最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「けんぷファー」 4
既に放送が始まって随分経っているので、大体の噂は聞き及んでいる(そして大して話題になっていないことも知っている)わけだが、なるべく公平な目で見ようと努めた第1話の感想は、コム・シ コム・サ(可も無し不可も無し)。監督の黒田やすひろは「Myself:Yourself」以来何かと応援してはいるのだが、「狂乱家族日記」も結局そこまで話題になることもなく終わってしまい、いまいちパッとしない印象が強い。前2作はオープニングアニメがどちらもお気に入りだったのでそういうスキルは高いと思うのだが、制作統括となると、どうにも物語が締まらない。原作ありでただ原作を垂れ流せばいい、というような姿勢に見えてしまうのが気になるところ。 で、この「けんぷファー」であるが、銃と少女、声優ネタなど、かなりピンポイントで私の嗜好を突いているはずなのだが、何故かことごとく脇をかすめて当たってくれない。キャラクターの造形も藤田まり子や古賀誠といったお馴染みの名前が並ぶのになんだかのっぺりしていていまいち好きになれない。なんだろう、このもどかしい感じは。この手の作品ではどうせストーリーによる誘致要素なんて対してないだろうし、キャラクターの魅力が最大のポイントになるはずなのだが、残念ながらナツルも紅音も、非常に適当な造形に見えてしまう。個人的には、そこまで音域の低くない井上麻里奈に男子高校生をやらせているのが気になって仕方ない要因だと思うのだが……紅音役のホの字も「悪ふざけしてるみのりん」にしか聞こえないしなぁ。一番聞けた気がするのは更に影の薄いヒロインの楓をやった中島愛かもしれない。棒だ棒だと笑っては来たが、そろそろ役者として落ち着くところを見つけていかないとね。あぁ、ちょい役で出てきたアスミスは別としてね。 ということでそこまで魅力的なもんでもない気がする顔合わせとなったわけだが、今後の勝負は臓物アニマル次第といったところだろうか。正直野村道子に「あのネタ」だけのために頑張ってもらうのはきつい気がするのだが(そもそも「年齢が原因で代替わりした役者」をああいう場面に持ってくるのは釈然としない)、それでも役者としての矜持からか、いつの間にか若手の波に混じってきちんと聞かせてくれるのは流石である。そしてもう1体は「口の悪い田村ゆかり声」を演じる田村ゆかり。動物が黒ウサギってことは、これの原作者は単なる声優オタクなんだろうなぁ。やまとなでしこに喧嘩させるとか、上連雀三平の同人誌レベルのネタじゃねぇか。この作品がアニメ化されるなら、上連雀の妄想がアニメ化する日も遠くないのかもしれない。その時には、個人的には小清水×三瓶ものの方がいいな。 PR ○「空中ブランコ」 5 約3週間続いた新番チェックのとりあえずの幕引きとなるであろう作品。そして、常に刺激的なモノを世に送り出してドキドキさせてくれるノイタミナ枠の新作でもある。前作「東京マグニチュード8.0」やその前の「東のエデン」は割とまっとうなアニメーション作品だっただけに、久しぶりに戻ってきたこの異臭はなかなか強烈だ。 監督はあの「モノノ怪」で物議を醸した中村健治。あの作品も充分イロモノであったが、今回は更にギリギリ感あふれる仕上がりで、思い切り賛否の分かれそうな難物である。錦絵や貼り絵細工をイメージした「モノノ怪」のビジュアルを更に進化させ、今作は従来通りのアニメの作画、CGに加え、実写取り込みを積極的に導入し、アニメという媒体そのもののエッジに挑戦している感がある。実写取り込みという技法自体は近年では少なくなく、シャフトでは尾石達也が得意としているし、今期も「ご姉弟物語」のオープニングなどで効果的に使われている。しかし、今作の場合はそうした際立ちを持った「実写であること」への訴えがメインになっているのではなく、本当に「アニメ」と「実写」の境界を曖昧にしてやろうという意識があるように思われる。