかも。 アニメとしては可もなく不可もなく。画は見やすいので特に問題無く見られるが、だからといって面白いかはまだ分からない、というレベル。一応妹ちゃんをはじめとする女の子はそれなりに可愛く見えるし、関係性が固まってくるまではしばらく様子を見ても問題無かろう。まぁ、原作がどうなってるかは知らないけど、大半の読者は「どうせまた妹大勝利に決まってる……」って思いながら見てるんじゃないでしょうかね。あの救世の女神である麻奈実さんを邪険にした恨みはまだ忘れてねぇからな。 中の人は、「おあがりよ!」の禎丞はまぁ、ここしかないだろ、っていうキャスティング。そして肝心に妹役には「ロクでなし魔術講師」でも登場した藤田茜が起用されている。なるほど、可愛い。「声が小さい」という個性のキャラクターなので今のところあまり押し出しは強くないが、上手くハマればここからグッと駆け上がれるかもしれません。 今期はオリジナルが元気だなぁ。やっぱり春クールはチャレンジしやすい時期なのかな。 先週時点で放送直前特番をやっていたので何となく中身を想像しながらの視聴だが、簡単にまとめるなら「異世界転生もの」。ただ、立場が逆だし、どうやら色んなところに別次元から一気に集まってくるというデザインになっている様子。要所要所で「その発想は……ありそうだけどやってなかった」みたいなネタがポコポコ出てきて非常に愉快な作品になっている。 監督はあおきえい、そして製作がトロイカということで「アルドノア・ゼロ」と同じ体制だが、今作はキャラ原案や脚本にあの広江礼威を起用している点が大きく違う。なるほどキャラクターデザインはそれっぽいし、ネタの混ぜ込み方もなかなかクセがあって面白い。今まであまりアニメ関係で見なかった名前だけに、これからどんな化学反応を起こすことになるのかは気になるところだ。 「異世界から転生して来ちゃったもの」ということで、これが1対1の交流なら割とあるアイディア。「GATE」なんかは1対1であっちに行ったりこっちに来たりという交流があったね。しかし、どうやら今作は「現実世界の人間が生み出した創作物の世界からキャラが転送されてくる」という仕組みになっているらしく、メインとなる女騎士のセレジアさん、おとぼけプリースト風のメテオラさん、そして謎多き「余」の人と、全員が異なる作品から顕現した存在であり、「何故顕現したのか」「これからどうしたらいいのか」などは謎のまま。「余」の人が「まだ創造主は見つかっていないのか」って確認してたから、作者が判明したら進展があるのかねぇ。現時点では、単に「フィクションからキャラが出てきたよ」というだけなので特に争いごとの火種は無いはずで、実際に初対面のセレジアとメテオラもあっという間に打ち解けて腰を据えた居候体制になっている。あとは「余」の人がどれだけかき回すかということになるが、事前特番の話だとこれからガンガンキャラが増えるそうなので、色んなところから色んなキャラが出てきちゃったらやっぱりバトルものになるしかないのかなぁ。何を目的にバトるんでしょうか。 1話目では、そんなバトルのシーンもガッツリ描かれ、サーベルをグルグル回して戦うスタイルは見映えがして面白い。そして、何と言っても非現実の固まりであるバトルが東京上空で行われているというギャップ部分が楽しい。そう、今作で楽しむべきはやはりこの「ギャップ」の妙味だろう。笑わせどころとしてはセレジアさんのワイパーとか、Cパートのコンビニのところとかがあるが、「転送された人たちが現代日本にいかに馴染むか」みたいな笑いがある。考えてみるとやってることは「Fate」シリーズの英霊召還と同じような気がするが、何故かサーヴァントって現代日本の文化に戸惑ったりしないんだよな。あいつら、しょっちゅう召還されてるせいであんまり時代のギャップに悩むこともないからね。今作の場合、モビルスーツを繰る女騎士さんが自動車の運転に挑戦する、っていうのが画的も非常に面白いところで、タイムトラベルお侍みたいに「鉄の馬が!」みたいなお約束の反応をせず、さっさと乗りこなして色々とこの世界のことを勉強しているあたりがそれっぽくて楽しい。