最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「まりあ†ほりっく あらいぶ」 5 2年ぶりの放送となる「まりあ†ほりっく」の2期目。最近は2期物の数も多かったが、2年というブランクはその中でも割と空いた方。原作のストックが無かったというのもあるだろうが、何よりも制作元であるシャフトが多忙を極める無茶スケジュールで身の丈に合わない本数のアニメを回していた、というのも大きな原因だろう。まぁ、今現在その過密スケジュールに余裕が出来たかといえば、そうとも思えないのだが…… そして、シャフト制作にしては珍しく、1期目からかなり多くの部分でスタッフの変更が行われている。事実上の監督ポジションとなるチーフディレクターは、1期の宮本さんからところともかず氏に。あんまりシャフトでは見ない名前のはずだけど、どこかで聞いたことがある気がすると思ったら、なんと「灰羽連盟」の監督さんである。ちょっとびっくり。他にも副監督は龍輪さんが外れて、「ひだまりスケッチ×☆☆☆」でもディレクションを務めた石倉賢一氏に変更。このあたりの面子を見ると、やはりシャフトも少しずつ手を広げてスタッフの拡充を行っていることが分かる。あんまり拡散しすぎるとシャフト独特の「らしさ」が削れてしまう気がするので好みじゃないのだが…… とか思っていたのだが、実際に見てみたら、これが思っていた以上に「昔のシャフト」風味だった。ここ最近は「ひだまり」もそうだけど「まどか」なんかが更に別ベクトルでおかしな方向に行っていたので、こうした古式ゆかしい新房イズムを見るのはすごく久し振り。一時期のようにひたすらこのテイストだけを連打されると食傷気味にはなるのだが、年に2本くらいのペースでこれが見られるのは丁度良い塩梅だ。元々そんなに注目を集めるような作品でもないだろうから、重度のシャフトジャンキーはこの番組で一時の新房分を補充し、嫌いな人たちは無視する、という方向でいいのではなかろうか。どうせ1期の時もあんまり話題にはならなかったしな。 個人的には、1期が終わった後に原作コミックスを揃える程度には好きな作品。最近は原作の方が妙な方向に流れているのでちょっと困惑してはいるのだが、アニメになるとちゃんと1本芯が通っているので安心して楽しむことが出来る。かなこのキャラクターは安定感のある変態なので、その一人舞台を見ているだけでもある程度は満足できるだろう。あ、でもオープニングはちゃんと変更してね。これからずっとあのオープニングってのは流石にキツイからね。 そして、1期の時にこの作品を「絶望少女たちによる学芸会アニメ」と評したのだが、中の人的には相変わらずその方向性が顕著。アサ姉を筆頭に画伯、新谷、後藤(弱)、沢城、麻里奈と並ぶ2年へ組の面々が、実に緊張感のない、お約束のテンションで楽しませてくれる。これを聞いてると、「ボチボチ絶望の4期もあるのかなぁ」と思えるから不思議だ。そして、ほとんどがブロッコリーあがりの声優なのもちょっと不思議だ。いつの日かみもりんや餃子姫がシャフト組に加わる日が来るのであろうか。 PR
○「30歳の保健体育」 2
ネタにマジレスさせられている気分。……真面目に取り扱ったら負けだよなぁ。 これが企画として通ってしまったことが日本アニメ業界の1つの奇跡として語り継がれる気もします。というか、これってアニメ業界っていう枠で取り扱うのも間違いなんだろうな。面白かったのは、置鮎と、ピー音です。置鮎が「私の尻で童貞を捨てろ!」って言ってるのを聞いて、腐女子は喜んだり出来るんでしょうか。立木さん、本当に仕事を選んで下さい。多分誰かが「立木さんの自主規制ボタン」とかを作ってくれて、好き放題「コブラツイスト!」出来るようになるに違いない。あとは……オープニングとエンディングが無駄に良曲。こんなもんに採用されてしまったアーティストが可哀想になるくらいに。 アニメが添え物程度なのに、それすら訳が分からない規制でまともに見られない。この規制度合いは「聖痕のクェイサー」や「こどものじかん」以来だが、そうした作品と違って、規制で何が見えなくなっているのかがさっぱり気にならず、「もういっそ番組自体を放送しなきゃ良かったんじゃないかな?」としか思えない。ネタとしても別に面白くない。そして、BS版特典として15分の実写パートもついてくる。これを的確に表す言葉を、私は「放送事故」しかしらない。どうすりゃいいのよ。
