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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 今回は環境がマジでわからねぇからドラフト前に1回カード触っておきたいよなー、でもプレリ予約しなかったしなーとか思って、試しに当日電話してみたらショップは二つ返事で「空いてますよ」とのこと。意外に余裕でした。まぁ、センター試験だしな!


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1月15日 ドラフト模様(BFZ×3)

ピック順 【Mei】→【Serra】→【Alessi】→【Thraxi】→【Sea-chicken】→【Sangriter】→

 

 環境最終戦! 今年からこの切り替えが一週間早いのよね。ちなみに次の「イニストラードを覆う影」も4月頭発売で、これまでの第3セットよりも約一ヶ月早くなっています。年3つのサイクルから4つのサイクルになっているので、微妙に間隔が短くなってる。忙しくはなるけど、ここから2ヶ月ちょいの間は、無色マナとの戦いになります。ちなみに勘違いしてたのでここで訂正しておくと、「荒地」の収録は「コモン枠に」「イラスト違いで2種」で正しかったみたいです。つまり通常コモンの2倍の出現率です(最大で荒地が3枚入ってるパックがあってもおかしくないってことだな)。ピック表はこれまで通りに14引きまででOKだ。

 さて、勝手を知ったこの環境もお別れなわけだが……果たして、「勝手知ったる」だったのかどうかは今でも怪しい。

 

 


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Merchant’s Porter 商人の荷運び (1) R

アーティファクトクリーチャー・構築物

1/2

(3)(U)(T)、あなたのコントロールするアンタップ状態のアーティファクトをX個タップする:あなたのライブラリを上からX枚見る。そのうち1枚をあなたの手札に加え、残りを好きな順番でライブラリの下に置く。

 どうやらレアに与えられた「色マナで起動する能力」カードはセット跨ぎのサイクルになっていたようだ。「屑鉄場のたかり屋」「ボーマットの急使」と来て、青はこちら。いかにも青らしい、腰を据えたアドバンテージ能力は「ボーマットの急使」とは好対照か。1マナで設置し、4マナでドローといえば最近でも「歪みの預言者(GTW)」がおり、リミテッドレベルなら抜群の働きを見せた。今回は1ターンに1回制限とはいえ、ドロー性能は更に向上。レアリティを上げた分の説得力を増している。まぁ、色々と下準備は必要だが、回り始めた時のペイの大きさを考えれば許容範囲内だろうか。あとは大怪獣がバンバン暴れ回るこのカラデシュ世界で、こういう悠長な作戦を維持するだけの態勢が整えられるかどうかだが……。まぁ、最悪でも「1マナでアーティファクトが増やせる」と考えれば。「主な仕事は回転翼機のパイロットです」っていうお約束の光景。

 

Metallic Mimic 金属ミミック (2) R

アーティファクトクリーチャー・多相の戦士

2/1

〜が戦場に出たとき、クリーチャータイプを1つ選ぶ。

〜は本来のタイプに加え、選ばれたタイプでもある。

あなたのコントロールする選ばれたタイプのクリーチャーは、追加で+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る。

 機械の身体はどんな種族にでも変幻自在。過去にもこうして自由に種族を代えて応援するアーティファクトは何体か存在しており、始祖として上げられるのは「真鍮の伝令(8ED)」だろうか。その後、より機能を絞り込んだ「順応する自動機械(M12)」が開発され、お望みとあらばあらゆる種族でロードクリーチャーを使うことが可能になった。そしてこの度、更なる軽量化に成功してついに2マナに。2/1とステータスはそれなりで、支援能力が登場時のカウンター配布へと変更された。全体に波及しない点は悩ましいがこいつが対処されてもカウンターが残るのはプラスといえるかもしれない。ちなみにリミテッドで一番現実的なコールは「霊気装置」である。もちろん、下の環境なら「順応する自動機械」と合わせて大量のアーティファクト・ロードをぶち込むという夢も実現可能。ニッチなタイプの支援者はこれでまた1つ力を得たことになるはずだ。頑張れ、世界のデビル応援団(なお、デビルデッキを自称するためにはティボルト4積みが義務化される模様)。

 

Mobile Garrison 移動駐屯所 (3) C

アーティファクト・機体

(3/4) 搭乗2

〜が攻撃するたび、対象の、あなたのコントロールする他のアーティファクトかクリーチャーをアンタップする。

 コモン機体その2。今回は上述の「鉄装破壊車」とこれの2枚体勢だが、「破壊車」と比べてマナコストが1,搭乗コストが1減ったおかげで、なんとサイズが半分にまで削られてしまうという体たらく。規格外のサイズでブイブイ言わせるのが機体の真骨頂だというのに、これではそこらへんの3マナ域でも割と互角に渡り会えてしまうので説得力はあまりない。その分、この機体は他のクリーチャーを支えるアンタップ機構が搭載されている。普通に使うだけだと他のアタッカーに警戒を付けるだけの役割だが、こいつが動いているということは間違いなく隣になんらかのタップ状態のクリーチャーは存在するわけで、決して無駄になる能力ではない。機体を使っていてやきもきする状況の1つに「1体で殴ってるのに2体タップしちゃうから防御が手薄になって結局ダメージレースで負ける」みたいなシチュエーションがあるが、この機体は事実上乗り手を消費せずに攻撃に行けるので、防御のバランスは取れるというわけだ。まー、ハナから防御のことを考えて動く時点でマイナス思考でしかないとは思うが……。一応、相手クリーチャーをタップ出来る「鎮定工作機」なんかと組み合わせれば加点は狙えるか? あと「査問長官」ね。今後枚数が減るのでほぼ役に立たない「査問長官」ね!

 

Night Market Guard 夜市の護衛 (3) C

アーティファクトクリーチャー・構築物

3/1

〜は各戦闘で追加のクリーチャー1体をブロック出来る。

 基本的には白の能力である「追加ブロック」を、なんと無色で実現した凄腕ブロッカー! ……あぁ、そう……。まぁ、3マナでパワー3だから。最低限の仕事は出来るから。「枝細工の魔女(SOI)」の上位互換だぜ。強いだろ。うん。せっかくこんな珍妙なフォルムなんだから、「双頭スリヴァー(TSP)」みたいに攻撃力でも優遇されれば良かったのに。

 

Ornithopter/羽ばたき飛行機械(M15)」 U

 おまえおるんかい。確かにInventionに収録されてるんだからいてもおかしくないが……リミテッドでの運用方法ってどうなるんでしょうね。確実なのは、0マナで展開出来るので即席カードに対してはマナ加速として機能すること。あとはまぁ、装備品なりオーラなりで強化して戦うってのも無くはないが。この世界はあんまりそっち方向のニーズはなさそうね。フライヤーに対しては1回チャンプブロッカーになれるよ。ちなみに、フレーバーのピアさんの台詞が彼女の優しさに溢れていてとても良い。飛行機械って、そういう役割のものなんだな。

 

Pacification Array 鎮定工作機 (1) U

アーティファクト

(2)(T):対象のアーティファクトかクリーチャーをタップする。

 カラデシュ次元の技術力の高さを痛切に感じさせる1枚。タッパー・アーティファクトは当然過去の歴史に何枚かあるわけだが、歴史に名を残せたカードは多くはない。開祖とも言える歴史的な1枚は「氷の干渉器(10ED)」。こちらは1マナで土地までタップ出来る優れものだが、設置コストは4マナとそれなり。そんな先輩の強さを制御するために続けて作られたのは「巨石の罠(RAV)」だが、あまりの性能にリミテッドですら一度も見かけなかったポンコツ品に。流石にまずい、ってんでよりスマートにまとめられたのが「首吊り罠(SHM)」。こちらはいくらか使いやすくなったおかげで、リミテッドではそこそこの活躍。そして時代が進んでアーティファクト次元のミラディンへと到り、時代はようやく「転倒の磁石(SOM)」へと辿り付いた。構築でも大活躍したこの磁石を焼き直した「行き詰まりの罠」も、現在そこそこ活躍中だ。今回作られたこのカードは先輩の中では「首吊り罠」が一番近いのだが、設置コストが軽減、さらにアーティファクトもタップ出来るようになり、かなりのアップグレードを達成。過去の歴史を振り返れば構築で使われるカードの共通点は「起動コストが軽い」ことなので構築での活躍は流石に難しいが、即席コストへの割り当ても期待できるため、リミテッドでの活躍は間違いないだろう。

 

Paradox Engine パラドックス装置 (5) M

伝説のアーティファクト

あなたが呪文を唱えるたび、あなたのコントロールする全ての土地でないパーマネントをアンタップする。

 唱える呪文が全部「劇的な逆転」になるという大馬鹿装置。土地は起きないが、土地以外からマナが出せれば簡単に無限マナに接続出来るのはご承知の通りだ。現在、スタンダード環境にすら「謎の石の儀式」というジャストフィットなカードがあり、クリーチャーが3体以上いるところで「格納庫の整備士」2体を出し入れすればそれだけで無限マナ。さらに隣に「拡大鏡」があれば無限ドローになるのでゲームエンド。簡単だ。他にも様々なコンボが考えられる1枚になっている。だからこその5マナなのだろうが、果たしてこのコストがコンボパーツとしての足かせになるかどうか。まぁ、アーティファクトに頼るコンボって割と対策しやすいから成立させにくいんだけどね。リミテッドだと大体の場合「全軍警戒」くらいの意味しかないのであんまり役に立たないが、何か変態的なシナジーを見つけて夢を追ってみるのもいいかもしれません。ほら、えーと、えーと……「査問長官」の高速起動とか。

 

Peacekeeper Colossus 平和歩きの巨像 (3) R

アーティファクト・機体

(6/6) 搭乗4

(1)(W):対象の、あなたのコントロールする他の機体は、ターン終了時までアーティファクト・クリーチャーとなる。

 多少変則的だが、これも「色マナ起動レア」サイクルの1枚か。ボロスが推進する「無人機体起動計画」をレアからもサポート。しかも、マナさえ払えばいくらでも機体が動き出すというなかなかの大盤振る舞いだ。これさえあれば「領事府の弩級艦」も充分一線級だし、そうでなくとも複数の機体を展開して押し込むパターンが実現しやすくなる。最低でも自身が運用に足るレベルの機体性能をもっているし、「機体デッキ」に投入する分には筋が通っている。まぁ、コイツ頼みでろくにクリーチャーも入れずに機体デッキを組んだら、結局こいつがいないせいで瓦解する可能性が高いので、あくまで支援レベルで勘定しないとだめだけども。

