忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<赤>
 
 
高山の案内人 Alpine Guide (2)(R) U
氷雪クリーチャー・人間、スカウト
3/3
〜が戦場に出たとき、あなたのライブラリから山・カードを1枚探し、それをタップ状態で戦場に出しても良い。その後、あなたのライブラリを切り直す。
〜は可能ならば各戦闘で攻撃する。
〜が戦場を離れたとき、山を1つ生け贄に捧げる。
 「険しい雪山を行く時に先導してくれる山男の案内人」ってテイストはわかりやすい。彼がいれば山の攻略が容易になり、めでたく「制覇した山」が1枚手に入る。しかし、彼が死んでしまうと途端に寄る辺がなくなり、山中で遭難しそうになるので山は失われてしまう。やはり登山にガイドってのは大事なのだ。それはわかるんだが……だったらもうちょっと冷静な人物をガイドにしたかった。何でこんな荒くれ者なんだよ。まぁ、3マナ3/3の時点でそこそこ強いから突撃体質になるのもしょうがないかもしれないが……。そのまま死ぬと特に損得無しのようにも見えるが、一応持ってくる山とサクる山は別なカードで構わないので、ギルドランドなどを絡めて土地の質を更新することが可能。また、一時的とはいえマナ加速してくれるのは事実だし、実はこれって赤がたまにチャレンジする「永続性のないマナ加速」ギミックの一環なのか。ライブラリ圧縮できてるのも事実だし、さらに仕事を終えれば今回の独自ギミックである「墓地の土地」も1枚追加。そうしてみると、デメリットはほとんど無いのだから案外有能なツアコンだったのかもしれない。雪解け後に発見されることを祈る。
 
 
炎のアリア Aria of Flame (2)(R) R
エンチャント
〜が戦場に出た時、各対戦相手は10点のライフを得る。
あなたがインスタントかソーサリー呪文を唱えるたび、〜の上に詩句カウンターを1つ置き、その後、〜は対象のプレイヤーかPWに、〜の上に置かれた詩句カウンターの数に等しい値のダメージを与える。
 詩句(verse)カウンターというのは、かつてウルザズサーガに存在した「歌」をモチーフにした一連のエンチャントサイクルで登場したレアなカウンター。まぁ、別にカウンターの種類は何だってよかったんだろうが、「郷愁」を感じさせるためにわざわざこうして懐かしのサイクルを思わせるデザインになっているのだろう。最初のライフゲインの部分も「凡人の錯覚」のパロディみたいな印象があるが、こんな変な制限が設けられたということは、それだけこのカードの瞬殺力が高いことの表れでもある。相手のライフが特に動かないと仮定するなら、このカードを出した後に減らすべきは30点。このカードで与えられるダメージは1点、2点、3点と増えていくので、7つ目の呪文を唱えた時点で大体30点を迎えることになるだろう(どうせ唱える呪文自体に火力も含まれるだろうし)。過去にストームデッキが稼いできたスペルカウントを思えば、7つなんて大したハードルではなさそう。ただ、このカード独自の制限として「出した直後に割られたり戻されるとちょい辛い」という部分がある。専門のデッキなら1020点回復されても取り戻せる可能性はあるが、やはりいくらか負担にはなるはずだ。まぁ、ストームデッキと違ってこのカードなら無理に1ターンの間に連打する必要もないのだし、カウンターなどで適宜守りつつ、ゆっくり育てて相手をじっくり焼き殺すデッキデザインでも問題ない。一応、PW対策に使える部分は注目してもいいのかもしれない。
 
 
刃背スリヴァー Bladeback Sliver (1)(R) C
クリーチャー・スリヴァー
2/2
暴勇あなたのコントロールするスリヴァーは「(T):このクリーチャーは対象のプレイヤーかPWに1点のダメージを与える」を持つ。
 本体限定のティム能力を与えるスリヴァー。ただ、それだとどこかに問題があったようで、何故かこの能力を流布させるためには暴勇条件を満たす、つまりは手札を空にする必要があるという。まぁ、スリヴァーは放っておいても数が並ぶし、アンタップする手段もあるので、無条件でつけてしまうと危険だと判断されたのだろう。おかげで大体の状況においては、こいつは2マナ2/2で無味無臭のスリヴァーとして人生(スリヴァー生)を過ごすことになる。時折目覚めて大ダメージをばら撒き出す姿も観察されるだろうが、できればそうなる前に対処しておこう。
 
 
ボガーダンの龍心 Bogardan Dragonheart (2)(R) C
クリーチャー・人間、シャーマン
2/2
他のクリーチャーを1体生贄に捧げる:ターン終了時まで、〜は基本のパワーとタフネスが4/4で飛行と速攻を持つドラゴンになる。
 最速で3マナ4/4飛行速攻という、ドラゴン業界の常識をぶち破る存在。そのための代償は仲間一人の命だが、さて、トレードとしてどの程度のものか。普通に考えれば、これは充分にペイする対価だ。何しろこれさえ守りきって5回殴れば勝てるわけで、早ければ早いほどその成功率は高くなる。無論相手だって完全にノーガードで終わりはしないだろうが、4/4フライヤーを打ち倒すためにはそれ相応のコストも必要になるだろう。ブン回りを想定するなら、3ターン目からの攻めは充分見返りがある選択肢と言える。どっちかっていうと、問題はそうして4/4になるまでの一瞬。場に出た時はどうみもて2/2。そして味方をサクったとしても能力の解決までは2/2だ。そのタイミングでの除去に対してはすこぶる弱い。一応複数のクリーチャーがサクれるならそれなりに安定するかもしれないが……この絶妙な交換条件、のるかそるか。一応、「クリーチャーが死んだら」系の能力とはシナジーなので、その手のカードがある場合のサクリ台としても利用価値はあるか。
 
 
肉裂きスリヴァーCleaving Sliver (3)(R) C
クリーチャー・スリヴァー
2/2
あなたのコントロールするスリヴァー・クリーチャーは+2/+0の修正を受ける。
 「断骨スリヴァー」の現代風アレンジ。ほぼ能力は一緒だが、現代スリヴァーは相手クリーチャーにまで能力が伝播しないように設計されているので上位互換になっている。「断骨スリヴァー」は「時のらせん」当時スリヴァーに行きたくなる最有力のコモンスリヴァーだった。何しろこれ1枚でダメージ効率は激変するわけで、2ターン目、3ターン目と順調にスリヴァーを置いていった時の4ターン目のアクションとしては最上級。3ターン目に置くのが先制攻撃を付与する「長槍スリヴァー」だったりしたら目も当てられない。それだけでゲームが終わってしまうスリヴァーストリームである。今回のスリヴァーはボロスカラーらしいので、開けたパックからこいつが出てきたかどうかを1つの判断基準にするといいだろう。一応、赤黒の場合は黒の多相と絡められるのでそちらの評価基準も頭にとどめておこう。
 
 
炎の稲妻/Firebolt(ODY)」 U
 フラッシュバック呪文の代表格であり、エターナルマスターズにすら再録された実績を誇る往年の名作火力。今回も地味ながらその存在感は健在。まぁ、初代からの付き合いであるおっさん達から見ると「お前、アンコモンとか偉そうだな」という印象になってしまうんだけど(当時はコモンでザクザク引けた)。これもモダンには初参戦ってことになるわけだが……使うデッキは出てくるかな? 1マナ火力枠も本当に競争が熾烈だな。
 
 
炎の拳 Fists of Flame (1)(R) C
インスタント
カードを1枚引く。ターン終了時まで、対象のクリーチャーはトランプルを得るとともに、このターンにあなたが引いたカード1枚につき+1/+0の修正を受ける。
 なんだか面白い書式の呪文。なんの下準備もなしだと、+1とトランプルがつくキャントリップ呪文。キャントリップなのでそれだけでも最低限という感じだが、まぁ、地味である。しかし、そのターンに引いたカードの枚数によって効果は激変。もし10枚引いてれば+10トランプルのワンパンマンが完成するわけだ、「そんなに引けるわけないやろ」とは思うかもしれないが、「軽いキャントリップインスタントやソーサリーを連打する」というデッキデザインは実はかなりメジャーなもの。赤に限定しても「昇天」のようなデッキなら結構な枚数の呪文が稼げるし、「若き紅蓮術師」を擁するデッキならコンセプトが上下(パワー)左右(クリーチャーの数)に広がりを見せる。「魔力変」が使える環境ならば、2マナとは思えないキラー呪文に化ける可能性があるわけだ。新たな勝ち手段の1つとして、デッキ研究に挑む価値はあるんじゃなかろうか。
 
