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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ○「Rio -RainbowGate!-」 4

 パチンコだかスロットが原作となる作品、ってことで、ある意味「うみものがたり」に通じるものはあるのかもしれないが、パチンコ屋からそのままカジノに移行したというこちらの方が分かりやすい。ただ「うみものがたり」の時にも思ったのだが、元々大して物語性のないパチンコ台なんかを、わざわざアニメシリーズにする意味はよく分からないのである。

 多分に予断を含んでいるので申し訳ない話なのだが、どうも加戸監督が作る「萌え作品」というだけで斜に構えてしまう部分があり、受け入れにくいものになっている。監督は過去に「To LOVEる」で大失敗を犯しており、今回は同じXEBEC製作での再挑戦という形になるわけだが、期待しろと言われてもちょっと難しい。もっとシンプルなバトルもの、ファンタジーものをやるならそれなりに描ける監督だという認識はあるのだが。

 今作についても、予断の通りとしか言いようがない1話目であり、お色気要素や派手目の戦闘シーンなんかで見せ場を用意しているのは分かるのだが、そのどれもが適当な印象で、少なくとも「作品世界にのめり込む」のは無理な状態。個々のエピソードを繋ぐテンポがもっさりしていて、勧善懲悪の高揚感が乏しいのである。具体例は出しにくいのだが、例えば1話目でいえば、「悪役が出てくるがリオにあっという間にのされて一時退却するシーン」というのがあり、後から考えれば「リオが相手の目的をぬいぐるみであると知るために必要なシーン」だったと分かるのだが、見ている視聴者からすると、単に間抜けな男が出てきて軽く殴られてすぐに退場しただけの、本当に無駄なシーンにしかみえない。リオがちょっとだけメイド服に着替えるくだりとか、ハリウッド女優がスロットに悪態をつくシーンとか、個々のカットの意味が分からず、ただダラダラと「リオの周りにあった風景」を切り貼りしているようにしか見えないのである。一番導入に気を使う必要があるはずの1話目でこの調子だと、今後息をのむ展開を期待するというのは酷な気がするのだ。

 シナリオライン以外の見どころとしては、バトルシーンでの馬鹿馬鹿しいとすらいえるエフェクトバリバリのギャンブル描写があった。今回はポーカー1回戦という盛り上がりが感じられない内容ながら、敵方は「自分の女運を利用して強引にクイーンを連れ去る」という理屈もへったくれもない能力をコミカルに表現していたし、そんな愚策をまるっと飲み込んだリオの持ち味は柔らかな植物の生長として描かれた。これらのシーンは「ギャンブルなんて行程だけを見たら地味なことの繰り返しだから、アニメ的演出で見せ方を工夫しよう」という方向性だけなら勿論正しい。実際、劇画調になったりしてコロコロ画面が変わるのは面白い部分であった。ただ、いかんせんバトルの内容そのものが地味過ぎる。今回の勝負なんて、単にカードを1回チェンジして終わり。いくらフィーチャーマッチになったポーカー勝負とはいえ、チップのやりとりやコール・レイズを交えた心理戦もなしに「ギャンブルで勝ちました」と言われても、なんの説得力もない。事前にリオが披露した「ルーレットでプロポーズの勇気を与える作戦」も、「どうしてリオがチャレンジャーの恋人の誕生日なんて知ってたのか」という情報が一切無いので、本当に「単に運がめっちゃ良かった」というだけのエンディング。実際、リオの能力は「単なる幸運」でしかないのかもしれないが、それで1シリーズの物語が紡げるとはとても思えないのであるが(そもそも、客がラッキーになるディーラーって、カジノ経営側からしたら単なる疫病神だよね?)。

 どうにも見どころが分かりにくい今作。一応「井上麻里奈がメインで頑張ってる久し振りの作品」ってことで視聴は続けたいところだが、今後の展開次第ではさようならを願う可能性も低くない。やっぱりパチンコが絡む作品はあまり興味が湧かない。あ、あと「また竹達か」。なんでこんなに重用されるんだろうなぁ。

