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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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1月30日 ドラフト模様(FRF TKT×2)

ピック順 【Thraxi】→【Sangriter】→【Alessi】→【Sea-chicken】→【Serra】→【Mei】→

 

 新環境2戦目。まだまだ手探り足探りの状態でお送りします。流石にまだどこのコミュニティでもなかなか戦略的な部分でまとまった見解は出てないだろうしなぁ。現時点で明確に現れている問題意識は当然「土地」なわけだが、みんなして「土地が足りないよー」と言っているのに何故か2パック目、3パック目では平気で2色土地が14引きされてしまうという、この棲み分けが上手く言ってない感。しょうがない、今回もパックが悪いわ。だって今回の1パック目、6枚のレアのうち5枚が青絡みだぞ。基本的に1引きから動くのが下手な連中しか集まってないから、そりゃ揉めるわ。なお、1人「コモン土地1引き」という大英断を行った野郎もいる模様。さらに、その土地は結局色が合わなくてデッキに入ってない模様。そりゃそうだわ。

 あと、今後の注目ポイントはそれぞれの色のセットごとの強さかね。タルキールは白が安定、2マナ域の多い緑がそれに続き、単体だと黒、赤あたりは辛かった印象だが、「運命再編」のコモンでそのあたりの状況がどう変わったか。引き続き調査が求められるのである。

 


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1月23日 ドラフト模様(FRF TKT×2)

ピック順 【Mei】→【Sangriter】→【Alessi】→【Thraxi】→【Serra】→【Sea-chicken】→

 

 新・環・境! 年に3度のお楽しみ、来年度以降からは年に4度のお楽しみ、新環境1戦目である。まぁ、第2エキスパンションの時って、一番変化が少ないからそこまでの大事件にはならないものだが……まーしんどいね。やっぱり1/3パック変わるだけでこの汲々とした感じ、新しいことやらされてる感がありますわ。一番の変化は、何と言っても土地の枚数が減ってしまったこと。スポイラの時点では、その分マルチカラーのカードも減ってるからいいかな、って思ってたんだけど、そうだね、変異も減ってるんだね。オフカラー変異でごまかすということも出来ず、1パック目にちょこちょこダブルシンボルやら強めのカードが出てくるので色決定を早めにしなきゃいけないし、出来れば2色でまとめたいんだけど、2パック目以降に出てくる3色カードが全てを許さない。どこぞのプロの言葉に「この環境の最大の敵は色事故である」というのがあって(ま、冷静に考えればどんな世界だってそうなんだけど)、この世界はことさら色の調整に実力が出そうである。しばらくは、悩まされそうやな……。なお、予示は想像していたほどややこしいことにはならなかった模様。ぶっちゃけクリーチャーが隠れてるかどうかは運ゲーなので考えてもしょうがないし、大抵は2/2トークンだと思って仕事するからな。

 


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1月16日 ドラフト模様(TKT×3)

ピック順 【Sea-chicken】→【Serra】→【Thraxi】→【Mei】→【Alessi】→【Sangriter】→

 

 環境最終戦。今回は皆それぞれに心に決意を秘めての戦いとなり、色々と事件があったり、めでたかったりしたような気もするし、そうでない気もする。とりあえず、試合前に「結局どこのクランの優勝回数が多かったんやろ」という話題をふられたのは伏線だったのか、それとも戦略の1つだったのか。結果的に「一度も優勝したことないんちゃう?」と言われたスゥルタイに3人が向いかけるという事件が発生。また、これまで1枚も出なかった「真面目な訪問者、ソリン」も無事ここで顔見せ。これで全てのレアが最低1枚は出たことになり、心置きなく次の環境へ行けるのである。

 

 せっかくなので全部で16試合行われたこの「タルキール」環境のいくつかのデータを残しておくと、まず優勝クランはアブザン・マルドゥベースの5回が最も多く、残りはティムール・ジェスカイが2回ずつ、スゥルタイがラストギリギリ1回、5色デッキが1回。やはりアブザン・マルドゥが強かったのは間違いない。使用色の観点からまとめると、白はのべ63回で最も多く、残りは順に黒が61回、赤が60回、緑が58回、青が52回と、青が1色だけ飛び抜けて少ない。やはりマルドゥ・アブザンに絡まない色だからかな。全93個作られたデッキのうち、4色デッキは10回、5色デッキは3回、2色デッキは1回だけ作られている。3色についても、1度だけクランが関係無い「ジャンド」が含まれる。でもまぁ、こんだけやって80個近いデッキは全部クランの3色になってるんだから立派なもんだよ。当たり前なのかな?

 

 ついでに、運命再編のFAQが出ているので、意味のありそうな部分を少しだけ抜き出しておく。

 

701.31c 変異を持つカードが予示されたなら、そのコントローラーは予示されたパーマネントを表向きにする手順ではなく、変異を持つパーマネントを表向きにする手順を用いてもよい。

701.31e インスタント・カードまたはソーサリー・カードによって表されている裏向きのパーマネントは表向きになれない。何らかの効果がプレイヤーがそれを表向きにするように指示したなら、それのコントローラーはそのカードを公開し、裏向きのままにする。パーマネントが表向きになったときに誘発する能力は誘発しない。

* あなたがコントロールしている裏向きのパーマネントが戦場から離れた場合、あなたはそれを公開しなければならない。あなたがゲームから離れた場合、またはゲームが終了した場合、あなたはあなたがコントロールしていたすべての裏向きの呪文およびパーマネントを公開しなければならない。

* それぞれの裏向きの呪文およびパーマネントを簡単に区別できるようしなければならない。他のプレイヤーを混乱させるために、戦場でそれらを表現するカードを混ぜ合わせてはならない。それらが戦場に出た順番は常に明確であるべきである。これを示す無難な方法には、マーカーやダイスを使用する、または単に戦場に出た順番通りに置いていくなどがある。また、それらがそれぞれがどのようにして裏向きにされたか(予示された、変異能力を使用して裏向きに唱えられたなど)を記録しておく必要もある。

 

 今後重視しなきゃいけないのは特に「全ての裏向きパーマネントは区別される必要がある」ってことだね。「予示か変異か」「いつだされたか」など。また、変異同様に場を離れる際とゲーム終了時の公開義務はあるみたい。代表的な「予示の変な挙動」として、「ジェスカイの浸透者」についての個別説明も転載しておこう。

 

* カードのオーナーは常に公開情報である。あなたが追放した2枚のカードのオーナーがそれぞれ別のプレイヤーであった(対戦相手がオーナーの《ジェスカイの浸透者》のコントロールをあなたが得たなどの理由により)場合、どのカードがどれであるというのは対戦相手から隠されなくなる。対戦相手にも自分がオーナーである裏向きのカードがどれであるかがわかる。

 

 慣れない挙動だけどそのうち落ち着くでしょう。しばらくはマジでトークンと一緒に出る変異や予示のカバーカードを使った方が分かりやすいかもしれない。

 


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<黒>

 

Boon of Emrakul エムラクールの加護 (2)(B) C

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

エンチャントされたクリーチャーは+3/−3の修正を受ける。

 エムラクールさんのご加護がもらえるありがたいカードだが、大抵死ぬのでもらった方は気付かない。非常にスタンダードでありきたりな印象を受けるが、「名も無き転置(LRW)」や「次元の歪曲」のようなインスタントではなく、オーラでこうした修正を与えた例は「サングライトの反発(ARB)」という不思議なコスト設定のカード1枚だけである。「反発」に比べると1マナ重いが、単色なので当たり前の設定だろう。タフネス3までを除去出来る安定感は充分3マナ払うだけの価値がある。面倒なのはタフネス4以上を始末する時だが、まぁ、ある程度ブロッカーの保証があれば3/4やら5/5に張って殺しやすくするのもありだろう。そこからの大事故を恐れていては、エムラクール様もがっかりってもんで。今回黒コモンに与えられた除去は、コストが軽い順に−1修正の「邪悪借用」、そしてこのオーラ、あとは一気に重くなって6マナの「生命の危機」。つまり、一番現実的で安定感があるのはこのカードだ。「死の重み」や「殺人衝動」は引けないものと思って、早めの確保を。

 

Borrowed Malevolence 邪悪借用 (B) C

インスタント

増呪(2)

次のうちから1つまたは両方を選ぶ。

「対象のクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修正を受ける」

「対象のクリーチャーはターン終了時まで−1/−1の修正を受ける」

 「借用」サイクルの黒。単体で使えばちょっと増強かちょっと除去。増呪モードで使えば「体力奪取(PCY)」。コストもそんなに変わらないし、適宜コンバットをいじるための選択肢の1つとして。「体力奪取」の下位互換にしか見えないが、一応クリーチャーが1体しかいない場合でも使えるところはメリット。まぁ、こんなん単体除去として使うのは勿体ない気もするが、1ターン目「村の伝書士」の返しでプレイ出来るなら悪くはない。とりあえず「両手撃ち」と同じサイド枠かな。

 

Cemetery Recruitment 墓所の徴用 (1)(B) C

ソーサリー

対象の、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを手札に戻す。それがゾンビ・カードであるなら、カードを1枚引く。

 「イニ影」時点で揃っていた5つの部族。その中でも優遇されたものと冷遇されたものがあるわけだが、ゾンビ軍団ってばスピリット以上に冷遇側。何しろリミテッドでまともに戦える戦略がほとんどなく、そもそもデッキをゾンビで揃えるメリットが皆無。コモンだと「セルホフのランプ灯し」だけだし、アンコまでいっても「ドルナウの死体あさり」と「抗えない抑止」程度。青の生来のクリーチャーの弱さもあり、ゾンビはリミテッドで見向きもされない部族になってしまった。しかし、こうしてコモンで露骨なアドバンテージが狙えるようになれば? ようやく望まれていた「動機」が出てきた。「残酷な蘇生(ORI)」と方向性は一緒で、とにもかくにもアドバンテージ。これで「腐敗心のグール」を回収すれば手札の枚数は2枚差だ。圧倒的じゃないか! ……地味だな……コモンなので、数撃てるようになれば。

 

Certain Death 生命の危機 (5)(B) C

ソーサリー

対象のクリーチャーを破壊する。そのコントローラーは2点のライフを失い、あなたは2点のライフを得る。

 最近のウィザーズ社の方針として、「コモンの確定除去は5マナ以上」というルールがある。コモンでそれより安い場合は条件付きの除去になり、軽い確定除去はアンコ以上に設定されるのである。そんなわけでこれは6マナ。条件付きとはいえ、5マナインスタントの「不浄な飢え(ORI)」で2ライフゲインは出来てたわけで、ドレインになったと言ってもこの設定はいまいち。あ、でも「一口の草毒(THS)」と比べると完全上位互換か。そう考えるとリミテッドなら悪くないのかな? 除去という必ずニーズのある仕事をこなしつつ、とどめの一押しになったり、幾ばくかの延命になったり、何かしらのドラマには関わってきそうな1枚ではあるな。まぁ、2枚以上入れるのは嫌なんだけどさ。

