最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「川越ボーイズ・シング」 6 「なんか見たことある動物なんだけど……ウォンバットじゃねぇし、ヤマアラシでもなくて……」って悩んでたけど、正解はラーテルでした。「キリングバイツ」で一躍有名になった(??)あの動物でしたね。 ふむ、先に予言というか、覚悟しておくと、多分高確率で評価は下がると思う。そうなる因子はふんだんにあるから。でも、1話目は面白かった。もう新番チェックは後のことなんて心配せずにこの「楽しかった」の雰囲気を大事にしたいですね(元々そのための企画なのでは?)。 まずネガティブな要素から先に挙げておくと、映像クオリティはしょうもないです。1話からぐだぐだ、というほどではないけど、普通の作品って1話くらいはパリッと決めてくれるもんで、今作の様子からして多分低いところからスタートしたらもっと下がるんじゃないかと思います。一応「ライブシーン」というか、パフォーマンスを見せるシーンもあったけど流行りのCG作画などあるはずもなく、「予算、無いのかな……」って不安になるような総体。多分、この時点で期待できないと思う人も多かろうし、実際私もそう思う。 加えて、お話としては「男子部活もの」ということで、そりゃまぁ相性は悪い。過去にも山ほど「素人の野郎ばかりを集めて部活しようぜ!」みたいな作品はあったが、そのほとんどは鳴かず飛ばず。そして私の趣味趣向では「Free!」や「ツルネ」などの高品質京アニ作品ですら途中で心が離れてしまうわけで、今作がそうなってしまうという想定は素直な予測と言えるだろう。過去には「カブキブ!」みたいな例外があるが、そっちに傾くのを期待するのは無体である。ついでに「川越」といきなりご当地感を出しているのも黄色信号で、「アニメで町おこししましょう」みたいな熱視線は、ハナから透けてるとコケる場合が多い。1話目ではおそらく川越の街並みなのだろうと思われる舞台を駆け回っていたが、これ以上「ご当地感」が不必要に鼻につく描写になれば、そこもネガティブな要素になりかねない。 もう、ここまで並べ立てりゃ「そこまで言っといて評価するってんだから、よっぽどなことがあるんだろうな!?」と思われるかもしれないが、ぶっちゃけ、あんま無い。最終的に「楽しかった」と思えた理由は、よくわかってない。すげぇふわっとした言い方で申し訳ないが「脚本のディティールが好き」だ。今作はオリジナルアニメらしいのでほんとにどこの誰がどれくらい手を入れてるのかよく分からないし、公式サイトを見に行ってもシリーズ構成が製作委員会形式になってて誰だか分からん。そんな状態なので本当に「気になった要素」を取り上げにくいのだが、あえて絞り込むなら、1話目で散々無茶をやりまくった主人公(?)のイカレ指揮者のキャラがとにかく不愉快で愉快。「変人」とか「奇人」ってきちんと描くのはかなり難しいのだが、今作の変人はきちんと1本芯が通った変人だ。その予想がつかないトリッキーな言い回しのつなぎがよく、掛け合いを聞いているだけで不思議と退屈しないし、いつの間にやら大きなシナリオの流れに丸め込まれてる感覚もある。いや、「いくらなんでも学生さんたち素直でいい子すぎるだろ」とかツッコミどころも次々出てくるのだが、そうした些事を気にしないくらいの大きな流れは作れている気がするのだ。 ただ、この「あれ、なんか楽しい」が本当に1話目だけで起こった飛び道具の可能性もあるし、ここから「部員集め→大会出場」という王道展開を進む中でどんどんマンネリズムに沈んだり、作画が本当に力尽きたりする可能性も大いにある。それは覚悟の上で、1話目で見せた歌唱パートの魅力や、オープニング映像で見せるこだわりの感じられるデザイン性など、作り手側の「なんとかして傷跡を残してやりたい」という気概も評価したいのである。 多分、ここから面白くなったら「ほらみたことか」とドヤる準備が出来たし、トーンダウンして消え去っても「全て星の動きの伝えた通りです」と伏龍を気取ることにします。個人的には、「新井里美の息子が天使の歌声って遺伝の奇跡かよ」ってところが一番のツボです。みっこボイスは元気が出るね。
