忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[144] [145] [146] [147] [148] [149] [150] [151] [152] [153] [154]

○「恋愛暴君」 6

 ドロップアウトにドロップキック。2クール続けて天使が空から降ってくる国、ジャポン。

 不覚にも嫌いじゃないタイプのやつだった。タイトルからてっきり少女漫画原作のベタベタのラブコメみたいなのを想像したのに、良い意味で裏切られてしまったぞ。ジャンルとしては居候異物もの、とでもいうんだろうか。まぁ、ドラえもん的なアレなんだけど、とにかくメインヒロイン(?)のグリのぶっ壊れ具合がよくキレてていい感じ。「やたら人間界のオタク文化に精通してて、怠惰で自分本位な天使」ってつい先日まで見てた気がするんだけど、あっちと違って積極的に迷惑をかけにくるタイプの厄介なので手がつけられない。主人公曰く「それなりに可愛い」ルックスのようなのにへちょ画で口が「3」になると一切萌え要素が無くなり、徹底してギャグキャラになるのも潔くて楽しい。ここまで振り切れた狂言回しが中心にいてくれると、ドタバタギャグアニメってのは良い初速が出るものです。

 そして何と言っても第1ヒロインとなったヤンデレさん。彼女をいきなり1話目からロケットスタートさせたことで、はっきり他作品との違いを打ち出し、このアニメの救いのなさが分かりやすいようになっている。わたしゃ元々ヤンデレヒロインって割と好みなんだけど(竜宮レナさんの影響だと思う)、登場から数分でメインキャラを容赦無くぶっ殺しにいくフットワークの軽さ、愛の重さも面倒くささもなかなかの高得点。CV沼倉愛美もポイント高し。普通の漫画だったら、才色兼備で乳もでかいヒロインと結ばれるのってゴールのはずなのに、今作の場合はそっからスタートだもんよ。後半に出てきたキュアピースみたいな子も属性が非常に分かりやすく、ぴかりんじゃんけんでもするのかと思わせておいて、どっちかっていうと「あいまいみー」みたいな画面になってるのが笑える。この調子でもう1人2人ヒロインが追加されそうだし、なんだか賑やかな作品になりそうである。

 まぁ、アニメの画面自体は割と安っぽいくらいのレベルなのだけど(制作スタジオは、長編アニメの製作元請はこれが初めてらしい)、まぁ、「このすば」みたいな例もあるし、ユルいギャグ作品って画をしっかりさせるよりもとにかくコンテの勢いで勝負するところもあるので、これくらいのクオリティでも勢いを維持して最後まで走りきってくれれば文句はありません。

 中の人は、メインヒロイン(?)・グリを担当しているのは青山吉能。これまで地道に「WUGの3人目」として脇役などでキャリアを積んできたが、いよいよメインレギュラーで単独起用。グリのキャラが本作の出来を左右するといっても過言ではないと思われるので、是非頑張ってもらいたいところ。1話目は最高に楽しかったし、このまま突っ走って欲しい。元々器用な子だとは思っていたが、ここまでハマる役が出てくるというのはお見事だ。あとは上述の通りにぬーさんがいて、金髪の子のキャストはほぼ新人のようだが悪くないお仕事。長野佑紀という名前なのだが、Wikiで履歴を調べると謎の味噌メーカーで萌えキャラの声を任されててちょっと笑った。今や声優のお仕事ってのはホント色んなところに転がってるもんなんですねぇ。

拍手

PR

○「カブキブ!」 5

 落語が幕を降ろしたら今度は歌舞伎が始まる日本のアニメ産業。それよりなにより唐突に始まるオープニングのヒロ・シモノで不覚にも笑ってしまう(失礼な話だな)。

 落語についてあれだけ持ち上げた私のことなので、同じく日本の伝統芸能・歌舞伎を取り上げたこのアニメについても注目して見ていかないとフェアではないだろう。ただ、最大の難点は私が歌舞伎については綺麗さっぱり何1つ知らないということである。まぁ、現代の日本人で歌舞伎について知ってる人間の方がすくないとは思うんだけども。もちろん、制作側だってそうした視聴者層の事情は分かっているはずで、おそらく落語以上に、「入門」的なアニメになってくれる……はず。食わず嫌いをせず、これを期に歌舞伎についてお勉強してみるのも一興じゃなかろうか。