○「へうげもの」 6
2年ぶり、なかなか珍しい方向から攻めてきた感のある真下耕一の新作。原作は未読。真下監督との付き合いは「NOIR」からなので、こうして明確な原作ありの作品をアニメ化するのはほとんど初めて見るジャンルだったりします(一応「Phantom」は原作有りだけど、ゲーム原作だからいじり甲斐があったからねぇ)。 正直、あまり期待していない作品だった。真下監督の独特の演出技法っていうのはあんまり他の媒体との相性が良くないと思えるし、原作がちゃんとした漫画であればあるほど、真下演出の色が消えてしまうか、もしくは無理矢理あの空気を生み出した結果原作の味を殺して自己満足になってしまうか、どちらかになるだろうと思っていたのだ。実際、最初の方のカット構成は「普通の」流れが支配的で、あまり真下的な要素が見られないものだった。しかし、そんなことくらいで彼は負けない。松永久秀と古田左介の対峙シーンあたりから、画面が次第に重みを増し、「目」による演出が際立ってくる。人と人とのインタラクションがその密度を増すにつれ、アップのカットと止め画で見せる真下演出は力を持ち始める。松永の死後も、秀吉と信長の対峙、信長と左介の対峙、そして港での再びの対峙と、少ない動画数でガッツリと見せ付ける演出が、実に合理的にシナリオを盛り上げてくれた。 とにかくきらびやかに、賑やかにを良しとする現代日本アニメとは一線を画すビィートレインの静かなコンテ構成。その力はこうした「地味な」テーマを持った作品とのマッチングが良く、「予想以上にいい題材を見付けたもんだなぁ」と感心してしまった。原作ファンから見たらどういう感想が出るのかは想像も出来ないが、全く原作を知らない身としては、「アニメが終わったら原作を読んでみようかな」という気にさせるだけの完成度だったことは間違い無い。 多分、これって原作も面白いんだろう。主人公古田左介のキレ気味のキャラクターが良い味を出しているし、既存の歴史上の人物のアレンジも、馴染みやすくなっているのにベタベタという程でもない。アニメ風に落とし込まれた絵柄も動かすとバランス良く原作の絵がイメージ出来るし、今後もこのくらいのペースで進行してくれるならば、シナリオ面も映像面も合わせて、なかなか楽しめそうである。 中の人の話もちゃんと。主人公・古田左介役の大倉孝二という人は知らない人だったが、どうやら一般の俳優業の方らしい。くせのある声色が「数奇者」としての左介の味としていい具合にマッチしており、なかなか面白い。また、信長役に小山力也、秀吉役に江原正士、松永役に飯塚昭三などの骨太の配役も安定感抜群で、特に猿の役に徹した江原さんの演技が楽しい。粗製濫造のアニメ業界で、こういう作品がポッと出てくるだけでも良い口直しになります。大丈夫、NHKのアニメだよ! そういや、ビィートレインって思いの外NHKと仲が良いんだよなぁ。
○「Dororonえん魔くん メ〜ラめら」 5
えーっとねぇ…………誰だ、この企画通した奴。いや、これはこれで…… 1話目のテーマが「とにかく昭和、何が何でも昭和、色々犠牲にしてもまず昭和」というもので、脚本を立てたおっさんはさぞかし楽しかっただろう、という徹底的な密度でもって昭和の懐かしい文化が乱れ撃ちされる。世代的に、私も正直ほとんど蚊帳の外で、知識として知ってはいても笑いに繋がらないような演出も多いのだが、とにかくそこにこだわり抜いていることが分かるために、面白いとかいう以前に感心してしまった。これは、嫌いじゃないです。 考えてみれば、この味付けは理に適っている。