 

Planar Bridge 次元橋 (6) M

伝説のアーティファクト

(8)(T):あなたのライブラリからパーマネント・カードを1枚探し、それを戦場に出す。その後、あなたのライブラリを切り直す。

 初見では「好きなパーマネントカードを手札に入れられる」だと思って「三つの願いの指輪(M14)」のパチモンやんけ、って思ったんだけど、最後まで読んだら直接場に出せるって書いてあったから「やべぇ!」ってなったんだけど、さらに冷静に考えたら「これ、霊気池で良くないかな……」ってなった。そりゃ夢はあるさ。設置してしまえばエムラクールだろうが「グリーマックス(UHG)」だろうが8マナぽっきりで出し放題。状況に応じて好きなカードがサーチ出来るのだから、もう負ける事はないはずだ。……でも、8マナってなぁ。いや、軽くされても困るが……。事実上「コスト踏み倒し」効果は意味が薄く、どんな状況にでも対応出来るシルバーバレット発射装置としての性能の方に意味があるかもしれない。たとえば「呪文捕らえ」が入っているデッキならどんな状況だろうとカウンターが撃てるわけだし、「激変の機械巨人」を積んでおけばインスタントでラスゴることも出来る。このカードが割られそうになったら「発明の領事、パディーム」を出せば問題無いはず。本当にたくさんの夢を売ってくれるのは間違いない。ただ、使いこなすとなるとなぁ……。ヘヴィーコストの代名詞であるエルドラージと能力が噛み合わないのがなぁ。どっちかっていうと下の環境、いや、統率者戦用のカードと見るべきなのか。相手コンボに対応して「ウギンのきずな」をサーチするプレイとか、是非やってみたい。どんなデッキだろう。ボク分かんない。

 

Prizefighter Construct 拳闘構築物 (5) C

アーティファクトクリーチャー・構築物

6/2

 「ガラスのゴーレム(RAV)」の種族変更再版。ゴーレムから構築物という、何とも微妙過ぎる変更だ。一撃の破壊力はコスト以上のものをもっているが、あまりの脆さにあっという間にすり切れてしまうため、使うとしたら当然別な何かと組み合わせることが求められる。単純だが効果がでかいのは「撃砕確約」との組み合わせだが、今後は枚数が減ってしまうのが辛いところ。他にはパワーを上げて飛行までつく「浮遊化改造」や、9/2先制攻撃という恐ろしいステータスが出来上がる「攻城化改造」のオーラサイクルなんかは面白いかも。「活力の奔出」1枚でも戦況はだいぶ動くしな。まー、アーティファクトにこだわらないなら、5マナ域はもうちょっと使いやすいカードが多いだろう。戦闘でほぼ相手が殺しに来てくれることを考えると、これも遠回しな紛争トリガーとして用意されたカードなのかも。

 

Renegade Map 改革派の地図 (1) C

アーティファクト

〜はタップ状態で戦場に出る。

(T)、〜を生け贄に捧げる:あなたのライブラリから基本土地・カードを1枚探し、それを公開して手札に加える。その後、あなたのライブラリを切り直す。

 旅行者の護符(THS)」の調整カード。必要なマナ数が1減ってより手軽になったが、その分、出したターンに使えないというデメリットが与えられた。この制限は、このカードを純粋に「土地調整カード」として見る場合にはあまりデメリットにはならない。「護符」だって余分にマナがかかったのだから出したターンに使おうとしたらマナの総量は増えなかったのだし、序盤の運用を考えたら総コストの低減の恩恵の方が大きいだろう。ただ、このカードが即席用、紛争用と考えると、なるほど悩ましい調整。出したターンに即席に使えず、即席に使ったら起動は出来ない。そして引いたターンのうちに紛争を起こせないというのも絶妙なタイムラグを生んでしまう。色々考えるもんである。何はともあれ色マナ調整としては非常にお手軽な一枚なので、私のようについつい色を広げてしまう人間にはありがたいカード。「予言のプリズム」と違って2ターン目から動きやすいのも助かるだろう。今回は色々とサブの役割も多いので、心持ち早めの確保を。

 

Reservoir Walker 歩行貯蔵器 (5) C

アーティファクトクリーチャー・構築物

3/3

〜が戦場に出たとき、あなたは3点のライフと(E)(E)(E)を得る。

 優しさ溢れる機械。「平和の徘徊者(MBS)」にエネルギーを積んだら1マナ重くなったカードと考えると、コモンの割には頑張っているんじゃなかろうか。3/3の肉だって馬鹿に出来ないし、アーティファクトクリーチャーの価値は高い。そう考えると案外「天才の片鱗」クラスのアドバンテージと言えないこともない。言えないかな。「織木師の組細工」で事足りるとか言うなら、もう組細工さんちの子になっちゃいなさい。

 

Scrap Trawler 屑鉄さらい (3) R

アーティファクトクリーチャー・構築物

3/2 

〜かあなたのコントロールする他のアーティファクトが戦場から墓地に置かれるたび、対象の、あなたの墓地にあるそれよりも点数で見たマナコストの低いアーティファクト・カードを手札に戻す。

 全てのアーティファクトに転生能力を付けてしまおうという豪儀すぎるレア。神河世界では特定のスピリットにのみ与えられて傭兵チェインのように連鎖を紡いだ転生能力だったが、それが巷に溢れるアーティファクト全部についたら、一体どうなってしまうのだろう。例えば「面晶体の書庫」を起動したら3マナ以下のカードが手札に戻るので「作業場の助手」が戻る。そして「助手」が死ねばまた面晶体が戻るし、そのついでに「テラリオン」でも拾っておけばさらにアドバンテージが拡大。なにも考えずとも、マストドンが死んで孔雀になり、孔雀が死んでオオトカゲになり、オオトカゲが死んでコブラになり……。あまりにお手軽過ぎるリサイクルラッシュである。このカードのひどいところは、そんなチート気味のエンジンに3マナ3/2が普通についているところ。「作り変えるもの」同様にデッキに積む枚数をあまり気にする必要が無く、4枚突っ込んでも(2マナ以下のアーティファクトを確保出来れば)手軽にアドバンテージに繋がるのだ。このクリーチャーが並べば個別に能力は誘発するので、2体いれば実質無料で「金属製の巨像」をグルグル回したりも。下の環境の親和に混ぜ込むと、「電結の荒廃者(DKS)」によるフィニッシュパターンがダイナミックに加速するのである。これ、一体どうなっちゃうんでしょう。怖い。

 

Servo Schematic 霊気装置の設計図 (2) U

アーティファクト

〜が戦場に出るか戦場から墓地に置かれたとき、【霊気装置】トークンを1体生成する。

 「歯車工の組細工」を、より専門職に寄せたデザインの1枚。イメージとしては「胆液の水源(MBS)」なんかに似ている。2マナで出して、更にサクって霊気装置を1枚ずつという動きは「歯車工の組細工」と全く同じなのだが、サクる時にコストが必要ないので上手くいけば「霊気装置の展示」と同じコスパ。さらに、サクるエンジンがあるってことはそのコストの支払いで何らかの恩恵を得られるわけで、コスト面での向上は結構な差だ。その分サクり装置が無ければ不発になってしまう危険性もあり、正確にそういうカードに寄せていく努力が必要になる。上手くすれば「強気な回収者」にカウンターを3つも乗せられるカードなのだから、赤黒系のサクりエンジンに上手く組み込みたいところだ。アンコに設定されてるってことは、この世界ではこれがコモンだとマズいってことなんだろうし。しかし、なんで設計図が壊れたときにも霊気装置が出てくるんだろうな。

 

Treasure Keeper 財宝の守り手 (4) U

アーティファクトクリーチャー・構築物

3/3

〜が死亡した時、あなたのライブラリを、点数で見たマナコストが3以下の土地でないカードが出るまで公開する。あなたはそのカードを、マナコストを支払うことなく唱えてもよい。この方法で公開され、唱えられなかった呪文を、ライブラリの一番下に無作為に置く。

 あの「作りかえるもの(GTW)」が、なんとアンコモンでリメイク。1マナ重くなってしまったが、マナ色の制限が無くなったのだからそれくらいは受け入れてもいいだろう。そして、「作りかえるもの」は3マナ以下なら直接場に出し、駄目なら手札、という処理だったが、こちらは確定で3マナ以下が出るまでめくる。そして、パーマネント以外のカードもコスト無しで唱えることが可能なのである。この仕様で残念なのは、捲れたカードがカウンターのようにタイミングを限定するものだったときだけ。「作りかえるもの」と比べて大きく見劣りしているわけではない。それが4マナ3/3の充分サイズのアーティファクトってんだから、そりゃもう、どんなデッキでもとりあえず入れておけの精神ですよね。絶対損はしないんだから。こいつがいると、いっそ1マナ2マナのカードを入れずに3マナからデッキをスタートさせたくなることくらいが悩みといえば悩みか。いや、悩まないけど。

 


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<無色>

 

Aegis Automaton 神盾自動機械 (2) C

アーティファクトクリーチャー・構築物

0/3

(4)(W):対象の、あなたのコントロールする他のクリーチャーをそのオーナーの手札に戻す。

 各色に与えられた色マナ起動サイクル。共通仕様は、軽めでさりげないボディに、何らかの起動型能力があるということ、あと名前が全部「〜Automaton」。こいつが冠している「神盾」っていう単語、Magicだと「Aegis」の定訳なんだけど、「aegis」って普通に「保護」「庇護」の意味があるらしいので、わざわざ盾って書かなくてもええやん、って思うのだが、何故か「神盾の天使(M15)」にしろ「まばゆい神盾(DTK)」にしろ、毎回ちゃんとイラストには盾が出てくるのね。今回の盾もまたでかい。こんだけでかい盾を持ってるんだからさぞかし固いディフェンスを誇るのだろうと思いきや、これが案外そうでもない。2マナ0/3というやる気のないボディに、他のクリーチャーを守るというか、場外に投げっぱなしにする投擲力の方が見もの。それにしたって5マナもかかっちゃうので起動するのはかなり大変。どうせなら追加効果もある「抽出機構」の方がありがたいのですがね。まー、「領事府の空船口」が減るので、とりあえず序盤の壁役がほしい場合や、何でもいいからアーティファクトカウントを増やしたい場合に。よっぽど強い187能力持ちがいるなら終盤のシナジー見込みでの採用もあるかもしれないが、流石に悠長すぎやしませんかね。

 

