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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 先生からしたらたまったもんじゃない、第6話。あんなちょろっと怒られただけで済んでるのは、相当理解があって優しい先生だぞ。普通に考えて、安全面での責任問題やら何やらが発生するので、先生目線だと今回の小熊の暴挙は本当にありえない。そんな無茶をしちゃうくらいの青春だと言われればそれまでだが……どう見ても「わざわざバイクまで旅先で行けることを見せつけたくて、風邪ひいたって嘘ついた悪い学生」にしか見えないんだよなぁ……。

 カブへの狂信、ここに極まれり。これまで謎に包まれており、そして今後も解明されることがないであろう、小熊と礼子のカブに対する病的なまでの想い。今回もそれが迸っており、しまいにゃ小熊は「ずっと変わらない、変わりたくない」とまで言ってのけている。ちょっと前までカブ無しで平々凡々とした人生を送っていたが、バイク1台で人生が変わったと豪語している奴が何をのたまっているのだという気もするが、それくらいに小熊にとってのカブは「日常」になり、「自身」になってしまったのだろう。冒頭で語られた地味なレベルアップの話とか、もう、正直知識が無い人間からしたら「ほーん……」くらいで終わってしまう話題である。小熊自身も「あんま変わってない」とは言っているが、その語り口や、わざわざ触れているという事実から「私とカブ」の関係性が日々更新されていくのが嬉しくてたまらないようである。その気持ちは構わないが、周りの人間に迷惑だけかけないように頼むぞ。

 そして、カブへの狂信は何も小熊と礼子の2人だけに限った話ではない。いや、まぁ、そこに限った話だからこうしたアニメが作られているのだろうが、2人の代弁者たる製作スタッフの執着もなかなかのもの。正直、中盤の「ひたすら小熊が旅程をたどるシーン」は山も何も無いシーンなのだが(山登ってるけどな!)、もう、とにかく画面上に「走るカブ」を描くことだけを目的に画面が動き続ける。パーキングのカブ、水辺のカブ、ちょっと一息つくカブ。そこに軽く女子高生をひとつまみ。もう、それだけの世界。本当にこの世界はどんな理で成り立っているものかと不安になってくるわ。

 ところで、小熊が風邪ひいたの、絶対普段の食生活が原因だよな。

 

 

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 まだまだ知らないルールはあるよ、第6話。こうして視聴者に無理のない範囲でのルール説明だけをこなしつつ少しずつ教えてくれるのはありがたいのだが、練習試合とはいえ実戦に加わってる宵越がろくにしらねぇでプレイしてるのは流石に問題がある気がするな。宵越、別にバカなキャラじゃないんだから簡単に全部のルール教えておけばいいのに(まぁ、視聴者に対する配慮なんだろうけどさ)。

 今回新たに追加されたルールは「ローナ」。ただ、追加されたってのは語弊のある言い方で、前回「ストラグルされた選手は退場だよ」と言われた時点で、「えっ、じゃぁ全員が退場になったらどうなっちゃうの?」というのは当然の疑問として立ち上がってくるものだった(実際俺も思った)。その答えが、「全員退場したら相手が2点ボーナスの上で仕切り直し」というもの。なるほど、言われてみりゃさほど難しいものでもない。ただ、こうして色々とルールが加わっていくのを見ていると、なんだか当初のカバディのイメージからどんどん離れているように感じる。そりゃま、何にも知らない素人が漠然と持っていたイメージがアップデートされるのだから差が生まれて当然なのだが、単なる鬼ごっこがベースのくせして、確かにこれは考える要素が多い難しいスポーツだ。

 「ストラグルで退場」というルールがあることで、防御側プレイヤーは次のレイダーを保持するためにもどのように相手を捕まえにいくのかを考えなければいけない。例えば攻守に渡って優秀な選手が1人いたとして、その選手が万一ディフェンス時にストラグルされてしまうと、次の攻撃で出すことができなくなる。そうなれば陣内でもなるべく触られにくい位置に置きたくなるが、ただでさえ狭いコートの中、守備側が陣形に縛りを設ければますますやれることが制限されてしまうだろう。ノウキンの場合はレイダータイプとディフェンスタイプの選手がはっきり分かれているのでまだ見やすいが、現実にはそんな明確な区分なんてなかろうし、どのようなフォーメーションで攻守をやりくりするのかはかなり考える要素が多そう。こうしてみると、攻守がはっきり分かれる野球みたいな競技性は意外と日本人向きなのかもしれない(そしてスポーツ漫画向きなのかもしれない)。

