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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「しかのこのこのここしたんたん」 6

 このアニメ、あれだな、鹿が邪魔だな……(本質)。

 谷川俊太郎の詩みたいなタイトルのくせして随分話題になってる今期のダークホースならぬダークディア。どうしても視聴タイミングがずれ込んでしまう私の耳には容赦なく本作についてのあれこれが飛び込んできたのだが、まぁ、ぶっちゃけだいたいは主題歌についてのものだったので気にしないこととする。ちなみに耳に入るも何も主演キャストのTwitterフォローしてんだから当たり前である。

 「なんかオープニングが変らしい」という以外はそこそこ知らん状態で視聴を開始したが、オープニング時点で「これ、太田雅彦だろ」と分かるくらいには太田作品。以前は動画工房とのタッグが鉄板だったが、残念ながらこの座組みは6年前の「うざメイド」以降途絶えてしまっており、今回も制作スタジオはWITである。まぁ、WITも充分高品質なアニメが作れるだろうから別に不満はないのだが……何だかわかんないけどなんかの無駄遣いには違いない。まー、作り手側がみんな楽しそうでなによりである。

 不条理ギャグなので真面目に取り扱うのが難しいのだが、太田さんらしいキャッチーで愛嬌たっぷりの画面構成は純粋に評価し、素直に愉快な作品だとは思う。ただ、これは望みすぎなのかもしれないが、振り切れ作品にしてはややテンポがもたつくところがあり、露骨に間延びするスローモーションのシーンなんかを見てると「ちょっと原作密度が薄いのかしら?」という不安はある。いや、スローのシーンも「ネタ」としてやってはいるんだろうけど、そこはあまり面白味につながらずにダレてる感じにも見えてしまうのよね。そういう演出無しでギチギチに詰め込むほどは高密度の脚本は組めない作品なのかな、というのがなんとなくの印象。となるとここからさらなるぶっ飛び要素は出てきにくいんじゃないかな。個人的には比較的ツッコミ要素が平坦なのもややマイナス。別に咲子が悪いとかではなくて、多分原作からしてその辺はあっさり気味で、掛け合いよりもただひたすらに鹿の子の理不尽さを見せていく作品なのだろう。まぁ、そこは合わせていくしかないからね。

 というわけでギャグとして来週以降も息切れせずに走り切れるかどうかは要注目。個人的には「へぇ、鹿せんべいってこうやって作るんだぁ」が一番の収穫。この作品で舞台が奈良県じゃないのもどうかしてるよな。

 
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○「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」 5

 ラストで飲酒についてのワーニング出るのちょっとおもろい。まぁ、確かに「これを見てストゼロ一気飲みしても大丈夫だと思ったんです!」とかいう脳が沸いてるやつが出てきたらまずいもんな(そんな奴は死ぬべくして死ぬと思う)。

 今期何本目か分からないタイトル出オチ系作品。タイトルの長さからなろうかと思ったらなろうのようでなろうでないパターンで、一応は正規のラノベ(?)という扱いだろうか。まぁ、ここまで極まっちゃったらなろうか否かってあんまり関係ないと思うけど。「VTuberがテーマってことはあんまり理解が及ばないし、多分俺は面白くないタイプの作品なんだろうなぁ」と思って視聴を始めたが、まぁ、あんまりVへの造詣は関係なかった。単なる汚れ佐倉さん作品だったので、なんかそれだけで満足。泥水のような佐倉綾音、僕らの理想像に近いし、現実の佐倉さんもぜひこうなってほしい。その場合のタイトルは「声優ラジオのウラオモテ」になるんですけどね。「声優ラジオの裏・ヨゴレ」とかでもいい。パイセン、見てますか。

 まー中身を見れば「配信切り忘れ」というスタート地点から始まる物語としては意外性はほぼゼロなので「ここからどう展開するんだろう」という期待と不安ばかりが募るが、どっちかというとエロ漫画でよく見た感じのこのシチュエーションでダイレクト下世話コメディを仕立て上げる方向性は間違ってない気もする。結局は「Vの中の人なんて……いる」「もしいるなら、それは僕らと同じようなクソオタクで接しやすい都合のいい女であってほしい」という妄想の塊なので一歩引いて見た時にはドン引きしてしまうようなプロットなのだが、まぁ、それだけオタクから望まれるシチュエーションなのだからどこかに気持ちよさもあるということだ。