 ただ、これは贔屓じゃないと思うのだが、アニメ全体の精度みたいなものは、落語の方がかなり上だったんじゃないかと思う。歌舞伎を知らない私みたいな人間が歌舞伎シーンについて何を言っても「お前が知らないだけだ」と言われればそうなのかもしれないが、正直、あまり魅力を感じない。冒頭で主人公が涙したシーンもそうだが、せっかく役者が見得を切る(見得をする?)シーンも、何故か口上のところで静止画+口パクになり、何の感慨も湧かないただの「画」になってしまっている。多少大げさでもいいので、あそこはアニメ的に効果・演出を施して「すごみ」みたいなものを訴えるシーンであるべきだったんじゃなかろうか。それ以降の歌舞伎絡みのシーンも、なんだか熱の籠もっていないシーンばかりで、あまり「歌舞伎は面白いよ!」というテーマを伝えようという画作りには見えないのが残念。主人公が何度か歌舞伎の引用をするのに、それが本当に「高校生というか小中学生がふざけてノリを真似しただけ」みたいに見えてしまって、「そりゃ、こんな奴に急に誘われても同好会には入りたくないよな」という感想になってしまうだろう。

 こうして全体的な歌舞伎の演出が安っぽく、盛り上がらないものになっているのは、①単にクオリティが低い、②主人公が素人なので敢えて盛り上がらない風を演出している、③実は俺が分からないだけで歌舞伎的には面白いデザインになっている、のどれかだと思うのだが、現時点では①の可能性がもっとも高く、なかなか難しいものだと思う。まぁ、ひょっとしたら「落語心中」の落語シーンも、興味がない人には単にじいさんがしゃべってるっていうだけに見えたのかもしれないけどさ。そのあたりの演出で如何にして興味を持っていない部外者を引き込めるか、というのが、今後の最大の課題になってくるだろう。

 シナリオのデザインは「チア男子!」なんかでも見た割とオーソドックスな部活運営もの。1話目は将来的に部員になるはずの個性的な面々の顔出し回になっており、この「変な部員」の造形は嫌いじゃない。一言でまとめるなら馬鹿、宝塚、チンピラ、御曹司の4人ということになるが、最初のロック馬鹿以外は割とキャラが見ていて面白いものになっているし、突拍子も無い主人公の提案にいきなり興味を持つようなご都合主義な展開にならず、ちゃんと各々の理由であしらっているあたりも、「こいつらがどうやったら最終的に一つの舞台を作れるようになるのかなぁ」という興味を引くデザインだ。個々に能力も際だっているので、今はバラバラな分だけ1つになったときのカタルシスは大きいのではなかろうか。今後、上手いこと青春部活ドラマとして盛り上がっていけばいいな、という期待はあるのだ。

 全体的に映像に魅力が乏しいので新たなジャンルの発掘作品としては不安が残るが、新しい知識を得て、新しい趣味を始めるためのハードルってのは高いもんである。今作でそれを上手いことぶっ壊してくれることを祈りたい。あと、くだらねぇのに「カブキブロックス」はちょっと笑った。