 今回はそんな攻守の妙をお互いに展開しつつも、それらのしがらみを打ち払う強豪プレイヤーである高谷が振り回すという格好。高谷は攻守で満遍なく活躍するが、両校の部長という化け物レベルのプレイヤーでも、やはり攻め向きとか、守り向きとか、特性があるために常にやりたい放題とはいかないのが面白いところだ。いや、まぁ、やっぱり部長の能力はおかしいとは思うが……流石に実際の競技イメージで近い選手ってのは実在していると思うのだが(そうであってほしい)、部長のプレイスタイルを現実で見たらどんな印象になるんだろうな。

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 まだ知らないルール多いな、第5話。まぁ、常に視聴者は宵越目線でしか見られないのでしょうがないよね。それこそ素人に一気に全部のルール叩き込まれても覚えらんないし。ウマ娘の時の「いきなり解説モブ」みたいな役割が、今作ではごく自然に客席に生み出せるのはマイナースポーツ・カバディならではの恩恵である(恩恵か?)。

 そしてマイナースポーツなので、やっぱり「よその学校の強豪カバディ部」とかが出てくるとちょっと笑ってしまう。「まぁ、そりゃ探せばどこかにはある部活なんだろうけどさ」って思って試しに「カバディ部 高校」でググってみたら「日本唯一の高校」ってヒットしたんだけど。え、「高校カバディ」って架空の競技なのかよ。スケートリーディングと同じなのかよ。正直そこはびっくりだわ。マイナースポーツの次元が違った……。一応、日本に唯一存在するカバディ部は「全国学生選手権」とかで大学生、社会人を相手に戦っているようだ。まぁ、流石にそれだと漫画で描きにくいからなぁ。ソースによって差はあるが、一応「日本の国内競技人口は300人ほど」とのこと。まぁ、そりゃ「素人」でものし上がるチャンスはあるか。あんだけ作中でマイナーいじりされてるってのに、まだ作品内世界の方がよっぽど恵まれた状況だったっていう。逆にここまでされると「いっそやってみたいかもしれんな……」くらいに思えてくるのが不思議なものである(絶対やらねーけどな)。

 さておき、そんなマイナースポーツでは国内でどれだけ頑張ったところで限界があるので、部長たちはなんと「世界に行ったことがある」という肩書きの保有者。そんな部長も世界ではボコられて帰ってきたとのことで、今後作品が続いたら「世界編」に突入して本場のインドに乗り込んだりする未来もあるんだろうか。「世界のカバディプレイヤー」、もう何も想像できない。インド人だと腕とか足が伸びるくらいしかイメージできない。そりゃ強いわ。まぁ、しばらくは宵越たちには国内で頑張ってもらうしかない。そして、そんな宵越の前に初めて現れた「ライバル」みたいな存在だが、こちらは水泳経験者だったからキャントがやたら長いという能力をもっているとか。まぁ、確かに体力的にも時間的にも余裕があるってのは純粋に強みだよな。普通、どんな競技でもお互いに使える時間なんて一緒なものだが、カバディはそこをキャントという身体行為に置き換えているのは面白いところ。カバディ初心者が思わずひいてしまうあのつぶやきも、実はゲームを構成する大きな要素なのだと理解できる。まぁ、やっぱりみてるとちょっと面白いんだけども……。

 宵越が思い切りいいところを見せて次回から本気の試合といったところ。気になるのは畦道のスタンスよね。宵越からみたら「いい仲間」だし、相応の実力も持ち合わせてるのだろうけど……こうして続々天才型のキャラが出てくると、ああいう地味な性格の味方キャラはどうやって活躍のチャンスを作るか……。

 

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 女子高生が虚空に向かって「ざまあみろ」と言うアニメは名作、第4話。ソースは某南極。

