最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
Blackcleave Goblin 黒割れのゴブリン (3)(B) C クリーチャー・ゴブリン、ゾンビ 2/1 速攻 感染 なんと、黒にゴブリンがいる。種族テーマの環境であるオンスロートやローウィンには黒ゴブもちょいちょいいたが、そうでない世界で突然ゴブリンが黒くなるというのは珍しい。能力だけ見たら別にホラーとかでも良さそうなもんだけど。で、能力は「屑肉の地のゾンビ」クラスのカードに感染をつけたくらいのもの。確かに事実上4点パンチになる感染アタックが速攻で使えるのはそこそこ偉いのだが、それにしたって4マナはちょいとボり過ぎじゃないだろうか。それとも、感染能力はそこまで恐ろしいものなのか。答えはゴブリンだけが知っている。いや、多分こいつらもしらんだろう。 Bleak Coven Vampires 冷たき集いの吸血鬼 (3)(B)(B) C クリーチャー・吸血鬼、戦士 4/3 金属術- 〜が戦場に出た時、対象のプレイヤーは4点のライフを失い、あなたは4点のライフを得る。 条件を満たしていないと単なる「屑肉を引き裂くもの」なので、リミテッドレベルでもあんまり出番が無いカードである。が、これが金属術を満たせば劇的に変化し、なんと187で「魂の饗宴(10ED)」をたたき込める。「魂の饗宴」が5マナのカードだから、このおまけは破格。ライフを攻めるタイプの黒を組むならば必須のカード。そうでなくとも、それなりのクリーチャーが4点のライフをくれるなら充分。ただし、あくまで出たあとはバニラなので、引きすぎには注意。 Blistergrub 水膨れ地掘り (2)(B) C クリーチャー・ホラー 2/2 沼渡り 〜が戦場から墓地に置かれたとき、各対戦相手は2点のライフを失う。 今回、渡り能力をもったクリーチャーは全色でこいつだけ。相変わらず黒は仲間割れじみた身内いじめが執拗だ。ただ、こいつの場合は色が合わなくてもそこそこの能力を持っており、何が何でも2点分のライフだけはもぎ取ってくれる。黒が相手なら必須レベルだろうし、そうでなくても、デッキメイクが思わしくない時の穴埋めくらいにはなるだろう。それにしても、本当に日本語名がひどい。そのくせ微妙に語呂が良いのがムカつく。3回唱えると口が楽しくなってきますよ。ミズブクレジボリ。 Carnifex Demon 執行の悪魔 (4)(B)(B) R クリーチャー・デーモン 6/6 飛行 〜は−1/−1カウンターが2つ置かれた状態で戦場に出る。 (B),〜の上から−1/−1カウンターを1つ取り除く:他の全てのクリーチャーに−1/−1カウンターを1つ置く。 毎度黒スキーをワクワクがっかりさせる、期待を裏切らないデーモン枠。今回のデーモンは6マナで4/4登場という、一瞬のがっかり感が流石の完成度。しかし、次のターンまで頑張って生き残れば、流石にレア、といえる効果を見せてはくれる。敵味方を問わず吹き荒れる−1/−1の嵐は、なんとデーモンの天敵であった「悪斬の天使」にすら影響を与えることが出来るのだ! 大量のカウンターをばらまくので増殖との相性が抜群で、相手陣営は一気にへろへろ。背中の荷物を降ろし終わった6/6のこいつがたくましく勝負を決めてくれるって寸法だ。気の利いた嫌がらせではないか。ただ、何故か感染能力だけは持っていないので、パンチしにいくと毒カウンターじゃなくてダメージになるのは注意が必要な点。ファイレクシア陣営のカードのくせに、なんかちぐはぐだ。 Contagious Nim 伝染病の屍賊 (2)(B) C クリーチャー・ゾンビ 2/2 感染 前期ミラディンではあれだけ我が世の春を謳歌していた「屍賊」軍団だが、今回クリーチャーとして登場したのはなんとこいつだけ。ここ7年の間にミラディン世界のゾンビ勢力はどうなってしまったのだろう。しかも、生き残ったこいつも屍賊の証である「アーティファクト大好き」能力が失われ、単なる「感染がついたスケイズゾンビ」に。……まぁ、感染がついてるから割と強いんだけどね。ファイレクシアの魔改造、恐るべし。 Corrupted Harvester 堕落した収穫者 (4)(B)(B) U クリーチャー・ホラー 6/3 (B),クリーチャーを1体生け贄に捧げる:〜を再生する。 そういえばミラディンには「ドロスの収穫者(MRD)」と「大いなる収穫者(DKS)」という2体のホラーがいた。どちらも自軍に痛い能力を持ったレアであるという共通点があったが、「収穫者」というのはミラディン界におけるホラーを表す一名詞なのだろうか。で、今回の奴もきっちりホラー。ただし、レアでもないし、特に痛い能力を持っているわけでもない。単にクリーチャーをむしゃむしゃしたいだけの本能に忠実な奴である。パワー6の再生クリーチャーは当然強力だが、マナコストと再生コストがどちらも決して優しいとはいえないので過信は出来ない。感染を持っているわけでもなし、どうせ感染を相手にしたらその内死ぬ。いまいち居所が掴みづらいカードである。 Dross Hopper ドロスバッタ (1)(B) C クリーチャー・昆虫、ホラー 2/1 クリーチャーを1体生け贄に捧げる:〜はターン終了時まで飛行を得る。 黒い! ドロス! バッタ! ク・ド・バ! ……ドロスバッタて。もういっそ「ドロスホッパー」で良かったんじゃなかろうか。そもそも「ドロスホッパー」自体がバッタ(grasshopper)のもじりなんだし、そのへんをどうにか活かせなかったものか。そして、なんでこんな能力のためにクリーチャーを1体犠牲にせにゃならんのだろうか。せめて感染付けといてよ。 PR Arc Trail 電弧の痕跡 (1)(R) U ソーサリー 〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に2点のダメージを与え、他の対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に1点のダメージを与える。 日々進化し続けるクリーチャーたち。そんな生物に戦いを挑むのは、黒除去、赤火力の2大除去カラーのプライド。スペックの上がり続ける火力の中で、ほんの少しの優しさをもった新火力が登場。確かに悪くない。2マナで合計3点入るわけで、同じ効率で「弧状の稲妻(USG)」なら3マナかかったのだ。アドバンテージも取れる火力だし、このレベルアップは大したもんだ! ……って、「弧状の稲妻」なら1/1を3体屠ったり、タフネス3を除去ったり出来るんですけど、このカードじゃそれが出来ないんですよね。最大2点って、別に「二股の稲妻」でもいいような……ま、まぁアドバンテージがとれるは事実だし、基本水準を下回るものでもないので、リミテッドなら問題無く使えるカードですよ。でも、なんでこれがアンコモンで、しかもソーサリーなんだろう。今の時代インスタントでも文句言われないような気が…… Assault Strobe 突撃のストロボ (R) C ソーサリー 対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで二段攻撃を得る。 「二度裂き(EVE)」につづき、純粋に二段攻撃のみを与えるスペルが登場。たった1マナでダメージの倍加が見込めて、感染持ちとの相性は抜群だし、そうでなくとも装備品を握ったクリーチャーが突き抜ければ1マナ分の元は充分に取れる。なんと優秀なトリックか……と思ったらソーサリーなのね。流石に1マナでインスタントはないかー。ま、分かっていても止められないシチュエーションってのはそれなりにあるものだし、先制ダメージが入れば感染持ちは一方的に戦闘に勝利できる可能性もあがり、感染を持たないクリーチャーも感染クリーチャーに悩まされずに勝てるかもしれない。ふむ、悪くない。イラストのでっかい奴(オーガかな?)がキルミンダンスを踊っているように見えて仕方ない。 Barrage Ogre 連射のオーガ (3)(R)(R) U クリーチャー・オーガ、戦士 3/3 (T)、アーティファクトを1つ生け贄に捧げる:〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に2点のダメージを与える。 アーティファクトぶん投げ装置。流石に「爆片破(MRD)」再録ってわけにもいかないだろうが、代わりにこれを使えばブチ爆片が味わえるという寸法だ。この世界ならばさして労せず2点砲台になるわけで、当然リミテッドならば強い。タップが必要なので名前と違って連射は効かないのだが、あらゆるアーティファクトが火力になる可能性は5マナでも雇う価値があるだろう。「マイア鍛冶」みたいなトークン生成装置と組み合わさった時の非道っぷりが見どころ。これをみると、やっぱりタップがいらない「溶口」はレアなんだと実感出来る。 Blade-Tribe Berserkers 刃族の狂戦士 (3)(R) C クリーチャー・人間、狂戦士 3/3 金属術- 〜が戦場に出た時、〜はターン終了時まで+3/+3の修正を受けるとともに速攻を得る。 丘巨人に金属術でボーナスがついた。色拘束が1つ、しかもコモンなのだから「峡谷のミノタウルス」あたりと一緒でバニラでも文句は言えないところに、このボーナスがなかなか大きい。何せ出た瞬間に6/6の速攻クリーチャーが突っ込めるのだ。