PR ○「星屑テレパス」 5 自称宇宙人な上に鉄塔(?)に住んでるヒロイン、ちょっと杜王町要素が強すぎる気がしますね……。 などという強引なボケから入ってみたが、なんとも評価の難しい作品。「お前の大好きなきらら系列の百合ん百合ん作品だろ! 大人しく飛び付いとけや!」と思われるかもしれない。実際、studio五組制作のアニメーションは手堅い完成度で、「ゆゆ式」「えんどろ〜」などの実績を持つかおり監督によるディレクションも手堅い。萌えを最優先するきららアニメとしての描き方については本当に想定通りに、ファンが望むものを提供してくれている。その品質だけでも点をあげていいくらいの1話目になっていると思う。 ただ、そこを理解した上でど〜にもハマってない部分があって、自分の中で悩んでしまっている。まぁ、そもそも「ごちうさ」あたりのきらら系列は私が毎回ハマるかってぇとそうでもないのだけど、今作についてはハマりきらない理由が出てきそうで、絶妙に出てこないのでもどかしい。 一応言語化してみると、まず、依って立つところがどこか不安定な感覚がある。最も重要なはずの主人公・海果のキャラと、その相棒となるべきユウの設定だ。まずは海果のキャラ。彼女はいわゆる「ぼっち系」で、後藤ひとりさんと同じく重度のコミュ障で中学生活を棒に振ったらしい。その結果として「地球上では私はコミュニケーションが取れないから、きっと宇宙に私の仲間がいる」と思い込んだという………………いや、無茶じゃね? そのメンタリティをマジで持ち合わせているなら、やっぱりそこは理解が及ばない。「人との関わりが苦手」な人間は、それこそ10年間押し入れの中でひたすらギターを弾き続けるくらいのことはやりそうだが、「内に内に」という籠もり方が普通であり、日本どころか世界を、地球を飛び出して宇宙に行ってしまいたいってのは、もはや「ぼっちの思考」はなくて「電波」でしかない。いや、そういうキャラがいてもいいんだけど、そうした「突飛な」キャラを描く手つきが従来通りの「ぼっち系」の扱い方と同じであることにどうしても違和感を感じてしまう。 そして「宇宙人」ユウの設定については、「確定していない」気持ち悪さがある。まぁ「彼女は宇宙人なの? やっぱり違うの?」という宙ぶらりんの状態の方がまだ現実味があるというか、ミステリアスな魅力を出すことができるだろうし、あっさりと「宇宙人が隣にいます」と認めてしまうと、多分完全にSF設定になっちゃってきらら的日常ものとの食い合わせの悪さが際立つリスクもある。だからこそ「どっちだろうね、分かんないけど、こんな変な子が隣にいたら面白いよね」でとどめているのではなかろうか。その設定の狙いも意味も分かることは分かるが、それこそ「結局、支倉未起隆は宇宙人だったのか、単なるスタンド使いだったのか?」と同じモヤモヤが残ってしまう。いや、スタンド使いならまだいいのだが、この世界にスタンド使いは(多分)いないわけで、もし宇宙人でないとしたら「精度の高いテレパシーを使う記憶喪失の少女」というより面倒な存在になるだけなので、そこはもう、「宇宙人です」の方が話は早いのではなかろうか。 理解が及ばない主人公と、設定が不透明な相棒。その関係性でガールミーツガールをやられても、まずどこを自分の中で納得させてから観たらいいのか分からないというのが、1話目時点での私のスタンス。「相変わらず頭でっかちな見方しやがって」と思われるかもしれないが、そういう性分なのでしょうがない。まだ脊髄だけで「女の子が可愛いからいいよね!」で終わらせることはできないのです。まぁ、2、3週間後にそうなってる可能性は大いにあるけど。 そうそう、それと「ロケットを作る」っていう最終目標も突飛すぎて不安になるというか、「この漫画、どうやって終わらせるんだろう?」という心配もあるね。流石にぼっちを自認する主人公だけで宇宙工学を学び、大学に進学し、専門の工学で頭角を表し、1人でロケットを作るところまでいく作品ではないだろう。だとすると、どう足掻いても「途中で終わる」ことになるのだが……あんまり最終目標は大事じゃないってことなのかな。うーむ、次回以降もちょっと気を引き締めて観ていかんとなぁ……。