 私もここ最近は(ジャンルは偏ってるが)すっかり動画配信者というコンテンツにはハマってしまっているので、今作で描かれたような情景もだいぶ理解できるようになってしまったし、細かいネタを見て面白おかしくこそ感じないが、「あー、あったら面白いかもなー」くらいは思えるようになってきた。多分、どこかで何か1つ小さな歯車は狂うだけであっけなくVの沼にハマる可能性はあるんだよなぁ。幸いにして、私が好むジャンルの配信者は勝手にどんどん顔を出していくもんでVに該当する奴がほとんどいないんだけども(現状、顔出ししてないのってどこぞの平均的VTuberくらいな気がする)。ちなみに「泥酔からの配信切らず」も僕は実際に遭遇してますよ。40過ぎのおっさんだったけど。

 もうちょい真面目にアニメの中身について触れておくと、制作がティーエヌケー、監督の浅岡卓矢という座組は、確認したら「不徳のギルド」と同じなんですよ。……え? なんかそういう専門家の人とかおるん? さらにこの座組み、1つ前の作品は「回復術師のやり直し」だったという……多分、そういう専門スタジオです。突き抜けることを期待しましょう。

 1つ気になるというか、面白いなぁと思ったのは、画面に映るキャラが全員「中の人」を標榜してるくせにガワと同じデザインで描かれているということ。普通、この手のネタをやろうとしたら「中に入ってる冴えない本人」とのギャップをことさらに強調して描写しそうなものだが、本作はあくまで「外見はとにかくVのままで、言動のギャップだけでネタを回す」という選択をしている。これはシンプルな絵面だけをネタにしないというチャレンジの表れでもあるし、ことここに及んですら「中の人などいない!」というVファンのピュアドリームを守っているかのような展開だ。結局、こういうジャンルのファン層はその中に「人」を求めているのか、拒絶しているのか、永遠のテーマである。

 
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○「神之塔-Tower of God- 王子の帰還」 ―

 覚えてないのよォ〜! 人気の韓国漫画のアニメ化。そして「確か……1期は割と面白かった記憶が……」と必死に絞り出そうとするも、残念ながら視聴前に思い出せることは少なく、「確か、なんか早見沙織キャラがエラいことになってた作品で……」が限度だった。おっちゃんの記憶力の低下をバカにしちゃいけないよ。もう随分前の作品じゃないかよォ、と思って調べてみたら……4年前かよ。言うほど昔じゃなかったわ。2020年春作品ということなので、なんとコロナの第1波ど真ん中の時期か。全然そんな印象ないわ。コロナが絡むと時系列バグるんだよなぁ……まぁ、あの時代は世界中が混沌の渦に巻き込まれてたから巣篭もりの娯楽の話なんてあんまり覚えてなくてもしょうがないわな。

 というわけで「なんか面白かった記憶はあるけど覚えてないから視聴再開は絶望的か……」と思って視聴を始めたら、なんか、1期とは別路線から物語が始まったからそこまで大きな問題はなかった。まぁ、1期で主人公たちが登った階層からの話ではあるし、主人公(ヨルという名前だった)はなんか姿形を変えてだいぶ荒んだ姿で復活してるので、その辺に以前の記憶を絡めた展開になるとは思うが、また別軸の主人公を立てて、新たな「塔」の物語として新鮮な物語を展開してくれそう。なるほどこれなら視聴継続というか、もはや新番組として見直してもいいのかもしれないな。

 ただ、やはりこの4年間での変化も大きく、どういう経緯かはしらんがスタジオも含めて制作スタッフは総とっかえ。以前もそこまで作画で評価するような作品でもなかったが、今期バトンを受けたのはあんまり聞いたこともないスタジオで、履歴を調べて見たらどうやら元請は12年ぶりというとんでもねぇ話。過去12年を調べたらずっと劇場版「しまじろう」ばっか作っててちょっとワロタ。まぁ、1話目を観る限りでは取り立てて悪い出来でもなさそうなんだけどさ。あんまり画面の密度で押すような作品にはならないかな。