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 ○「魔法少女まどか☆マギカ」 5

 今期わが家で口火を切った新番組は、色々と話題の豊富なこの作品である。記憶に有る限りで、シャフト単体元請けでオリジナルというのは初の試み。嫌が上にも気になる存在である。

 初見時の印象は、事前に予期していたものとほぼ一致。それは「ウメス絵がなぁ……」である。冒頭からシャフト風味全開で構築された画面に、適度な緊張感を持ちながらもベタベタで分かりやすい脚本のライン。そんな構造の中で、何かかみ合わないのは平和の体現者とすらいえる蒼樹うめによる、いわゆる「つぶれあんパン」な絵柄。幾何学的なプロップの配置にしろ、色彩から有機的な要素を取り除いたシステマティックな背景にしろ、ウメス絵の持つ緩めの空気とはかみ合わないイメージが強い。これは事前にキャラ絵が発表された時点で危惧されていた部分なのだが、いざ放送されてみると、最近では「化物語」以来久し振りにガリガリのシャフトカラー強めの画面構成となったため、想像以上にキャラ絵が浮き上がる結果になってしまった。「そもそもシャフト演出自体がおかしいんだから仕方ねーだろ」という意見もあるかもしれないが、全体的なテイストとの融和性の差は、似たような画面をもっていた「化物語」の1話と比較するとはっきりするのではなかろうか。

 だが、そんなありきたりの不満が、後半の化け物襲撃シーンで霧散してしまった。ほんわか魔法少女と、それにそぐわない無機質で奇妙な背景という取り合わせの不協和音に、さらに劇団イヌカレーによる「異質さ」の固まりである切り絵による「現象」が投げ込まれる。もう、それだけで画面はカオスを極める。何しろ、何が起こっているのかさっぱり分からないのである。キャラクターたちの反応から「その異質なものが実際に現世に現れており、なんかヤバい雰囲気になっている」ということくらいは分かるのだが、どこまでが異質で、どこまでが日常なのか、その線引きが出来なくなる。つまり、それまで感じていた「異質さ」が無理矢理「それまで受け入れられてきた日常」という強引極まりないグルーピングによってひとくくりにされるのである。この統合手段は、反則だ。何が反則って、「これはシャフトがやるしかない」と、強引に「シャフトが作る理由」を認めざるを得なくなってしまうではないか。

 「異物による、食い合わせの悪さの統合」という強引さは、よくよく考えてみればシャフトという会社の体質そのものなのかもしれない。今ではすっかりお馴染みになっている「シャフト風味」は、そもそもアニメとしておかしかったからこそ「持ち味」になったのであり、どぎつい陰影を主な武器とする新房演出は、そのアクの強さゆえ決してメジャーになるようなものではなかったはず。その悪ふざけをシャフトという会社が一手に引き受け、「ぱにぽにだっしゅ」で1段階目の完成を見いだし、「絶望先生」で加速させて「化物語」で髄へと至る。ひょっとしたら、この「まどか」はそうした「シャフトの歴史」を改めて1つの作品として体現させるためのツールなのではないか。

 「ひだまりスケッチ」の絵を使い、魔法テイストは「ネギま!?」風味が多く、その上でやることは「ダンスインザヴァンパイアバンド」や「月詠」に見られたバトルを含む。大甲子園ならぬ、大シャフト園。シャフト・虚淵玄・蒼樹うめ・梶浦由紀。全てがかみ合わないように見えるが、最終的にこれらを最高の形でまるっと包み込む異形の中の異形。そうした結末が見られるのならば、こんなに楽しみなこともないだろう。……まぁ、現時点ではどう転がるのかはさっぱり分からないわけだが……

