最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「義妹生活」 6 上 田 麗 奈 と 再 婚 す る な。……すみません、取り乱しました。訂正します、水商売に精を出すうえしゃまもいいものですね(違うそうじゃない)。 というわけでたった1人のキャストに毎度一喜一憂、否、千喜万喜してる私ですが、今作は残念ながらそんなうえしゃまの連れ子の方がメインです。こっちもキャストが中島由貴というのでちょっとびっくりしましたけどね。ゆっきー、アニメの主演って初? 中の人トークから入ってみたものの、なかなか気にさせてくれる作品である。まずもって「義妹」という身も蓋も無いタイトルで視聴前からややガードは硬くなってしまう傾向にある。だって過去に「義妹」を扱った作品なんて、だいたい傾向は似通ってて雰囲気は想定できるじゃないですか。こちとらリアル妹がいる身分ですが、天地がひっくり返っても妹と云々なんてこたぁ考えもしないので(それとは別にとても尊敬はしてますが)、どこぞの高坂家などの「妹萌え」シチュってぇのはどうにも飲み込みにくい。今作中でも言っていたように「妹萌え」の禁忌要素を合法的に消し飛ばす追加要素が「義妹」になるわけだが、そんなもん、単に面倒が増えるだけだし恋愛要素を押し出されても押し出されなくても微妙という、どうにも正視しづらいシチュエーションなのだ。 そんなわけで、「どーせまた適当な設定の妹が湧いて出るんだろうなぁ」と思ってみていると、段取り通りに父親が再婚相手を紹介、ギャルライクな妹が登場して「それみたことか」と思っていると……うぅん? なんか思ってたのとずいぶん違うテンションだ。なんか、変な空気の作品ですね。 何と今作、義妹という欺瞞(うまいこと言うた)についてはすでに前提条件で織り込み済み。「いやいや他人ですよ」「面倒だからお互いに適切な距離感でいましょう」そんな合意は過去の義妹ものでも口先だけでは言っていた気もするが、まぁ、ハナから連れ子が元カノだったりしたので倫理も品位もぐっだぐだ。すぐにでも方向転換して「そういう」レールに乗りがち。しかし今作におけるメインの2人の関係は、マジで「初めて会って今後共同生活していくという何ともやりにくい関係」そのもの。互いに前向きにコミュニケーションをとっているので決してギスギスでは無いし、性格も割と合うところが多そうなのでうまいことやっていけそうに見えるのだが、それだけに、最初に決めたルールのことも怖くてしょうがない距離感。そうか、これが、この面倒くささこそが、義妹生活なのか。 これまでのラブ「コメ」義妹ものとは一線を画す、ガチで義妹描写してみた作品。アニメの映像もそうした作品のコンセプトをフルスクリーンに展開しており、無声劇を多く含んだじっとりした演出の中には、経験したことがないはずなのにどこか身につまされるような、「新しい生活のどぎまぎ」がそこらじゅうに見え隠れしている。女の子との関係性を慎重に見定める主人公の様子もそうだし、新しい家に住み始めて慣れない環境にちょっとしたつまずきを覚えちゃうヒロインの様子もそう。ラストの「家の電気、どこだかよく分かんない」なんて描写はわざわざたっぷり時間をかけてやる必要もなさそうなものだが、今作はそれをわざわざ、しかもやや引き気味の定点カメラでやる。この演出方向は、今までにない方向のアニメになりそうである。狙った通りに効果が出ているのかはよく分からんが、色々とエフェクトを効かせた画面のメリハリも現時点では興味をひく。うまいこと、作品のコアな部分を抉り出すようなアニメになってくれると嬉しいね。いや、そこまで掘り下げられるような内容がある作品なのかは知らんけどね。 PR