○「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」 6 今作最大の謎は、突発的に現れたナレーションのうえだゆうじな気がする。まぁ、好きなので嬉しいだけなんですけど、ナレーション単発起用って珍しい気がする。一気に「ギャグマンガ日和」っぽくなる。 「同時期に放送されるアニメで何故かテーマが被っちゃう現象」については他でも触れた気がするが、なんとまぁ、今期は「真正直な主人公があまりに正直すぎるせいで複数の女の子と正々堂々付き合っていく形の馬鹿ラブコメ」が同時スタート。「カノカノ」が2期目なのだからこちらが後から追いかけてる格好になるが……でも、狙ってる方向性はちょっとずつ異なっている。「カノカノ」は「複数人と同時交際」ではあるが、主人公の直也も別に異常者ではなく(いや、だいぶ異常だが)、メインの2人と付き合う「二股」が主題。その後の竹達へは割と塩対応だし、追加の銀髪もあくまで「サブヒロイン」の立ち位置。「どうしても決めきれなかった2択」というギャグを突き詰めており、当人同士も「まぁ、二股くらいならギリギリ」ってんで現実の範疇にとどめている(?)。 他方、こちらの作品はもう現実とか通常の倫理観などというものはタイトル時点で捨てている。「神からの啓示」という超常からスタートし、「女の子の方はとにかく無条件で惚れてくるので、その大量の愛情をなんとか同時処理してください」という捨て鉢すぎるラブコメ設定。もうコメの方に極振りしてる気もするが、とにかくより純粋にギャグの勝負になっている。 同じようなテーマの作品が被ってしまうと潰し合いになるイメージがある。どちらも勢いで攻めるタイプの作風とくれば尚更だが……私としては「どちらも楽しんだらいいじゃない」というスタンス。遅ればせながら告白すると、実は今作は「やや既読」。これは確か「電書無料試し読み」パターンで、少なくともエンディングに出てきた5人までは記憶にあるので、多分2巻くらいまでは読めたんじゃなかろうか。記憶は曖昧だが、続刊まで手を伸ばして読み続けたということで、それなりに楽しんだような気がする。改めて今回アニメになった1話を見て、素直に「うん、楽しいじゃない」と思えた。 制作はなんとバイブリー。直近の作品が「マジカルデストロイヤー」だったことは見ないことにして、「プリマドール」や「ブラックロックシューター」など、見事な映像を披露してくれた実績を持つスタジオ。監督の名前はぶっちゃけ記憶になかったが、調べてみたらなんと「邪神ちゃん」シリーズを一手に引き受けていた人だった。そしたらもう、勢い任せの不条理ギャグはお手のものということだ。1話目でも理不尽なまでの詰め込み展開をうまいことアニメ独自のギャグに昇華しており、原作漫画時点でメタ要素を入れまくりだったところに、さらに一歩進めた「漫画原作のアニメメタ」という状態。一歩間違えればサムくなる内輪乗りの極致だが、あたしゃ案外波長が合ったので無問題である。どうせラブコメ作品なんて「主人公がなんでこんなにモテモテでハーレム形成するか分からん!」みたいな不満を出しがちなので、「そこはもういいの! モテモテは大前提だから、そのモテモテ自体をタスクに設定して楽しめよ!」という今作の逆転の発想はありがたい限りである。 もちろん、そうして用意された無茶の塊を受け止めきるだけの土壌は映像と演出だけではない。