キャスティングコストがあるので他のカードと併用するのは容易ではないが、パワー6の速攻クリーチャーは単体でもゲームをひっくり返すだけの可能性を秘めている。素で出しても悪いことはないのだし、これを何枚か仕込んでおけば、相手は常にブロッカーを用意して警戒する必要が出てきて攻撃も鈍るはずだ。リミテッドで相手が山を置いたら、常にこいつのことは忘れないようにしよう。 Bloodshot Trainee 血まなこの練習生 (3)(R) U (未来予知より再録) クリーチャー・ゴブリン、戦士 2/3 (T):〜は対象のクリーチャー1体の4点のダメージを与える。この能力は、〜のパワーが4以上の場合のみ起動できる。 毎度毎度微妙に気になる、未来予知からの再登場カード。今回はアーティファクト世界なのだからそれに絡んだ何かが帰ってくることを期待されていたわけだが、何故か全然関係無いこのカードが次元を渡って登場。ちなみに、未来予知版のイラストでは「お前じゃなくてうしろの鬼教官を使わせてくれよ」との意見が続出したが、今回は個人トレーニング中なので鬼教官はいない模様。さて、未来予知環境では同じ赤コモンの「流動石の抱擁(FUT)」とのコンビネーションが人気だったが、今回は当然たくさんの装備品との相性を買われての登用。うまいこと「ダークスティールの斧」でも握れれば、無敵の4点砲台の鮮烈デビュー。対処法の無い相手をボコボコにしてくれるだろう。こういうときのためにちゃんと「平和な心」ではなくて「拘引」が再録されているあたりが憎らしいな。 Acid Web Spider 酸の巣の蜘蛛 (3)(G)(G) U クリーチャー・蜘蛛 3/5 到達 〜が戦場に出た時、対象の装備品1つを破壊しても良い。 蜘蛛も、各セットに最低1体は収録されてるみたいなイメージがある種族。最近は「闘士蜘蛛」だの「胞子頭の蜘蛛」だのコンパクトにまとまった奴が多かったのだが、今回は趣向を変えてちょっと大きめサイズを用意。5マナで「大蜘蛛」よりもワンサイズ大きい手頃なステータスと、どさくさに紛れてアドバンテージを狙う187効果まで持ち合わせている。うん、これはなかなか良い。ま、スタンダードを見る時は「どう考えても酸のスライムでいいだろ」の一言を飲み込むのが大変だが、このサイズはそう易々とは突破できまい。これでアンコモンじゃなかったら、おっちゃんアメでもあげようかと思ったのにな。 Alpha Tyrranax 最上位のティラナックス (4)(G)(G) C クリーチャー・ビースト 6/5 「ティラナックス(5DN)」。6マナ5/4で、マナを払うとパワーを下げてタフネスを上げるディフェンシブな能力を持つ緑のファッティだ。そしてこのカードは、そんなティラナックスの中でも最上位だ。…………誤差だろ。 Asceticism 苦行主義 (3)(G)(G) R エンチャント あなたのコントロールするクリーチャーは、対戦相手のコントロールする呪文や能力の対象にならない。 (1)(G):対象のクリーチャー1体を再生する。 このカードの効果と名前から、きちんとモチーフになったカードが出てくるだろうか。「苦行者/Ascetic」と言えば、ミラディン生まれの名クリーチャー、「トロールの苦行者(MRD)」のことである。その優秀さを買われて数々のデッキでクロック兼防御役として活躍した「苦行者」は、基本セットへの収録経験もある緑の代表格。そんな彼の強さの源であるアンタッチャブルと再生を、自軍全軍にまで波及させたのがこのカードってわけだ。単体除去を恐れる必要がなくなり、更に再生がつけば「紅蓮地獄」のような全体除去も一安心。現在は「神の怒り」もなく「審判の日」がせいぜいなので、再生持ちの非対象クリーチャーを始末する手段はほとんど存在しないだろう。1枚で自軍を格段に安定させることが出来る鉄壁のディフェンスだ。ただまぁ、5マナもかかって、しかも1枚では何もしないカードっていうのはそれだけで手が伸びにくいんですけどね。「頑強な決意(ONS)」は2マナだったけどあんまし出番が無かったけどね。 Bellowing Tanglewurm 吠える絡みワーム (3)(G)(G) U クリーチャー・ワーム 4/4 威嚇 あなたのコントロールする他の緑のクリーチャーは威嚇を持つ。 やっぱり緑のファッティはワームですよね、と書こうと思ったら、これが5マナ4/4と案外お手頃サイズ。リミテッドの緑といえば5マナ4/4は定番商品だが、まさかそのお鉢がワームに回ってこようとは。しかし、我らがワームはそんなことでは動じない。なんと威嚇持ちなのだ。確実なダメージ性能がワームの優れた種の個性をアピール。それだけでは留まらず、更に色さえ共有していれば味方にも威嚇をお裾分けするという大盤振る舞い。これはアンコモンとは思えない突破力。徹底的に力業で押す緑デッキを組んでも、感染だの増殖だのとスカされてしまう昨今。こうした質実剛健な緑のフィニッシャーは、是非とも自軍の旗振り役として活躍してほしいものである。え? 威嚇ってアーティファクトで止まるの? えー。 Blight Mamba 荒廃のマンバ (1)(G) C クリーチャー・蛇 1/1 感染 (1)(G):〜を再生する。 うーっ、マンバ! などと叫びつつ、よく分からないので「mamba」でググったら、画像検索で思いの外可愛らしい蛇がヒットした。えー、こんな愛らしいのに毒とかもってんの? キュートなおめめがたまらんなぁ。あ、ちなみにイラストはきちんと禍々しい顔をしてるので、安心してご使用いただけますよ。2マナで再生持ちの蛇、といえばなんと言っても「リバー・ボア」なわけだが、一世を風靡した最強の2マナクリーチャーも、久し振りに現役復帰したら回りのインフレが酷すぎてほとんど出番無し。このクリーチャーは、そんな彼の不憫さを慮ってか、パワーを1減らして慎ましやかに登場した。しかし、「スキジリクス」の項でも書いた通り、感染と再生の組み合わせは実に強力。攻めに回ればジワジワとブロッカーと本体を蝕み、防御に転じれば鉄壁かつ嫌らしいブロッカーに。コモンの戦力としては充分過ぎるスペックといえるだろう。是非装備品をつけて決戦兵器にしてみたいカードである。 Blunt the Assault 突撃の鈍化 (3)(G) C インスタント あなたは、戦場にあるクリーチャー1体につき1点のライフを得る。このターン与えられる全ての戦闘ダメージを軽減する。 「民間療法(JDG)」+「濃霧」。3マナ+1マナ=4マナ。よし、計算は合うな。文句があるかね? Carapace Forger 甲殻の鍛冶工 (1)(G) C クリーチャー・エルフ、工匠 2/2 金属術 - 〜は+2/+2の修正を受ける。 いわゆる熊が、金属術によって2マナ4/4の化け物サイズへ。まぁ、最近のクリーチャー事情だとそこまで驚かなくてもいいかもしれませんけどね。 Carrion Call 屍肉の呼び声 (3)(G) U インスタント 1/1で感染を持つ、緑の昆虫・クリーチャー・トークンを2体戦場に出す。 緑とは思えない名前のカードだな。そして、その効果はなかなか秀逸。トークン2体をインスタントで出すだけなら「急報(MRD)」や「光り葉の待ち伏せ(LRW)」と同じなのでもう少し軽くないといけないのだが、これが感染持ちとなると話は別。突然現れるブロッカーとしての効果は勿論高いし、こと感染が絡んだ毒死の危険性がある場合、相手は慎重にそのダメージを数えて攻撃してくるはず。瞬速持ちで現れる毒の刺客は、それだけで相手の致死量を見誤らせる効果があるのだ。正直いうとイラストがなまじリアルで気持ち悪いのだが、実際使ってみればそんなことは我慢出来るに違いない。いやぁ、でも俺、虫駄目なんですよ、マジで。 Copperhorn Scout 銅角笛の斥候 (G) C クリーチャー・エルフ、斥候 1/1 〜が攻撃するたび、あなたがコントロールする他の各クリーチャーをアンタップする。 「アンタップすること」は、どこの色が専門ということが明確に定まった能力ではないのだが、これまでの分布を見ると、アンタッパーを擁する青や細かいクリーチャーの奇襲を得意とする白、そして「みなぎる活力(6ED)」というそのものずばりのカードを持つ元気印の緑に与えられることが多い。このクリーチャーは、轟音でもって攻撃に行った自軍クリーチャーを奮い立たせてやろうという、緑なりのファイティングマーチを奏でる。過去には「起床ラッパ隊(PCY)」なんてクリーチャーもいて、どうにも管楽器はアンタップの象徴になっているらしい。よっぽどうるせぇんだろう。さておき、こいつがいれば事実上全てのアタッカーが警戒持ちになるわけで、使い続けられれば「セラの祝福(9ED)」になる。更に戦闘と関係無いところでタップしたクリーチャーも再利用出来たりするし、色々と悪さは考えつくだろう。でもまぁ、殴ったら死ぬよね。1回こっきりの使い捨てだよね。あんなでっかい角笛が使い捨てとは、勿体ないな。さて、何に使う? Accorder’s Shield 調和者隊の盾 (0) C アーティファクト・装備品 装備されたクリーチャーは+0/+3の修正を受けると共に警戒を持つ。 装備・(3) 今回2枚収録された0マナアーティファクトのうち1枚。もう1枚は「メムナイト」ね。アーティファクトは0マナであること自体に価値を見いだすことも少なくないのだが、やっぱり出して使えないとデッキに入れる気にはならない。その点、このカードはそれなりの補強を与えてくれるので、ニーズはぼちぼちと言ったところ。