あれ、俺この「冒険者を目指した自己肯定感の低すぎるおっさんがただ努力しただけで最強とか言われるなろうのアニメ」つい最近見てなかったっけ……。こうしてループしている感覚に陥るのが「エンドレスナロウ」と呼ばれる恐ろしい現象である。 んーとね、まず最初に書いとくと、画はいい。制作はOLMで、冒頭から「おっ、綺麗な画だな」って思える状態だったし、オープニングの演出なども凝っていてとても期待をもたせる出来。タイトルからなろうだと分かりきってる状態だから眉毛がべったべたになるくらいに唾をつけながらの視聴だが、ギリギリまで「この作品は楽しいと言ってもいいかもしれないが……」と期待は繋いでたんだけど、やっぱり最後の勘違いオチのところで俺の中のなろうセンサーがオーバーヒートして嫌悪感が上回った。ねぇ、その設定いるぅ? なんで主人公にいちいち勘違いさせんの? いや、タイトルにそう書いてあるんだけど……その作劇しか筋だてのパターン用意してないんか? 今作に限ってはもうあそこの勘違いいらないじゃん。ありえない状態なのに、多分この描写は「主人公が底抜けで何も考えられないバカですよ」ってことを示すための描写ではないよね。作品意図としては「ほんとはクッソ強いのに気づいてない主人公なんだよ、これから先もまた『なんかやっちゃいました』って言わせるために、自分の実力に気づいてないことにしなきゃいけないんだよ」ってことでしょ。もう、いいじゃんそれ。ただの「バカ」しか残らないんだよ。 まー、ただのバカという意味では、各種専門学校で学んだ後に自宅に戻って10年以上修行を続けてる描写もたいがいだったとは思うが。「パリイの訓練」っつってなんであんな木人拳みたいな訓練になるのよ。あそこに吊るした剣に何の意味があるのよ。ラーメンマンがやってるなら許すけど、正常な判断力を持つ人間がやってることなら確実に「奇行」の部類だよ。そんであれもギャグじゃなくてマジで主人公が強くなった理由の描写なわけでしょ? ついていけないよ。この世界の常識が何も分からないよ。最初の方の母一人子一人で必死に生活してる描写とかはまだ理解が及ぶ丁寧な描写だと思ってたのに、あんだけ丁寧に農耕生活の描写があるのに、ヤギは理解して牛は理解してないってどういうことやねん。お前町に行ってからしばらくフリーターとして生活してたんちゃうんかい。ほんでこの町は下水道の設備だけやたら現代的だな! ギルドのおっさんも主人公が少年だった時点でFランク制度のこと教えてやれよ! この国は冒険者に期待しすぎだな! 公金投入してまで支援する事業になってる割には兵士のレベル低いな! なんかもう、色々となぁ……。 まぁ、結局「なろうです」の一言で片付いてしまう要素ばかりなので、今後は作画クオリティが落ちない前提で、なんとか、なんとか理解の及ぶ範囲で理知的なストーリーが展開することを望むばかりだが……この望みは叶わない気がするなぁ……。 ○「先輩はおとこのこ」 6 2作品続けて雄馬たそがホモホモしかったのだが。全然テイストが違う同性間感情なのが面白いね。 BL作品の後に続くのはTS作品。いや、TJか。色んな性別についての関係性が描かれるのは変幻自在のテイストであるが、それよりなにより画面のテイストの方が変幻自在。制作がproject No.9、監督は萌えの伝道師・柳伸亮。きちっと描いた時のキャラデザの繊細さと可愛らしさは相変わらずで、女の子の動きにも躍動感があって眼福。そのくせ、何故か作中では超テキトーなラフい画がぽんぽん飛び出し、なんなら放送時間の半分くらいはそっちのモードなんじゃねぇかってくらいにマジ画とユル画を行ったり来たり。この演出方向はずいぶん思い切ったものだ。いわゆるへちょ画を多用する作劇ってのは別に珍しいものでもなくて、直近だと「第七王子」あたりがにょぽみ風デザインを多用して思い切り緩急をつけていたが、今作の場合、もう、ちょっとでも油断したらユルバージョンの方に移行する。最初は「ヒロインがボケてるシーンだけこの演出になるっていう統制の取り方なのかな?」と思っていたが、そんなん関係なくてとにかくちょっとでも息継ぎしたいタイミングになるとすーぐに崩しやがる。下手したら手抜きアニメだと言われかねないくらいの比率なのだが……何故かこれが別に気にならない。「味わいだな、そうだな!」くらいの感覚で受け入れられてしまう。この辺も作劇のバランス感覚なのかしら。監督の「可愛い」を見せつける手腕が光る。 