 

Collective Brutality 集団的蛮行 (1)(B) R

ソーサリー

増呪 - 手札を1枚捨てる。

次のうちから1つもしくはいくつかを選ぶ。

・対象の対戦相手は手札を公開する。あなたはその中からインスタントかソーサリー・カードを1枚選ぶ。そのプレイヤーはそのカードを捨てる。

・対象のクリーチャーは、ターン終了時まで−2/−2の修正を受ける。

・対象の対戦相手は2点のライフを失い、あなたは2点のライフを得る。

 レア増呪の「集団的」シリーズ黒バージョンは、コストに手札を1枚充てるために他のサイクルと違ってアドバンテージが稼ぎにくいのが難点。ただ、その代わり3つのモードをまとめて解決してもお値段は据え置きの2マナこっきり。それなら独自の活用法も見えてくる……かも。基本になるのは除去モード。2マナソーサリーで−2程度ではレアリティを考えればかなり非効率的だが、それでも除去出来るクリーチャーの範囲はそこそこだ。そして、この基本モードに自分の手札状況を合わせていくつかセットメニューを追加していくことになる。2番目、ポテトと一緒にハンデスは如何ですか? 範囲の狭いハンデスなのでヒット確率はやや低め。自分が手札を捨て、相手に手札1枚にヒットするかどうかでやや博打。最近はクリーチャー主体、プレインズウォーカー主体のデッキが多いため、あまりメタはよろしくない。最悪、相手の手札を確認するためだけにでも使えるが。そして、シェイクに合わせてドレインもおつけできます。このモードが普通なら最後になると思うが、相手のデッキ次第では除去+ドレインの呪文として使うこともそこそこか。2点ドレインよりも価値の低い手札ってのはあまりあってほしくないが、終盤の余った土地なんかは一応おまけ程度に効果を増すことが出来る。こうしてみると、全体的にあんまり強くはないのだが、そこはやはりマッドネスとの絡みで何とか価値を上げていきたい。「血管の施し」で5ライフドレインまで行けば割とインパクトはあるし、「癇しゃく」と組み合わせればタフネス5に届く除去のついでにちょこちょこおまけがつく。なにかベストな組み合わせが見つけられるだろうか。

 

Cryptbreaker 墓所破り (B) R

クリーチャー・ゾンビ

1/1

(1)(B)(T)、手札を1枚捨てる:2/2で黒の、ゾンビ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

あなたのコントロールするアンタップ状態のゾンビを3体タップする:カードを1枚引き、あなたは1点のライフを失う。

 「戦いは数だよ兄貴!」、そして「ゾンビは数だよ(リリアナとギサの)姉貴!」ということで、つまりは「戦いはゾンビよ!」ということになる。ゾンビがゾンビを産むゾンビ算は、旧イニストラードでも「終わり無き死者の列(ISD)」なんて夢のあるカードが再現してくれていたので、ようやく今回のイニストラードでもエンジンがかかってきた感じだ。やっぱりリリアナさんが本格参戦してくれたおかげですかね。こいつを1ターン目に出しておくと、後は延々ゾンビトークン1体が保証される。もちろん毎ターン呼ぶ必要はないが、さっさと数を揃えてしまえば下の能力によって兵糧の補充まで始まるのだから、他のカードを展開する作業よりも優先するのは間違った行動ではないはずだ。最終的にこいつ以外のゾンビが3体になれば、その時点で「ライフ1点がゾンビ1体」というトレードが成立するようになり、さらに6体まで増えればドロー能力がどんどん膨らんでいく。さらにマッドネスまで絡めて黒らしさをアピールしていけば、もうゾンビ・カーペットが作れちゃうレベル。ゾンビを愛する諸兄には欠かせないゾンビ満喫カードである。これで1マナ域に「墓所這い(DKA)」とならんで基盤を成すクリーチャーが手に入り、統率者デッキの「グリムグリン」なんかが楽しそう。もちろん、今回登場した「ギサとゲラルフ」でもばっちり噛み合う。捨てるカードは当然「ギサの召集」で決まりだ。リミテッドでも当然鬼畜の強さを見せる。ライフは有限なので、適宜「奇怪な突然変異」あたりで補充を。

 

Dark Salvation 闇の救済 (X)(X)(B) R

ソーサリー

対象のプレイヤーは、2/2で黒のゾンビ・クリーチャー・トークンをX体戦場に出し、その後最大1体までの対象のクリーチャーは、そのプレイヤーのコントロールするゾンビ1体につき、ターン終了時まで−1/−1の修正を受ける。

 僕らの「最後の希望」、リリアナさんが本気を見せたレアソーサリー。かなり息巻いていたし、元カレにいいとこ見せたいだろうからさぞかし強烈な一撃を見舞ってくれるのだろうと思いきや……あれ? なんかちっちゃくね? 正直、単体での効率はレアとは思えないショボさだ。3マナ払ってようやく「−1のおまけがついたゾンビ1体」。効率だけで言えばコモンの「目腐りの暗殺者(ORI)」と一緒。いらんとまでは言わないが、迫力はない。5マナ注ぎこんでようやくゾンビ2体に−2。除去に成功すれば一応リソース差が3つなのでやっぱり悪くはないが、なんだか与える影響が微妙。7マナまで行けばようやくだが、そりゃ、7マナも払えばたいがいのことはどうにかなるもんで、わざわざこの呪文に頼るよりはさっさとギサ姉ぇさんに「床下から」こんにちはしてもらう方が話が早い。つまり、単体だと極めて地味である。このカードが活きるのは、最初からある程度ゾンビが確保出来ている場合。ゾンビを3体コントロールしてる状態からの5マナなら、さらに増援を追加した上で−5修正でほぼ確実に相手クリーチャーを討ち取れる。3マナでも−3くらいのソーサリーにおまけ付きなら悪くないだろう。「忌むべき者の軍団(ISD)」に繋げて9マナでたたき込めばなんと−17修正! 元祖エムラクールさえ屠れる値だ(プロテクションがあるが)。まぁ、そこまではやらないとしても、とりあえず事前に新鮮な死体の用意は忘れずに、ということ。リリアナさんのゾンビ繁盛記、上手くいくんでしょうかね。結局封印先が月なんだったら、ゾンビあんまり役に立たなかったのでは。

 

Dusk Feaster 薄暮の饗宴者 (5)(B)(B) U

クリーチャー・吸血鬼

4/5 飛行

昂揚 - 〜を唱えるためのコストは(2)少なくなる。

 青にもあった「昂揚でコストが軽くなるよ」カード。この設定が特徴になっているため、いったん出してしまえばそれ以外はシンプル。4/5フライヤーというのはアンコレベルなら充分過ぎるインパクトであり、黒という色も考えるなら6〜7マナで妥当だろう。ということはこれが5マナで出せるのは誰がどう見ても安価。そして、黒は昂揚の第2色でもあるわけで、5マナが揃う前に条件を満たせる可能性は充分にある。昂揚デッキの難点として、これまでは「条件を満たしてもそこまでペイするカードが多くない」という問題があったのだが、それを力強く解決してくれる魅力的な1枚。「巣網から見張るもの」だけは勘弁な。

 

Gavony Unhallowed ガヴォニーの不浄なるもの (3)(B) C

クリーチャー・ゾンビ

2/4

あなたのコントロールする他のクリーチャーが死亡するたび、〜の上に+1/+1カウンターを置く。

 今回明確に強化されたスピリットと違い、ゾンビは「まだ弱い」と思っている。何しろ青には今回「ゾンビであること」をプラスにするカードが1枚もなく、黒はアンコ以下だと「墓地からの徴用」と「墓の収穫」の2枚だけ。相変わらず「だからどやねん」レベルなのである。しかし、そんな中でもコモンから「それなりに使えるゾンビ」が出てきているのは素直に朗報。青の「巧妙なスカーブ」に加え、黒にもこいつがいる。単に「腐敗心のグール」のボディに「物騒な群衆」の能力を付け足しただけのクリーチャーだが、素のタフネスが高いので、カウンター1つの効果がかなりでかい。こいつを2体3体と並べていけば相手は地上を突破することが事実上不可能なレベルになる。「グダらせて勝つ」という黒の方法論がこれ1枚で完遂出来るのだ。活かしきるためにはクリーチャーの数が必要になってくるが、そのあたりは今回エルドラージトークンもあるのでいくらか調整はしやすくなっているだろう。これが引けていれば「腐臭ネズミ」なんかもいくらか加点して考えられるし、「よろめく帰還」の採用もそこそこ現実味を帯びてくる。なんとか、ゾンビに最後の一花を。

 

Graf Harvest 墓の収穫 (B) U

エンチャント

あなたのコントロールするゾンビは威迫を持つ。

(3)(B)、あなたの墓地にあるクリーチャーカードを1枚追放する:2/2で黒のゾンビ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

 というわけで、そんなゾンビに淡い期待を抱かせるアンコモンからの支援策。ゾンビは戦略性がもっさりしているので、高速展開の吸血鬼、大サイズの人狼、飛行で攻めきるスピリットに個々が粒ぞろいの人間と、どれと向き合っても利点が少ない。そこで、まずクリーチャーの貫通力をあげるのが威迫。同じ数どうしを並べるとどうしても迫力不足のゾンビだが、それなら相手の防御性能を下げて強引に通せるようにしてしまえばいい。そして、その「通せる数」を増やすのが「虚身呼び(GTW)」と全く同じ起動型能力である。これがあるなら、青と手を組んでさっさと墓地を肥やす意味も一応出てくるか。まー、どうしたってコストは割高だし、墓地との循環を目指すゾンビとしてはどこか歪ではあるのだが、数は正義には違いない。どれくらいの収穫があるのか、デッキメイクの腕が問われるところ。

 

Graf Rats 墓ネズミ (1)(B) C

クリーチャー・ネズミ

2/1

あなたのターンの戦闘開始時に、あなたが〜と「夜深の死体あさり」という名前のクリーチャーのオーナーであり、それらをコントロールしているなら、それらを追放し、「騒がしい徒党」へと合体させる。

Chittering Host 騒がしい徒党 (無色)