Aethersphere Harvester 霊気圏の収集艇 (3) R

アーティファクト・機体

(3/5) 飛行 搭乗1

〜が戦場に出たとき、(E)(E)を得る。

(E):〜はターン終了時まで絆魂を得る。

 ??? ん? ??? なんだこれ。えーと、「回転翼機」よりも1マナ重たいから弱いね。パワー一緒だからね。ルーター出来ないからね。まぁ、タフネス増えてるし、エネルギーもらえるし、絆魂もついてるけど、3マナだから当然だよね。………………いやいやいやいや、おかしいやろ。その性能はおかしいやろ。せめて絆魂いらんやろ。なんでダメージレースが一方通行やねん。なんで搭乗1やねん。今回「致命的な一押し」っていう確定除去が手に入ってコプター対策も多少はマシになったはずなのに、なんですぐにその除去が効かない(効きにくい)カードが出てくるねん。え〜〜〜。まぁ、やっぱり2マナと3マナの差は大きいのでコプターほどの大ブレイクにはならないと思うが、それでもこのスペックは雑過ぎる。エネルギーがついてくるってことはエネルギー系のデッキでの投入も見込めるってことで、暇になった「導路の召使い」あたりがコレに乗ってブイブイ言わせそう。機体……旬やなぁ。

 

Augmenting Automaton 増強自動機械 (1) C

アーティファクトクリーチャー・構築物

1/1

(1)(B):〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。

 各色に収録された色マナ起動サイクルの黒。前回は「プラカタの柱行虫」の絆魂だったが、今回は黒らしい能力の1つ、シェイドである。ただ、アーティファクトであんまり優秀な能力には出来ないので増強効率は良くない。基本的な運用方法は2マナの追加でタフネス2と相打ちになることだろう。ゲーム序盤なら2/2程度の打撃力でもそこそこだが、残念ながら序盤は1点のダメージよりも2マナの方がはるかに大事なので、結局こいつがパンプするとしたらそれは相打ち狙いのタイミング以外に無いのである。そして、わざわざマナを注いで相打ちになるくらいなら、最初から2マナくらいで2/2のクリーチャーを使った方が手っ取り早い。残念ながらあまり顧みられないクリーチャーだ。一応1マナで置けるアーティファクトなので、よっぽど即席色が強かった場合の穴埋め程度に。

 

Barricade Breaker バリケード破り (7) U

アーティファクトクリーチャー・巨大戦車

7/5 即席

〜は可能ならば各戦闘で攻撃する。

 いわば巨大「巨大戦車(M15)」。ジャガーノートさんに+2/+2修正を施したら3マナも重くなってしまったが、その分は即席でまかなえますよ、という気遣い屋さんだ。「巨大戦車」も使い方次第で充分主力級の働きをするカードだったが、こいつはさらにパワー7という化け物なので相手は絶対に無視出来ない。まぁ、チャンプブロックでお茶を濁せれば問題はないのだが、世の中には「撃砕確約」みたいな呪文もあるので油断出来ないだろう。5ターン目に5マナで登場しても充分な脅威、4ターン目に4マナならもう地獄。即席デッキのフィニッシャーに。

 

Cogwork Assembler 歯車組立工 (3) U

アーティファクトクリーチャー・組立作業員

2/3

(7):対象のアーティファクトのコピー・トークンを1体生成する。そのトークンは速攻を持つ。次の終了ステップの開始時に、それを追放する。

 歴史上カード化されたのはわずか1体だけだったはずの組立作業員が、なんとカラデシュ世界では3枚も!! 製造機械が発展しているカラデシュならではの現象。元祖作業員メーカーだったミシュラさんも驚きの技術力である。そして、そんな新たな作業員は、なんとあらゆるアーティファクトをコピーしてしまうという、オーパーツレベルの技術力を持つ機械。そこそこサヒーリの領域だ。ただ、流石に完コピまでは及ばず、作った機械はあっという間に壊れてしまうし、べらぼうなコストも必要。まぁ、タップ無しの起動型能力だし、これくらいでギリギリってことだろう。序盤は適当な肉として何となくうろうろし、機が熟したら立て続けに「砦のマストドン」や「アラダラ急行」なんかをぶつけてやればいい。一応毎ターントークンが戦場を離れるので紛争トリガーに使えなくもないが、終了ステップに発動してもあんまりシナジーは無いな。ちなみに、「サヒーリの芸術」やサヒーリさん本人と手を組むと、彼女はどんなクリーチャーもアーティファクト化してトークンを生むので、好きなクリーチャーを量産出来るようになったり。何かミラクルがあるかも。ないかも。

 

Consulate Dreanought 領事府の弩級艦 (1) U

アーティファクト・機体

(7/11) 搭乗6

 弩級。まさに弩級。1マナというコストにとんでもないステータスというこの設定から、名付けは明らかに「ファイレクシアン・ドレッドノート(MIR)」を意識している。しかし、ほぼコンボパーツに限定されていた先輩ドレッドノートと違い、こちらのカードは下手したら使えちゃう可能性が見え隠れするのが怖いところだ。搭乗6もの人員を使ってパンチしたら7点のバニラ。回避能力は無いので、単に「みんなの力を一つに合わせた」という程度の破壊力。適当なトークンでチャンプブロックされれば、結集した力の果てに残るのは無残にも大量にタップした自軍クリーチャーたち。何のサポートも無い状態では、わざわざこんな面倒な船を動かす気にはならないだろう。だとしたら何のための1マナかといえば、おそらくは赤に与えられた「機体を勝手に動かしちゃう」系を意図したデザイン。今回登場した「浮遊化改造」や「攻城化改造」を使えばカード2枚(全部アンコだけど)で化け物が恒常的に利用可能だし、「エンジン始動」からの突然の出港は相手の度肝を抜ける。また、今回は白に「機体を飛ばす」パイロットなんかもいるので、そうした支援があれば多少強引に出撃しても意味はあるだろうか。とにかく、1枚で何か出来るカードではないので、シナジー、信念、愛情、破れかぶれなど、何かしら理由を与えてからの起用になるはず。面倒だったら「気宇壮大」で。

 

Consulate Turret 領事府の砲塔 (3) C

アーティファクト

(T)(E)を得る。

(E)(E)(E)(T):〜は対象のプレイヤーに2点のダメージをあたえる。

 何となくエネルギー消費先。毎ターンタップで自前のエネルギーを蓄え、3ターンに一発の砲弾を発射出来るというセッティングは「光明の大砲(SOM)」と同じだが、あちらはレア、こちらはコモン。その性能差は歴然である。とはいえ、確実なエネルギーの消費先があるというのはそこまで悪い話ではない。これまで「改革派の霊気砲手」の6点ビームを撃ってみたいと思ってもなかなか発射するタイミングを決めあぐねてヤキモキした経験を持つ人も多いだろうが、この砲台ならそれなりに現実的な充填率でも発射出来るので小回りが効くし、自前で蓄えられると思えば早漏な射出もまかなえそうな気もしてくる。いっそのこと2台設置すれば2ターンに1発は撃てるのだから、それだけで勝ちを狙うクソダルデッキなんかを狙うのも面白いかもしれない。いや、勝てるとは思わんけど。

 

Crackdown Construct 弾圧する構築物 (4) U

アーティファクトクリーチャー・構築物

2/2

あなたがクリーチャーかアーティファクトのマナ能力でない能力を起動するたび、〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。

 一応一部では話題のコンボの新星。見ての通り、能力起動が無限に出来れば無限パンプなので0マナで起動出来る能力があればそれだけで無限パワーの怪物に進化するのだ。過去にも0マナ起動能力を軸にしたコンボはいくつか存在しており、有名なのは0マナ起動の「コーの遊牧民(STH)」と「ダールの降霊者(SCG)」を軸にしたループジャンクション。他にも0マナ起動の「手甲(BOK)」に「セファリッドの幻術師(TOR)」を組み合わせたセファリッド・ブレックファーストなどもある。この構築物は単にパワーが無限になるだけなのでそれだけでは決め手にならないが、とにかくなんでもいいから0マナ起動能力が一緒に存在するだけでいいのが強み。流石にスタンダードにそんな都合のいいカードはないだろう、と思ったらちゃんと「さまよう噴気孔(OGW)」というおあつらえ向きのカードがあり、よりによって土地が相方でコンボとしての安定感が増す結果に。赤を使うならトランプルも付けやすいので、単発コンボとして成立させやすくなっているのも見逃せない。このセットで生まれた2つの瞬殺コンボがこれからの環境にどう影響を与えるのかは注目だ。なお、制限が緩いのでリミテッドでも割と大きくなりやすい。例えば機体の搭乗なんかも立派な起動型能力なので、こいつの攻撃がスルーされたのを見て仲間クリーチャーが一斉に「航空艇」に乗り込むと、人数分のパンプが出来てさながら「磁石マイア(MRD)」のごとし。色々と面白効果を探してみよう。

 

Daredevil Dragster 無謀者の競走車 (3) U

アーティファクト・機体

(4/4) 搭乗2

各戦闘終了時に、〜がその戦闘で攻撃かブロックをしていたなら、〜の上に速度カウンターを1つ置く。その後、〜の上に2つ以上の速度カウンターが置かれているなら、〜を生け贄に捧げてカードを2枚引く。

 フレーバー的にはなかなか面白い機体。3マナで出して搭乗2で4/4。サイズだけで考えればコモンの「改革派の貨物車」と大差ないのでそこまで魅力的な機体とは言えないのだが、ポイントは向こう見ずな突進性能。ちょいとギアを上げるだけで壊れる粗悪品だったらしく、使えるのは2回こっきり。2度目のアタックで明後日の方向へと走り去ってしまい、後には2枚のカードが残されるという。それなりの戦力が消えてしまうというのは痛手ではあるが、形はどうあれアドバンテージには違いない。「マルドゥの炎起こし(KTK)」なんて1回の戦闘で契約が切れて違約金も払わずに逃げていたのだから、2回使えた上に保証金が戻ってくるこいつはかなり良心的。ドローが嫌で相手が相打ちをとってきたらそれはそれでOKなのだ。どう転んでも損はしないし、アーティファクトが増えて紛争のタネにもなる。頭が悪そうに見えて実はかなりの名脇役なのだ。

 


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<多色>

 