永井豪原作の漫画で、しかもギャグを多めに盛り込んだこの作品なら、どうしたって笑いの質は昭和以前のものになってしまい、「今のアニメ」に仕立て上げてもそぐわないものになるのは目に見えている。それなら、開き直って「全てのネタが昭和である」という世界を作ってしまえば、そのまま永井豪のギャグを放り込んでも、何となく調和が取れてしまうのだ。お色気シーンや下品なギャグ、下らない駄洒落などの本当にどうでも良いピースが、輪をかけてどうでもいい昭和ネタにまみれ、世界を1つずつ装飾していくのだ。このこだわりはなかなかまねできるものじゃないし、そもそも、あんまりやろうと思わない。米たに監督、なかなか思い切った方向性で攻めてきたものである。 これだけ古めかしいネタなのだから、そのまま昭和アニメテイストでお送りすれば単なる懐古主義の作品になるだけなのだが、アニメとしての骨格はちゃんと現代アニメになっているのが更に質の悪い部分。キャラクターデザインがまさかの木村貴宏で、細かい動きのシーンでは昭和的なギャグの演出に加えて、きちんと「綺麗な画面」でも見せてくれるのだ。おかげで永井豪っぽく寄せたキャラ顔なんかはちょっと浮いた感じになってしまうのだが、その不協和音までもが、くだらなさをコテコテに盛りつけた昭和ギャグの一環として溶け込んでしまうのだ。いやぁ、このムズかゆい感覚は、案外くせになるかもしれません。でも、本当に面白いと思えているのかが自分でも自信が持てないんですよ。 こうして書き出してみると単なるネタ要素重視の一発屋作品のように見えてくるが、ブレインズ・ベースの制作ということもあり、画面の密度はかなりのもの。ネタ自体がドタバタした混沌を笑いに変える狙いがあるために掛け合いのテンポが凄まじく早いのだが、それに負けないような賑々しさが画面にもみなぎっている。主人公の女の子(ハルミ)が一人で頑張っているシーンとか、中の人が可哀想になるくらいにネタを畳みかけているおかげで、馬鹿馬鹿しいだけのものなのに、勢いに飲まれてしまう。この密度でネタを回すのは、珍しいとか難しいとかいう以前に、多分しんどい。どこまでこのテンションを維持できるかが、今後の勝負の鍵になるんじゃなかろうか。 昭和テイストを良い感じに支えているのが、やってる方もなんだか楽しそうな中の人たち。勝平ちゃんを中心に子安・能登と配置したメイン組もさることながら、小学生役にも川澄やら宍戸留美やら、微妙にキャリアのある連中が顔を連ね、何となくでもちゃんと昭和ネタが分かるくらいの年齢層をキープ。確かに、この作品を若い連中に固められたら興ざめだものねぇ。能登も自分が一番若い現場とか、久し振りなんじゃなかろうか。長らく見ていなかった気がする大沢コンビの競演が楽しいです。そして、子安が楽しそうです。こういう役も似合うんだよなぁ。ずっこいなぁ。
○「Aチャンネル」 4
まんがタイムきらら系列の日常系漫画といえば、もうすっかりお馴染みの風景となった感もありますが、とどのつまりはそういうものの新作です。あんまり代わり映えしないジャンルなので、なかなか紹介が難しいよね。ただまぁ、これまでの経歴からすると、この手の作品は全般的に楽しめているので、今回もなかなか楽しみであることよ、と思いつつの視聴。 で、1話目であるが、確かに画面の質は良い。制作を手がけるスタジオ五組は「こえでおしごと」のOADを作ったところみたいだが、今回はついに自社元請による初制作ということで、GONZO繋がりの小野学を監督に配し、サトウセイジをサポートに回した「咲」と同じ布陣を用意。萌えものの表現技法も手慣れているし、技巧的な部分も色々と面白い試みはあって、特にオープニング映像は本当に凝っていてゆっくり見てみたいと思わせるだけの出来。冒頭、バットの女の子がズルズルと金属バットをもって走り回るシーンもグリングリンと画面が動いて、1話目からちゃんとお客さんを引きつけようという努力が伺える。このまま画面の質が崩れなければ、平均点はキープ出来るくらいの作品にはなるのだろう。 ただ、正直言うと1話目ではあんまり「楽しそう」と思えるだけの内容は無かった。