 でさぁ、このバイトなんなの? ごめん、全く知らない概念だったから理解が追いつかなかったのだが……クーリエ? って何? 作中では「2つの高校が書類をやり取りする時に運送する業務」となっていたわけだが、それを学生バイトにやらせるっていう文化がどこかにあるのか。私は寡聞にして聞いたことがないのだが、そういうのが一般的な地域があるんだろうか? あの書類、一体なんの書類なん? 夏休み期間中、ずっと2つの高校が実際の紙の書類を、電信以外の方法で直接やり取りする必要性ってなんなんだろう。しかも学生バイトに任せてるってことはそこまで機密性は高くないんだよね? 流石に毎日運搬する必要がある書類が発生するとは考えにくいのだが……何かそういう場合もあるんだろうと思って「クーリエ 高校生」とかでググっても特にそれらしい実例が確認できなかったんだよなぁ。さらにいうと小熊のバイト初日が7月8日なんだけど、その日って流石にまだ高校あるよね? 夏休みには早すぎるよね? 一応「テスト期間から」って言ってた気もするんだが、その期間の朝一で小熊の手が空いてるのってなんでなんだろう。お前はテスト関係ないんか? どっちの学校にも人の気配がなかったから、多分生徒はもう登校してない前提なんだろうけども……ダメだ、よくわかんねぇ。

 まぁ、とにかくそういうバイトがあるのだろう。どこからの紹介なのかもよくわからないが、「君はカブに乗っているらしいね」から会話が始まるのがこの世界の特徴。「バイクに乗ってるらしいね」じゃないんだよな。そこはカブじゃないとダメなんだ。女子高生がバイク通学をしていると聞き、「それなら運送のバイトやりなよ」って公式に依頼していくる学校、謎である。1往復2000円で、基本は2往復、つまり日給は4000円(引く経費)。一応、相手先との往復時間が1時間半くらいとのことで、経費を引くことを考えても時給にすれば1000円超えとなり、高校生には悪くないアルバイトだろうか。普通のアニメだったらコンビニとかハンバーガー屋とかになりそうなところを、徹底してカブに乗る姿だけで「バイトしてます」という事実を伝えるのは、もう病的と言えるこだわり具合である。惜しむらくは、普段小熊がどこから財源を得て生活しているかがさっぱり分からないので、今回のバイト代の収入が、彼女にとってどれだけの大事件なのかが分からないところだが。

 そうしてバイトをすることで生じるバイクのメンテも見どころで、今回はオイル交換だけでたっっっぷりと尺を取っている。単にレンチで必死にボルトを外すというだけの行為でも、初めてやるなら大冒険。オイルの汚れも落ちぬ黒い爪を見ながらのガッツポーズに小熊の達成感が伺える。ああして1つ1つ、自分ができなかったことができるようになるという快楽というのは、別に大冒険をせずとも日常でいくらでも味わえるものだ。「行動範囲が広がった」というシンプルな充足感もあり、本当に、ただ走っているだけでも物語が成立するあたりは相変わらず珍妙すぎる作品である。

 なお、バイトを始めるにあたりコメリでシューズを物色する女子高生もなかなか他の作品ではお目にかかれない。この世界のコメリ万能説。

 

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 試合中だと何を言おうとしても「カバディ」になるの面白いな、第4話。つい最近まで、何するにもシャケとかオカカしか言わん奴がおったが、なんか似たようなテンションである。カバディ。

 部長登場。1話の時点でその存在は匂わされていたが、なるほどどうして曲者である。ここまで丁寧に3話かけて説明してきたカバディの勘どころを宵越が理解したところで、さらに「理解不能」を持ち出すことでその異質さを発揮させるあたりは丁寧な筋運び。そこでさらに宵越自身の特異性も匂わせてさらなるステップアップの伏線にしているあたりも色々と想像させてくれる部分だろう。

 しかし、こうして魔法のような能力が出てくるってのも諸刃の剣。ここまで丁寧に積み上げてきたカバディの面白さはある程度事実に基づいたものだっただろうが、さて、部長の能力はそうしたカバディ業界の常識に収まるものなのか、「黒子のバスケ」みたいな能力者バトルに突入する前触れなのか。どこぞのテニスみたいになったらそれはそれで面白いが、今作の導入から考えて、おそらく部長の能力も「上手なカバディ」の範疇に収まるものなのだろう。まだまだ宵越目線では「謎」であるが、そこを解明し、さらなる戦略性を加えた時、またカバディが一回り面白くなるに違いない。

 しかし、公式戦に人数足りないはずなのにこんだけ部員全員が活き活きしてる部活って……。

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 やっぱどっかイカれてるアニメ、第3話。これまでよりもサスペンステイストは減った気はするんだけど、的確にどこか狂ってる気がするんだよなぁ。「親はいない、友達もいない、でも、カブがある」じゃないが。