そう、キャストである。主人公の加藤渉は「勇者が死んだ!」に続いて2本目の主演。そして作品のスタートダッシュを大きく左右するメインの2大ヒロインには本渡・富田という近距離パワー型のキャストを用意(今wikiで見たら過去に作られたボイスドラマではうえしゃまと白石晴香だったらしい)。あとはもう、全力で振り抜くだけ。富田ヒロインということで似たようなハーレム設定の「ぼく勉」を思い出したが、特に神の啓示も何もないのに今作同様に有象無象のヒロインどもが集まってくる「ぼく勉」世界ってすげぇ怖かったんだな。 この後に登場するヒロイン勢も万全の体制で待ち構えているようだし、実は結構楽しみである。ちなみに「100人のヒロインを描き分けるなんて土台無理な話だろ……」という感想が出てくるのが当然だと思うが、wiki情報を見る限り、原作は「22人目の彼女」までは登場しているらしい……ネギまのクラスメイトですら31人やぞ……頑張ってんなぁ……。
○「攻略うぉんてっど! 異世界救います!?」 5 タイトルから「さてはむしろなろうではないな?」と思ったらまさかの中国原産アニメだった。もう、中国も韓国も、みんなして異世界大好きか(なろうアニメは海外配信の方が人気なんて話はよく聞きますね)。 というわけでどうやら今期分の中国アニメ枠はこちらになりそうだ。ここ最近放送された「万聖街」や「フェ〜レンザイ」と異なりこちらは一見すると中国産かどうかは分からないのだが、その理由は「すぐに異世界転生したから」である。背景とか世界設定にあまり中国要素がなく、「異世界設計はもしかして万国共通なのか?」と思ったが、どっちかってぇと「異世界もの」というより「ゲーム内転送もの」と考えた方が自然かもしれない。作中でも「ゲームなので」って明言されてたし。そうしてみると、私はプレイしたことがないので完全にイメージのみでの話だが、「原神」とかの最近日本国内でもめっちゃプレイされてるタイプのゲームの雰囲気作りに共通するものはあるような気がする。CG技術が高いのは言わずもがなだが、そこからややぼかし気味ながらも手が混んでいる背景で入念に画面を埋めておき、ちょい丸っこくてすっかり日本の「萌え」のお株を奪ったようなキャラでコミカルに繋いでいく。こと「かわいい」に関しては、ほんとに中国アニメは日本の萌えのコピーを超えて自国のオリジナルを築き上げており、どのアニメもデザインが云々よりも「動きで可愛らしさを出す」ノウハウがあってちょっと羨ましい。今作のいかにもゲームっぽい画風を見て思い出すのは数年前に作られた「凹凸世界」だが、あの時から信じられない速度で描画の精度を上げており、多分今後「CGキャラによる萌えの追求」で先をいくのはもはや日本ではなく中国アニメーションなのではないかという予感すらある。まぁ、対立するようなものでもなかろうし、それぞれの文化の中で、切磋琢磨していただきたい。 そうして描かれる「ゲームらしいキャラ」が作るのは……まぁ、普通の異世界転生ギャグだった。日本語キャストがあまりにハイカロリーすぎるのでそれだけで満足してしまいそうだが(意外と日笠が異世界転生主人公って珍しいか?)、ネタ回しに特に鮮烈な部分はなく、「まぁ、そこいらのなろうよりかは見てて飽きないかな」くらい。いや、キャラは立ってると思うけどね。なんかね、「日笠→井口→くまちゃん」っていうあまりにも慣れ親しみすぎたパスを繋げられちゃって、実家のような安心感で何も考えられなくなっちゃったのよね。さらにそこに瀬戸ちゃんが襲来。ありがちな「コワモテ人狼娘」だと思ったらラストに突然極度のシスコン設定が明かされ、姉キャストが豊崎という。……やっぱ中国アニメの吹き替えをキャスティングする闇の結社みたいなのがあって、全て分かってる人が担当してる気がする(そりゃそうだろ)。 というわけで、今期も「フェ〜レンザイ」の続きみたいな感覚で異文化アニメをお勉強させてもらおう。これで「異世界転生だったらどの国でもおんなじやな……」っていう結論になれば、それはそれで「世界中でなろうが求められてるってことなのか……」という残念な納得があるな。