他に居並んだ「萌え四コマ」と何が違うのかと言われると難しいのだが……1ついえるのは、初見で訴えかけるようなキャラがあまりいない。言い換えると、キャラが立っていない。バットの子だけはかわいらしさも充分だったし、良いなぁと思わせるだけの画面があったのだが、メインとなっているはずの他3人が特に自己主張をせず、「この子達を中心にネタを回したら楽しそうだ」と思わせるだけの説得力に欠けるのである。特にメインの子。今のところ劣化唯にしか見えない。 この手の作品のメインの子は、何故か天然さんがデフォルト。きらら系列アニメで抜き出すと、唯、キサラギ、ゆのと並ぶ。そして、彼女達の場合には、天然であることに加えて、「主人公たらしめる」要因がちゃんと用意されている。唯は度の過ぎたユルい性格と、それを補ってしまうだけの天性の無駄な才能、キサラギとゆのはボケた部分を補うだけの秘めたる情熱がある。しかし、今作の主人公の子(るん)は、単なる駄目な子である。にも関わらず、周りからはなにかとフォローされ、年下の子には熱愛され、何故か男子からの評判も良い。なんだかしっくりこない。 また、残りの2人についても、現時点では明示的な役割分担が行われていない(一応茶髪の方が突っ込み役であることは分かるのだが、関西弁の立ち位置が中途半端)。まだまだ1話なのだからその辺はおいおい書き込まれていくのだろうとは思うが、上にあげたような他の「日常系作品」は、とにかくキャラの個性で押していくしかないということを重々承知していたため(何せ盛り上げるためのストーリー要素が少ないのだ)、くどいくらいに1話でキャラの描き分けが行われていた。この作品は、そういう部分をあまり見せてくれない分だけ、初見の視聴者には不親切だと言わねばなるまい。 加えて、メイン4人の繋がりがあまり密でないというのも気になるところ。他作品なら部活が同じだったり(軽音部)、クラスが同じだったり(GA)、住所が同じだったり(ひだまり荘)するわけだが、この作品の4人組は、1人だけ学年が違うという妙な配置。おかげでちょっとばかり関係性がイメージしにくいのである。「何故その4人を中心としているのか」が見えないので、視点が定まらないのだ。これもおいおい解決していく部分ではあると思うのだが…… 単なる萌え作品で、あれだけ「けいおん」を大プッシュしていたくせに色々と難癖を付けているのはおかしいとは思っちゃいるが、どうも、「もう1つ何か」が欲しい状態なのは間違い無い。顔見せが終わった次回以降、ちゃんと「萌え」と「笑い」を提供してくれるように、期待したいとは思います。ちなみに、本当にバットの子(トオル)は可愛いく描けている。ジト目になってると柊師匠にしかみえないけどね。そして、ちょっとの間だけど中の人があおちゃんだということに気づきませんでした。芸達者が過ぎるわ。
○「SKET DANCE」 4
夕方どきのジャンプアニメ。これや「銀魂」が普通に夕方の時間帯に放送されているのを見ると、改めて「ぬらりひょんの孫」が深夜枠だった意味が分からんな。「べるぜ」は朝だし……ジャンプも片っ端からアニメ化すりゃいいってもんではないと思うのだが。 というわけで、そこそこの長寿漫画になってきた「ジャンプの隙間産業」みたいなこの作品のアニメ放送が始まったわけだが、原作にもあんまり興味はないし、アニメを見ても、「あぁ、そういやこんな話あったかもな」という程度で、一切それ以上のものは生まれてこない。とにかくそつのない「アニメ化」なのは流石に川口敬一郎といったところだろうが、残念ながら、それだけで引っ張れるほどの魅力が原作にあるとも思えないので、一応初回は視聴したけど、来週からは別に見る気も起きないレベルである。いや、原作知っているアニメで毎週欠かさず見たい場合ってのはあんまり無いんだけどさ。 ちょっと意外だったのは、制作がタツノコであるという点。調べてみたらタツノコが地上波レギュラー枠で元請けをやるのはかなり久し振りで、今まで縁の無かったジャンプアニメの制作に突然関わってきたのはちょっと不思議。