 
憤怒の力 Force of Rage (1)(R)(R) R
インスタント
あなたのターンでないなら、あなたはこの呪文のマナコストを支払うのではなく、手札から赤のカードを1枚追放しても良い。
3/1でトランプルと速攻を持つ、赤のエレメンタル・クリーチャー・トークンを2体生成する。次のあなたのアップキープの開始時に、それらを生贄に捧げる。
 「Force」サイクルの赤はなんとエレメンタルトークンという予想外の形で登場。3/1トランプルは「火花の精霊」で採用された赤のエレメンタルの代表的な形態で、その後もちょいちょいいろんなカードから飛び出してくるようになったが、3マナで2体ってのは流石に破格。相手がノーガードなら3マナ6点火力となり、一応大先輩である「ボール・ライトニング」と同じ。おそらくこの設計ならボーライより劣っている部分はほとんどないと言っていいんじゃなかろうか。それにしても謎なのはピッチの設定だ。確かに相手ターンに突然ブロッカーを出す選択肢があるのはありがたいが、トークンがいなくなるのが自ターンのアップキープなので相手ターンに出してしまうと攻撃には使えない。つまり防御専用呪文になる。普通に使った時が攻め寄りのカードなのにこうしたデザインになったのは、このピッチサイクルが全て「受け」のデザインだということを強調した結果だろうか。ちなみに、自ターンに使った場合も次のアップキープまで生き残るってのが他のカードにはない特徴なので、何らかの方法でサクったりする場合には多少美味しい場合もあるかもしれない。

 


 
地操術士の計略 Geomancer’s Gambit (2)(R) C
ソーサリー
対象の土地を破壊する。そのコントローラーは自分のライブラリから基本土地・カードを1枚探し、それを戦場に出しても良い。その後、そのプレイヤーはライブラリを切り直す。
カードを1枚引く。
 あの「幽霊街」をソーサリーにしてしまったカード。なるほど、その発想も無かった。確かに「幽霊街」は「土地破壊」ギミックとして活躍しているわけで、それが土地破壊本家の赤のソーサリーになっても何の不思議もない。流石にあの効果だけだとアド損が切なすぎるため、キャントリップにすることで「幽霊街」の持つデメリットも払拭している。まぁ、土地とソーサリーでは比べるべくもないのだろうが、これはこれで使えそうなギミックである。一応、自分の土地を破壊して別な色に入れ替えるという細かい技に使えたりもする。やはりアド損がないので、赤い「砕土」と言えないこともない。ごめん、ちょっと言えない。
 
 
山羊盗り Goatnap (2)(R) C
ソーサリー
ターン終了時まで、対象のクリーチャーのコントロールを得る。そのクリーチャーをアンタップする。それはターン終了時まで速攻を得る。それがヤギであるなら、ターン終了時まで+3/+0の修正を受ける。
 個人的にはこれも大好きなデザインだ。3マナソーサリー、いわゆる「反逆の行動」の亜種だが、そこに込められているオマージュは「山羊さらい」である。「山羊さらい」はヤギしかパクれないけどヤギをさらった時には2/2ゴブリンも付いてくるというお得なパクり呪文。しかし「山羊さらい」が生息していたローウィンにはヤギクリーチャーなど1体もいないし、そもそもMagicの長い歴史の中でもヤギなんて数えるほどしか存在していない。それでも彼がヤギをさらい続けたのは、ひとえにローウィンが「多相」クリーチャーの生まれ故郷だったため。多相を持っているクリーチャーは、エルフであり、天使であり、ヤギなのだ。多相が何にも勝る価値を持っていたローウィンだったからこそ、「山羊さらい」は活躍することができた。今回のカードはそんな山羊さらいの熟練の技をソーサリーにしたもので、流石にローウィンほど多相にフィーチャーしすぎるわけにもいかないので汎用性はあげてあるが、たまたまリミテッドで相手が多相を使っていたらプチラッキーである。「今はヤギだ!」と高らかに宣言し、美味しくいただこう。
 
 
ゴブリンの勇者 Goblin Champion (R) C
クリーチャー・ゴブリン
0/1 速攻 賛美
 これまた面白いデザインである。これまで1マナで賛美を持つクリーチャーは3枚印刷されており、初代アラーラでは1/1で賛美だけの「アクラサの従者」、続く「コンフラックス」では今なお最強の賛美生物と名高い「貴族の教主」が作られた。その数年後、基本セットに賛美が戻ってきたときに作られたのが黒の0/2再生持ち「任務に縛られた死者」だ。こうしてみると、賛美持ち生物の特色である「立ってるだけで一仕事」を活かすための方策が次々と考えだされていることがわかる他、非常に興味深いのは、今回のゴブリンも並べると、全て色が異なっているということである。初代賛美は白青緑のバントカラーに与えられていたが、それが基本セットでは白黒に転用。さらに今回はまさかのゴブリンである。色々と解釈があるもので、今回のクリーチャーはどうみても裏方なのに自称「勇者/Champion」ってのが笑いどころ。どうやら単なるこけおどしマスターのよう。基本デザインは1マナ1/1速攻の「怒り狂うゴブリン」。そりゃまぁ、1ターン目に速攻で殴るなら一緒に攻撃する仲間なんていないだろうし。「怒り狂うゴブリン」はその後のターンはすぐにお払い箱になるために構築で見かけることなんてほとんどないが、こちらのゴブリンならその後のターンも支援目的でボーッと突っ立ってる仕事ができる。そういう意味ではうまいことアップグレードしたクリーチャーと言える。いや、多分こっちでもあんまり出番はないんだろうけども。賛美されたくて慌てて飛び出していくゴブリンのせっかちさが見え隠れするようで面白いカードだ。
 
 
ゴブリンの技師 Goblin Engineer (1)(R) R
クリーチャー・ゴブリン、工匠
1/2
〜が戦場に出た時、あなたは自分のライブラリからアーティファクト・カードを1枚探し、それを墓地においても良い。その後、あなたのライブラリを切り直す。
(R)(T):アーティファクトを1つ生贄に捧げる:対象の、あなたの墓地にある点数で見たマナコストが3以下のアーティファクト・カードを戦場に戻す。
 これまた往年の名カードである、「ゴブリンの溶接工」を焼き直したようなカード。流石に同じにしちゃうとまずいので戻せるアーティファクトが3マナ以下と大きく制限されてしまったが、代わりに登場時に好きなアーティファクトを「設置」しておけるようになった。でかいアーティファクトを墓地からドーン! みたいな単純な戦略は採れなくなったものの、特定の仕事に限れば安定度が大きく増したことになるので、こちらの方がなんらかのコンボデッキで活躍できる可能性は高いかもしれない。墓地に置くアーティファクトには制限もないため、アーティファクトを対象にした「納墓」みたいな仕事だけでも案外ニーズがあるのかも。単に「胆液の水源」2枚をぐるぐる回すだけでも1マナ2ドローだったりするし。
 
 
ゴブリンの女看守/Goblin Matron(7ED)」 U
 こういう再録もこのセットの狙いの1つ。ゴブリンデッキの代名詞と言ってもいい存在であり、下の環境でもゴブリンデッキには数多く採用された実績を持つ僕らのママ。現時点ではモダンでの使用は不可能だったが、ここに再録されることでめでたくモダンのゴブリンにも一石を投じる存在となった。かくいう私も1枚も持ってないカードなのでちょっと欲しい気もする。確認したら7thのアンコモンだったんだなー。基本セット買ってなかったからなー。
 
 
ゴブリンの軍旗 Goblin Oriflamme (1)(R) U
エンチャント
あなたのコントロールする攻撃クリーチャーは+1/+0の修正を受ける。
 これも元ネタがわかる人はそれなりに古い人だろう。一応最近「エターナルマスターズ」に再録されたこともある「オークの軍旗」の焼き直し。「オーク」の方はなんと設置コストが4マナで効果は全く同じ。正直お話にならないスペックだったのだが、これがなんと、かつて制限カードに指定されたことがあるという。何故そんなことが起こったのかというと、実は、最初に印刷された「アルファ」の時代には、コストが(1)(R)と書かれており、そのコストでプレイされていたのだという。つまり、今回ゴブリンが立て直したこの軍旗は、その当時の「間違った方の軍旗」を改めて印刷するというとんでもないネタなのである。まぁ、正直今更2マナで出てきてもそこまで脅威には感じないのだが、それでも横並びのゴブリンデッキなら確かに面白い選択肢かもしれない。一応アタック時にパワーが上がるために「罠の橋」対策に使えるなんてちょっとした利点もあったりするので、何か時代が噛み合わないもんだろうか。
 
 
ゴブリンの戦闘隊 Goblin War Party (3)(R) C
ソーサリー
次のうちから1つを選ぶ。
「1/1で赤の、ゴブリン・クリーチャー・トークンを3体生成する」
「あなたのコントロールするクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修正を受けるとともに速攻を得る」
双呪(2)(R)
 どんな3人が出てくるかはイラスト参照。普通パーティといったら「戦士・盗賊・魔法使い」みたいに役割分担した連中が組むものだが、所詮ゴブリンなので「戦士・戦士・戦士」みたいな3人組になってるのが笑える。基本的には1マナ重い「軍族童の突発」なので出番はなさそうだが、一応4マナで下のモードを使うという選択肢があるのはメリットといえばメリット。まぁ、4マナとは思えない効果なのでその使い方でデッキインしてる時点で負けだとは思うが。となるとやはり7マナ貯めての双呪がメインか。これなら2/2速攻が3体出せるので6点火力。……それでも6点か……まぁ、リミテッドのゴブリンデッキ用だろう。
 