過去に0マナの装備品は「蜘蛛糸の網」と「極楽のマントル(5DN)」があったが、それらと比べても、特にデッキを選ばずに使えるという点は評価出来そうだ。でもまぁ、やっぱり0マナなんで、そこまでほしいカードにも見えないんですけどね。青を使って「よじれた映像」でパワーにしてしまうっていうのはいかがか。 Argentum Armor アージェンタムの鎧 (6) R アーティファクト・装備品 装備しているクリーチャーは、+6/+6の修正を受ける。 装備しているクリーチャーが攻撃するたび、対象のパーマネント1つを破壊する。 装備・(6) たまに現れる馬鹿装備品の新作。+6というおよそ真剣に考えてなさそうな効果に、更にアタック誘発で「名誉回復(APC)」というのだから、そりゃ強いには違いない。……でもさ、装備に6マナだぜ。ミラディン最重量装備の「世界薙ぎの剣(MRD)」でも5マナだったわけで、このコストは本気でこのカードと心中する気がなければ払えないコストだ。とてもじゃないが構築を任せられる人材とは思えない。そもそも、なんで鎧なのに破壊能力を持っているのかと小一時間。イラストを見る限りじゃとても防御力が+6もあるようには見えないし、どこかに破壊光線が出せるギミックがあるようにも見えないじゃないか。それともこれは刀なのか? 12本ある変体刀の中でも最も防御力に主眼をおいた刀なのか? 一応、アージェンタムというのはカーンが作り上げたミラディン以前の次元の名前(それをメムナークが作り替えてミラディンになった)らしいのだが……世界を改変する能力でも隠し持ってるのかしらね。やっぱりプレインズウォーカーって奴らはえげつないな。 Auriok Replica オーリオックの模造品 (3) C アーティファクトクリーチャー・クレリック 2/2 (W)、〜を生け贄に捧げる:このターン、あなたが選んだ1つの発生源の与えるダメージを全て軽減する。 ミラディンでも存在していた「模造品」サイクル。今回もこれらは5色分登場しており、各々「そこそこのステータスに、サクって起動するとその色の代表的な呪文の効果」という仕様はそのままである。ただ、前回はクリーチャータイプが種族名だけだったので何となく分かったのだが、今回は職業名だけなのでなんか不思議な感じ。で、その白版だが、3マナ2/2の普通ボディに、内蔵するのは「不死身(TMP)」。先輩である「兵士の模造品(MRD)」が攻撃寄りの能力だったので、この改変はやや微妙である。これでクリーチャーなども対象に取れる広範囲軽減ならばそこそこ評価も出来ようが、あくまで防げるのはプレイヤーだけである。いくら毒があって1点のダメージでも怖い環境とはいえ、わざわざ守る為の専門のカードを雇うくらいなら、白はもう少しスピーディーに攻めを展開出来るはずだ。残念ながら、サイクル中ではややハズレの部類に入ってしまうカードである。 Barbed Battlegear 逆刺の戦具 (3) U アーティファクト・装備品 装備されたクリーチャーは、+4/−1の修正を受ける。 装備・(2) パワーにプラス、タフネスにマイナスの装備品というと、どうしても過去の悪夢が蘇ってきますが……これはそんなきな臭い要素などなく、単に安価でパワーをあげたいがために多少のデメリットを内包したシンプルな増強装備である。設置コストと装備コストはそれなりのもので、この価格でパワー修正が4というのはかなりのもの。感染持ちは言わずもがなであるし、そうでないクリーチャーでも、フライヤーなどの回避能力つきの手に渡れば確実に人が死ぬレベルであろう。リミテッドでは命運を分ける1枚。 Bladed Pinions 刃の翼 (2) C アーティファクト・装備品 装備されたクリーチャーは、飛行と先制攻撃を持つ。 装備・(2) うーん、その日本語名は違うだろう。我々の業界で「刃の翼」というのなら、付与される能力は飛行と速攻であるべきだ。確かに調べてみたら「pinion」は羽の意味らしいが、もう少し考えて名前を付けるべきだったな。さておき、過去にも数枚登場している空を飛ぶ装備品。その草分けは「ニューロックの滑空翼(MRD)」で、つい最近、ちょっとボーナスがついた「帆凧」が登場している。この装備品は「帆凧」と同じコストだが、添付されたボーナスがパワーの修正から先制攻撃へと変更されたもの。パワー増強と先制でどちらがいいかは一長一短であるが、感染絡みの確実性を考えるならば先制攻撃が便利。フライヤーは大してパワーのでかいクリーチャーはいないだろうから、先制、飛行、感染と三拍子揃ったクリーチャーを討ち取るのは非常に困難だからだ。コモンで取りやすいカードなので、緑を使うなら相手の飛行クリーチャー予防、感染を使うなら突破口を手軽に開くパーツとして使っていきたい。緑の感染デッキなら言わずもがなである。 Chimeric Mass キマイラ的大群 (X) R アーティファクト 〜は蓄積カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。 (1):ターン終了時まで、〜は「このクリーチャーのパワーとタフネスは、この上に置かれた蓄積カウンターの数に等しい」を持つ構築物・アーティファクト・クリーチャーとなる。 時たま見かける、キマイラの名を冠したクリーチャー化アーティファクトの最新版。この部門での成功作品と言えばなんと言っても「キマイラ像(PCY)」だろうが、実はそれ以外特に活躍していないというのが本当のところ。他にも「キマイラ卵(DKS)」「キマイラ杖(10ED)」そして「キマイラ・コイル(5DN)」なんかがあるのだが、これら全ての能力を覚えている人は流石にいないだろう。で、そんな微妙なキマイラ軍団に新作が登場したわけだが、今回は久し振りのレア認定。基本的には設置時にサイズが決まるので緑のハイドラに近いデザインになっており、この手のカードの最大の売りである「ソーサリー除去が回避出来る」点は純粋にプラス。起動にも最低限のコストしかかからないので、もし「安全性の高いハイドラ」がほしいならばそこそこの性能だろう。ただ、「ハイドラがほしい!」っていう状況が一切思い浮かばないのが最大の難点である。一応あとからでもカウンターを上乗せして増強出来るっていううま味はあるが……リミテッドの雄が限度だろうなぁ。ちなみに、こいつにのっているのはあくまで蓄積カウンターなので、−1/−1カウンターとの対消滅がなく、感染絡みだと処理が面倒。 Chrome Steed 金属の駿馬 (4) C アーティファクトクリーチャー・馬 2/2 金属術-〜は+2/+2の修正を受ける。 コモン枠のフツーの金属術クリーチャー。緑なら同じのが2マナで手に入る気もするのだが、色が無いっていうのはそれだけで大事なのだから仕方ない。あと、なんでよりによってクリーチャータイプが馬になっちゃったのかもよく分からないけど仕方ない。数あわせにどうぞ。馬鹿にしちゃいるが、4マナ4/4なら充分強いんだよな。 Heavy Arbalest 大石弓 (3) U アーティファクト・装備品 装備されたクリーチャーは、そのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。 装備されたクリーチャーは、「(T):このクリーチャーは対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に2点のダメージを与える」を持つ。 装備・(4) 製作チームがが毎回神経を使う、直接ダメージ能力を持つ装備品。その草分けは「ヴィリジアンの長弓(MRD)」。地味な効果だから装備コストは抑えめだったのだが、6マナとクリーチャー3体があれば3点までのダメージが生み出せたので、リミテッドではなかなかの強さを発揮した。あまりこういうカードが暴れ回っては面白くないと、その後ダメージ型の装備品は「手裏剣(BOK)」「棘噛みの杖(MOR)」そして名品「刃のブーメラン」と、連射出来ないように性能を調整され続けてきたのである。今回もその例に漏れず、一度装備してしまうとあまりの重さにクリーチャーは起き上がることが出来ない。この時点で「色んなクリーチャーに張り替えながら使っていく」という用法は確定しており、装備コストの4マナが重くのしかかるわけだ。憎らしい調整である。ただ、その分今回は一発のダメージが2点とでかい。8マナ揃ったら4点撃てるようになるし、確実にクリーチャーを狙撃できるなら毎ターン4マナで安いと感じることもあるだろう。直接クリーチャーが発生源になるので感染持ちとシナジーを形成するのも見逃せないところ。青はアンタップしてくれる「空への跳躍」なんてぴったりのカードもあるので、覚えておくとリミテッドでは大活躍するかもしれない。 Horizon Spellbomb 地平線の呪文爆弾 (1) C アーティファクト (2)(T)、〜を生け贄に捧げる:あなたのライブラリから基本土地カードを1枚探し、それを公開して手札に加える。その後、あなたのライブラリを切り直す。 〜が戦場から墓地に置かれたとき、あなたは(G)を支払っても良い。そうしたなら、カードを1枚引く。 緑の呪文爆弾は「地勢(APC)」。設置から起動まで合計3マナもかかるので「森のレインジャー」のような同型カードと比べても重たく感じてしまうが、合計4マナでキャントリップになるオプションを考えれば致し方ないところか。また、緑を使わずに他の色からも土地サーチが出来るというのはこのカードだけの特典であり、緑抜きの多色構成になった時にも欠かすことは出来ない。