 もう、こうなってしまったからには流れに身を任せて見守っていくしかない。なんかとんでもないことをやらかしてた気がする早見キャラ(ラヘルという)に再びスポットが当たって地獄絵図になる展開を楽しみに待ちたい。

 
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○「魔王軍最強の魔術師は人間だった」 4

 タイトル見てヒュンケルが「はぁ、そういうこともあるでしょうね」って言ってました。今期のなろう、流石にタイトルが限界突破してるの多くない?

 N話切り政策を導入したとは言っても「Nは任意の自然数」なので残念ながら0話切りは認められていない。そのためにどうしたってシーズン開始のこの時期は今まで通りに押し寄せる新番を必死に捌いていくしかない。そしてこの「1話目の展開をひたすら観る」という激務が実にしんどく、「なろう酔い」みたいな状態が発生する。冷静に考えて、人間って全く新しい物語のさわりの部分だけを週に20も30も飲み込めるようには出来てないんだよな。ほんで「全く新しいもの」ならまだしも、「以前見たものの間違い探しみたいな焼き直し」だとより精神に負担がかかる。なろう小説新人賞の下読みとかしてる人、ほんと尊敬するわ。

 とまぁ、愚痴を並べてしまいたくなるくらいにはいつも通りに。タイトルで全部言っちゃってるし、過去には魔王軍に元勇者が就職してる例もあったので、今更そんなん言われてもわざわざタイトルにするほどでもない気もする。「魔王軍に拾われて育った」もヒュンケルと一緒だしなぁ。でもまぁ、ヒュンケルと違って育ての親が超高名な魔術師でその威光をバリバリに使ってるあたりは流石のなろう。まぁ、「親が強かった」が一番手っ取り早い説明だからね。

 どっかで見たことある設定だし、アニメとしても取り立てていいところは拾えなかったのだが、実を言うとなろう的な異臭はそこまでキツいわけでもなく、見た目的には「なんか穏健派になったモモンガ様」みたいな状態で見られなくもない。露骨に拒否反応が出るなろうも嫌だが、こうしてやんわりと観ることができるなろうもそれはそれで困るな。あ、「魔王石見舞菜香」はちょっと面白い。でも俺が求めてる石見ヒールはそういうんじゃねぇんだよなぁ。

 
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○「杖と剣のウィストリア」 4

 いい加減魔法学校飽きた〜。行ったことないのに登校拒否になりそう。

 なんか、おもんなさそう(直球)。なろうのようでなろうでなく、どっちかというとオールドタイプラノベっぽさが漂っているけどその正体は漫画原作という不思議な作品。別マガに連載中とのことだが、これは「漫画っぽいなろう」というよりも、単に最近の漫画雑誌は「なろうっぽい漫画」を扱うことが増えているというだけの話だ。まぁ、この手のシンプルファンタジーは昔からあるし、なんなら似たような枠で放送してた「七つの大罪」だって似てると言えば似ているし、似てないといえば似てないね。

 この時間帯の枠ということで、先代「戦隊大失格」から引き継いで作画カロリーはかなり高め。制作にアクタスの名前があってちょっとびっくりだが、確認したら去年の「英雄教室」以来とのことで、もうちょい毛色変えてもよかったやん、とは思う。共同制作にバンダイナムコピクチャーズの名前もあるが、この2つのスタジオのタッグで何か新しいものが得られるかどうかは謎。