○「七つの大罪 黙示録の四騎士」 5 「日5」枠が出来たのがちょっと前だったはずだが、ここでさらに「日4時半」枠が登場。キー局が夕方のアニメ枠を拡充してくれるのは嬉しいはずなんだが……だから土日夕方枠って苦手なんですってば。 まぁ、それ以前に「七つの大罪」があんまり得意じゃなかったという罠。いや、確か1作目あたりはそこそこ真面目に見られてた気もするんだけど、あんだけだらだらと続けられるとねぇ。挙句、最初はこれと同じように日5で大々的に放送された看板作品だったのに、シリーズを重ねるごとに枠を変えられ、最終的にはやっぱり深夜アニメに落ち着いてしまい、作画リソースもお察しレベルに落ちちゃうという悲劇があった。おかげで後半は何やってたか全然知らない(もう、覚えてないとかいうレベルじゃない)。久野ちゃんの血族が宮野だったことだけ覚えてる。 さておき、そんな「七つの大罪」の正統続編ということで当然「観られるものかしら」と不安にはなっていたのだが、幸い、1話目時点で前作の設定を引っ張っている感じはあんまりない。世界そのものは地続きだし、第1シリーズから数年後という時間軸らしいので絶対に絡みはあるはずだが、まぁ、分かんなくて困るところまでは追ってみてもいいとは思っている。幸い制作スタッフなどは一新されており、スタジオはテレコムで無難な仕上がり。監督はみたことない名前だけど、テレコム作品なんてそんなに接点ないし致し方なし。少なくとも出だしの作画はかなり気合が入っているようで次の枠にある「シャングリラ・フロンティア」に負けないように奮闘しているようだった。まぁ、正直いうと主人公・パーシバルの目がたまに怖いカットがあるんだけど……なんか、「かわいい」を前面に押し出そうとしてるデザインだけど目がデカすぎてたまにクリーチャーっぽく見える瞬間がある。その辺の細かい設定でもうちょい気を使っていただけるとありがたい。 シナリオもわかりやすい「冒険の序章」だったし、何も見えない状態からスタートすれば、続編ものとして「世界がどのように変わっているか」をちょっとずつ明らかにしていくドキドキも味わえるってもんだろう(前作を覚えていれば、だが)。 楽しい日曜夕方になるといいですね。
○「アイドルマスター ミリオンライブ!」 6 ニチアサに黒船の来航じゃぁぁあ! まさかのアイマスがこの時間帯に電撃参戦。日本中の女児たちよ、再びアイドルを目指して立ち上がれ! 「ニチアサのアイドルアニメ」というと私が意図的に守備範囲外に置いておいた2シリーズが代表で、「プリパラ」「アイカツ」シリーズが長年に渡りその座を支配し続けてきた印象。しかし数年前にアイカツが幕を下ろし、プリパラシリーズも紆余曲折を経た末に昨年閉店。「日曜のアイドル」はここのところ空位となっていたわけだ。そしてそこに、まさかまさかのアイマス殴り込み。「なんでアイマスがニチアサに!?」と初見では驚いたものだが、冷静に考えればこれ以上に相応しい枠があるだろうか。コロンブスの卵とはまさにこのことである。 などと大仰で偉そうな出だしから始めてみたものの、私は残念ながらアイマスフォロワーではない。アニメ放送されたシリーズは一通り目を通しており、初代765プロも嫌いじゃなかったし、デレマス、そして直近の「U149」に至るまで、一定の品質を維持して展開されるシリーズは「それぞれのアニメシリーズ」として享受はしていた。ただ、結局その根源たるゲームには手を出さない状態が続き、「別派閥」であるバンドリ軍に身を寄せて以降は自衛の意味もこめてそのガードを固めた。おかげで業界でも最も複雑な形態で領土を広げ続けるアイマス軍の内情はもはや理解の及ぶものではなく、最近では映画館に行くたびに立て続けにアイマス映画のCMを目撃し、「え? 