描かれている関係性は1話目時点でまだ分からない部分もあるので判断に困る要素はあるが(そもそも主人公の女装モチベが分かんないからね)、内実はふつーの恋愛もののはずなのに、ちょっと目線を変えると百合にも見えるしホモにも見えるし、色々と不思議な構図になるのが興味深い。別に前例のないシチュエーションでもなかろうが、考えて観たら過去にアニメ作品で「『男の娘』と女の子の真正面からの恋愛」って見たことないかもしれない(「おにまい」が恋愛までいかなかったし、そもそもあれはTSだし)。今後、主人公の「娘」部分を受け入れつつも、ヒロインの暴走娘がどんな形での愛を叫んでくれるのか、そしてその脇でホモシチュに足を突っ込みながらもノンケにも見えるという不思議ポジションの親友がどんな表情を見せてくれるのか、見届けさせてもらおう。 ちなみに、柳伸亮作品なのに今作はまだ日高里菜が登場していない。……いや、別に何もおかしくはないけども。その代わり、メインヒロインがまるでどこぞの青いプリキュアのように猪突猛進で、脇のキャラに加隈亜衣がキャスティングされていることで別な関係性を暗示させている。いや、これも別に関係ないけど。 ○「黄昏アウトフォーカス」 5 さぁBLだ。昨シーズン「ただいま、おかえり」によって「お前にとってBLとはなんだ?」という自問自答を行った結果「よく分からん」という答えが出た(答えが出てない)状態で、今度は改めてオメガバース設定も何もない、生の素材のBL作品に食指が動くかどうか。自分自身のことながら結構ドキドキしながらの視聴。 結果は……「よく分からん」。まぁ、やっぱりなんらかの拒否反応はあった気がする。あった気がするんだけど、それはほんとに冒頭の数分だけで、その後の流れは過去のBL体験の中でもあまり悪くない方の部類だった気がする。そんで後から考えれば、最初の数分についても「部屋でシコるときどうしたらいいんでしょう」みたいなとんでもねぇ話が出てきたことにびっくりした部分はあるので、BLのBLたる部分については、少なくとも今作は飲み込みやすくなっている気がする。これが私のトレーニングの成果なのか、単に今作が身体にいい成分で作られているせいかはまだ分かりません。 一応ちょっとだけ考えたこととしては、「BLの客体化がうまいことできてるおかげ」という理由はあるかもしれない。これまたなかなか伝わりにくそうな話なんだが、BLに対する根源的な無理解というか拒絶感って、(少なくとも私の場合は)共感の無さから来てるはずなんですよ。「俺はどう足掻いても野郎を好きにはならんだろうしなぁ」っていうことですね。そこでどうにもドラマに乗りにくいって部分はあると思うんだけど、その点今作はBLという設定に加えて「映画撮影」という大きなテーマを持っており、キャラクターたちが「BLをテーマに映画を撮りましょう」と言っている。つまり、私がこのアニメを観てBLを考えるのと同じレベルの視座に立って「BLとは何か」を考えてくれている。特に主人公はそうして「BLって何を考えるものなのだろう」とか、「BLを外から見た時に映える映像はどんなものだろう」とか考えてくれているので、「外から見た視点のBL」を取り込みやすい。どの部分を楽しみ、どの部分で悩んだらいいかを、一緒に考えてくれているのだ。少なくとも1話目はそうした構造から少しずつ身体を慣らす準備ができたような気はしますね。 好みのレベルで言うなら、多分キャラデザはあまり得意な方ではなく、特に金髪ヤンキーの顔の造形はかなり独特で、「なんか爬虫類みたいで怖いな?」とか思ってしまう部分もあるのだが、彼の見た目とのギャップのある礼節ある振る舞いというか、スタンスを考えた立ち回りの様子なんかはむしろ好感が持てるデザインだし、多分あと1、2話観たら慣れてしまうだろう。そうなると比較的頭身高めで落ち着いた全体的なデザインの傾向は受け付けやすくなるかもしれない。 トータルすると、「今期も学ばせてもらいます」くらいの精神で、さらなるBL経験を積めたら良いな、と思っている。それにしても禎丞&雄馬たそとか、キャスティングがコテコテすぎるな。 ○「女神のカフェテラス(第2期)」 ― 「よ、ヨリ先輩が怪しい風俗業みたいなとこで給仕しながら歌ってる〜〜〜」。もっとささやくようにエロを歌ってほしい。 N話切りのハードルを下げた影響から個人的な今後の課題が1つ浮上してるんですが、それがこうした「1期目をクッソ適当に視聴してたヤツの2期目をどうしたもんか」っていう問題なんです。切るにしてもなんかしのびねぇなって感情もあるし、だからとて観続けるのも時間の無駄だし……割り切ったお付き合いを心がけねばならぬ。 いや、別にこの作品が特別悪いとかそういうわけじゃないんだけど、特に印象もなかったし、モチベが続くかなーというのは心配だったので。確認したら1期の放送が去年の春クールなので、実は空いた期間だけでいえば「【推しの子】」と全く同じ。そのくせ全然記憶の残存量が違うのは恐ろしいことだ。確か1期時点でも割と作画が適当になってたはずで、制作の手塚プロは今期「僕の妻は感情がない」との同時並行なのでやはり不安要素は抱えている。幸いにして1話目は割と元気だったのでこのままのクオリティが維持できれば評価アップもありえるのだが……。 改めて視聴してて、「こんなに下ネタがあけすけだったっけ」とひいたり感心したりしている。流石の伝統芸能、時代錯誤のエロコメディはむしろおっさん世代からすれば安心できる代物と言えなくもないな。いや、求めてないけど。シナリオ展開ではまさかの「裏の四天王」みたいなのが登場する流れらしく、「ハーレムラブコメでその展開はすげぇな」というのは割と気になる部分。もしかしたら「第2シーズン」的な正当な面白みの追加でも評価アップは望めるかもしれん。あれ、俺以外と期待してる? ○「ラーメン赤猫」 5 前クールからの早見沙織のお仕事「ブタ→虎」。どんな遍歴だよ。 みなさんご存知の通り、私は猫が大好きです。そして実は(?)ラーメンも大好きなんです。そんな人間からしたら夢のようなタイトルなわけですが……まぁ、別にこの2つの要素になんのシナジーもないな。大人しく別腹で摂取しといたほうがいいと思われる。 原作は未読。名前はちょくちょく聞いたことがあるような気もするが、「あれだろ、猫ラーメンだろ?」くらいの認識で特に触れる気は起こってなかった。まぁ、実際猫ラーメンだよな、これ。ただ、大きく残念な点が1つあり、今作はあまり猫の可愛らしさが活きていない。せっかくアニメで猫を見てるのに、別に猫が可愛くないというのは大きな損失。猫屋敷さんちのマユさんの爪の垢とか切った爪とか落としたヒゲとかを煎じて飲ませたいくらいだ。 作品の構造自体にもちょっとがっかりした部分があり、そもそも「猫がラーメン屋を経営している」って、とびきりのナンセンスなわけじゃないですか。どう考えてもコメディなわけで、そこを「猫+ラーメン」というミスマッチを前面に押し出してネタを回すのかと思っていたら、ラーメン屋はふつーにラーメン屋なんですよ。「猫毛が落ちる」くらいのちょっとした要素は入ってるけど、店内で働いている猫たちの挙動は完全にヒトのそれだし、猫らしさ、猫ならではの要素が1つもない。あんまり猫にした意味がないのである。いつものように細かい世界設定を気にし始めるとひっかかる部分も多く、そもそも猫が二足歩行で人語を解する世界において「猫だから」という理由で差別される謂れもなく、労働法が適用されないのはおかしい。ここまで肩を並べて(というか雇用者と被雇用者ならむしろ猫が上の立場で)いられる世界において、猫はヒトと同等の権利を有しているはずで、そこに不平等があるのはおかしい。 さらに、どうやってか分からないがあの猫の手でもって立派にラーメンを作れているということは、この世界の猫たちの器用さは人間同等である。であれば、わざわざブラッシングだけのために人を雇うというのも妙な話で、コンセプトがブレるというなら、求人ならぬ求猫をかけて猫を雇えばよかったのだ。なぜ主人公だけが特別扱いされているのかも謎である。あげく普通に街中で虎も人権(?)を得ているとなると……もう、この世界の構造の無茶苦茶さは説明するだけでも相当な情報量が必要になってしまうだろう。