 
頭空スリヴァー Hollowhead Sliver (2)(R) U
クリーチャー・スリヴァー
2/2
あなたのコントロールするスリヴァーは「(T)、手札を1枚捨てる:カードを1枚引く」を持つ。
 これは多分元ネタは無い……はず。いわゆる赤ルーターを与える能力で、赤ルーターが能力として定着したのは割と最近のことなので、多分それ以降にこのクリーチャーの元になるようなカードは開発されてないと思う。いわば「新しい赤スリヴァーの顔」といえる。まぁ、使えるといえば使えるし、微妙といえば微妙。スリヴァーがたくさん並んでいれば目的のカードまで一気に掘りすすめるわけだが、スリヴァーがたくさん並んでるならその時点で勝てよ、って話。特定のスリヴァーが欲しいならスリヴァーサイクリングを持つ「誘導スリヴァー」を使おう。
 
 
炎血の精霊 Igneous Elemental (4)(R)(R) C
クリーチャー・エレメンタル
4/3
あなたの墓地に土地・カードがあるなら、〜を唱えるためのコストは(2)少なくなる。
〜が戦場に出た時、あなたはこれが対象のクリーチャーに2点のダメージを与えることを選んでも良い。
 6マナ4/3とかいう信じられないポンコツだが、グルール的「墓地に土地」条件を満たせば4マナ4/3。コモンとしては普通レベルに落ち着く。これに187能力の除去が加わるわけで、感覚としては「砲塔のオーガ」のもっとお利口になったバージョンだと思えばいいだろうか。アド取りながらの戦力追加なら攻め手を緩めないよい選択肢といえる。あとは3ターン目まででどうやって墓地に土地を貯めておくか。改めて確認してちょっと驚いたのだが、赤緑をやっていた場合、3マナ以下で能動的に墓地に土地を置ける手段はそこまで多くない。評価する際には、コスト軽減はそこまで安定していないことを肝に銘じるべきだろう。
 

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<黒>
 
 
アズラの煙纏い Azra Smokeshaper (3)(B) C
クリーチャー・アズラ、忍者
3/3 忍術(1)(B)
〜が戦場に出た時、対象の、あなたのコントロールするクリーチャーはターン終了時まで破壊不能を得る。
 アズラまでおるんかい……。ぶっちゃけ私もよく知らないので付け焼き刃の知識だけ書き写しておくと、アズラは数年前に発売された「バトルボンド」の中に登場した新たな種族。ちょっと鬼っぽいツノが生えた人間と悪魔の中間みたいな見た目の種族で、どうやら先祖がデーモンらしい。赤と黒に位置したこの種族は割と享楽主義らしく、唯一彼らの存在が確認されている次元「ケイレム」ではラヴニカにおけるラクドス教団みたいな立ち位置でお客さんたちに迷惑をかけている様子。で、そんなアズラが今回はなぜか忍者にジョブチェンジ。背景が見えにくいのでわかんないけど、これもケイレムの風景なんだろうか。そして、これまでにない忍術の使い方になっているのがこのクリーチャーの面白ポイント。なんと「プレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび」の能力ではなく、単に「場に出た時」の能力を持っているのだ。忍術で出た場合、どうせこいつはブロックされていないのだから破壊不能は必要ない。つまりこいつは周りの誰かが戦闘で死にそうな時に駆けつけてくれるナイス助っ人役なのだ。忍術コストの割にサイズもそこそこだし、これでコンバットの結果を書き換えつつ、後詰を次々に送っていく展開はまさに忍者の真骨頂。
 
 
陰謀団の療法士 Cabal Therapist (B) R
クリーチャー・ホラー
1/1 威迫
あなたの戦闘前メインフェイズの開始時に、クリーチャーを1体を生贄に捧げても良い。そうした時、土地でないカード名を1つ選ぶ。その後、対象のプレイヤーは自分の手札を公開し、その名前を持つカードを全て捨てる。
 セラと同様、セット発表時に公開されて話題を呼んだ1枚。あの「陰謀団式療法」がクリーチャーの姿を借りてモダンに殴り込みをかけてきたってんだから話題にならない方がおかしいだろう。しかも1マナ1/1威迫って最低限のステータスは守った上でだ。もちろん、本家「療法」に比べればセーブされている部分も多く、例えば起動タイミングが「最初のメインフェイズの開始時」に限定されているので出したターンに起動することができず次のターンまで生き残る必要がある。そしてコストはクリーチャー1体と安くはないので、そう簡単に連打できるようなものでもない。まぁ、このクリーチャーをサクることが「療法」のオマージュになっているのだろうが。おかげでハンデスとしてはそこまで信頼性が高くないのだが、逆に1マナ1/1クリーチャーになったことで考えられる悪巧みも色々とある。1マナソーサリーを墓地から戻すのは大変だが、1マナクリーチャーなら墓地から戻す方法も数多く存在している。ライブラリからのサーチだってクリーチャーの方が簡単だろう。新たなセラピーが、新たなモダンの風を起こすことがあるのかどうか、要注目である。それにしても、メンタルヘルスっておっかねぇんだなぁ。
 
 
屍肉喰らい/Carrion Feeder(SCG)」 U
 オウオウヲウ、なんだてめぇ、アンコモンとか随分エラくなったもんじゃねぇか。俺らが知ってるちっちゃい頃のお前はコモンでなぁ、そりゃ親しみやすい性格だったもんだよ。いや、小さい頃って言ってもすぐおっきくなってたけどな。ただでさえゾンビ強い環境だったせいでリミテッドではシャレにならなかったけどな。貴重な0マナサクり台として突然のモダン乱入。新しい職場でも元気にモリモリ食べられるかどうか。
 
 
変わり身ののけ者 Changeling Outcast (B) C
クリーチャー・多相の戦士
1/1 多相
〜ではブロックできず、〜はブロックされない。
 公式記事で説明がある通り、「苛まれし魂」に多相がついたクリーチャー。単にそれだけなので一応メリットともデメリットとも解釈出来るが、色々と面白いシナジーを生み出せるのは多相という特質ならではのものだ。似たようなクリーチャーとしてリミテッドで活躍した記憶があるのは「トゲだらけのボガート」。1マナでブロックされにくいだけの1/1という性質が同じで、当時の環境では「ならず者でダメージを与えたら使える」という非常に限定的な「徘徊」というキーワード能力が存在していたため、シンプルなシナジーが形成出来たのだ。このクリーチャーは「徘徊」はもちろんのこと、最近なら「絢爛」、ちょっと古ければ「狂喜」、そして記事にもある「忍術」などなど、様々なシナジーを見込みつつ、更に部族ボーナスまでカウント出来るという。まぁ、なかなかこれだけの性能ではモダンの荒波を渡りにくいかもしれないが、この使いやすさは地味さとトレードオフしても余りある。追加のマーフォークとして使えたりしないもんですかね?(黒ははいらんやろ)
 
 
親切な吸血鬼 Cordial Vampire (B)(B) R
クリーチャー・吸血鬼
1/1
〜か他のクリーチャーが死亡するたび、あなたのコントロールする各吸血鬼・クリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
 吸血鬼ギミックなんてのもあるのかよ。まぁ、今回多相が白黒に多く配置されているらしいので、頑張ってそこを集めろってことなんだろうが……。吸血鬼といえばファンタジー生物の定番でもあり、今となってはMagicでもすっかり一枚看板だが、実は部族として取り上げられ始めたのは割と近年になってから。具体的には基本セットが「M○○」表記になり、再録カード以外にも「なるべく初心者が直感的にわかりやすいカードを」ってんで基本らしいカードが新たに作られた際に、ゾンビに代わる黒のクリーチャー枠として登場したのがきっかけ。吸血鬼が栄えるゼンディカー次元と手を組んだ時にはバカにならない破壊力を持ち、「吸血鬼の夜侯」率いる軍団が環境を席巻したこともある。そうした時代背景を考えれば、この子も一族の使命を背負って出てきた新たな時代のホープなのかもしれない。書いてあることが強いのは間違いないが、並べて突っ込む吸血鬼がモダンで通用するかどうか。イクサラン吸血鬼からなんとかモダンレベルの連中を2つ3つつまめないもんですかね。
 
 
墓所のネズミ/Crypt Rats(7ED)」 U
 破滅的ネズミ。こちらも最後に再録されたのが第7版だったためにモダンでは使用できなかったが、この度めでたくエントリーされたことに。まぁ、このカードがどんな風に使われてるのかは全然知らないのだが……どうやらpauper需要があるみたいね。なるほど、確かにコモンでX火力は貴重だもんな。ちなみに、今回イラストは既存のもので再録されているが、フレーバーは「グール呼びのギサ」さんによる新作である。死体屋さんにとってはネズミは天敵だよなぁ。
 