今何本くらい別プロジェクトで動いてるものなの?」と困惑したものである。 そんな状況なので、このニチアサについても「まぁ、こないだのU149みたいに単品でハイクオリティになってくれれば嬉しいけど、女児向けアニメってんで適当なもんが出てくる可能性もあるよなー」とかいささかの警戒を持ちながらの視聴となった。最初の関門は白組制作のCG作画。映画館で見た予告も「ははぁん、ライブシーンの手間を避けるためにも全編CGのしたのか。画面が浮いちゃわないといいけど」などと思っていたので、やはり場面によっては硬さを感じる部分がゼロとは言わない。でもまぁ、こちとらサンジゲンCGにすっかり飼い慣らされた身でして……白組CGも日本を代表する最高品質ですよ。ライブシーンのモデルとほぼ同じレイヤーで描かれる日常芝居。表情の付け方などもほぼ「手描きアニメ」と言われるレベルにまで到達し、新たなアイマスの形として文句をつけるべきところはない。なんやかんや言うてソシャゲアニメには違いないのだから今後はとんでもない数のキャラが出てくると思われる(エンディングですでに出ている)が、そうして大量のネームドキャラを処理して作業効率を落とさないためのCG。なるほどいいバランスを見つけたものである。 「ソシャゲアニメだからどーせキャラの陳列ショーになっちゃうんじゃないの?」というこれまたお馴染みの懸念もあったが、少なくとも1話目は非常に真っ当なガールミーツガールからの夢の始まりを描いている。メイン級は赤青黄の3人に見定め、きちんと「ニチアサのドラマ」としても成立しそう。今後のサブ(サブって言ったら担当Pに怒られるんだろうか)の絡め方次第だが、少なくともソシャゲアニメの呪縛にがんじがらめという印象はない。流石にここまで数多のプロジェクトを展開してきたタイトルである。打ち出し方に失態はなさそうだ。 そしてこれが1番意外というか、純粋に知らなかった部分なのだが、今作は「765プロの正統続編」だったんだね。これまでのアイマスシリーズと言ったらさまざま事務所に展開する「横に広がるプロジェクト」だと思っていたので、「もういい加減アイドル多すぎて覚えられへんやろ」という諦めがあったのだが、どうやらこの感じは「初代からの世代交代を狙ったタイトル」のように見受けられる(レジェンドたちが引退するというわけじゃなかろうが)。この繋がりなら、私の大したことないアイマス知識でも分かる部分はあるし、結局私は四条貴音さんが歌って踊っていればそれで嬉しいのである(765プロの推しはおひめちん、時点で我那覇くんと定めている)。思いの外、「私でも楽しめそうなアイマス」が出てきてくれて嬉しい限り。 あと、これまた意外だったのはメインキャストが若手ばかりなのかと思ったらがっつり腰を据えた面子だったこと。山崎はるかってもっと昔のどっかでアイマスと関わってるもんだとばっかり思ってたんだが、そうでもなかったんだね。そしてその隣には
○「帰還者の魔法は特別です」 4 エンドロールで流れた「応援アンバサダー Mr.マリック」っていう文字列が一番面白かったです。何のコラボだよ。 これは作品に責任が無いのでどうしようもないんですが、出てくる順番って大事だよなぁ、とは思う。何しろ今期だけで3人目の「理由はよく分からないけど時間が巻き戻ったおかげで悲劇をやり直すことができるようになった主人公」である(東リベも合わせると4人目か)。流石に「もういいから」ってなっちゃうじゃん。今のところこの4人に大きな差異は感じないのだけども……なんでみんなして同じことばっかやって、同じタイミングでアニメ化しちゃうんだろうね。 調べてみると、意外なことに原作はなろうではなくて韓国のWeb小説。まぁ、韓国版なろうみたいなものなのかもしれないけど、1話目だけを見てそう判断するのは早計よね。ただ、残念ながら上述の通りどっかで見たことがある展開なので心躍るものではないというのが第一印象。