クリーチャー・エルドラージ、ホラー

5/6 速攻 威迫

〜が戦場に出たとき、あなたのコントロールする他のクリーチャーはターン終了時まで+1/+0の修正を受けるとともに威迫を得る。

 世界に3組しかない合体カードの2組目。フレーバーとしては、墓地をがさごそしているネズミが、墓荒らしと合体しちゃってワンダフル。変身を定義するテキストが書いてあるのはこのネズミの方だが、コモンなのでそれ以外の部分は極めてシンプル。単なる肉として適当に2ターン目に出し、適当に相打ちになって墓地に眠っていてもらう。そこを「死体あさり」が掘り起こせば、めでたく合体完了となるわけだ。コモンなので出現率はそこそこで、リミテッドで合体が狙える唯一のカードと言っていい。完成後のご褒美はとてつもなくでかいし、2枚とも決してスペックの低いカードではないので1枚ずつデッキインする程度でもそこまでデメリットはない。夢の合体目指して、チューッと頑張ろう。

 

Haunted Dead 憑依された死体 (3)(B) U

クリーチャー・ゾンビ

2/2

〜が戦場に出たとき、1/1で飛行を持つ、白のスピリット・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

(1)(B)、手札を2枚捨てる:あなたの墓地にある〜をタップ状態で戦場に戻す。

 憑依された死者/Haunted Cadaver(ONS)」と名前がよく似てるけど全然関係無いクリーチャー。今調べたら「Cadaver」が「(解剖用の)死体」という意味らしいので、名前は逆だった方が正解に近かったな。さておきこちらはなかなか絶妙なバランスで提供される、「使ってみな分からんでェ」としかいいようがないアンコゾンビ。「手札2枚捨てて戻ってくる」設定のアンコは現在「縫い翼のスカーブ」と「グール馬」の2体。そして素出しコストが同じなのは「縫い翼」の方。こっちのクリーチャーは質より数で勝負するデザインで、リミテッドならマジエース級だった「砂草原ののけ者(FRF)」やら「ギラプールの歯車造り(ORI)」と同スペック。採用すれば決して損はさせませんの精神は素晴らしいものだ。ただ、あまりに無難というか、穏当すぎて、積極的に活用しようという気が起こりにくいのが難。「縫い翼」も「グール馬」もディスカードから3ターン目に高速召喚すればかなりの圧力になるので戦略の一部に組み込む気が起こるのだが、こいつの場合盤上に与える影響がそこまででもないのがね。合計3/3なんだから悪くないんだし、諸々の相性のいいカードも多いのだが……。ゾンビが目指そうとしている消耗戦に持ち込めれば、このリソース差はジワジワ効果を発揮するんだろうなぁ。多分、「使ってみると思ったより強いでェ」。

 

Liliana, the Last Hope 最後の希望、リリアナ (1)(B)(B) M

プレインズウォーカー・リリアナ

<+1>: 最大1体までの対象のクリーチャーは、次のあなたのターンまで−2/−1の修正を受ける。

<-2>: あなたのライブラリを上から2枚墓地に置く。その後、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを1枚手札に戻しても良い。

<-7>: あなたは「あなたの終了ステップの開始時に、2/2で黒の、ゾンビ・クリーチャー・トークンをX体戦場に出す。Xはあなたのコントロールするゾンビの数に2を加えたものである」という紋章を得る。

 さぁ、ついにこのセットの主役のご登場だ。「ジェイスの元カノ」「デーモン4体に輪姦おばさん」ことリリアナ・ヴェスその人である。いわゆる「初代プレインズウォーカー」5人の中では一番種類が少なかったリリアナだが、これでようやく他の2人(ガラク・アジャニ)に並んで5枚目。なお、1人だけ7種類もカード化されてるクソダサフードマンのことは気にしない。かつてのリリアナというと初登場時の「リリアナ・ヴェス(M15)」がコントロールで採用実績を持つ他、「異端の癒し手、リリアナ(ORI)」が細やかな心遣いで活躍しているし、何と言っても下環境にまでその名を轟かせた「ヴェールのリリアナ(ISD)」のインパクトが強烈だ(あと1枚はしょうがないので忘れよう)。そんなリリアナが「ヴェリアナ」同様に古巣のイニストラードに戻り、同じく3マナで登場するというのだから期待は高まるばかり……だが、うーん?

 初見で悩んでしまうのは、マイナス能力の微妙さだろう。やっていることは「屍体の攪拌」の下位互換。墓地を肥やすことに大きな意味を見出せればいいのかもしれないが、それでも−2というコストに見合った活躍かと言われると微妙。損はしないのだが、墓地から直接引っ張り上げていた「反抗する屍術師」時代に比べると見劣りするし、軽さを活かすデザインが作りにくいのが悩ましい。プラス能力の方は、なんとカウンターを乗せながら敵軍を除去出来る可能性があるというナイス設定。まぁ、タフネス1しか除去出来ないのが辛いのはチャンドラさんが証明済みなので除去としての信頼性は低いが、そのついでにパワーが減るため、自身を守る盾としては優秀。今後の活躍は、このプラス能力でどれだけ相手を押しとどめられるかにかかっているだろう。つまり、横に並べる戦術が強い間は微妙かもしれない。奥義については「撃てば勝ち」なのでそこを目指すためには何とかプラス能力を維持していきたいところだが、正確には「撃ってしばらくすれば勝ち」なので油断は禁物だ。なんか、全体的にもっさりしてるな。なにか手軽に墓地から回収して強いクリーチャーがいるならなぁ、って思ってたら、まっさきに浮かぶのはどこぞのテレパスなんだよな。もう、ずっといちゃいちゃしてればいいと思うの。

 

Liliana’s Elite リリアナの精鋭 (2)(B) U

クリーチャー・ゾンビ

1/1

〜はあなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき+1/+1の修正を受ける。

 骨塚のワーム(ISD)」が1マナ重くなり、その分パワーとタフネスが1増えた。これ、「骨塚のワーム」の書式にのっとるならタルモっぽく「*+1*+1」とかにしてもよかったのだろうが、ちょっと見づらくなるか。書式として見ると「第6管区のワイト(GPT)」と同じだな。これもまた「墓地を肥やすことに意味があるゾンビ」の1つ。高速でライブラリを削って墓地を増やしていけば、3マナとは思えないラージサイズを堪能することが出来る(かもしれない)。中盤以降に出して4/4くらいが合格点だろうから、当然なるべくクリーチャーの多いデッキで使いたいところだ。幸い、この環境は「忘られじ」以外に相手の墓地をいじるカードは無い(自分で墓地をいじる場合はあるが)。アンコなのでデッキを規定するようなカードにはなるまいが、2枚以上集まったなら、意を決して青黒で墓地ライフを堪能してみるのも一興。

 


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<青>

 

Advanced Stitchwing 改良された縫い翼 (3)(U)(U) U

クリーチャー・ゾンビ、ホラー

3/4 飛行

(2)(U)、手札を2枚捨てる:あなたの墓地にある〜をタップ状態で戦場に戻す。

 もう、ホントにその名の通りのクリーチャー。「縫い翼のスカーブ」が復活能力をほぼそのままに、タフネス部分をマッチョにしてビルドアップ。素出し、復活の両コストは1マナずつ重くなっているが、課題だったタフネス部分をばっちり手直ししてくるあたり、流石のゲラルフさんだ。元の作品が「ゴミを集めて作った」と言っていたのに、それをここまで改良して実践兵器に出来るあたり、研究者の鑑ですわ。とりあえず、素出しでも安心感が格別であり、殴って「嵐乗りの精霊」の前に膝折れることが無くなった。大抵の火力を回避することも可能だし、1枚を守りきれば充分勝てるカードなので、復活能力による恒常性もグッとインパクトが増した。多少重くなっているとはいうものの、どうせ元々最速2ターン目フラッシュバックなんてことは実現しなかったのだし、2ターン目までに何とか墓地に配備して3ターン目に戻す手順でも充分間に合うだろう。ゾンビデッキを力強く後押ししてくれるよい1枚。

 

Chilling Grasp 冷たいわしづかみ (2)(U) U

インスタント

マッドネス(3)(U)

最大2体までの対象のクリーチャーをタップする。それらはそのコントローラーの次のアンタップステップにアンタップしない。

 いわゆる一つの「霜のブレス(M14)」枠。この枠は扱いが難しいらしく、セットによってコモンとアンコモンを行ったり来たりしているが、今回はアンコの方。基本性能は完全に「霜のブレス」と同じで、そこに純正アドバンテージとしてマッドネスを搭載した。リミテッドでは現在も「縫合の刻み獣」が大活躍、「回答の強要」が時たま活躍、「邪悪の暴露」もフィニッシャーになっているのだから、このカードだって充分過ぎる1枚。特に長期戦狙いの青赤系ではマッドネスの有効利用も絡めて有力なスペル枠になるだろう。コストが重くなるのはご愛敬。そんだけマッドネスが有用だって証左だ。

 

Coax from the Blind Eternities 久遠の闇からの誘引 (2)(U) R

ソーサリー

あなたは、ゲーム外か追放領域からあなたがオーナーであるエルドラージ・カードを1枚公開し、それを手札に加えてもよい。

 エルドラージ・チューター。いや、ゲーム外を参照するからチューターではなく「願い/Wish」シリーズか。一応ウラモグ族のエルドラージは追放をテーマにしていたので何となくエルドラージとの関係性をシステム的に残しつつ、「次元の外からこんにちは」というフレーバーを完全再現してみせた秀作。リミテッドでは空気だが、構築環境ならばWish同様にサイドボードからのシルバーバレットを用意出来るかもしれない。まぁ、「状況に応じた多様なエルドラージ」ってあんまり思いつかんが。また、エムラシュート系のデッキではこれを使えばいつでもエルドラージに接続出来るようになるので「無限の抹消」のような対策カードや、墓地掃除による根絶の対策カードとして使えるかもしれない。しかし、分からないのは何故これが青いカードなのか、ってところなんだよな。そりゃま、ゼンディカーでは青もエルドラージカラーの1つではあったが(白以外がそうだし)、この世界のフレーバーを考えならばエムラを呼んだのはナヒリなんだから、せめて赤にするべきだったんじゃなかろうか。海から入場してきたからかな。よりによってタミヨウとジェイスの目の前で青いカードからエルドラージ呼ばんでも。

 