例えばメインの舞台である精神科医伊良部の診療室に登場するナイスバディの看護婦は、もう、アニメの登場人物ではなく、完全に実在のグラビアアイドル。流石にそのまま演技させて取り込むわけにもいかないので動き自体はぎこちないものになるのだが、彼女が画面の中心に居座ると、どこからがアニメで、どこまでがアニメなのかが次第に曖昧になっていく。 他にも移動シーンでは現実の背景を採用しているし、1話の主人公である山下の顔も実写取り込みしたものを再合成してアニメーションに落とし込んである。しかも、この顔が声の出演をしている森川智之のものであるから話はややこしい。声が森川、顔も森川だったらそれは純粋に役者「森川智之」なのではないかとも思えるのだが、あくまでそこは「森川の要素がある」だけで、実際に画面に現れるのは「アニメのキャラクター」である。次週のメインになる櫻井孝宏も実写取り込みで登場しているし、見れば見るほど現実と空想の境が曖昧になる、非常に独特な視聴感がある。 こうした独自の実写取り込みの技法を載せているため、アニメの他のパーツも非常にくせの強いモノになっている。一見してあまりファンが付かないように見えるふざけたデザインのサブキャラ、エキセントリックすぎて訳の分からない背景、ぺらぺらと紙人間で処理されてしまうモブなど。あまりに異質な要素が多すぎてふざけているようにしか見えないのだが、全てが集まることによって、「アニメってどこまでだっけ?」という意識がどんどん鈍化していく。その意識の隙を突いて実写のパートを自然に混ぜ込み、本作のメインプロットである「精神病」というモチーフを描いていくわけだ。この悪ふざけは、とても思いつきだけで出来るものではない。 実際のところ、この画面は、かなり不快である。一瞥しただけではその演出意図が全く分からないし、放送局のアナウンサーがずけずけと作中に入り込んでくる無神経さとか、気に入らない部分も少なからずあるのは事実。しかし、この一見無駄にしか見えない演出の中に、きちんと作り手の意図が見えてくるとするならば、話は別である。中村監督は、「あやかし」という曰く言い難い対象を描くために、「モノノ怪」では独創的な表現を生み出した。そして、おそらく今作でも、その目的意識は同じであるはずなのだ。それが何かをきちんと確認出来るまで、この作品を見逃すわけにはいかない。 最後は当然キャストにちょっと触れておく。物語の進行から見て、本作は神経を患った患者を扱うオムニバスだと思うのだが、その進行を牛耳る精神科医、伊良部役の三ツ矢雄二は流石の貫禄。何パターンかある伊良部の変幻自在の容姿に合わせて、ぽんぽん変わる声音は必聴だ(まぁ、時たま朴璐美になるけど)。これはこれで癖になりそう。 ○「キディ・ガーランドKIDDY GiRL-AND」 5 冒頭、アバンでは前作で登場したESメンバー6人が登場して、なんだかよく分からない世界の危機を救ったシーンから。懐かしい面々に涙がちょちょ切れるが、当然アールヴ組はいない。そして、何故かデクストラ・シニストラコンビも見あたらない。キャラが逝ってしまったアールヴ組と違い、こちらは中の人が逝ってしまった……7年という時は重いなぁ。 でもまぁ、懐かしいのは基本的にアバンのみ。今作はエクレールもリュミエールも関わりなどなく、主人公はESメンバー見習いのアスクール(と、その相棒?)。エロスの中に冒険活劇やスパイアクション、サスペンスにドSFが入り交じった前作と異なり、今作の主人公はひたすらパンツとかブルマとか。エクレールだってかなりエロいキャラだったはずなのだが、ここまで露骨に萌え作品にされると隔世の感。ブルマ脱ぐはずがその下まで脱ぐなんてのは王道パターンだが、ここ最近はパンツじゃないから恥ずかしくなかったり、パンツがジェットで空を飛んだりするご時世なので、それだけで盛り上がるようなものでもない。 1話目ということで導入となるバトルは非常に単純だし、アクションシーンも1話目にしちゃ単調で見どころは薄い。