セレジアさん、頑なだったのは最初に一瞬だけで、割と理解が早いし聡明な人だ。メテオラさんは一足先にこちらへ来ていたのか、色々と余計なことまでお勉強しているようだし、セレジアさんだってからあげクンをきっと気に入ってくれるだろう。 あと、「創作物から出てきたキャラにその創作物を見せつける」っていう羞恥プレイも見どころの1つ。セレジアさんは「あなたの活躍見てます」と言われても割と屈強な精神力で耐えきったが、普通にあんなことを言われてしまったら、自分のこれまでの苦闘が全てフィクションであったという事実に苛まれ、アイデンティティクライシスを起こす可能性もあるのだ。今後は彼女達が「フィクション」の存在をどのように処理するのかも見どころになりそう。そして、「愚鈍なる神」たるクリエイターたちが集まったこの世界を、果たして「キャラクター」たちはどうするべきなのか。どこに転がるか分からないだけに、素直に楽しみである。 シナリオも気になるし、映像レベルも高い。非の打ち所がない状態で、なおかつ中の人のカロリーも高め。1話はみかこしといのすけ、それに豊崎愛生という3人娘が担当。いいところついてくるキャスティングである。でも、みかこしの女騎士ってすぐにくっ殺になりそうな気がするのは何故なんでしょうね。別にそんな役無いのに。 ○「月がきれい」 6 初の(?)斎藤千和の純正母親役という、記念碑的作品。いや、ちょい役とかなら過去にもあったかもしれないが、こんだけガッツリ気の良い母ちゃんをやったのはこれが初めてではなかろうか。いつの間にやらすんなりオカンになってる千和に乾杯。 すげぇ脇の話題から入ってみせたが、色々と気になる部分があって楽しい作品でしたよ。まずオープニングから目を引かれるのは背景美術の彩り。これって実写を取り込んで加工してるとか、そういう技術なんでしょうかね。「悪の華」の時のロトスコープにも似ているが、あれよりも色彩がアニメ調の鮮烈さを持っていて、彩度の部分でもキャラ絵とのバランスがとれている。春爛漫、新学期のどこか気恥ずかしい空気みたいなものが漂ってきて良い明るさだ。キャラ作画の方も非常に凝った効果が施されており、ライティングに何かしら高度な技術が使われているように見える。こういうのも最近だとCG処理でリアル寄せの描画計算してくれるのかね。キャラクターそのものは別にリアル寄りではないのだが、背景との境界を表す枠線に白みを持たせて明るさを維持したり、影の落とし方も邪魔にならない程度に凝っていたり、独特の風合いが見ていて飽きさせない。白みを積極的に使った映像というと真っ先に「放浪息子」を思い出すんだけど、あっちは制作がA-1で今作はfeel.の仕事。feel.ってこんな画作りも出来るんやなぁ。 監督は岸誠二、さらにサポートに池端隆史の名前も見える。岸誠二というと、原作ものには定評があるもののオリジナルではやらかすことが多いという勝手な思い込みがあるのだが、今作はなんとアニメオリジナル作品らしい。大丈夫かなぁ、と不安はありつつも、少なくとも1話目はグッと引き込まれるシーンが多かった。タイトルから逆算すれば徹底的な恋愛ものになるだろうことは想像に難くないが、中学三年生という絶妙なお年頃を舞台に、甘くて酸っぱくて何とももどかしい、そんなお話が展開しそう。 ファミレスのシーンがすごくいいな、って思うんですよ。私からしたらもう大昔になっちゃうけども、個人的には「家族でファミレスに行く」ってなんかワクワクするイベントだったんだ(別に貧しくてめったに行けなかったとかではないよ)。色んな料理から選び放題のメニューを見てるだけで特別なイベントって感じがあるし、多分家族によって、「ファミレスに行った時の独自ルール」みたいなものがあると思うんですよ。今作のヒロインの家なら「みんなしてドリンクバー」みたいなやつね。そういう「ちょっとスペシャルなんだけど家族の団らん」みたいな馴染みの場所に、急に「気になる新しいクラスメイト」っていう異物が紛れ込んでしまったときのギクシャクしたあの感じ。いや、俺は経験無いけども……なんか分かる気がするんだよなぁ。家族用の顔をしたらいいのか、学校での顔をしたらいいのか。