 
真冬 Dead of Winter (2)(B) R
ソーサリー
全ての氷雪でないクリーチャーはーX/ーXの修正を受ける。Xは、あなたのコントロールする氷雪パーマネントの数である。
 氷雪じゃない奴絶対殺すマン。こうしたカードがあることで、また氷雪ファンデッキが大きくトーナメントレベルに前進することになる。まぁ、今回のリミテッドだけを考えると青緑がメインらしいのでここにタッチするのかどうかは悩ましいところだが、労せずしてワンサイド除去が手に入るのだから拾わない手はないだろう。これまでの先例を考えても、無制限の全体除去が3マナのシングルシンボルなんてのはとんでもないコスト設定なのだ。それくらい、「氷雪やってみ? 頑張ってみ?」という挑発が公式から投げかけられているということなのである。そりゃもう、チャレンジしないと。まぁ、やっぱりカードプールがほぼ今回のセットとコールドスナップだけってのは相当なハンデになってしまうのだろうが……。「何か好きなように氷雪パーマネントを増やせるカードなかったっけかなー」と考えたけど、「霧氷羽の梟」くらいしか思いつかない。お前じゃねぇなぁ。
 
 
汚涜 Defile (B) C
インスタント
対象のクリーチャーは、あなたのコントロールする沼1つにつき、ターン終了時までー1/ー1の修正を受ける。
 公式記事では「単体向けの『もぎとり』」としてデザインされたと紹介されている。実際そうなのだが、そもそも「もぎとり」が参照する沼の数って要素は黒にとって「もぎとり」以前から馴染み深いもので、「夢魔」や「堕落」のようなカードで使われてきた定番のパラメータである(あと「因果応報」もね……)。このカードはどっちかっていうと簡易版の「堕落」、つまり「堕落の触手」に近いイメージである。軽いのはありがたいが、やはり相応に制限は多いので、あくまでリミテッドが主戦場の除去になるのかしらね。
 
 
悪魔の布告/Diabolic Edict(TMP)」 C
 つい最近ほぼ上位種と呼べる「リリアナの勝利」が登場してしまったので今更感があるのは残念だが、これも実はリーガルセット再録は初である。様々な亜種が作られた黒除去の一系譜の祖とも言える名作呪文。一応、「リリアナの勝利」とは「自分にサクらせる」ことを選べる部分が違うので、もしかしたらそのあたりの差が意味を持つことが……ないだろうな。まぁ、リミテッドでどうぞ。ちなみに、カード名にちなんでか今回のフレーバーはニク様に寄せてもらっている。効果を考えるとなかなか心憎い一言である。
 
 
屑肉スリヴァー Dregscape Sliver (1)(B) U
クリーチャー・スリヴァー
2/2
あなたの墓地にあるスリヴァー・クリーチャー・カードは蘇生(2)を持つ。
 その名前から分かる通り、元ネタは「屑肉の地のゾンビ」。蘇生能力を持ち、リミテッドでは一番シンプルに蘇生能力を味わえたクリーチャーである。蘇生能力はアラーラのグリクシスを象徴する能力として開発されたもので、墓地利用の一形態として非常にまとまったものだった。よく言えば素直だが悪く言えば地味。クリーチャーが1回だけ戻ってくるというわかりやすい作用は、あまりコワレにもならず、主にリミテッドを中心にしてその生涯を終えた。そしてこの度、新たにこれがスリヴァーの能力として復活。蘇生をフル活用するポイントは、何と言っても187能力持ちに搭載すること。どんな能力でも後乗せでマシマシにできるスリヴァーにはうってつけのものだ。つかの間の生ではあるが、何か凶悪な誘発能力との合わせ技でスリヴァーのしぶとさを2倍3倍に水増しする方法があるかもしれない。蘇生コストが固定で安いのもポイントで、いっそのこと大量のスリヴァーを墓地に送り、まとめて呼び戻す瞬殺コンボなんかも面白いかも。ディティールは各自考えておいてください。
 
 
終異種 Endling (2)(B)(B) R
クリーチャー・ゾンビ、多相の戦士
3/3
(B):〜はターン終了時まで威迫を得る。
(B):〜はターン終了時まで接死を得る。
(B):〜はターン終了時まで不死を得る。
(1):〜はターン終了時まで+1/ー1か1/+1の修正を受ける。
 ついに出揃った、「異種」サイクル最後の1体。「変異種」に端を発する謎の文明は、時にコストを変え、時に収録形態を変え、少しずつその数を増やし、青、赤、緑、白と流れて最後に黒へ。これで無事にサイクルが閉じたことに……ところで「霊異種」、結局お前は何だったんだ。さておき、黒い「変異種」を作るにあたり、開発スタッフの間では相当喧々囂々の議論がなされたことだろう。コストが4マナになったくだりは公式記事を参照してもらうとして、ステータスは3/3。あとの能力は、黒というカラーパイからはみ出さない範囲で決定されることになるだろう。おそらく最も難航したのは不死の部分ではなかろうか。過去の「異種」サイクルは、何らかの方法で「生き残る」能力を持っていた。元祖は被覆、「炎異種」は呪文を曲げ、「茨異種」は破壊不能、「光異種」は手札に帰る。黒も破壊不能はつけられただろうが、他と同じじゃぁ面白みがない。そこで選ばれたのが「死ぬことは死ぬけど、ワンモアチャンス」という不死能力である。そのほかの能力がかなり攻撃的にチューンされており、威迫&接死で殴れば最低でも2体のクリーチャーを道連れにできる。そして死んだらちょっと大きくなっておかわりもう一杯。この組み合わせはかなりエグい。4/4になったら伝統芸のパワータフネス増減能力の幅も増えるのでより優位に立ち回りやすくなるはずだ。これまでのサイクルはタフネスをあげた時に脅威度が下がる部分が物足りなかったが、こいつは接死があるのでいつでもクリーチャー戦闘でアドバンテージを稼げる。なるほどこりゃ強いや。しかも何故かクリーチャータイプにゾンビのおまけ付き。ゾンビデッキの新たなフィニッシャーを任されるかもしれない。
 
 
愚者の饗宴者 Fester of Fools (4)(B)(B) U
クリーチャー・デーモン
3/3 飛行 召集 貪食2
 こういうのを見せられると、カードデザインに美を見出す人間(メルとかヴォーソスとか呼ばれる概念を持つ人たち)は本当にたまらない。「とか」と書いたのはこのカードがどちらの概念上も良いデザインだと思うからで、まずメル的には、「召集」と「貪食」というクリーチャーの数がモノを言う能力2つが組み合わされたことに美しさを感じる。召集があればこのクリーチャーを素早く召喚できて、さらにそのクリーチャーがサイズにも直結する。異なる次元の、異なるコンセプトの能力が実に端正にまとまった事例である。そして、このクリーチャーを「召喚の儀式で呼び出された悪魔」というフレーバーで彩ったことがヴォーソス的な美しさを導く。普通に考えたら白や緑が発祥で「協力することでより大きな力を得る」という召集能力と、「周りの弱者を貪り食うことで強くなる」というジャンド発祥の貪食は相容れないフレーバーを持つコンセプトのはずなのだが、この2つを併せ持つクリーチャーが、「アホな狂信者たちがなんとなく呼び出しちゃった悪魔」という背景を得ることでとたんに存在感を持つ。そりゃみんなで力を合わせて呼び出すだろうし、呼び出した端から犠牲になっていく凄惨なシーンだって当たり前に想像できる。普通のセットではなかなか収録できない、「モダンホライゾンらしい」良いデザインといえるだろう。実際に使っても、例えば3ターン目に3マナで出して9/9とかいうイカれた展開も実現可能。だれか、愚者の頂点を目指してみては?

 

 


第一球層のガルガンチュア First-Sphere Gargantua (4)(B)(B) C
クリーチャー・ホラー
5/4 蘇生(2)(B)
〜が戦場に出た時、あなたはカードを1枚引き、1点のライフを失う。
 まず気になるのは「球層/Sphere」ってなんやねん、って話だが、どうやら旧ファイレクシアの場所を表す名称らしい。ファイレクシアは第1〜第9までの層がマトリョーシカのように入れ子構造になっており、一番外から1〜9と番号がついている。つまり、このガルガンチュアはファイレクシアの表層部分にいるそこそこ雑魚ってことである。まぁ、それでもガルガンチュアを名乗っているだけあってサイズはでかい。そしてこいつの元ネタはそのものズバリ「ファイレクシアのガルガンチュア」だってのもわかりやすいところだ。元のカードは、サイクルで作られた「ファイレクシアの憤怒鬼」の方が有名になってしまったが、「憤怒鬼」が3マナ2/2で1枚カードを引いたのに対し、ガルガンチュアは全てがその倍、6マナ4/4で2枚引くクリーチャーだった。当然、リミテッドではこの2ドローは圧倒的に強く大活躍した記憶も鮮明である。今回のガルガンチュアは残念ながら1回出ただけでは1枚どまりだが、続いて蘇生で登場した時に残りの1枚が引けるように調整された。つまり、蘇生する前提なら「復活能力が付きパワーまで上がったガルガンチュア」なのだから強いに決まっている。もちろん、面倒ならば直接墓地に送ってちょっとしたドローをくれる役割だけでも文句はないだろう。できればどこかでディスカードできるようなギミックも用意しておきたい。

 

 