というか、今回は何と緑にも土地サーチスペルが1枚もない(レアの「起源の波」は考えないとしてね)ので、とにかく多色にしたかったらここを訪ねるしかないのだ。そう考えると、呪文爆弾の中では最も重要な1枚と言えるかもしれない。緑のやつめ、基本セットで「耕作」なんて優秀なカードを出したせいで油断してやがる……もう「不屈の自然」も「貴族の教主」も落ちるんだぜ…… Ichorclaw Myr 胆液爪のマイア (2) C アーティファクトクリーチャー・マイア 1/1 感染 〜がブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。 「凶暴象(ODY)」など、緑の獣が多く所持していたブロックによる奮起機能を搭載したマイア。2マナで1/1、ブロックされても3/3程度ならそこまで迫力もないはずなのだが、これが感染だから面倒臭い。「1点だけならスルーで」とも言いにくいし、ブロックすれば3点分の−1/−1カウンターが待ち構えているので、勝てる戦闘だとしても出来るだけブロックしたくない。きっちりタフネスがあがるから適当なブロッカーでお茶を濁すのも困難。誰でも使えるコモンにしては結構なやり手である。ま、能力誘発はブロック「された」ときだけなので、劣勢時にはあまり使えないのは難点ですけどね。ちなみに一番いい対処法は、こっちも感染してやること。一時的にタフネスがあがっても、カウンターの形なら確実に殺せるからね。 Infiltration Lens 浸透のレンズ (1) U アーティファクト・装備品 装備されたクリーチャーがクリーチャー1体にブロックされるたび、あなたはカードを2枚引いても良い。 装備・(1) 随分きな臭いことが書いてあるとんでもない装備品。その名前とそのビジュアルでこの効果はおかしいだろう。カードが2枚引ける軽量装備品っていうだけで我々はナーバスになるというのに……ね。あげくフレーバーテキストまで我々を挑発しているように見える。そりゃ、ガンガンドローすれば戦闘ごときじゃひっくり返らないだろうさ。さておき、テキストがややこしいのだが、これはクリーチャー1体ごとに誘発する書式になっているので、複数ブロックをされると4枚6枚と手札が膨れあがることになる。でかいクリーチャーに張って殴れば、相手はそれだけで絶対的なジレンマに悩まされることになるはずだ。一応相手に選択権がある時点で確定ドローや確定アンブロッカブルよりは弱いといえるのだが、そのせいでここまでひどい能力に仕上がったのだから、やっぱり強いと言って問題無いだろう。リミテッドで使えばその恐ろしさは実感出来るはず。だた、あくまでブロックしてもらわないと意味がなく、一度劣勢に立たされるとクソの役にも立たない。幸いコストは馬鹿みたいに軽いので、相手に考える隙を与えないスピーディーなデッキで嫌がらせとして使っていきたい。 Kuldotha Forgemaster カルドーサの火事場主 (5) R アーティファクトクリーチャー・構築物 3/5 (T)、アーティファクトを3つ生け贄に捧げる:あなたのライブラリからアーティファクト・カードを1枚探し、それを戦場に出す。その後、あなたのライブラリを切り直す。 あの「ティンカーブルー」を支えた必殺カード「修繕(ULG)」を大人しくしたような能力を持つレア。5マナ3/5はなかなかのステータスだし、能力は当然きな臭い。もちろん、本家「修繕」とは異なり、アドバンテージ損失量は増えている。3対1の交換なんて、極力願い下げたい現象だ。ただ、この世界には「潰すのに丁度良い」アーティファクトなんていくらでもいる。1ターン目にプレイした「メムナイト」はすぐに必要無くなるだろうし、マナマイアだって、中盤以降は用済みになるかもしれない。全体除去が飛んできたせいで自軍のアーティファクトクリーチャーが守れなくなることもあるだろう。そんなときに、これ。デッキの一番強いアーティファクト(そしてそれはえてして一番重いアーティファクト)をコスト無しでそのまま場に出せてしまう可能性は単純に怖い。今回そこまでばかげたコストのアーティファクトは登場しなかったのでこのセット単体での大爆発はないと思うが、今後の展開や下の環境では注意が必要だろう。 Liquimetal Coating 液鋼の塗膜 (2) U アーティファクト (T):対象のパーマネント1つは、ターン終了時まで本来のタイプに加えてアーティファクトでもある。 何でもかんでもアーティファクト。やろうと思えば我々が望みつつも恐れていたアーティアファクト土地を作ることだって朝飯前。何か液体金属で塗装するカードみたいだが、山とか平地まで塗装できるってんだから凄まじい装置に違いない。で、問題はパーマネントをアーティファクトにすると何が楽しいのか、という部分だ。使い方は大きく分けて2つ。1つは最も分かりやすくて「アーティファクトを利用するカードの使用範囲拡大」。具体的には金属術がものすごく達成しやすくなるし、アーティファクトをサクるコストのカードに対して落とし子トークンで誤魔化すなんてこともできる。相手が色の合わない威嚇持ちで殴ってきた時にブロッカーを作るなんて渋い仕事もあるだろう。他方、アーティファクトにして困らせる、という使い方も出来る。具体的には自分が赤で大量の「粉砕」を抱えていたり、緑を使っていてプロテクションを持つ「テル=ジラードの堕ちたる者」で殴りたい場合など。今回は破壊やタップなどがアーティファクトに及ぶカードが多いので、これを利用して手軽な土地破壊などを実現することも出来るかもしれない。とにかく、色々と使い道はあるだろうが、これ1枚で何かをするということは決して無いカード。あなたは何に使いますか? Livewire Lash 活線の鞭 (2) R アーティファクト・装備品 装備されたクリーチャーは+2/+0の修正を受けるとともに「このクリーチャーが呪文の対象になるたび、このクリーチャーは対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に2点のダメージを与える」を持つ。 装備・(2) レア装備品なのに、設置も装備も2コストとかなりお安くなっている不穏なカード。だが、その性質はなにやら小難しいものになっている。装備するだけだと、なんと割高な「骨断ちの矛槍」でしかない。今回は更に上位の「ダークスティールの斧」も登場しているわけで、普通に装備する分にはレアリティなど全く感じさせない。しかし、パワーが2もあがったクリーチャーというのは相手からするとちょっと邪魔だ。戦闘で討ち取れる場合はいいのだが、ひょっとしたらこれを掴んでいるのが空を舞う「きらめく鷹」かもしれないし、ブロッカーの目を盗む「ニューロックの透術士」かもしれない。となると、早急に火力をたたき込まなきゃいけない。遠距離から火力を浴びせる場合、相手が握っているのが斧なら全然怖くないが、これは鞭なのでめっちゃ延びる。突如腹いせにこちらを狙撃してくるかもしれない。なに、そのあり得ない遠距離攻撃。また、呪文を使うのはコントローラーでも、そのレスポンスはガンガン敵に飛んでいく。「空への跳躍」で飛行を得て、カードを引いてパワーが高いフライヤーが出来たあげく2点、「荒々しき力」でものすごいおっきくなったついでに2点、「突撃のストロボ」で二段攻撃を得たと同時に2点。何それ。結構ひどい。
Kemba,Kha Regent (1)(W)(W) R
伝説のクリーチャー・猫、クレリック 2/4 あなたのアップキープの開始時に、〜が装備している装備品1つにつき、2/2で白の猫・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。 「金色の若人、ラクシャ(5DN)」が自分の次元に帰ってしまったため、その後を任された新たなレオニンの統率者。ただ、彼女はメスなのでラクシャのようなたてがみがなく、イラストを見ると妙な飾り物でその威厳を保持しようとしている。かなりの巨乳だけど特に萌えない。不思議! さておき、そんな新たなリーダーの能力は、仲間を引き寄せる人海戦術。何故かレオニンに共通する装備品大好き属性のせいで無駄に準備に手間がかかるのだが、1つでも装備出来れば「野生の狩りの達人」に近いスペックになるわけで、レアとしてはそれなりの存在感。ステータスも3マナ2/4と無駄に固いので、1体2体のトークンを出すくらいのチャンスはあるだろう。ま、そのためにわざわざ彼女を雇うかは別な話ですけどね。装備品ビートは来ない予感がするんだが、「石鍛冶の神秘家」はどれくらい頑張ってくれるだろうか。
Artful Dodge 巧みな回避 (U) C