あげくに母親が勝手に挨拶なんか行っちゃった日には、恥ずかしくてしょうがない。そういう独特の感情に加えて、男の子の方はほのかにLOVEもあるわけでね。ファンタをキャンセルからのブラックコーヒーのところとか、中学生らしさが出た良いシーンじゃないですか。 そうして、「何となくあるある」みたいなふわっとした印象を積み重ねて「出会い」から日常的な交流が始まる。本作は学校のシーンだとモブにも動きが多くて、あまりメインの2人が「中心」という感じがしない。これも、あくまで学校という大きな集団の中での1人1人である、っていう「その他大勢」な主人公2人の気持ちの表れのように見える。「自分が真ん中」っていう性格じゃないんだろうね。あくまでもどこかに隠れながら、想いをそっと抱えて日常に紛れている、そういう何気ないモブ気質の2人の馴れ初め。ちょっとざわざわするところをくすぐられてる感じです。LINEのアドレス交換から積極的に関係性が動き出すってのも現代っ子だよなぁ。今の中高生って、家に帰った後とかも友達の相手しなきゃいけないから大変そう(ぼっち並の感想)。 オリジナル作品ってことでここから何が出てくるかは分からないが、少なくとも1話で与えてくれた雰囲気は押しつけがましくなく、しっかり画面で何かを見せようという意識が確認出来たので好感が持てました。この調子で少しずつ2人のドギマギが進んでいくといいな。ちなみに中の人は、男の子の方が「ALL OUT」で祇園役をやっていた千葉翔也。もう、祇園とは真逆のキャラなのが面白いな。そして女の子の方はほぼ新人の小原好美という子。こちらもさりげない中で良いキャラ作りになっていて悪くないお仕事。よいデビュー戦になることを祈っていますよ。困ったら千和ママに相談しや。 ○「ひなこのーと」 5 今期の「きらら系作品だと思ったら掲載誌がきららじゃなかった」系作品。よく分からないカテゴリだが、稀によくあるヤツだ。 タイトルを見ても「まぁ、何となくそういう作品」ってことは想像がつくわけだが、「ユルっとみられるのかなー」という目論見をオープニングがぶち壊してくれる。うわぁ、そこそこ「らきすた」の領域。もう何言ってるかさっぱり分からない。そして映像も実にご陽気。ちなみにエンディングもなかなかのもので、オープンエンドだけでも観る価値があるといえる。 まぁ、実際に本編が始まってみると案の定の「きらら系作品だと思っ(略)」というお話なのだが、つかみ所が無いこの手の作品の中では、割と見やすい方ではなかろうか。キャラのデフォルメ化によるコロコロした感じ、各キャラが一気にしゃべって好き放題にクロストークが炸裂する賑やかさなど、日常系萌えものに必要な「愛らしさ」は充分兼ね備えていると思う。印象としては「きんいろモザイク」くらいのレベルかな。腹抱えて笑うとか言うことは絶対に無いだろうし、毎週正座して観たいとも思わないが、ゆるゆると楽しむ分には刺激も足りているくらい。一応ここから「演劇」っていうテーマを中心に進んでいくのかな? だとしたら単なる日常ものではなく、部活運営話みたいなテイストも入ってくるのかもしれませんな。 制作はパッショーネ、総監督に高橋丈夫という布陣はあの「六花の勇者」と同じ。更に監督にクレジットされているのが「はがない」の喜多幡さんということで、割と好みのテイストになってくれるんじゃないか、という期待はあるんだ。高橋さんはとにかく「グッと来る可愛いもの」を描くのが上手い人で、ちまっこいキャラの使い方も「ヨスガノソラ」の後ろのおまけ番組みたいなヤツで色々楽しませてもらった記憶がある。今作は今のところ徹底して「可愛い」優先のお話になっていて、「特技がカカシの女の子」なんて一歩間違ったら悲劇だし、虐待じみて見えてもおかしくないネタがちゃんと「可愛い」になっているし、他のキャラクターたちもみんなして主人公のひな子を支えながらも各人に「可愛い」を備えている。1話目で全員分のキャラが立っていたし、このままの密度でいけばけっこう色んなお話が出来るんじゃないかしら。 中の人は、この期に及んでまだ誰だか当てられないという奇跡の声優、M・A・O。