もう、このくらいの既視感は日本の時代劇みたいなもんなんだからネガティブな要素としてとらえる必要は無いのかもしれないが……なんだろ、端々に「綻ぶ予兆」みたいなものが見え隠れしてる気がするんだよな。 白状してしまえば、一番のマイナス要因は単純にキャラデザである。生理的に無理だった「聖者無双」のキャラデザと重なる部分があり、なーんか動かした時の違和感が気になるんだよな。別に尖り顎がすぎるってほどでもない気がするのだが……何が苦手なのか、ほんとに生理的なレベルなのでよく分からない。まぁ、そもそもの動画部分があまり気を遣ってないってのが大きいのかもしれないが……。制作は「月とライカと吸血姫」などの実績があるアルボアニメーションで、独自の描画方法はこれまで面白いと思えるものだったのだが、今作では今のところそこに魅力は感じられない。キャラの表情とかで差分を出そうにも、やはりテンプレ感が強すぎる部分が認識を大きく阻害してしまうのが勿体無い。今後話の展開が予想もしない方向に転がり出すなら、それをモチベーションに見た目の印象も更新されるかもしれないけど……この設定じゃなぁ……。 とりあえず最終回を迎えるまでにちゃんと「なんでタイムスリップしたのか」が明かされるかどうかで評価は考えるかな。それまで視聴を継続できるくらいにはしといてほしい。
これは特に思想とか関係ないことだから平気で書くんですが……上坂ボイスって、「革命で処刑される王族」にすげぇマッチしてるよね。パンがなければソフホーズへご案内。 私の中では何かが納得いったという、残念な勘違いを生み出した作品。何が起こったかというと、今作は見ての通り「令嬢のやり直し物語」である。悪逆の限りを尽くしたいわば「悪(い)役の令嬢」がタイムワープして自分の行いを悔い改め、未来の破滅のフラグを立てないように奮闘する物語。この構造を見た時に私は「ははぁなるほど、これまで私が見てきた乙女ゲームの悪役令嬢ものってぇのは設定がガチガチで矛盾があったが、なるほどこういうシンプルな『人生やり直しもの』からの派生として生まれてしまった歪んだ形態の1つだったのか。原初にこういうわかりやすい構造があったとしたら、そこに余計な装飾が施されていく歴史も納得いくものだ」と思ったわけですよ。この感覚、ご理解いただけますかね? 「はめフラ」にしろ直近の「最強外道ラスボス女王」にしろ、なぜ「乙女ゲーム」「破滅フラグ」なんて面倒なガジェットを使ってるんだろうとずっと疑問に思っていたわけだが、今作みたいな「実際の(?)王族の話」があって、それをゲーム的に簡略化するいかにもなろう的な進化の結果が「悪役令嬢もの」の今の形だと、そういう流れを読み取ったわけですよ。 まぁ、全然違ったんですけどね。確認したら今作のスタート2018年。「はめフラ」が2014年だからあっちの方が圧倒的に早かった。ってことは今作はすでに「悪役令嬢もの」がある程度定着した土壌に改めて投下された「先鋭化させた形」の作品なのか。誰か、真面目になろうの歴史を体系的にまとめてくれる人いません?(ちなみに「悪役令嬢もの 歴史」でググったトップはこちらのサイト。なろうに限らない媒体になるとキリがないし、なろうに限った場合でもWeb上で同時多発的に生まれるなろう作品の歴史検証って難しそうね) というわけで私の浅く狭いなろう理解は何の役にも立たなかったが、とりあえず今作は「悪役令嬢もの」のエッセンスを残しつつ、余計な悩みの種を取り除いてよりシンプルな形を取り、見やすくしたという意味では非常に理知的で、計算された作品ではあると思う。どう考えても「乙女ゲームのキャラが云々」いうよりも「実在の王国の姫が処刑前にタイムワープ」の方が設定としてわかりやすいもの。姫の記憶を「日記」という具体物に転写して「やり直し」の手掛かりにしてるのも明解だし、姫自身の性格が長年の苦闘の記憶から「ちょっとずつ変化している」という加減もちょうど良い。