Contingency Plan 有事対策 (1)(U) C

ソーサリー

あなたのライブラリを上から5枚見る。そこから好きな数のカードを墓地に置き、残りを望む順番でライブラリの上に戻す。

 テイガムの策謀(KTK)」の名義変更カード。次元特有の個人名を書いちゃうと、再録の時に色々不便よね。今回の名前は一応汎用性が高いので、今後はこっちの名前で再録するんじゃないかな。いや、再録されるかどうかは知らないけど。タルキールでは、スゥルタイ氏族という墓地と仲良しの氏族が探査のコストを捻出するために使っていた呪文。最大6枚ものカードが一撃で墓地に落ちるため、3ターン目からさっさと「グルマグのアンコウ(FRF)」やら「スゥルタイのゴミあさり(KTK)」に接続出来る呪文として、重宝したような、そうでもないような。まぁ、結局アドバンテージロスが気になるために、そこまで積極的に採用された呪文ではないのだが。今回は当然昂揚やゾンビ関係のカードとの絡みで再録されたわけだが、これ1枚でかなりの昂揚達成率を誇る部分は確かに注目に値する。タルキール当時と比べても墓地の整備の重要度は上がっているわけで、今度こそ定番カードとして日の目を見ることになるのかもしれない。そして、ジェイスのアップは目の色が怖い。映ってるの、誰なんでしょう。

 

Convolute/巻き込み(RAV)

 ラヴニカから久しぶりに再録された基本カウンター。まぁ、「呪文萎れ(BFZ)」があったせいで全然懐かしくはないのだが。「存在の否定」の代わりとしては充分な効果だし、汎用性も高いので多少はパーミッション寄りのデッキメイクもやりやすくなるかな? せっかくなので並べておくと、1マナで1マナを要求するのが「魔力の乱れ(7ED)」、2マナで3マナを要求するのがご存じ「マナ漏出(M12)」、そしてこれを挟んで4マナで6マナを要求するのが「精神静電(DGM)」である。いや、だからどうしたって言われても困るが。

 

Curious Homunculus 詮索好きのホムンクルス (1)(U) U

クリーチャー・ホムンクルス

1/1

(T):あなたのマナ・プールに(C)を加える。このマナはインスタントかソーサリー呪文を唱えるためにのみ支払える。

あなたのアップキープの開始時にあなたの墓地にインスタント・カードとソーサリー・カードが合わせて3枚以上あるなら、〜を変身させる。

Voracious Reader 貪欲な読書家 (無色)

クリーチャー・エルドラージ、ホムンクルス

3/4 果敢

あなたの唱えるインスタントとソーサリー・呪文は、そのコストが(1)少なくなる。

 「隠れるホムンクルス」もそうだったけど、なんかやたら目玉がでっかいホムンクルス。そしてその目に映るものは知識&知識。誰かのお手伝いの傍ら、書庫で本を読みあさってお勉強。その片手間では大したお仕事もできないが、基本業務は「錯乱した助手(ISD)」と同じちょっとしたマナサポート。偏食がひどいので使える用途はソーサリーかインスタントだけである。知識が溜まり、魔巧状態で呪文を唱えたら変身OK、裏返ると級にマッチョになり、果敢まで使えるのでなんか「果敢な捜索者」とイメージが被るな。どこまでもインスタント・ソーサリーサポーターの姿勢は崩さず、その身に宿すはなんとレアの「ジェイスの聖域(ORI)」ではないか。頑張って変身させてみたくはなるな。表も裏もとにかく一貫しているので、狙うべきデッキは青赤一択。これだけのサポートがあれば数少ないクリーチャーでも相手をさばききってこいつがとどめを刺してくれる展開もあることだろう。目指すはスペル合計15枚越え。

 

Displace 相変位 (2)(U) C

インスタント

最大2体までの、対象のあなたのコントロールするクリーチャーを追放し、その後、それらのカードをそのオーナーのコントロール下で戦場に戻す。

 「幽霊のゆらめき(AVR)」のちょっと下位互換。元はアーティファクトや土地も対象に取れたのだが、今回はクリーチャーのみになり、その分、対象を取る数を選べるようになっている。一応こうした「明滅」効果はスピリットの領分として定義されているが、別に使うのはスピリットでなくてもいい。今回は各色に187能力持ちが多く登場しており、それらを使い回す用途はあまり意識せずとも効果を発揮出来るはずだ。その他、今回は白コモンに「平和な心」系除去である「攻守束縛」があるのでその対処に使えるし、それ以外の除去に対してもカウンターと同じ働きをするのだからメインで入れておいても使いどころには困らないだろう。やっぱり夢はアヴァシンの変身に対応して撃ち込み、自前の炎から味方を守ってしまうという究極の自作自演劇場だな。

 

Docent of Perfection 完成態の講師 (3)(U)(U) R

クリーチャー・昆虫、ホラー

5/4 飛行

あなたがインスタントかソーサリー・呪文を唱えるたび、1/1で青の人間、ウィザード・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。その後、あなたが3体以上のウィザードをコントロールしているなら、〜を変身させる。

Final Iteration 繰り返しつくしたもの (無色)

クリーチャー・エルドラージ・昆虫

6/5 飛行

あなたのコントロールするウィザードは+2/+1の修正を受けるとともに飛行を持つ。

あなたがインスタントかソーサリー・呪文を唱えるたび、1/1で青の人間・ウィザード・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

 もう、見た瞬間に爆笑したよね。「まだあったんかい!」ってなるよね。このあたりのこだわりは製作チームのセンスがすごいと思う。改めて確認しよう。スタート地点は「秘密を掘り下げる者(ISD)」。この時点ではまだ夢に燃える「人間・ウィザード」で当然ステータスは1/1。そこから実験に成功して変身したのが「昆虫の逸脱者」であり、こちらは「人間・昆虫」になって3/2が飛び出した。再びイニストラードに舞い戻った時に、彼はその姿のままで研究を続けていた。これが「逸脱した研究者」。4マナでステータスはそのままだったが、再び研究に成功すると彼は「完成態」へと至り、ステータスは5/4にパワーアップし、「昆虫・ホラー」へと変貌した。この時点で、フレーバーテキストに「研究室から彼が姿を消した」ことだけが描かれ、この長い歴史を経た変身物語は終わりを告げたかと思っていたのだが……なんと、彼は単に研究の場所を移しただけだった。コストは5マナになり、「昆虫・ホラー」の状態で今度は何を始めたかというと、他の人間どもを拉致監禁しての人体実験。自分の身体を使った実験では出来ないことがある。それが、科学にとって最も必要なこと、つまり「再現性」、リピータビリティの確立だ。モルモットを一定数揃えたら準備完了。自分と同じような存在を作ることが出来るかというと……出来たわけですね。ついに彼は究極存在である「エルドラージ・昆虫」に辿り付き、サイズももう一丁おまけで6/5。そして連れてきたウィザードたちはみんな仲良く3/2飛行。つまり、お友達(犠牲者)がみんな「昆虫の逸脱者」になれたんですよ。良かったなデルバー! おめでとうデルバー! ねぇ、ひょっとして次にイニストラードを再訪したとき、こいつボスキャラとかプレインズウォーカーになってねぇかな。カードとして大成すると色々ドラマが増えるな……。ちなみに、「イニ影」に収録されたウィザードは7体とあまり多くなく、コモンで使えるのは「溺墓の探検者」と「苛虐な魔道士」の2体だけ。今回のセットでも「歓喜する信者」と「ギサとゲラルフ」の2枚のみ。よりによって片方神話って……。ラッキーパンチは難しいかも。

 

Drag Under 引きずり込み (2)(U) C

ソーサリー

対象のクリーチャーをそのオーナーの手札に戻す。

カードを1枚引く。

 最初にカードを読んだ時に「おぉ! 『排撃(INV)』再録やんけ! マジか!」と思ってよく見たらソーサリーだったっていう。多分同じ経験をした人が日本に数百名いるんじゃないでしょうか。でもまぁ、ソーサリーになっても決して弱いというわけではないね。アド差で言えば「時の引き潮(M14)」あたりと同じなので3マナソーサリーなら納得のコスト設定だし。今後は定番カードとして他のセットなんかにも定着する設定になるかどうか。ただ、今回はカウンターとかオーラとか、あんまりバウンスに有利になるギミックが推されてないので特別な活躍はないかな。現出クリーチャーを戻せれば得出来るはずなんだが、あいつら大体誘発能力持ちだからあんまり得した気になれないんだよなぁ。

 

Enlightened Maniac 悟った狂人 (3)(U) C

クリーチャー・人間

0/2

〜が戦場に出たとき、【3/2エルドラージ】を1体戦場に出す。

 悟っちゃった人。悟っちゃったならしょうがないけど、出来ればもう1マナくらい早く悟って欲しかった。「死ぬとトークンになる」系列のカードというと、例えば「ドラゴンの卵(M14)」なんかがあるが、この手のカードは「いったん出して、死ぬまで手間がかかる」というので大体トークンはキャスティングコストよりもちょっと良い物になっていることがほとんどだ。しかし、このカードは4マナのコストでゴールが3/2バニラなのでちょっと良いどころかちょっと悪い。つまり、トークンを目当てに設置するカードではない。となると、死ぬ前のカードも優秀でなければならないのだが、どこをどういじってもそんな風には見えない。わざわざこのコストで一体何がしたいのか……と考えると自ずと見えてくる、そう、現出用の餌である。ここから新たにビッグサイズのエルドラージが出てくるなら、なるほど悟った甲斐があるというもの。4マナというコスト設定も絶妙で、7マナ現出なら5ターン目に3マナで登場し、2マナが自由になる。8マナ現出も確実に5ターン目に届くコスト設定なのだ。現出クリーチャーが3〜4体も集まっちゃったデッキなら、せいぜい悟ってもらうために入れておくのはありだろう。逆に言えば、そういう狙いが無い場合にはちょっとデッキインは躊躇われるスペック。今回青はコモンにも「不憫なグリフ」がいるので、そこそこ現出は安定してると思うのだが、どうなるかね。

 

Exultant Cultist 歓喜する信者 (2)(U) C

クリーチャー・人間、ウィザード

2/2

〜が死亡した時、カードを1枚引く。

 歓喜しちゃった人。歓喜しちゃったならしょうがないけど、出来れば死ぬ前に僕らも喜ばせて欲しかった。「死ぬとカードが引ける」系列のカードというと、たとえば「エイヴンの魚捕り(10ED)」なんかがあるが、この手のカードは「いったん出して、死ぬまで手間がかかる」というので大体本体はコストに見合ったスペックになっていることがほとんどだ。しかし、このカードは3マナ2/2のバニラなのであまりよくはない。つまり、ドロー目当てで投入するカードではない。わざわざこのコストで一体何がしたいのか……と考えると、自ずと見えてくる、そう、現出用の餌である。ここから新たにビッグサイズのエルドラージが出てくるなら、なるほど歓喜した甲斐があるというもの。お気づきの方もいるかもしれないが、ここまで、全力で上の「悟った狂人」で書いた文章のコピペで改変している。初代ハンドブック著者の導師鶴田リスペクト。まぁ、正直言うと3マナ2/2で1ドローならそこまで悪くもないから素で入れるのもありなんだけどさ。4ターン目「不憫なグリフ」で2ドローになるのは割とココロオドル。