絶望の力 Force of Despair (1)(B)(B) R
インスタント
あなたのターンでないなら、あなたはこの呪文のマナコストを支払うかわっりに、手札から黒のカードを1枚追放しても良い。
このターンに戦場に出た全てのクリーチャーを破壊する。
 「Force」サイクルの黒は全クリーチャーに「揺り籠から墓場まで」を叩き込む。なるほど、この設定ならピッチでも何でもとにかく唱えたいという強引なタイミング補正にも意味が出てくるだろうか。そもそもこのカードを自ターンに唱えるタイミングなんてほとんど無いとは思うが。トークン戦術や「双子」デッキのような瞬殺無限コンボを封殺できるので、実は案外間口は広い。最悪でも3マナインスタントの除去として運用できる上でこの設定なのだから、メタ次第ではサイド以上の扱いもあり得る話。

 

 


暴食するナメクジ Gluttonous Slug (1)(B) C
クリーチャー・ナメクジ、ホラー
0/3 威迫 進化
 進化ですってよ。進化は2回目に訪れたラヴニカでシミックが駆使していた能力で、「これよりもパワーかタフネスがでかいクリーチャーが出たら+1/+1カウンターをおいてもええで」という成長能力。後の世になって似たようなギミックがゴルガリの「生皮収集家」でリメイクされている。パワーとタフネスのどっちでもいいってのがポイントで、このナメクジのように偏ったステータスのクリーチャーは仲間が出てきたらすぐに成長できる。2マナというコストを考えれば次のターンに1体でもクリーチャーを出せば1/4になるってのはかなり頼りになる数字だ。さらに2/5まで育ってしまえば除去は難しくなるだろうし、3/6になればついに先輩の「地下墓地のナメクジ」を超えられる。特にメインとなるシナジーがあるわけではないが、雑に使ってもその攻防に優れる巨体は堪能できるはず。クソザコとはもう呼ばせない。

 


 
墓変わり Graveshifter (3)(B) U
クリーチャー・多相の戦士
2/2 多相
〜が戦場に出た時、あなたの墓地にある対象のクリーチャー・カードを手札に戻しても良い。
 もう、イラストを見ただけでその下を読まずとも全部能力まで当てられるデザインが秀逸。誰がどう見てもイラストは「グレイブディガー」のパロディ。本当は名前も寄せてあるのだが、日本語チームはそのまま「グレイブシフター」にするのは抵抗があったのだろうか。残念である。余談だが、「グレイブディガー」がもし同じようにちゃんと日本語訳されていたら「墓掘り」とかになっていたと思うのだが、「墓荒らし」や「墓暴き」なんて似たような名前のカードが多いので、むしろ良い判断だった気もする(なお、現時点ではまだ「墓掘り」という名前のカードは存在しない)。というわけで、多相を持ったグレイブディガー。確実なアドが稼げるので現代の基準ならアンコモンもやむなしか。様々な種族デッキで潤滑油兼アドソースとして幅広く活躍できる(リミテッド限定でね)。

 

 


首無し死霊 Headless Specter (1)(B)(B) C
クリーチャー・スペクター
2/2 飛行
暴勇〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは手札を1枚無作為に捨てる。
 そこそこ「惑乱の死霊」。残念ながらヒッピーがモダンリーガルなので下位種であるこいつがモダンに登場する可能性はほぼゼロだが、あまりにもスペクターが好きすぎるとか、ヒッピー4枚では足りないとか、そういうニーズがあればもしかしたら使われるのかもしれない。構築で出番が無いということは、主戦場は当然リミテッド。暴勇というマニアックな制限がついているが、3マナ2/2の普通の肉として運用しつつ、ラクドスビートみたいなデザインになれば唸るほどのアドバンテージを叩き出すこともあるかもしれない。今回様々なキーワードが1つのセットに押し込められているみたいだが、暴勇なんてマローが「失敗した」って言ってた能力でも収録されるもんなんやな。ちなみにフレーバーがちょっと面白くて、「唱えるための舌もないが、打ち捨てられた賛歌は未だその体から発せられている」とある。もちろん、ここで漏れ聞こえてくる「賛歌/hymn」ってのは効果を考えれば「トーラックへの賛歌」なんだろう。

 

 


精神の掻き寄せ Mind Rake (2)(B) C
ソーサリー
対象のプレイヤーは手札を2枚捨てる。
超過(1)(B)
 これも座布団1枚! といった感じの発想の勝利(敗北?)。一応説明しておくと、「超過」は呪文の効果を一気に拡大させるという、イゼットが編み出した大雑把な技なのだが、具体的にどういう効果かというと、文章欄にある「Target」を「each」に書き換えるというもの。そのため、普通の超過呪文のテキストは「target creature you don’t control」と書いてあることが多い。しかしこの呪文の場合は……うわぁ。3マナ払えば完全に「精神腐敗」。超普通のハンデス。そして超過すると、お互い手札をボッシュート。史上唯一の「元コストより軽い超過」はとんでもないデメリットになっているわけだ。とはいえ、2マナで手札を2枚落とせるのは紛れも無い事実。自分の2枚が痛くないデザインにしておけば何の問題もないわけで、毎度のことながらドレッジに入れてしまえばこれって別にデメリット無しになる可能性も。ただ、かつて同型の呪文に3マナで3枚捨てる「狂乱病のもつれ」があったがこちらは使われた実績がない。コストの軽さで、新たな地平を切り拓けるか。

 

 


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<青>
 
大魔道士の魔除け Archmage’s Charm (U)(U)(U) R
インスタント
次のうちから1つを選ぶ。
「対象の呪文を打ち消す」
「対象のプレイヤーはカードを2枚引く」
「対象の、点数で見たマナコストが1以下の土地でないパーマネントのコントロールを得る」
 これは何か元ネタがあるんだろうか……パッと思いつかないのだが、単に「青がよくやりたがることを組み合わせたチャーム」ってことでいいのかな。しいて言うなら「謎めいた命令」の調整版と言えるのかもしれないけども。いかにも青がやりたそうなアクションの詰め合わせで、カウンターは言わずもがな、インスタントでの2ドローは無難な選択肢としてエンドに動きやすい。この2つの組み合わせだけでもカードとしては成立しているのだが、「魔除け」の名を冠するためには効果は必ず3つ必要。最後の1つは「不忠の糸」なんかで見かける制限つきのコントロール奪取。コスト1以下なんて大したカードもなさそうだが、モダンともなればその凶悪さは充分にパクるだけの価値を持つ。この手の呪文には珍しくインスタントでのパクりなので、相手の行動を見て最後に動けるというのはやはり大きな意味がある。青系コントロールの選択肢の1つになりうるだろうか。

 


 
バザールの交易魔道士 Bazaar Trademage (2)(U) R
クリーチャー・人間、ウィザード
3/4 飛行
〜が戦場に出たとき、カードを2枚引く。その後、手札を3枚捨てる。
 戦場に出たときに「バザールの大魔術師」と同じ効果、つまりは「Bazaar of Baghdad」と同じ効果を発揮するウィザード。まぁ、それだけなら普通なのだが、何故かこのウィザード、やたらガタイがいい。3マナ3/4飛行って何だ?? なんで単なる魔術師がそのサイズに? ……一応の説明としては、場に出たときの能力が間違いなく「アドバンテージを失う能力」なので、これをデメリットとして代価分のステータスをもらっていると考えることが出来る。3マナ3/4といえば例えば対象になった時に死んでしまう「幻影の召使い」や、毎ターン1点痛い「セレンディブのイフリート」なんかがいるので、その系譜だ。しかし、この能力をデメリットだと捉える人間がはたしてどの程度いるものだろうか? 「バザールの大魔術師」は当然のように活躍しているわけで、つまりはこの能力が強いのである。だとしたらメリット+メリットというふざけた存在に……。まぁ、この2つの性質を同時に求めるデッキがどれだけあるかは定かでないのだが、なんか、「緩いミッドレンジタイプのドレッジ」みたいなデッキが組めないもんですかね? 普通にデルバーに足しても悪くない気もする。
 
 
吹雪の大梟 Blizzard Strix (4)(U) U
氷雪クリーチャー・鳥
3/2 飛行 瞬速
〜が戦場に出た時、あなたが他の氷雪パーマネントをコントロールしているなら、対象の、〜以外のパーマネントを追放する。次の終了ステップの開始時に、それをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
 平均的なリミテッド向けの飛行ステータスだが、氷雪デッキの場合は瞬速を生かした手軽なトリックとしても使用可能。緊急避難能力は戦闘を絡めて色々と活用できるし、相手の除去を回避しつつの戦力追加となればコスト以上の働きを見込めるだろう。条件付きとはいえ、こいつを使うようなデッキなら5マナも出る頃にはある程度氷雪カウントは確保できているだろうから、あまり問題にはならないはず。白と組み合わせれば「ちらつき」能力をさらにシナジーとして拡大することも狙えるだろう。まぁ、アンコとしては地味な気もするが。
 