 多分注目すべき要素は原作が「ダンまち」の作者という部分なんだろう。だとしたらまた似たような主人公で似たようなダンジョンに潜りっぱなしで、どう考えても出会いを求めてるじゃねぇかという気がするのだが(もとめてたのは単位だが)、設定がどうにも馬鹿馬鹿しくてマジなのかギャグなのか判断が難しい。だって一応「ダンまち」のベルは「弱小冒険者からの成り上がり」という真っ当な成長譚だったわけだが、今作の場合はいじめられてるオープニングだったくせして、主人公は「単に強い」。いや強いんかい。なんでいじめられてんねん。ボコしたったらよかったやんけ。それ以前にちゃんと自分が実力を持ってることくらい表明しておけよ。なんでわざわざできないことを優先的にアピールして不幸ヅラしてんだよ。それは世界が間違ってるとかじゃなくて、単にお前の生き方が悪いよ。なんでわざわざそんな訳のわからん設定になってるかを考えると、「その展開しか用意できなかったから」になるんじゃなかろうか。最初から「お前ら魔法しか使えないの? 俺は剣が使えるんだが?」って、どう考えてもバカ丸出しじゃん。そこを隠して設定を導入する方法が、これくらいしかなかったのだろう。まぁ、どこを通ったとしてもバカだけど。なんでこんな歪んだ世界にしちゃうんだろうね。

 そして主人公が「高い身分の実力者」に憧れているのも「ダンまち」と同じ設定で、ヴァレン某以上に高嶺の花を目指して頑張ってるらしい。そこも設定同じなのかよ。ってことは今作は単純にヒモ神様がいないだけの下位互換では? 個人的には「憧れ目指す女性ヒロイン」は主人公が頑張ってるうちによその男にNTRれている展開の方が馴染み深く、有用性が高い(??)のでそっちの展開を希望します。薄い本でやれ? そうですね。

 
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○「魔導具師ダリアはうつむかない」 4

 なんとなく流れで「親父、死にそうだな……」って思って見てたけどそんなことなくて「なんでそんなふうに感じたんだろ?」って思ってたら次回タイトルからやっぱり死にそう。なんでだろ、「うつむかない」ってタイトルからそう感じたのかしら。

 なろうです。以上です。

 毎度のことながら「転生者である必要性は?」と思いながら見てたら知識マウントがだいぶ露骨に出てきてしまったのでもう私のなろうカウンターはレッドゾーンに突入。最初に作るのがドライヤーってのも微妙なところだけど……ギリ鼻につかないレベルを考えたのかしら? どっちにしろ変な展開だけどな。

 一応「なろうだから」と十把一絡げで処理するのは怠慢なので改めてダメポイントを確認しておくと、視聴者目線でこの世界の技術レベルがどの程度のものかを測ることができないので何を開発されたとて爽快感に繋がらないという部分である。これがドラえもんやキテレツ大百科のように「この世にないもの」を作り出すミラクルならいいんだけど、あくまで知識マウントなろうチートなので「私ドライヤー知ってます」でお手軽マウントしようとするので「この世界でドライヤーって珍しいんか?」ということが分からないと視聴者は納得できない。「いやいや、友達の女の子の様子とかを見ればこの世界にドライヤーがないことは一目瞭然じゃないですか」と言われるかもしれないが、後半パートの屋内の描写では「卓上コンロ」は存在が確定している。それくらいに手軽で、安定した火力の運用はこの世界では常識レベルなのだ。そこに「風の魔石」なんておあつらえ向きのものがあるなら、最低でも扇風機かエアコンくらいは存在してないとおかしい。もし無いならそれはヒロインがすごいのではなく、この世界の住人が怠慢なだけである。

 また「魔石」という漠然とした存在がどんなものなのかがさっぱり分からないというのも問題だ。料理漫画で例えると、既存の食材を駆使してこれまで存在しなかった全く新しい調理法や料理を描けば、読者はびっくりする。それが「新しいものだ」ということは自分たちの常識に照らし合わせれば分かるからだ。しかし、この世界の常識がわからず、魔石ってのがどういう原理で発熱したり水を出したり風を起こしたりできるかもわからない状態で、「火の魔石と風の魔石を組み合わせてドライヤーを作りました!」って言われても、「まぁ、できるんちゃう? 知らんけど」で終わり。それがエポックメイキングなものかどうかを判断しようにも、お父さんは「回路をどうこう」とか「出力をどうこう」みたいな漠然としたことしか言ってくれないので娘さんの「発想」の凄さが伝わってこない。「これまでに無かった火の魔石の解釈によって、想像もしなかった新たなメカニズムを創出したんですよ」っていうのがわからないと、驚きようが無いのである。