ソーサリー 対象のクリーチャー1体は、このターンブロックされない。 フラッシュバック・(U) もう、効果とかそれ以前にイラストの愉快さが際立つカード。ひょーん、って感じで、どこ辺が巧みなのか小一時間問い詰めたいけど、きっと巧みなジャンプなんだろう。まさにアートフル。効果としては、当時の環境で一撃死を呼ぶために人気だった「ひずみの一撃(ROE)」に近い。手軽に2回使える突撃兵器は、様々なギミックを生みだして人の命を奪いにいける。軽めのデッキで最後の一押しに使うのも良いし、ブロッカーが鬱陶しく感じる狼男デッキなら7/7を突っ込ませるのに使える。吸血鬼と組めば「血に狂った新生子」なんかが1つ目のカウンターを得るのに使えるだろう。青単色でも、「好奇心」と組み合わせてアドバンテージ、なんて小技も狙えるかもしれない。つまり、どんな色と組み合わせても大体無駄にはならないってことだ。今後は注意しなきゃいけないスペルだか、注意しても仕方ない部分があるのが困りもの。ひょーん。 Beguiler of Wills 意志の詐欺師 (3)(U)(U) M クリーチャー・人間、ウィザード 1/1 (T):対象の、あなたがコントロールするクリーチャーの数以下のパワーを持つクリーチャー1体のコントロールを得る。 青の神話は、意外にも人間のウィザードに登場した。5マナ1/1という絶対的虚弱体質の持ち主だが、その脆さは能力の危険さ故。なんと、タップ一つでクリーチャーのコントロールを永続的に獲得してしまうという。過去にここまで強力な拘束力を持つクリーチャーはほとんどいなかったはずだ(強いていうなら「メリーキ・リ・ベリット(TSB)」あたりか)。もちろん、うまい話には更に条件があり、パクれるクリーチャーは、自軍で脅しをかけにいって膝を折るくらいに弱い奴でなければならない。こちらの軍勢は数に物をいわせて恐喝し、相手を籠絡するのだ。つまり、このクリーチャーをきちんと使おうとすると、青でコントロールのくせにそれなりにクリーチャーの数が多くて、なおかつこの虚弱体質のねーちゃんを守れるデッキでなければならないわけだ。なるほど、なかなか悩ましい。正直、そこまで必須のカードには見えないのだが、トークン系の青白ならばかなりの影響力を持つし、単体で登場してもスピリットトークンのコントロールくらいは奪えるだろう。確実に対処しなければいけないのだから、危険なことは危険だと思われる。 Bone to Ash 骨を灰に (2)(U)(U) C インスタント 対象のクリーチャー呪文1つを打ち消す。 カードを1枚引く。 最初に見た時は「放逐(TMP)」の名称変更再録カードだと思ってしまった。おかげで「ようやくコモンに使い甲斐のあるカウンターが出たか」と浮かれてみたのであるが、知り合いから「いや、あれクリーチャー限定」と指摘されてショボンもショボン。なんだ、ってことは「除外(INV)」の完全下位互換やんけ。いや、「除外」は強かったんだから、それの下位互換と言われても使えることは使えるんだけどさ。でもこのがっかり感は、一度浮かれてしまったばかりにダメージがでかいのです。こういう時の魔法の言葉として、「大丈夫、上手くいけば効率は「謎めいた命令(LRW)」なみ」というと少しは気が晴れる……こともないなぁ。 Call to the Kindred 同族の呼び声 (3)(U) R エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) あなたのアップキープの開始時に、自分のライブラリを上から5枚見ても良い。そうしたなら、それらの中からエンチャントされたクリーチャーと共通のクリーチャー・タイプを持つクリーチャー・カードを1枚戦場に出しても良い。その後、残りのカードをあなたのライブラリの一番下に好きな順番で置く。 準備に多少の手間はかかるが、上手いことやれば毎ターンコスト無しでクリーチャーが増やせるうちでの小づちみたいなオーラ。4ターン目に「甲冑のスカーブ」に張ると、そこから「その場しのぎのやっかい者」や「縫い合わせのドレイク」がモリモリ湧いてくるかもしれないのだ。そりゃなかなか。また、珍しいケースだが、ミラーマッチ気味ならば相手クリーチャーに張ることで除去耐性を上げるという使い方も出来る。相手の「アヴァシン教の僧侶」に張っておくと、人間クリーチャーが出し放題になるのだ。リミテッドならなかなか面白い嫌がらせじゃなかろうか。構築の場合には何か綺麗な種族デッキを組む時に可能性を検討すればいいわけだが、オーラなので以下略。呪禁持ちのトラフトさんに張ると、2体目3体目のトラフトさんが……共倒れ。 Chant of the Skifsang スキフサングの詠唱 (2)(U) C エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) エンチャントされたクリーチャーは、−13/−0の修正を受ける。 イニストラード名物、「忌み数」13シリーズの最新作。青は13/13のトカゲを生みだし、黒は13体のゾンビを生み、赤は2種類のカードで13点のダメージをたたき込む。緑にはタフネス13の大木までそびえている。そんな、世界中のプレイヤーが「いや、そこにこだわられても」と思っているギミックが、更に広がりを見せた! なんと−13修正だ! ……でっていう。確かに、これを使えば「ルーデヴィックの嫌悪者」すら止めることが出来るようになるわけだが、それって別に「閉所恐怖症」で良かったわけで。このカードは、多少色拘束をゆるくして受けを広げた代わりに、ブロッカーやシステムクリーチャーを排除出来なくなっただけの「閉所恐怖症」の下位互換カードでしかないんだ。……でもまぁ、リミテッドなら充分使えるよね。「感覚の剥奪」から2マナ増えただけで修正値が10も増えたと考えれば、恐ろしいスペックと言えなくもないな。瞬間的に−7するだけの「認識不能(M10)」がなぜ4マナもかかったやらな。 Chill of Foreboding 預言の寒気 (2)(U) U ソーサリー 各プレイヤーは、自分のライブラリを上から5枚墓地に置く。 フラッシュバック・(7)(U) 効果を3倍にした「夢のよじれ」だが、ソーサリーになり、コストは3倍、フラッシュバックに至ってはコストが4倍。これで一箇所を3倍のパワーで削るならいいのだが、お互いのライブラリを5枚削るってんじゃ、どっちが目的か分からないので色々無駄な感じ。「フラッシュバックなどを求めて自分のライブラリも削りたいけど、最終的に相手のライブラリを削って勝つデッキ」って……いや、俺はたまに組むけどさ。あんまりメジャーじゃないよね……一応1枚でライブラリ10枚アタック出来るので、決戦兵器と言えないこともない。でもなぁ、8マナじゃなぁ。 Counterlash 対抗激 (4)(U)(U) R インスタント 対象の呪文1つを打ち消す。あなたは、その呪文と共通のタイプを持つ土地でないカード1枚を、マナコストを支払うことなく唱えても良い。 たまに出てくる、超絶重たいボーナスカウンター呪文。基本的にこのジャンルにヒット作は存在していないが、記憶に残るところでは「呪文乗っ取り(JDG)」やら「抗い難い知力(SOK)」なんかがあった。このスペルはその最新作で、カウンターすると同時に、その尻馬にのって自分のスペルを唱えることが出来るようになる。クリーチャーを打ち消すと同時に「霜のタイタン」が舞い降りたり、「ルーン唱えの長槍」を打ち消してこちらの「戦争と平和の剣」を着地させたり、結果だけを見れば確かにひどいのである。「カウンターを構えているせいで他のスペルが使えない」というパーミッションの悩みを、意外な方向から解決してくれる。また、コスト踏み倒しスペルとしての側面もあり、これでクリーチャーを打ち消せば「エムラクール」を「手札から」「唱える」ことが可能になる。デッキ次第では6マナで勝てるカードといえるわけだ。まぁ、結局6マナなんですよね。リミテッドならばちょっとしたサプライズに。構築では一発狙いのネタデッキが出てくるかどうか。「精神の願望(SCG)」だって6マナで天下を取ったんだから、やってやれないことはない! やらずに出来たら超ラッキー! Curse of Echoes こだまの呪い (4)(U) R エンチャント・オーラ、呪い エンチャント(プレイヤー) エンチャントされたプレイヤーがインスタントかソーサリー・呪文を唱えるたび、他の各プレイヤーはその呪文をコピーし、各自のコピーについて、新しい対象を選んでも良い。 トイズを発動したコーデリアさんのものまねっぽいイラストのカード。いや、嘘だけどさ。呪いの形をとって1人だけ「集団意識(M10)」するカードだ。「集団意識」は、登場時にネタ要素が半端無いと思ってたら、まさかと思わせるびっくりアイディアで構築環境にまでのし上がった爆弾カード。そういう意味ではこのカードだって何が起こるか分からないのだが、むしろ1人を選ぶ形になったおかげで、「お前のスペルは俺がもらい受ける」という、割とフツーの使い方が出来てしまいそうなのが残念無念。これを張られたプレイヤーは事実上カウンターが撃てなくなったり、増強系のコンバットトリックが意味をなさなくなったりするので、リミテッドレベルだとささやかな嫌がらせになるだろうが、そのために5マナもかけて置物を張るかと言われると、流石にしんどい気もする。何かコンボデッキの登場を待つしかないか。 Divination 予言 (2)(U) C (M12などから再録) ソーサリー カードを2枚引く。 「帰化」「投げ飛ばし」と並ぶ、3大イニストラードサボりカードの1枚。だからさ、現行セットからの再録はやめようよ。ドローソーサリーなんて一番いじりやすい部門なんだから、何とかアイディア出せよ。引いた後ライブラリ削るでも、何でもいいじゃん。ンモー。 Dungeon Geists 地下牢の霊 (2)(U)(U) R クリーチャー・スピリット 3/3 飛行 〜が戦場に出たとき、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャー1体をタップする。