 そもそも「カブ乗り」っていう単語が一般性を持つ世界って正しいんだろうか。「バイク乗り」じゃねぇんだよ、「カブ乗り」なんだよ。これまでバイクのことなんかさっぱり興味がなかったはずの小熊が、何の因果かカブに乗るようになり、もっとも頭のおかしい礼子の影響で、いつの間にか自分のことを「カブ乗り」だと認識するようになっている。いいのかそれで。いや、いいんだけどさ。

 今回も本当に恐ろしいのは、作中で起こった事件がほとんどないこと。「箱がついた」「ゴーグルを買った」の2つは本当にどうでもいいことなのだが、それがさも大事件であるかのように1話を彩るトピックになっている。まぁ、幸い今回は「礼子と『友達』(もしくはそれに類する何か)になった」という一大事件があったおかげで全てはそのための布石だと受け取ることもできるのだが、2話目時点であれだけ接触してたのに、3話終わりでようやく携帯番号なのかよ、っていうのも割と驚きだ。昨今のアニメ界隈の「女子高生どうしの関係」ではなかなか考えられないことである。他にも小熊&礼子の関係性というのは常にどこかで不協和音を奏でているようなザワリとする感触があって、例えば冒頭では礼子の強引な誘いによって小熊がカレーをレンチンできず(おっちゃんからすると高校の教室にレンジがあるのも驚きなのだが)、その結果冷たいカレーを食わされることになっている。平然と「冷たいカレーはうまいか?」と聞いてくる礼子に対して小熊は釈然としない表情を見せており、この2人の関係性が必ずしも100%のマッチングを見せているわけではないと示唆している。これまで「友達はいない」と自認してきた小熊にとって、友達づきあいの距離なんてものはわからず、礼子に振り回されるようにして昼飯に付き合わされるのも、決してプラスの感情ばかりではないはず。

 その後にも、例えば小熊がメットのことが知りたくて「メットを見せて欲しい」といった時も、小熊は礼子がパンを食っている途中だってんで気を使って「食べ終わってから」と一言添えているのだが、礼子は完全無視で即座にメットを引っ張り出している。礼子からすれば自分の持ち物を自慢できるタイミングなのでできる限り早く見せたかったというのもあるだろうが、この辺りも二人のリズムがかみ合っていない印象を与えるのだ。世にある「女子高生の関係性アニメ」の中では異質な、「友達未満」の濃密な関係という変な図式。そうして「まだずれてんなー」という印象を与えておいて、最終的に携帯の番号を渡してステージを1つあげるのである。変なとこに注目しすぎだ。

 こうして事件性に欠けるはずの画面なのだが、何故か30分が長くは感じない。比較対象として面白いのは前クールの「のんのんびより」の演出方向で、あちらは確実に「止めている」ことを意識させる作劇である。「止まってるな、ちょっと異質だな」ということを視聴者に気づかせた上で、「いつまで止まるんだ?」「何で止まるんだ?」ということを意識させてそこにある「時間」を汲み取らせようという狙い。それに対し、今作も台詞無しのオブジェクトでつなぐカットがかなり多いのだが、やはり「バイク」がテーマの作品であるだけに、決して「止まる」印象は与えない。常に画面のなにかは動いているか、カメラにモーションをつけるか。そうして「時間のゆるやかさ」を意識させる作劇。また、音響もそうした動静のリズムを敢えて乱しているような印象があり、最初に土産を買いに行った時の無駄にジャジーなBGMとか、音の際立ちが変な方向に尖っている。カット割りも含めて、常に画面に何か1つは「気にさせる要素」を残そうとしているかのようである。

 まぁ、落ち着かないと思い込んでる分、勝手にこっちが読み込んじゃっている可能性もあるのだが……結論としては、やっぱ変なアニメだ。

 

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 ふつーに面白い、第3話。ぼちぼち今期作品も出揃ってきたので、個別に楽しいアニメを気にしていきましょう。