 まー、こういう注文が出てきているのは、最低限「知識マウントなろう」に異世界っぽさを加えようとしている努力の表れとも言える。単にマヨネーズ作ってドヤる連中よりかは、一応自分で必死に努力してますよ、っていう様子が見えた方がまだ印象はいいかな。正直この先に上りルートがあるとはあんまり思ってないけど、僕もうつむかずにもう少し見守ってみます。3週間後くらいには寝落ちしてるかもしれません。

 
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○「逃げ上手の若君」 6

 キュアニャミーがナレーションしてる!? なんでそんなとこで抜擢されてんだよ、と思ったら、1話で殺された子もやってた。これ、どっちがメイン役なんだろう。

 さぁ、ジャンプの(多分)看板がやってきた。最近のジャンプでは珍しく原作既読。松井優征に関しては「暗殺教室」が面白かったもんだから素直に評価が高く、新連載が始まってからは、漫画喫茶おこもりタイムを利用してだいたい半年に1回くらいのペースで既刊コミックを読むようにしている。1回通読だけなので熱心な読者ではないし、正直どこまで追ってるのか自分でもよく覚えてないくらいだけど……少なくとも初見じゃないのは間違いない。

 という程度に印象は残っている作品のアニメ化。まーこれまでの功績を考えれば並のアニメにはなるまいと期待していたが、案の定、CloverWorksを担ぎ出しての鮮烈なアニメ化。いわゆる「ジャンプのお金かかってる方のアニメ」であり、「SPY×FAMILY」にも負けない厚遇。しばらくはアニメも盛り上がってくれるんじゃなかろうか。監督の名前は初めてみるが「ワンダーエッグプライオリティ」で副監督を務めていた履歴があり、Clover内での連携はちゃんと取れそうである。

 松井優征という作家の才能の1つに、とにかく枯れることのない作家性というか、しっかりと芸風を確立していてなお新しい側面が出てくる部分があると思っており、今作も「暗殺教室」「脳噛ネウロ」と全く異なるジャンルをやってるのに、根底に流れるイズムがあり、それでいてしっかり差別化も図れる器用さがある。さらに、非常に俗っぽく計算高い部分に妙な強さがあり、流石にデビュー作は違ったかもしれないが、次作あたりからはもう、連載開始時点で「アニメ化したらどう見えるか」まで計算づくで作品を作ってるような感覚がある。もちろん漫画の画面でも印象的な演出はいくらでもできるが、今回の1話を観てわかる通り、アニメ化した時にやたらインパクトのある表現がやたら多い。まぁ、Cloverみたいな優良スタジオに受け持ってもらえるかどうかは運だが、うまいこと当たりを引き当てた時にアニメという媒体と織りなすシナジーが凄まじい。ほんとに単なる「漫画家」で終わらないクリエイターなんだろうな、と思っている。

 ぶっちゃけ、始まった直後には「いくらCloverでも時代劇のアニメでこの色彩はビビッドすぎやしないかい?」とちょっと異物感もあったのだが、やはりこの作品のサービス精神あふれたやりすぎ描写を彩るにはこれくらいケバケバしく飾り立ててもらう方がしっくりくる。真剣に時代劇をやる側面もありつつ、ちゃんと子供受けするように崩す部分は容赦無く崩すというスタイルなのだから、アニメもそれに合わせて全力で「バエるアニメ」にするという判断が正しいのだろう。もちろん、その演出で最後までカロリーを維持できるという保証があればこそ可能な選択なのだが。どれくらいの尺になるかは分からないが、少なくとも1話目時点で不足があったようにも見えないし、ここから先の展開にあまり不安はない。強いて気にするなら、原作未完段階での放送開始で、ここから先の展開をどのように引っ張っていくかっていう部分くらいだが、確か「暗殺教室」の時もその辺がすげぇ綺麗に決まったんだよな。またそこまで考えた上でアニメ化のオファー受けてんじゃねぇかな。