あなたが〜をコントロールしている限り、そのクリーチャーは、そのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。 4マナ3/3フライヤーの時点でリミテッド条件は色々クリアしちゃってるレア。それに加えて、名前に冠された通りの囚人収監能力を保持しており、こいつが見張りについている限り、クリーチャー1体は簀巻きにされて起き上がることもままならない。ま、効果だけを見れば「悪鬼の狩人」と似たようなもんだけど、たとえば187クリーチャーを相手取った時なんかはこっちの方が強かったりするし、相手にアンタップ手段があればこちらの方がちょっと弱い。ま、とにかくアドバンテージが狙える上に素のステータスが素敵なクリーチャーなんだから強いに決まってるんだけど、レアとしてこの地味さはどうやねん、という気もする。ホントにデフレが進行してるってことなのかな。こう言うのを見て訳知り顔の人間は「プロフェシーの再来」と叫ぶわけだが、はっきり言ってプロフェシーはこんなもんじゃないぞ。「隠されし海蛇(PCY)」とか、マジでちびるレベル。 Geralf’s Mindcrusher ゲラルフの精神壊し (4)(U)(U) R クリーチャー・ゾンビ、ホラー 5/5 不死 〜が戦場に出たとき、対象のプレイヤー1人は自分のライブラリを上から5枚墓地に置く。 こちらもレアらしい突飛な能力のない地味なクリーチャーだが、流石に素のステータスが格好良すぎるので良しとする。5/5の不死持ちって、相手にしたら一体どうやって対処したらいいやら。ついでに場に出たときに2回、合計10枚のライブラリを削りにいく小手先芸も有しており、「お前は殴って勝ちたいのか、それともライブラリを削りたいのかどっちだ」と問い詰めたいところだが、あんまり聞く耳持たないようだ。この環境じゃ、中途半端に相手のライブラリ削ると塩を送る結果になるからなぁ。かといって6マナのタイミングで自分のライブラリ削ってもなぁ。いや、強いからいいんですけどね。 Griptide 捕海 (3)(U) C インスタント 対象のクリーチャー1体を、そのオーナーのライブラリの一番上に置く。 謎の日本語「捕海」。ルビは「ほかい」である。tideなんだからせめて「捕らえる波」とか「捕らえる潮流」とかで良かったような気もするのだが、この名前だと「死海」とか「黒海」と並んで海の名称になっちゃうよな。いや、死海も海じゃねぇけどさ。そして、そんな謎のホカイの能力はというと、「追い返し(ODY)」の同型再版である。ま、リミテッドにおける「追い返し」は強力無比だったし、これがコモンで手に入ると青はこのスペルからのライブラリ削りという疑似除去が狙いやすくなるので万々歳なのだが、やっぱりホカイが気になる。別に「追い返し」っていう名前で世界観に反してるわけじゃないんだから、同名再録で何かまずかったのだろうか。 Havengul Runebinder ヘイヴングルのルーン縛り (2)(U)(U) R クリーチャー・人間、ウィザード 2/2 (2)(U)(T)、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを1枚追放する:2/2で黒の、ゾンビ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。その後、あなたのコントロールする各ゾンビクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。 賑やかにゾンビをもり立ててくれる、青の申し子のような研究者。起動コストはそれなりにかかるものの、墓地の産廃を利用してトークンを生み出す手腕はなかなかのもの。毎度お馴染み2/2ではなくて実質3/3のゾンビが出せるというのは強いし、何の因果か周りのゾンビまで強くなるロード的なシステムもありがたい。リミテッドなら1引きから狙い定めてゾンビまっしぐらをやってみたいカードではある。構築の場合、現在仕事が割とかぶり気味の「墓地を刈り取るもの」がおり、どうしても即時効果が強い「刈り取るもの」先輩の方に手が伸びがち。不死ゾンビがいた場合に自らアンシナジーしちゃうのもどうかと思うしなぁ。リミテッド人生かね。 Headless Skaab 首無しスカーブ (2)(U) C クリーチャー・ゾンビ 3/6 〜を唱えるための追加コストとして、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを1枚追放する。 〜はタップ状態で戦場に出る。 「その場しのぎのやっかい者」の変形版。パワーは落ちてしまったがコストが軽くなり、タフネスがちょっとアップ。死ににくさは段違いであり、「やっかい者」と「要塞ガニ」の合いの子みたいな活躍が期待出来る。青が3マナでタフネス6やらパワー3やらを軽々とプレイしてくるっていうのは本当におかしな世界である。ただまぁ、2ターン目までに墓地に死体を用意するのは結構骨なので、実際は1マナのコスト差はそこまでのメリットじゃない。そう考えると、パワーが上の「やっかい者」の方が総体は強いのかしらね。 Increasing Confusion 高まる混乱 (X)(U) R ソーサリー 対象のプレイヤー1人は、自分のライブラリを上からX枚墓地に置く。〜が墓地から唱えられたなら、そのプレイヤーは、代わりにXの2倍の枚数を墓地に置く。 フラッシュバック・(X)(U) 「高まる」サイクルの青にして、ミルミル大好き、ライブラリ削ラーの人々のために提供された最新作。ライブラリへのX火力といえば最強は「天才のひらめき(USG)」ってことになるだろうが、このスペルの場合には一切付加効果を付けず、とにかくライブラリを削る枚数を特盛りにすることで採用の機会を狙う。X火力なので使われるのは試合の中盤以降。仮に6マナある状態で往復させることが出来れば、5×3でなんと15枚も削れる。こいつぁなかなかの枚数だ。ミルデッキはこの速攻フィーバーな環境ではどうしても勝ちきれない部分もあるのだが、墓地に落とすことで勢いを増すことが出来るので、「グール呼びの鈴」あたりとの相性がいいのは悪くない。新たな時代の発掘装置としても使えなく無いだろうし、なんとか居場所をを見付けることが出来れば、ミルスキーとしてこんなに嬉しいことはない。当然、開けたパックから出てきたら、僕は行くね。 Mystic Retrieval 神秘の回復 (3)(U) U ソーサリー 対象の、あなたの墓地にあるインスタントかソーサリー・カード1枚を手札に戻す。 フラッシュバック・(2)(R) フラッシュバックつきの「思い起こし(M11)」。「思い起こし」は当時大人気だった赤昇天デッキでしばしば採用された実績を持つ渋いカードだが、このカードはそこに1マナ加え、フラッシュバックでアドバンテージを狙ってきた。墓地回収カードであり、アドバンテージカードなので、書いてあることはかなり強い。リミテッドでもそれなりにニーズがありそうだし、フラッシュバックコストがやたら軽いので、発掘系のギミック、フラッシュバックギミックとの組み合わせも良好である。行きのコストが4マナというのは多少気にならないでもないが、現在は「秘密を掘り下げる者」「ルーン唱えの長槍」に代表されるように、クリーチャービート全盛の影でしっかりとコントロールが結果を残すことが出来ているのだ。今後注目に値する1枚だと思われる。
Black Cat 黒猫 (1)(B) C
クリーチャー・ゾンビ、猫 1/1 〜が死亡したとき、対象の対戦相手は手札を無作為に捨てる。 現在「To LOVEる」シリーズで神と崇められている矢吹先生の出世作。「BLACK CAT」の時には本当に適当でアホな漫画を描く作家だと思っていたのに、作画方面で突出させてエロに開眼してからは、本当に迷いが無くて活き活きした仕事をしてらっしゃる。やっぱり適材適所ってあるものなんですね。さておき、白の「聖所の猫」に続く純正猫クリーチャーである。こちらも、イラストは充分愛らしさがあり、白い方よりも毛皮のもふもふ具合が強調され、より一緒に寝たいクリーチャーに仕上がっている。ただ、残念なことにこの子、ゾンビらしい。死んじゃった黒猫が人間の記憶(手札)を苦しめるっていうのは、まんまポーの「黒猫」モチーフということなのだろう。そうかー、これだけもふもふでもゾンビなのかー。俺は構わないけどなー。とにかく、出して死ねばアドバンテージのナイスクリーチャー。「脳ゾウムシ」と違って自発的に死ねないのは悩みどころだが、ハンデスと「グール起こし」なんかのコンビネーションでグルグルと手札を捨てさせるギミックなんかも可能である。陰鬱エンジンには組み込んでおきたいカードですね。にゃーん。 Chosen of Markov マルコフに選ばれし者 (2)(B) C クリーチャー・人間 2/2 (T)、あなたがコントロールするアンタップ状態の吸血鬼1体をタップする:〜を変身させる。 ↓ Markov’s Servant マルコフの召使い クリーチャー・吸血鬼 4/4 ものすげぇバックグラウンドの分かりやすいクリーチャー。名門吸血鬼一族に選ばれて出頭してきた夢見がちなおねーちゃんは、そこらの吸血鬼にガブリとやられることで自身も吸血鬼として目覚めるのである。ちなみに「マルコフ」っていうのは単に家の名前なので、ソリンさんのお手つきになったわけではないですよ。素の状態でも3マナ2/2だから最低限だが、そのまますぐにガブリしてもらえば、デメリット無しで3マナ4/4(1ターンタップするので結局時間はかかるが)。