わざわざGONZOでなくサテライトで制作しているくせに、そのうま味はあまり発揮できているようには見えない。せっかく面白い能力も少なくない作品なのに、その辺でセールスポイントが無いのはちょっと勿体ない。あとはキャラクターの活かし方とか見せ方次第だとは思うけど……どうなるかなぁ。後藤圭二は監督としてはイマイチ成功できないんだよね…… あとはまぁ、中の人の話題か。前作の当時は駆け出しだった福山潤、桑谷夏子あたりが作中のディーダム姉弟同様、すっかり中堅の位置に(ESメンバーには50年の時なんざ大した年季じゃないけどな)。他にもメルクルディは中の人的には所長まで上り詰めている。Dr.モローのアイキャッチを見る限りでは、ひょっとしてメルクルディが「大出世」?! そして主人公たちは軒並み新人キャストが配されており、何故か主人公コンビの名前がものすごく似たような名前という謎。アスクール役の子はなかなか面白いものが出てきそう。あの平野綾も「キディ・グレイド」を記念碑的作品として残しているわけで、これをステップにして頑張って欲しいもんである。 ○「怪談レストラン」 5 朝日放送のゴールデンという、ちょっと珍しい時間に突如現れた子供向け怪談番組。ゴールデンタイムで怪談アニメというと「学校の怪談」が凄く懐かしい。あれもなんだかんだで結構根強い人気があったし、いつの時代も、お子様たちは「こわいはなし」に興味津々だ。調べてみると原作本のシリーズは1996年からスタートして既に「〜〜レストラン」シリーズで50冊以上が発表されているロングセラーらしい。私の小さい頃はそれこそ「学校の怪談」シリーズだったけど……あれが姿を変えて再生産されてるってことなんだろうか。 子供向けで学校をメインの舞台にした怪談話なんてものは大したパターンがあるわけがなくて、全貌が知りたかったら「地獄先生ぬ〜べ〜」を読めば大体カバー出来てしまうくらいだと思うのだが、この作品の場合、純粋に「怖さ」だけを追究して子供を泣かせる怪談シリーズとは一線を画しており、冒頭に登場して司会進行(「世にも奇妙な物語」におけるタモリポジション)を任されるのは、けらえいこの臭いが漂う「幽霊ギャルソン」。古式ゆかしい風体のちょっとおどけた幽霊は、全く恐怖を感じさせずに物語への導入を担っている。 また、「怖い話が苦手な方も大丈夫ですよ」とギャルソンがお勧めしてくれる通り、怪談の本編もそんなに怖がらせるような仕上がりにはなっていない。もちろん話の筋自体は非常に分かりやすいテンプレートなのだが、無駄に恐怖感を煽る演出を避けて、非常にスピーディーに物語の勘所だけをなぞっていくジェットコースター展開。まず先に「怖がらせよう」という意志のあった既存の「怪談」ものとは、ちょっと仕上がりが違うのだ。 原作は当然見たことがないので分からないが、ひょっとしたらこの「あまり怖くない怪談」という奇妙なジャンルが、息の長いシリーズ展開につながる新しい形なのかもしれない。当時の私のようなピュア・ナチュラルチキンな心を持った小学生は、たとえ作り話だと分かっていても、この手の話を聞くと夜眠れなくなったり、泣き出したりしてしまうものだが、この「レストラン」シリーズなら安心だ。話の筋を追うことが出来て、なおかつ別に怖くない。小学生が「怪談」に求めるのは「お話としての不思議な情報」が主なわけで、怖がることに焦点を置かず、「物語のテンプレート集」としてこのような媒体が存在してもおかしくはないのかもしれない。 アニメーションとしても、アフターケアはひょうきんな顔をしたギャルソンが締めてくれるので一安心。子供向けなのでそこまで気合いの入った画があるわけではないのだが、家族で夕食の卓を囲みながら見るアニメとしては、なかなか面白い落としどころかもしれない。少なくとも「フェアリーテイル」よりはこっちが良さそう。「お父さんの小さい頃にもこんな話があったなぁ」とかいう会話が生まれれば完璧である。