ほんとに、ただ思いつきで「人がやってるラーメン屋」の一部を猫に置き換えただけの、かなり安易な設定の作品と言わざるを得ない。 とまぁ、ここまでが視聴中に感じたネガティブな感想なわけだが……とりあえず最後まで視聴した結果、「まぁ、そんなこと考えながら観るアニメでもないんやろな」という結論に落ち着くことにした。上で挙げられた要素のいくつかはもしかしたら今後のストーリーで整合性の取れた説明が出てくるのかもしれないが、おそらくほとんどは不条理のままで進んでいくことだろう。でも、多分そういうもんなんだと思う。そこを気にして見るアニメではなく、なんとなく「猫」という記号を「人と異なるもの」として置いておき、「みんな違って、みんないい」みたいなことを端的に表示しているだけなのだろう。その姿勢にいちゃもんをつけるのも、なんか違うとは理解しているのだ。アニメとしては並も並だが、今後のキャラの置き方とかネタ回しで何かしらの個性が出てくることを祈りつつ、せいぜい飯テロされないことを願うばかりである。 ○「多数欠」 3 俺名物、「なんかちょっと読んだような気がするけど一切覚えてない漫画」シリーズ。漫画喫茶で読んだのか、ネットの無料分とかで読んだのか、はたまた読んでないのかすら覚えてない。でもなんか、このタイトルに見覚えはある(まぁ、インパクトはあるからね)。ただ、中身はさっぱり印象が無い。この手の特殊設定デスゲームものが氾濫してた時代にちょっとつまんだくらいだと思うのだが……まぁ、そうして記憶の彼方に消し飛んでいる時点で興味はお察しということなのだろうけども。 設定がぶっ飛んでるのはこの手の作品なら慣れてるから別に構わないんだけど、作品世界に馴染むためのいろはが展開されず、「オラァ、とにかく設定飲み込めェ!」と押し込んでくる展開は色々キツい。そしてそれ以上に1話目からすでにヘロヘロの作画がモチベを削る。監督兼1話コンテが佐藤竜雄ということでどこかで信じたい気持ちはあるのだが、この画にこの展開はとりつく島もない。かつて似たような特殊設定デスゲームアニメの「王様ゲーム」でも地獄のような展開が繰り広げられたことがあるが、こちらの作品もそうした修羅の道を進み始めている匂いがぷんぷんする。よっぽどシナリオが面白ければ埋め合わせも効くかもしれないが……確認したら2013年から連載が始まっている作品で、10年間名前すらろくに聞いたことがないってことを考えると……ねぇ。 ○「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん」 4 「【推しの子】」に引き続き今期2作目の動画工房作品。同時進行であるにも関わらず両作とも作画状態は実に良いというあたりは流石の動画工房。一時期の凋落が嘘のようである。 ただ、そうして丁寧な作画で作られたお話の方はってぇと……なんとも古めかしいラノベである。こちら元々なろう作品とのことだが、ラブコメ方向のなろう作品の中でもかなり「ラノベ風味」みたいなものが強く、「一時期はこんな感じのラノベアニメが量産されてたよなー」と懐かしさすら覚えてしまう。 一応本作のオリジナル要素はあるはずなのだが、それを全部タイトルで書いちゃってるので見方が決まっちゃうというか、全部説明されてるから見る必要がないというか……。まぁ、「ツンデレヒロインが別言語で話してるから通じないと思ってデレてるしバレてる」という設定自体は良い思いつきだとは思うが、いくらなんでもその思いつきだけで作品1本が立脚できるというほどではないだろう。「ちょっとした思いつき」で勢い任せに作品を成立させてしまうのがなろうという媒体の悪いところである(時にいいところにもなりうるが)。まぁ、作画が良いおかげで観てる分には不快感もないし、目くじら立てて突っ込むような要素もないのでやんわりと環境音楽みたいに流すくらいはしててもいいんじゃなかろうか。 アニメ化が決まって以降、ロシアがらみでのすったもんだがあったせいで変なケチもついてしまったが、本作で扱ってる題材がロシア語なのはたまたまなので気にしないのが吉。