そりゃまぁ、「俺は人間をやめるぞー!!」と言いたくなるのも道理であろう。当のおねーさんも変身後の方が清々しい顔をしているし、なかなかのナイスバディを惜しげもなく披露してくれているので、いっそこのままイニストラードは吸血鬼だけになっちゃえばいいんじゃないかって気もする。ちなみに、吸血鬼と合わせて使うことが条件のように見えるが、素の状態であっても、「黒に貴重なコモンの人間クリーチャー」という立派な役割がある。人間を失ってもいいかどうかは、なかなか難しい判断を迫られるところだぞ。 Curse of Misfortunes 不幸の呪い (4)(B) R エンチャント・オーラ、呪い エンチャント(プレイヤー) あなたのアップキープの開始時に、あなたはエンチャントされたプレイヤーに付けられているどの呪いとも同じ名前を持たない呪い・カードを1枚、あなたのライブラリから探しても良い。そうしたなら、それをそのプレイヤーに付けられた状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリを切り直す。 不幸の呪いって、エラい嫌な名詞を重ねてきたもんだな……今回までで登場した呪いの親玉的存在であり、1枚張るとそこから2枚3枚と呪いの輪が広がっていく。呪いカードのほとんどが単体で重たいカードなので、重複禁止とはいえノーコストで呪いが増えていくのはなかなか面白い。ただ、結局今回のセットにおいても、大して魅力的な呪いは登場しなかった。一応「渇きの呪い」や「流血の呪い」を使えば呪いだけでゲームに勝つことが出来なくもないが、その他の呪いの目的意識が散漫すぎて、とても1つのデッキにまとまるとは思えない。なんでこんな可哀想なメカニズムをわざわざ大上段に構えて導入しちゃったんだろうね。 Curse of Thirst 渇きの呪い (4)(B) U エンチャント・オーラ、呪い エンチャント(プレイヤー) エンチャントされたプレイヤーのアップキープの開始時に、〜はそのプレイヤーに、付けられた呪いの枚数と同じ値のダメージを与える。 一応名前つきのシステムで、この世界のオリジナルギミックのはずなのに全くもって注目されないシステム、呪い。今回はそんな呪いをとにかく見てもらおうということで、呪いの枚数分だけ勢いを増す呪いが登場した。2ターン目から延々「貫かれた心臓の呪い」を貼り続ければ、コレ1枚で4点のライフをもぎ取ることが出来るようになる。……でも、そんなに呪いが入ったデッキって、見たことないよね。一番使われる呪いって、多分ミルデッキの「血まみれの書」だもの。ライフ削っても仕方ない。もし赤黒で「貫かれた心臓の呪い」がメインに食い込むようなら可能性も無くはないが、狙ってうまくいく戦術には見えませんな。 Deadly Allure 命取りの魅惑 (B) U ソーサリー 対象のクリーチャー1体はターン終了時まで接死を得るとともに、このターン、可能ならばブロックされなければならない。 フラッシュバック・(G) 黒が手にした小粋な除去呪文。接死をつけた腹マイト状態のクリーチャーが、「ブロックしろ! ブロックしろ!」と叫びながら突っ込んでくるという、想像するとすげぇ嫌なシチュエーションのカードだ。イラストが妖艶な蛇ねーさんなのがせめてもの救いか。形はどうあれ除去であるから一定の仕事はしてくれる。おまけにフラッシュバックも持っており、使い方次第では1対2交換も可能。そう考えれば大したものだ。ただ、テキストが紛らわしいので誤解しやすいが、この能力はあくまで「ブロックされなければならない」である。「ゴブリンの火の悪鬼(RAV)」や「逃れ得ぬ粗暴者(SHM)」が持っていたアレだ。結局、どうでもいいトークンなんかを提供されると除去としては中途半端。ソーサリーなのでコンバットトリックとしても使いづらく、なかなか有効利用のタイミングは限られている。黒は基本的にクリーチャーの質では劣る色なので、相手に選択の余地がない状態で、「歩く死骸」あたりが「灰毛ののけ者」と相打ちとかなら上々だ。 Deeath’s Caress 死の愛撫 (3)(B)(B) C ソーサリー 対象のクリーチャー1体を破壊する。それが人間であったなら、あなたはそのタフネスに等しい値のライフを得る。 「霊魂切断(8ED)」の亜種。ライフゲインするために余計な条件が増えてしまったが、その分黒いクリーチャーも殺せるようになり、除去としての汎用性はかなり高くなっている。「夜の犠牲」しか無かったイニストラード期を乗り越えた人間であれば、やはりこのカードは引きたいだろう。5マナのソーサリーの割にはサービスがショボ過ぎるような気もするのだが、腐っても除去は除去、こればかり集めてにっちもさっちもいかない状態だけは勘弁願いたいが、1,2枚おさえて一息付けるようにしておきたいものだ。 Falkenrath Torturer ファルケンラスの拷問者 (2)(B) C クリーチャー・吸血鬼 2/1 クリーチャーを1体生け贄に捧げる:〜はターン終了時まで飛行を得る。生け贄に捧げたクリーチャーが人間である場合、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。 念願のコスト無しサクり装置が、ようやく黒にも現れた。2/1でサクらなきゃ空も飛べないというのは、実はミラディン環境で見向きもされなかった「ドロスバッタ」の能力だったりするのだが、あちらの世界の黒は半分が感染持ちであり、普通のダメージに価値がなかったのだから仕方ない。この世界ではサクり装置は値千金だし、いざというときはこいつが犠牲になって「モークラットのバンシー」の仕事が捗るならば文句は無いだろう。一応、好物の人間を食べると元気百倍になるオプションがついてたりするので、上手いこと緑や白と手を組めた場合には、リミテッドでもそれなりの主力を担える可能性もある。もしくは「裏切りの血」を擁する赤との吸血鬼デッキか。「自堕落な後継者」とのコンビに期待したいところだ。 Farbog Boneflinger 遠沼の骨投げ (4)(B) U クリーチャー・ゾンビ 2/2 〜が戦場に出たとき、対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで−2/−2の修正を受ける。 なんだか楽しそうに素振りしてるゾンビ。フレーバーも気さくだし、案外生前は磯野と野球でもやっていたのかもしれない。貴重な187の除去能力持ちなのでリミテッドならば出番はあると思うが、ステータスも修正値も「モークラットのバンシー」の半分と、やたら地味なのが不安要素。もう、このくらいのスペックだったらコモンでもいいような気がするのだが、何の因果でアンコモン認定されてしまったのだろうか。これがアンコなら「皮裂き」さんとか神話レアでも文句言われないレベル。 Fiend of the Shadows 影の悪鬼 (3)(B)(B) R クリーチャー・吸血鬼、ウィザード 3/3 飛行 〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは手札を1枚追放する。あなたは、そのカードが追放されている限り、そのカードをプレイしても良い。 人間を1体生け贄に捧げる:〜を再生する。 レアであり、レアとしての説得力もあるはずなのに、なんか地味な空気が漂う悩ましいクリーチャー。多分「カラスの群れ」にすらうち負ける5マナ3/3というステータスなのが問題なんだろうなぁ。再生出来るけど黒で人間を用意するのが面倒なのも、なんかしんどい点。もちろん、上手いこと殴れたら、相手が手札−1で、擬似的にこちらの手札が+1される(かもしれない)んだから、「嵐霊」よりも強いはずなんだけど。まぁ、吸血鬼というメジャー種族なのでちょいちょいサポート出来るカードがあるのはプラスだとは思う。前の環境でいうところの「吸血術士」みたいな立ち位置だろうかねぇ。 Geralf’s Messenger ゲラルフの伝書使 (B)(B)(B) R クリーチャー・ゾンビ 3/2 不死 〜はタップ状態で戦場に出る。 〜が戦場に出たとき、対象の対戦相手1人は2点のライフを失う。 黒のトリプルシンボルはいつの時代もネタ要素や爆弾要素を忘れない、夢のあるコスト。個人的には「恐ろしい残存者(LGN)」のどうしようもなさが印象に残ってますね。同じゾンビだし。ただし、このクリーチャーってば、コストに見合うだけの立派な仕事をしてくれちゃう生真面目さん。3マナ3/2で場に出た時点で2ライフもぎ取りならば充分な仕事だろうし、これに不死が絡むので、さらに4/3と2ライフ追加。律儀にタップ状態で帰ってくるのは残念ではあるが、合計4点を奪えるお仕事ならば、いくら黒のゾンビがお通夜状態とはいえ、使ってみたいという気分にさせてくれる。ゾンビならば「グール起こし」や「グール呼びの詠唱」も使って更なるグルグルミラクルも期待していいはずだしね。ちなみにこのクリーチャー、コスト面が面倒なことを除くと、あの「台所の嫌がらせ屋(SHM)」を綺麗に裏返した能力と見ることが出来る。開発チームはそのへんを狙って作ったみたいだね。 Gravecrawler 墓所這い (B) R クリーチャー・ゾンビ 2/1 〜はブロックできない。 あなたがゾンビをコントロールしている限り、あなたは〜を墓地から唱えても良い。 とにかくしつこく。