Ajani Unyielding 不撓のアジャニ (4)(G)(W) M

プレインズウォーカー・アジャニ

<+2>: あなたのライブラリを上から3枚公開する。公開された全てのパーマネント・カードを手札に加え、残りを好きな順番でライブラリの下に置く。

<-2>: 対象のクリーチャーを追放する。そのコントローラーは、そのクリーチャーのパワーに等しい値のライフを得る。

<-9>: あなたのコントロールする各クリーチャーに+1/+1カウンターを5つ置き、あなたのコントロールする他のプレインズウォーカーに忠誠カウンターを5つ置く。

【4】

 せっせと慈善活動に励みながら不殺を貫く義の漢、アジャニ。テーロスで最愛の(?)ペスさんを失った後にどこで何をしているかと思ったら、神河でタミヨウスクールの「読み聞かせ」先生になったり、オビアばあちゃんの飼い猫になったり、色々な次元で「もふもふネコさん」としてのポジションを確立。なんだか家々を回って餌をもらい歩く野良猫みたいな生活を送っている。まぁ、PWって本気で正義のお仕事をやろうとすると、マジで次元を飛び回らなきゃいけないのでこういう根無し草の生活になるからね。ラヴニカとゼンディカーで超絶ブラックな二重生活を送っていたギデオンともども、白のPWってのは本当に大変な性分である。ラヴニカでの事務仕事にヒーヒー言って逃げだそうとしていたどこぞのギルドパクトにも見習って欲しいものである。

 さておき、そんなアジャニさんが無事にカード化して登場。今回もテーロス版から引き続きセレズニアカラーになっており、カラデシュではちょっとだけオビアさんに義理立てしているような印象か。ペスさんとの関係で培った「PWに優しいPW」という個性もそのまま守られており、最終奥義では自らの命を燃やしてチームメイトを一気に爆裂させるドリームを抱えている。まぁ、どうせ「起動すれば勝ち」なのが奥義なんだからその辺は気にしなくて良いとは思うけど。大事なのはプラスと小マイナス、そしてマナコストに忠誠度だ。6マナというと相変わらず悩ましいコスト域だが、最近では1つ前のチャンドラなんかはばっちり活躍していた範囲内。登場後とりあえず忠誠度を6にしての大量アドバンテージ獲得能力だけでも軽くヤバい。5マナソーサリーで3ドローくらいは普通に活躍出来るわけで、同等の効果を忠誠度6のライオンがやらかすのは、相手からしたら拷問みたいなもんだろう。自分を守る効果こそないものの、相手が嫌がってアジャニを殺しに来たら6点分の避雷針になっているわけで、それはそれで結果オーライなのである。もちろん、急場には相手のパワーを削ぐ小マイナスも選択肢になるだろう。不殺を誓った身とはいえ、「農場に送らないとは一言も言っていない」がアジャニさんの弁(俺調べ)。「剣を鍬に」能力で問答無用の多次元送り。おそらくテーロスに飛ばされてメレティスあたりで麦農家にでもなってるんじゃないかな。出た直後にソープロだと忠誠度が残り2なので微妙ではあるが、追放除去ならギリギリOKか。理想としては出たターンにとりあえずアドバンテージを頂いておき、後は状況を見ながらちょいちょい敵クリーチャーを潰してカードを引いていく展開がベストだろう。5ターン目「燻蒸」から彼に繋げば、割とコントロールは出来そうな気がするよ。ギデオン、ニッサ、アジャニと並んだ質実剛健のセレズニアウォーカーズ。これからも各方面での嫌がらせが続きそうである。

 

Dark Intimations 闇の暗示 (2)(U)(B)(R) R

ソーサリー

各対戦相手はクリーチャーかプレインズウォーカーを生け贄に捧げ、手札を1枚捨てる。あなたは自分の墓地にあるクリーチャーかプレインズウォーカー・カードを手札に戻す。その後、カードを1枚引く。

あなたがボーラス・プレインズウォーカー・呪文を唱えた時、あなたの墓地にある〜を追放する。そのプレインズウォーカーは追加で忠誠カウンターが1つ置かれた状態で戦場に出る。

 アジャニが白緑なら、残りの3色のPWだって元気に頑張っております。すでに次の「アモンケット」の予告の意味も込めて、ニコル・ボーラスさんの匂いだけ感じさせるナイスカードの登場。こういう次元を跨いだギミックっていいよね。まぁ、「ウギンの目(WWK)」のときみたいに色々妄想出来るわけじゃなく、今回は「次のセットでボーラスがカード化する」っていう(割と分かりきっていたことが)明らかになっただけだけども。個人的には「名高い武器職人(FRF)」みたいに世界観を跨いでる雰囲気があるのは好きです。さておき、そんなボーラスさんが暴れる予告編は、グリクシスカラーってことでプチ「残酷な根本原理(ALA)」。大事なライフの増減がなくなってしまったし、2マナ軽くなっただけで随分プチになったが、流石にマナシンボルの重さが桁違いなのでそこはしょうがないところだろう。5マナでアドバンテージ3枚分なら充分過ぎる効果であるし、運用に無理のないコストなのだから、噛み合うコントロールデッキが登場すれば確実に使われるレベルではある。ただ、手広くやり過ぎて焦点がぼやけてしまっている感はあるので、コントロールに必要な各種除去やアドバンテージソースの優先順位のどのあたりに入るかは未知数。次の環境で多色の運用が安定するなら選択肢としては有力か。だいぶボーラス推しみたいなので「連合の秘宝(M13)」なんかが再録されると面白いかも。ちなみにこのカードも「注目のストーリー」の1枚であり、ナンバリングはラストを飾る5/5。つまり、このカードのシーンがアモンケットへの接続を果たすということ。イラストの真ん中にいる人物はテゼレットだろうが、このカードのイラスト自体も何となくボーラスをイメージしたものになっているのが芸の細かいところ。ボーラスさんといえばご立派な角と、その間に浮かぶ謎の球体がトレードマーク。今回のイラストはそのイメージを構図で再現しているわけだ。こういう遊びも楽しくて良いね。

 

Hidden Stockpile 秘密の備蓄品 (W)(B) U

エンチャント

紛争 - あなたの終了ステップの開始時に、【霊気装置】トークンを1体生成する。

(1)、クリーチャーを1体生け贄に捧げる:占術1を行う。

 ここからは多色アンコ枠。最近のエキスパンションではすっかりお馴染みだが、今回も多色カードはアンコ以上に設定され、各ギルドに1枚ずつ。そして、どれもこれもギルドごとの戦術を押しだし、非常に強力なものが揃っている。そんな中、エンチャントで与えられたのがこちらのオルゾフカラー。「復讐作戦(EMN)」のときもそうだったが、オルゾフってエンチャント好きのカラーリングってことになってるんでしょうかね。ギミックとしてはカラデシュから受け継いで「トークンで横に伸ばせる」が白黒戦術。紛争条件を満たせばコスト無しでトークンがもらえるのだから2マナで設置しておく価値はあるだろうし、ついでに無駄になりそうなクリーチャーの命を占術燃料として活用することもできる。また、手軽にサクれるエンジンがあることで自由に紛争条件を満たせるようになり、このカラーリングが紛争を後押ししていることも窺える。紛争カードがどの程度リミテッドで絡むかはまだ定かでないが、こんだけ準備されているのだからこのカードだってきっと強いはず。ちなみに、こうしたサクり台がいくつか登場したことで、これまでほとんど日の目を見なかった「乗っ取り」の価値が上昇しているのだが、このカードと(R)(R)は流石に組み合わせられないかね。

 

Maverick Thopterist 異端の飛行機械職人 (3)(U)(R) U

クリーチャー・人間、工匠

2/2 即席

〜が戦場に出たとき、【飛行機械】トークンを2体生成する。

 イゼットカラーの即席機械職人。「つむじ風の巨匠」の後釜としてどんなエネルギー捌きを見せるのかと期待していたが、なんと踏襲したのはエネルギーじゃなくてソプターさばきの方だった。5マナからのソプター2体ということは「試験飛行士」と同じなので、とりあえず出せればそれなり。「試験飛空士」は飛行持ちとはいえ本体にあまり意味は無かったので、貧弱ながらも一応肉がついてくるのはプラスの変化じゃないだろうか。そしてこれに加えて即席能力も持っているのがイゼット流。より素早く、よりエレガントにソプターを用意するのだ。1ターン目2ターン目にアーティファクトが展開出来ていれば「つむじ風の巨匠」と同じ3ターン目に着地し、出せるソプターの数も1つ多い。まぁ、その後の展開が無いので巨匠に比べるとデッキでの重要度は下がってしまうが……。展開時に増やせるアーティファクト数はこちらに軍配が上がるのだから、ここから更に即席に繋げるとかいう霊気紛争満載デザインなら充分個性を主張できるはず。大丈夫、「撃墜」はそうそう出てこないはずだから!

 

Oath of Ajani アジャニの誓い (G)(W) R

伝説のエンチャント

〜が戦場に出たとき、あなたのコントロールする各クリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。

あなたの唱えるプレインズウォーカー・呪文のコストは(1)少なくなる。

 まーたホイホイ誓っちゃって……。まぁ、アジャニさんといえば初代プレインズウォーカーズの一員なわけで、遅かれ早かれ誓うことにはなってたんだろうけども。なお、初代の中で唯一誓ってないどこぞのPW殺しのことは知りません。ただでさえPWに優しいことで有名なアジャニさんの誓いなので、その効果も単純明快。PWのコストを軽くし、後続をガンガン呼んでくるのだ。これで大量のPWをぶっ込んだ大行進デッキを組むんや! と言いたいところだが、いかんせんこのカード自体が緑白なので、オールスターを揃えるのにはマナの調達が割と面倒。つまりこれは、緑をベースにして「ニッサの誓い」4積みの状態でぶっ込めということなのだろうか。でも、そうすると最初のカウンター載せる能力があんまり使えない気も……。クリーチャーに優しいのかPWに優しいのかはっきりしてくれませんかね?!(逆ギレ) まー、どちらかの能力単体でも充分強いし、横に並べるタイプの緑白デッキならこれだけでも出番はあるかも。これと「集団的努力」で全軍にカウンターばらまく呪文が8枚積める。……いや、ニッサも合わせれば12枚積めるな。……今後のアジャニさんはニッサと仲良くしていけばいいわけですね。ペスさんが嫉妬しそう。でも、人付き合いが苦手なニッサも猫となら付き合えそうだしなぁ。

 

Outland Boar 辺境地の猪 (2)(R)(G) U

クリーチャー・猪

4/4

〜はパワー2以下のクリーチャーによってはブロックされない。

 多色アンコだからでかい枠。グルールカラーの押し出す戦術は単純明快。「出して、殴れ」だ。先輩である「通電の喧嘩屋」はエネルギーも絡めてそのあたりを押し出していたが、今回エネルギーギミックは割と5色にばらまかれるらしいので、赤緑は積極的に押し出さずともいいということなのだろうか。4マナ4/4の迫力ボディに、さらに緑が推し進めているブロック抑止まで追加。このクリーチャーを止めるためには最低でもパワー3が2体必要になり、パワーの値がなかなか増えない守備的なデッキにとっては悪夢のような存在。せっかく「亢進する亀」を育てて2/5にしても、こいつの前では壁の役を果たさない。一息吐くために出した「高峰の職工」、ファッティの天敵「ナーナムのコブラ」なんかも余裕でスルーだ。単体でこれだけの重戦車っぷりを誇るのだから、特にデッキに工夫を凝らさずともメインアタッカーとしてデッキイン出来るだろう。

 


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1月8日 ドラフト模様(BFZ×3)

ピック順 【Alessi】→【Thraxi】→【Sea-chicken】→【Sangriter】→【Mei】→

 

 ハッピーニューイヤーズ初ドラフト! でも! やっぱり! 5人戦!! 辛いです!