こういうアニメがあるっていうのは、訳もなくほっとさせられます。 で、そんなお子様視点を完全無視してキャストの話。メインキャラを務めるのは白石涼子と浅野真澄。なんか、すごく青二が絡んでる臭いがします。こういう仕事でしぶとく残ってるのを見ると、荒鷲先生も事務所移して良かったなぁ、と思わずにいられない。 ○「FAIRY TAIL」 4 一応見てみた、マガジン連載原作のアニメ化作品。よりにもよってこれがゴールデンで放送されるっていうのは……いや、まっとうなのかもしれない。でも本家(?)であるワンピースが移動したってのに……図太いな。 真島センセイについては、毎週マガジンを読んでいるのに読もうと思った機会が1度もなく、原作についてもよく分からない。ただ、1話を見る限りではそのおおよそのイメージを外れるものではない。つまり、これを見るならワンピース見てればいいってことだ。キャラクターの造形だってシナリオラインだって、どこが面白いかと言われると頭を抱えるしかないし、アニメーションとしても特に奇抜な点も、努力がみられる点もない。ま、ひょっとしたら家族団欒の空間でダラダラつけておくテレビとしてはちょうど良いのかもしれないけどね。今のご時世、ゴールデンでアニメやるだけでも貴重かもしれません。この時間はどうしてもジャンプ漫画に偏りがちなので、マガジンにも頑張って欲しいもんである。 とはいえ、一応見たからには見どころも探さないと。この作品の一番の見どころは、釘宮がやってるネコキャラ。なんかすっとぼけてて良い味出してました。釘はこの番組の前の時間帯にやってる「たまごっち」でもメインを張っているので、釘宮病患者にとってはよい処方箋になるかもしれません(一応「たまごっち」も新番組で、視聴はしたのだが、流石に感想を書くポイントが見いだせなかった)。中の人ネタなら何とでも言えるので楽です。 ○「ご姉弟物語」 4 原作タイトルが「バカ姉弟」なのだが、何故かアニメ化に際してこんな分かりにくい変更が成されている。理由はよく分からないのだが、やっぱり早朝にやる番組で「バカ」はまずいのだろうか。でも「ご姉弟」っていう言葉の意味もよく分からないよな…… 原作は未読。ヤンマガを開くとよくカラーで載っているので何となく気になってはいたのだが、結局ろくに読んだことがなくて、絵柄のイメージなどから勝手にシュールなギャグ作品だと思っていたのだが、わざわざ早朝にアニメ化される作品だったということは、どうもそこまでネタがエッジなわけでは無かったらしい。制作もシンエイ動画が担当しており、分かりやすく言えば「あたしンち」の後続番組ということだ。雰囲気は非常に似通っており、実写取り込みを使ったオープニングや、昔ながらのアニメの雰囲気を残した背景の描き方など、何も考えずに日曜の朝を迎えるのにはちょうどいいかもしれない。まぁ、つまりはそこまで必死に追いかける作品でもないってことなんだけど。 一応1話だけ確認して雰囲気は把握した。メインキャストが松岡由貴と小林由美子というのは鉄板であるが、小林由美子の少年役は「東京マグニチュード8.0」とまるきり同じなので、声を聞いてるだけで何となくもの悲しくなってしまうのは内緒。 来週からわざわざ録画してまで見る必要は無いな、と思ったら、来週登場する新キャラのキャストが……一応2週は見るべきかな! ○「あにゃまる探偵キルミンずぅ」 5 本放送を見逃してしまったため、再放送でなんとか捕まえた新番組。新番組でいきなり再放送含みの2本が放送されるという形態は「SOUL EATER」と同じで民放では珍しいことだと思うのだが、それだけ力の入った作品ということなのだろうか。 1話目の率直な感想は、「まぁ、こんなもんだろ」というもの。子供向け作品のわりには安易な説明要素が少なく、画で語る部分が多いのは目を引くが、その分1話での情報量が少なくなってしまい、導入として目を引くような工夫は多くない。