 「シャフトの総体の発現」という側面は、「シャフト声優」と呼ばれているキャスト陣にも現れている。メインキャストとなる悠木碧や喜多村英梨は、確かに過去のシャフト作品に登場したことがある役者であるが、意外に、「1度きりの登用声優」が多い。悠木碧は「ダンスインザヴァンパイアバンド」のミナ、喜多村英梨は「化物語」の火憐、水橋かおりは「ひだまり」シリーズの宮子、加藤英美里は「化物語」の八九寺。これらのキャスト陣は、そこまで「シャフト起用」のイメージがないだけに、個々の作品の印象が強いともいえる。ミナと火憐と宮子と八九寺が集まって魔法少女をやる作品、といえば、それだけで「シャフトキャラ大集合」みたいなイメージが強くなる。もちろん、その中心には「シャフトの女王」ともいえる斎藤千和が鎮座ましましているわけだ。なんとも象徴的な布陣ではないか。もちろん、新谷良子や後藤邑子など、回りを固めるのは「お馴染みの面々」ではあるのだが。ゴトゥーザ様があおちゃんの母親ってのはちょっと面白かった。

 とにかく「シャフトだし」の一言で片が付いてしまう、何とも奇妙な道を歩み始めた謎多き作品。この後ますます頭を抱えることになるのか、意外に素直で腰が砕けることになるのか。親シャフト派の人間としては、是非とも「化物語」すら凌駕するような「シャフトの中のシャフト」を、このオリジナルコンテンツで実現させてほしいと願っている。ま、どの程度そういうニーズがあるかは分からないんですけどね。

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 ○「海月姫」 6

 随分間があいてしまったが、ようやく今期最後の一本。ノイタミナ枠から、少女漫画原作の「海月姫」でございます。

 原作は何故か2巻まで既読。中身自体はそこそこ面白いんだけど、どうしてもメインテーマが「いかにも少女漫画」って感じのラブメインなのでちょっと追いかけにくくて、2巻で止まってしまっていたというのが実情。嫌いじゃないんだけど、続巻に手が伸びにくいのですよ。

 そんな微妙な状態でのアニメ1話ですが、個人的にはもう、大森貴弘+ブレインズ・ベースというだけで全幅の信頼をおいております。我が心のアニメ監督ランキングではベスト5に入る大森監督は、その丁寧な構成力でもって、アニメとしての面白さを十全に発揮させてくれる人だと疑っておりません。

 そんなこんなで、予断だらけで1話目を視聴。想像以上に「原作通り」の出来。大森さんらしい部分といえば、手の込んだ音響演出・ディレクションでしょうか。月海役は多忙を極める花澤香菜なわけですが、面倒臭い月海のキャラクターが実に良い味を出しております。「オカルト学園」やら「会長はメイド様!」の時も書いてたけど、やっぱり花澤は黒髪ロングの寡黙系とかじゃなくて、多少声が裏返るようなお騒がせキャラの方が好きなんですよ。クラゲの水槽を前にしてつらつらと蘊蓄を語るシーンとか、なかなか堂に入ってます。他にもまやや様の原作以上の鬱陶しさとか、どう考えてもリアルで麗人サイガーにしか見えない蔵之介のイケメンっぷりとか、キャラの特性にベストマッチした組み立て方が実にナイス。このあたりは監督のこだわりじゃないでしょうか。

 原作の絵がアレなので、残念ながら綺麗すぎてめまいがするような画面は出てきやしませんが、あのゆる〜い感じが絶妙なカラーリングの配置で彩られ、独特の世界が描出されている。特に面白かったのはこれまた大森さんらしいワンカットもののエンディング画面で、ネタ要素と、愛らしさと、ちょっと混じった切なさがいい塩梅。サンボマスターの歌のくせにどこか懐かしい感じがするのは何故なんでしょう。

 ひとまず無難な立ち上がりをみせた1話。今後の注目ポイントは、原作では思い切り崩れる場面の多いキャラ造形をどのようにアニメでいかしていくのか、そして、いびつな恋愛模様を描くドラマをどのような色合いでまとめていくのか。色々と楽しみな一本になりそうです。