 まー、それでもやるけどさ。約1名、もうホームシックみたいになってた人もいたし。クリスマス、正月と挟んだから2週間休んじゃったんだよね。で、久しぶりにやったと思ったらもうこの環境は次で終わりってんだから薄情なもんだ。一応今回もいうだけ言っておくと、「皆さん、悔いの残らないように」。もう、僕はこの願いを叶えることは出来ない状態ですけどね……。

 ちなみに、本年一発目のドラフトで各人が開けたレアで運勢を占ってみよう。その5枚のレアとは……「希望を溺れさせるもの」「墓所からの行進」「うねる撃ち込み」「見捨てられた神々の神殿」「ウギンの聖域」。……………………ほんと、徳の低い連中しか集まってねぇな……Drownerの人だけ辛うじて中吉かな。なお、2パック目ではさっそく今年1枚目の「プリズム結界」も登場。今年もいい年になりそうだなぁ!

 

 


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<緑>

 

 

Aether Herder 霊気運用者 (3)(G) C

クリーチャー・エルフ、工匠、ドルイド

3/3

〜が戦場に出たとき、(E)(E)を得る。

〜が攻撃するたび、(E)(E)を支払ってもよい。そうしたなら、【霊気装置】トークンを1体生成する。

 「霊気」サイクルのトリを務める緑のエルフ。仕様は当然同じだが、他の連中と違ってキーワード能力を持っていない。「緑なんだからサイズがそこそこあればいいやろ」っていういつものパターン。そして、実際にそこそこのサイズがあるからまぁいいのである。4マナで2エネルギーなのでサイクル中ではもっとも効率が悪いのだが、どうせ4マナクリーチャーを並べている時点で1/1のトークンなんて意味が薄いのだから、そこは電池役と割り切って他のカードにエネルギーを注いでもらおう。あとは3/3クリーチャーとして天寿をまっとうするだけの話である。「カラデシュなら同じコストにピーマがいたのに」とか文句言っちゃ駄目。この子だって気にしてるんだから(多分)。

 

Aetherstream Lepard 霊気流の豹 (2)(G) C

クリーチャー・猫

2/3 トランプル

〜が戦場に出たとき(E)を得る。

〜が攻撃するたび、(E)を支払ってもよい。そうしたなら、〜はターン終了時まで+2/+0の修正を受ける。

 色々と経費削減を行った「水辺の虎」の後輩クリーチャー。初期ステータスが半分、得られるエネルギーも使うエネルギーも半分、そして増強幅もある意味半分。ただし、マナコストだけは半分には出来なかった。実際の使用感は「虎」よりも「垂涎グレムリン」の方が圧倒的に近いだろう。グレムリンは1ターンに一気にパワーを上げることも出来たが、基本は4/3トランプルでのパンチだ。このクリーチャーは、他のアーティファクトの力を借りずにそのグレムリンの基本ムーブを解決出来るということ。つまり、これまでの試合でグレムリンがやってきたことを思い出せば大体の強さが計れる。「悪くないけどそこそこ」だ。やっぱりパワーが上がらないから相打ちは難しくないのよね。まー、3マナのクリーチャーなのだから同じくらいのコスト域のカードと相打ちし、ついでにいくらかトランプルでダメージをたたき込めれば不満は無いが。サイや虎のように安定した運用感にはならない。ただ、緑には+1/+1カウンター戦術という独自ルートがあるのは重要なポイント。軽いクリーチャーなので「弱者狩り」や「獰猛器具」などでサポートしやすく、素でトランプルを持っているためにカウンターで増強した後は一気に危険域に跳ね上がる。場を繋ぐ3マナ域と割り切ってもいいが、せっかくなんだからじっくり育ててみたいところだ。

 

Aetherwind Basker 霊気風浴び (4)(G)(G)(G) M

クリーチャー・トカゲ

7/7 トランプル

〜が戦場に出るか攻撃するたび、あなたのコントロールするクリーチャー1体につき(E)を得る。

(E):〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。

 普段ならハイドラやエレメンタルあたりが占めることが多い緑の神話枠だが、今回は何故かトカゲ。満ち足りた霊気の流れを受け、カラデシュではどんな生き物も元気です。ただ、神話の性能としてどうかと言うと、今回はちょっと残念枠。そりゃ当然出たら強いが、まず出るのが大変。7マナのカードってのはランプデッキのラストに位置するマナ域なわけで、「世界を壊すもの」のようにせめて187能力を持っててついでに「コジレックの帰還」を引き連れて帰ってくるくらいの迫力が求められる。このトカゲも187能力は持っており、出ただけで自軍クリーチャー数分のエネルギーがもらえる。悪くないボーナスだが、そんなこたぁ「シャイラ専有地の賢者」だって似たような仕事をこなすわけで、何かもう一声。そこで、今度は殴った時にも同じエネルギーを獲得し、そのエネルギーを全身全霊、トランプルでもって相手に叩きつけるという。「仲間がいっぱい必要」「出たターンに無防備」「殴ってようやく起動」となかなかハードルは高そう。まぁ、エネルギーデッキで調整すれば、一応エンジン役とフィニッシャーを同時にこなせるので可能性は無くもないが……7マナなぁ。

 

Aid from Cowl 僧帽地帯からの援軍 (3)(G)(G) R

エンチャント

紛争 - あなたのターンの終了ステップの開始時に、あなたのライブラリのトップを公開する。それがパーマネント・カードであるなら、それを戦場に出してもよい。そうしないなら、あなたはそのカードをライブラリの一番下に置いても良い。

 紛争してないなら何もしない系エンチャント。古くは「狩猟場(JDG)」なんかは割と近い印象。クリーチャーの死亡を見張る「死の存在(RTR)」も似てるところがあるし、アドバンテージの得かたは「隠れ潜む捕食者(M10)」あたりが元になっているだろうか。これらのカードの共通点は、「書いてあることは強そうだが構築で特に活躍していない」ということ。どうしてもコストが重く、そこからジワジワアドバンテージを広げていくのは結構な手間なのだ。今回のカードは毎ターン紛争状態を用立てる必要があり、更にデッキ次第ではそれでも外れくじを引かされる可能性がある。どうにも制約の多いカード。リミテッドで狙ったら何とか元が取れるかも、くらいだろうか。いや、構築の方が専用デッキは組みやすいはずなのだが、「霊気池の驚異」という分かりやすく、太刀打ち出来ないライバルもいるため、ちょっと勝負にはならないだろう。せめて相手ターンエンドにも誘発してくれれば良かったのだが……。

 

Druid of the Cowl 僧帽地帯のドルイド (1)(G) C

クリーチャー・エルフ、ドルイド

1/3

(T):あなたのマナ・プールに(G)を加える。

 どこから見てもマナエルフ。紛う事なきマナエルフ。現代のMagicシーンには「ラノワールのエルフ(M12)」は認められないらしく、ここ最近はマナクリーチャーは最低でも2マナ以上というのが常識になりつつある。プレイヤーの間にもその認識が共有されるようになってきたおかげで、最近は割と色々な2マナのマナクリーチャーが手軽に作れるようになった。「葉光らせ(ORI)」の後進である「黄金の雌鹿(JOU)」やレアの「死天狗茸の栽培者(SOI)」など、2マナだと2/1というステータスが多かったが、今回はお尻でっかちで守り優先のデザイン。未来に大きな可能性があった「ウルヴェンワルドに囚われしもの(EMN)」から未来の可能性を奪った代わりにタフネスが1増えたカードである。変化としてはすこぶる地味だが、「マナさえ出ればどんなクリーチャーだって強い」は世界の常識。こいつだって新たな世界のリミテッドなら貴重なマナソースとして活躍が期待できる。カラデシュはこれまで「導路の召使い」というアンコしかマナ加速の手段がなかったので、久しぶりに登場したコモンのマナクッリーチャーで、3ヶ月ぶりにまた新たな展開力が得られそうだ。

 

Greenbelt Rampager 緑地帯の暴れ者 (G) R

クリーチャー・象

3/4

〜が戦場に出たとき、(E)(E)を支払う。そう出来ない場合、〜をそのオーナーの手札に戻し、あなたは(E)を得る。

 象印のエネルギー運び。博覧会を賑わせていた「博覧会場の吠え象」は領事府が盛り上げるイベントの象徴だったが、こちらは反逆した改革派の破壊兵器としての象だ。超軽いがデメリット持ちで簡単には出せない象というと「はぐれ象(WTH)」の系譜だろうか。ただ、「はぐれ象」と違ってこちらは1ターン目にもやるべきことがあるというのがオリジナルのポイント。エネルギーが2個無い状態で呼び出してしまうと「お腹空いたパオ」というので手札に戻ってしまうのだが、その際、何故か象の歩いた道にはひっそりとエネルギーが1つ。つまり、1マナがエネルギーに変換出来る。2ターン目に2枚目の森があれば準備OK、もう一度出して「お腹空いたパオ」、さらにもう1回出せばめでたくエネルギーが足りているのでパオーンだ。2ターン目には確実に3/4を出撃させることが可能になるし、(G)(G)(G)の3/4クリーチャーと見ることも出来るのだから、最低限の仕事はこなしてくれる。もちろん、このカードが活躍する最善の場所はエネルギーデッキだ。2ターン目に「シャイラ専有地の賢者」を出しておき、3ターン目に象が2頭一気にパオーンならなかなかのプレッシャーだし、暇な時にはエネルギー2つまでなら好きにチャージ出来る電池にもなる。出ては戻るのでこのカードはいつでも紛争トリガーを誘発出来ることを忘れてはいけない。場に出たときの支払いは強制なので、この象を使って好きなだけマナをエネルギーに、みたいなことはできないが、序盤にエネルギー2個分の保証があるというのは案外助かるものだ。総じて見れば、弱いタイミングはほぼ無いカード。出してしまえばバニラには違いないが、単純に同マナ域で負ける理由は無いし、3〜4マナ圏のカードと相打つなら御の字。今後のエネルギーデッキがどういう形に変わっていくのかも気になるところだ。