 
凍て虫 Chillerpillar (3)(U) C
氷雪クリーチャー・昆虫
(4)(S)(S):怪物化2を行う。
〜が怪物的である限り、これは飛行を持つ。
 流石にこれは書いとかないとわかりにくいと思うんですが、(S)のシンボルは「氷雪マナ」という意味です。これは、何色のマナでもいいんだけどとにかく氷雪パーマネントから出てくるマナを表します。一番スタンダードなのは当然冠雪土地だろうが、これが導入されたコールドスナップ当時は「ボリアルのドルイド」や「冷鉄の心臓」あたりが氷雪マナソースとして重宝されました。さておき、そんなコールドスナップ限定ギミックに、さらにテーロス限定ギミックである怪物化という夢のコラボレーション。いや、誰の夢かは知らんが。複雑さをどれだけあげてもいいってのはこういうことなんでしょうね。だから「普通のリミテ向けコモンやんけ」という感想だけで次に行っても問題ないですよ。いや、リミテでも5/5フライヤーがコモンから出てくるのは割とまずいのだが。
 
 
締めつける綱/Choking Tethers(ONS)」 C
 我々が猿のようにプレイし続けた思い出の環境、オンスロートから意外な1枚が再録。一応「マスターズ25th」でも再録されていたのでむしろ懐かしさはないはずなのだが、そんなん覚えてないからやっぱり懐かしい。ちなみにこちらはイラストが更新され、どこかの世界のヴィダルケンの技になっている。今回のセットはサイクリングが1つの小テーマとして取り扱われているので、緩急織り交ぜたこのカードの使い心地を久しぶりに思い出せる日がくるかもしれない。

 

 


狡猾な回避 Cunning Evasion (1)(U) U
エンチャント
あなたのコントロールするクリーチャーがブロックされるたび、あなたはそれをオーナーの手札に戻しても良い。
 卑怯」の流れを汲むような、青の「都合が悪くなったら逃げよう」装置。Magicは基本的にブロッカーを後から決める関係上戦闘では守備側が有利なわけだが、これをおけば不都合な戦闘関係に関しては「なかったことに」できるわけだ。まぁ、その度にいちいち手札に戻ってきては話にならないという部分もあるのだが、それなら戻ってくることに意味があればいい。「大クラゲ」などの187能力持ちなら相手はブロックをためらうことになるし、何よりもこの能力が狙っているのは忍者とのシナジーだろう。一度忍術で能力を使った忍者はよっぽどのことがない限りは次のターンから普通にブロックされるわけだが、その場合には再び手札に紛れ、次の忍術チャンスを狙うことができるわけだ。相手にしたら、それこそ幻惑されて何がなんだかわからなくなるかもしれない。まぁ、全ては確実に攻撃宣言ができる前提での話なので、序盤から展開できるアタッカーの確保は必須だ。

 

 


永劫のこだまEcho of Eons (4)(U)(U) M
ソーサリー
各プレイヤーは自分の手札と墓地をライブラリに加えてくる直し、その後カードを7枚引く。
フラッシュバック(2)(U)
 まさかのフラッシュバックつき「Timetwister」。正確には、フラッシュバックするとTimetwisterか。行きの6マナは後の後継カードである「時のらせん」へのオマージュ、そして戻ってくる時の3マナがまんま元祖のコストである。こうしてみるとパワー9の復活ということでとんでもねぇ呪文のように見えるが、冷静に考えて、何に使うのかと言われたらよくわからない。パワー9とはいうものの、やっぱりTimetwisterはちょっと立ち位置が特殊なのである。面白い素材なのは間違いないが、役立たせようと思ったら相当デッキを練り込む必要があるだろう。活用したいならやはりフラッシュバックをメインに据えることになるのだろうが、そうするときっちりこいつが追放されてしまうのでぐるぐるとループを構築するのが難しい。なかなか上手い調整である。とりあえず、Terese Nielsenによる相変わらずよくわからないイラストが堪能できればそれでいいんじゃなかろうか。
 
 
常在夢境 Everdream (1)(U) U
インスタント
カードを1枚引く。
連繋(インスタントかソーサリー)(2)(U)
 あぁ〜大好きなやつ〜〜〜。もう、イラストみた瞬間に「そういうことしちゃうの!」って嬉しくなったもん。元ネタはマイナーなカードだがやたら印象に残っている「常在精神」。神河救済というラストセットのカードで、しかも実際にはほとんど使われることが無かったので本当に地味過ぎるカードなのだが、当時は「マナコストが無いカードだってぇ?!」と大層驚いたものである。コスト欄に何も書いていない空白の部分、今となってはそこそこ数が増えたが、当時はものすごく斬新だったんだ。「常在精神」は「連繋する以外に効果を使う方法は無いで」というピーキー過ぎる呪文だったのだが、こちらは一応素でも唱えられるようにコストが設定され、非常に丸い呪文に落とし込まれた。とはいえ、普通に唱えてもスペルカウントくらいしかうま味はないので、やっぱり狙うは連繋効果。あらゆるスペルが3マナでキャントリップになるのは馬鹿に出来ない効果だろう。公式が煽っている通り、連繋という特性を活かしてストーム呪文にぶら下げるっていうのがかなりおしゃれ。やり過ぎるとライブラリアウトで死ぬから気をつけなよ。
 
 
除外/Exclude (INV)」 U
 こちらも私の愛するインベイジョン環境でエース級の活躍をした思い出の呪文。これまで「25thマスターズ」で1度再録されているが、こうしてモダンでの使用が解禁になるというのはまた感慨深いものである。まぁ、3マナの呪文なのでモダンで使用に耐えるかは微妙なところだが、そのシンプルなアドバンテージ構造は純粋な強みであることは間違いない。コントロールデッキでの採用はありえるだろうか。なお、残念ながらこちらはアンコモンに格上げされている。やむなし。まぁ、リミテッドでバカスカ出てこられても困るしな。
 
 
ミルカイト Eyekite (1)(U) C
クリーチャー・ドレイク
1/2 飛行
あなたがこのターンにカードを2枚以上引いているなら、〜は+2/+0の修正を受ける。
 可愛い。いや、よく見るとキモい気もするんだけど、まぁ、多分可愛い。名前も微妙にこだわりがあり、もともとの英語名は「ヘルカイト」のもじりなのだろうが、日本語ではそのまんまの名前にしても「Eye」の特徴の部分が伝わりにくいってんでわざわざ「ヘルカイト」に寄せて似た名前に聞こえるようにしてあるわけだ。なんにしても、ちょい間抜けな感じはよく出ているんじゃなかろうか。ギミックとしては、今回青赤にちょこちょこ配置されている「1ターンに2枚以上引いたら」という条件が盛り込まれた小型のフライヤー。手っ取り早いのはルーターとの併用、さらにサイクリングデッキでの運用も効果的。安定してそうした追加ドローが可能な体制が整えば2マナ3/2フライヤーという破格の性能である。まぁ、残念ながら何もしてないデルバーの方が強いやんけ、って話なのだが……。まぁ、あれと比べるのは酷な話よね。リミテッドのアクセントとして。
 
 
嘘か真か/Fact or Fiction(INV)」 U
 立て続けにインベイジョンからの再録。こちらは数々のサプライセットで再録されているのですでに懐かしさも何もあったもんじゃないが、実は(モダンとはいえ)リーガルセットでの再録は初。またどこかで、あの悩ましい山分けクイズが繰り広げられることになるのだろうか。ちなみに今回のイラストはジェイス版
 
 
フェアリーの予見者 Faerie Seer (U) C
クリーチャー・フェアリー、ウィザード
1/1 飛行
〜が戦場に出た時、占術(2)を行う。

 シンプルであるが故にその強さが引き立つ1枚。1マナ1/1飛行の時点で世が世なら合格だが、そこに内蔵しているのは「前兆語り」や「賢者街の学者」が2マナで成し遂げた占術2である。そりゃもちろん2マナ1/3も強いが、飛行を持つ1マナのフェアリーに付けられたとなればまた格別。1ターン目からクロックを増やし、次のターンの「呪文づまりのスプライト」に備えながら、着実に盤面を固めていこう。ところで、こいつどこの次元のフェアリーだ? やたらガタイがよくて何かキモいのだが……。


 
 
否定の力 Force of Negation (1)(U)(U) R
インスタント
あなたのターンでないなら、あなたはこの呪文のマナコストを支払う代わりに、手札から青のカードを1枚追放しても良い。
対象の、クリーチャーでない呪文1つを打ち消す。この方法で呪文が打ち消されるなら、そのカードを墓地に置く代わりに追放する。
 なんとも話題性に富む1枚。見ての通りにこれまでのMagicのカウンターの歴史の複合技。その大元にあるのは当然「意志の力/Force of Will」なわけだが、さすがにWillをモダンレベルにまで引き上げるわけにもいかないので、対象が非クリーチャー呪文に制限された。その分コストは大幅に軽くなったので普通にマナを払って唱える選択肢も選べるようになったし、一応ピッチコストの1ライフペイもなくなっている。さらにその代償として自ターンにはピッチで唱えられないという不思議な制限が加わり、さらにさらにその埋め合わせとして呪文の追放効果が。なんかもう、飴と鞭の雨あられで何がどう強いのかもよくわからなくなっているが、相手次第ではとにかく「モダンで使えるWill」なんだから今後は常に採用が検討される枠になるのは間違いない。制作チームが調整に調整を重ね、「このバランスでどや?!」と意気込んでいる姿が想像できる、なんとも気になる1枚ではある。これがこのセット一番の目玉とかになるのはさすがに勘弁だけどな。
 