 そして今作のキャスティングにさらに2点。1つ目。ジジ役が能登麻美子っていうのが、あり得ないくらいにはまりすぎてて辛い。大沢事務所は花盛り。2つ目。クラゲのクララ役の人。諸星すみれというのだが、「へぇ、なかなか上手いな。新人かな」と思って調べたら……11歳……だと? ……ちょっとまて、リアル小学生でここまでやれるの? ……松元環季ちゃんといい……この年代も末恐ろしいものを感じる。

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 ○「それでも町は廻っている」 5

 今期2本目のシャフト枠。今期新番組も間もなく出そろいますね(まだ「海月姫」が残っている)。合計で23本か。まぁ、いつも通りくらいの本数かなぁ。

 原作はほぼ未読。色んなところで話題になることが多かったので随分前に1巻だけ買ったのだが、別にピンと来なかったのでそのまま放置していた。おかげでこの1話目を見ても特に思い出すこともありませんでした。原作ファンではないので、当然「シャフト作品としてどうか」という見方になってくるわけだが、副監督が龍輪さん、シリーズ構成が高山さんということで、割と安定感のある出だしである。「シャフトらしさ」は「夏のあらし」よりも薄いくらいで、静止画をメインとしたカット割りの多い画面構成に現れてはいるが、そこまでどぎつい癖があるわけでもなく、中身も普通のギャグなのでそこまで凝ったものにはなっていない(まぁ、そう見えるのは完全にシャフトに毒されてしまっているせいかもしれないが)。画面の描き込みも細かいし、このままの1話から「普通の」アニメとして構成していくことも可能だろう。「どぎつい」シャフトファンとしてはちょっとがっかりではあるのだが、これはこれで悪いものではない。アニメらしい動きも手を変え品を変えて見せてくれているし、このクオリティが維持されるならば「夏のあらし」よりも素直に楽しむことは出来そうだ。

 さて、中身についてはそこそこのものなので、この作品の(個人的な)最大の売りと、最大の難点について言及しておこう。

 最大の難点。もう、多くの人はおわかりと思うが、主役のキャストである。スーパー棒子、小見川千明の全く動かないこの演技プラン。すげぇ。本当にすげぇ。メインヒロインの声が他の誰か(もう誰でもいいや!)なら、きっとこの作品の埋没度は格段に上がっていたはず。どう楽しんでいても、喉のど真ん中に魚の骨が突き刺さったかのような違和感が半端無い。小見川独特の声音がよほどぴったり来るというなら我慢するが……もっとあるだろ。悔しくて血の涙が流れそうだ。

 そして、翻って最大のセールスポイント。そりゃもう、サブヒロインを通り越してメインヒロインになっちゃえばいい、辰野さんの中の人である。ほんの少し前までリアル女子高生だった悠木碧。彼女のテンション芸がお腹いっぱい堪能できるというだけで、この作品は価値がある。今までのあおちゃんにはなかなか無かった役回りだが、水を得た魚のように女子高生メイドを演じるのを聞いているだけで至福。ほんと、どんな音域でも完璧に役を持っていける娘である。このブログの右の柱に書かれている俺的声優ベスト10への繰り上がりを真剣に検討したい(その場合誰が落ちるのかというのが最大の悩みである)。ちなみに年齢でいったら小見川の方があおちゃんの2つ上。まぁ、この業界に歳もキャリアも関係無いな!