乙女ゲームものの「ゲーム脳」の場合、ぶっちゃけ「キャラ」と「主人公」は別人なのでどうしたって「客観的な視点で見てきた別な人間の人生を追体験する」ところにゲーム臭さというか、設定に踊らされてる感があったが、「自分が実際にやってしまった淡い記憶を、魂の部分は同じ人物のままで少しずつ是正していく」の方がドラマとしてもリアルにはなるだろう。 まぁ、そうは言っても結局やることはいつもの悪役令嬢ものの流れではあるのだが……直近の「ラスボス女王」は悪役令嬢もののフォーマットからシリアスに振り切って「善なる統治者」を描く大河ドラマを目指したのに対し、こちらは周りの人間と「やり直しキャラ」の認識のギャップで笑いをとるギャグに寄せた作風。うまいこと差別化を図り、(少なくともアニメの)過去作には無い方向での刺激を生み出してくれそうではある。 制作はSilver Linkだが、映像クオリティは割と高め。ロココ調(?)をベースとしているであろう華美な画面装飾なども入念だし、コミカルに寄せているおかげでキャラの動かし方も軽快である。普通に考えれば「ギロチン台をマスコットキャラ扱いにして愉快に描く」なんて不謹慎極まりないデザインだが、その辺りもギャグとしてちゃんとラインに乗っているのである。監督は今作が事実上の初監督になる人みたいだが、少なくとも1話目のディレクションは作風に合ってるんじゃなかろうか。あとはまぁ、スタンダードな悪役令嬢もののノリで、どこまでバリエーションを出せるかの勝負ですかね。 ちなみにエンディング後に入ったCMがダイレクトに「はめふら」の劇場版だったのがちょっと笑っちまった。なろうどうし、競合すれども争わず。
○「新しい上司はど天然」 4 アニメ世界の職場にはいろんな人がいますが、「幼女幽霊」→「氷属性男子」→「小さい先輩」ときて、今度はど天然上司らしいですよ。 基本コンセプトは「クールドジ男子」と全く同じ。愛すべき職場の人間を見てひたすら「カワイイ〜」っていうだけという意味では「小さい先輩」の性別を変更しただけとも言えるわけだが……残念ながらまだ私の受容体には「いい年した成人男性を可愛いとのたまう嗜好」が入っていないので、どうしても飲み込めないのはしょうがない。こういうのも性差別っていうんだろうか……いや、でもおっさんは可愛くないよ……CV梅原裕一郎のおっさんが可愛かったらそれはもう事案だよ……。 という根本部分で求めていない作品なので評価は下がりがちだが、変な話、基本骨子は嫌いじゃない作品でもある気はする。「可愛い同僚のあれこれをひたすらショートで繋いでいく」という構造で、あるあるというか、日常ギャグで繋ぐにはとにかくテンポ重視。1つ2つネタを見ればあとはもう似たようなテイストの繰り返しでしかないはずなのだが、そこに飽きる前に次のネタに行く、みたいなサクサク感はアニメならではの味わいかもしれない。Twitterネタが元の作品ってのはこうして「ひたすら数を撃つ」デザインには向いてるはずなんだけど、同じような出自の先行作品で成功した事例はあんまり見てない気がするんだよな。そういう意味じゃ、むしろ期待してみたい作品と言ってしまってもいいのかも。作画もあんまり力は入ってないけど、適度にユルいくらいで持久力を高めてる感もあり、登場人物は野郎ばっかだけどあんまり嫌にならずに見続けられる。あとは、ほんとにただダラダラと見続けられるだけのネタのストックがあるかどうかだ。 と言いながらWikiを見たら「既刊2巻」って書いてあったんだけど……大丈夫か?
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HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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