 
未来予知/Future Sight(ONS)」 R
 数少ない「エキスパンション名と同名のカード」の1枚。他は「猛攻撃/Onslaught」や「未来視/Visions」などが存在している。さておき、エタマスなどでも再録されているのでそこまで久しぶりって感じでもないのだが、オンスロート環境当時は、出たらそりゃぁ強かったのでやたらおっかない印象がある1枚。下の環境でも採用実績があるらしいが、モダンでも活躍する余地はあるのだろうか。どっちかっていうとコンボ向けな気はするが。
 
 
氷山のカンクリックス Iceberg Cancrix (1)(U) C
氷雪クリーチャー・カニ
0/4
他の氷雪パーマネントがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたは、対象のプレイヤーが自分のライブラリを上から2枚墓地に置くことを選んでも良い。
 ライブラリを、削ろうというのですか? そうですか……。元ネタは上陸を駆使してライブラリを削り各種デッキで意外な人気を見せた「面晶体のカニ」。コストは倍になってしまったが、その分タフネスも倍になったのでシステムクリーチャーとして生き残りやすくなったのは純粋にプラス。あとはどの程度掘削能力が高いかの勝負。ある程度の準備は必要になるが、総合力ならこちらのカニの方が先輩よりも高性能である可能性が高い。何しろデッキの土地を全て氷雪にしておけばとりあえず「面晶体のカニ」と同様に上陸条件でのライブラリアタックは可能だ。それに加えて毎ターン1枚でも氷雪がプレイできれば合計4枚。土地1枚から3枚を削っていたカニを上回る成果といえるだろう。まぁ、氷雪フェッチなんてものは無いのでその分割り引いて考える必要もあるかもしれないが……。そして先輩との最大の違いは、こいつがコモンであるという点。うまくいけばリミテッドならこれをかき集められるかもしれないし、集めれば2体目のカニが1体目の条件を満たす役割も果たしてくれる。とにかく前を向いてライブラリを削れば、そのうち光(ライブラリの底)は見えるんじゃなかろうか。なお、モダンではあんまりそういうことやらない方がいい。
 
 
大クラゲ/Man-o’-War(VIS)」 C
 まぁ、入るべくして入ってくるだろう、往年の名選手。今となっては似たようなカードも増えてきたのでそこまで希少価値は感じられないが、それでもやっぱり「クラゲが戻す」という部分に美点を感じる人もいるとかいないとか。普通に考えたらウィザードシナジーが見込める分「排斥する魔道士」でいい気がするが、どうしても自軍クリーチャーが戻したいとか、そういう時に。
 
 
マリット・レイジのまどろみ Marit Lage’s Slumber (1)(U) R
伝説の氷雪エンチャント
〜か他の氷雪パーマネント1つがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、占術1を行う。
あなたのアップキープの開始時に、あなたが氷雪パーマネントを10個以上コントロールしているなら、〜を生贄に捧げる。そうしたなら、2020で飛行と破壊不能を持つ黒の、マリット・レイジという名の伝説のアバター・クリーチャー・トークンを1体生成する。
 出ちゃうぞ強いぞ、ぼくらのマリットレイジ。こうして同じ名前・能力を持つ同一の伝説トークンが異なるカードから登場するってのは初めてな気がするのだが……なんか例があったかしら。とにかく、みんな大好き、マリットレイジが新たな誕生ルートを確保した。これまで超速爆誕を実現していた「暗黒の深部」とは逆の設定になっており、あちらはじわじわ氷が溶けて中からマリットレイジ。今回は氷雪の力を蓄えて、閾値を超えたらマリットレイジ。どちらもそれなりに手間はかかるはずだが、パーマネント10個程度ならそこまで無理せずとも狙える数字な気もする。どうせこれを狙うデッキなら土地は全部氷雪なのだろうし、このエンチャント自体も氷雪。となれば5マナ時点であと4枚の氷雪パーマネントを工面すればめでたくレイジ。手助けのために「アズカンタ」ばりの占術まで付けてくれるのが心憎い。もちろん「暗黒の深部」だって氷雪なので一緒に使っても良い。レッツマリット。ただしどちらから出しても伝説は伝説なので1体しか維持出来ないことには注意。まぁ、2体もいらんが。先に「深部」からマリットレイジを出していた場合でも、こちらは条件を満たすと自動でサクられてしまうので注意すること。
 
 
ミラディン包囲戦 Mirrodin Besieged (2)(U) R
エンチャント
〜が戦場に出るに際し、「ミラン」か「ファイレクシア」を選ぶ。
ミランあなたがアーティファクト呪文を唱えるたび、1/1で無色の、マイア・アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。
ファイレクシアあなたの終了ステップの開始時に、カードを1枚引き、その後手札を1枚捨てる。その後、あなたの墓地に15枚以上のアーティファクト・カードがあるなら、対象の対戦相手はこのゲームに敗北する。
 もう、初見で爆笑してしまった1枚。どの辺りが笑いどころかお分かりだろうか。戦場に出る際に「どちらの陣営」を選び、その選択によってガラリと効果を変える常在型エンチャント。この元ネタになったのは、タルキール次元で開発された「包囲」サイクル。カン(氏族の長)の時代から龍(ドラゴン)の時代へと移り変わる時代の変換点を描いた「運命再編」は、丁々発止でやりあう2つの勢力の激突と、どちらに転ぶかわからない手に汗握る戦いの火花を描くのにもってこいの環境だったのだ。おそらく、過去のカードファイルを漁っていてこの「包囲」サイクルを見つけた製作陣は、「このギミックも1つくらい入れようか」と話しあったはず。そして、サイクル名が「包囲/Siege」となっていることから、「どこを包囲する?」と考えたはず。そして、その瞬間に、下手したらみんなで同じ答えを思いついたんじゃなかろうか。「ミラディンだ!」と。そう、「ミラディン包囲戦/Mirrodin Besieged」は「ミラディンの傷跡」ブロックの2つ目のセットの名前。そしてまさに、旧ミラディンが一致団結したミラン軍と、新たな侵略者であるファイレクシアが一進一退の攻防を続けており、公式が「ミランが勝てば次のエキスパンションは『清純なるミラディン』に、ファイレクシアが勝てば『新たなるファイレクシア』になります!」なんて対立煽りまでやっていたのだ。もう、こんなにぴったりな歴史的シチュエーションはない。作られるべくして作られた新たな「包囲」。それは歴史の1ページを切り取った記念すべきカードなのである。そこまでの部分で満足しちゃったから効果はどうでもいいや。一応ミランを選べば「マイア鍛治」、ファイレクシアを選べばルーターからの「アーティファクト殺し尽くしたら勝つ」能力をゲット。これも高速で墓地を肥やしてファレイクシアを選らんどけば勝てる試合がある気がするな。
 
 
霧組のナーガ Mist-Clan Ninja (2)(U) R
クリーチャー・ナーガ、忍者
3/1 忍術(2)(U)
〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、〜のコピーであるトークンを1体生成する。
 ふえーる忍者。とりあえず忍術でワンパン入れれは3マナで3/1が2体場に残る。この時点でもういろいろ得している。そして、次のターンに相手がこの両方を止める確証がない限り、連鎖は終わらない危険性がある。「殴ったらコピー出すで」のクリーチャーが、スタート時点でコピーを抱えているのは割と反則だ。過去には似たような分身の術を使う「ジェスカイの浸透者」なんてヘンテコクリーチャーも存在したが、さすがにここまで無節操にトークンは出していない。まぁ、これでようやくニンジャが正式に分身の術を使える設定になったのだし、今後もいろんな忍術を繰り広げていくことだろう。順逆自在の術とか、転所自在の術とか。
 
 
月刃の忍び Moonblade Shinobi  (3)(U) C
クリーチャー・人間、忍者
3/2 忍術(2)(U)
〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、1/1で飛行を持つ、青のイリュージョン・クリーチャー・トークンを1体生成する。
 どうやら忍者ってのはカタナに特殊な能力を帯びさせるようで、過去の忍者には似た名前の「霧刃の忍び」なんてのがいた。こちらの忍びのジュツはトークン錬成。ご丁寧にトークンは飛行を持っているので攻撃を通しやすく、このイリュージョンを介して次なる忍者の忍術を送り込んだりもできる。3マナで着地できる割にサイズもそこそこだし、いっぺん通せばクロックの増加が見込めるのは純粋に強み。コモンで手に入るので、青が相手の時は序盤の不用意なアタックにも注意を払おう。

 

 


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8月25日 ドラフト模様(M19×3)

ピック順 【Thraxi】→【Chrolony】→【Alessi】→【Tanaka】→【Serra】→

 

 お盆休みの影響で本当なお休みのはずだったけど、急に変更になって発生したドラフト。まぁ、あんまり空きすぎると全部忘れちゃうからこれくらいで助かった。ちなみに、その影響もあって(?)来週がお休みになります。現時点での予定を確認しておくと、次回は9/8の予定でここは確実にM19が余っているのでそれでプレイ。残りのドラフト回数が最大3回(15日、22日、29日)なんだけど、果たしてここはどっちのパックになるのか……今のところ、某デュエリスト奴が試合で勝ち取ってくるパック次第みたいなとこあります。3戦連続でできるならギリギリで箱買いしてペイ出来るのだか、それ以下になるとパックを個別で買わなきゃいけなくて効率が悪いので、早めに予定は固めたいところだが……正直、「今更ドミナリアに戻って覚えてるか?」みたいな気もする。