 声優繋がりだと、面白かったのはババァ役の櫻井孝宏。こういう役をスッと出来てしまうのを見ると、やっぱり声優ってのはすげぇと思える。他にも先生役の杉田、タヌキ役のまつらいさんなどはシャフト御用達。

 そうそう、声優といえば、エンディングテーマだ。メインキャストがバンドを組んで歌う、という体でやっているわけだが、うりょ子、小見川、あおちゃんと来て、メインボーカルにはなんだか知らない人がクレジットされている(まだ出てこない役らしい)。そして、この子の歌がなかなか面白い。ちょっと癖はあるが、堂々とした歌いっぷりでネタ臭のする曲を気持ちよく歌ってくれている。どんな役者なのか、今後の登場を楽しみにしたい。また、オープニングテーマの方は坂本真綾の歌唱で、こちらも「荒川」などのシャフト繋がりだろうか。往年の名曲を情感たっぷりに歌い上げる真綾の歌唱力は流石の一言だが、オープニング演出が梅津泰臣というのも珍しい。相変わらず個性的ながらも、実に雰囲気のある御陽気なキャラのモーションが面白い。色々と見どころの多い作品である。

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 ○「FORTUNE ARTERIAL 赤い約束」 4

 今期2本目の、エロゲ原作もの。やっぱりキャストを見るとそのことが分かります。無学なんで「ARTERIAL」なんて単語は知らなかったのだが、調べたら「動脈」って意外な言葉が出てきてちょっとびびった。どんなタイトルなのか……と思ったら吸血鬼絡みの作品なのか。

 監督は名和宗則氏ということで、この時点で大体どのくらいの作品なのか想像がつくのが辛いところ。名和さんは本当に「こういう」作品しか監督しないなぁ。そして、ほぼ毎回「フーン」くらいで終わるんだよなぁ。今回も、悲しいかな「フーン」くらいの滑り出し。どこが悪いと文句をいう機会も少ないのであるが、だからといって面白いかと言われると難しい。もとがエロゲで、それを全年齢向けにするんだから毒にも薬にもならない作品が出てくるのは仕方ないと思うのだが、今期は割と直球勝負に出ている「ヨスガノソラ」というライバルもいるため、どうしても影が薄くなりそうで不安だ。

 1話は、「島にあるやたらめったらでかい学園に主人公が転校してきて、めっちゃ色んな女の子に面通しする」という定番の内容。メインヒロインとのファーストコンタクトは他の作品ではあまり見られない導入だったので興味を引いたのだが、その後期待を裏切ってはまずいと判断したのか、ちゃんと幼なじみの子が空から降ってきてくれるというフォローが入る。世界中で、空から降ってきた女の子にぶつかった経験を持つ主人公は一体何人くらいいるのだろう。

 その後、野郎も含めたたくさんの人格破綻者たちとコネクションを繋ぎ、最終的にこの作品の胆となるであろう、吸血鬼の現場を見たところで引き。まぁ、割と分かりやすい導入にはなっていると思うのだが、やはりこの作品のメインテーマに「吸血鬼」が関わってくるなら、そのあたりのお話を1話に持ってくることは出来なかったものかと思ってしまう。エロゲってのはやったことがないから知らないのだが、おそらくこのアニメよりもさらに進行に時間がかかるものだろう。とすると、最初の衝撃である今回のラストにたどり着くまで、どの程度テキストを読まなけりゃいけないんだろう。やっぱり俺はエロゲは出来ねぇな。

 アニメ的な映像部分は並。石原恵による作画、キャラデザということだが、特に「らしさ」は出ておらず、すごく既視感が強い無難なデザインに落ち着いている。細かい部分まで手を抜いていないのは分かるのだが、特に目を引くような部分もないのである。むー、パンチが弱いぞ。これでキャスト面も特にプッシュがないので、視聴継続はやや微妙。「屍鬼」が休みだからまだいいものの、火曜日も放送日程が激戦区になりそうなので、このあたりの作品を切る方が活動しやすいんだよなぁ。2話目が勝負か。

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 ○「薄桜鬼 碧血録」 4

 今期7本目の2期もの。「荒川アンダーザブリッジ」と並んで、1クールおいての最速再開である。そしてこちらも「荒川」と同じように話数クレジットが通しで処理されているので、実質1話でなく13話。分割2クールは製作が安定するのはいいんだけど、視聴側としては新番組として見た方がいいのか、続き物として扱っちゃえばいいのか、判断に困ります。