 
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○「小市民シリーズ」 5

 ヌマニメーションは枠単位で羊宮妃那を買い取ったりしてるんでしょうかね。挙句合間のCMでMyGO!!!!!の宣伝が入ったので笑ってしまった。まぁ、少なくともブシロードは彼女の時間の何割かを買い取ってはいるわけですが。

 さて、面倒な作品が始まってしまった。何が面倒って、自分が面倒。切り出しとしてまずは制作会社ラパントラックから話を膨らませていくが、こちらのスタジオはつい最近「アンデッドガール・マーダーファルス」で結果を残したスタジオで、なんのご縁が2作続けてミステリを標榜する作品のアニメ化を担当したことになる。相変わらず映像制作は見事なもので、繊細で丁寧な作画はそれだけでも評価が高くなる要因だ。そしてそんな「アンファル」の時に触れた通りに、ミステリのアニメ化というのはとてもとても難しい。「過去に成功例がほとんど無い」と言及した上で「アンファル」は一定の成果を出した作品だと結論づけたわけだが、そんな時に想定される「過去の例」の中には、当然天下の京都アニメーションが制作した「氷菓」が含まれている。あちらも映像は(いうまでもなく)素晴らしいものだったが、それでも間違いなくつまらないアニメだった。ということで、次の話題は「私と米澤穂信」となる。

 と言っても、ここで大きく語れるほどの中身はない。なにしろ私は米澤作品にほとんど接したことがないからだ。こんだけ売れてる作家なんだからもうちょい読めよ、と思われるかもしれないが、出会いが最悪で全く面白くなかったもんでその後食指が伸びなかったのは致し方ない。そんな状態で視聴した「氷菓」も全く肌に合わず、そこから先で接するモチベーションはゼロになったという話。「いやいや、京アニやぞ、佐藤聡美ヒロインやぞ。お前が嫌いになるわけないやんけ」と言われたら全くその通りなのだが、そこまでの素材があってなお、私には受け入れられないものがある。それが米澤穂信の書く「日常の謎のふりをしたなんかよく分からんもの」だったのである。

 この度1話目を視聴して「氷菓」を観ていた時の虚無感を少しずつ思い出してきているのだが、ただでさえプロット作りが難しい「日常の謎」という題材において、この人の手つきは全くもって理解できない。なぜわざわざミステリっぽく書こうとしているのか分からない。私より下の世代の人間には一定(以上)の評価を受けていることは知っているので、多分刺さる人には刺さる何かがあるのだろう。実際、今回の作品だってヒロインの造形は可愛い。まぁ「ラパントラックやぞ、羊宮妃那やぞ。お前が嫌いになるわけないやんけ」ではあるのだが、世間的に標榜される「青春ミステリ」的サムシングの「青春」部分だけを切り取れば、何か響くものもがあるのかもしれない。

 しかし私はそれより何よりミステリとして観てしまう。すると途端に、足下が崩れる。この人にとってのロジックってなんなんだろう。たとえば今回の話を例にとると、「女子生徒のポシェットが消えました」という題材に対し、特に断りもなく「じゃ、手分けしてみんなで探しましょう」となった。なんで? 「盗まれたかもしれない」って言われてるなら、全校生徒の手荷物を全部調べようとでもしたの? もう下校した生徒が犯人かもしれないよ? 普通に考えたら盗んだやつに心当たりがないか、被害者に聞いてそっちをあたるのが先だよね? 盗まれてないと思うなら場当たり的に探すことの効率の悪さを考えないんか? 悪意ある犯人が偶然誰でも探せるような場所になんとなく隠した可能性だけに賭けて手当たり次第に探し始めるのはなんで?

 そして一番気に入らないのは主人公が霊感でもって探偵を演じるところ。これは確か折木奉太郎にも同じことを感じた気がするのだが、今回の「なんかポシェットが消えました」のようにあまりに漠然として無限に解が考えられるような状態で、特に理由もなく「推理っぽいこと」を始めると、世界がその推理に向けて勝手に収斂してくれる。なんで主人公は一緒に探してた男子が怪しいと思ったの? あいつの言動にいちいち理由をつけようとしたきっかけは何? あらゆる偶然が重なっているのにピンポイントで「事実」のみを「仮定の話」で追えたのはどんな特異能力だったの? もはやミステリじゃなくて単なる妄想家の話だよね? 