 

Fogwalker 霧歩き (1)(U) C

クリーチャー・スピリット

1/3 潜伏

〜が戦場に出たとき、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーは次のそのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。

 漢字の部分をよく見ないとうっかり「霜歩き(FRF)」と間違ってしまう可能性があるので注意が必要だ。まぁ、同時に扱うフォーマットなんて無いけども。「遠沼の亡霊」のボディに「縫合の刻み獣」の能力に近いものを投入した3マナクリーチャーリスペクトなヤツ。ただ、注意しなければいけないのは、187能力はいわゆる氷漬け能力とはちょっと違い、あくまでアンタップを抑止するだけ。「刻み獣」と違ってタップはしてくれないので、ヤツのように積極的に攻めに使用出来るというわけではない。「遠沼の亡霊」の攻撃は想像以上に通しやすかったので、2マナからペチペチ削っていくカードとしてはかなり優秀。絆魂が無いのでライフレースは純粋に1点だけだが、霧も積もれば山になるかもしれない。もちろん、殴らずとも地上で2/2クラスを止めてくれる「海墓のスカーブ」ポジションも大切なお仕事。今回2マナパワー2の地上クリーチャーがいないのは青だけなので、必然的に優先度は高くなるだろう。中盤以降も相手の攻撃を1ターン押しとどめられるかもしれないし、満遍なく色んな状況で役に立ってくれる1枚。こういうバイプレイヤーが一番引くタイミングが難しいのよね。

 

Fortune’s Favor 偏った幸運 (3)(U) U

インスタント

対象の対戦相手は、あなたのライブラリを上から4枚見てそれを裏向きの山1つと表向きの1つ山に分ける。あなたは、そのうち1つの山を手札に加え、残りを墓地に置く。

 思わず「なるほどそう来たか」と膝を叩いた名作リメイク。当然元ネタはあの「嘘か真か(INV)」。元々は各色に何枚か収録された「山分け」サイクルの1つだったのだが、当時のデッキの流行りともかみ合い、このカードだけが伝説として名を残すことになった。あまりの人気に、当然Wizards社は色々とリメイクを試みたが、最初のリメイクだった「けちな贈り物(CHK)」(これは「直観(TMP)」のリメイクでもあるが)は、方向性を間違い過ぎて、ますますヤバいカードに大変身。このやらかしに慌てたのか、次に出てきたのは「真実か詐話か(TSP)」という何とも微妙な呪文で、随分骨抜きにされてしまった。その後も、役割分担を逆にした「蒸気占い(THS)」があり、最近では大胆にコストを改変した「溺墓での天啓」が作られたが、どれもこれも構築に届くまでは至らない。そこで、この新たな概念を導入した「ブラフか真か」が開発されたのである。これにより、元のカードとは別次元での勝負が可能となった。たとえばめくった4枚が土地・土地・「森の代言者」・「ニッサの誓い」だった場合、「嘘か真か」ならば「土地と代言者」「土地と誓い」に分けて少しでも2つの山を均等にするのが正解だ。しかし、今回の呪文の場合、これを「土地と代言者と誓い」と「なんか分からない1枚」に分けるという選択が可能になった。相手から見たらこの1枚はギデオンやアヴァシンかもしれないのだ。これは勝負をかける価値があるかもしれない。他にも様々なシチュエーションで悩ましい選択、ブラフをかける展開が考えられ、最大効率で利用すれば「嘘か真か」以上の収穫があるが、相手の才覚、読み合い次第では急激に価値を落とす。分ける側、分けられる側、どちらも本当の意味での勝負勘がためされる呪文だ。ちなみに後になって気付いたが、「嘘か真か/Fact or Fiction」の英語の略称が「FoF」であり、この呪文も「F’s F」になっている。これはやっぱり意図して合わせたんだよなぁ。

 

Geist of the Archives 書庫の霊 (2)(U) U

クリーチャー・スピリット

0/4 防衛

あなたのアップキープの開始時に、占術1を行う。

 最後の単語を読み終わると、最初のページに戻り、また読み始める」らしいですよ。まぁな、その格好じゃページはめくれても、他の本取りに行くの大変そうだからな。でも、それだとあんまり知識は蓄えられないよな。ちなみに、俺の回りにもジャンプとかチャンピオンで同じことをやる奴を何人か知っています。さておき、役割としては全自動の「印章持ちのヒトデ(ORI)」である。ヒトデより1マナ重いが、その分タフネスが増えて対応出来る状況がグッと増えた。さらにアップキープの自動装置なのでヒトデよりも安定感がある。これ1枚でかなりドローの質が改善されるはずだし、鬱陶しいと思っても相手はこれの対処をするのはかなり大変。リミテッドなら優先度の高いナイスアンコモン。墓地に落とせないので昂揚のサポートにはなりにくいが、「秋の憂鬱」「蟻走感」「収穫の印章」なんかと組み合わせることで墓地のデザインにまで応用することも出来る。伊達に読書にこだわりをもっているわけじゃない。書痴の皆さんも、死んだらこんな風になりたい……ですかね?

 

Grizzled Angler 白髪交じりの釣り人 (2)(U) U

クリーチャー・人間

2/3

(T):あなたのライブラリを上から2枚墓地に置く。その後、あなたの墓地に無色のクリーチャー・カードがあるなら、〜を変身させる。

Grisly Anglerfish 不気味なアンコウ (無色)

クリーチャー・エルドラージ、魚

4/5

(6):あなたの対戦相手のコントロールするクリーチャーは、可能ならばこのターン攻撃する。

 日本語名だと分かりにくいが、英語名が洒落になっている。「灰色の」を表す「Grizzly」と「不気味な、恐ろしい」を表す「Grisly」は発音が全く同じ。変身前は白髪交じりのおっさんだけど、裏返るとおっかないアンコウになる、という状況を同じ発音の言葉で統一したわけだ。フレーバーでも「海の魅力は逆らいがたい」と、釣り人のテンプレ台詞→アンコウのルアーという翻案が面白い。さておき、墓地を肥やすタイプの仕事人。単体だとそこまで求められる仕事ではないのだが、裏面が青のクリーチャーとしてはでかいので、出来ればなんらかの墓地ギミックと合わせて使っていきたいところ。最速を狙うなら、今回アーティファクトに2マナの「耕地這い」がいるが、流石にピンポイントでそこを狙うのはおかしな話だ。現出クリーチャーは最軽量でも7マナなのでそれが死ぬのを待っている余裕は無いし、ある程度現出クリーチャーが入っているデッキで削りながら待つ形か。

 


拍手

<白>

 

 

Blessed Alliance 神聖な協力 (1)(W) U

インスタント

増呪(2)

次のうちから1つかそれ以上を選ぶ。

「対象のプレイヤーは4点のライフを得る」

「最大2体までのクリーチャーをアンタップする」

「対象の対戦相手は攻撃クリーチャーを1体生け贄に捧げる」

 アンコモンに配された「協力」サイクルの白。今回増呪は白・黒・赤の割り当てだが、何故かこのアンコの「協力」サイクルだけが黒に存在しておらず、赤との2枚セットになっている。まぁ、この程度の新ギミック(?)ではそんなにカード枠を取れなかったのかな? さておき、基本的には一番下の「天界のほとばしり(ORI)」能力を使っていくことになり、そのときマナに余裕があればアンタップモードを使って更なる追撃を、そして万一6マナあればさらに4ライフもゲット出来る呪文。もちろん、アタッカーが1体なら4マナで除去+ライフゲイン。これだけで充分過ぎる性能だ。様々な使い方が可能なのが増呪の利点であり、基盤となる部分が強ければそれだけ汎用性も上がる。リミテッドなら必須除去。構築の場合、もう少しトークン戦術が下火になればひょっとしたら。一応オジュタイを倒せるのは意味があるかもしれないし。まぁ、攻撃してるオジュタイなら他の方法でも倒せるんだけどさ。

 

Borrowed Grace 恩寵借用 (2)(W) C

インスタント

増呪(1)(W)

以下から1つか両方を選ぶ。

「あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+2/+0の修正を受ける」

「あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+0/+2の修正を受ける」

 コモンの増呪は全て「借用/Borrowed」がつく名前になっており、モードも2つしかない初級編。まぁ、ぶっちゃけると完全に双呪であるから、モード選択も大して悩む必要も無く気楽に使っていける呪文だ。一応「エルドラージに対抗するために力を合わせる人間の姿」を描いているのが増呪らしいのだが、それが何故青と緑にないのかは謎である。で、そんな基本増呪の白は「補強(M14)」の完全上位互換。元々モード選択だったものに純粋にオプションとして双呪がついたのだから、完全に先輩を馬鹿にしている形だ。「補強」は環境によっては充分に戦況を決めるだけの力を持っており、大体はトークンなんかを並べてパワー増強ズドンでゲームを終わらせることになる。インスタントなので使い勝手がよく、時のらせん当時は「アイケイシアの触れ役(TSP)」や各種サリッドなんかからこれに繋ぐのがコモン戦術の基本だった。今回は増呪ということでタフネスを同時に上げるモードもあり、こちらで使えばコストも完全に「膨らむ勇気(MOR)」と同じ。ワンパンでゲームが決まるならその後自軍が生き残ろうが死のうが関係無いのでタフネスを上げる必要はないが、防御で使う場合やワンパンで決まらないけどとりあえず押し込む場合なんかに有効。まぁ、とにかく無いよりあった方がずっと強いのは間違いないのだ。今回は3/2のエルドラージという力強いトークンも多いので、ここからのゴリ押し戦術は割と現実味がありそう。

 

Bruna, the Fading Light 消えゆく光、ブルーナ (5)(W)(W) R

伝説のクリーチャー・天使、ホラー

5/7 飛行 警戒 (折れた刃、ギセラと合体する)