 1話2話も悪くない作品だったが、この3話でめでたく宵越が正式な入部。ようやく「序章」が終わったところだろうか。今作の嬉しいところは、スポ根漫画としてのデザインが素直で見やすいというのはもちろんだが、その中でカバディというよく分からないスポーツの楽しみ方がなんとなく伝わってくるところ。正直、1話目で先輩連中のチェーンの話とかをされても「本当にそんなんで効率よく試合できるのかしら?」とピンとこなかった部分があったが、我々と同じ素人目線の宵越が自分の頭で考えて勝つための作戦をめぐらせ、その試行錯誤の結果として最後のチェーンにたどり着いた様子を見せられると、なるほどそのあたりの使い方が勝負の妙味なのか、ということが(本当かどうかは分からないにせよ)伝わってくる。他にも攻め側の「触りゃいいんだからそれだけなら簡単なんだけど、逃げる時の距離や体制をキープしなきゃいけない」というジレンマや、守備側の「倒すだけじゃん」という簡単そうに見えるアクションが実は複雑な作戦プロセスに基づいて一瞬一瞬の判断が求められているのだ、という部分などが、単なるお仕着せの説明ではなく、試合中の宵越の必死の思考から自然に勉強できるようになっている。なるほど、やり込んだら本当にハードなのだろうし、それだけにやりがいのありそうなスポーツである。

 そして、やってること自体は単なる鬼ごっこというシンプルさがあるおかげで、コート内でのプレイヤー間の関係がそのまま人間関係に還元されるという構造もわかりやすくて良い。具体的には宵越と畦道の関係がこれ以上ないくらいに分かりやすい友情形成を行なっており、凸凹ながらも気持ちの良い関係性を育んでいる。野郎だらけのスポ根作品でこういうのを見せられると、素直に良いと思えてしまうね。

 これでひとまず初級編が終わりかな。今後、正式な試合が始まればもっといろんなところから刺激が得られそうである。

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 あのタイプの牛丼、実際には肉が数切れしか入ってない奴だ……第2話。まぁ、女の子の弁当なんてそんなもんで大丈夫?

 諸事情により、わざわざ記事立てするのがなんか癪な作品なのだが、2話目がなんか刺さってしまったので悔しいが書く。なるほど、1話目で分からなかった方向性が2話目で何となく見えてきた。1話目で「これ、どういう話に持っていくんだろう」とか、「完全にホラーの文法じゃん」みたいなことを書いたのだが、なるほどこういう話になっていくのか。そして「ホラーの文脈」というのは、すなわち「次に何が起こるかを予測させず、常に目をひく演出技法」の表れであった。まぁ、極力台詞を廃し、ただ情景だけで見せていく緊張感がホラーっぽいとも言えなくはないのだけども。

 1話目でびっくりしたのは「単に女子高生が原付買っただけ」というので話が終わったのに不思議と共感があったという部分で、2話目についてもこの方向性は一緒。何しろ「なんか友達が1人できた」で終わったのだ。こんなにも事件性に乏しいアニメは、いわゆる「日常系」を含めてもそうそう無いだろう。何しろ日常系萌えアニメで必須の「友人たちの交流」すらもろくに描写されていないのだから。しかし、時間は短いながらも「礼子」との馴れ初めは鮮烈だった。それこそ、その1トピックで1話分を成立させてしまうくらいに。この密度、この速度で描かれるなら、そりゃ1クール作品になってしまうのも当たり前だろう。いや、でもこれって小説原作なんでしょ? いったいどんな文章で物語が綴られているものやら……。

 一応、興味を惹かれた点をもうちょい具体的に書いていくと、Aパートではバイクを駐輪場に停めた後にミラーで髪を直すところでちょっとニヤリとさせられる。予鈴がなって慌てていたはずのタイミングで、主人公(小熊って名前らしい)がわざわざ一回立ち止まってミラーを見る行為は、本来なら必要ないものなのだが、そこにミラーがあるという事実が昨日までの日常とは違っていることが表れていて、1話目でも執拗に描かれていた「新しい体験ができている」という喜びが滲み出ているカットになっている。