 この辺の「理屈っぽいことを言おうとしてる」感がほんとのほんとに受け付けなくて、「氷菓」はイライラしっぱなしだった。確認したら執筆時期はさほど変わらないので、今の米澤穂信がどんな作家になっているかは知らないが、おそらく今作でも同様のイライラが続くことになるだろう。実際に1話目はイライラしている。「ヒロイン可愛いのにな! 髪の毛の繊細な描写とか、細かい表情芝居とかたまんなくいいのにな!」って思ってる。監督はまさかの神戸守が起用されており、演出部分は良いものがたくさん出てきそうなんだけど……。メインプロットがストレスだらけなのは変わらず。この板挟みの中、私は「それでもヒロイン可愛い」だけで戦うことができるだろうか。

 
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○「現代誤訳」 5

 まーた変なもんが出てきやがったよ。相対評価すら難しいのは勘弁してくれ。

 いつも通り、私はシーズン開始時にはただ無心にまとめサイトをチェックして片っ端からアニメの録画予約をしていくので、いったいどんな作品がレコーダーに収まっているかすらよくわからずに消化していく。その結果こうして訳のわからんものがとびこんでくるのもいとをかし。

 知らない人のためにざっくり確認しておくと、まずこちらは声優の津田健次郎と浪川大輔というある意味社長と正しい意味での社長がタッグを組んで何かを生み出したいというプロジェクトが元になっているという。その2人が(多分主にキングレコードと)打ち合わせを重ねて展開された結果完成したのが「偉人の名言をネタにしたコント」という謎設定であり、これをユルアニメとして展開していく。まぁそれだけなら普通のアニメとして処理しても良かったのだが、30分番組のうち前半部分がそうして作られたコントアニメで、後半パートは実写で2人がプロジェクトを進める様子が流されるという。初回はマジで企画会議の様子が流されるだけというなかなかのカオスであり、これをアニメ作品として評したものかどうかすら危うい存在である。

 でもまぁ、一応ショート扱いではなくここで一旦処理しておきますね。この「15分アニメ&15分実写」スタイルはなんか久しぶりですね。過去の先輩作品にあんまり良くない思い出もあったりはするんだけども……今作については私が単純にツダケンファンだということもあり「これはこれで」みたいなスタンス。ほんとにこのおっさんはクリエイター気質というか、いろんなことに首突っ込んで物作りするのが好きよね。以前はAT-Xで「裏アニメ」という割とディープなとこまでアニメ制作に踏み込んでくれる番組をやっていたし、現在は声優業だけにとどまらず俳優としても名を馳せているのはご存知の通り。そんなツダケンの異色ヒストリーの1ページとしてみる分には、まぁ悪くないファンサである。なお、裸王浪川にはそこまで興味はない。

 まぁそうした裏側を一旦置いといて純粋にアニメパートだけを評価するという方法もあるのだが……アニメとして評するのもなぁ。いわゆるフラッシュアニメくらいのクオリティだしなぁ。ただ、実は展開されてるネタ自体は割と好み。少なくとも1話のネタはちょいちょい笑いなが見られたので、このくらいのクオリティのシュール目のコントが毎週ちょろっと見られるくらいなら悪くないかも。声優企画ということでキャストはガチガチのガチなので、いい大人の全力悪ふざけが見られると思えば悪くない。ちなみに1話目のメインはってんのはキン肉マンとウォーズマンでした。

 脚本がハライチ岩井だったらしく、「毎週岩井が書くなら安定するかなぁ」とも思ったんだが、公式ページによれば「個性豊かな脚本家」って書かれてるのでシナリオは週替わりになるかもね。いっそツダケンが本書いてみるのもアリだと思うんですがどうなんでしょう。津田・浪川の並びでかつての地獄ラジオ「ラジオK」を思い出したので、あれくらいのカオスがあってもいい気がします。結局「ツダケンがなんかしてるなら温かく見守りたい」というのが結論です。なんか、2作続けて中の人の話しかしてない気もする。

 
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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