 

Greenwheel Liberator 緑輪地区の解放者 (1)(G) R

クリーチャー・エルフ、戦士

2/1

紛争 - 〜は+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。

 手堅く手軽な紛争戦士。2/1と最低限の性能を備え2マナ域のカードとしてはそこそこだし、中盤以降、戦闘を挟んでから登場すれば割とあっさり2マナ4/3。「タララの大隊(EVE)」や「レンの地の克服者(LRW)」といったエルフ全盛期のサイズを実現したカードだ。このカードを入れて能動的に条件を満たしていくことはそこまでハードなミッションでもない。分かりやすいのは「テラリオン」みたいなサクって起動するカードとの組み合わせ。リミテッドでも各種「組細工」と合わせれば(4,5マナかかるけど)4/3を確保するプランは描きやすい。当然、下の環境ならフェッチからの2ターン目2マナ4/3がほぼ約束されたようなもの。「タルモでいいじゃん」という声に耳をふさぎたい貧しい人たちにとっては救いの1手になりうるアグレッシブなクリーチャー。タルモと違ってカウンターが置かれた状態で登場するという特性もあるので、「硬化した鱗(KTK)」のようなシナジーを期待することも出来るかもしれないし。

 

Heroic Intervention 英雄的介入 (1)(G) R

インスタント

あなたのコントロールするパーマネントは、ターン終了時まで破壊不能と呪禁を得る。

 とにかく絶対うちの子に触らないで!!! という強固な意志が感じられる圧倒的防衛ライン。通してしまえばよっぽどのことがない限りはクリーチャーは鉄壁。時たま「ヤヘンニの巧技」なんかに流されちゃうクリーチャーはいるかもしれないけど、そこは愛嬌、気合いでカバー。これだけの鉄壁性能が2マナで提供されるなら頑張って使ってみようかな、という気にさせる呪文だが、「単に強いことが書いてあるから」ってんでデッキインしちゃうのは危険。冷静に考えると、大体の場合は対処法として「顕在的防御」で足りてます、なんてことは多いはず。その場合、この2マナという良心的に見える設定ですら足かせになる可能性はあるのだ。クリーチャー主体のデッキの場合、一定のクリーチャー数を確保するため、除去やコンバットトリックは厳選に厳選を重ねた選りすぐりのみが投入される。その時、このカードが独自の良さを発揮して勝ち残れるかどうかは、案外微妙なのかも。まぁ、全体除去が吹き荒れる環境なら、やっぱり安心感は段違いですけどね。なお、リミテッドでなら使いどころには困らないが、やっぱり単体除去に応じて使っちゃうことが多い気がするよ。

 

Hidden Herbalists 隠された薬草医 (1)(G) U

クリーチャー・人間、ドルイド

2/2

紛争 - 〜が戦場に出たとき、あなたのマナ・プールに(G)(G)を加える。

 紛争出来ればそこそこ「炎樹族の使者(GTC)」。残念ながら色マナの融通も利かないし、連打するだけで盤面を埋めてゲームを決めさえする大先輩にはどうあがいても追いつけないのだが、半ばコワレレベルの先輩と張り合おうとしてもしょうがない。調整された結果の紛争仕様である。「炎樹族」の場合は2ターン目からガンガン展開することに意味があったが、紛争条件があるということはこのカードを2ターン目に活かすのは難しい。試合中盤以降、何となく紛争条件が満たされたタイミングで、ヌルッと呪文の間に入って2/2を1体追加する程度の仕事が基本になるだろう。積極的に運用したいなら、1つは何とかして2ターン目に紛争出来る状態にすること。現在手っ取り早いのは「テラリオン」くらいだろうか。そしてもう1つは、何らかのコンボ要素を仕込むこと。例えば「パンハモニコン」がある状態ならこいつは立派な「暗黒の儀式」。こいつが2体と「格納庫の整備士」が1体いれば、(1)(G)(W)が9マナに膨れあがる。流石にそこまでいけば時代の波も感じられそう。他にも「巧技」サイクルで唱えればマナが増えたりも。これで「集合した中隊」と同じ時代にいればまた違った動きがあったかもしれないのだが。

 

Highspire Infusion 高峰の注入 (1)(G) C

インスタント

対象のクリーチャーはターン終了時まで+3/+3の修正を受ける。あなたは(E)(E)を得る。

 このセットのジャイグロのコーナー。カラデシュは「飾りの勇気」といういくらか守備寄りのカードが担当していた枠だが、今回は素直なジャイグロ性能を提供。1マナ重くなった分、独自ギミックとしてエネルギーももらえるコスパに優れた優良トリックだ。「溶接の火花」「絶妙なタイミング」「当然の結論」「抜き取り検査」といった強力なインスタント除去が吹き荒れていた時代は終わりを告げ、今回の除去は赤の「チャンドラの革命」がそこそこ安定している以外は、ソーサリーだったり、エンチャントだったり、重かったり、戦闘中の対応力はそこまで高くない。こうしたトリックを積極的に使えるシーンも多くなっているはず。エネルギーが無いと思っていた相手に対し、「水辺の虎」が殴るまえにいきなりこれを使い+5してくるなんて気宇が壮大なムーブもあり得る話。エネルギーの有用性はこれまでより下がっている可能性はあるが、それだけ目くじら立てて集めたいプレイヤーも減っている可能性もある。上手くピックの隙間で確保していきたい。

 

Lifecraft Awakening 造命物の目覚め (X)(G) U

インスタント

対象の、あなたのコントロールするアーティファクトに+1/+1カウンターをX個置く。それがクリーチャーでも機体でもないなら、それは0/0の構築物・アーティファクト・クリーチャーとなる。

 XマナインスタントがカウンターをX個置いちゃうとかいう、かなりふざけた援助呪文。アーティファクトクリーチャーが対象なら普通にX修正が永遠に残るトリックとして使っていける。このスペックが実現したのはレアの「タジュールの力(WWK)」や「野生呼び(FRF)」くらいのもの。シングルシンボルの呪文としては史上初である。さらに、この呪文の本懐はクリーチャーの増強ではなくクリーチャーの創造。テゼレットもいないのに突然5/5になった日誌に殴られて死ぬのはマジ勘弁。意気揚々と殴りに行ったのに突如「織木師の組細工」あたりに返り討ちに遭ったりしたら、トラウマで夜道を歩けない。機体に搭載して巨大な「航空艇」で空から相手を蹂躙するのもイカすムーブである。この世界ではよほどのことがない限りは対象に困ることはないだろうし、充分に決め技になりうる1枚である。

 

Lifecraft Cavalry 造命物騎兵 (4)(R) C

クリーチャー・エルフ、戦士

4/4 トランプル

紛争 - 〜は+1/+1カウンターが2つ置かれた状態で戦場に出る。

 5マナ4/4トランプルがところにより6/6トランプルになっちゃうコモン。とんでもねぇスペックだが、これがすでに実現していたのが「ロウクスのやっかいもの(ORI)」だった。あの時点でもうリミテッド環境では神クラスの存在感だったのに、今度のエルフは登場時点ですでに6/6。なにそれ、頭おかしいんじゃねぇの? あのピーマさんすら小童にみえるわ。紛争条件があるにはあるが、緑は紛争の中心色なのだしそれなりの工夫は容易いだろう。最悪、「器具」サイクルの起動マナを残して6マナ6/6トランプルでも何の不満もないのだし。さらにカウンターが乗れば各種カウンター応援団のサポートにもなるし、新手の水増しアンコ「巻きつき蛇」がいれば登場に7/7である。わしょーい。もひとつおまけにわしょーい。

 


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<赤>

 

Aether Chaser 霊気追跡者 (1)(R) C

クリーチャー・人間、工匠

2/1 先制攻撃

〜が戦場に出たとき、(E)(E)を得る。

〜が攻撃するたび、(E)(E)を支払ってもよい。そうしたなら、【霊気装置】トークンを1体生成する。

 赤の「霊気」サイクルは打撃力に優れる。2/1先制攻撃なら同マナ域の対決でしばらく負けることはないだろうし、ちまちましたブロッカー相手に立ち止まらずにすむので生産効率は割と高め。加えて赤はエネルギーギミックを得意とする色でもあるので、こいつに注ぎ込まずともエネルギーの振込先が多いのも利点といえる。単に電池として登場させ、序盤に2点か4点を刻むだけでも充分過ぎるお仕事。他のシナジーが無いならついでに霊気装置を貰っておく、くらいの感覚で構わないだろう。運用範囲の広さから言うとサイクル中一番使いやすいのはこいつだと思われるが、トークン生産の安定性なら青、仕事の確実性なら黒や緑が優れる。こうしてみると、サイクルとは言っても色々な側面が見えて面白い仕上がりだ。

 

Chandra’s Revolution チャンドラの革命 (3)(R) C

ソーサリー

〜は対象のクリーチャーに4点のダメージをあたえる。対象の土地をタップする。それは、そのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。

 領事府に怒りをぶつけるチャンドラさんの火力。イラストは事前に発表されていた「ピアの革命」とセットになっており、繋げるとこんな感じ。やっぱりこれまでMagicのストーリーにはあまり無かった「親子共闘」なのでなんかワクワクしますね。で、技師のお母さんはハンマーで革命を起こしていたが、娘のチャンドラさんは当然火力。チャンドラが暴れる火力も気付けば随分数を重ね、「チャンドラの憤怒(ORI)」「チャンドラの憤慨(M14)」など、今回で5枚目になります。今回はクリーチャー限定の4点火力ということで「憤慨」が一番近いデザインで、ついでに相手の霊気拠点を破壊でもしたのだろう、土地を寝かせてマナを縛る効果を持っている。この「土地寝かせ」は「ステンシアの亭主(EMN)」で初めて導入された赤の新機軸であり、マロー曰く、「土地破壊は相手を不愉快にさせちゃうから、赤には新しい特性を与えたいんだ」とのこと。土地破壊スキーには全くもって迷惑な話だが、まぁ、リミテッドでの実用性を考えれば「亭主」は割とよいバランスだったので、今後はちょいちょいこうしたギミックが増えていくのかもしれない。土地を縛る効果は試合の早い段階ほど効果がある。この火力は4点のダメージがあるのでそれなりに対応範囲が広く、出来れば後の方に出てくる本命クリーチャーのために取っておきたい気もするが、攻め気の強いデッキなら3ターン目までにクリーチャーを展開しつつ、相手の手を遅らせて進軍出来るなら4ターン目に使ってしまってもいいのかもしれない。まぁ、何にせよ必須除去だ。