声優の声を覚えるのに一番手っ取り早いのはキャラでなくて本人の素の声を聴くこと、っていうのが私なりの方法論なんだけど、彼女はそれなりの頻度で「本人の声」を聞くことが多いのに、何故か役に入っちゃうと個が消えて分からなくなるんだ。本当にすげぇと思う。そして、周りをサポートしてくれるのは小倉唯に富田美憂、そして東城日沙子という布陣。富田美憂はガヴリールに引き続いていきなり2本目のレギュラー。このままグッと業界に入ってくることになるのだろうか。ガヴの時は単にテンション低い役だからあまり意識してなかったのだが、実は地声はけっこう低く出るタイプの役者なんだな。 ○「クロックワーク・プラネット」 4 噛み合った! ……まさか伝統芸能アニメ・ドロップアウトアニメに続いて、歯車アニメまで2クール連続で放送されるとは……。いや、こじつけですけども。 タイトルやモチーフから「歯車」という言葉を出してみたが、別に本作で「歯車」がそこまで重要なわけではない。ちょっとメカニカルなイメージの世界だが、やってることは別にファンタジーでも現代日本でも構わないような内容だ。空から女の子が降ってくる古き良き落ち物アニメ。落ちてきたのはバルキリースカートを使いこなす超高性能アンドロイドであり、「世界で一番」の時計技師技術を持つという都合のいいヘタレ主人公がそんなオーバースキルなヒロインとの関係を結んで、今後は俺ツエーしていくことになるのだろう。実に分かりやすく、特にいじる気も起こらない設定である。一応、本作オリジナルというか、今後のシナリオに関わってくる注意点として、「一度再構築された地球」という概念が登場し、滅び行くだけだった惑星を「歯車で」修復したために、現在はボロボロの機構だけが残された世界、というのが荒廃世界の中心設定として与えられているわけだ。おかげで地名や言語・人名なんかは全部現実の日本に合わせることが出来て、どこまでもファンタジーながら、一応は地続きの物語に見えないことも無い。今後の展開では、この「崩壊する星」を救っていくことが目的になると思われるので、今のところはそこまでオリジナリティがあるとは思えない展開だが、何か今作ならではの展開というのも発生しうるかもしれない。高度経済成長期に一気に整備した日本中のインフラに最近一気にガタがきてやばくなっているこのご時世を揶揄した世界観……とかではないかな。 全体的には古き良きラノベ作品なので大きな失点もないのだろうが、やはり見飽きている感は否めないため、なかなかモチベーションが上がらないのは事実。せっかくの「機械仕掛けの世界」の設定なのに、何故かキャラクターデザインは「ランスアンドマスクス」みたいに平べったい顔になっており、なんだか緊張感が削がれるのが個人的には違和感のある部分。まぁ、慣れれば問題ないのだろうが、萌え方向に寄せてるデザインのくせにヤクザじみたおっさんは割と等身が高かったり、「別な種族の生き物かな?」というくらいに頭身が違う連中が一緒にいるのってどうなんだろう。まー、もとのラノベで挿絵がそうなってるならどうしようもないんだろうけどさ。背景の都市景観とか歯車に関するオブジェクトなんかは実にメカニカルに、細かく描かれているため、余計に丸っこいキャラデザが浮いてしまうんだよな。こういうのって、小説で読んでる人らはどういう風にバランスとってるのかなぁ。 現時点では、シナリオ運びに魅力を感じることが無かったのでややマイナスの印象からスタート。後はここからどれだけ独自の魅力を発揮出来るかの勝負だ。ちなみに中の人要素としては加隈亜衣にスラスラと憎まれ口を叩いてもらえる部分は加点要素である。加点すんのか。 |
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プロフィール
HN:
Thraxi
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男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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