〜を唱えた時、対象の、あなたの墓地にある天使か人間・クリーチャー・カードを戦場に戻しても良い。

 悲劇の大天使。ストーリー部分の紹介は他のサイトにでもお任せするが、ざっくりまとめると、天使3姉妹(ホントは4姉妹)のうち、元々呪禁持ちだったシガルダだけがエムラクールの魔力に引っかからずに済み、脳筋のギセラ、穏健派のブルーナはアヴァシンともども狂気にやられてしまっている。そして今回、そんな悲劇の天使姉妹が3種の合体カードの1つに選ばれたわけだ。一応開発チームの解説だと「この天使のイラストからケン・ネーグルが合体カードを作り始めたんだよ」みたいなことも言っている(マローはもっと前から考え続けてたって言ってるんだけどな)。そんな天使の片割れ、ブルーナ。かつての姿では青含みだったが、今回は面倒なので白一色になり、性能も随分シンプルに「大天使(AVR)」のアップグレード。そして合体能力を促進させるために節操なしのリアニ能力を付与。これで、墓地にギセラを置いておけばこいつ1体で半自動変身が可能になった。率先して不幸になっていくスタイルか。単体での性能もそれなりに強力だし、釣り上げる天使は当然アヴァシン様でもいいのだから無理に合体してグロ画像を拝む必要も無いが、やっぱり与えられたからには狙ってみたいところ。エルドラージに影響されたせいで能力は187ではなくキャスト誘発になってしまっているため、コストの踏み倒しは基本的に禁止。素直にコストを払ってギセラと合流しよう。ちなみに、何故かこのコンビだけ、合体カードで互いのレアリティが異なっており、ブルーナはレアなのにギセラは神話になっている。姉妹の中で唯一格差を付けられたブルーナさんカワイソス。おかげでリミテッドでの合体はプチ奇跡。もし登場したらホールインワン賞なみの扱いで。

 

Choking Restraints 絞首束縛 (2)(W) C

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

エンチャントされたクリーチャーは攻撃もブロックも出来ない。

(3)(W)(W)、〜を生け贄に捧げる:エンチャントされたクリーチャーを追放する。

 とりあえず「平和な心」で抑えておいて、マナに余裕が出来たら後からゆっくり絞め殺しましょう、という白にあるまじき物騒なオーラ。いや、白はいつだってこうして物騒なことを平気でやるんだ。過去にも、黒の力を使ってジワジワ殺していく「衰微の拘束(APC)」や、手を出せなくなったところをよってたかっていじめる「良心の呵責(MOR)」なんてねちねちしたカードも。今回は綺麗さっぱり絞め殺してしまうようだが、まぁ、普通は「平和な心」で無効化した時点で8割方処理は完了しているので、後の5マナはそこまで必須項目ではないだろう。警戒すべきは起動型能力などを持っている連中に渋々これを張った場合と、相手のエンチャント破壊を警戒する場合。特に後者はいつどうなるか分からないので、白や緑を相手にしている場合には余裕があればさっさと括り殺しておきたいところだ。あ、あと昂揚狙いでエンチャントを墓地に置きたいってニーズもあるかもな。今回白にもちょいちょい昂揚カードが混じっているので、その辺の立ち回りも勘定に入れておくといいかも。

 

Collective Effort 集団的努力 (1)(W)(W) R

ソーサリー

増呪 - あなたのコントロールするアンタップ状態のクリーチャーを1体タップする。

次のうちから1つか複数を選ぶ。

「対象の、パワー4以上のクリーチャー1体を破壊する」

「対象のエンチャントを破壊する」

「対象のプレイヤーのコントロールする全てのクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く」

 白・黒・赤に与えられた「Collective/集団的」サイクルの白。サイクルの仕様は、どれも比較的コストの軽い増呪ソーサリーで、増呪コストにマナ以外の色特性が与えられているというもの。白のコストはクリーチャーのタップというシンプルなもので、使用感は召集呪文や昔懐かしの共謀呪文にも似ている。こちらの呪文のメインは当然除去モード。性能は「復仇(JOU)」なのでそこそこだが、この効果で腐ることの方が稀なので、とりあえず必殺モードがあるのは安心。増呪コストも手軽なので、後はお好みでオプションを付けていけばいいだけだが、ま、普通に考えたら下のモードを使わない理由も無いだろう。仮にクリーチャーが1体だけだったとしても、単にタップするだけでカウンターが乗るならおまけとしてはでかすぎる。手軽にふざけんなの一言。エンチャント除去だけは使えるタイミングが限られているが、すでに2つのモードだけでもお腹いっぱいなわけで、それがついでのついでにもう一仕事出来てしまうというんだから汎用性のバケモノである。メインでコレ積んでおけば、とりあえずエンチャント対策に困ることはないだろう。現在は似たような仕事をする「ドロモカの命令」があるのでポジション争いは微妙なところだが、ドロコマと比較されるという時点でチートなのだし、下のモードの有用性を考えればドロコマより強い可能性も充分ある。だからさぁ、これ以上トークン系のデッキが強くなるのはさぁ。

 

Courageous Outrider 勇敢な先導 (3)(W) U

クリーチャー・人間、スカウト

3/4

〜が戦場に出たとき、あなたのライブラリを上から4枚見る。あなたはその中から人間・カードを1枚公開し、それを手札に加えても良い。残りのカードを任意の順番であなたのライブラリの下に置く。

 お友達連れてくるマン。挙動が近いのはアポカリプスに収録されていた「募兵官(APC)」などのサイクルで、現在も下の環境では「ゴブリンの首謀者(APC)」が活躍中。異なる点は最大でも1枚しか手に入れられない部分だが、まぁ、元々相当な密度でデッキを組んでも2枚以上手に入れる確率はそこまで高くなかったので、大きなマイナスにはならないだろう。その分こいつはコストに対して充分なステータスを手に入れ、そして何より、今をときめく種族・人間である。仕事が終わってしまえば単なるバニラというのは一見地味に見えるが、元々人間ってのは素材単体の味ではなく連なっていくシナジーを本懐とするクリーチャー。人間が人間を呼ぶ人間算が安定して維持出来る潤滑油なら、むしろその本懐に沿った理想の形といえる。「変位エルドラージ」などのブリンクとの相性もよく、「サリアの副官」や「反射魔道士」と合わせて、「奇妙な幕間」で回すなんてのも面白そうだ。まぁ、4マナというコストは人間デッキでは相当重い方なので、この辺のコスト域に出番があるかと言われたら微妙ではあるのだが……。ちなみにリミテッドの場合、「イニ影」が多ければ赤の人狼軍団の多くが人間なので力を合わせやすかったが、今回は赤にほとんど人間がいなくなっているので緑白の専用ツールになりそう。今回もヤバい人間クリーチャー、多いですよ……。

 

Dawn Gryff 夜明けのグリフ (2)(W) C

クリーチャー・ヒポグリフ

2/2 飛行

 環境を規定するフレンチバニラ。最大の難点は特にコメントが見あたらないところ。あぁ、そうそう、一応イニストラード特産のヘンテコ生物であるグリフはクリーチャータイプがヒポグリフなんですよね。かつて1枚だけカード化されたのは基本セットに出張していた「静翼のグリフ(M15)」でした。ヒポグリフって本当はグリフィンと馬の合いの子のことをいうのだが、グリフはどう見ても白鳥と馬の合いの子。同じクリーチャータイプにまとめてしまっていいものかどうか。そもそも白鳥と馬の交配ってレベル高すぎやろ……。「馬が白鳥を襲う」はどう考えても不可能だろうからその逆なんだろうが、突然空から舞い降りて「オラァ! 尻だせやぁ!」って雌馬にのしかかった白鳥さんサイドにも狂気しか感じない。イニストラードはエムラクールなんか来なくても最初からぶっ壊れた世界だったんじゃないですかね?

 

Deploy the Gatewatch ゲートウォッチ配備 (4)(W)(W) M

ソーサリー

あなたのライブラリを上から7枚見る。その中から、最大2枚までのプレインズウォーカー・カードを戦場に出す。残りをあなたのライブラリの下に無作為に置く。

 プレインズウォーカーによるプレインズウォーカーのためのプレインズウォーカーなソーサリー。なんとあの「書かれざるものの視認(KTK)」のPWバージョンである。クリーチャーよりもPWの方が1枚あたりのインパクトがでかいのは自明なわけで、それが一気に2体もコスト踏み倒しで出せてしまうというのはかなりエッグい。なんで招致するのに3マナもかかってたんや、って話だ。サーチ枚数が7枚と絶妙で、そして同じカード2枚ならハズレという制限はあるものの、PWコントロールにとっては福音となる1枚だ。ここからナヒリ・ソリンの因縁コンビをぶつける、ジェイス・リリアナの同伴出勤、ウギン・ボーラスの怪獣大決戦など、夢の共演が思いのままだ。せっかくこのカードと一緒に登場したのにリリアナさんはわずか3マナと相変わらず空気を読んでないな。6マナまで待ってナーセットやニクシリスを展開していくエスパーコンは充分結果を出しているのだから、この制圧力は構築クラスでも案外面白い爆弾になるのじゃなかろうか。統率者戦でPWデッキを組んでた人には必須の1枚だ。ちなみにイラストでは本来仲が悪いはずのギデオン・リリアナの共演が楽しめる。お互いまだ見解は一致してない(not see eye to eye)けど、今は協調して戦っている(fight side by side)。元のフレーバーが韻律を合わせているので、日本語も「共感せず」「共闘する」で合わせてあるのは芸が細かい。

 

Desperate Sentry 捨て身の歩哨 (2)(W) C

クリーチャー・人間、兵士

1/2

〜が死亡した時、【3/2エルドラージ】を1体戦場に出す。

昂揚 - 〜は+3/+0の修正を受ける。

 可愛いヤギさんを助けるために捨て身になった歩哨。なんて心優し奴だったんだ……。ただ、実際には昂揚前なら死んだ方がサイズアップするし、良い奴なんだけどさっさと死んでくれという世知辛い声も聞こえてくる。旧イニストラードには2/2で死んだらゾンビになって帰ってくる「忠実な聖戦士(DKA)」がいたが、あれの「死後の方が豪華バージョン」とでも思えばいいだろうか。一応、昂揚時には生前のステータスがエルドラージを上回るが、まぁ、4/2だろうと3/2だろうと相手の2/2と相打ちには変わらないしな。手軽に量的アドバンテージを取れる気の利いた小兵。現出の捨て駒に丁度良いし、上手く使いこなして終盤のゴリ押しへと繋げていきたい。

 

Drogskol Shieldmate ドラグスコルの盾仲間 (2)(W) U

クリーチャー・スピリット、兵士

2/3 瞬速

〜が戦場に出たとき、あなたのコントロールする他のクリーチャーは、ターン終了時まで+0/+1の修正を受ける。

 これまで「Shieldmate」という英語には全て「盾の仲間」という対訳が充てられていたのだが、何故か今回は「の」が抜けて盾仲間という謎の言葉になった。いや、「盾の仲間」もよく分かんないけどさ。とりあえず、ちょっと名前が短くなった盾仲間は、なるほど確かに盾だ。過去の類例と違って1ターンしか盾を構えてくれないのはちょっと物足りないが、瞬速のおかげで素のステータスだけでもそこそこ、3ターン目に殴りに行った熊を熊で受けるといった序盤の戦闘をひっくり返す程度の仕事は充分にこなせる。スピリットデッキなら加点要素もあるだろうし、リミテッドなら重宝しそう。ちなみにこのスピリットは、当然過去にエルドラージ軍と戦って散っていった勇者の魂である。フレーバーテキストには「あなたが我々の仲間に加わらないですむよう、私があなたの仲間に加わる」という甲斐甲斐しい台詞も。英語だとjoinが2回使われていて洒落た言い回しになっているのだが、日本語訳だと伝わりにくくなっているのがちょっと惜しい。