拍手

○「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」 6

 レッツイシュカンコミュニケーション! わぁ、こんなとこにもメイドラゴン。

 ソシャゲアニメの草分け的存在である「神バハ」が3年の時を経て復活。最近まで再放送で「GENESIS」の方をやって今回の新番組への接続もしっかり用意されていたぞ(流石に観る余裕無かったけど)。久しぶりに観る神バハワールドは相変わらずのクオリティ。3年前の時点でもそのハイクオリティには度肝を抜かれたものだが、その質の高さは現代でも他作品からは一歩抜きんでているように思える。CGを多用したディティールの精密さやアニメーションとしての馴染み方など、機会技術的な面だけで考えると「チェンクロ」や「グラブル」だって決して負けているわけではないのだろうが、そこから更に一歩進めてアニメーションとしての作劇、見え方で比べると、やはり今作は見るべき部分が多い。

 いくつか1話目でも分かるポイントを上げていくと、まずキャラの動きのメリハリが分かりやすい。背景美術のディティールは非常に凝っていて、画面の情報量は壮絶なくらいに多いのだが、それでも「今何が動いていて、どこに注目して欲しいのか」という視線を向ける先が分かりやすい。たとえば「ハンドシェイカー」なんかではそうした部分が甘くてあまりにも乱雑に視線が散ってしまうのが難点だったのだが、今作はあくまでもメインオブジェクトは中心に固定した状態で、その周りの彩りとしての描き込みが多いのである。キャラクターの細やかなモーションの描画も見事で、ヒロインのニーナが包帯悪魔を追って全力疾走する時の作画なんて、わずかな動きを観ているだけでも楽しくなってしまう。どれだけ細部を描き込めるようになったといっても、やはりアニメで一番観たいのは、そうした「動き」の部分なのだ。本作は、さとうけいいち監督によるこうした見映えの良い画面作りが最大の魅力と言える。

 シナリオ部分も分かりやすく、ソシャゲアニメにありがちな「キャラが多すぎてとっ散らかる」という問題もない。まぁ、この辺は2期ものなのだから当たり前ではあるが。そして何と言っても、新主人公のニーナが実に魅力的なのがでかい。本作の絵は頭身が高く、ちょっとでも気を抜くとアニメ絵としては堅苦しくなったり、濃すぎて浮いてしまったりする恐れがあるが、全てのキャラがデフォルメを上手く使いこなし、しっかりとコミカルな世界に馴染んでいる。ニーナは一目惚れで真っ赤になっちゃう表情や悪戯っぽい笑顔が可愛らしく、初めてみるキャラなのに性格や魅力が一発で分かるのが良い。あと、エロい。ファンタジー的お約束のエロ衣装だが、ここまで素直に肉感的でさわやかエロいキャラも久しぶりな気がする。元気なおっぱいも良いものです。前作からの引き継ぎキャラクターたちもみな元気でやっているらしく、カイザルさんは相変わらずの苦労人、バッカスさんは相変わらずの馬鹿野郎だ。リタさん、相変わらずの親玉オーラでラスト全部持ってったな。後は当然、我らがファバロさんがどうなっているかだが……色々と楽しみは多いですね。

 キャラが魅力的に際だっているのは、やはり中の人の手腕。1話目で印象的なのは、やはりニーナ役の諸星すみれだろう。すみれちゃん、こんなとこでメインヒロインやるポジションに素直に上りつめてあるあたりが流石ですわ。こんだけの実績があってまだ17歳(!?)ですからね。やべぇよな。まだまだヒストリーは始まったばかりやで。

拍手

○「ツインエンジェルBREAK」 4

 何をブレイクしたんですかね? なんとまぁ、こんなものまでが復活するとは……正確には復活っていうか純正新作みたいですけどね。もう、細かいことは分からぬ。

 確認したところ、アニメ前作は2011年とのことで6年前のお話。普通、こういう文脈だと「もう6年も前か」っていう時の流れの残酷さを感じるものなのだが、今作の場合、「えっ、そんなもんか?」という逆の驚き。てっきり2004年とか、それくらいのクソアニメ量産期の作品のイメージがあったわ……いや、2011年がどんな年かは覚えてないけどさ。そういえば、前作の時にも「今時こんなキャスティングが拝めるとは」ってびっくりした気がするので、田村ゆかりらの全盛期からはしばらく後の時代の作品なんやな。