変身の理由、組織の存在、変身後の能力、主人公達の生活環境など、どれか1つでもはっきり分かれば芯が通るのだが、全て「何となく」描かれてしまっているためになかなか話の本線が見えにくいのだ。もちろん、それは長大な作品になるだろう、という余計な前情報から先入観を持って見てしまっているせいであり、単に女の子が愛らしい動物の着ぐるみ→本物の動物という2段階変身を行うファンタジーとして見る分には、及第点は満たしている。今後はダラダラ視聴して飽きるまではつきあえるだろう。 この作品で特筆すべきも、やはりキャストである(どんな作品でもそうだけど)。1話で登場した幼女キャラの中の人を過去の実績で置換すると、主人公が九鳳院紫(悠木碧)、その親友の眼鏡っ子が御景ゆずき(佐藤聡美)、そして謎のコウモリ少女が木之本桜(丹下桜)である。我が心のロリキャラ史では五指に入る3人だ(残り二指は多分草摩杞紗とアトル)。これはもう、どうしようもない。逆らうことは出来ない。 ただ、今のところ気になるのはこの作品の制作に関わっているJM ANIMATIONという名前。どうやらこの作品、「日韓共同制作」というスタイルをとっているらしい。日韓が手を結んだ作品というと、例えば最近だとズタボロになった「エレメントハンター」がある。「アニマル横町」は幸い大事には至らなかったが、基本的に海外と協力してこの手のアニメにプラス要素が発生する確率は低い。1話は国内スタッフでほとんどまかなっていたようなので目立った違和感はなかったのだが、今後の体制次第では、色々と余計な不安もつきまといそうだ。 それにしても、今回はサテライト(河森正治)がメイン、制作にハルフィルムが付くという奇妙な体制になっているのだが、いつの間にかハルは企業としては消滅してしまったらしい。具体的にはゆめ太カンパニー(ミラクルトレインの会社)に合併統合される形になっており、名義上は過去のもの。おそらく経済的な問題があったのだろうが、そんな会社が、サンヨーと結びついて懐を暖めているサテライトに使われて、なおかつ韓国資本が絡んでいるっていうのは、現在の日本の歪んだ経済状態をあまりに端的に表している気がする。深夜放送ということもあってか、この「キルミンずぅ」も番組中のCMは当然パチンコのCM(しかもマクロス)。また、吸収された側のハルフィルムで取締役をやっていた佐藤順一も、サンヨーのバックアップを得て「うみものがたり」の制作を指揮していたし、もう、この業界はパチンコが無いと成立しない状態になっているんじゃなかろうか。 正直アニメを見るだけならどうでもいい話ではあるのだが、純国産のアニメ技術は大切に保護して欲しいものである。 ○「秘密結社 鷹の爪 カウントダウン」 5 約3年ぶりにかえってきた、蛙男商会によるフラッシュアニメの新作テレビシリーズ。3年前に登場したときには「なんじゃこりゃ?!」と非常に戸惑ったものだが、いつの間にやら蛙男商会もすっかり勢力を拡大し、様々な場所でそのキャラクターに出会うことが出来るようになった。劇場作品も2作発表されるなどその勢いはとどまることを知らないが、ひとえに制作費が安くすむフラッシュだからじゃねーかという気もする。この芸風は、やったもん勝ちだなぁ。 で、1期目をそれなりに楽しめた私は、流石に劇場作品までは見ていないのだが、久しぶりに見るコフィーちゃん(前任者がいやがったおかげで声優が変わって、何故か後任が相沢舞)や吉田君、総帥は相変わらずの様子で一安心。芸風も作風も特に変わった部分もなく、好きな人ならそれなりに楽しめるだろうし、興味の湧かない人は単なる紙芝居という、いつも通りのものである。ただ、いくらか技術的に成長しやがったのか、組織として大きくなってしまったせいか、キャラクターが増えていたり、オープンエンドでは随分凝った演出も見せるようになっている。このあたりの「どうせフラッシュだから安っぽくていいよね」と「でもちょっとオサレな演出も出来るんだぜ」のせめぎ合いが難しいところではあるか。