とにかく「ヒロインが通じてないと思ってればいい」だけなので、英語だと流石に無理があるけどそれ以外なら中国語だろうがアラビア語だろうがなんでもよかったはず。そこであえてのロシア語になるのは、やっぱりどこかしら「ロシア人女性」への憧れみたいなものがあるってことなんだろうなぁ。あとはまぁ、たまたまどこぞのすみぺっていうあつらえたようなキャストがいるっていう。これが「時々思いっきりアラビア語で物申す隣のなんとかさん」だったらCVがファイルーズになってるところだったな(観たい)。 ○「【推しの子】(第2クール)」 ― さぁ始まりました第2期だ。今期は力ある作品の続編スタートが重なっているのでありがたいですがカロリー使いそう。 あれだけ話題を振りまいた作品の第2期。休憩期間はちょうど1年と分割としては悪くないスパンで次弾を放ってくれているおかげで、私のような鳥頭でもまだ余熱が残っている状態でスタート。ただ、やはり1期目の熱が大きかっただけに、「あの衝撃を超えることができるのかァ?!」という部分にはどうしても注目が集まってしまう。 1話目(12話目)視聴の感触は、「とても安心」である。いいですね、一切驕りも油断もない、1期と遜色ない気合い迸る再開だった。そうなんだよな、別に1期を「超える」必要はない。積み重ねてきたものがあるのだから、1期に「乗せて」いけばいいんだ。ちゃんと培ってきたものが活かされた理想的なリスタート。唯一世間的に気になる部分があるとすればオープニング楽曲のインパクトくらいだが……まぁ、あれは単なる特異点だからねぇ。今期だってちゃんと作品のことを考えた楽曲デザインになってるし、2期目の看板として申し分ないと思うけどね。これは個人的な印象なので多分思い込みだけど、なんとなく曲全体に「アイドル」へのリスペクトがあるような匂いもする。フレーズの使い方とか、意図的に寄せてる部分ない? まぁオープニングに関しては映像も凄まじいのでそれだけでも埋め合わせができているし、そんな映像がアニメ本編でも平気な顔して出てくるのが凄まじ動画工房クオリティ。2期スタートは「2.5次元舞台」というテーマだが、これまた1期の「アイドル像」「役者像」の延長線上で、きちんと「舞台を作り上げるクリエイターたち」という姿に肉薄してさまざまな側面をドラマティックに描いてくれている。もちろんその中にはあかねちゃんやかなといった1期でインパクトを残したヒロイン勢が大きな仕事を果たしており、かなは本当に「良い」キャラだし「善い」人なのが溢れ出ているし、あかねも持ち味のクレイジーな部分を前面に押し出しつつ、アクアとの関係性においてはちゃんと女の子してくれてるのが嬉しい。この2人だけでも「役者」というテーマを色々と掘り返せるだけのバックボーンができてるのが強いのよな。 画面構成も通り一遍のもので終わらないように意識されており、冒頭の舞台オープニングの雰囲気なんかはいかにも「ありそう」な画面が不可思議なリアリティを醸し出しているし、稽古風景では言葉を多く費やさずとも「本気の演技とは素晴らしいものだ」というメッセージが伝わってくる。「演じることを演じさせる」というメタ構造のせいでこうしたテーマ設定をアニメでやるのは難しい部分が多いのだが、今作はそこをド直球で突破してくれているのが頼もしい。どの舞台人も、きっとこの世界で埋もれないだけのこだわりとパワーを持ったキャラなのだろう。 そうして「この世界の業界人は皆真摯であったかいなぁ」と思わせておいて、きっちりお話の最後をどんでん返しでぶち壊す筋運びも周到。これこれ、この感じに引き込まれたのよね。また何か、大きなムーブメントを起こしてくれることを期待しよう。 |
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HN:
Thraxi
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男性
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧 |