最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「げんしけん二代目」 6 まだまだ続くよ続編アニメ。しかもこちらは前作アニメ「げんしけん2」が2007年放送とのことで、5年以上の時を経て帰ってきた3期目だか4期目だかである。 先に回りのことから書いておくと、私は原作未読。1期シリーズは全巻持ってて読んでいたのだが、今の「二代目」の連載が始まる前に手持ちのコミックスを全て知り合いに譲ってしまい、そのせいで二代目が始まってからも「まぁ、流石に追いかけられないな」というので読むのを諦めた。そして、ここが一番大事なとこなのだが、実はアニメについては1期目も含めて一切見たことが無い。なんでだか覚えてないけど、多分視聴出来る環境が無かったんだろう。見られるんだったら絶対見てるはずだし。何故これが大事なことかというと、どうしても「キャスト変更」ということについて触れる必要があるためだ。私の場合、前作のイメージがそこまで強くないために、その部分についての敷居が低いのだ。もっとも、当時の時点でも実際の映像を見なくても脳内再生余裕だったおかげで完全に0ってわけにもいかないのだけども。 さておき、毎回制作陣ががらりと変わる作品だが、今回はなんと監督が水島努。ホントに仕事が途切れず、すっかり人気監督になってしまったものである。制作スタジオはI.G.ということで連携も手慣れており、1話目から本当に安定の仕事ぶり。今作はメタネタやちゃぶ台返しの心配もなさそうなので、久しぶりに落ち着いた「白水島」の仕事が見られるのではないかと期待出来る。それだけでもアニメの期待感は上がる。 話の中身については上述の通りにどんなシナリオになるのか知らないのだが、「あー、そういやげんしけんってこんな感じだったなー」というのが思い出される出だしだ。荻上さんを中心に「真面目な」げんしけんを目指す方向性が既になんだか青臭くてこそばゆいが、この作品は荻×笹という圧倒的存在感を見せる「なんか頑張った上で最終的に爆発して欲しい」カップルが中心なので、ニヤニヤしていいのか血涙を流せばいいのか分からないもやもや感が売りである。あと、公式でも特大の釣り針として用意されているサキちゃんと斑目のカップリングもね。基本はこの2本の路線で回してた作品だからな。大野さんは1期目ラストの時点で既にどこか別次元の人になっちゃったから、まぁいいや。 「二代目」ということで新世代が続々と加入し、新たな物語が回り始めるんだろうな、という雰囲気はよく出ており、「普通の女オタ」「暴走系腐女子」「腐男子系男の娘」と、面子としては阿漕過ぎるぐらいにゴリゴリ。でも、リアルオタクサークルとしては(男の娘を除けば)なくはないくらいの陣容だし、ここからまたドロドロした人間関係でもってやきもきさせてくれるのかと思えば、セッティングは出来るだけえげつない方が良いので、まっさらな状態で今後の展開を楽しみたいと思います。それにしても、1期目では本当にウザいだけの存在だったくっちーがいつの間にか面白い奴になってたのが意外だった。リアルにいたら速攻でやめさせられるタイプだとは思うけども。というか、男1:女6(仮)っていう人数比を考えると、リアルだったらば「ハーレム!」とかいう前に、あの空間の空気に耐えきれなくなって挫けると思うんだけどな。くっちーの鋼の心臓に感謝である。 さて、残す話題は中の人のことだ。先代からの引き継ぎキャストはおらず、全てのキャラが変更になっており、旧作ファンからの意見は分かれるところか。「5年以上経つんだから若返り策としてしかたない」とか言おうとしても、大野さんの中の人なんて年齢が上がっているのだから面倒臭い。ただ、少なくとも初見であわないと感じるようなキャストは1人もいない。大野さんや斑目、咲ちゃんなんかは先代の声で聞いてみたかった気もするのだが、新キャストも問答無用の説得力であるから、これはこれで充分だろう。特に咲ちゃんはキャストがサトリナになってしまい、「おいおい、社会に出てここまで落ち着いちゃったのかよ、こんな女性に学生時代散々なじられてたとか、斑目はどんな天国にいたんだ」とうらやむことしきり。 1つのポイントとなるのはやはり荻上さんの中の人。ミズハスの起用を望む気持ちは当然あるのだが、のぞふぃす版も実に「荻上さんらしい」仕上がりになっており、これも文句は付けにくい。方言が出る時のトーンは多少籠もりぎみのミズハスに分があると思うのだが、まぁ、これも慣れだろう。ミズハスが北海道出身、のぞふぃすは青森県民なので、方言のスキル自体に大きな差はない(一応荻上さんは山形出身らしいので、青森も北海道も山形弁と違うっていう意味では大差ないだろう)。実はこれが初の主演であるし、是非とも良い仕事を期待したい。その他、福山版くっちーは壮絶な仕上がりなので特に言うことは無いし(そもそも先代が石田彰というのが信じられん)、新入部員には内山夕実や上坂すみれなど、こちらも盤石の布陣。男の娘役は男女ボイスでスイッチするようだが、男性ボイスでも山本和臣だというなら納得するしかなかろう。女性ボイスの方、加隈亜衣という人は新人みたいだが、こちらもまったく見劣りしない。スーの中の人、大空直美という名前も同様。1つのアニメに出演してこんだけ色々やれるのは役得かもしれんな。 PR ○「きんいろモザイク」 5 タイトルとパッと見の絵柄でも分かる(というか、散々芳文社のCMで名前聞いてたから分かる)きらら系4コマ作品。今期も4コマ枠は安定供給ですね。 しかし、いつものように流れるゆるい女子高生の日常が始まるのかと思われたが、なんと1話目はいきなり主人公の女の子がホームステイでイギリスに行くところからスタート。そして4コマ原作とは思えないくらいにゆったりと、そしてしっかりと物語が刻まれていき、イギリスでの忍とアリスの交流は非常に丁寧に描かれていた。異文化交流を行う少女のアニメというと「異国迷路のクロワーゼ」を思い出すが、アレに負けないくらいに、ちゃんと外国での生活がお話になっていた。ただ、こちらの忍は別に一生をイギリスで過ごすつもりはないので、そこに重みがあるわけではなく、単に「可愛い子が2人、仲良くなった」ことが分かるというだけなのだが。しかし、英語はきちんと「違う言語」として描写が分かれていたし、どこか不器用で奥手なアリスの可愛らしさと変化もちゃんと見られたので、「どうせ萌えものだしなぁ」と思って見始めた割には、なんだか良い物を見せてもらった気分である。 製作は五組、そして監督のクレジットには「天衝」という斬魄刀みたいな名前が記載されており、「どこの誰やねん」と思って調べてみたら、なんとこれ、田中基樹氏の変名なのですね。ということは当然初監督作品かー。「刀語」などでは独特な仕事ぶりで注目を集めた人ですし、1話の采配も面白かったので、今後のアニメ作りにも期待したいところです。ただまぁ、ホームステイ話が終わったあとはゆーても普通の学園4コマっぽいものになるわけで、ここから個性を出しての売り出しがどの程度出来るのかは定かじゃないけども。どうせだったらあのままホームステイ異国話でしばらく引っ張ってもらった方が面白かった気もするな。小学生は最高ですから。まぁ、このアニメのキャラだと小学生でも高校生でも大して変わらないけどさ。忍ちゃんの中の人が西明日香だっていうのも、ロリ度合いに拍車をかけている。フキンシンダワ! というわけで中の人だが、日本側の女子高生は西ちゃんを中心にして、どこにでも使える非常に便利なサポート役、種田梨沙・内田夕実という配置。この2人の「女子校の友達」率は尋常じゃない。いや、でもこの2人、上手いのよね。どこでも色を消してすっと入ってくるくせして、印象にも残る仕事が出来る。なんか種田梨沙はこのまんまキタエリみたいな立ち位置になるんじゃないかと期待と不安が入り交じった気持ちで見てる。 対するイギリス側、アリス役の田中真奈美という子は初めて見る名前だったが、英語でのお仕事も含めて、実に愛らしい良い第一印象だった。どうやら英語力も見込まれての起用のようである。やっぱりこういうところで秀でているとお仕事はくるものですね。そして、アリスのママンは当然の大原さやかである。「母親属性」+「英語が堪能」だから、多分一発オファーですわ。まぁ、だからこそずっとストーリーがイギリスホームステイ編で続けばいいのに、と思ったわけですが。びっくりしたのは学校の先生役。まさかの大人しゅが美である。皆無ってわけじゃないだろうが、女子高生より上の年齢層の役をやるのは非常にレア。本人もラジオで「先生役とかやる時が来るなんてね〜」と言ってたわけだが、この変化は実に頼もしい。イギリスのママンを取るか、日本の先生を取るか、何と残酷な2択を仕掛けてくる作品なんだ。 ○「神様のいない日曜日」 5 ラノベですよ、と教えてくれる親切なタイトルと、一目で「そっち系か」と分かるビジュアル面を見て、過去の様々な作品がフラッシュバックする。これは一体どの作品に「似てる」という表現を使うことになるのかな、とか、そんな省エネなことばかり考えてアニメを見始めている時点で色々問題があることに気付いたり気付かなかったり。 スタッフがほぼ持ち越しのようなので、確かにパッと見で似ているのは「織田信奈の野望」なのだろうが、もちろん作品のテイストは欠片も似ていないので、あまりそういう風には感じられない。キャラデザは確かに同じなのかな、というのは分かるが、「信奈」も画作りは割とニュートラルにやっていたので、割と「新しい作品」としてフラットに入ってきた。その上で、色々と上手いな、と思わせる部分もあり、残念ながら(?)今のところ「叩きたいラノベ」ではない。むしろ、こういうホラーテイストをにじませながらトリッキーなことをやってくれるのなら、今後のストーリーに期待したいと思う。とにかくどこか気になる作品ではある。 世界設定が、事実上の不老不死を是認したというなかなかエッジの効いたもので、その理由が「神様が面倒になった」というのもなかなか酷い。つまり、あの世が無くなっちゃったせいで幽霊街に魂が淀んでいるラヴニカ世界みたいな設定ということだろうか。この世界では幽霊ではなく半ゾンビみたいなのがうじゃうじゃと蠢くことになっているのだが、そのへんの設定をあまり突き詰めることなく、いきなり主人公の少女の過酷な運命から入っている。これがおそらく、1話を「どこか気になる」出来にした最大の要因で、果たしてこの大仰な世界設定から得られるものが「単なるホラー混じりのエグいだけの話」なのか、「世界設定を上手いこと使って、主人公の少女の生い立ちから、何かエグいことを世界全体に仕掛けた作品」なのかがまだ分からないのである。もちろん、後者であることに期待したいわけですよ。 「分からないコト」が現時点でプラスに働いているのは個人的で勝手な思い込みによる部分が大きいが、そういう風に視線誘導してくれるアニメの作り方は悪くないと思う。エグさを出す端的な表現で言ったら、頭が片方吹き飛んだおっさんとの対峙シーンが一番顕著だったわけだが、あそこで一瞬だけおっさんが主人公に襲い掛かるように見せたことは、本筋を考えると(今のところ)何の意味も無い。しかし、それが見ている人間にとっては「気になる」要素になっているわけだ。こういう「分からないが故に気になる」パーツをバラバラと蒔いている現時点が一番楽しいのは間違いないだろう。唯一気になるとすれば、そうした「分からない不安感」「足下がおぼつかない不安定さ」を面白さにする割には、割と抜けていてギャグっぽい要素も混ぜている点だろうか。主人公が少女なのだからそこに萌えポイントを置くのは当然の采配だと思うのだが、ただ、全編を通じてハードな展開になるのだったら、その辺の温度差はひょっとしたらノイズになってしまうかもしれない。1話目でも、村を壊滅させた男との会話が間抜けなものになっていて、そのままのユルさだと完全に本筋から浮いちゃうよ、というのは気になったところ。もちろん、そうした懸念を事前に取り払うために、わざわざ冒頭のシーンを入れ込んだのだとは思うけども。 とりあえず映像面での見せ方は割と好きなタイプだと思えるので、出来ればシナリオ自体も期待しているような「面白い」方向に行ってほしいものです。ちなみに、製作にマッドハウスと書かれていたのを見て「マッドがこういう作品やるのって珍しいな」と思ったのだが、「信奈」もマッドハウスがやってたんだね。五組のイメージしかなかったから全然気付いてなかったわ。 中の人については、1話目はとにかくメインの豊崎一人劇場。しつこいくらいここには書いているのだが、豊崎愛生は非常に器用な声優だと思っている。今回の役もその面白さが出ていて、引きつった嗚咽や怒号など、感情の起伏を出す場面での声の変化が非常に面白い。豊崎キャラが酷い目にあう機会って実はあんまりなくて、こういうのがたくさん聞きたいのでもっともっと酷い役で頑張って欲しいなぁ、とか思ってたりするのである。因果とか、ああいう方向性が好きなんだけどねぇ。 ○「ファンタジスタドール」 4 聞いたこと無い名前の作品だったので、忙しい土曜日曜のラッシュが終わってからようやくの視聴。……なんだこれ? パッと見は「アイカツ」とか「プリティリズム」なんじゃないかと思うようなキャラクター設定とストーリー。しかしやってることは「カードバトル」らしいので、つまり「ヴァンガード」とか「遊戯王」とかそっち系ということになる(?)。まぁ、真っ先に思いつく突っ込みは、「朝番組でやれよ」だよね。いや、一応女の子がいっぱい出てくるし、ドールの衣装デザインなんかは大きなお友達向けなのかもしれないが、このデザインで薄い本が捗ったりするような展開になるとは思えないし、あんまり深夜番組に紛れ込んでくる意味がないような気がする。よりにもよって「進撃の巨人」とか「物語シリーズ」「超電磁砲」に混じって。出自のよく分からん作品だが、一応アニメオリジナルってことでいいのかな? しかも企画に参加しているのが谷口悟朗というのも謎だ。谷口さんらしさが今後どこかで出てくるのだろうか。この中身で? 想像もつかない。 アニメとしての画面はそれなり。監督は斎藤久ということなので萌え方向での見せ方には期待したいところだが、1話目では残念ながら特に盛り上がるようなシーンは無かった。一応ドールがあられもない姿を見せているはずなのだが、そこに残念ながら萌えもエロも感じられない。単なる見せおっぱいである(そんな言葉があるのか知らんが)。そして、シナリオラインがあまりに謎過ぎるのが、真面目にやってるのか笑って欲しいのかが分からないので反応に困るという。まぁ、こういう巻き込まれ型主人公の場合は往々にして導入が不自然になってしまうものだが、今作の主人公も、「何がどう上手くいったらそんな状況になるんだよ」という不可解な巻き込まれ方である。変なカードリーダーを押しつけられたのは不可抗力だろうが、その後、追跡者を振り払うためになし崩し的に契約に至るくだりはどう考えても不自然過ぎるだろう。「得体の知れないものに追われてるから誰か助けて!」っていってる状態で(この時点で既にびびりすぎだが)、何で別な得体の知れないものの言うことを聞くんだよ。しかもあまりに事細かなアンケートにまで回答し、最後には有無を言わさぬ一方的トレード。まだ「巻きますか?巻きませんか?」の2択の方がうっかり契約しちゃう流れが分かりやすいだろう。 その後も「カードゲームが得意だった過去があるから何とか戦える」という謎設定があったり、ドールのシステム自体もさっぱり分かっていないところにメインチームが横並びでずらっと揃ってしまったり、視聴者の突っ込みすら振り切る速さであさっての方向へ向かっている筋立て。でも最後に締めてくれたのが「ラフレシアの君」だからなぁ。タキシード仮面様みたいなものだと思えばいいんだよね。うん、やっぱりギャグなんだろうな。果たしてどこの層を狙った作品になるんだろうか。まぁ、あんまり期待しないで見守りたいと思います。ただでさえアニメシャワーは重たいのに、こんな不安定そうな作品が出てくると気疲れしそうである。 中の人については、おねーさんドールの中の人さえいればあとはどうでもいい、というのが正直なところだが、主人公に大橋彩香、というのは見ておくべきところだろうか。最近少しずつキャリアを重ねてきているが、ここで一気に上がってくるだろうか。下手な子ではないが、まだ個性が出せる段階ではないので、要精進。その他、三澤紗千香やすみぺなどの年齢の近い子も多く、ハラハラしながら見守る現場になりそう。 それにしても……今期は人形でバトるアニメが2本あるのか。倉田雅世の名前を久しぶりに見て思いだしたわ。 ○「有頂天家族」 6 何とも不思議な違和感を満載した作品。こういう謎かけみたいな作品が出てくるあたり、まだまだアニメ業界もおかしなことはあるものだ。 違和感を大きく分けると2つある。1つは、森見登美彦作品で元々原画など無いはずのところに、何故か久米田がキャラクターデザインを起こしたということ。久米田デザインのキャラが動く世界といえば当然「絶望先生」(あとちょっとだけ改蔵)しか無いわけで、当然話の中身も久米田なんじゃないか、と思ってしまうという違和感。見事に画面上を動いているキャラクターは久米田絵なのに、何故かそこにはネタの箇条書きも酷い時事ネタも登場せず、淡々と京都の町並みが流れていくというのは、これまで1つの方向性しかなかった絵柄についての違和感。 そしてもう1つの違和感は、これを動かすのがP.A.Worksのお仕事ということ。P.A.といえば石川県に本拠地を置く「地方復興アニメ」の大家ともいえるスタジオなわけだが、そのP.A.が、なんと同じく地方スタジオとしてブランド名を欲しいままにする京都アニメーションのお膝元、京都に殴り込みをかける形になったのだ。描かれているロケーションは「たまこまーけっと」の舞台になった出町柳商店街を皮切りに、鴨川を下って二条、三条、祇園まで。当然「たまこま」で出てきた風景も、「けいおん」で出てきた風景も描かれている。更に、P.A.といえば目の覚めるような背景美術と繊細なキャラクターデザインを持ち味とした映像美が売りであるが、キャラクターが久米田絵の時点でこれまでのP.A.作品とは似てもにつかない表現として表れることになった。これが2つ目の違和感。 こうして、様々な「アニメとして知ってるはずなのに、気付けば見たこと無い要素」が混ざり合い、何とも不可解な世界が立ち現れることになった。面白いのは、それぞれアクの強いクリエーター集団が違和感の中に個性を紛れさせながらも、最終的にはどぎつい個性を隠しきれず(隠しきらず?)、全てが結果的には表に出てきているという部分である。久米田絵については言わずもがなで、序盤の商店のおっさんの顔なんかは本当に「絶望」のキャラによくありがちなパーフェクト久米田デザイン。 P.A.も、この絵じゃさぞかし仕事もしづらいだろうし、個性なんて出せないだろ、と思って見ていたのだが、そこはやはり一家言あるこだわりの制作集団。久米田絵を殺す方向には動かさず、それを受け入れた上で「自社風」を発揮してきた。具体的には、簡略化の度合いを絶妙にセーブして「いかにも」なディティールを維持しながらも、前面に出たキャラクターが浮かないように調整された背景絵があげられる。「P.A.といえば背景美術!」と言えるくらいにとにかく圧倒的な美術を見せつけるP.A.だが、今回はキャラ絵に合わせてまた新たな独自性を生みだした。このバランス感覚はやはりプロの技である。また、シンプルなデザインのキャラクターのモーションでもきちんとP.A.らしいこだわりは見えており、たとえば序盤に弁天さんが芝生を滑り降りてくる細かい仕草や、師匠の部屋を片付ける主人公の手慣れた手つきなど、特にシナリオの前面に影響しないはずなのに、きちんとそこにリアルが生まれるように描き込まれている。このあたりのこだわりは流石の一言。 また、現在アニマックスで再放送中の「四畳半神話体系」との比較も面白い。原作者が同じとはいえ、アニメとしては全く作り手が異なっているはずなのに、やはり通底する何かがちゃんとあることが感じられる。偶然なのか意図があるのかは定かでないが、オープニングの演出なんかはどこか似た空気が感じられるし、主人公の少年のしゃべり口調は、「四畳半」の「私」を彷彿させる。湯浅デザインと久米田デザイン、どちらもアクの強いふざけたデフォルメといえばそれまでだが、こうしてみるとどこか似ているような気がしてくるから不思議だ。 とまぁ、色々と見ていて退屈しない作品なのは間違いないが、1話目は本当に捉えどころのないシナリオライン。ここから何が起こるのだろう、というのがさっぱり分からないし、大仰な語りから入った割には「何も起こっていない」と言ってしまっていいくらいの走り出し。よくもまぁ、しれっとこういう1話を作れるものである。思い返せば「四畳半」のときも「何がしたいんや、これ」と思って見始めたものだった。さて、この作品もあのときのように「最後まで見ると色々凄いな!」とびっくりさせてくれるものだろうか。期待して待とう。 中の人については……まぁいいや。麻美子マジ麻美子。あ、オープニングが割と好きです。bambooさんの歌って、ふざけてるように聞こえるけど実は上手いんだよな。 ○「ハイスクールD×D NEW」 4 こちらも2期目。今期は続編がやたら多いシーズンなのだが、最近はとにかく分割2クールや売れた作品の追撃が多いので、放っておいてもこういう状態になっちゃうんだよね。まぁ、別に悪いことじゃないとは思うんだけども。こうして「そこまで興味もないけど一応観てた」作品の2期が始まったときにどういう顔をしたらいいか分からないの。 というわけで、天下無敵の乳アニメの2期目。今期も気合いが入った乳が見どころになっており、冒頭からいきなり全裸のリアスでスタート。そこからアーシアも脱ぎ、明乃さんもエロい衣装になり、治療と称して小猫も脱ぐ。つまり、チームメンバー全員脱ぐ。シカタナイネ。当然、AT−Xは年齢制限有りのおかげで規制が一切入らず、見事にあけすけな画面が展開されているわけだが……個人的に、こういうあけすけなものにそこまで食指は動かないんだよなぁ。もっとこう、なんというか、背徳感がある方がいいというか……。だって全員が乳だしてたら単なる裸族の村でしかないじゃないですか。結局イッセーはことに及ぶわけじゃないからその先も無いわけだし。まぁ、明乃さんの指チュパとか、「2期だから遠慮せんでも良いだろ」みたいな炸裂っぷりは見応えがありますけども。中の人たちはむしろ楽しいって言ってたからなぁ。 スタッフが一緒なので、基本的に中身に差は無い気がする(1期の出来をあまり覚えてないから定かじゃないけど)。だから基本的な評価は1期と同じになると思われる。予算が出てればちょっとクオリティもあがるかな。一応、特番なんかでやっていた事前情報だと、「1クールだけど2部構成!」っていうよく分からない宣伝文句で売り込んでいたわけだが、それって普通なんじゃないか、と思う。それゆーたら「化物語」なんて1クールで5部構成だよ。一応オープンエンドなんかも全部入れ替えて雰囲気を変えてくる、ってことなのかな。今時珍しくもないけど。 中の人的な部分も1期と一緒だけど、特番で出てきてた若手連中が絡んで来るのがちょっと楽しみ。1話では2人が登場したわけだが、真礼、なんかキンキンしとるな。みんな、とりあえずエロいことゆーとけ。 ○「<物語>シリーズ セカンドシーズン」 6 安心のブランド、西尾維新の物語シリーズが再びの帰還。アニメでのシリーズファンとしては素直に嬉しい限りだが、「セカンド」と銘打たれているということはファーストシーズンの話も前提にして進められることになるんだろう。ぶっちゃけそこまでのディティールを覚えていない身には大丈夫だろうかとちょっと不安。まぁ、そんなにややこしい話にはならないと思いたいが、「偽物語」の時は1クールで実質エピソードが2本だったから余裕があったものの、今回はそうもいかないだろうから、1期ほどではないにしろスピードは上がるだろう。頑張ってついていかないとなぁ。 昨年末に放送された「猫物語」のときからそうなのだが、シャフト作品には珍しく、今作は「監督」のクレジットに板村智幸が入り、新房昭之は「総監督」という肩書きになっている。シャフト作品なんてものは大体「監督新房=コンセプトデザイン・統制」「シリーズディレクター=監督」みたいな印象だったのだが、「シリーズディレクター」と今回の「監督」は意味が違うのだろうか。それとも、流石に分かりにくいと反省して今までディレクターと呼び習わしていたポジションを正式に「監督」としたのか。自作以降のシャフト作品でそのへんは明らかになるかな? 板村さんは「偽」の時に既にシリーズディレクターの名義だったので、実質監督みたいな存在であろう。「偽」のときにはたっぷりとした尺をフルに使い倒して扇情的だったり躍動的だったり、色々な新しい「物語」シリーズを見せてくれたわけだが、まぁ、そのデザイン性はファッションとしての要素が強い人だという印象がある。個人的に1期で同職だった尾石さんへの愛着が強いので、その差分で違和感があったのかもしれないけども。尾石さん、結局「傷」はどうなったんですかね……早く仕事を見せてくれ……。 今回の1話目もやはり板村さんらしいデザイン性が現れており、最大限に活かされるのが羽川・戦場ヶ原という2人の美女が開けっぴろげに脱ぎ散らかすシーンである。まぁ、とにかく眼福。惜しげもなく繰り出されるガハラさんの裸体のつややかでエロティックな様子は本当にけしからん。流石の渡辺明夫デザインである。どストライクである。道ばたで妙なポーズを見せる八九時も健康的にぴっちぴちしており、こちらも充分。そして、これらの勢力に対抗するため、最後の最後にこの物語の主人公である羽川がおもむろに脱ぎ、伝家の宝刀を見せつけるという阿漕極まりない展開。もう、これでいいです。正直、もう話とか細かいことはいいです。シリーズヒロインたちの阿漕な痴態をこれからも楽しみに観ていこう。もう、「偽」から既にそういう作品になってたしな! いや、もちろん中身も大事ですよ。羽川さんのエピソードからなのでどうしても暗いイメージが後ろにつきまとうことになっているわけだが、冒頭のルンバが動き回る室内のイメージや身も蓋もない羽川の独白などで、相変わらず一筋縄ではいかない彼女の家庭事情がよく分かり、短い時間の中でも彼女の抱える問題と、それを完全に感情の外にシャットアウトしている精神性が良く見える。そして、それを打開するために見たこともないような表情で迫ったひたぎさんの真っ直ぐな態度も印象的だ。この2人の絡みってこれまでいうほど多くなかったわけだが、間に「助けてと言わなくても助けてくれる」という信頼を一身に背負った阿良々木を挟み、不思議な友情がきちんと構築されつつあるようである。この2人のタッグでの活躍、是非じっくり拝みたいものです。阿良々木さんはこれまでのシリーズで働きすぎたんだから、少し休んでても良いだろ。 そうそう、当然オリジナルのオープニングが羽川モードになっているわけだが、今作のオープニングも実にキャッチー。曲は相変わらずmegrockの提供で羽川らしい曲に仕上がっているし、今回はオープニングの演出もかなり好み。誰が担当したんだろう、と思ってみたら「URA」っていうよく分からないクレジットだった。誰なんだろ。 ○「ロウきゅーぶ!SS」 5 2期目にSSという文字が付くパターンは過去にも例があって、普通に捉えると「Second Season」の略。アマガミだと「Short Stories」の略なんて話もあった。この作品の場合は何の略かというと、「Syogakusei ha Saiko daze!」の略という噂が。まったく、なんて国だ。 そんな小学生愛玩型危険指定対象アニメであるが、2期目ということで特に導入に気を使うこともなく、なんか1クールアニメだったら6話目くらいにありそうな、フツーの夏祭り話になった。正直、1期目を見ていたとは言ってもそこまで真剣に見てたわけでもないので智花の家庭環境の話なんて全く覚えてなかったのだが、一応ご両親公認の仲になるという、それなりに大事そうな要素もこの1話目で片付けてしまっている。いや、小学生が主人公のアニメでそんなところの心配をする時点でおかしいのだが。 改めてアニメで見て思いだしたのだが、作中の昴は割と普通の好青年だったりするんだよな。智花に関しては色々あるかもしれないが、残りの4人に対してはあくまで「コーチとして」の接し方になってるはずだし。つまり、別にロリコンアニメなんかじゃないはずなのだ。でも、1話ではこのアニメに期待したい(?)要素の1つであるバスケットにかかわる描写はほとんど無し。その分、夏祭りでパンチラを見せかけたり、チョコバナナを喰う小学生の描写に尺を割いたりした。まぁ、マジョリティのニーズを考えればこれが正しい方向性なのだろう。流石にわたしゃこのレベルまで来ちゃうとちょっと理解しがたい世界なので、「まぁ、普通のハーレムもののテンプレだなぁ」というだけの印象で見るしかない。作画はそこそこだし、中の人ポイントはかなり高いので、これはこれで不満はないのですがね。どうせ単なるハーレムものなんてそのへんにあふれかえってるのだから、やはり今作のオリジナリティはスポ根要素で見せて欲しいものである。 ちなみに、今回から草川監督が「総監督」になっており、監督には柳伸亮氏という名前がクレジットされている。一応1期にも関わっていた人のようだし、勘所は心得ているのだろう。1話もバスケ描写に萌え描写とそつのないスタートであるが、唯一、昴が智花と出会うシーンの「SHOOT!」がかかるタイミングだけは謎過ぎたな。あれ、一体どんな演出意図があったんや。せっかく人気があったオープニングテーマなんだから、もっと大事なところでもったいぶって使うべきだと思うのだが、なんだかブツッと切れて違和感しかなかったのよね。テーマソングついでに書いておくと、今期もオープンエンドは我らが声優ユニット「RO-KYU-BU!」が担当。またも「曲がらない膝」タグがお仕事をする時期になりました。エンディングテーマは歌詞が酷すぎて笑ってしまったが、安定のモモーイのお仕事であった。そういや1期もモモーイだったっけ。やりたい放題やな。 中の人要素で盛り上がるポイントの多い今作。復活したRO-KYU-BU!の面々は、稼ぎ頭の座を花澤から奪った感のある日笠を筆頭に、残りの面々も今や多忙を極める人気声優ばかり。ある意味すげぇ贅沢なユニットである(まぁ、歌唱が聴きたいかどうかは別問題として)。ロリロリしい作中での絡みは見事であり、特に日笠はなかなか普段聞けない音域の仕事をしてくれているので、その点でもこの作品は唯一無二である。キャラ被りが多い日高・小倉の濃い絡みが楽しめるのも見逃せないぞ。小学生が最高かどうかは分からないが、小学生をやって違和感の無い声優は最高だぜ! ○「義風堂々!!兼続と慶次」 5 首ふっといなぁ。冒頭の入道姿をした慶次の首の太さ、というか顔の小ささに爆笑してしまったよ。まぁ、割と乙女ゲーアニメとかではありがちなデザインなんだろうけど、やっぱりあの比率はすげぇと思う。 そんなどうでも良い話から入ってみたが、実は色々な系譜を継ぐ不可解なポジションの作品である。まず、前クールとの繋がりでいうなら、タイトルが表す通りにこの作品はぐつぐつさんとまえだけさんのお話である。先輩が乳の揺れる作品だったのに対し、こちらは筋肉が躍動する。そして、原作の掲載誌やアニメの製作元を見ればコミックゼノン関係であり、更にアニメのくせに「総監督:原哲夫」というクレジット。つまり「DD北斗の拳」に続く刺客ということになる。更に更に、アニメ監督としてはボブ白旗が起用され、当然制作はディーン。「緋色の欠片」に続くディーンの野郎成分いっぱいの作品でもある。なんか、アニメの多角化もここに極まれり、という感じの「色んなところの思惑が絡んだダークホース」といった印象の作品だ。 1話目、とにかくキャラ絵に笑いを堪えるだけでも大変なのだが、いわゆるディーンの乙女ゲー関係とは違い、もう、容赦無い男臭さが胸を打つ。そりゃ原哲夫が頑張ってる時点でいわゆる「BL」なんて言葉とは縁遠い作品にならざるを得ず、敢えて外見だけを見てそういう要素の名前を付けるなら、古き良き「薔薇族」というのが一番しっくりくるだろう。いや、別にディーンが関わってるからって無理矢理BLに関係づける必要も無いのだけども。とにかく、「前田慶次〜雲のかなたに〜」の続きとして産みだされた、濃度の濃い原哲夫ワールドが、現代のアニメとして蘇ってきたのだ。これは、ギャグとしてはなかなかレベルが高い。 普通のBL作品や、マイナー制作が作る歴史物(例:幕末義人伝浪漫)なんかは簡単にスルーしてしまってもいいものになるのだが、この作品はスルーしてしまうことを許さない嫌な存在感がある。やってることは本当に「原哲夫のテンション」でしかないし、流石に歴史アニメもボチボチ食傷気味にはなっているはずなのだが、そのむさ苦しさ、馬鹿馬鹿しさがどぎつく画面に出ているので、なんやかやで楽しそうに見えてしまうのである。突然新居に押し寄せて斧を突き刺して「だからおもしろいんじゃないか!」って、ホントにどうしようもない展開なのに、周りの人間が平身低頭、なんか良い話風にまとめちゃう力業が本当に慶次さん。また、出だしのエピソードとして「後妻打ち」なんて愉快で不可解な風習が絡んで来るのも、いかにもなセッティングで興味を惹かれる。最終的には「兼続ゥ!」「慶次ィ!」っていう話になるだけなんだろうが、それを一体どんなアホな形で描写してくれるのだろう、という興味が、今後への期待感を駆り立ててくれるのである。これ、シナリオ次第では結構面白いアニメになる気がします。原作はどうなってるのかな。 中の人については野郎ばかりなので触れるべき点も少ないかと思ったが、なんか無闇に渋いところやエキセントリックなところのネタが容赦無い。兼続の従僕である小男に川本成って時点でなかなか良いセンスだが、一番びびったのはナレーションだろう。「聞いたことない声だけど、なんか面白いテイストやな」と思ってたら、スタッフロールで「吉川晃司」とクレジットされていて度肝を抜かれた。こんなとこでなにしとるんや。こういう訳の分からないところがいいのかもしれません。あ、あと根谷さんのはんなり京言葉はやっぱりエロい、違う、色っぽい。女性キャラは少ないだろうけど、このまま大人な女性のしっとりエロスが見られることにも期待出来るかも。まぁ、あの画だから興奮はしないだろうけども。 |
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男性
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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