ただ、過去にはくせのあるスタジオという認識が強かったタツノコも、こういう作品を作る時には特に味が強く出るわけでもなく、「ハヤテ」同様にシナジーSPの制作です、と言われても信じてしまう画面である。欠点もないが、特に褒めそやす要素もない。1話の時点でなんだか妙に気の抜けた動画の使い方が見られたので、あんまり追いかけたくないのが正直なところである。導入に持ってくるエピソードはもうちょっとメイン3人の内情に突っ込む話でも良かった気がするんだけど、原作の1話ってこの話だったっけ? どうせ今回の依頼人はレギュラーキャラでも何でもないからフェードアウトするんだろうし、顔見せとしてはあんまりいいチョイスには見えなかったんだがな。 一応の評価ポイントとしては、川口さんなのでギャグのノリになったときのテンポは良いという部分。特に引っかかりもなく流れてしまうので一長一短とは思うが、リズムの刻み方は手慣れたもので、ちょっと捻り気味のシナリオもすいすい入ってくるように脚本が組まれていたのは、地味に偉い部分。また、スケット団3人のキャラクターは確立しているので、3人の中での絡みならば安心して見ていられるのもありがたいところか。中の人も含めて、本当に「原作のイメージ通り」のキャラクターになっているので、原作ファンならスッとアニメに入っていけるだろう。これである程度の長さが保証されるシリーズだったら、「銀魂」レベルとはいかないまでも、ある程度の固定客は確保出来そうだ。夕方アニメなんだから、こんなもんでいいのかもしれん。 ○「Steins;Gate」 5 初っぱなからのポカーン具合がどうにも判断しづらい作品。1話目で判断しにくい作品らしい、ということはちらほら漏れ聞こえる評判から知ってはいたが、うーむ。 原作がゲームで、しかも最近何かとお騒がせ要素となるニトロプラスの制作。東京の一都市を舞台にした、やや電波トビ気味の主人公を中心としたオタク文化満載の物語。更にいとうかなこによるオープニングとくれば、同社のアニメであった「カオスヘッド」を思い出す。そして、その「カオスヘッド」も、1話目の段階では謎に満ちており、様々な期待を抱かせるだけのパワーがあった。しかし、その後次第にストーリーはどうでもいい方向へと流れ、最終的には謎も秘密もぶん投げたような終わり方をしてしまっていた。どれだけ世間で騒がれようとも、先入観無しでこの作品の1話を見て、あれと同じにならないという保証はないだろう、という懸念ばかりが先立ってしまう。謎をばらまくだけなら誰でも出来るし、会話主体の物語なので、それを思わせぶりに配置するだけならばそれほどの労力を要する作業ではない。そして、それが後への期待感に特に繋がっていないとすると、今の段階で特別高い評価にはならない。 ただ、「カオスヘッド」と大きく違うのは、制作にWHITE FOXが入っており、画面の質の保証はされているという点。どこか虚ろな世界の描画はなかなか印象的だし、「ゲルバナ」のとんでもない造形なんかは、かなりのディティールまで追究して描かれている。このあたりの画面の見栄えは素直に評価点として見ていいだろう。その上で、シナリオラインを今後ダラケさせずに引っ張れるとするなら、一応は「楽しみな作品」といえるかもしれない。今のところ、妙なキャラクターたちのアクの強さがちょっと鼻につく感じですけどね。特にあのデブハッカーね。どうしても、こういう「リアルで2ch用語を話す奴」って、アニメの中に出てくると気にくわない描写になりがちだよね。ただ、コイツの場合はそれが徹底しているので、最後の方になるとむしろ気にならなくなったんですけど。ごめん、クレジット見て初めてセキトモだって分かったわ。こういう役できっちりそれっぽく決めてくるのは流石やなぁ。 まだまだ何かを語れるような段階ではないので、「まぁ、一応続きは見るけど」という程度の認識。ここから今期アニメの中でどのくらいの地位まで登ることが出来るのか、気にしつつ見守っていこうと思う。ちなみに、監督が佐藤卓哉でキャラデザが坂井久太っていうコンビネーションは何故か「苺ましまろ」と同じ布陣だったりするな。