 で、前期は気付けば何となく最後まで観てしまっていた本作。そのセールスポイントは、こだわり抜いて美麗さを維持したグラフィック面である。いわゆる「腐向け」作品なのでイケメンのにーちゃんたちの顔が崩れてしまっては話にならず、そこには心血を注いでキャラ絵の維持につとめている。どこぞの咎狗とは大違いである。あ、この文句は色々便利だな。

 シナリオラインも一応見ておくと、前回の感想で書いた通りに「1人の女性を巡って、たくさんの男たちが薬物に手を染めて身を持ち崩していくお話」の続き(全部実話)。ただ、1話は一応心機一転の意味も込められているのか、前回ラストで結構悲惨な目にあっていて新撰組が、新たに立ち直るところからのスタート。我らが雪村千鶴嬢の甲斐甲斐しさもそのままで、心なしか土方さんもデレが入り気味だ。禁断症状に悩まされてはいるが(?)、流石の主人公は頑張ってお仕事をしている。ただ、そうすると結局あの薬物は「根性で何とかなるくらいの副作用」ってことになるので(実際今回も根性でスーパーサイヤ人化を押しとどめてたし)、あっさり染まっちゃった山南さんあたりは単に根性がない奴、という風にも見えなくもない。もちろん隊士たちが並外れた精神力をもっているであろうことは分かるのだが、どんどんマッドな方向に進行しちゃってる山南さんはちょっと不憫だ。別に落ち着いて「少し血を抜きたいです」って正座すれば千鶴も承諾してくれただろうにね。何で匕首持って迫るんだよ。そりゃ怖いわ。

 とまぁ、色々と語ってはみたものの、正直言ってシナリオにはあんまり興味ないんですよ。どうしたって「そっち向け」なので売り方のピントは私に合ってないわけだしね。ラストに隊士たちが制服着替えて心機一転! してたけど、魔女っ子キャラのコスチュームチェンジと違って欠片も興味が湧かないし。こればかりは製作目的が合わないのだから仕方ない部分。決して悪いことではないのである。

 一応、再現率の高い中嶋敦子絵が見られて、千鶴さん(の中の人)の声が聞けてりゃ満足なので、当分は見続けると思います。あ、そうそう、オープニングは割と好きです。前期も隠れた名曲だったと思うんだけど、今回も同じ人、吉岡亜衣加さんの歌唱。よりアップテンポで、激しい戦いをイメージさせる曲に。オープニング見ても思うけど、やっぱり絵がきれいだよな。

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 ○「探偵オペラミルキィホームズ」 4

 なんだかやたらCMがうざったい作品。しばらく前に突如深夜アニメの途中に始まりだした本作に関わるCMは、名前も聞いたこともないような作品を、さもずっと前から有りましたみたいな顔で平気で名前をいいやがるから、なんか邪魔だった。「しらんがな」っていうしかないし。で、そんなよく分からないプッシュを受けている作品がいよいよ持ってアニメ化。事前情報でメインキャストがほぼみんな新人だってことは分かっていたし、どうせ大したもんじゃないだろうと思って、こき下ろす準備をして視聴。

 ま、実際大したもんではない。制作はJ.C.だが、明らかに今期放送している他のJ.C.作品よりもクオリティは劣る出来になっている。シナリオも単調で盛り上がりに欠けるし、萌えものというにしてもキャラクターが弱い。どこかの誰かが惰性で考えたみたいな、パッケージがものすごく小粒な作品である。

 ただまぁ、残念ながらそこまで徹底的にこき下ろすほどのものでもなかったんだよなぁ。メインキャスト4人は、お世辞にもうまいとは言えないまでも何とか成立させようと頑張っているし、過去に数多出現した棒の神様たちに太刀打ち出来るようなものではない。映像の方も、キャラクターデザインが功を奏したのか、シンプルなだけに崩れは目立ちにくい。内容が馬鹿馬鹿しいものなので、シナリオがどうこう言って不平を言うのもなんだか的外れな気がしてしまう。要するに、「別にこれに真面目に評価とかくださんでも」というスタンスになってしまうのである。これはこれで、1つの方向性なのかもしれない。