 前作の感想を確認したところ、一言で言うと「まともに見てません」っていうレベルの話だったのだが、とりあえず「なんかひどかった」という記憶しか残っていない。まぁ、パチンコが元になってる作品ってあんまり良いのはないんだけども。今回の作品、6年の時を超えたが制作スタジオは同じだし、なんと監督も岩崎さんなので続投といえば続投。多分他の部分は色々と変わってるとは思うんだけど。

 シナリオは前作のツインエンジェルに憧れる新たなヒロインの物語から始まるのだが、ぶっちゃけプリキュアである。今作は「怪盗天使」っていう枕詞が無くなっているので、余計な要素無しに「二人組の魔法少女」であればいいわけで、それってDANZENプリキュアですよね。まほプリもこんな出だしだった気がする(嘘ですけど)。まぁ、それなら別に毛嫌いする必要も無いし、「1クールにまとめられたプリキュア」だと思って見ればいいわけですが……いやぁ、でもやっぱり違うやろ。なんやこのB級を超えたC級感は。1話目からして作画がグダグダやんけ。動画が2004年代のイメージだよ、やっぱり。敵のセンスとかも敢えてスベる路線を狙ってこれをやってるんだろうけど……どういう層に刺さる設定なんだろうか……。出来れば前作の(ろくに覚えてない)先入観抜きにして観たいところではあるが、はたしてどこまで視聴モチベーションが維持出来るかは自信がありません。一応、最後に登場した敵の四天王の「奴は四天王の中でも最強……」はちょっと笑った。駄目じゃん、もう「ジョン・ガラブシ」が最強の四天王の時点でその組織駄目じゃん。

 中の人は、当時の黄金キャストの後を継ぐ形で、現代の黄金キャスト(?)が引き継いだ。今の世の中で萌えヒロインを追求すると、M・A・Oと茅野愛衣になるのである。……どうだろ? なるかな? まぁ、すっきり観られるとは思いますが、今のところ低いスタートを覆すほどのモチベーションにはなってませんね。敵サイドの方が濃いキャスティングになりそうだし、そっちを観てる方が面白いかもね。

拍手

○「ベルセルク(2)」 4

 まぁ、特に1期目とスタッフなんかも変わらない、純正分割2クール目のはずなので、当然スタート時点での配点は1期の終わりと同じになります。

 久しぶりに見ても、やっぱりこのCGデザインはクセが強くてなぁ。陰影の入れ方に意義がないとは言わないが、それが直接魅力となる部分よりも、違和感が先に立ってCGの固さが抵抗になる場合の方が多い気がする。一応、勝手にこのCGに理由をつけるとするなら、今作は神と悪魔が入り交じった神話規模での大乱闘を描いた作品。作り物じみたキャラクターデザインも、「神の創造物」としての信徒や、敵対物を描いているのだとするなら、この「人間離れした」印象にも意味づけがされているのかなぁ、なんていうことはちょっと考えないでもない。わざわざこんな面倒な作画にしてるんだからそこに意味を見出さないと勿体ないしね。

 まぁ、だからといって良い作品かどうかはまた別問題なわけだけど。個人的にはまだ違和感を排除出来ていない。ミルパンセは「てーきゅう」の第9期(!)が決まってるらしいし、そういうデザインでこっちもやればいいのでは(良くない)。

拍手

○「サクラダリセット」 5

 浜の真砂は尽きるとも、世にループものの種は尽きまじ。今回は死なずに戻れるから安心だね!

 サクラクエストと同時期にやるなよややこしい! もういっそ「CCさくら」と「桜Trick」と「桜蘭高校ホスト部」も一緒にやってしまうのはどうか(最後のはなんか違う)。まぁ、今作の「サクラ」に意味があるかどうかは分からないが、とにかく新しいループものである。どっかで実写映画の宣伝も見た気がするが、アニメ中にもテロップで宣伝してましたね。映画の方が先行してるのかしら? 後編のタイトルが「最後の聖戦」って……ねぇ、この話どこにいっちゃうの? 大丈夫?

 まぁ、とりあえずそんな物騒なサブタイトルのことはひとまず脳内からリセットして置いとくとして、アニメだけで見ても、これが実に物騒な内容なのである。なんと評したらいいのか…………なんだろ、ものすごい詰め込み方なんだ。会話が、ものすごくハイコンテクストなんだよ。最初、別な作業しながら見ようかと思ってたんだけど、開始数分で「あ、これ正面から向き合わないと絶対分からなくなるやつだ」ってんで正座して最初から見直した。そして、正座して見てても、ちょっと油断すると何がどうなっているのかが分からなくなりそうな瞬間がある。というか、分かってない部分が山ほどある。話が分からなくなる原因は3つ考えられる。まず、単純に「そもそも面倒」なんだろう。「人々が個々に特殊能力を持ってる町」とか、「町から出ると失われる特殊能力」とか「意味の無いリセット能力」とか、初っぱなから設定が特に脈絡無く連打されていて、個々に理解するだけでも面倒なのに、いきなり1話目からそれらの要素を複合して考える必要があると言われる。そして、勝手な想像だがここに何らかの意外性を孕んだネタや、思惑をずらすストーリー展開が発生すると考えられる。もう、想像するだに大変だ。

 2つ目の理由として、そんな山盛りのネタを必要としているくせに、多分尺が無いんだ。1話目はほぼ会話だけで展開する内容で、これはつまり「全編しゃべり続けないと説明しきれない」ということだろう(監督の川面さんは信用することにしているので好意的にとらえている)。おかげでこちらに考える時間が与えられないし、次から次へとハイテンポで新しい情報が飛び込んでくるので、時間的にもかなり厳しい展開になってしまっている。普通に考えて、ラストで明かされた幼女の話とか、せめて2話目に回してくれよ。どう考えても1話で処理出来る情報量じゃないだろ。タイトルに「1/3」って書かれてたし、幼女を巡る話を3話でまとめるつもりなのだろうが、この盛り方を鑑みるに、相当尺が厳しいんじゃなかろうか。いや、原作知らないから全部想像だけどさ。ただでさえ会話に会話を繋いでギリギリの展開だというのに、更に登場人物たちがいちいち面倒な奴で、そいつらが何を考えているかまでイメージしなきゃいけないからどこまでを確定情報にしたらいいのかも分からないのが辛い。花澤キャラの淡々と突き放すような話し方が、この性急な会話劇の無味乾燥な重さに拍車を掛けている。

 そしてお話が分からない理由の3つ目。これは完全に現時点での想像だが、そもそもこの話、「理解出来ない」話なんじゃなかろうか。だってさ、リセットの能力は「脳の情報も含めて、全てをリセット」してしまうわけでしょ。だったらたとえどんな能力だったとしても、主人公だけ記憶が保持されるのはおかしいだろう。全世界、全宇宙に影響を及ぼすほどのリセットの能力が、この主人公にだけ効かないというのは「設定」なので納得するしかないのだが、その例外のみをここで許可する理由は今のところ存在せず、「別にリセットは抗っても良いものなの?」という半端な状態になってしまっているのだ。また、主人公が生徒会長の能力でコピーを使わせたとき、「何歳の記憶を思い出す?」とヒロインに尋ねている。つまり、主人公の能力は「○○の時の能力を引き出すぞ」と意識して、その記憶が脳から蘇るという構造のはずだ。だとしたら、リセット時に「本来覚えていない」はずの記憶が脳内から励起するのは矛盾していないだろうか。Aの能力を前提するとBに不都合が生じ、Bを規準とするとCの意味が分からない、というように、個々の設定がバッティングしている気がするのだ。これが原作由来の「わからなさ」なのか、アニメして詰め込み過ぎたせいでこぼれてしまった部分なのかは定かでない。

 まぁ、こういう部分は後から捕捉が入ったり、矛盾していると思ったことが伏線になったりもするので、1話目でとやかくいうもんでもないのだが……密度がやたらに高く、ハードルも高いこの第1話、必死についていったこの努力が今後の展開で無駄にならないことを祈ります。これだけの内容を強引ながらも1話で詰め込み、削り、何とかまとめきった綱渡りの構成は(ちゃんと見返りがあるならば)評価すべき点だと思うので、何も分かっていない現状はしばらく様子を見守るしかないだろう。

 中の人は……もう花澤天国なので放っておいてもいいんじゃないかな? あおちゃんはこういう意味ありげなポジションにおいとくと厨二っぽい曲者臭が良い味になる。まぁ、あの子がなんで訳知り顔なのかも謎なんだけどさ。あと久野ちゃんは久野ちゃん。

拍手

○「武装少女マキャヴェリズム」 4

 うん、なんか、うわぁ。

 逆にホッとするタイプのアニメ。何しろ画面からは「B級ですよ」という空気が隠そうとする意志もなく流れだしてくるからだ。最近はどれだけ面白くなくても上っ面は取り繕える作品が増えているので、こうしてだらんと両腕を下げたノーガードのアニメも珍しい。2話目から録画の画質を落としても大丈夫、そういうアニメだ。

 別にストーリーがどうなるかはまだ分かりませんよ。アニメ化までこぎ着けているわけで、面白い作品になる可能性は充分にある。ただ、少なくとも1話の時点では画面からそうした期待感が得られなかったというだけの話だ。キャラクターデザインは決して悪いものではない。特に1話目ではメインヒロインとおぼしき鬼瓦輪が敗北後にへちょ絵になって泣いちゃうところとか、それまでとのギャップも相まってなかなか可愛らしい。ただ、そこに至るまでのバトルシーン全般が何ともお粗末。全体を統制している硬派(?)な雰囲気作りも絶妙に気合いが入らず、必殺技やキャラ名を表示する書体がヘナヘナだったり、文字のサイズに意志が感じられなかったりする。どうせ「なんちゃって硬派」を貫くなら、「キルラキル」みたいに思い切りぶっ飛んだ演出で見せてくれた方がアニメとしては映えるだろうに。

 肝心の剣技の見せ方も弱く、いちいち技名を出しているのに何がすごいのかさっぱり分からなかったり、そもそも動画として貧弱だったり。少し動きが出るだけでキャラの顔も崩れやすくなってしまうし、どうにも今時のアニメとしては強度が足りていない。制作はSILVER LINKなのだが、意図的にこうした「だらしない」作劇になっているとしたら、今後完全にギャグ方向に転がったりするんだろうか。現段階ではちょっと分からないが、少なくとも1話目では魅力とは映らなかった。

 あとはまぁ、純粋に主人公のキャラ設定がイラッとするところなんかもポイントではあるな。1話目でこういう態度とる奴ってのは最終的に女の子を全員従えてしまうくらいの俺ツエーなのがお約束なんだけど、大口を叩いた割には案外接戦になってていきなり余裕が見えなくなるあたりが何とも情けない。どの部分を魅力にしたいのかが見えてこないのがなぁ。今後女の子の掘り下げが進んで楽しいキャラが増えてくればいいのだけども。

 中の人は、メインとなった鬼瓦役に髙田憂希。「NEW GAME!」の2期も決定しているらしいし、いいペースでメインヒロインを掴んでいるな。あとは見慣れない名前が多いが……個人的には生徒会長みたいな黒幕役に配置されている松井恵理子に期待したい。カッターの声が聞けるだけでちょっと価値がある、という風に今のところはこの作品をフォローしておこう。