それがゾンビのモットーさ。レアということで色々と大盤振る舞いされた危険な奴で、1マナ2/1というナイスパンチャーであることに加えて、そこそこの条件で何度も蘇ることが可能。この手の復活クリーチャーは「冥界のスピリット(MMQ)」や「イチョリッド(TOR)」など、構築で採用された実績も多く、こいつもそれなりに期待が持てそうだ。ただまぁ、現時点でゾンビフィーチャーのデッキはあまり無いのでね……リミテッドでも、ゆっくりしたゾンビのスタイルと、2/1ブロック不可という前のめりステータスがどの程度かみ合うか。……はっ、「燃え立つ復讐」とのコンビネーションつよくね?! Gravepurge 墓所粛正 (2)(B) C インスタント あなたの墓地にある好きな数のクリーチャー・カードを対象とし、それらをあなたのライブラリの一番上に置く。 カードを1枚引く。 「足の底の饗宴(LRW)」の名義変更再版。このカードの場合は流石に元の名前だとちょっと違和感があるので、イニストラードに合わせて名前を変えたのは構わないけど、「墓所粛正」って、なんか意味の分からない迫力があるよね。やってることは粛正でもなんでもないんだけど。この世界は、他のセットよりもはるかに「墓地にクリーチャーが溜まりやすい」世界。そのため、ガンガンライブラリからクリーチャーを削りだし、出てきたエッセンスだけを今一度装填出来るこの呪文は、色々と使い勝手のいいリソースマネジメントスペルといえる。インスタントでの墓地回収スペルというのは歴史的に見ても案外貴重なので、今後のリミテッドならばちょいちょい活躍出来るだろう。 Gruesome Discovery 陰惨な発見 (2)(B)(B) C ソーサリー 対象のプレイヤー1人は手札を2枚捨てる。 陰鬱 – 代わりに、そのプレイヤーは手札を公開する。あなたはその中からカードを2枚選び、そのプレイヤーは選ばれたカードを捨てる。 イニストラード世界では一切顧みられることが無かったジャンル、ハンデス。そりゃまぁ、黒に与えられたソーサリーが「夜の恐怖」1枚で、リミテッドでも「脳ゾウムシ」がちょこちょこ頑張っている程度なので、あまりスポットが当たらないのは当然だろう。そして、今回新たに追加されたハンデスも、残念ながら4マナという振るわないコストである。素の状態で使うと単に1マナ重たい「精神腐敗」だし、いくらアドバンテージカードとはいえ、とにかく軽いことが正義である環境ではなかなかそそられない。陰鬱が満たされれば選択ハンデス2枚という史上まれにみる強力さになるのだが、そこまで苦労しても、4ターン目に相手の手札が2枚しかない、とかいう事態も割とありそう。「闇の隆盛」が入ったことでリミテッドの速度が少しでも落ちれば、チャンスはあるくらいのスペックなんだけどねぇ。 Harrowing Journey 悲惨な旅 (4)(B) U ソーサリー 対象のプレイヤー1人は、カードを3枚引き、3点のライフを失う。 「野望の代償(8ED)」の範囲拡大版。「野望の代償」は純粋にスーサイドしながらのドローを目的としたスペルだったが、こちらはいざというときに相手にたたき込んでとどめを刺すという、「ファイレクシアの愛撫」と同じ使い方が出来るわけだ。ただ、3枚ドローという効果は非常に影響力が大きいので、どちらにどのタイミングで使うかは難しいところ。出来ることなら、これだけ重たいスペルを使うのだから、堪えられるコントロールによせてアドバンテージを狙いたいところだ。「ファイレクシアの愛撫」に慣れちゃった身だと、「あのときは10点で良かったのに!」というのが不満たらたら。 Highborn Ghoul 名門のグール (B)(B) C クリーチャー・ゾンビ 2/1 威嚇 なるほど名門か、と感じさせる気の効いたゾンビ。ダブルシンボルなのでデッキは選ぶが、なんと黒のコモンのくせに白の「幽体の乗り手」に迫るスペックを実現させたのだ。火力耐性は若干低いが、この世界で1点飛ぶ除去なんて「霊炎」くらいだと思い込んでしまえば、ブロックされない限りタフネス1も2も大差ない。これをしっかり集めれば、ゾンビデッキが「グール呼びの詠唱」などで低マナ域のゾンビを回収する目的意識も生まれるだろう。是非とも初手でゾンビ・ロードをおさえて、1パック目でこれを回収しきってからイニストラードに挑みたい。だって、イニストラードの黒ゾンビは……ねぇ。ちなみに、使いやすい種族になったことを除くと、大体「鼠の殺し屋(CHK)」クラスとも言える。そう考えると、相当優秀なこれは生き物ですよ(死んでるけど)。 Increasing Ambition 高まる野心 (4)(B) R ソーサリー あなたのライブラリからカードを1枚探し、それを手札に加える。〜が墓地から唱えられていたなら、代わりにライブラリから2枚のカードを探し、それらを手札に加える。その後、あなたのライブラリを切り直す。 フラッシュバック・(7)(B) 「高まる」サイクルの黒は、予想外にも「魔性の教示者(M12)」だった。おまけ要素がついたので1マナ重たくなるという設定は、同様にオプションを付けた「悪魔の談合(TSP)」なんかと同じ。この手のカードを使うデッキならばある程度のコントロール傾向にあるので、1マナの差はそこまで大きな差にはならない。このスペルは、ひたすら堪えれば更にフラッシュバックからアドバンテージを2枚狙いに行けるのがボーナスである。まぁ、8マナもかかるのは現実感が無いけど……泥仕合になるなら、ひょっとしたら使うタイミングもあるかもしれないし、これをメインで入れるならば「迷いし者の祭壇」あたりでフラッシュバックを加速させる手もあるだろう。ま、何にせよ現時点で「魔性の教示者」が入っているデッキは無いので、このカードも推して知るべし。 Mikaeus,the Unhallowed 不浄なる者、ミケウス (3)(B)(B)(B) M 伝説のクリーチャー・ゾンビ、クレリック 5/5 威嚇 いずれかの人間・クリーチャーがあなたにダメージをあたえるたび、それを破壊する。 他の人間でないクリーチャーは、それぞれ+1/+1の修正を受けるとともに不死を持つ。 Magic名物悪落ちイベント。それにしても、ミケウスさんたら悪落ちするのちょっと早過ぎやしません? 過去に黒くなった人物っていっても、例えばグリッサさんなら数年の時を必要としたし、アーテイだって堕落するまでには3,4年かかっている。こんなにマッハで黒くなったレジェンドなんて……あ、「汚らわしき者バルソー(JDG)」さんがおったか。ミケウスさんは、あのドワーフの爺さんと並んだ最短悪落ち記録保持者ということになる。神話のくせにね。 で、唯一アヴァシンが居なくなった事実を知っていてひた隠しにしていたミケウスさんが寝返ると、全力で人間に敵対してくる。黒でゾンビになったんだから、せめてゾンビだけに味方してりゃいいものを、何故か人間でなきゃなんでもいい。狼男だろうが吸血鬼だろうがセファリッドだろうがサラマンダーだろうが、とにかく人外と見るとエールを送り、鍛え上げたクレリックの秘術でもって不死を与える。不死って、キーワード能力の中でもかなり強い部類の必殺技。それをホイホイ与えていいもんじゃない。この時点でかなりヤバい。加えて、人間に殴られると「お前、制裁」の一言とともにぶっ壊しにくる。手の早さも天下一品。戦闘ダメージに限らないので、「憤怒を投げる者」あたりが調子に乗って火炎放射するとものすごい形相ですっとんできて墓地送り。ひどい。かてて加えてパワー5威嚇。こりゃまぁ、リミテッドなら爆弾レアに違いない。トリプルシンボルはしんどいけど、まぁ、ここから黒決め打ちでなんとかしてくれ。 一応構築レベルでも光る能力には違いないが、最大の難点は除去耐性が無い上に、人権が無いと噂される6マナである点。能力の方向性もちぐはぐだし、「墓所のタイタン」や「ワームとぐろエンジン」を押しのけてのし上がれるかはちょいと微妙。せっかく白と黒のミケウスを同じデッキに入れて「ふたりはミケウス! ミケウス・マーブルスクリュー!」とか言わせたかったのに。白ミケウスがカウンター載せ始めた時点で黒ミケウスの不死が何の役にも立たなくなるという、類い希な相性の悪さを発揮する予定だったのに。 1マナ・ゲイナー
土地(23) 平地×4 森×2 沼×2 湿地の干潟(ZEN)×4 草茂る地下墓地(ZEN)×2 陽花弁の木立(M11)×4 活発な野生林(WWK)×2 カルニの庭(WWK)×3 クリーチャー(23) 極楽鳥(M11)×4 魂の従者(ROE)×4 魂の管理人(M10)×2 セラの高位僧(M11)×2 硬鎧の群れ(ZEN)×1 臓物の予見者(M11)×1 グール・ドラズの暗殺者(ROE)×1 森のレインジャー(M11)×4 イーオスのレインジャー(M11)×4 その他(14) 目覚めの領域(ROE)×2 闇の後見(M11)×4 エルドラージの碑(ZEN)×1 むかつき(ALA)×1 征服者の誓約(ZEN)×4 遊牧の民の集合(ROE)×2 サイドボード(15) 精霊への挑戦(ZEN)×4 秋の帳(M11)×2 自然に帰れ(M11)×2 忘却の輪(ALA)×3 神聖の力線(M11)×2 活力の力線(M11)×1 むかつき(ALA)×1 |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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