 制作の裏側を見てみると、スタッフの総指揮のところに我らが木谷社長の名前がクレジットされている。そう、あのブロッコリー作品でお馴染みの木谷社長だ。しばらく見ていなかった名前だが、気付けば「ブシロード」の取締役になっていたらしい。そして、さらにこの作品のことをWikiで調べると、ミルキィホームズのライバルともいえる別な捜査組織があるらしい。そして、そのキャラクターたちのキャスティングが、沢城・新谷・田村ゆかりだという。うむ、誰がどう見てもエンジェル隊だ。ひょっとして、ブロッコリーで事業を失敗させて凋落した木谷社長の怨念が、この作品に詰まっているのかもしれない。そう考えると、あの狂ったように乱打していたCMの数も納得出来る(?)。

 ついでに、この作品の「助監督」という微妙なポジションには、私が愛してやまない池端隆史監督も名前を連ねている。池端さんが構成まで担当してくれていれば、きっとこの作品も面白くなったと思うのだが(ただ、残念ながら実際はふでやすかずゆきが構成である)。さらにさらにさらに、キャラデザは沼田誠也、1話の総作監も沼田さんである。あれ? 結構魅力的に見えてきたぞ……一体どこに転ぶのか検討もつかないこの作品。大コケするか、意外な成長を見せるか、今後の動向に要注目。

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 ○「ヨスガノソラ」 5

 意外に久し振りかもしれない、純正エロゲ原作もの。キャスティングでそれが分かるっていうのは、ある意味ありがたいかもしれません(キャスト変更が原作から無いってことだからね)。

 個人的な注目ポイントは、とにかく監督が高橋丈夫であるということ。脚本もいつも通りに荒川稔久とのタッグだし、この2人の作品が好きな人間としては期待せずにはいられない。高橋さんらしさはそこかしこに発揮されており、1話で印象的なのは夕暮れ時に浮かぶ幻想的な色合いを持つ入道雲や、その後一転して窓硝子を叩く雨の激しさ、それに、季節の影響力を直接受けていることが印象づけられた田舎の風景など、本当に世界を作っている部分。牧歌的、という言葉が似合うような気もするが、そうした「単なる平和な田舎」ではなく、その世界できちんと人が生きているのだ、ということが伝わってくる背景美術の使い方と、世界を前提としたキャラクターの立ち居振る舞いの細やかさは見事なものである。

 ただ、今作はストレートにエロゲーの中身を表現する必要があるため、そこにややきつめの「絡み」の描写も入ってくる。具体的には主人公兄妹のインモラルな関係性と、お嬢様と騒がし娘のどこか怪しげな人間関係など。そうした部分は、日常生活からはかけ離れた場所にある1つの姿であり、なかなか地に足を付けた作品世界へのリンクを作るのが難しい。ひたすらフラグを立てまくっていく主人公のナイスガイっぷりもやや現実離れしており、シナリオとしては現実感の薄い、単調なものになってしまっていたのが不安材料か。まぁ、1話はどうしたってキャラクターの紹介に時間を取られてしまうので、2話以降でどのような物語が展開していくのかに期待しましょうか。

 途中うとうとしそうな部分もあり、導入としてのインパクトが弱かったので多少点数を下げようかとも思ったのだが、エンディング後に登場した謎の小劇場が面白すぎたのでその分加点。チビキャラの掛け合いも楽しかったが、その後の生々しい「女の有り余る欲求」を、そこだけはギャグとして処理しきってしまった肩すかしっぷりは逆に面白い。毎回この2本立てでいくのかしら。そのあたりのギャップも楽しめそうな一要因である。

 キャストに関しては、いわゆる「エロゲキャスト」なのであんまりコメントは無い。耳に馴染んでいない声がちょいちょい出てくると、キャラの識別に時間がかかって大変である。