 

Extricator of Sin 罪からの解放者 (2)(W) U

クリーチャー・人間、クレリック

0/3

〜が戦場に出たとき、他のパーマネントを1つ生け贄に捧げても良い。そうしたなら、【3/2エルドラージ】を1体戦場に出す。

昂揚 - あなたのアップキープの開始時に、〜を変身させる。

Extricator of Flesh 肉体からの解放者 (無色)

クリーチャー・エルドラージ、ホラー

3/5

あなたのコントロールするエルドラージは警戒を持つ。

(2)(T)、エルドラージでないクリーチャーを1体生け贄に捧げる:【3/2エルドラージ】を1体戦場に出す。

 元の職業は、処刑のためのギロチンの管理人さん。罪からの解放とは上手いこと言ったもんだが、汚れ仕事を任された大変なお仕事。そんな彼のお仕事もエルドラージのせいで様子が変わっており、彼が処刑を下したなにか(パーマネント)は、哀れエルドラージとして蘇ってしまうのである。そして事態が混迷して昂揚がみたされた後には、ついに彼自身もエルドラージに支配され、今度は彼の魂が肉体の束縛から解放されちゃう。イラストをよく見ると、彼のお仕事とおぼしきギロチン台に置かれたカゴ(首が入ってたんやろな)からも触手がウネウネして誘ってくれている。もう、いたるところからエルドラ旋風。昂揚を前提としない場合、一番いらないパーマネントをエルドラージ化することで戦力増強を図るフィクサーに。最序盤だと土地をサクるのも躊躇われるので下手したら単なる0/3だけが着地する可能性もあるが、まぁ、一応壁+αの仕事が期待出来るなら。無事昂揚を達成すれば一級の戦力になり、エルドラージ軍の攻勢を後押しする名プロデューサーへ。ここまで化けるなら何とか昂揚は達成させたいところ。白はパーマネントをサクる手段はそれなりにあるので、白黒・白緑なんかの昂揚デッキは案外何とかなりそう。これまでの昂揚カラー候補に適宜白を混ぜて情報修正を。

 

Faith Unbroken 揺るぎない信仰 (3)(W) U

エンチャント・オーラ

エンチャント(あなたのコントロールするクリーチャー)

〜が戦場に出たとき、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーを、〜が戦場を離れるまで追放する。

エンチャントされたクリーチャーは+2/+2の修正を受ける。

 身にまとっちゃうタイプの「忘却の輪(M13)」シリーズ。ただでさえ強いリング効果が、さらに増強オーラになっちゃったらもっと強いに決まっている。リミテッドの場合はマジで洒落になってなくて、一番強いクリーチャーを消された上に強くなった相手クリーチャーが殴ってくるのは地獄絵図。最序盤にちょっとでもまごつけばこれだけで試合が決まりかねない危うすぎる1枚。もちろん、オーラになったが故の弱点というのも明白で、クリーチャー除去やバウンスでも対処出来るようになったのだから、除去としての信頼度は大きく低下し、正直構築戦ではちょっと使い物にならないだろう。いっそ呪禁バントみたいなデッキで運用するべきか? リミテッドは当然ブン回りを期待してガンガン使っていくことになるが、火力を警戒すればせめてタフネスの高いクリーチャーに張って延命を図りたい。案外「海墓のスカーブ」みたいな中庸なカードが相手に除去を使うことを躊躇わせる意味では丁度良いのかも。

 

Faithbearer Paladin 信仰持ちの聖騎士 (4)(W) C

クリーチャー・人間、騎士

3/4 絆魂

 「アラシンの勇者(DTK)」が1マナ重くなった代わりに、なんとタフネスが2も増えた。4マナと5マナでは比べにくいのは事実だが、この変更はおおむねプラスと見ていいのではなかろうか。絆魂という能力の性質上、出来れば何度も戦闘に駆り出して恩恵を受けたいし、ブロックに回したときの生存率をあげるためにも高タフネスはありがたい。「近野の司祭」がワンパンで3ライフをもぎ取って死んでいくだけでも戦況には充分影響を与えたわけで、それが死ににくいタフネスを手に入れれば、よりライフレースをコントロールしやすくなるだろう。2枚必要なカードではないかもしれないが、マナカーブの締めあたりに1体いてくれると安心できる。それにしてもこうしてみるとやっぱり「アブザンの先達(KTK)」って壊れてんな。

 

Fiend Binder 悪鬼を縛る者 (3)(W) C

クリーチャー・人間、兵士

3/2

〜が攻撃するたび、対象の、防御側プレイヤーのコントロールするクリーチャーをタップする。

 変容したかつての仲間と戦わなきゃいけないのがイニストラード民にとってはつらいところだが……仲間、様変わりしすぎやろ。もうそのゆるキャラみたいなやつは殺していいと思うよ。絶対修復の見込み無いからさ。それでも彼女は健気に不殺を誓い、タップし続けるのです。久しぶりに登場したアタック誘発タッパー。最後に登場したのは「ハズダーの罠部隊(DGM)」だが、その後能力だけを切り取った「秘儀術師の掌握(ORI)」が登場し、やたらと活躍していた。今回は4マナ3/2とそこまでステータスに魅力があるわけではなく、相手に2体以上のクリーチャーが並んでいればおそらくタップされていないクリーチャーにブロックされて死んでしまうだろう。それでも充分と割り切れるくらいに攻め気の強いデッキでないと、ちょっと特性は活かしにくいかも。守備的なデッキにとってはこうした攻めに攻めを重ねるカードってのは非常に厄介で、今でいうなら「鼓舞する隊長」あたりが近い印象。守勢側がクリーチャーを連打して「よし、数で並んだ」って思ったのにこうして1枚のカードが2枚分のプレッシャーをかけてくるのが一番鬱陶しいのだ。まぁ、流石にこのコストだと一線級とは言い難いが、これが強くなるデッキが組めたなら、さぞかしい気持ちいいビートが刻めるだろうさ。

 

Geist of the Lonely Vigil 孤独な夜番の霊 (1)(W) U

クリーチャー・スピリット、クレリック

2/3 防衛 飛行

昂揚 - 〜は防衛を持たないかのように攻撃出来る。

 「黴墓のゴミあさり」に近い立ち位置の昂揚生物。あちらは昂揚前に鉄壁の地上防御役、こちらは飛行を止められる堅実な防御役。昂揚後の効率も大体似たようなもん。その割にこちらがアンコになってしまっているのは、白が昂揚のメイン色ではないからだろう。あまり沢山これが集まるようだと、白メインのデッキが昂揚を狙おうとしてしまうからね。現時点で白の昂揚カードというと「偏執的な教区刃」くらいで、アイツは素の状態でも白いデッキで最低限の仕事が出来たので構わなかったが、こいつの場合、白赤や白黒の攻め傾向とはあまり噛み合わない。スピリットに重きを置いたデッキ、もしくは白緑などで積極的に昂揚もフォロー出来そうな場合のオプション程度の認識でいいのかな。

 


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1月9日 ドラフト模様(TKT×3)

ピック順 【Thraxi】→【Alessi】→【Sea-chicken】→【Mei】→【Sangriter】→【Serra】→

 

 新年初ドラフトでございます。旧年中は誰かの殻脱ぎで幕を閉じたので、なんかみんな捨て鉢になってました。今の環境って、割と勝ちのバランスが取れてて悪くない環境だと思うんだけどね(少なくとも1つ前の環境よりは)。ただ、言い忘れてたけどそんな環境も残すところあと1回なんだわ。今回は第2セットの発売が一週間早いから、再来週はもう新環境なんだわ。

 というわけで、次回、タルキール最終戦。心残りのないように、っつっても絶対無理だろうから、せいぜい悪あがきするがいいわ。

 

 


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<無色>

 

Abundant Maw 甚だしい大口 (8) U

クリーチャー・エルドラージ、ヒル

6/4 現出(6)(B)

〜を唱えた時、対象の対戦相手は3点のライフを失い、あなたは3点のライフを得る。

 現出クリーチャーの割り当ては青・黒・緑の3色。その内、メインとなるのはこれまでの色特性だった「調査」を没収された青と緑で、コモンからレア(緑は神話レア)までのレアリティを揃えている。黒はサポート的な立ち位置で、こいつも含めてアンコとレアに1枚ずつだ。そんな基本となるこちらの黒現出は、アンコとはいえ割と普通。現出クリーチャーは8マナか9マナの2択で現出コストになるとそれが1少なくなる、つまり、基本的には3マナのクリーチャーを3ターン目に出し、4ターン目に現出出来るかどうかというのが1つの指針になる。黒の場合、ゾンビは死んでも平気な連中というのが一応のスタンスなので、「死んでもいい肉」はそれなりにいるだろうか。4ターン目に着地すれば、その時点で3点ドレイン+6/4は割と世界が変わるサイズ。でもまぁ、着地してしまえばだだのバニラなので、相手はおそらく2対1交換での対処を図るだろう。こちらは現出時にクリーチャー1体潰しているのでトントン。ドレイン分でやや得、くらいか? もちろんこれは互いに何もしなかった場合の話で、「かそけき翼」で飛ばしてみたり、「奇怪な突然変異」のバックアップを駆使したり、コスト域に似合わぬ体躯を活用する手段はそれなりに用意されている。なかなか主軸を見出しにくいクリーチャーだが、早めに引くなら、是非輝ける舞台を模索してあげよう。

 

Decimator of the Provinces 州民を滅ぼすもの (10) M

クリーチャー・エルドラージ、猪

7/7 トランプル 速攻 現出(6)(G)(G)(G)

あなたが〜を唱えた時、あなたのコントロールするクリーチャーはターン終了時まで+2/+2の修正を受けるとともにトランプルを得る。

 緑のレア現出は「孔蹄のビヒモス(AVR)」の焼き直し。そういえばアイツもイニストラード出身なんだよな。コストこそ重くなったが、そこは現出効果で微調整が可能。この能力を頼みにする時点でクリーチャーを並べることは確定なので、その中でパワーの値とマナコストが一番アンバランスな重めのヤツをサクれば、ある程度現実的なコスト域でこいつが出せるはず。187能力ではなく唱えた時に誘発するため、ご丁寧にビヒモスよりもサイズアップしている(ビヒモスと違って自分の能力の恩恵が受けられないから)のも親切で、こいつが7/7トランプルで転がりつつ、3〜4体も増強出来れば当然ゲームが終わる。使い方は「ビヒモス」と一緒で、いくらか選択肢が広がっているのだからそりゃ強いだろう。現出の活用が現実的なら構築レベルも無くはない。でもまぁ、下の環境なら墓地やライブラリから一本釣りしても効果を発揮するビヒモスで安定だろうなぁ。