 そして教室でのシーン構成がまさに「目をひくための構造」。いきなり「バイク買ったんだ!」と叫ぶ小熊。教室一同大歓声。「なんやこの頭のおかしい展開は!?」と混乱するも、それが小熊の脳内世界の話だとすぐに判明して「どないやねん!」と突っ込んでしまう。しかし、このヘンテコ妄想が、これまで人付き合いなどほとんどやってこなかった「ないないの少女」の感情の発露かと思うと非常に滑稽で、何だかしっくりくる。そして次は家庭科の時間。突然「バイク乗ってんですわ」と言って、新たな友達「礼子」にロックオンさせるシーン。ここで視聴者は判断を迫られる。「あれ? なんか突然雄弁になったし、急にクラスメイトが寄ってくるなんて辺な展開だぞ? またこいつの妄想と違うか?」と。そして放課後、実際に小熊は礼子の後ろ姿だけをみてそっと教室を立ち去る。「やっぱり放課後の約束なんかしてなかったんじゃん! 妄想乙!」と事前の展開を受けて流れがひっくり返るのだが、そこに今度は礼子がやってきて「さぁ行こう」と駐輪場に引っ張られる。「妄想じゃなかったんかい!」という二重のひっくり返し。あれだけ台詞が少なく、要素も無い中で、ここまで視聴者をハラハラさせて、「気にさせる」演出は見事である。気づいたら見事にこの世界観に飲まれている。

 他にも、例えば登校時の何気ないシーンで十字路の遠景を写して視聴者に「通学路は画面上から下だぞ」というのを印象付け、帰宅時にそこを右折させることではっきりと「変化」を示すように描かれているし、そうまでして作り出した日常の変化の果てにたどり着いたのが「今までより安い牛丼」というどうでもいいものだったのもやたらと説得力がある。さらに、1つ隣のコメリには行かずに戻ってくるというのも恐ろしい。「変化したんだ!」ということを示そうとすると殊更にそれを英雄視したくなるものだが、この作品はそうじゃない。あくまでちょっと。あくまで1つ。そういう日々の変化を楽しむのである。いや、コメリは寄ったらええとは思うが。なんか、「よりもい」1話のキマリの電車の話に通じるものがあるわね。

 これ、もしかしたらバイクに乗りたくなるオタクは増えるかもしれんな。

 

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 一切ひねり無し! 最終話! まぁ、そりゃこの作品はこうあるべきなのだろうが……ほんと、毎度のことながらスーパーヨシカチャンつぇえなぁ。

 色々とオプションは想像していたのだけれど、小細工はゼロ。とにかく今まで通りを今まで以上に、宮藤パワーは世界一ィィィ! なのである。何故魔法力が戻ったのかの説明は一切無い。でもしょうがない、それが大和魂ならぬ扶桑魂なのだ。宮藤芳佳なのだ。自分のことを守るために命を賭して戦った後輩を見て、彼女の義憤パワーが大爆発。生来持ち合わせていた「魔力タンク属性」が爆裂し、一気に魔法力が溢れ出した。トランザムも斯くやという圧倒的出力で、雑魚ネウロイはもちろん、親玉ネウロイたちの一斉掃射にもビクともしない。挙句シャーリーすら音をあげたボスネウロイの逃亡ムーブを余裕で補足し、スピードキングの称号すら手にしてしまう。まぁ、これも自分の特性にあった究極ユニットあってのことなのかもしれないが。とにかく、芳佳ちゃんに隙は無し。有象無象は道をあけるしかないのである。

 綺麗な予定調和なので何もツッコミどころはないのだが、唯一惜しかったことをあげるとするなら、結局服部は501の中でも微妙にはみ出した扱いになってしまったことが今後に禍根を残すだろうか。そりゃまぁ、今回は命がけで芳佳ちゃんを守り抜き、彼女の覚醒の火種となったのだから殊勲賞には違いないが、そのせいでラストバトルのどんぱちフィーバーに加わることができず、華々しい最後の花道を飾れなかった。最終ミッション達成後に芳佳ちゃんに真っ先に飛びついたのは、残念ながら静夏ではなくてリーネちゃんである。まぁ、こればっかりはどうしようもないのかな……。しかしまぁ、さしものリーネちゃんでも「三途の川を渡りながら芳佳ちゃんを支援する」ってところまでは行ったことがないわけで、今回の一件で芳佳ちゃんファンクラブの中でも服部静夏の株が大きく上がり、いよいよここからリーネちゃんとの正妻戦争へと突入していくのかもしれない。なお、最後に勝つのは武力のバルクホルンさんである(俺調べ)。

 さぁ、これでベルリンも無事に奪還して、地球上に残っているネウロイはどの程度になるのだろう。多分、まだまだ戦争は終わらんのだろうなぁ。

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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