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 ○「侵略!イカ娘」 6

 ある意味話題作。「何故話題になるのか」っていうのが最大の話題な気もするが……

 あの中身が全く無いことで有名(?)な「イカ娘」がついにアニメ化。製作スタッフはというと、スタジオがディオメディア、そしてこのスタジオならある意味正しい配役といえる水島努が監督である(ディオメディアの前身であるスタジオバルセロナの処女作が「大魔法峠」だからな)。この人の作品ってのは、「ドクロちゃん」「大魔法峠」「ケメコデラックス!」のようにきわどいネタを詰め込んだものと、「おおきく振りかぶって」「×××HOLiC」シリーズのようにひたすら原作の主旨に忠実な安定感の高いものの2種類が両極端な気がするのだが,ショートギャグの「イカ娘」は、やろうと思えば前者のスタイルもとれた作品。しかし、やはりこの作品は極限までの薄味が似合う。「ネタが無いならそれでいいじゃなイカ」とばかりに、思い切り素材そのままをアニメ化して来やがりました。

 原作そのままということで、中身は本当に無い。いや、1話目はまだ話がある方で、イカ娘が侵略してきて、海の家の支配関係を理解するところまで。みるものすべてが新しいイカ娘を見ていれば、まだ変化が体感出来るレベルの「ストーリー」がある。しかし、やっぱりオチの無さとか、手拍子を打つがごとき平坦な流れとか、よくもまぁ、これをアニメ化する勇気があったもんだ、と改めて感心するようなものになっている。

 しかし、これが案外悪くない。いや、途中でボーッとするような時間もあるのだが、イカ娘は終始テンションが高く、外界全てに刺激を覚えている。その新鮮さは「忠実な」方の水島演出によって全面に押し出され、「異様なキャラクターに出会って対応に困る人類」サイドと、「初めて見るものばかりで幼稚な考えが及びきらないイカ娘」の双方のテンションを行き来し、何となく面白い気がしてくる絵面が出来上がっているのだ。これは、アニメにして良かった作品なのかもしれない。

 見どころとしては、躍動感というより「なんか元気」と言った方がふさわしいイカ娘の動きがある。蚊を潰したくて走り回るイカ娘や、触手を自慢するイカ娘など、あり得ないキャラクターの「ありそうな」動きは、ただでさえ「お茶の間サイズ」のコメディであるこの作品をより身近なものにしてくれる。また、1話クライマックスとなる千鶴との対決シーンも無駄に緊張感があり、どこかの咎狗の血みたいに惰性で作られていないことが確認出来るのだ。もちろん、どれだけ動こうがしょせんイカ娘でしかないのだが、「やっぱりこの漫画は冷静に見て、ないわ」と思えるだけでも、アニメの世界作りは成功と言えるのではなかろうか。ただまぁ、これを毎週見ていて飽きないかと言われれば……微妙? いっそ本当にサザエさんレベルの日常まで行ければ勝ちかもしれん。

 そして、こちらも話題になった(というか話題にしてみた)キャストの話。何故か「2代目」みたいなイメージがあるイカ娘役、金元寿子。改めて聞くと、やっぱりところどころ拙い部分はあるのだが、ちょっと無理をしている部分が、精一杯虚勢を張っている侵略者っぽい味にもなっていて面白い癖が出ている。慣れてくればそのあたりももう少し地に足着いたものになるだろうし、今後の演技プランに期待したいところ。「イカ娘語」は色々と難しい部分も多いので、やりがいはありそうだしね。関西での放送スケジュールだとインデックスさんが一通りしゃべった後の番組なんで、なんだか妙な運命を感じますね。後は栄子役の藤村歩の安定感。藤村が(ry

 そうそう、今作で忘れちゃいけないのが、オープニング。ものすごく耳に馴染むと思ったら、作曲が小池雅也なんですな。もう、兄貴の音楽は魂に来ます。今期1番のオープニングかも。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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