 


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<無色>

 

Brain in a Jar 瓶詰め脳 (2) R

アーティファクト

(1)(T)、〜の上に蓄積カウンターを1つ置く。あなたは〜の上に置かれた蓄積カウンターの数と同じ点数で見たマナコストを持つインスタントかソーサリー呪文を1つ、そのコストを支払うことなく手札から唱えてもよい。

(3)(T)、〜の上から蓄積カウンターをX個取り除く:占術Xを行う。

 イニストラードはゴシックホラー次元だが、案外サイバーな方向にも技術革新は進んでおり、全く機械文明が無いわけではない。過去にも「霊捕らえの装置(ISD)」やら「ナースタードの潰し屋(AVR)」といったメカが開発されている。潰し屋なんて開発者はあのルーデヴィックさんである。もちろん、機械科学だけでなく生物学の研究もマッドなサイエンティストが盛んに行っており、「目玉の壺(DKA)」なんてナイスグロも。この脳みそもそんな目玉の発展形。瓶詰めで生きている脳ってのもSFなんかでは定番ですよ。目玉だけだと占術を絡めてカードを引くだけだったが、脳ごと保存しちゃえば呪文を唱えられるようになる。その効果はあたかもあの「霊気の薬瓶(DKS)」のごとく。こちらは起動時に自動でカウンターがおかれるので特定のマナ域でステイしてカードを連打するのには向いていないが、一応占術を起動すれば微調整は可能。むらっ気は強くなってしまったが、元々デッキにたくさん突っ込める基盤リソースであるクリーチャーと違って、インスタントやソーサリーについては特定マナ域で連打する意味はそこまでなさそうだし。「薬瓶」が強すぎたのでそのあたりは微調整された感じだろう。さっさとカウンターを溜められればどんなコストでも1マナで唱えられちゃうのは夢があるし、これを経由すればソーサリーでも手軽にインスタントタイミングで使用可能。とりあえず「一日のやり直し(ORI)」かな。

 

Corrupted Tombstone 崩れた墓石 (2) R

アーティファクト

〜はタップ状態で戦場に出る。

(T):あなたの墓地にあるカードを1枚選ぶ。あなたのマナ・プールに、その色のマナを1点加える。

 なんで墓石からマナが出るのかは良く分からないが、まぁ「古えの墳墓(TMP)」からマナが出るのと同じ理屈? でもなぁ、土地と墓石だとまた違う気もするが……。「迷いし者の祭壇(DKA)」のおかげでアヴァシン教の紋章からマナが出るのはあんまり違和感ないな。2マナタップインという古き良きダイアモンド設定のマナアーティファクト。出る色は墓地のカードに依存するのでやろうと思えば5色全てのマナが出る魅惑の2マナカードになる可能性も秘めてはいるが、今後の環境でそんなに色んなマナを求めるデッキが登場するとも思えないし、そこまで大きな役割は果たさない気が。リミテッドなら何にせよマナのジャンプアップはありがたいが……でも、これで2マナ→4マナのジャンプアップを狙おうとすると、1ターン目に何か(土地以外のものを)墓地に落とさなきゃいけないんだよな。あれ、割とポンコツ? スリヴァーとか同盟者とか、色を野放図に広げたい同盟者デッキで新たなマナソースの候補になるくらいかな。でも統率者は既にマナソース充実してるからなぁ。

 

Epitaph Golem 墓碑のゴーレム (5) U

アーティファクトクリーチャー・ゴーレム

3/5

(2):対象のあなたの墓地にあるカードを、あなたのライブラリの一番下に置く。

 この世界のアーティファクトクリーチャーは強い。何しろ、墓地に行ったら1枚で2つのカードタイプを埋め合わせられるのだから。おかげで今回は割とアーティファクトクリーチャーに対する監視の目が厳しく、どうってことない性能のこいつもアンコモン。5マナ3/5は「まぁこんなもんじゃん?」と思う数字だが、「包囲マストドンと同じ」って言われると途端に弱く見える。つまり、普通にデッキを組んでいてもそこまで求められてはいない。なんか能力も持っているが、正直何が目的なのかがよく分からない「ゴミ引きずり(RAV)」能力だし。相手の墓地も選べるならかなり強いのだが、何故か自分だけなんだよな。万が一、相手がライブラリを仕留めに来た時用? いいよ、そんなに警戒しなくても。

 

Explosive Apparatus 爆発性の機器 (1) C

アーティファクト

(3)(T)、〜を生け贄に捧げる:〜は対象のクリーチャーかプレイヤーに2点のダメージを与える。

 「心霊が入った心霊爆弾さ」「怖い爆発が起きるよ〜」。なんとかして無色のアーティファクトを火力にしてみようプロジェクト。様々な研究が続けられる中、一番シンプルに「ショック」を再現したのは「ツキノテブクロのエキス(LRW)」だったと思われるが、このカードはそれをややダウングレードした感じの製品で、合計コストは1マナ重くなってしまっている。ただ、必ずしも弱くなったとは言い切れず、1マナで唱えられるので狼男対策や果敢支援としては意味を持つだろう。もちろん、デッキを選ばず使える除去なのだから、環境を峻別するのがタフネス2のクリーチャーたちだったりすれば、必然的に価値も上がってくるし、「性能なんてどうでもいいからアーティファクトを墓地に置きたいんじゃ」っていうニーズはばっちり応えてくれるだろう。まぁ、結局「ツキノテブクロのエキス」ってあんまり使われなかったけども。「炎放ちの車輪(THS)」? 聞いたことのない名前やな。

 

Harvest Hand 収穫の手 (3) U

アーティファクトクリーチャー・カカシ

2/2

〜が死亡した時、これを変身させた状態であなたのコントロール下で戦場に戻す。

Scrounged Scythe 拾った大鎌

アーティファクト・装備品

装備したクリーチャーは+1/+1の修正を受ける。

装備したクリーチャーが人間である限り、それは威迫を持つ。

装備・(2)

 カカシってのはそのほとんどがシャドウムーアに生息しているクリーチャータイプ。それ単体だと単なる人形だが、広々とした農地にぽつんと立っているカカシってのはどこか不気味なもので、なんとも陰鬱な空気を醸し出しているために、暗澹たるシャドウムーアでは立派な一大種族として活躍していた。そして、似たような暗さを持つイニストラードにも、過去には「片目のカカシ(ISD)」というカカシが1体だけ収録されている。これぞ世界観優先のセット構成ですな。今回のカカシはまさかの両面カード。そして、裏面が装備品という史上初の斬新なデザインである(逆ならどこぞのデーモンがいたが)。イラストを見ると分かるが、カカシの腕に取り付けていた鎌を、緊急時に人間が拝借した、ということ。まぁ、この非常事態にせっかくの武器を畑に立たせるだけってのは勿体ないからね。正しい運用法。表面のクリーチャーバージョンは本当にどうでもいい存在なので、これは「それなりの装備品を手に入れるための前段階」と考えるべきだろう。出来ればさっさと装備したいけど、カカシが生きてるうちは無理。適当な呪文のコストに使うとか、チャンプブロックするとか、そうして鎌だけを取り出して、人間達に威迫をプレゼントするのだ。まー、装備品の方もそこまで大層な性能でもないのだが、延々威迫持ちが殴ってくるというのはかなり鬱陶しい。あと、墓地に直接送れば昂揚の刺激に丁度良い。

 

Haunted Cloak 憑依の外套 (3) U

アーティファクト・装備品

装備支度リーチャーは警戒とトランプルと速攻を持つ。

装備・(1)

 なかなか盛りだくさんな装備品。「執念の剣(M11)」と比較したりすると涙で前が見えなくなるので気にしないものとして、攻守にわたって色々と使えるのだから文句はいいっこなし。意外に大事なのが速攻付与の部分で、これを置いておけば相手は途端にダメージレースの計算が難しくなる。「闊歩するものの装具」と違ってダメージ量は増えないが、その分警戒があるので特に考えずに殴りに行けるのは大きいだろう。白には装備品支援の流れもあるし、置いとけばコストに見合ったプレッシャーはかけられるカード。

 

Magnifying Glass 拡大鏡 (3) U

アーティファクト

(T):あなたのマナ・プールに(C)を加える。

(4)(T):調査を行う。

 謎解きに必須、探偵七つ道具の1つ、虫眼鏡である。これがあれば調査が行えるのは分かるが、マナが出るのはどういう仕組みなんだい? まぁ、そうでもしないと実用レベルのカードにならなかったんだろうが。効果としては「予見者のランタン」のコンパチみたいなもの。起動コストが重くなったが、占術ではなく調査になり直接アドバンテージが狙えるようになった。起動も合わせるとトータル6マナで1ドローなのですこぶる効率は悪いのだが……手掛かりトークンを活用するデッキ用だろうな。なお、このカードのイラストでは「変なところから目が出てくる」というヤバめの病気の女性が診察されている。実は「手に負えない若輩」のイラストなど、他のカードにもこの「変なところから目が出てくる」現象は確認されており、なんかもう、ゴシックホラーってレベルじゃない気持ち悪さがこの次元に蔓延している様子が窺えるのだ。誰の影響なのかは考えない方向で。

 

Murderer’s Axe 殺人者の斧 (4) U

アーティファクト・装備品

装備したクリーチャーは+2/+2の修正を受ける。

装備・(手札を1枚捨てる)

 そのものずばりな名前が容赦無い装備品。性能としては「ヴァルショクの鉄球(9ED)」だが、設置コストがべらぼうに重く、装備コストは……軽いと見るべきか? マナを使わずにやりくり出来る独特の装備コストは、実際に使ってみれば割と「便利」というポジティブな印象が強いんじゃなかろうか。たかだか装備するのにアドバンテージロスはごめんこうむりたい、という人も多かろうが、現在のスペックならこの規模の装備品の装備コストは2,3マナといったところ。展開中に手を阻害することも多い値段だ。それを共鳴者としても運用しつつ素早くやりとり出来るのだから、頑張って設置した見返りくらいはあるはず。その性質上、マッドネスを多くもつ吸血鬼との相性が良く、速度のある吸血鬼の一撃の重みを増すのに使えそうだ。

 


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