どうでもいいけど。 ○「花咲くいろは」 6 さぁ、やってまいりました、今期本命の2、P.A.WORKS制作の「花咲くいろは」だ(本命シリーズが何本あるかは未定です)。なんでもP.A.WORKSの創立10周年記念作品らしく、P.A.ファンには見逃せない1本となっている。スタッフには、「CANAAN」製作陣の安藤真裕・岡田麿里・関口可奈味などが名を連ねており、「CANAAN」ファンとしては期待せずにはいられない。安藤監督、岡田マリー。俺はあんたがたを信じているぜ! というわけで、多少興奮気味の1話目。想定通りに、一分の隙もない美麗な映像の完成度にはただただうっとりするばかり。中でも緒花が東京で見上げた空や、トンネルを抜けた後に見える希望に満ちた海岸の風景、菜子と一緒に見下ろした町の全景など、とにかく背景美術のディティールが本当に見事。このあたりの細やかな仕事ぶりは、「true tears」以降、P.A.のお家芸ともいえる部分。またあの臭いさえするかのような北陸の空気が味わえるかと思うと、それだけでも期待感は高まってくる。「作画に関して一切の不安がない」というのは、新番組を見ていく上で非常に重要なファクターである。 キャラクターデザインは「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」などでアニメに進出してきた岸田メルが担当しており、これを関口さんなりのアレンジで線の細さをそのままに、グリグリ動けるように画面に落とし込んだ。特に主人公の緒花はくせっ毛の描画がなかなか面倒で、これを丁寧に動かすだけでもかなり躍動感が出る。他にも旅館従業員らしい和装が似合ういかにも日本人らしい美人が大挙する喜翠荘は、単純なハーレムとしても充分機能する見栄えがある。本当に、画的な部分は好みどストライクなので困ってしまう。 実際のキャラクター造形はというと、緒花はなかなかの曲者である。一見すると今時のチャラい女子高生。その中身もかなり浮ついたところがある女の子で、物怖じすることが一切無いかのような状況適応能力は些か現実離れが過ぎる。まぁ、あの母親に育てられたらこうした刹那的な性格になるか、という気もするのだが、主人公としての語りの部分はやや鼻につくのが気になる部分だろうか。ただ、本当ならもう少し受け入れにくい我の強い人物のように見えるのかもしれないが、声が伊藤かな恵であるために、どこか憎めないラインでセーブされているのは美味しいところだ。その他のキャラクターはまだまだ顔見せの段階だが、1話目からその性格がそれなりに発揮され、みんながみんな、ちゃんと区別出来るようになっているのはありがたい。当たり前のこととはいえ、顔見せの段階で書き分けが出来ているというのはいうほど簡単ではないのです。今回分かりやすく飛び出したのは能登ボイスの中居さんでしょうか。軽めの能登キャラは、最近黒沼やサテライザー先輩ばかりだったので良い口直しになります。 そして、このアニメで一番のポイントとなるのは、今時女子高生の旅館アルバイト奮闘記というメイン部分だ。1話はお約束の、「商売の厳しさを身体で覚える」展開。客商売をする上での基本となる心意気を、おばあちゃんが3発の平手で教えてくれた。厳しいようではあるが、客商売の場合は日常的に培ってきた常識を一からぶっ壊して「商売用メンタル」を形成しなければ成立しないジャンル。そのあたりの現実の厳しさと、生々しさが心にズンと重い。緒花の主張も分かる部分はあるのだが、まだまだ彼女はケツの青いガキでしかないのだ。少なくとも今回に限っては、全面的にばぁちゃんが正しいのである。今後、どのように旅館の一員として認められていくのか、なかなか興味深いテーマではないか。 さぁ、とにかく舞台は整った。この畏くも呪われた石川県の地に、舞い踊れ、女子高生。メインキャラの1人、黒髪ポニテの子はものすごく可愛くてキャラもいいのに、声が! 声が!! お前、「すいません」ってちゃんと言えてないじゃねぇかぁぁぁ!