拍手

○「サクラクエスト」 6

 やぁみんな! P.A.WORKS大好きおじさんだよ! 今期はP.A.作品が2本もあるから大変だね。しかももう一本があの「有頂天家族」だからな! おじさん幸せで消し飛ぶかもしれないゾ!(今期は京アニが無さそうなのでセーフ)

 「クロムクロ」終了後、この半年は珍しくP.A.作品が放送されないブランク期間だった。半年の間が空いたのは実はけっこう久しぶりで、確認したら「TARITARI」と「RDG」の間が半年だったので丁度4年ぶり。まぁ、その分今期2本になるんだから、スタジオとしては休んでいないんだろうが。「有頂天家族」はおよそ期待を裏切らない出来になるだろうと決めつけて置いとくとして、問題はこっちだ。何の情報もない状態で、一体どんなオリジナル作品が飛びだしてくるものか。

 基本的に、P.A.のオリジナルは(麻枝関連を除けば)当たりが多い。というか、大好きおじさんは「グラスリップ」も好きなくらいだから基本的に全肯定だ。もちろん、「花咲くいろは」「TARI TARI」「凪のあすから」「SHIROBAKO」と文句なしの名作も多いわけだしな。そして今回飛び出してきた作品も、1話目から色々と刺激が多くてとても楽しみだ。何故P.A.作品ってのはこうして予想出来ない方向からシナリオが飛び出してくるのだろう。

 一応「花咲くいろは」「SHIROBAKO」に続く「お仕事シリーズ」と冠されているようだが、「花いろ」は旅館経営、「SHIROBAKO」はアニメ製作進行。そして今回は……国王?! まったく予想がつかないスタートだ。いきなり就活の洗礼を浴びせられるヒロインに「おっ、SHIROBAKOみたいな出だしかな?」と思ったら今度は「国王」という謎タームが飛び出し、戴冠式を行うとか言われる。「ひょっとして『城下町のダンデライオン』の方が近いな……」とか思ってたら、連れて行かれたのはチュパカブラ王国。引き抜いたのはお手製の貧弱な聖剣。一年契約の町おこし国王だと言われる。うむ、辿り付いたところは「ろこどる」だったわけだ。まぁ、とてもじゃないがアイドルって感じにはなってないんだけども。

 突飛な出だし、次に何が起こるか分からない展開、そしてきっちり1話目から立っている賑やかなキャラクターに、正統派のP.A.作画による見やすい映像。もう関口さんのキャラデザが見られるだけである程度満足してしまうくらいに調教されてるのだが、ヒロインの由乃、そしてサポートに回った観光協会のおねーちゃん(しおりさん)など、みんなちゃんと可愛いですよ。オープニング映像を見るともっと賑やかになるようだし、「花いろ」「SHIROBAKO」同様に、かしましいお仕事ドタバタ劇が楽しめるのではなかろうか。まぁ、今後どういうトラブルが起こるか分からないから、色々と精神的ダメージを受ける可能性もあるんだけどさ。現実世界の厳しさを受け止めつつもしっかりした成長物語が楽しめるのが、お仕事シリーズのいいところですからね。監督は「キルミン」の増井壮一。P.A.での仕事はほぼ初めてだと思うのだが、どういう経緯でのチーム結成なのかはちょっと気になるね。これまでも良い作品をたくさん見せてくれている人だし、期待したいところだ。

 中の人を見ていくと、ヒロイン由乃役はほぼレギュラー初出演と言って良さそうな若手、七瀬彩夏。なんか、最近「アヤカ」って名前の声優が多くてごっちゃになりそうだが……1話目を聞く限りではいい感じ。どこかしら「花いろ」の主人公だった伊藤かな恵ボイスをイメージさせる感じかね。そして、今回登場した他の女性キャラを見ると、しおりさん役にはその高音がクセになる上田麗奈、そして謎の寝袋女には我らが安済知佳がキャスティング。富山県声優と福井県声優ですよ。流石P.A.WORKS、北陸声優に優しいキャスティングだ。あと、多分誰もが一番気になったのは……バスに乗ってた謎外人だよな。アレ誰だ。キャストの名前調べてわざわざ所属事務所のサンプル聞きに行ったけど、英語ナレーションのサンプルしかねーぞ。

拍手

○「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」 5

 今時ろくでなしなんて言葉はスッと出てこないよなぁ。あの教室にいたメガネはいつの時代の人間なのだろうか。いや、どんな世界のことなのかもまだ分かってないけど。

 タイトル一発でそれと分かる、最近じゃ珍しくなりつつあるくらいにラノベラノベしいアニメ。タイトルの文字の並びだけを見るとうっかり「とある魔術のなんちゃら」とかと見間違えてしまいそうだが、内容としてはもうちょっと量産型の方に位置する。主人公が指導者側ということで、ここ数年のアニメの中で一番近いのは「空戦魔導士候補生の教官」でしょうかね。もしあれ同じくらいの作品だというなら、ぶっちゃけ期待すべき部分はほとんど無いという残念な結論になる。

 だがしかし、……なんだろね、嫌いじゃないよ。監督の名前は初めて見るし、製作のライデンフィルムも取り立てて目を引く実績を残したスタジオではない。あんまり期待要因が無かったのだけど、1話目の話の運びは悪くない。基本的に徹底的にお約束を重ねていくデザインだし、どう考えても風俗店にしか見えない学園の制服とか、恥ずかしげもなくネットスラングじみた引用台詞を吐くところなんかは余すことなくラノベパワーを発揮しているのだが、ギリギリのところで、どうしようもないテンプレ地獄を避けているような印象がある。更衣室オープンの時の口上もそうだったし、決闘後のオチの部分もそうだ。普通ならあの決闘は主人公が「何かの片鱗」を見せて学生連中から「あいつは一体何者なの?」っていぶかしがられる展開だと思うのだが、わざわざエンディングを削ってまで繰り広げた茶番により、「第1話で主人公があがるタイミングが一度も無い」という実に希有な展開。これはこれで新しい。まぁ、このタイトルだし、お約束はお約束なのだから2話3話と繰り返すうちにテンプレに乗っていくのは間違いなかろうが、そこに辿り付くまでに工夫があるのは良いことだ。溜めに溜めておきながらボコられる主人公を見て、何となく予想はついていたのに不覚にも笑ってしまった。

 また、キャラクターデザインは良い方の意味でゴリゴリのラノベテイストになっていて、あけすけなエロも含め、潔い萌え風味は割と充実感がある。メインヒロインがケモ耳のくせにその部分に一切触れないってのも斬新だよな。あれ、ひょっとして単なる髪飾りとかなんですかね? だとしても、それを誰も弄らずに成績優秀なお嬢様がつけてるってのもおかしな話だけども。ギャグを回したときの主人公の立ち振る舞いも、存分にイラッと出来るという意味ではむしろ正しい方向性であり、なんだか昭和のコントを見ているような安心感もある。ここまでやっておいて、一気に主人公として盛り返す展開ってのはなかなかハードルが高いと思うのだが、果たして2話目以降にどんな話になっていくんでしょうか。

 中の人は、ほとんど聞かない名前が並ぶのがむしろ意外で、特にメインの2人は聞き覚えがないけどすごく馴染む仕事ぶり。藤田茜って名前はどこかで見たことがあるし、宮本侑芽っていう名前もなんか見覚えがある気がするのだが、来歴を確認してもピンと来る仕事はないんだ。一体どこだったか……。まぁいいや、この作品が改めて第一の看板に……なっていいのかなぁ。

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[01/30 NONAME]
[01/27 デュッセル]
[01/21 デュッセル]
[01/20 NONAME]
[01/20 NONAME]
バーコード