 

Destructive Tampering 破壊的細工 (2)(R) C

ソーサリー

次のうちから1つを選ぶ。

「対象のアーティファクトを破壊する」

「飛行を持たないクリーチャーでは、このターンブロック出来ない」

 なんか決め台詞吐いてるけど、確実にこれ吹っ飛んでるヤツも死ぬんじゃないですかね? まぁ、破壊的なんだからしょうがない。赤がようやく手に入れた普通のアーティファクト破壊。カラデシュでは「先に出しておくと殺されるかもしれない」という不安が付きまとう「壊し屋グレムリン」と、絶妙な微妙具合を誇る「破砕」だったのでどうにもメインから使いにくかったのだが、この呪文なら2つ目のモードでフィニッシュブローにもなるので、多くのデッキでメインから突っ込めるカードになっている。ブロック抑止カードは何枚も突っ込んだら確実に無駄になったが、これなら2枚3枚と入れておき、最後に引いたヤツだけをブロック抑止に使えばいいのでスロットの無駄がないのだ。かつてはアーティファクト破壊の専門家を気取っていた赤が3マナソーサリーでようやく1つ壊せるってのはどうにもみっともないが、汎用性は何ものにも代え難い。とりあえず早めの確保で問題無しだ。

 

Embraal Gear-Smasher エンブロールの歯車砕き (2)(R) C

クリーチャー・人間、戦士

2/3

(T)、アーティファクトを1つ生け贄に捧げる:〜は各対戦相手に2点のダメージをあたえる。

 改革派の割にはなんか地味な嫌がらせしてるこすいヤツ。大掃除のときに真っ先に楽なはたきを取りに行くタイプのヤツだな。一応砲台だが、本体にしか飛ばないし、そこまで連射も効かないので砲塔としての任務はあまり重要ではない。今後の世界で活かすべきは、いつでも使える紛争トリガー、サクり台である。霊気装置くらいならサクることにそこまで抵抗はないだろうし、こいつを構えておくことで戦闘前にも気軽に紛争カードを運用出来る。アーティファクトの数が揃えばこいつがチクチクと飛ばすだけでも割とライフレースは詰められるし、たくさん欲しいカードではないが、1枚入れておくと案外嫌がられるかもしれない。ちなみに、今更確認しておくと、赤には紛争を持ったカードは1枚もない。というか、今回のギミックは白緑に紛争、青黒赤に即席というラインナップなので、このカードで紛争サポートを施せるのは赤緑か赤白ということになる。ピックの際には覚えてく必要があるぞ。

 

Enraged Giant 怒れる巨人 (5)(R) U

クリーチャー・巨人

4/4 即席 トランプル 速攻

 エラくシンプルな名前を付けられた即席巨人。こういう単純な名前って将来の再録を見越して付けてるようにも見えるのだが、ブロック独自ギミックの即席つきだから、再録はまず無いんだよな。もっとシンプルなカードのために取っておけばいいのにね。そして、巨人という種族はカラデシュでは珍しい。現時点ではこいつと「むら気な巨人」の2体しか存在が確認されておらず、都市次元であるカラデシュで彼らがどんな生活を送っているのかは気になるところ。フレーバーを見ると「巨人の居住区」があるらしいのだが……文化レベルは人間と同じなのかな。いや、この見た目でそれはないか……。とにかく、そんな謎多き巨人の新作は何故か即席持ちでアーティファクトに引き連れられて登場する。3ターン目までにアーティファクト2つ展開出来れば4ターン目に4/4速攻トランプル。速攻があるおかげで召還速度の加速が更にダメージ効率を上げている。この世界では4/4でもそこまで決定力のあるサイズとは言えないため、もしデッキインするならなんとか最速4ターン目召還が出来るようにデッキを整えたいところだ。もちろん、続くターンには「巨人の光景」でサポートしてやれば芸術点高し。どう考えても必死に留めようとする領事府サイドが正義に見えちゃうのがやや難点。

 

Freejam Regent 無秩序街の主 (4)(R)(R) R

クリーチャー・ドラゴン

4/4 飛行 即席

(1)(R):〜はターン終了時まで+2/+0の修正を受ける。

 全国の赤ファンの方々が待ち望む、「このセットのドラゴン」のコーナー。コーナーだけど……地味だな……。まぁ、「航空船に忍び寄るもの」もドラゴンとしてはすこぶる地味だったし、構築で活躍するような素材でもなかったが、リミテッドではその理不尽さを存分に発揮し、多くの対戦相手の心を折るドラゴンらしい活躍を見せたはず。しかしこのドラゴンの場合、場に出てきたとしても対策方法はそこまで限定されてないんだよね。タフネス4は変わらないし、防御性能は大したことない。ワンパン通せば大ダメージが期待できるかというと、起動のマナコストを見れば割と現実派だ。コストが軽くなるのが売りなのに、起動コストがこんだけかかるのも皮肉な設定である。まぁ、上手いことアーティファクトに寄せていけば4,5ターン目には出せるのだから、最速での回りを見せれば充分なレア。それ以外の場合は……ほどよく1対1以上の交換ご取れるなら充分なのでは? まぁ、赤ってアーティファクトに寄せるのが難しい色なんだけどね……。

 

Frontline Rebel 最前線の反逆者 (2)(R) C

クリーチャー・人間、戦士

3/3

〜は可能なら各戦闘で攻撃する。

 赤にはお馴染みの攻撃強制制限を持った基本戦力。3マナ3/3とサイズは確かに悪くないが、赤がメリット持ちで投入できる3/2とそこまで差があるようには見えないため、性能としてはやや微妙。相手がブロックでエネルギーを蓄える「守られた霊気泥棒」なんかをコントロールしてると、優しく受け止められた上で貯金されちゃうので踏んだり蹴ったり。ただ、今回のセットは「領事府の空船口」「亢進する亀」「高峰の職工」の3大壁クリーチャーが減っているので、実はパワー3の突撃アタッカーを無傷で受け止める方法はそこまで多くない。相打ち以上に持ち込める状況が多いなら、大したデメリットにもならないのではなかろうか。また、不自然なアタックが自然に見えるという無理矢理なポジティブシンキングもこの世界だと割と意味があり、相手からすると「マジで無理アタック」「裏があるアタック」「実は紛争狙い」と3パターンを考慮しなければいけないので、このクリーチャーの制限は余計に思考を混乱させることも出来るのだ。裏がある場合は、出来るだけ悩まず、こっそりとね。

 

Gremlin Infestation グレムリンの侵入 (3)(R) U

エンチャント・オーラ

エンチャント(アーティファクト)

あなたの終了ステップの開始時に、〜はエンチャントされたアーティファクトのコントローラーに2点のダメージをあたえる。

エンチャントされたアーティファクトが墓地に置かれたとき、2/2で赤の、グレムリン・クリーチャー・トークンを1体生成する。

 嫌われものだったグレムリンも、改革派の兵器としては非常に使い勝手のよい生き物のようで。こちらはアーティファクトに張り付いてどんどんエネルギーを吸い取っちゃう腹ぺこグレムリンエンチャント。実のところ、こうしてチクチクダメージをあたえるタイプのカードってのはこれまであまり多くは使われてこなかった。効果が悠長だ、っていうのが最大の理由だし、あくまで相手に維持するか処分するかの選択肢がある状況では優位が取りにくいためだ。このカードも、相手は最悪アーティファクトさえ処分してしまえばダメージを免れるわけで、こと黒のようにサクる手段が豊富なデッキでは効果が薄い。そこで、今回は死んだ時の特典としてお腹いっぱいになったグレムリンを登場させるギミックが追加されたわけだ。序盤から攻め立てるデッキが組めたなら、息切れしやすい中盤以降も恒常的にダメージを稼げるこのカードは案外馬鹿に出来ない。最悪処分されても損が出ずに戦力が底上げ出来るのだから、ようやく実用に耐えるレベルまで上がってきたと見て良いんじゃないだろうか。

 


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 あけましておめでとうございます。リークがあったせいで公式もどうやってプレビューしたらいいか四苦八苦してる感。目玉になっただろうニッサとか、何のニュースにもならずにいつの間にかリストに並んでるのが不憫だ。

 

Deceiver of Form 姿を欺くもの (6)(C) R

クリーチャー・エルドラージ

8/8

あなたのターンの戦闘の開始時に、あなたのライブラリの一番上を公開する。それがクリーチャー・カードであったなら、あなたのコントロールする〜以外のクリーチャーがターン終了時までそのカードのコピーとなることを選んでも良い。あなたはそのカードをライブラリの一番下においてもよい。

 一体どういう仕組みでこんな大トリックを仕掛けているやら、運否天賦の「鏡編み(SHM)」を使いこなす謎のエルドラージ。一度出てしまえば、次のターンに何が起こるかは全く予想がつかないビックリドッキリメーカー。3〜4体の末裔トークンなんかを準備しているところに「エルドラージの壊滅させるもの」でもめくれてしまえばそれだけで人は何人だって殺せるし、「空乗りの巡回兵」がめくれたら待ち受けているのは壮大過ぎる占術祭り。「これでウラモグがめくれればあっという間に相手のライブラリが吹き飛ぶ!」って思ったけど、よく考えるとレジェンドルールで自軍が吹き飛ぶな。とにかくそんな夢がたくさん詰まった愉快なお祭りクリーチャーだ。とはいえ、どれだけ多くてもデッキのクリーチャー率は4割程度なので当たりを引く確率は大して高くないし、クリーチャーが多いデッキってのは当然低マナ域のクリーチャーも多いからめくれてもあんまり嬉しくないし、なかなかこれが大フィーバーするチャンスってのもないだろう。まぁ、7マナ8/8のボディだけでも充分だし、地味に毎ターン(公開式)占術1が出来るっていうだけでも案外賢かったり。人間堅実が一番やで。