 それと、今回1つ思いつきでちょっとした変更を行った。実はこの記事読んでて初めて知ったんだけど、「アメリカではカジュアルなドラフトだとパックをどんどん流す」って書いてあって、「確かに、わざわざ待ってる意味ないよな」ってんで、今回試験的に「引いた人からどんどん流す」っていうスタイルでのドラフトを実施。まぁ、我々のコミュニティの場合、パックの取り回しが雑なので気をつけていても取り違えとかミスが連発するので微妙なところなのだが……実際、今回も1ヶ所ミスが出ました(1枚拾い忘れてしばらく無視されたカードがあった)。でもまぁ、そこまで大きな混乱もなくピックできたので、ある程度場所が確保できて、注意力のある人間だけでやるならこの方式でも問題ないかもしれません。

 個人的に注目したい副次効果として、「無駄口がなくなる」っていうのがあります。我々のドラフト、いくら注意しても無駄口が多く、時には「それ、反則やろ」っていうような発言まで出たりするんですが、今回の方式だとみんなして急かされるようにピックする上に「ほとんど人間が暇」っていう時間が減るので、無駄な発言の頻度が下がります。あと、あくせくするので他人の余計なセリフに耳を傾ける余裕がなくなるっていう。ただ、ピック中の無駄口も含めてドラフトの醍醐味だと考えると味気ないとも言えるかもしれません。すげぇ作業感が強くなるので。五人戦であっさり終わってしまう試合の場合、せっかく集まったのにこれだと物足りないっていう気持ちも無くはない。今後は様子を見てですかね。

 さらにさらに、今回から少しずつ「全員でBrowlのデッキを持とう」という企画もスタートすることにしました。一応5人で色が被らないように調整しようと思ったんだけど、気づいたら黒を選ぶ人間が1人もおらず、私が黒単を担当することに……まぁ好きだからいいんですけどね。今から黒に変えたいという人も募集中ですのでお気軽に変更申し出てください。まだ何も始まってないので自由自在です。

 あと(今回連絡事項が多いな)、夏休みの暇な時間で、長年ほったらかしにしていたこのブログ右柱部の「ドラフト通信」っていうリンクを使いやすく更新しました。どの環境でどれくらいドラフトしたか分かりやすくしました。こうしてみると、10年くらい前と比べてもさすがに回数は減ってますね。

 

 


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8月11日 ドラフト模様(M19×3)

ピック順 【Chrolony】→【Serra】→【Thraxi】→【Tanaka】→【Alessi】→

 

 まだまだ続く基本セット環境。結局箱を追加したのであと2戦はM19です。まぁ、9月にちょろっとドミナリアに戻るくらいでちょうどいいんじゃないでしょうか。その方が新鮮味もあるし。まぁ、戦績の方はあんまり新鮮味がなくて残念だが……。

 次回は予定通りにお盆休みです。さらにその翌週もすでに欠席報告が1名出ているので、何も連絡がなければお休み。次回はもう9月に入ってしまうのだな(9月1日です)。遠方面子で25日に来たいっていう人がいたら応相談だけど、わざわざ5人戦やりに来る人間はあんまりいないかな。

 

 


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8月4日 ドラフト模様(M19×3)

ピック順 【Chrolony】→【Alessi】→【Sangriter】→【Thraxi】→【Serra】→【Tanaka】→

 

 M19環境3回戦。今回も6人集まっていますが、先週とは面子が変わっています。人数が少なくなるとか嘆いていたけれど、こうして週替わりで別メンバーが毎回卓に入るローテーションが組めれば安定して6人戦が出来るのでは?! 

 ちなみに、来週からお盆休みだと言っていたがありゃァ嘘だ。結局今週(8/11)も普通にいつも通りの時間にドラフトが発生することが決まったので、来たい人間はいつでもきてもらってかまわんのやで! 今週は無事に○○○部屋が確保できたおかげで、ドラフトは涼しい環境でプレイすることが出来ました。来週もそうなるといいなぁ(人任せ)。ちなみに多数決の結果、それなりに満場一致で来週以降もM19が開封されることが決定しました。やっぱり新しいカード触る方が全体的に楽しいようですね。なんか、別ルートからパックを獲得した人間がいるらしいので、1箱(36パック)購入すると、別ルートの9パックと合わせて45パック。5人戦だとちょうど3回分。今後3回はM19です。いや、別に6人戦以上になってもいいんだよ。いいんだよ! 11日とか、お盆休みに入ってる社会人もいるんじゃないの?!

 

 


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7月28日 ドラフト模様(M19×3)

ピック順 【Chrolony】→【Thraxi】→【Serra】→【Tanaka】→【Alessi】→【Sea-chcken】→【Mei】→

 

 M19環境2回目。そして、前回六人戦だっただけでも僥倖なのに、さらに今回は人数が増えて七人戦!! どういうことだ? みんな、夏の暑さにやられてしまったのか? しかも今回台風来てたんやぞ。幸いドラフトは夕方には終わったので半数の人間は台風が本格的に到来する前に帰宅できたのだが、残りはドラフト後のレクリエーションが本番。私などは夜が明けて台風が去るまで動かなかったからよかったけど、よりによって真っ盛りに帰宅を試み、電車が止まって立ち往生した可哀想なやつも。みんな、ドラフトに来るときには往復の足も計画的にな!

 

 来週はとりあえず通常通りに開催予定です。5人になるのか、6人になるのかは分からないけど。とりあえず次回まではM19で開催されることが確定。その次の週(8/11)はおそらくお盆休みってことになるんじゃないかしら。翌週はまだわからない。8月後半、9月に剥くパックがM19になるか、ドミナリアになるかもまだわからない。

 

 


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7月21日 ドラフト模様(M19×3)

ピック順 【Thraxi】→【Tanaka】→【Serra】→【Alessi】→【Chrolony】→【Mei】→

 

 一応新環境! まぁ、基本セットだけども……。でもでも、これでも昔の基本セットに比べたら随分進化しているんだよ。昔は本当に「再録するカードをなんとなくぶち込んだ」みたいな状態だったからな。まぁ、当時は拡張セットもそこまで激烈に売りたい欲求が満ち満ちてなかった気がするので、相対的に適当な基本セットでもよかったのだろうけども。一応「M○○」シリーズになったあたりでその辺りに改善の兆しがあり、オリジンでの経験を経ての今回のM19。それなりにリミテッドも面白い……といいな。正直、まだわかりません。個人的には「想像以上にスケイプシフトとるつぼの値段が下がってびっくりした」っていう感想以外は特に。どっちかっていうと、この時期のドラフトは地獄の暑さの中で繰り広げられるっていうダイレクトな思い出の方が強いよな。オリジンの時は夜中に屋外でドラフトやってたっけなー。

 

 さて、来週の話。なんだかあれよあれよと話が進み、次週はなんと七人戦(?)の予定となっている。事情としては「ドラフトと関係ない懐かしいやつが来るらしい」→「じゃぁ、せっかくなのでアイツも呼ぼうぜ!」→「アレとアレが来るなら来週も行く」と、まるで鮎の友釣りのようにして馬鹿どもが釣り放題である。さすがにこの人数がいつも通りの時間にいつも通りの場所でドラフトをやったら確実に焼死体が出来上がるので、例によって通称○○○部屋を予約しておけたらと思います。もう、汗でライフ記入用紙が朽ち果てるような環境はマジ勘弁。

 

 


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7月7日 ドラフト模様(DOM×3)

ピック順 【Chrolony】→【Thraxi】→【Alessi】→【Serra】→【Tanaka】→

 

 個人的には忙しい日でした。諸事情により開始時刻が通常の昼から夜に移されたことで、私はプレリリースに出ることができるようになった。そこで、パックの先行購入特典もあるということで勇んでプレリに参加。即2敗してドロップという悲しい結果を迎え、その足でさらに今回のドラフト。こちらは開始時刻になってもメンバーが揃わず、必死に連絡を取るも音信不通。面子が足りずにもう不成立かと思われたギリギリのタイミングで連絡が繋がり、予定より1時間遅れでの開始(夜開始だが、当然のように遅刻の理由は寝坊である)。その後、来週は予定が入ったためにドラフトが不成立、という連絡を受け、せっかくのM19までしばらくお預けということになった。しかしそれじゃ残念だ、という有志(バカともいう)が試合後も残り、3人だけで謎のウィンストン・ドラフトを開催するに至った。1つ1つは大したことないが、1日に3イベントってのはなかなかない経験である。そんな様子だったので、日が経ってこの通信を書き始めている現時点で記憶が曖昧なのはしょうがないよね。プレリの結果記事は特に書くことないからパスね。

 

 というわけで今週のドラフトはお休みです。来週(7/21)は現在の予定ではM19を予定しています。嫌な人間はドミナリアのパックを用意してください。

 

 


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