でも相変わらず阿武隈社長は胸から下のイラストが作られてなかったり、無駄に安っぽいところがそのままなんだよな。まぁ、それが味になっているわけだけど。 とにかく、何かをしに帰ってきたらしい彼ら。まぁ、何となく引き笑いじみた笑いが提供されるのだから文句を言う筋合いのものでもない。作画だ演出だと目くじら立てる前に、こういう緩さで肩の力を抜くのも悪くはないよね。 ○「ささめきこと」 4 根強くファンを抱えた百合もの純愛アニメの新作。1期前には「青い花」という作品があり、これもそこそこの評価を得たようだ(私は視聴出来なかったので知らないのだけれど)。「マリア様が見てる」から脈々と紡がれる百合の系譜だが、最近は安易なキャラ萌えに流れる百合というのは飽和状態になってきたらしく、今作のように、丁寧にじっとりと、「まっとうな恋愛として」百合を描くのが流行なのだろうか。 序盤、非常に平坦な物語が続く。主人公の純夏とそのターゲットである汐の関係性や、汐があこがれる先輩とのピンク色の妄想などが、特に派手さもなく、何となく「有りそう」なレベルで描写され、その展開は非常に緩慢で、ともすると退屈になるくらいの進度である。一応百合属性を揶揄して喧嘩になってはいるが、それだって非常に分かりやすく、単純なものだ。 これが一変して展開がハードになるのが、汐が先輩と絡み、図書室で泣き顔を見せられるシーン。それまでのぼんやりした雰囲気を断ち切り、はっとするようなくしゃくしゃの泣き顔。そしてその目に浮かぶ確かな憎しみ、嫉妬。汐は打ちのめされて、純夏にしがみついて号泣する。非常に一方的だった「憧れ」が、これまた一方的に拒絶される展開。冷静に考えればみんながみんな我が儘勝手なだけで同情の余地もないのだが、そこに1人、一歩引いた形で見守る純夏をおくことによって、物語が奇妙な変化を見せ始めるわけだ。このあたりのじっとりと執拗な「恋愛」描写は、現実感に乏しいはずなのに、何か脅迫めいた説得力を感じる。 本来ならあり得ないはずの「3辺が閉じた三角関係」という、実に象徴的なシチュエーションから1話がスタートし、汐は何気なく「私が好きな人が、私を好きになってくれるだけでいいのに」と不平を漏らす。純夏は「そうだね」と素っ気なく答えるだけだが、その後に続く「ずっと友達でいようね」の一言に、どうしようもないほどの失望をもたらされてしまう。このあたりの言葉少ない中でのメッセージ性、ドラマ性は、あとあとまで気になる部分かもしれない。 どうにも画面が地味なので「退屈」という感想は払拭しきれないのだが、何かこれまでになかったような地に足の付いた新しい百合を見せてくれそうな期待もある。もう少し、奇妙な女性同士の恋愛模様を見守ってみたい。 1話で登場したメインキャストは、主人公の純夏には流石としか言いようのない高垣彩陽。彼女はミュージックレイン4人衆の中でもひときわ輝くポテンシャルを秘めている気がする。今回の純夏のグッと抑えた声音は、今までのキャリアからはあまりイメージされなかった、また新しい彩陽だ。「Phantom」のアインと被ってもおかしくないはずなのだが、これがきっちり違った色を持っているのが面白い。また、相手役の高本めぐみも、今後の伸びに期待したい1人。デビューしたての3年前から応援している身としては、最近ボチボチ名前が確認出来るようになったのはうれしい限り。そしてそんな乙女道を脇から見守って賑やかすのが加藤英美里。文句の付けようがない、若手トライアングル。彼女たちのキャリアのためにも、是非この作品には成功してもらいたいもんである。頼むぜ、倉田先生。 |
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Thraxi
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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