○「日常」 6
さぁ、やってまいりました、今期本命の1,京アニ製作の「日常」だ。OADの時点では「そこまで大したもんでもないなぁ」という感想だったのだけれど、やはりというかなんというか、本放送1話目ではしっかりと作品の空気を作るために、ちゃんとアゲてきましたね。流石というしかない。 OADで微妙だった部分といえば、やはりオチのテンポが弱いダラダラした展開。基本的に始終腹を抱えて笑うような作品ではなく、本当にシュールな間の笑いで勝負する作品なので、いくら映像の再現度が高くとも、それがキレの悪いパートになってしまうとどうしたって見ている方には面白くない。かといって原作自体もそこまで細かいネタを繋ぐものではなく、どちらかというと大ゴマでみせたり、1枚絵で見せたり、シチュエーションそのものの不条理で見せたりする部分が多いはずだ。OADの場合、そこの押しが弱かった気がする。 しかし、今回1話目はそのあたりの要所をちゃんと押さえて、テンポの良いスタートダッシュに成功している。ネタによって密度やテンポには善し悪しもあるが、間に本当にどうでもいい小ネタを挟んでいくことで多少スベるくらいは気にしないだけの勢いを維持して、そのまま30分突き抜ける姿勢。これなら、いちいち小難しいことを突っ込む必要も無かろう。あとは京アニクオリティを隅から隅まで楽しむだけだ。相変わらず仕事は完璧で、特に原作者の持ち味である独特な背景美術なんかの完成度がかなり高い。色彩設定も「あらゐ流」の塗りが徹底しており、あんな原作でも(失礼)全力で再現して120%を生み出す京アニの矜持が見える。 個人的には、OADの時同様にはかせとなののパートはあまり好きではない。原作の時からそうなのだが、正直言うとこのパートはあまり面白味が無く、はかせやなのの愛らしさで売る部分であり、あまりこの作品に馴染んでいるように見えない。アニメにするとそれが顕著で、典型的な「ダラダラした部分」になってしまう。今後さかもとが入ってくると更にその様相は加速するだろうから、そこだけはちょっと不安。 対して、ゆっこ達が暴れる学園パートはサブキャラも充実しているし、メインとなるのはあくまでこちら。1話のウィンナー話の勢いなんかは文句無しで、原作でもかなりトバし気味の話だったものが、京アニの持ち味である丁寧なアニメーションで何倍もの破壊力を得ている。そういえば「らき☆すた」の時もひよりが転倒するシーンで無駄にダイナミックなアクション動画を駆使してみせてくれたりしていたので、そうした「無駄なクオリティ」がこの作品でも見られれば良いなぁ、という期待感はある。 あとの勝負は、いかに「間の笑い」をアニメの流れの中に組み込めるか、という部分かな。今回一番笑ったのはおそらく「今はヤギだ」のところ(多分原作でもそうだったと思う)なので、こういうネタできっちり勝負が出来るデザインにして欲しいですな。前半のクライマックスはトランプタワーの回とかかな。そうそう、サプライズなサービスとしては、なんと「Helvetica Standard」が作中に挟まっていた。確かに「日常」だけだと間が持たない気もするが、いっそのこと「あらゐワールドならなんでもいいや」とばかりに詰め込まれた異次元は、ちょっと予想外の演出である。実をいうとより荒唐無稽な「Helvetica」の方が持ち味は活かせる気がしているので、今後の絡みが楽しみである。 いつもならここでキャストの話に移るわけだが、今作はほとんどが初見の連中ばかりで、あまり語るべきことがない。調べてみたら「生徒会の一存(わが家では視聴出来なかった……)」でデビューした連中が多く採用されているみたいで、個人的にはほとんどが始めましてなのである。現時点でほとんど不満は無いレベルだが(なの役だけちょっと気になる部分はあるが)、特に良いというイメージもない。これ以降に何かめざましいものが現れるだろうか。しいていうなら、こんなところでも校長役を任されるチョーさんの安定感ばかりが引き立ちますけどね。震えてないのが、時定高校の校長。震えているのが、やまぶき高校の校長。簡単ですね。 |
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HN:
Thraxi
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男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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