 

General Tazri タズリ将軍 (4)(W) M

伝説のクリーチャー・人間、同盟者

3/4

〜が戦場に出たとき、あなたのライブラリから同盟者・カードを1枚探し、それを公開して手札に加えても良い。その後、あなたのライブラリを切り直す。

(W)(U)(B)(R)(G):あなたのコントロールする同盟者・クリーチャーは、ターン終了時まで+X/+Xの修正を受ける。Xは、それらの同盟者の持つ色数の合計である。

 ギデオンらと共に海門奪還作戦で活躍したコーの女性兵士、タズリ。元々よそ者のギデオンに対してあたりの強かった彼女は彼がエルドラージと戦うと宣言した時には無理に決まっていると反対し、ことあるごとにギデオンと衝突していたが、いつしか彼の正義の心を理解し、殉職したヴォリク隊長の跡を継いでコーの一族を率いる先兵として立派な活躍を見せた。そんな彼女の能力は、「待ち伏せ隊長ムンダ」同様、同盟者の同盟者による同盟者のための能力。登場時に誰か1人サポート役を連れてくるのでこの時点でアドバンテージが確約されているし、その後起動する能力も数を頼みにした同盟者デッキでは決戦兵器となりうる。最大+5まで引き出される「有色パーマネントの底力」は、無色エルドラージに負けじと抗う人間達の最後の希望だ。ただ、その最後の希望が「プリズム結界」と同じ5色起動ってのはどうかと思う。同盟者デッキを組む際、白と赤は問題無く投入できるし、緑もまぁ、「タジュールの獣使い」や「林番のドルイド」あたりを呼べば問題ない。黒だって「カラストリアの癒し手」と「カラストリアの夜警」という重要なクリーチャーがいたのだから充分手を貸してくれるだろう。でも、青ってどうなのよ。結集能力持ちが1人もいなかったんやぞ。わざわざ青に触ってまでしてこの能力起動したいかね。一応「ノヤン・ダール」っていう不思議な仲間も同盟者ではあるが……噛み合わなそうだなぁ。リミテッドで開けたパックからこれが出てきたら……どうする?

 

Oath of Jace ジェイスの誓い (2)(U) R

伝説のエンチャント

〜が戦場に出たとき、カードを3枚引き、その後手札を2枚捨てる。

あなたのアップキープの開始時に、占術Xを行う。Xは、あなたのコントロールするプレインズウォーカーの数である。

 「誓い」サイクルのジェイスさんバージョン。ギデオン・ジェイス・チャンドラ・ニッサの4人によって締結された約束事が「ゲートウォッチの誓い」なのだと思われるが、ストーリーの要とも言えるこの誓いの内実は現時点では明らかではない(キオーラさんは大ダコと一緒にどっかに流れていったんじゃないかな)。まぁ、今回のパッケージアートに4人分の宣誓ポーズがあるのだから、4枚サイクルなのは間違いないだろう。どさくさに紛れてニク様も「ゼンディカー潰すの誓い」とかして同じポーズで並んでくれれば良かったのにね。もしくはリリアナさんに無理言って引っ張ってくるか、どこにいるか分からないソリンを連れてくれば5色になったんだけど。さておき、そんな誓いカードのジェイス版は、出た時に「強迫的な研究(RAV)」的ドローが起動。この時点でもうソーサリー呪文としての役割を終えるので、それ単体で評価してもらって構わない。そしてその後ろについているのは、リミテッドではまず使わないだろうという、PW依存能力。これ以上PWの需要を上げるデザインは勘弁して欲しいところだが……まぁ、そこまで強くないからいいか。PWなんてそんなに並ぶもんじゃないので、普通は1人出した状態で「海の神、タッサ(THS)」とか「珊瑚兜への撤退」と同じくらいの効率。なんだ、大したことない。わざわざこれが伝説のエンチャントになってるってことは……「全員の誓いカードを並べたら勝利する」みたいな「ゲートウォッチの誓い」っていうカードでも登場するんですかね。ちなみに、このサイクルのフレーバーは全て各人の台詞、末尾が「I will keep watch./私はゲートウォッチとなる」で統一されている。現時点で公開されている前口上は、ジェイスが「For the sake of the Multiverse/多元宇宙の繁栄のため」、ニッサは「For the life of every plane/全ての次元の生命のため」である。このことから考えると、ゲートウォッチの誓いというのは、4人のプレインズウォーカーが「どんな次元だとしても、私たち次元警備団はエルドラージ(とかニクさんみたいな次元ぶっ壊し屋)からその次元を守るために尽力するよ」という誓いのようである。これまで、ニッサはあくまで「自分の故郷だから」という理由で頑張っていたわけだが、そうでなくても手を貸してくれたギデオンやチャンドラの志を共有するためのものだろうか。この誓いの時点でゼンディカーがどうなってるのかは分からんけど、ゼンディカーの問題が一段落したらさっさとミラディンにも行けばいいと思う。さらに余談だが、「keep watch」は「見張り番をする」という意味で、過去にそのものずばり「Keep Watch/見張り番(JDG)」というカードもある。つまり彼らの台詞は直訳すると「〜〜のために、私たちは見張り番をする」と言っているわけで、ゲートウォッチってのは日本語翻訳チームの意訳だ。ニュアンスは伝わるかな?

 

Oath of Nissa ニッサの誓い (G) R

伝説のエンチャント

〜が戦場に出たとき、あなたのライブラリを上から3枚見る。あなたはその中からクリーチャーか、土地か、プレインズウォーカー・カードを1枚公開して、それを手札に加えても良い。残りのカードを、好きな順番でライブラリの下に置く。

あなたは、プレインズウォーカー呪文を唱えるために、任意のマナを好きな色のマナとして支払っても良い。

 誓いサイクルのニッサは、なんと1マナという最軽量。1マナのくせに伝説のエンチャントってどないやねん、とは思うが、その能力はかなりシャープでシュート。何しろカードタイプが限定されるとはいえ、1マナで「予期」が撃てるというだけでも動きとしては文句のないものになっているのだ。伝説ルールで重ね張りしたら1枚サクられるが、一切関係無い能力だからデッキに4枚入れて置けばあまりにお手軽なライブラリ掘削手段となる。あとはついでにPW絡みならば色マナの問題は一切なくなるので、「プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス(M13)」と「英雄の導師、アジャニ(JOU)」を同じデッキに入れても無問題。デッキにこれと大量のプレインズウォーカーをぶち込んだ「PW単」だって簡単に作れてしまうのだ。これはかなり新しい。今回は「ゲートウォッチ招致」というサーチカードまで登場したし、PWを操るデッキ戦略はかなり幅が出てきた。これはそんなデッキを下支えするお手本のような1マナ枠だ。別にPWが入ってなくても1マナアクションとして上々。サイクルの中では一番現実的だ。

 

Stoneforge Masterwork 石鍛冶の傑作 (1) R

アーティファクト・装備品

装備したクリーチャーは、あなたのコントロールする、クリーチャータイプを共有する他のクリーチャー1体につき+1/+1の修正を受ける。

装備・(2)

 「石鍛冶」っていう名前を聞くだけで世の人々は恐れおののくわけですが、そんな石鍛冶さんが打ってくれた最新作がこちら。「旗印(M10)」の効果を1人用にチューンしたもので、テイストとして「同盟者が力を合わせて、1人のパワーを増大させるぞ!」っていうデザインになってるんだろうけど、この世界で数を増やしやすいクリーチャータイプって、どう考えてもエルドラージの方なんだよな。なにしろ末裔トークンもエルドラージだからね。3ターン目に「空中生成エルドラージ」を出し、次のターンに「目無しの見張り」ならこの時点でエルドラージクリーチャーが5体。「空中生成」にこれを張れば6/5フライヤーが殴りに行く展開。ヤバいどころじゃない。「水底の潜入者」や今回登場した「精神溶かし」あたりのアンブロッカブルにつけるのも強力だし、ダラダラと横に伸びやすかった環境をピリッと締めてくれる1枚。まぁ、レアだけども。

 

Hissing Quagmire 風切る泥沼 R

土地

〜はタップ状態で戦場に出る。

(T):あなたのマナ・プールに(B)(G)を加える。

(1)(B)(G):〜はターン終了時まで2/2で接死を持つ、緑黒のエレメンタル・クリーチャーとなる。それは引き続き土地でもある。

 黒緑のミシュランは大方の予想通りに接死持ちで登場。2/2接死持ちは「短刀背のバジリスク(ROE)」と同じなので3マナで帳尻は合う。基本的に、他のミシュランがアタック用なのに対し、このカードはブロッカーとして立たせて除去として使っていくのが基本。サイズ面を気にせず常に一定の活躍を見せてくれるのでデッキインしたときの動きは計算しやすい。そして、スゥルタイ、アブザンと人気のカラーコンビネーションを支える黒緑に待望の2種類目の2色土地というのも、現環境を変えうる大きな要因。これでアブザン系のデッキにはさらに選択肢が増え、バリエーションも豊富になることだろう。「乱脈な気孔」も加えるともう、ほとんどの土地が動き出すものと考えた方がいいのかも。

 

Wandering Fumarole R

土地

〜はタップ状態で戦場に出る。

(T):あなたのマナ・プールに(U)(R)を加える。

(2)(U)(R):ターン終了時まで、〜は1/4で「(0):ターン終了時までこのクリーチャーのパワーとタフネスの値を入れ替える」を持つ、青赤のエレメンタル・クリーチャーとなる。それは引き続き土地でもある。

 青赤のミシュランは、青と赤の共通部分としてお馴染みの「回れ右(ULG)」クリーチャーが登場。「岩山のプーカ(SHM)」と比べると流石にパワーは低いが、「四足マイア(5DN)」と比べればその効率は桁違い。流石はミシュランである。特筆すべきはスイッチ能力の起動コスト0という部分。現ルールではダメージスタックによるペテンこそ使えないものの、クリーチャー化した後は自在に1/4と4/1を行き来することが可能。殴って通った場合のダメージ効率は赤白ミシュランと同じだ。そして壁としても運用出来るのはこいつだけの利点。アタック効率が他に劣らず、その上で守備的にも使えるのならば総合的に出番は多いだろう。また、こちらも黒緑同様に、「ジェスカイという有力な色合いのデッキに噛み合う」というのが評価の重要なポイント。ティムールに入れるとこっそり獰猛能力の支えにもなったり。色んなところに影響を与えそうなカードだ。

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